説明

熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物及び軸受用潤滑剤及びこれらを用いた軸受システム

【課題】グリースと同様に半固体ゲル状であるが、摺動接触部位など局所的高温領域になると均一に溶解し、異物の析出がなく、卓越した低摩擦特性に基づく大幅な省エネ性能を示す、グリースでは実現不可能な熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物を提供する。
【解決手段】本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物、又はその製造方法は、鉱油系及び/又は合成系の液状潤滑基油に、熱可逆ゲルを生成するビスアミド及び/又はモノアミド配合、含有することを特徴とする。好ましくは、トリアミドを含有し、また、液状潤滑基油100重量部に対してビスアミド及び/又はモノアミドを0.01〜500重量部、さらに、摩擦調整剤を0.05〜10重量部含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物及び軸受用潤滑剤、及びこれらを用いた軸受システムに関する。特には、焼結金属系などの含油軸受や転がり軸受に含浸して用いたとき、油漏れや油分離が起こりにくく、使用に伴う昇温、冷却ストレスを繰り返し受けてもゲル構造が再構築され、かつ用途に応じて流動特性やちょう度などのゲル特性を広い範囲で調整でき、なおかつ通常の潤滑剤に比べて大幅に改善された低摩擦係数の摩擦特性を示す熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
潤滑剤には、鉱物油や合成油などの基油を主成分とした常温で液状の潤滑油と、金属石けんやウレアなどの増ちょう剤を分散した半固体ゲル状のグリースがある。これら潤滑剤にはそれぞれ長所短所があり、使用される条件、環境、用途などによって使い分けられている。
【0003】
近年、機械はますます高度化、高性能化、高速化、小型化、ロングライフ化の傾向にある。そのため、特にこれらの機械に使用される含油軸受等の摺動部では、潤滑条件が厳しくなっており、潤滑剤への要求性能も高まっている。安定した摺動特性、潤滑特性を長時間にわたって維持するためには、潤滑剤の消耗、損失、劣化などによる潤滑不良をできるだけ低減する必要がある。また、これらの機械には複雑な電子制御回路が組み込まれていることが多く、漏れた潤滑剤、あるいは揮発成分によるシステム汚染を極力防止する必要がある。通常、液状の潤滑油は濡れ性が大きいため拡がりやすく、カメラなどの小型精密機械に使用する場合は、必要に応じてシステム材表面に撥油処理を行うなど、油の飛散や伝播拡大の防止対策が必要になる。
【0004】
さらに、上述の機械において、摺動部の低摩擦化による省エネルギーが求められている。これに対して、液状潤滑基油の低粘度化により対応することが考えられるが、粘度を低下すると、油漏れによるシステム汚染や蒸発損失を起こしやすいばかりでなく、潤滑部位における油膜形成能が低下し、潤滑不良を発生しやすくなるために、低粘度化には限界があった。
【0005】
そこで、この種の用途、例えば、焼結含油軸受に含浸させる潤滑剤等では、半固体ゲル状のグリースを使用することが考えられ、確かにシステム汚染防止の面では優れている。しかし一般のグリースは「熱不可逆性ゲル」であることから、高温に加熱しても含浸処理ができないことが多く、また含浸処理ができた場合でも、長時間の使用により油分が抜けると、増ちょう剤成分が繊維体として残り、摺動部クリアランスに対して無視できない異物として析出するという欠点がある。また、通常の金属セッケン系グリースは耐熱性が低く、有機非セッケン系グリースは耐熱性が高いものの、使用中にちょう度が変化したり、アルカリ金属などの未反応成分が析出するという問題がある。
【0006】
なお、接点用グリースとして、アミノ酸系のゲル化剤を用いることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、非水系ゲル化剤には光学活性が求められることから、精製の容易さやコストの点で実用化されているゲル化剤の種類は決して多くはない(非特許文献1参照)。この数少ない非水系ゲル化剤であるトリアミド系化合物はビスアミド化合物やモノアミド化合物に比べて潤滑性能が劣るため、トリアミド化合物の種類と濃度調整だけでは充分な低摩擦特性を有する熱可逆性ゲル状潤滑剤ができない、という問題があった。
また、パラフィンワックスや蜜ロウなどのワックス分を液状潤滑基油に配合したことを特徴とした潤滑油組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、ワックス分を配合することで油漏れは防止できるものの、摩擦特性に関しては十分な性能は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−221198号公報
