説明

熱吸収添加剤

本発明は、a)アルカリ金属タングステンブロンズ、b)酸化タングステン、およびc)タングステン金属の粒子を含む粉末組成物、前記粉末組成物を製造する方法、ならびに遮熱のための、あるいはプラスチックのレーザー溶接、コーティングのNIR硬化、印刷用インクの乾燥、インクトナーの基材への定着、プラスチックプリフォームの加熱、プラスチックもしくは紙のレーザーマーキングから選択される工程で近赤外線の入熱量を増大させるための、ポリマー材料または物品中における分散液形態での前記粉末組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、タングステン/酸化タングステン系列の特定の粒子、前記粒子の製造方法、前記粒子を含有する組成物、ならびにIR吸収剤および/または遮熱添加剤としての前記粒子の使用に関する。
【0002】
特定のタングステン酸塩をはじめとする多くの金属酸化物は、電気伝導性とIR吸収性を兼ね備えることがかなり前から知られている。現在では、同じ量のエネルギーを吸収するものの、他の既知のIR吸収剤よりも著しく高い効果を示す材料が見出されている。これらのタングステンブロンズは、例えばコーティングに組み入れられた場合、IR照射すると、これらのスペクトル吸収能力から想定されるよりも温度上昇が大きくなる。応用分野によっては、他の既知のIR吸収剤で認められるよりも温度上昇が著しく大きく、カーボンブラックで認められる温度にほとんど達する分野もあれば、別の応用分野(すなわち、紙のレーザーマーキング)では、本発明のタングステンブロンズ/亜酸化物が、意外にも、周知のほぼ無色のIR吸収剤である六ホウ化ランタンよりも少なくとも10倍効率がよいことが判明している。
【0003】
多くの技術工程(例えば、プラスチックのレーザー溶接およびレーザーマーキング、コーティングのNIR硬化およびNIR乾燥、印刷物の乾燥、紙のレーザーマーキング、接着剤の硬化および乾燥、インクトナーの基体への定着、プラスチックプリフォームの加熱)では、IR線による効果的で高速かつ集中的な局所的入熱が必要となる。IR線の熱変換は、熱を必要とする場所に適切なIR吸収剤を配置することによって実現される。このような方法に効果的な周知のIR吸収剤はカーボンブラックであるが、カーボンブラックには濃い黒色であるという1つの大きな欠点がある。従って、カーボンブラックは着色系(黒または灰色以外)、未着色系、白色系または透明系に適用できず、このような系には「白色または無色のカーボンブラック」が技術的に大いに求められている。従って、本発明の根底にある問題の1つは、このような「無色で透明のカーボンブラック」を見出すことである。
【0004】
極めて意外なことに、本発明の酸化タングステン材料は、若干青みがかっているが、この目標特性にかなり近い。IR線の熱変換効率が意外にも高いことから、本発明のタングステン材料は、材料そのものの色がほとんどの用途で許容されるような低い濃度で適用することができる。透明度についても同じであり、本発明の酸化タングステンを含有する材料(プラスチック、コーティング)はかなりの透明度も維持されている。
【0005】
これらの材料は赤外線の吸収剤として機能するが、通常はIRを透過する材料にこれらの材料を含有させると、IR線が部分的または完全に遮蔽され、それによって遮熱効果がもたらされる場合がある。
【0006】
酸化タングステン粉末(例えば、WO2.72)は、例えばOsram Sylvania社から微粉末(5〜20ミクロン)として市販されている。
【0007】
酸化タングステンおよびタングステン酸塩は、赤外線遮蔽材料として知られている。欧州特許第1676890号および米国特許第2007/0187653号(住友金属鉱山株式会社)には、還元酸素を有するタングステン三酸化物を含む赤外線遮蔽ナノ粒子分散液が開示されている。
【0008】
いくつかのタングステン酸塩の製造については、欧州特許第1676890号、米国特許第2007/0187653号、国際特許第07/092030号に記載されている。
【0009】
本発明は、
a)アルカリ金属タングステンブロンズ、
b)二元酸化タングステン(すなわち、実質的に元素WおよびOからなる相)、および
c)タングステン金属
を含む粉末組成物に関する。
【0010】
本発明の成分(a)のアルカリ金属タングステンブロンズは、一般的に、式
WO3-zMex
[式中、
MeはRb、Li、および特にNa、K、Csから選択され、
xは0.2〜1の範囲であり、
zは0であるか、または0〜xの範囲である]
に準拠する。
【0011】
本発明の組成物中の二元酸化タングステンは、その全体の組成において、通常は式WO3-y[式中、yは0〜1、例えば0.01〜0.55、好ましくは0〜0.33、特に0〜0.1の範囲である]に準拠する。このような二元酸化タングステンの例は広く知られており、その例は、WO3、WO2.92(W2573としても知られる)、WO2.83(すなわち、W2468)、WO2.8(すなわち、W514)、WO2.72(すなわち、W1849)、WO2.625(すなわち、W3284)、WO2である。
【0012】
以下に詳細に記載する方法で形成されることが多い最も好適な二元酸化タングステンは、いずれかの修飾物(特に以下に説明する単斜晶系および三斜晶系)中の三酸化物(前記式[式中、y=0]に対応)、または前記三酸化物と少量(例えば、20質量%以下)の亜酸化物(式中、y>0)との組み合わせである。
【0013】
いくつかのさらなる好適な二元酸化タングステン相としては、
単斜晶形のWO3(P21/n)、
三斜晶形のWO3(P−1)、
単斜晶形のWO2.92(P21/c)、
正方晶形のWO2.8(P42m)、
単斜晶形のWO2.72(P2/m)、
斜方晶形のWO2.625(Pbam)
が挙げられる。
【0014】
本発明の典型的な組成物は、
a) 25〜95質量部、特に40〜94質量部の式WO3-zMex[式中、MeはCs、Na、Kから選択され、xは0.2〜1、特に0.4〜0.7の範囲であり、zは0であるか、または0〜xの範囲である]のアルカリ金属タングステンブロンズ、
b) 4〜60質量部、特に5〜60質量部の二元酸化タングステン、および
c) 1〜15質量部、特に1〜10質量部のタングステン金属
を含む。
【0015】
本発明の粒子組成物は、成分a〜cそれぞれを別個の粒子として含んでもよければ、または好ましくは粒子の大部分、もしくは粒子の全てがこれらの成分をそれぞれ含有している。成分a〜cは、それぞれ典型的には(本発明の実施例で特徴を示す)結晶形をしており、これらが一緒になって通常は本発明の粉末材料の大部分、多くの場合は全粉末組成物の約95〜100質量%を構成し、残りがもしあれば、通常、他のタングステン化合物および/またはアルカリ性化合物(例えば、アモルファス材料、有機ポリマー、および/または水である。(一次)粒子は、通常、1nm〜800nmの範囲の粒径のナノ粒子であり、例えば、粒子の90質量%が前記範囲、特に5〜300nmの粒径範囲内にあり、例えば分散液中で形成される場合、凝集物は、通常、周知の技法によって一次粒子(例えば、その分散液)に変換することができる。好適な粉末は、粒子の少なくとも80質量%が5〜300nmの範囲の最小粒径および最大粒径を有する粉末である。基質に埋め込まれた粒子は、関連するIR線(特に、例えば800〜2500nmの帯域のNIR)を吸収することができる。形状は、例えば球、フレークおよびナノロッドから自由に選択することができる。
【0016】
好適な種類の粉末は、全粒子混合物の少なくとも50質量%、特に少なくとも70質量%を構成する主成分としてブロンズ(a)を含有する。このような粉末は、例えば、全粒子混合物を100質量部として、
a) 70〜98質量部、特に80〜96質量部の式WO3-zMex[式中、MeはCs、Na、Kから選択され、xは0.2〜1の範囲であり、zは0であるか、または0〜xの範囲である]のアルカリ金属タングステンブロンズ、
b) 1〜15質量部、特に2〜10質量部の二元酸化タングステン、および
c) 1〜15質量部、特に2〜10質量部のタングステン金属
を含む、少量の成分(b)を含有してもよい。
【0017】
成分(a)は、最も好ましくは1つ以上の立方晶相、六方晶相および/または正方晶相、特に空間群Pm3m、Fd3m、P6322、P63/mcm、P4/mbmから実質的に構成されている。
