説明

熱可塑性重合体の艶消し性を改善させるための無機充填剤

本発明は、熱可塑性重合体組成物、特に、熱可塑性重合体組成物から得られた糸の艶消し性、特にフロック加工用の熱可塑性重合体組成物の繊維の艶消し性を改善させることを目的として、無機充填剤混合物を使用することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性重合体組成物の艶消し性を改善させることを目的として無機充填剤の混合物を使用することに関する。また、本発明は、艶消し剤としてのこの無機充填剤混合物を含む熱可塑性重合体組成物並びにこれらの組成物から得られた糸、繊維、フィラメント及び物品に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性重合体は、特に織物の分野においては、糸、繊維及びフィラメントの形で、天然製品の代替物として(天然製品は利用可能性が低く及び/又はコストが高いため)長年にわたって広く使用されてきた。
【0003】
しかしながら、熱可塑性重合体による天然製品の代替は、機械的強度及び耐化学性と感触、外観などの両方に関して、最終製品における品質の差につながる。
【0004】
機械的強度及び耐化学性の面について多くの進歩が達成されてきたことはすでに周知であるが、最終消費者は、しばしば、熱可塑性重合体が、特に繊維の形態のときに、それらの天然同等品と比較して光沢がありすぎると苦情をいう。
【0005】
この理由のために、長年にわたって、熱可塑性重合体を可能な限り艶消しにしようとする試み、即ち、これらのものに一層の艶消しを与え或いは光沢の少ない外観にしようとする試みがなされてきた。
【0006】
従来技術は、熱可塑性重合体の艶消し性を改善させることを可能にする多数の方法を提供しており、そして特に、二酸化チタン(TiO2)又は硫化亜鉛(ZnS)のような無機充填剤を合成繊維、例えばポリアミド又はポリエステルの中に取り入れると、用途の大部分について比較的満足のいく、さらには許容できる艶消し指数を生じさせ得ることが知られている。
【0007】
これは、熱可塑性重合体組成物について高い艶消し性を与えることができる添加剤のうち、二酸化チタンが今日では等量の添加剤に対して最も良好な艶消し指数を与えるものであると思われるからである。熱可塑性重合体、特にポリアミドの艶消し性をさらに増大させるためには、重合体組成物中のTiO2レベルを増大させることが予想されるであろう。
【0008】
しかしながら、二酸化チタン量の増加は、非常に僅かな艶消し性の増大を生じさせるに過ぎず、しかも特に、比較的高レベルの二酸化チタンでは、熱可塑性重合体組成物の物理的特性及びそれらの加工性が大きく悪化する傾向にあることが言及されている。
【0009】
それらの機械的性質の有害な変化及びより貧弱な加工性以外に、重合体組成物中の充填剤量の増加は、最終製品のコストを実質的に増加させるという不利益をも示す。
【0010】
引き続き、従来技術において知られている艶消し性よりも大きな艶消し性を示し、しかも艶消し充填剤の重量パーセントが所望の用途並びに加工性及び物性と適合する熱可塑性重合体に対する要望がある。
【0011】
文献には、熱可塑性重合体であって、該重合体に難燃性、蛍光性、不透明性、ホワイチング、艶消し性、多孔性などの特性を与えることを可能にする様々な無機充填剤を含むものの多数の例が提供されている。
【0012】
しかして、米国特許第6071612号には、硫化亜鉛(ZnS、0.1重量%〜3重量%の割合)或いはTiO2+ZnSの混合物を含むポリエステル糸、繊維又はフィラメントが開示されている。2つの実施例には、重合体の総重量に対して合計2.17重量%及び2.4重量%を占めるTiO2+ZnSの混合物がポリエステル組成物の白色度を増大させ且つその感触を向上させることを可能にすることが示されている。これは、ポリエステルベースの組成物が黄色に変化する傾向を有し、しかもその目的が特にこれらの組成物の白色度を増大させることであるためである。
【0013】
従って、硫化亜鉛は、ポリエステル組成物の白色度(ルミネセンスにより表される白色度)を有意に増大させることが立証されている。しかしながら、この白色度という概念は、本願において得ようとする艶消し外観とは何ら関連がない。当業者であれば、2種の類似する「白色」の比較的艶のない外観を評価し且つ区別する方法を熟知している。
【0014】
国際公開WO−A1−99/67451号は、二酸化チタンの代わりに硫化亜鉛を熱可塑性重合体に添加すると、フロック加工を目的とした繊維の裁断のために使用されるナイフブレードの摩耗を有意に低減させることが可能であることを教示している。この硫化亜鉛の重合体への添加量は、実施例では1.5重量%である。この量は、充填剤として1.5%のTiO2を含む同一の重合体に類似する艶消し性を生じさせるのに十分なものとして与えられる。
【0015】
特開昭50−123097号公報には、艶消し剤として、相当する塩化物の同時酸化によって製造された二酸化チタン/シリカ錯体を使用することが開示されている。ここでは、無機充填剤の組み合わせを問題としておらず、むしろ艶消し剤として使用できる新規なタイプの無機充填剤を形成させることを問題にしている。