【特許文献2】特開平10−246230号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】英 謙二、他:「表面」、36巻6号、291−301頁、2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は使用バルク温度領域では、グリースと同様に半固体ゲル状であるが、摺動接触部位など局所的高温領域になると均一に溶解し、グリースの欠点である異物の析出がなく、グリースでは実現不可能な卓越した低摩擦特性を示し、大幅な省エネ性能を示す熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、数十〜百数十℃の融点をもつビスアミド及び/又はモノアミドを基油に所定量配合することにより、グリースと類似した半固体状ゲルとなるため油漏れ、油の飛散を防止でき、かつ潤滑摺動部で融点以上になるとビスアミドやモノアミドが溶解するが、異物が析出するグリースの欠点は起こりえず、それとともに、ビスアミドやモノアミドの持つ低摩擦特性を活用することにより、上記の課題を一挙に解決できると考えた。このアイディアに基づき鋭意検討を重ねた結果、想定通りの効果を発揮することが確認され、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、鉱油系及び/又は合成系の液状潤滑基油と、ビスアミド及び/又はモノアミドとを含有し、熱可逆性ゲルの特性を有する熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物である。また、本発明は、鉱油系及び/又は合成系の液状潤滑基油に、熱可逆ゲルを生成するビスアミド及び/又はモノアミド配合する熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物の製造方法である。
また、本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物、又はその製造方法において、トリアミドを配合、含有することが好ましく、さらに、前記液状潤滑基油100重量部に対して、ビスアミド及び/又はモノアミドを合計量で0.01〜500重量部配合、含有することが好ましく、またさらに、前記液状潤滑基油100重量部に対して、摩擦調整剤を0.05〜10重量部配合、含有することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤であり、かつこれら軸受用潤滑剤を用いた軸受システムであり、特に含油軸受、転がり軸受に好ましく用いられる。
さらに、本発明は、前記の軸受用潤滑剤を含油軸受とともに加熱する工程を含む軸受システムの製造方法である。この場合加熱する工程前の含油軸受は、通常、潤滑剤などの油分を含んでいないが、含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物は、室温ではもちろんのこと、機械要素中のバルク温度ではグリースと同様に半固体ゲル状であるが、摺動接触部位の局所的高温域ではアミド類が均一に溶解して、低摩擦特性を有する液状潤滑基油となって潤滑機能を発揮するとともに、グリースの不可避な欠点である異物の析出が皆無であり、異物析出による潤滑トラブルが根本的に発生しないという利点がある。さらに、グリースでは実現不可能な卓越した低摩擦特性がビスアミド及び/又はモノアミドと、液状潤滑基油との相互作用により実現されるため、大幅な省エネルギーを図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】アミドの配合量と1/4ちょう度の関係を示す図である。
【図2】本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤を好適に用いることのできる焼結含油軸受要部の断面図である。また、図2は、ゲル状の潤滑性を有する組成物の補油機構の例も示す。
【図3】本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤を好適に用いることのできる転がり軸受要部の断面図である。
【図4】本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物を、一般的な液状潤滑油を用いた軸受システムの油飛散による汚染を防止するため、保油作用を目的として含油軸受の外部に配置するシステムの一例を、要部の断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物は、液状潤滑基油にビスアミド及び/又はモノアミドを加え、必要に応じてトリアミドや摩擦調整剤を配合して、さらに酸化防止剤、防錆剤などの添加剤を追加して、アミド類(添加されるビスアミド、モノアミド又はトリアミド)の融点の内、最も高い融点以上の温度、好ましくはアミド類の最高融点よりも2〜20℃高い温度、さらに好ましくは、5〜10℃程度高い温度で撹拌し均一に溶解したことを確認後、自然放冷することにより得られる。