【0018】
本発明はさらに、特に上で定義したアルカリ金属タングステンブロンズまたはアルカリ金属タングステンブロンズ組成物を製造する方法であって、好適なタングステン遊離体と好適なアルカリ塩との混合物を還元ガスと2500K以上の温度で接触させることを含む、方法に関する。アルカリは、通常、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウムを含むと理解されており、Cs、Rb、K、Na、特にCs、K、Naが好適である。これらの元素は一般的に、タングステン前駆体と自由に混合することができる塩の形態で本発明の組成物に導入され、低温(例えば、1000℃未満)で分解し始める。これらの塩としては、酢酸塩、ギ酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、亜硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、水酸化物、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、メトキシド、アルコキシド、酸化物等を挙げることができる。炭酸塩または炭酸水素塩(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、CsHCO3)、酢酸塩(特に、酢酸Na、酢酸Kまたは酢酸Cs、例えばNaOAc、KOAc、CsOAc[AcはCO−CH3を表す])、およびクエン酸塩(特に、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸セシウム、例えばクエン酸三カリウム一水和物:K3657・H2O)が好適である。このような組成物は、水和または無水形態で使用することができる。この方法の1つの利点は、アルカリドーパントのアニオンから形成される分解生成物が揮発性であるため(例えば、CO2、CO、CHx、NOx、H2O、Cl2)、反応して最終材料に副産物を生成することがない点である。
【0019】
好適な方法は、タングステン酸アンモニウムとアルカリ前駆体化合物との混合物を水素と2500K以上の温度で接触させることを含む。
【0020】
タングステン遊離体は一般的に、プラズマ条件下で反応性を有するタングステン材料(例えば、タングステン酸塩、酸化タングステン、タングステン金属)から自由に選択することができ、融点が低い材料(例えば、酸化タングステンまたは特にタングステン酸アンモニウム)が好適である。この方法で使用するのに好適なタングステン酸アンモニウムとしては、モノタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム(例えば、ヘキサタングステン酸塩およびドデカタングステン酸塩)、およびメタタングステン酸アンモニウム、ならびにこれらの水和物が挙げられ、その例は(NH410122042・4H2Oである。
【0021】
当然ながら、好適なアルカリ金属タングステン酸塩を単独で使用することも、または列挙した他の遊離体の1つ以上と組み合わせて使用することも可能である。例としては、ナトリウムタングステンブロンズを製造するための酸化タングステンナトリウム二水和物(Na2WO4.2H2O)またはメタタングステン酸ナトリウム(3Na2WO4.9WO3.H2O)である。NaとWの化学量論比は、ブロンズ相を形成するには高すぎるように思われるが(典型的には、x=0〜1.2)、ナトリウムは沸点が低いためにプラズマ中で優先的に蒸発し、その結果、ナトリウム含有量がはるかに少ない最終材料が熱プラズマ処理後に得られる可能性がある。あるいは、酸化タングステンナトリウム二水和物(Na2WO4.2H2O)または類似物を化学量論量にてパラタングステン酸アンモニウムに添加して、ナトリウムをドーピングしたブロンズを製造してもよい。
【0022】
還元および/または水素放出に好適なガスとしては、例えば、アンモニア、揮発性炭化水素(例えば、エタンおよびプロパン)、一酸化炭素が挙げられ、これらは水素の代わりに使用してもよければ、水素との混合物として使用してもよい。接触は好ましくは、特に水素および/または還元ガスを希ガスと混合して使用するプラズマ中で行われる。
【0023】
プラズマトーチは、好ましくは誘導プラズマトーチである。本発明の方法で使用するのに好適な誘導プラズマトーチは、Tekna Plasma Systems, Inc.(カナダ ケベック州シャーブルック)より入手可能である。プラズマ誘導トーチの構造および操作に関する教示内容については、Boulos等の米国特許第(US−A)5200595号が参考して本明細書で援用される。
【0024】
遊離体(educt)は、粉末混合物の形態でプラズマに都合よく供給される。分子スケールでの混合が好適である。特に、分解温度が低い金属塩を使用すると、より低コストの前駆体を使用して高い処理能力と効率で、好適な均一性の材料が得られる(プラズマ温度が高く、分解温度が低いことによる)。
【0025】
別の種類の熱プラズマ合成としては、液体噴霧または懸濁液噴霧が挙げられる。液体噴霧の手順は以下の通りである:
a) タングステン前駆体およびアルカリ金属前駆体を溶媒(水、アルコール等)に溶解および/または分散させる、
b) 次いで、溶解または分散させた(特に、コロイド状の)前駆体をプラズマに霧化または噴霧する。
【0026】
タングステン酸、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、塩化タングステン、およびタングステンアルコキシド(例えば、タングステンイソプロポキシド、エトキシド、ジクロリドエトキシド)が可溶性タングステン遊離体の例である。酸または塩基を使用して、溶解した状態またはコロイド状態(ゾル−ゲル化学)に前駆体を保持することもできる。この方法により得られる生成物は、固体前駆体を供給した後に得られるものよりも高度の均一性を有することができる。
【0027】
本発明の粒子組成物は、ポリマー分散性に優れ、このようにして得られるポリマー組成物の遮熱性に優れ、透明度が高く、曇り度が低いという利点をもたらす。得られるポリマー組成物は、一般的に経年劣化時の変色が少なく、色彩安定性に優れる(黄変が少ない)。
【0028】
粒子は、例えばミキサー、混練機または押出機を使用した添加剤混合法により、コーティングまたはプラスチック組成物(例えば、フィルムまたはシート形態の熱可塑性ポリマー材料)に組み入れることができる。粒子を使用して、極めて効率的なIR吸収性/遮熱性を有する透明または半透明(特に透明)の材料を得たり、および/または当該材料の熱吸収効果を改善することができる。
【0029】
本発明の粉末組成物は、有利には、以下のポリマー基質中で添加剤として使用される:
1. モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン)、ならびにシクロオレフィン(例えば、シクロペンテンまたはノルボルネン)のポリマー、ポリエチレン(場合により架橋してもよい)(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE))。
【0030】
ポリオレフィン(すなわち、前段落で例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレン)は、種々の方法、特に以下の方法によって製造することができる:
a) ラジカル重合(通常、高圧および高温下)、
b) 通常、周期表のIVb族、Vb族、VIb族またはVIII族の金属の1つ以上を含有する触媒を使用した触媒重合。これらの金属は、通常、1つ以上のリガンド、典型的には酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有してよく、これらはπ配位またはσ配位のいずれであってもよい。これらの金属錯体は、遊離形態であってもよければ、または基体、典型的には活性化した塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素上に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒体への可溶性を有してもよければ、または不溶性を有してもよい。触媒は単独で重合に使用してもよければ、またはさらなる活性化剤、典型的には、周期表のIa族、IIa族および/またはIlia族の元素である金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンを使用してもよい。活性化剤は、さらなるエステル基、エーテル基、アミン基またはシリルエーテル基で都合よく修飾してもよい。これらの触媒系は、通常、フィリップス、スタンダードオイルインディアナ、チーグラー(−ナッタ)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0031】