【0016】
特許DD273843号には、その一部分について、二酸化チタンの一部分を純粋に経済的理由のために硫酸バリウムで置換する、ポリアミド又はポリエステル重合体繊維を艶消しにするための方法が開示されている。この艶消し効果は、1.0重量%及び1.3重量%の全量の無機充填剤に対して、「タウバー白色度」指数を使用して測定され、そして二酸化チタン単独での該白色度と匹敵すると評価されている。
【特許文献1】米国特許第6071612号明細書
【特許文献2】国際公開99/67451号パンフレット
【特許文献3】特開昭50−123097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の第1の目的は、改善された熱可塑性重合体の艶消し性を得ることを可能にする無機充填剤を提供することからなる。
【0018】
本発明の別の目的は、等量のTiO2単独で得られる艶消し性に対して改善された熱可塑性重合体の艶消し性を得ることを可能にする無機充填剤を提供することからなる。
【0019】
さらに別の目的は、次の発明の詳細な説明で明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者は、驚くべきことに、上記の目的が、熱可塑性重合体組成物の添加剤として、該重合体組成物の艶消し度を改善させるために無機充填剤の混合物を使用することによって全て又は部分的に達成できることを発見した。
【0021】
より具体的には、本発明は、まず第一に、熱可塑性重合体組成物の添加剤としての無機充填剤混合物の、該組成物の艶消し性を改善させるための使用において、該混合物が、硫化亜鉛(ZnS)、二酸化チタン(TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、シリカ(SiO2)、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び艶消し用クレーから選択される少なくとも2種の無機充填剤を含むことを特徴とする、熱可塑性重合体組成物の添加剤としての無機充填剤混合物の使用に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書において、用語「艶消し性」とは、「光沢性」の対義語であると理解すべきである。用語「艶消し用クレー」とは、当業者に知られており且つ熱可塑性重合体の艶消し剤として使用されるクレーを意味するものとする。
【0023】
これは、本発明者が、熱可塑性重合体組成物の添加剤として上に列挙した無機充填剤のうち少なくとも2種の無機充填剤の混合物を使用すると、等量の単一の艶消し剤(特に二酸化チタン単独)を同一の熱可塑性重合体組成物に添加することによって得られるであろう艶消し性に匹敵し、それどころかさらに良好な艶消し性を得ることが可能になることを発見したためである。
【0024】
艶消し剤として組み合わせで使用される無機充填剤は、一般に、小さな粒子、好ましくは約ミクロン又はミクロン以下の寸法の形態で与えられる。これは、これらの粒子の寸法が依然として熱可塑性重合体組成物の処理加工の際の制約、特に糸、繊維又はフィラメントの製造についての制約と両立できなければならないからである。
【0025】
さらに、これらの粒子は、有利には、例えば、これらのものを様々な化学的又は物理的攻撃に対して保護するために、或いは該粒子をこのものが取り込まれる様々な成分に対して不活性にするために被覆され得る。被覆剤は、当業者に周知の薬剤から選択され、そしてさらに、使用される様々な無機充填剤の固有の艶消し特性を妨害してはならない。
【0026】
また、担体上の被覆粒子の形態の無機充填剤を使用することも有利であり得る。該担体は、好ましくは、例えばシリカ、アルミナなどのような無機であろう。
【0027】
好ましい具体例によれば、本発明は、熱可塑性重合体組成物の添加剤としての無機充填剤混合物の、該組成物の艶消し性を改善させるための使用において、該混合物が硫化亜鉛(ZnS)、二酸化チタン(TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)及びシリカ(SiO2)から選択される少なくとも2種の無機充填剤を含むことを特徴とする、熱可塑性重合体組成物の添加剤としての無機充填剤混合物の使用に関する。
【0028】
以下に記載される使用については、2種の無機充填剤又は3種の無機充填剤、さらには4種の無機充填剤を含む混合物が好ましく、特に、硫化亜鉛と二酸化チタン、硫化亜鉛と硫酸バリウム又は硫化亜鉛とシリカを含むもの並びに二酸化チタンとシリカを含むものから選択される2種の無機充填剤を含む混合物(二成分混合物)が好ましい。
【0029】
本発明に従う使用のために特に好ましい混合物は、硫化亜鉛と二酸化チタンを含むもの並びに二酸化チタンとシリカを含むものである。
【0030】