本発明での熱可逆性とは、環境の熱的エネルギーによる状態変化(昇温による液状化と降温によるゲル化)を半永久的に繰り返すことであり、具体的には、使用される機械のバルク温度域(室温〜数十℃、例えば0〜80℃)においてはゲル状を保ち、機械摺動部(境界潤滑モード)での局部的な高温域(例えば100〜200℃)においてのみ液状となることと定義される。
本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物は、用途や使用される機械要素・機械に応じた硬さである必要があり、その硬さはアミドの配合量を調整することにより幅広く設定することができる。具体的には、前記液状潤滑基油100重量部に対して、ビスアミド及び/又はモノアミドを合計量で0.01〜500重量部配合するのが好ましい。
【0016】
本発明における液状潤滑基油としては、通常、潤滑油として使用されるものであれば、鉱油系、合成油系、あるいはそれらの混合物のいずれも使用することができる。潤滑油の物性としては、40℃における動粘度が3〜500mm2/sのものが使用でき、8〜100mm2/sのものがより好ましい。さらに、粘度指数は90以上、好ましくは95〜250であり、流動点は−10℃以下、好ましくは−15〜−70℃であり、引火点は150℃以上であることが好ましい。液状潤滑基油が混合物の場合、該混合物として上記物性を満足するものであれば、混合前の油が引火点以外の上記物性の範囲を外れるものであっても使用することができる。
【0017】
鉱油系の潤滑基油は、一般に、原油を常圧蒸留し、あるいはさらに減圧蒸留して得られる留出油を各種の精製プロセスで精製した潤滑油留分を基油とし、これをそのまま、或いはこれに各種の添加剤等を調合して調製される。前記精製プロセスは、水素化精製、溶剤抽出、溶剤脱ろう、水素化脱ろう、硫酸洗浄、白土処理などであり、これらを適宜の順序で組み合わせて処理して、本発明に好適な鉱油系の潤滑基油を得ることができる。異なる原油あるいは留出油を、異なるプロセスの組合せ、順序により得られた、性状の異なる複数の精製油の混合物も好適な基油として用いることができる。
【0018】
合成油系潤滑油は、耐熱性の高い、例えば、ポリ‐α‐オレフィン(PAO)、脂肪酸エステル、低分子量エチレン・α‐オレフィン共重合体、シリコーン油、フッ素化油、アルキルナフタレンなどを単独であるいは組み合わせて基油として用いることができる。さらに、これらをそのまま、或いはこれに各種の添加剤等を調合して調製される。
なお、鉱油系潤滑油、合成油系潤滑油は、それぞれ単独で用いてもよいし、両者を適宜の割合で混合して用いることもできる。
【0019】
本発明におけるビスアミドとしては、ジアミンの酸アミドでも、ジ酸の酸アミドのいずれでも良い。好ましく用いられるビスアミドは、融点が80〜180℃、特に好ましくは、100〜170℃、分子量が242〜932、特に好ましくは、298〜876、である。
【0020】
好ましく用いられるジアミンの酸アミドは、一般式
1−CO−NH−A1−NH−CO−R2
(ここで、R1、R2は、それぞれ独立して、炭素数5〜25の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基であり、A1は、炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又はアルキルフェニレン基、あるいはこれらが組み合わされたかたちである炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。)
で表される。
好ましく用いられるジ酸の酸アミドは、一般式
3−NH−CO−A2−CO−NH−R4
(ここで、R3、R4は、それぞれ独立して、炭素数5〜25の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基であり、A2は、炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又はアルキルフェニレン基、あるいはこれらが組み合わされたかたちである炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。)
で表される。
【0021】
ジアミンの酸アミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド等が好ましく、また、ジ酸の酸アミドは、N,N'−ジステアリルセバシン酸アミド等が好ましい。これらのなかでも、エチレンビスステアリン酸アミドが特に好ましい。
【0022】
本発明におけるモノアミドとしては、一般式
5−CO−NH−R6
(ここで、R5は炭素数5〜25の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、R6は水素、炭素数5〜25の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基である。)
で表されるものが好ましく用いられる。