2. 1)に列挙したポリマーの混合物(例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)および種々のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE))。
【0032】
3. モノオレフィンおよびジオレフィン同士のコポリマー、またはモノオレフィンおよびジオレフィンと他のビニルモノマーとのコポリマー(例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COC等のエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(前記1−オレフィンはin−siteにて生成される)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、またはエチレン/アクリル酸コポリマー、およびこれらの塩(イオノマー)、ならびにエチレンとプロピレンおよびジエン(例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンもしくはエチリデン−ノルボルネン)とのターポリマー、ならびにこのようなコポリマー同士の混合物およびこのようなコポリマーと前記1)に列挙したポリマーとの混合物(例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互もしくはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー)ならびにこれらと他のポリマー(例えばポリアミド)との混合物))。
【0033】
4. 炭化水素樹脂(例えばC5〜C9)(これらの水素化修飾物(例えば粘着付与剤)を含む)ならびにポリアルキレンとデンプンとの混合物。
【0034】
1)〜4)のホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチックまたはアタクチックをはじめとするいずれの立体構造を有してもよく、アタクチックポリマーが好適である。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0035】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0036】
6. スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全異性体(特にp−ビニルトルエン)、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンの全異性体、ならびにこれらの混合物をはじめとするビニル芳香族モノマーに由来する芳香族ホモポリマーおよびコポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチックまたはアタクチックをはじめとするいずれの立体構造を有してもよく、アタクチックポリマーが好適である。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0037】
6a. 前記ビニル芳香族モノマーと、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、ビニルアセテートおよび塩化ビニルまたはアクリル誘導体から選択されるコモノマーと、これらの混合物とを含むコポリマー(例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート)、衝撃強度に優れたスチレンコポリマーと別のポリマーとの混合物(例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー)、ならびにスチレンのブロックコポリマー(例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、またはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン)。
【0038】
6b. 6)に列挙したポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー(特に例えば、ポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称されることが多い、アタクチックポリスチレンの水素化により製造されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE))。
【0039】
6c. 6a)に列挙したポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0040】
ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミ−イソタクチックまたはアタクチックをはじめとするいずれの立体構造を有してもよく、アタクチックポリマーが好適である。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0041】
7. スチレンまたはα−メチルスチレン等のビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー(例えば、ポリブタジエン上スチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上スチレン、ポリブタジエン上スチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル)、ポリブタジエン上スチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート、ポリブタジエン上スチレンおよび無水マレイン酸、ポリブタジエン上スチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド、ポリブタジエン上スチレンおよびマレイミド、ポリブタジエン上スチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上スチレンおよびアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレート上スチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上スチレンおよびアクリロニトリル、ならびにこれらと6)に記載するコポリマーとの混合物(例えば、ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして知られるコポリマー混合物))。
【0042】
8. ハロゲン含有ポリマー(例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ−塩素化ポリエチレン、エチレンおよび塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン)、ならびにこれらのコポリマー(例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマー、または塩化ビニリデン/ビニルアセテートコポリマー))。
【0043】
9. α,β不飽和酸およびこれらの誘導体に由来するポリマー(例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ならびにブチルアクリレートで耐衝撃性が改良されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル)。