本発明によれば、上記の無機充填剤の混合物は、艶消し剤として使用され、そしてこの点で、重合体組成物、特に熱可塑性重合体組成物、例えば、織物の糸、繊維、フィラメント及び物品の製造のために織物の分野において使用されるだけでなく、圧延、引抜成形、押出、押出吹込成形などによって加工される重合体組成物の艶消し性が望まれている多数の他の分野においても使用されるものの添加剤として使用される。
【0031】
艶消し剤として使用される無機充填剤の混合物は、有利には、例えば、糸、繊維及びフィラメント用の処方物をサイジングする際などに添加剤として使用され得る。
【0032】
本発明の特定の具体例によれば、重合体組成物の総重量に対する無機充填剤混合物の重量割合は、1.5重量%以上、好ましくは2重量%以上、より好ましくは2.5重量%以上である。
【0033】
化学的特性、物性及び機械的性質の理由のため、艶消し剤として使用される無機充填剤の、重合体組成物の総重量に対する重量割合は、10重量%以下、好ましくは7%以下、有利には4%以下である。
【0034】
しかして、本発明によれば、上記のような無機充填剤の混合物を使用することが可能であり、ここで、該混合物を構成する充填剤のそれぞれは、任意の割合で存在する。例として(限定するものではない)、該二成分混合物の無機充填剤は、本発明の使用において、1:99〜99:1、好ましくは20:80〜80:20、特に40:60〜60:40に変化する重量割合、具体的にはほぼ50:50の重量割合で使用されるであろう。
【0035】
本発明の好ましい具体例によれば、本発明は、熱可塑性重合体組成物用艶消し剤としての無機充填剤混合物の使用において、該混合物が二酸化チタンと硫化亜鉛を任意の割合で含むことを特徴とする、熱可塑性重合体組成物用艶消し剤としての無機充填剤混合物の使用に関する。
【0036】
さらに、驚くべきことに、上に定義されるような無機充填剤混合物を使用すると、このものが添加される熱可塑性重合体組成物において、二酸化チタン、硫化亜鉛、硫酸バリウム又はシリカから選択される単一の無機充填剤を使用することによって得られる艶消し度と匹敵する又はそれよりも大きな艶消し度が生じる。
【0037】
特に、二酸化チタンと硫化亜鉛との間で、特にこれらの充填剤が1の比又は1付近の比で使用されるときに、もっぱら有利な相乗効果が観察できた。TiO2/ZnSの1:1混合物の量で観察される艶消し度は、等量のTiO2単独又は等量のZnS単独で観察されるものよりも大きい。
【0038】
その他の同等の相乗効果が、例えば、複合物ZnS/BaSO4、ZnS/BaSO4/TiO2、ZnS/SiO2、ZnS/SiO2/TiO2及びTiO2/SiO2のような他の無機充填剤混合物でも観察できた。添加剤としてこれらの混合物を含む熱可塑性重合体組成物のうちいくつかは、等しい充填剤レベルで、これまで従来技術に開示された技術では決して観察されなかった艶消し度を有する。
【0039】
本発明において使用できる熱可塑性重合体組成物は、1種以上の熱可塑性重合体からなる熱可塑性重合体マトリックスを含む。しかしながら、当業者に知られている任意の重合体マトリックスが本発明において使用できることを理解すべきである。
【0040】
本発明において、重合体マトリックスとして好適であり得る熱可塑性重合体の例としては、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)及び同族の重合体のようなポリラクトン;1,5−ナフタリンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニルジイソシアネート、4,4'−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニルジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン及び同族の化合物のようなジイソシアネートと、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4'−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(2,3−ブチレンスクシネート)、ポリエーテルジオール及び同族の化合物のような長鎖を有するジオールとの間の反応によって得られるポリウレタン;ポリ[メタンビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1−エーテルビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[ジフェニルメタンビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1−シクロヘキサンビス(4−フェニル)カーボネート]及び同族の重合体のようなポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテル;ポリケトン;ポリ(4−アミノ酪酸)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)、ポリ(m−キシリレンアジパミド)、ポリ(p−キシリレンセバカミド)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