具体的には、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミドやエルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド、及びステアリルステアリン酸アミドやオレイルオレイン酸アミド等の長鎖脂肪酸と長鎖アミンによる置換アミド類(上記一般式でR6が水素でないモノアミド)のいずれでも良い。しかし、高温で使用されることを考えると、ビスアミドに近い分子量を持つ置換アミドが好ましい。好ましく用いられるモノアミドは、融点が30〜130℃、特に好ましくは50〜120℃であり、さらに分子量が115〜745、特に好ましくは157〜689である。
【0023】
液状潤滑基油に配合されるビスアミド及び/又はモノアミドの量は、液状潤滑基油100重量部に対して合計量で0.01〜500重量部の範囲にあることが、特には0.05〜250重量部の範囲にあることが好ましい。0.01重量部以上とすることによりゲル状で充分な低摩擦特性が得られ、500重量部以下とすることにより摺動部における液状潤滑基油の量を十分に保持でき、摩擦の増大を防止できる。
【0024】
なお、用いるビスアミドやモノアミドの種類によっては、図1に示されるように、ビスアミド及び/又はモノアミドの配合量が0.05〜5重量部の低濃度領域で、ゲル特性の硬さが不足する傾向が生じる場合があり、このようなときは、トリアミドを必要量追加配合するとよい。
なお、 図1において、パラメータのビスアミド、モノアミド及びトリアミドとしては、それぞれ実施例で用いたエチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、N‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸‐α,γ‐ジ‐n‐ブチルアミドを用い、これらのアミドの配合量は、液状潤滑基油100重量部に対するアミドの重量割合を重量部で示す。なお、図中の2号、4号、及び6号は、JIS K2220「グリース」で規定されているちょう度番号であり、それぞれ該当するちょう度範囲を単に示すものである。
【0025】
本発明におけるトリアミドとしては、一般式
7−M−A3−CH(A4−M−R8)−A5−M−R9
(ここで、R7、R8、R9は、それぞれ独立して、炭素数2〜25の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基であり、Mはアミド基(−CO−NH−)、A3、A4、A5は、それぞれ独立して、単結合又は炭素数5以下のアルキレン基である。)
で表されるものが好ましく用いられる。
具体的には、N−アシルアミノ酸ジアミド化合物が好適である。この化合物のN−アシル基は、炭素数1〜30の直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族アシル基又は芳香族アシル基、特にはカプロイル基、カプリロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、ステアロイル基からなるものが好ましく、またアミノ酸としてはアスパラギン酸、グルタミン酸からなるものが好ましく、アミド基のアミンは炭素数1〜30の直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミン、特にはブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、イソステアリルアミン、ステアリルアミンシクラヘキスルアミン、ベンジルアミンからなるもの等が好ましい。特には、N‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸‐α,γ‐ジ‐n‐ブチルアミドが好ましい。
【0026】
このトリアミドは、用いる基油にもよるが、液状潤滑基油100重量部を基準として0.01〜30重量部、特には0.05〜30重量部、さらには0.1重量部以上配合することが好ましい。0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上の配合であればゲル化構造を充分に発達させることができ、また30重量部以下とすることによりゲルを使用に好適な硬さを保つことができ、またコスト面からも有利である。
【0027】
本発明に使用する液状潤滑基油100重量部に対して、摩擦調整剤、特には油溶性摩擦調整剤を0.05〜10重量部配合すると、熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物のなじみ時間を大幅に短縮することができるので、特に好ましい。この油溶性摩擦調整剤としては、長鎖脂肪酸のモノエステル、高級アルコ−ル及びその化合物、脂肪族アミン及びアミドエステルなど、エステル系、エーテル系、ポリオール系、イミダゾール系、アミン系などの無灰系のものでも、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン塩などの金属系のものでもどちらでも使用でき、また両者を組み合わせたものでも使用できる。