【0044】
10. 9)に列挙したモノマー同士のコポリマーまたは9)に列挙したモノマーと他の不飽和モノマーとのコポリマー(例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートコポリマーもしくはアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー、またはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー)。
【0045】
11. 不飽和アルコールおよびアミンまたはアシル誘導体もしくはそのアセタールに由来するポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン、ならびにこれらと前記1)に列挙したオレフィンとのコポリマー)。
【0046】
12. 環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー)。
【0047】
13. ポリアセタール(例えば、ポリオキシメチレン、およびコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレン、熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで修飾されるポリアセタール)。
【0048】
14. ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、ならびにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0049】
15. 一方がヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンに由来し、他方が脂肪族または芳香族ポリイソシアネートに由来するポリウレタン、ならびにこれらの前駆体。
【0050】
16. ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または対応するラクタムに由来するポリアミドおよびコポリアミド(例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド6/9、ポリアミド6/12、ポリアミド4/6、ポリアミド12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド、ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から、修飾剤としてエラストマーを使用してもしくは使用せずに製造されるポリアミド(例えば、ポリ−2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド)、ならびに前記ポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、異性体もしくは化学結合もしくはグラフトエラストマー、またはポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコール)とのブロックコポリマー、およびEPDMまたはABSで修飾されるポリアミドまたはコポリアミド、および加工中に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0051】
17. ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0052】
18. ジカルボン酸およびジオールおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトンもしくはラクチドに由来するポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルに由来するコポリエーテルエステル、ならびにポリカーボネートまたはMBSで修飾されるポリエステル)。コポリエステルは、例えば、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/オクタノエートコポリマー、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ヘキサノエート/デカノエートターポリマーを含んでもよいが、これらに限定されない。さらに、脂肪族ポリエステルは、例えば、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、特にポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)およびポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケートおよびポリ乳酸(PLA)のクラス、ならびにポリカーボネートまたはMBSで修飾される対応するポリエステルを含んでもよい。「ポリ乳酸(PLA)」という用語は、好ましくはポリ−L−ラクチドのホモポリマーおよび他のポリマーとのブレンドもしくは合金、ならびに乳酸またはラクチドと、ヒドロキシカルボン酸(例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸およびこれらの環状形態)等の他のモノマーとのコポリマーを指し、「乳酸」または「ラクチド」という用語には、L−乳酸、D−乳酸、これらの混合物および二量体(すなわち、L−ラクチド、D−ラクチド、メソ−ラクチドおよびこれらの混合物)が含まれる。
【0053】
19. ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0054】
20. ポリケトン。
【0055】
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0056】
22. 一方がアルデヒドに由来し、他方がフェノール、尿素およびメラミンに由来する架橋ポリマー(例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂)。
【0057】
23. 乾燥性および非乾燥性アルキド樹脂。
【0058】
24. 飽和および不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコールおよびビニル化合物とのコポリエステルに由来する不飽和ポリエステル樹脂、ならびにその低燃焼性ハロゲン含有修飾物。
【0059】
25. 置換アクリレート(例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレート)に由来する架橋性アクリル樹脂。
【0060】
26. メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂と架橋したアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂。
【0061】
27. 脂肪族、脂環式、複素環式または芳香族グリシジル化合物に由来する架橋エポキシ樹脂(例えば、無水物またはアミン等の通常の硬化剤を使用し、促進剤を使用してまたは使用せずに架橋した、ビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物)。
【0062】
28. 天然ポリマー(例えば、セルロース、ゴム、ゼラチンおよびこれらの化学的に修飾された同族誘導体(例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートおよびセルロースブチレート、またはセルロースエーテル(例えばメチルセルロース))、ならびにロジンおよびこれらの誘導体)。
【0063】
29. 前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)(例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS、またはPBT/PET/PC)。
【0064】