)及び同族の重合体のようなポリアミド;ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン1,5−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)、ポリ(p−ヒドロキシベンゾエート)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及び同族の重合体のようなポリエステル;ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンオキシド)及び同族の重合体のようなポリアリーレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド及び同族の重合体のようなポリアリーレンスルフィド;ポリエーテルイミド;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニリデンのようなビニル重合体及びそれらの共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体及び同族の重合体;ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸n−ブチル、ポリメタクリル酸n−プロピル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸のようなアクリル重合体、ポリアクリレート及びそれらの共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、メタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、ABS及び同族の重合体;低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、低密度塩素化ポリエチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリエチレン、ポリスチレン及び同族の重合体;イオノマー;ポリエピクロルヒドリン;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビット、ペンタエリトリット、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及び同族の化合物のようなジオールと、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び同族の化合物のようなポリイソシアネートとの重合生成物のようなポリウレタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと4,4'−ジクロルジフェニルスルホンとの間の反応生成物のようなポリスルホン;ポリフランのようなフラン樹脂;酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び同族の重合体のようなセルロースエステルプラスチック;ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン−コ−フェニルメチルシロキサン及び同族の重合体のようなシリコーン並びに上記重合体の少なくとも2種のブレンドが挙げられる。
【0041】
本発明の特定の選択肢によれば、熱可塑性マトリックスは、星形又はH形マクロ分子鎖と、しかるべき場合には線状マクロ分子鎖とを含む重合体である。このような星形又はH形マクロ分子鎖を含む重合体は、例えば、仏国特許第2743077号、同2779730号、米国特許第5959069号、欧州特許第0632703号、同0682057号及び同0832149号に開示されている。
【0042】
本発明の別の特定の選択肢によれば、本発明の熱可塑性マトリックスは、不規則樹状型の重合体、好ましくは不規則樹状構造を示すコポリアミドである。不規則樹状構造を有するこれらのコポリアミド及びそれらの製造方法は、特にWO99/03909号に開示されている。
【0043】
また、本発明において規定されるような熱可塑性マトリックスは、上記のような、線状熱可塑性重合体と、星形、H型及び/又は不規則樹状熱可塑性重合体とを含む組成物であることもできる。
【0044】
本発明の目的の範囲内において、熱可塑性重合体組成物は、WO00/68298号に開示されるようなタイプの高分岐コポリアミドを含むこともできる。勿論、本明細書において言及した組成物は、上記の星形、H形若しくは不規則樹状熱可塑性重合体又は高分岐コポリアミドの任意の組み合わせを含むこともできる。
【0045】
本発明において使用できる他のタイプの重合体マトリックスとしては、熱安定重合体が挙げられる。これらの重合体は、好ましくは、不溶解性であり、又は180℃以上、好ましくは200℃以上、さらにはそれ以上の軟化点を示す。
【0046】