【0028】
また本発明の潤滑性を有する組成物には、酸化防止剤、摩耗防止剤、錆止め剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、消泡剤、粘着性を付与する付着剤など、潤滑油に一般的に使用される添加剤を必要に応じて配合できることは云うまでもない。
【0029】
本発明における潤滑性を有する組成物は、優れた摩擦特性(低摩擦係数)を有し、さらに、油漏れによる汚染を回避でき、使用、不使用にともなう昇温、冷却ストレスを繰り返して受けてもゲル構造が再構築される特徴を有するものである。したがって、例えば下記の軸受などの潤滑システムに軸受用潤滑剤として好適に利用することができる。まず軸受としては、含油軸受や転がり軸受などが挙げられる。
【0030】
図2に符号2として示した焼結含油軸受は、銅、青銅、黄銅、鉄、亜鉛などの金属粉末を混合、成形、焼結、サイジング工程により一般的には5〜30容積%の空隙が存在するよう製造された多孔質の焼結金属体に、通常、液状の潤滑油が真空含浸などの方法により充填される。本発明の潤滑性を有する組成物を下記の方法により焼結含油軸受に含浸することにより、従来の液状潤滑油を含浸させた場合に比べ、低摩擦でありながら、油漏れがなく、それによる周囲への汚染が回避される。ゲル状の潤滑性を有する組成物の含浸は、配合したアミドの融点から10℃ほど高い温度まで加温し、液状となったところで、空隙を持つ焼結金属体に真空含浸などの方法により含浸する必要がある。また、焼結含油軸受の周囲に付着した余剰の潤滑油を除去する必要がある場合、籠中に投入した焼結含油軸受を籠ごと回転させることにより、遠心力を利用して潤滑油を振り飛ばす遠心脱油作業が行われるが、ゲル状の潤滑性を有する組成物を使用する場合、周囲温度を配合したアミドの融点以上に保ち、ゲル状の潤滑性を有する組成物が融解した状態でこの作業を行う必要がある。さらに、これらの作業中は、高温による潤滑油および軸受金属の酸化劣化が懸念されるため、真空含浸以外の作業は窒素等の不活性ガス雰囲気にて行うことが望ましい。
なお、含油軸受として、上記の金属系の含油軸受以外にもプラスチック樹脂、セラミック、木材やコルク等の繊維質材、又はこれらの2種以上を組み合わせた複合材料など、本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物を加熱等何らかの手段で含浸し、保持できる多孔質を有する材料を用いることができる。
【0031】
また転がり軸受は、図3に示すように、2個の軌道輪(内輪10及び外輪9)、転動体12(玉又はころ)及び保持器11により構成され、内輪10と外輪9との間にある転動体12は互いに接触しないように保持器11によって一定の間隔に保たれ、転がり運動をする構造であり、ラジアル軸受とスラスト軸受に大別される。一般的には、液状潤滑油もしくはグリースが充填され、軸受を円滑に潤滑している。本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物もこれらと同様の潤滑が可能であり、優れた摩擦特性、潤滑性能により、より優れた軸受性能を引き出すことができる。適用方法としては、ゲル状の潤滑性を有する組成物をグリースのように軸受内部に充填したり、ゲル状の潤滑性を有する組成物を加熱し液体状となったところで軸受内部に充填し冷却後ゲルを形成させる方法などがある。また、保持器11が多孔質材料で製造されているものであれば、ゲル状の潤滑性を有する組成物を保持器11に含浸させて用いることもできる。
【0032】
さらには、熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物が有する以下の特性を活用したシステムも利用範囲として挙げられる。つまりは、本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物は、三次元網目構造を形成するアミド化合物中に液状潤滑基油が保持されて半固体状のゲルとなっているが、微視的には液状潤滑基油は、網目構造内を自由に動き回っている。これは、例えば、多孔質の細い空隙にゲル状の潤滑性を有する組成物が接触する場合、毛細管現象によって、ゲル中の液状潤滑基油がゲルから細い空隙に移動できることを示し、又は逆に液状潤滑基油がシステムに余分に存在している場合、ゲルの三次元構造が毛細管現象となって、ゲル内にこれら余分の液状潤滑基油を取り込むことを示している。
【0033】