透明および半透明ポリマー材料の場合、本発明の材料を透過する光の量(すなわち、半透明度または透明度)は、主に粒子充填率、さらなる添加剤の使用、ポリマー基質の曇り度、および材料の厚さ等の周知のパラメータにより異なる。本発明の材料は、通常、可視範囲(400〜800nm)の各部分において少なくとも80%、より正確には90%を超える半透明度を有しており、好適な材料は、優れた透明度を有しており、特に、10mm(例えば、0.01〜5mm)未満の厚さのクリア透明シートおよびフィルムから選択される。好適な材料はさらに、以下の有利な特性を1つ以上共有する:
− 60%未満の全太陽放射線透過率(340〜1800nm)、
− 10%未満の曇り度、
− 2dB未満の10〜2000MHz帯域電磁遮蔽、および
− 75%を超える全可視光線透過率(400〜800nm)。
【0065】
本発明の粒子は、有利には、以下のプラスチック基質中で添加剤として使用される(特に、透明および半透明ポリマー製品の場合):
− ポリカーボネート(PC)、あるいはポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ハロゲン化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC))、ポリオレフィン、芳香族ホモポリマー、ならびにビニル芳香族モノマーに由来するコポリマー、ならびにこれらのグラフトコポリマー(例えば、これらのポリマーを主成分としてまたは実質的に純粋な形態で(例えば50〜100質量%)含有するアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー(ABS))上のコーティングまたは共押出層
(特に、ポリマーは、PC、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET、PET−G)、PVC、透明ABS、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)(ブレンド、合金、コポリマーを含む)から選択される)。
【0066】
ポリマー基質に組み入れることによって、透明度の高いプラスチック物品が得られる。前記プラスチック物品は無色であってもよければ(例えば、クリアグレイジングまたはフィルム用として)、あるいは好適な光フィルタリングもしくは日射遮蔽が求められる用途のため、または着色コーティングを行う場合に、顔料または顔料の混合物を添加することによって着色されていてもよい。本発明の酸化物または窒化物材料により、高い充填率が可能となり、高い遮熱効果が得られる。好ましい充填率は、最終ポリマー組成物の0.01〜15質量%、特に0.1〜5質量%である。
【0067】
本発明の粒子は、公知の方法(例えば、シラン処理、チオール、アミン、ホスフィン、ステアレート等の使用)により組み入れる前に、表面をさらに官能化してもよい。
【0068】
好適な実施形態において、本発明の粒子および/または粉末組成物は、例えば以下の材料から選択される1つ以上のさらなる添加剤と組み合わせる。
【0069】
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール:例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジ−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖であるかまたは側鎖が分岐しているノニルフェノール(例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデク−1’−イル)フェノールおよびこれらの混合物)。
【0070】
1.2. アルキルチオメチルフェノール:例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0071】
1.3. ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン:例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0072】
1.4. トコフェロール:例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0073】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル:例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0074】
1.6. アルキリデンビスフェノール:例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0075】
1.7. O−ベンジル、N−ベンジルおよびS−ベンジル化合物:例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0076】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート:例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート,ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0077】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物:例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0078】
1.10. トリアジン化合物:例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0079】
1.11. ベンジルホスホネート:例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0080】
1.12. アシルアミノフェノール:例えば、4−ヒドロキシルラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチル。
【0081】
1.13. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル:例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロール−プロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0082】
1.14. β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル:例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン。
【0083】
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル:例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0084】
1.16. 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル:例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0085】
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド:例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Uniroyal社支給のNaugard(登録商標)XL−1)。