これらの熱安定重合体は、例えば、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、例えば、ポリトリメラミドイミド、又はポリイミド、例えば、商品名P84の下に商業上知られている欧州特許第0119185号に従って得られるポリイミドから選択される。芳香族ポリアミドは、欧州特許第0360707号に開示されるようなものであり得る。これらのものは、欧州特許第0360707号に開示された方法に従って得られ得る。
【0047】
これらの重合体マトリックスのうち、具体的には、ポリアミドベースのマトリックス、特にナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4、ナイロン4,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6,36及びナイロン12,12のような半結晶質ポリアミド並びに商品名Amodelの下に販売されているポリアミドのような、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸から得られる半芳香族ポリアミド;PET、PBT又はPTTのようなポリエステル;ポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリオレフィン;芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド又はポリイミド;アクリル酸及びウレタンラテックスのようなラテックス;PVC、ビスコース、セルロース又は酢酸セルロース或いはそれらの共重合体並びに混合物が挙げられる。
【0048】
熱可塑性重合体組成物は、使用できる任意の他の添加剤、例えば、補強充填剤、難燃剤、UV安定剤、熱安定剤、及び、例えば本発明において規定されるようなその他の艶消し剤、並びに当業者に知られているその他の薬剤をさらに含むことができる。
【0049】
本発明の別の主題は、艶消し剤として上に定義されるような無機充填剤混合物を含む熱可塑性重合体組成物の製造方法に関する。様々な充填剤を当業者に周知の任意の手段に従って重合体組成物に添加することができる。しかしながら、これらのうち、これらの充填剤を該マトリックスの溶融流れ又は重合体組成物の溶融流れへの供給によって或いはマスターバッチの手段によって添加することが好ましい。
【0050】
別の側面によれば、後者の2つの供給方法である溶融流れへの供給とマスターバッチとを組み合わせることを想定することが可能であり、さらにはこれらを組み合わせることが好適である。
【0051】
本発明に従う無機充填剤の添加方法の別法によれば、無機充填剤は、上記の供給方法の一つ以上に従って、別々に添加できる。従って、例えば、一方の充填剤は溶融流れに供給され得ると共に、他方のものはマスターバッチを介して供給されるであろう。
【0052】
マスターバッチは、10重量%〜60重量%、好ましくは20重量%〜50重量%、有利には30重量%〜40重量%の量の無機艶消し充填剤を含むように製造されるであろう。
【0053】
組成物の総重量に対して、艶消し剤として無機充填剤混合物を0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは1.5重量%以上の割合で含む熱可塑性重合体組成物(該組成物は上に定義される通りである)は新規であり、しかして本発明の別の主題をなす。
【0054】
しかしながら、マトリックスがポリエステルであってそれにTiO2及びZnSからなる無機充填剤混合物が添加されたものを含む組成物は、本発明から除外される。このような組成物は、本明細書において上に検討した米国特許第6071612号に開示されている。
【0055】
上記組成物のうち、ZnS/TiO2、ZnS/SiO2、ZnS/SiO2/TiO2及びTiO2/SiO2から選択される特定の無機充填剤混合物を含むものが好ましいが、ただし、二酸化チタン及び硫化亜鉛の二成分混合物を含むポリエステルマトリックスを有する重合体組成物は除くものとする。
【0056】
また、艶消し剤として、ZnS/TiO2、ZnS/SiO2、ZnS/SiO2/TiO2及びTiO2/SiO2から選択される無機充填剤混合物(硫化亜鉛をベースとする混合物が非常に好ましい)、特に硫化亜鉛をベースとする二成分混合物、特にZnS/TiO2混合物を含むポリアミドマトリックスを有する熱可塑性重合体組成物も好ましい。
【0057】
しかして、上に定義されるような無機充填剤の混合物を含む熱可塑性重合体組成物は、もっぱら有利な艶消し度を示すことが分かった。
【0058】
さらに、特に二酸化チタン、硫化亜鉛、硫酸バリウム及びシリカから選択される無機充填剤の混合物で観察される驚くべき相乗効果のため、観察される艶消し度は、等量の艶消し剤(この艶消し剤は、上に列挙した無機充填剤のうちのただ一つのみを含む)を含む類似の熱可塑性重合体組成物について観察される艶消し度に匹敵するか、又はそれよりも大きい。
【0059】
また、本発明は、上記の組成物であって本発明に従う無機充填剤混合物が使用されたものから得られた物品、特に糸、繊維及びフィラメントに関するものでもある。これは、これらの組成物が、例えば、射出成形又は押出によって成形物品に成形され得るからである。また、これらのものは、紡糸によって糸、繊維及びフィラメントに成形され得る。