本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物のこのような特性を活用するシステムとして、例えば、含油軸受に潤滑剤を補給する補油作用を目的としてゲル状の潤滑性を有する組成物を含油軸受の外側に配置するシステム、あるいは軸受から漏れ出た液状潤滑基油を捕集して液状潤滑基油によるシステム汚染を防止するために保油作用を目的としてゲル状の潤滑性を有する組成物を配置するシステムなどが挙げられる。現在、含油軸受などの補油作用を目的とした機構には、吸油性の高いフェルト(不織布)やセルロース繊維に液状潤滑油をしみこませたものがあるが、含油率が十分でなかったり、含油率の調整がし難く、充填作業にも手間がかかったり、かつ繊維状の異物が軸受クリアランス内に侵入して焼付などの潤滑不良を生じる問題がある。しかし、本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物は、含油率を適宜調整することができ、充填作業も加熱によって液状にすることで容易に充填することができ、かつアミドそのものは繊維状ではなく、さらには低摩擦特性を有しているのでクリアランスに侵入しても全く問題はなく、従来の課題を解決する好適な方法として利用できる。具体的には、図2に示すように、含油軸受2の外側に、補油機構1で示す位置に本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物を配置することにより、含油軸受2の潤滑成分が減少すれば、前記組成物から自動的に補給され、逆に含油軸受2の潤滑成分が漏出すれば、前記組成物に自動的に捕集される。
【0034】
また、液状潤滑油の飛散による汚染や、飛散および蒸発による油量の減少に起因する軸受寿命時間の低下の防止策として、現在、含油軸受などの軸受システムでは、軸受ハウジング内にオイルシールを設けたり、撥油処理を施すなどの手法が取られている。オイルシールとしては、ゴム製のパッキンや、金属製のワッシャなどが良く用いられるが、前者の場合にはパッキンが軸に接触することで生じる摺動抵抗によって、高速回転時には無視できないほどの効率低下が発生する。また後者の場合にはワッシャが軸に接触しないように空隙を設ける必要があるため、軸受ハウジング内を完全に密封することは不可能である。これはワッシャが樹脂等の金属以外の材質である場合も同様である。また撥油処理を施す場合は、撥油効果にバラツキが生じたり、さらに撥油処理の手間がかかるなどの問題がある。または,磁性流体などを用いて油の飛散を防止した非接触型軸受システムでは、高速回転性能は満足するものの、コストがかかったりするなどの課題があった。しかしながら、本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物の保油効果を利用することにより、つまり例えば、図4に示すように、保油機構14として本発明のゲル状の潤滑性を有する組成物をハウジング15内に設置することにより、飛散する含油軸受4の余分な液状潤滑油を取り込み、システムの油汚染を防止するとともに、ゲル状の潤滑性を有する組成物が有する低摩擦特性により、ゲル状の潤滑性を有する組成物が軸に接触していても高速回転する軸受性能に影響を与えないため、軸受ハウジング内を密封でき、潤滑油の蒸発を完全に防止することができる。よって、上記課題を一気に解決することが可能である。
【実施例】
【0035】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0036】
以下に示す液状潤滑基油、アミド、ワックス、油溶性摩擦調整剤及び増ちょう剤を表2、表3及び表4に示す割合で配合して、実施例及び比較例の潤滑性を有する組成物を調製した。
1.液状潤滑基油
表1に示す性状の4種類の液状潤滑基油を用いた。基油Aと基油DのPAOは、市販されているポリ−α−オレフィンであり、粘度グレードはそれぞれVG32とVG68である。基油Bは、VG46の鉱物油である。基油Cの脂肪酸エステルは、ネオペンチル骨格を有する多価アルコール(ネオペンチルグリコール)と脂肪酸(イソステアリン酸)とのエステルである。なお、これらの液状潤滑基油には、酸化防止剤、摩耗防止剤などの添加剤があらかじめ所定量配合されており、潤滑油としての基本性能(酸化防止、摩耗防止など)を有している。
【0037】
【表1】

【0038】
2.アミド
A−ビスアミド:エチレンビスステアリン酸アミド[融点:145℃、分子量:592]
B−モノアミド:ステアリン酸アミド[融点:101℃、分子量:283]
C−トリアミド:N‐ラウロイル‐L‐グルタミン酸‐α,γ‐ジ‐n‐ブチルアミド[融点:152℃、分子量:440]
D−モノアミド:N‐ステアリルステアリン酸アミド[融点:95℃、分子量:535]
【0039】
3.ワックス(比較例)
パラフィンワックス[融点:95℃]
ポリエチレン系ワックス[融点:104℃]
【0040】
4.摩擦調整剤
エステル系摩擦調整剤[チバスペシャリティケミカルズ社製 Irgalube F10A]
【0041】
5.増ちょう剤
リチウム石けん:石けん系として12ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いた。
ジウレア:非石けん系として脂肪族ジウレア化合物と芳香族ジウレア化合物とのジウレア混合物を用いた。
【0042】
6.試験方法