【0086】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19. アミン系酸化防止剤:例えば、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン(例えば、p,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン)、4−n−ブチル−アミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニル−アミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンとジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンとの混合物、モノアルキル化ノニルジフェニルアミンとジアルキル化ノニルジフェニルアミンとの混合物、モノアルキル化ドデシルジフェニルアミンとジアルキル化ドデシルジフェニルアミンとの混合物、モノアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンとジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンとの混合物、モノアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンとジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンとの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンとジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンとの混合物、モノジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンとジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンとの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン。
【0087】
2. UV吸収剤および光安定剤
2.1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール:例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物、
【化1】

[式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル]、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール]。
【0088】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン:例えば、4−ヒドロキシ誘導体、4−メトキシ誘導体、4−オクチルオキシ誘導体、4−デシルオキシ誘導体、4−ドデシルオキシ誘導体、4−ベンジルオキシ誘導体、4,2’,4’−トリヒドロキシ誘導体、および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0089】
2.3. 置換および非置換安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0090】
2.4. アクリル酸塩:例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジ−フェニルアクリレート。
【0091】
2.5. ニッケル化合物:例えば、2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体(例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミン等のさらなるリガンドを含むまたは含まない1:1または1:2錯体)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル(例えば、メチルまたはエチルエステル)のニッケル塩、ケトキシム(例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシム)のニッケル錯体、さらなるリガンドを含むまたは含まない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0092】
2.6. 立体的に遮蔽されたアミン:例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2、2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6])、1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7])、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS登録番号106917−31−1]、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)−アミノ)−s−トリアジン。
【0093】
2.7. オキサミド:例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよびこれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−メトキシ−二置換オキサニリドとp−メトキシ−二置換オキサニリドとの混合物、ならびにo−エトキシ−二置換オキサニリドとp−エトキシ−二置換オキサニリドとの混合物。
【0094】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン:例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0095】
3. 金属不活性化剤:例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0096】
4. ホスファイトおよびホスホナイト:例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0097】
以下のホスファイトが特に好適である:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化2】

【0098】
5. ヒドロキシルアミン:例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンに由来するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0099】
6. ニトロン:例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンに由来するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンに由来するニトロン。
【0100】
7. チオ相乗剤:例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミスチリル(dimistryl)チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、またはジステアリルジスルフィド。
【0101】
8. 過酸化物スカベンジャー:例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル(例えばラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステルまたはトリデシルエステル)、メルカプトベンズイミダゾール、または2−メルカプト−ベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0102】
9. ポリアミド安定剤:例えば、ヨウ化物および/またはリン化合物と組み合わせた銅塩、ならびに二価マンガンの塩。
【0103】
10. 塩基性補助安定剤:例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム)、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛。
【0104】