【0060】
糸、繊維及びフィラメントの場合には、これらのものは、例えば、添加剤として本発明に従う充填剤の混合物を含む組成物を溶融紡糸し又は潤紡することによって得られ得る。このときに、これらの組成物は、例えば紡糸装置の上流で、好ましくはブレンド装置内にある溶融重合体に無機充填剤を導入することによって製造される。また、これらのものは、例えば潤紡用の装置の上流で、重合体溶液に無機充填剤を導入することによっても製造できる。
【0061】
本発明の組成物を紡糸することによって、例えば、連続マルチフィラメント糸、短繊維又は長繊維、モノフィラメント、繊維用の紡績糸、ラップ、篠、トウなどを得ることが可能である。また、得られる製品は、特に、カーペット(床全面に敷き詰められるカーペットを含む)のような織物カバーの製造のために使用されるバルク連続フィラメント(BCF)であることもできる。
【0062】
延伸、織り込み、染色などのような、織物の分野において慣用されている処理法の全てが、本発明において提供される熱可塑性重合体組成物から得られた糸、繊維及びフィラメントに適用できる。織物糸、繊維又はフィラメントの分野においては、艶消し剤として使用される無機充填剤の粒子の小さな寸法(ほぼマイクロメートル、さらにはマイクロメートル以下、例えばほぼ0.3μm)が特に紡糸方法において有利である。
【0063】
また、本発明は、上記の糸、繊維又はフィラメントから得られた物品に関するものでもある。このような物品は、特に、単一型の糸、繊維若しくはフィラメントから得られ、又は、対照的に、異なるタイプの糸、繊維若しくはフィラメントの混合物から得られ得る。
【0064】
この物品は、少なくとも部分的に、本発明において提供される熱可塑性重合体組成物から得られた糸、繊維又はフィラメントを含む。また、この物品は、その他のタイプの糸、繊維又はフィラメント、例えば、本発明に従う無機充填剤の混合物を含まない糸、繊維又はフィラメントを含むこともできる。所定のタイプの糸、繊維又はフィラメントについて、異なる性質の糸、繊維又はフィラメントが本発明の物品において使用できる。
【0065】
物品としては、例えば、織物物品、非織物物品又は編み物物品が挙げられる。また、本発明は、複合物品、即ち、いくつかの部品を含む物品に関するものでもある。これらの部品は、例えば、短繊維、裏地及び糸、繊維又はフィラメントから得られた物品、例えば織物物品、不織物品などのような物品であることができる。
【0066】
複合織物物品としては、フロック加工された表面であってその主成分が一般に短繊維、接着剤及び裏地であるものが挙げられる。また、特に床全体に敷き詰められるカーペット、家具又は壁用のカバーなどに使用されるタフテッド表面であって、その主成分が一般に糸、繊維、フィラメント又は糸、繊維若しくはフィラメントから得られた物品、裏地及び随意として接着剤であるものも挙げられる。
【0067】
フロック加工された表面において、例えば、艶消し剤、即ち本発明に従う無機充填剤の混合物は、該フロック加工表面の繊維内に存在し、また該フロック加工表面のフロック加工のために及び/又は裏打ちにおいて使用される接着剤中にも存在し得る。
【0068】
組成物、物品、織物物品、糸、繊維及びフィラメント(これらのものは複合物であってもよい)は、大きな艶消し性が望まれている任意の製品、特に、二酸化チタンの使用によって今日までに観察されているよりも大きな艶消し性、さらには本発明の時点で開示されていないさらに大きな艶消し性が望まれている任意の製品を製造する際に使用できる。
【0069】
本発明に従う熱可塑性重合体組成物は、非常に高い艶消し性を有するフロック加工表面の製造において特に有利な用途を有する。
【0070】
観察されるその高い艶消し性の他に、本発明に従う無機充填剤の混合物の使用は、多数のその他の利点、特に艶消し剤として通常使用される二酸化チタンが、全て又は部分的に、1種以上の他の安価な無機充填剤で置き換えられるときに、特に有意な経済的利点を示す。
【0071】
従って、当業者は、本発明の特長によって、熱可塑性重合体組成物のためにさらに大きな艶消し性を得ることを可能にする、さらに経済的な手段を入手できる。
【0072】
さらに、フロック加工表面を製造する目的の熱可塑性重合体において単独で使用される二酸化チタンが繊維を裁断するために使用されるナイフの重大な摩耗を生じさせることは周知である。
【0073】
本発明の特長によって、今後、上に定義されるような無機充填剤の混合物を使用することにより、ナイフ上の摩耗を大きく低減させ、しかして該ナイフの交換頻度をかなり少なくすることが可能である。これは、熱可塑性重合体組成物中に等量の単一の艶消し用無機充填剤を取り入れることによって得られる艶消し性に少なくとも等しい、さらにはそれ以上の艶消し性を得つつ達成される。
【0074】
本発明の他の詳細及び利点は、単なる例示として与える以下の実施例に照らせば、より明確になるであろう。
【実施例】
【0075】