上記液状潤滑基油及びアミド、ワックスなどを、表2、3、4に示す割合で配合し、融点以上(配合されるアミドの融点のうち、最も高い融点よりも10℃高い温度)に加熱し、撹拌後、均一に溶解したことを確認し、室温まで冷却して、実施例1〜16、比較例1〜5の潤滑性を有する組成物を調製した。これら調製した潤滑性を有する組成物について、下記に示す試験方法により、熱可逆性、状態観察、耐タレ性、潤滑性について試験を行い、ゲル状潤滑剤としての特性を比較例1である非ゲル状(アミドを加えない液状)潤滑油、及びパラフィンワックスなどのワックス分を配合した半固体状ゲル(比較例1〜2)、及び市販のLi系グリースNo.2(参考例)や実施例と同じ液状潤滑基油を用いて調整したLiグリース(比較例4)、ウレアグリース(比較例5)との比較を行った。また実施例及び比較例については、実際に青銅系焼結含油軸受に含浸させて摩擦特性を測定し比較した。
【0043】
(熱可逆性)
上記手順で調製した潤滑性を有する組成物100gを200mlガラス製のビーカーに採り、再び150℃の恒温槽内で1時間加熱静置し、均一に溶解させ、その後、室温まで冷却し、加熱前後の外観を確認した。状態が均一ゲル状で試験前と同じ状態である場合を○と判定し、分離や不均一なゲル状となった場合を×と判定した。
【0044】
(状態観察)
実施例、比較例の潤滑性を有する組成物について、上記熱可逆性試験の、1日経過後の外観から、均一なゲル状を保っているか(層分離していないか、アミドが沈降していないか、など)を目視で観察した。
【0045】
(耐タレ性)
室温において傾斜角15度に設置した清浄なガラス板上に試料油(実施例、比較例の潤滑性を有する組成物)をピペットにて約1mLを滴下し、液滴の流動性を観察した。滴下後、直ちに傾斜ガラス板上を流れ落ちる場合を×、流れずに静止した液滴として留まっている場合を○と評価した。
【0046】
(ちょう度)
JIS K2220に準拠し、不混和ちょう度を1/4ちょう度計にて測定した。
【0047】
(潤滑性)
耐摩耗性(ボール摩耗痕径)
耐摩耗性について、シェル4球耐摩耗性試験(ASTM D4172)を行った。試験条件は、回転数が1200rpm、荷重を40kgf/cm2、温度が50℃、時間を60minとし、試験終了後のボール摩耗痕径(mm)を測定した。
摩擦特性(摩擦係数)
また摩擦特性についてはボール/ディスク型のSRV試験にて、荷重100N、振動数50Hz、振幅1.5mm、温度40℃にて試験開始から15分経過後の摩擦係数を測定した。SRV試験に用いた試験機は、ASTM D5706にしたがったものであり、ボール及びディスクの材質は、SUJ‐2である。
【0048】
(焼結含油軸受への含浸及び摩擦特性)
実施例、比較例の潤滑性を有する組成物を150℃程度に加熱溶解し、青銅系焼結含油軸受[内径4.007mm]に真空下で含浸させた。なお、含油率は約20体積%である。含浸した軸受材に、鋼製シャフト[外径3.994mm]を通し、荷重[3.7kgf/cm2]を上部より掛け、回転数100rpm及び4000rpmで摺動試験を行い、摩擦特性を、摩擦係数で評価した。実験は、室温下で上記各回転数につき3回行い、定常となった摩擦係数の平均値を記録した。また、100rpm時での摩擦係数が定常になるまでの時間(なじみ時間)も測定した。
【0049】
6.試験結果
実施例及び比較例の配合割合及び得られ潤滑性を有する組成物の上記試験結果を表2、3、4に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
アミド配合量が少なく、軟らかいゲル状の潤滑性を有する組成物であるためにちょう度の測定ができない実施例1〜8及び比較例1の試験結果を表2に示した。表2において、比較例1は、基油A単体のみでなる潤滑性を有する組成物である。実施例1〜8は、いずれもビスアミド及び/又はモノアミドを配合したものであり、そのうちビスアミドの配合が特に低いものにはトリアミドを併用した(実施例1及び2)。基油にアミドを配合し、調製した実施例1〜8のゲル状の潤滑性を有する組成物は、いずれも均一のゲルを形成し、再加熱による熱可逆性も有することが認められた。さらに、これらゲル状の潤滑性を有する組成物は、良好な耐タレ性を示し、液状の基油のみの場合(比較例1)に比べて、油漏れ防止に有効であることが確認された。また、耐摩耗性や摩擦特性も基油のみの場合に比べて優れており、特にアミドを配合することにより低摩擦化を実現できることがわかる。
【0054】
また、ちょう度が測定可能なある程度の硬さを有するゲル状の潤滑性を有する組成物の実施例9〜16、比較例2〜5、及び市販リチウムグリースの参考例を表3、4に示した。表3において、基油A 100重量部に対してビスアミド及び/又はモノアミドを20重量部から最大250重量部まで配合した実施例9〜15のゲル状の潤滑性を有する組成物は、いずれも均一ゲルを形成し、また良好な熱可逆性も有する。ちょう度は図1に示したように、アミド配合量の増加とともに硬くなった。
【0055】