11. 核形成剤:例えば、無機物質(例えば、滑石)、金属酸化物(例えば、二酸化チタンまたは酸化マグネシウム)、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩または硫酸塩、有機化合物(例えば、モノカルボン酸またはポリカルボン酸およびこれらの塩(例えば、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム))、ポリマー化合物(例えば、イオン性コポリマー(イオノマー))。特に、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールが好適である。
【0105】
12. 充填剤および補強剤:例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉、および他の天然物の粉末または繊維、合成繊維。
【0106】
13. 他の添加剤:例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤および発泡剤。
【0107】
14. ベンゾフラノンおよびインドリノン:例えば、米国特許第4325863号、米国特許第4338244号、米国特許第5175312号、米国特許第5216052号、米国特許第5252643号、ドイツ特許第(DE−A)4316611号、ドイツ特許第(DE−A)4316622号、ドイツ特許第(DE−A)4316876号、欧州特許第(EP−A)0589839号、欧州特許第(EP−A)0591102号、欧州特許第(EP−A)1291384号で開示されるもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジ−メチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−オン。
【0108】
これらのさらなる添加剤の1つ以上が、通常は組成物の0.01〜約10%の量で、多くの場合は最終組成物の約0.1〜5質量%の濃度レベルで含有される。例えば酸化防止剤(例えば、上に列挙したフェノール系酸化防止剤および/またはホスファイト(ホスホナイト))および多くの用途では難燃剤が重要である。透明剤/核形成剤を添加して、特にポリオレフィン組成物における透明度を提供または改善してもよい。特に、本発明のナノ粒子と光安定剤(例えば、UV吸収剤および/または立体的に遮蔽されたアミン(HALS))とを組み合わせるのが好適である。特に酸化亜鉛は、UV線を強力に吸収し、プラスチックの耐久性を改善する、周知のプラスチック添加剤である。さらに、HALS等の光安定剤と組み合わせた場合に強力な相乗効果を生じることが知られている(例えば、欧州特許第(EP−A)690094号、米国特許第5948836号を参照)。
【0109】
前記のポリマーおよびナノ粒子を含有するプラスチック材料、特に本発明のフィルムは、有利には、建築用グレイジング、建物および構造物のグレイジング、自動車用グレイジング、輸送機関用グレイジング、農業用フィルムおよび構造等の技術応用分野において使用することができる。材料は、固体シート、一体型シート、ツインウォールシート、マルチウォールシート、フラットシート、波形シート、フィルム、延伸または一軸もしくは二軸延伸フィルム、ラミネーションフィルム、キャップストックフィルムであってよい。具体的な応用分野としては、ウィンターガーデンおよびベランダ建造物、ファサード、天窓、プールカバーおよびエンクロージャー、屋根構造物、アーチ型天井、通路、シェルター、看板、室内および屋外設計部材、日よけ、側窓、後部窓、パノラマルーフ、温室が挙げられる。
【0110】
主な用途は、遮熱、光管理、熱管理、エネルギー管理、太陽光制御であり、レーザー溶接、セキュリティー機能、マーキング、トレーサー、伝熱も重要である。
【0111】
本発明の組成物は、好ましくは可塑化されていない。本発明の組成物は、さらなる金属または金属粒子を必要とせず、通常はこのような成分を含有しない。特に技術的に興味深いものは、自動車または建築用グレイジング用の硬質透明組成物(例えば、プレートもしくはシート)、あるいは特に農業用の半透明もしくは透明ポリオレフィンまたはポリオレフィンコポリマーフィルムである。
【0112】
本発明の添加剤および任意のさらなる成分は、個々にまたは互いに混合してポリマー材料に添加してもよい。所望の場合は、個々の成分を互いに混合した後、例えば乾式乾燥、圧縮により、または溶融物中でポリマーに組み入れてもよい。
【0113】
本発明の添加剤および任意のさらなる成分のポリマーへの組入れは、粉末形態では乾式乾燥、または溶液、分散液もしくは懸濁液(例えば、不活性溶媒、水もしくは油)の形態では湿式混合等の公知の方法により実施される。本発明の添加剤および任意のさらなる添加剤は、例えば、成形前もしくは成形後に組み入れてもよければ、あるいは溶解もしくは分散させた添加剤もしくは添加剤混合物をポリマー材料に塗布することによって(その後溶媒もしくは懸濁液/分散剤を蒸発させてまたは蒸発させずに)組み入れてもよい。これらは、加工装置(例えば、押出機、密閉式ミキサー)に、例えば乾燥混合物もしくは粉末として直接添加してもよければ、あるいは溶液もしくは分散液もしくは懸濁液もしくは溶融物として直接添加してもよい。
【0114】
組入れは、撹拌機を備えた加熱式容器(例えば、混練機、ミキサーまたは撹拌槽等の密閉装置)で実施することができる。組入れは、好ましくは押出機または混練機で実施される。加工を不活性雰囲気中で実施するか、または酸素の存在下で実施するかは重要ではない。
【0115】
添加剤または添加剤ブレンドのポリマーへの添加は、ポリマーを溶融させ、添加剤と混合するあらゆる慣例的な混合機中で実施することができる。好適な混合機は、当業者に公知であり、主にミキサー、混練機および押出機である。
【0116】
当該方法は、好ましくは、加工中に添加剤を導入することにより押出機で実施される。
【0117】
特に好適な加工装置は、一軸スクリュー押出機、逆回転および共回転二軸スクリュー押出機、遊星歯車押出機、リング押出機または共混練機である。また、陰圧を印加できる少なくとも1つのガス除去区画を備えた加工装置を使用することも可能である。
【0118】
好適な押出機および混練機については、例えば、Handbuch der Kunststoffex−trusion, Vol. 1 Grundlagen, Editors F. Hensen, W. Knappe, H. Potente, 1989, pp. 3−7, ISBN: 3−446−14339−4(Vol. 2 Extrusionsanlagen 1986, ISBN 3−446−14329−7)に記載されている。
【0119】
例えば、スクリュー長は、スクリュー径1〜60、好ましくはスクリュー径20〜48である。スクリューの回転速度は、好ましくは1〜800回/分(rpm)、極めて好ましくは25〜400rpmである。
【0120】
最高押出量は、スクリュー径、回転速度および駆動力に左右される。本発明の方法は、記載したパラメータを変更するか、または適用量を供給する計量器を使用することによって、最高押出量よりも低いレベルで実施してもよい。
【0121】
複数の成分を添加する場合、これらは予混合してもよければ、別個に添加してもよい。
【0122】
本発明の添加剤および任意のさらなる添加剤は、例えば約5〜約80質量%、好ましくは5〜約40質量%の濃度でポリマーに組み込まれたおよび/または好適な溶媒に分散させた成分を含有するマスターバッチ(「濃縮物」)の形態でポリマーに添加してもよい。ポリマーは、最終的に添加剤を添加するポリマーと必ずしも同一の構造である必要はない。このような作業では、ポリマーを粉末、顆粒、溶液、懸濁液またはラテックスの形態で使用してよい。
【0123】
組入れは、成形作業前もしくは作業中に実施してもよければ、または溶解もしくは分散させた化合物をポリマーに塗布することによって(その後溶媒もしくは懸濁液/分散剤を蒸発させてまたは蒸発させずに)実施してもよい。エラストマーの場合、これらはラテックスとして安定化させてもよい。本発明の添加剤をポリマーに組み入れる方法としてさらに可能な方法は、対応するモノマーの重合前、重合中もしくは重合直後に、または架橋前に添加剤を添加する方法である。この場合、本発明の添加剤はそのまま添加してもよければ、あるいはカプセル化した形態(例えば、ワックス、油またはポリマー)で添加してもよい。
【0124】
本明細書に記載する本発明の添加剤を含有する材料は、成形品、ロト成形品、射出成形品、ブロー成形品、フィルム、テープ、モノフィラメント、繊維、不織布、形材、接着剤またはパテ、表面コーティング等の製造に使用することができる。