ナイロン6,6糸の試料であって該ポリアミドに無機充填剤混合物が添加されたものの製造
(a)試料の製造
一方のZnS/TiO2混合物を含むポリアミド及び他方のSiO2/TiO2混合物を含むポリアミドをベースとする一連の試料を製造する。
使用するナイロン6,6(PA6,6)は、二酸化チタンを含まず、且つ、2.6の相対粘度(96%硫酸中10g/Lの濃度で測定される)を有するナイロン6,6である。
使用するZnS(Sachtleben社によって販売されている)は、0.35μm付近に集中した粒度を有する。
使用するTiO2は、商品名1074(商標)の下にKronos社によって販売されている。
使用するシリカ(SiO2)は、商品名Aerosil R812(商標)の下にDegussa社によって販売されている。
PA6,6への艶消し剤(上に示されたような無機充填剤の混合物)の取り込みは、
・粉末状の艶消し剤と粉砕された重合体とをブレンドするか、又は
・30重量%の艶消し剤を含むポリアミドベースのマスターバッチ(MB)を介してブレンドし、次いで、該PA6,6と該マスターバッチ(該PA6,6とMBはそれぞれ顆粒の形態である)とをブレンドするか
のいずれかによって実施する。
それぞれの場合において、溶融ブレンドを与える押出装置に該混合物を導入する。合算された無機充填剤の取り込みのレベルを、SiO2/TiO2混合物の場合には1.5%、2%及び3%に設定し、そしてZnS/TiO2混合物の場合には2%、2.5%及び3%に設定する。
【0076】
(b)紡糸のための準備
その後、この溶融ブレンドをほぼ285℃の紡糸口金ヘッド温度で紡糸し、空気(20℃、65%の相対湿度)で冷却し、800m/分の巻き取り速度で送って、連続マルチフィラメント糸を得る。この連続マルチフィラメント糸を延伸してほぼ80%の破断点伸びを得る。このようにして得られたマルチフィラメント又は糸は、20本の撚り糸からなり、そして該撚り糸の直径は、ほぼ20μmである。
使用する紡糸口金は、円形の断面を有する20穴紡糸口金である。
仕上げ製品についての基本打込数は、2.3dtexである。
【0077】
フロック加工表面の艶消し性の目視評価試験の説明
(a)フロック加工表面の製造
フロック加工表面を、上で得られた試料のそれぞれ(ZnS/TiO2を有するものが3種及びSiO2/TiO2を有するものが3種)を使用して製造する。
これらの連続糸を1mmの長さを有する繊維の形に裁断する。これらの繊維をタンニン/硫酸アルミニウムをベースとする活性化処理に付す。
その後、これらの繊維を、接着剤Tubvinyl 235SL(商標)+4重量%のTubassist Fix102W(商標)で1mm当たり15/100の厚さ以上に被覆された黒色ポリエステル/綿繊維上にフロック加工する。
その後、このようにして得られたフロック加工表面を、これらの繊維の重量に対して3重量%のIrgalan Black(商標)RBLN(チバ社によって販売されている)を有する通常の浴中で染色する。
【0078】
(b)艶消し性の評価
艶消し性を、少なくとも7人のうち特定の群のパネル(検査員)が目視で評価する。
それぞれの試験を、外部及び太陽光下において、黒い生地のロール上に置かれたフロック加工表面(多くとも3種)の比較評価によって実施する。
検査員に提示された表面は、評価に影響を及ぼし得るいかなる独特の印も全くない。
得られた結果を次の表Iに与える。
【0079】
【表1】

【0080】
艶消し性は、それぞれ、低いから非常に高いまでの範囲の艶消し度を示す0〜5のスケールで評価される。
【0081】
これらの結果を読むと、低レベルの全充填剤(1.5%)で、シリカ/二酸化チタン混合物が既に二酸化チタン単独で得られた艶消し性に匹敵する艶消し性を生じさせたことが示されている。
【0082】
この効果は、全充填剤のレベルが増加するときに確認される。
【0083】
さらに、2種の無機充填剤の間、例えば、二酸化チタンと硫化亜鉛との間で相乗効果を観察することも可能である。というのは、2%の全充填剤から、この混合物で得られた艶消し性は、等量の充填剤で、硫化亜鉛単独だけでなく二酸化チタン単独でも得られた艶消し性よりも全ての場合において高いからである。
【0084】
このように、本発明は、艶消し剤の混合物の特長によって、これまで等量の単一の艶消し剤では決して達成されなかった艶消し度を得ることが可能であることを明らかに示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性重合体組成物の添加剤としての無機充填剤混合物の、該組成物の艶消し度を改善させるための使用において、該混合物が、硫化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び艶消し用クレーから選択される少なくとも2種の無機充填剤を含むことを特徴とする、無機充填剤混合物の使用。
【請求項2】
混合物が、硫化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム及びシリカから選択される少なくとも2種の無機充填剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