また、パラフィンワックスを20重量部配合した比較例2、ポリエチレン系ワックスを20重量部配合した比較例3も均一ゲルで熱可逆性を有した。また、焼結軸受に真空含浸することができた実施例9〜15、及び比較例1〜3について、軸受での摺動試験を実施した。その結果、基油のみの場合(比較例1)に比べて、実施例9〜15に示される様にアミドを配合することにより、低速から高速域まで大幅に摩擦係数が低減されることがわかる。一方、パラフィンワックスの場合(比較例2)は、低速域では基油(比較例1)より低い摩擦係数を示し、高速域では基油と同等の摩擦係数を示したが、いずれも実施例9〜15の低い摩擦係数をしのぐものではない。また、ポリエチレン系ワックスの場合(比較例3)は、低速から高速域まで基油(比較例1)よりも摩擦係数が高く、当然比較例2よりも性能が劣っている。
【0056】
さらに、摩擦調整剤を配合した実施例15では、なじみ時間も短くなっており、より優れたゲル状の潤滑性を有する組成物と言える。
一方、Li系グリース(参考例)は、熱可逆性を示さず、加熱により油分とセッケン成分の分離が認められ、均一な状態で焼結軸受に真空含浸することができなかった。
【0057】
さらには、表4に示すとおり、同一液状潤滑基油を用い、ちょう度を同一グレードにそろえた実施例16、比較例4、5を比較すると、一般的に知られているLiグリースやウレアグリースに比べて、実施例16のゲル状の潤滑性を有する組成物は低摩擦特性を有し、かつ摩擦係数のブレも少なく極めて安定した摩擦特性を示すとともに、耐摩耗性も優れていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物は、油漏れがほとんど起こらず、摺動部の低摩擦化を図ることができ、自動車や精密機械などをはじめとする各種一般機械の軸受システム(含油軸受や転がり軸受など)の潤滑剤として適用できる。さらには、ゲル状の潤滑性を有する組成物が有する補油作用や保油作用を示す手段を装備した軸受システムなどにも適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 補油機構(ゲル状の潤滑性を有する組成物)
2 含油軸受
3 軸
4 スペーサー
5 スラストワッシャ
6 ハウジング1
7 ハウジング2
8 板ばね
9 軌道輪(外輪)
10 軌道輪(内輪)
11 保持器
12 転動体(玉および/又はころ)
13 ロータ
14 保油機構(ゲル状の潤滑性を有する組成物)
15 ハウジング
16 スラストプレート
17 プレートおさえ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱油系及び/又は合成系の液状潤滑基油に、熱可逆ゲルを生成するビスアミド及び/又はモノアミドを配合する熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤。
【請求項2】
トリアミドを配合する請求項1に記載の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤
【請求項3】
液状潤滑基油100重量部に対して、ビスアミド及び/又はモノアミドを合計量で0.01〜500重量部配合する請求項1に記載の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤
【請求項4】
液状潤滑基油100重量部に対して、摩擦調整剤を0.05〜10重量部配合する請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物からなる軸受用潤滑剤
【請求項5】
含油軸受に用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受用潤滑剤。
【請求項6】
転がり軸受に用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受用潤滑剤。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受用潤滑剤を用いた軸受システム。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受用潤滑剤を含油軸受とともに加熱する工程を含む軸受システムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−17472(P2012−17472A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227136(P2011−227136)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【分割の表示】特願2006−544815(P2006−544815)の分割
【原出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(592128788)ポーライト株式会社 (16)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】