混合物が2種の無機充填剤を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
無機充填剤混合物が、硫化亜鉛と二酸化チタン、硫化亜鉛と硫酸バリウム又は硫化亜鉛とシリカを含む混合物及び二酸化チタンとシリカを含む混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
無機充填剤混合物が二酸化チタン及び硫化亜鉛を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
重合体組成物の全重量に対する無機充填剤混合物の重量割合が1.5重量%以上、好ましくは2%重量以上、より好ましくは2.5重量%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
重合体組成物の全重量に対する無機充填剤混合物の重量割合が10重量%以下、好ましくは7%重量以下、有利には4重量%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
無機充填剤が、1:99〜99:1、好ましくは20:80〜80:20、特に40:60〜60:40に変化する重量割合、具体的にはほぼ50:50の重量割合で二成分混合物中に存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
重合体組成物の熱可塑性マトリックスを構成する熱可塑性重合体が、ポリラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリーレンオキシド、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ビニル重合体及びそれらの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体及びアクリル共重合体、ポリアクリレート及びそれらの共重合体、ポリオレフィン、イオノマー、ポリエピクロルヒドリン、ポリウレタン、ポリスルホン、フラン樹脂、セルロースエステルプラスチック、シリコーン並びに前記重合体の少なくとも2種のブレンドから選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
重合体組成物の熱可塑性マトリックスを構成する熱可塑性重合体がポリアミドを基材とする、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
重合体組成物の熱可塑性マトリックスを構成する熱可塑性重合体がナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4、ナイロン4,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6,36及びナイロン12,12並びにテレフタル酸及び/又はイソフタル酸から得られる半芳香族ポリアミドから選択されるポリアミドである、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
無機充填剤混合物を0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは1.5重量%以上含む熱可塑性重合体組成物において、該混合物が、硫化亜鉛、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び艶消し用クレーから選択される少なくとも2種の無機充填剤を含むことを特徴とする熱可塑性重合体組成物(ただし、二酸化チタン及び硫化亜鉛の二成分混合物を含むポリエステルマトリックスを有する重合体組成物を除くものとする)。
【請求項13】
ZnS/TiO2、ZnS/SiO2、ZnS/SiO2/TiO2及びTiO2/SiO2から選択される無機充填剤混合物を含むことを特徴とする請求項12に記載の組成物(ただし、二酸化チタン及び硫化亜鉛の二成分混合物を含むポリエステルマトリックスを有する重合体組成物を除くものとする)。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の1種以上の組成物から得られた物品。
【請求項15】
糸、繊維又はフィラメントの形の請求項14に記載の物品。
【請求項16】
請求項14又は15のいずれかに記載の1種以上の物品を含む、高い艶消し性のフロック加工表面。

【公表番号】特表2007−516306(P2007−516306A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518271(P2006−518271)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001680
【国際公開番号】WO2005/012409
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(503015042)
【Fターム(参考)】