【0125】
本発明の基質材料は、成分(a)として好適な結合剤を含むコーティング材料または硬化コーティングであってもよい。結合剤(成分(A))は、原則として、産業界において慣例的ないずれの結合剤、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A18, pp. 368−426, VCH, Weinheim 1991に記載されるものであってもよい。一般的に結合剤は、熱可塑性または熱硬化性樹脂、主に熱硬化性樹脂を主成分とするフィルム形成結合剤である。これらの例は、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリウレタン樹脂、ならびにこれらの混合物である。
【0126】
成分(A)は低温硬化性結合剤であっても、熱硬化性結合剤であってよく、硬化触媒の添加が有利であってもよい。結合剤の硬化を促進する好適な触媒については、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A18, p. 469, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim 1991に記載されている。
【0127】
成分(A)が官能性アクリレート樹脂および架橋剤を含む結合剤であるコーティング組成物が好ましい。
【0128】
特定の結合剤を含有するコーティング組成物の例は、以下の通りである:
1. 低温架橋性または熱架橋性アルキド、アクリレート、ポリエステル、エポキシもしくはメラミン樹脂またはこのような樹脂の混合物を主成分とする塗料(所望により硬化触媒を添加);
2. ヒドロキシル含有アクリレート、ポリエステルもしくはポリエーテル樹脂および脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートもしくはポリイソシアネートを主成分とする2成分ポリウレタン塗料;
3. チオール含有アクリレート、ポリエステルもしくはポリエーテル樹脂および脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートを主成分とする2成分ポリウレタン塗料;
4. 焼付け中に脱ブロック化するブロック化イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートを主成分とする一成分ポリウレタン塗料(所望によりメラミン樹脂を添加);
5. 脂肪族または芳香族ウレタンまたはポリウレタンおよびヒドロキシル含有アクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂を主成分とする一成分ポリウレタン塗料;
6. ウレタン構造内に遊離アミノ基を有する脂肪族もしくは芳香族ウレタンアクリレートもしくはポリウレタンアクリレート、およびメラミン樹脂またはポリエーテル樹脂(必要に応じて硬化触媒を含む)を主成分とする一成分ポリウレタン塗料;
7. ケチミン(ポリケチミン)および脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートもしくはポリイソシアネートを主成分とする2成分塗料;
8. ケチミン(ポリケチミン)および不飽和アクリレート樹脂またはポリアセトアセテート樹脂またはメタクリルアミドグリコール酸メチルエステルを主成分とする2成分塗料;
9. カルボキシル含有もしくはアミノ含有ポリアクリレートおよびポリエポキシドを主成分とする2成分塗料;
10. 無水物基を含有するアクリレート樹脂およびポリヒドロキシ成分またはポリアミノ成分を主成分とする2成分塗料;
11. アクリレート含有無水物およびポリエポキシドを主成分とする2成分塗料;
12. 無水物基を含有するオキサゾリン(ポリオキサゾリン)およびアクリレート樹脂、または不飽和アクリレート樹脂、または脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートもしくはポリイソシアネートを主成分とする2成分塗料;
13. 不飽和ポリアクリレートおよびポリマロネートを主成分とする2成分塗料;
14. エーテル化メラミン樹脂と組み合わせた熱可塑性アクリレート樹脂または外部架橋性アクリレート樹脂を主成分とする熱可塑性ポリアクリレート塗料;
15. シロキサン修飾またはフッ素修飾アクリレート樹脂を主成分とする塗料系;
16. メラミン樹脂(例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン)を(酸触媒)架橋剤として含むマロネートブロック化イソシアネートを主成分とする塗料系(特にクリアコート用);
17. オリゴマーウレタンアクリレートおよび/またはアクリラタクリラテンを主成分とするUV硬化性系(所望により他のオリゴマーまたはモノマーと併用);
18. 最初に熱、次にUVもしくは電子線照射によって硬化するか、またはその逆で硬化し、その成分が、光開始剤の存在下でUV光を照射するかまたは電子線照射すると反応することができるエチレン性二重結合を含有する、二元硬化系。
【0129】
また、シロキサンを主成分とするコーティング系、例えば国際特許第98/56852号、国際特許第98/56853号、ドイツ特許第(DE−A)2914427号、またはドイツ特許第(DE−A)4338361号に記載される系も可能である。
【0130】
成分(A)および(B)の他にも、本発明のコーティング組成物は、好ましくは成分(C)として、例えば上の2.1項、2.6項および2.8項の一覧に列挙した、立体的に遮蔽されたアミン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび/または2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールのタイプの光安定剤を含む。有利に添加する2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンタイプの光安定剤のさらなる例については、例えば米国特許第(US−A)4619956号、欧州特許第(EP−A)434608号、米国特許第(US−A)5198498号、米国特許第(US−A)5322868号、米国特許第(US−A)5369140号、米国特許第(US−A)5298067号、国際特許第94/18278号、欧州特許第(EP−A)704437号、英国特許第(GB−A)2297091号、国際特許第96/28431号に記載されている。特に技術的に興味深いのは、2−レゾルシニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−レゾルシニル−4,6−ビス(ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、および/または2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンズトリアゾールのクラスの化合物を添加することである。
【0131】
成分(A)、(B)および(使用する場合は)(C)の他にも、コーティング組成物はさらなる成分を含んでもよく、その例は溶媒、顔料、染料、可塑剤、安定剤、レオロジー改質剤または揺変剤、乾燥触媒および/またはレベリング剤である。可能な成分の例については、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A18, pp. 429−471, VCH, Weinheim 1991に記載されている。
【0132】
可能な乾燥触媒または硬化触媒は、例えば、遊離(有機)酸もしくは塩基、または熱処理もしくは照射により脱ブロック化することができる(有機)ブロック化酸または塩基、有機金属化合物、アミン、アミノ含有樹脂および/またはホスフィンである。有機金属化合物の例は、金属カルボン酸塩(特に、金属Pb、Mn、Co、Zn、ZrもしくはCuのカルボン酸塩)、または金属キレート(特に、金属Al、Ti、ZrもしくはHfのキレート)、または有機スズ化合物等の有機金属化合物である。
【0133】
金属カルボン酸塩の例は、Pb、MnもしくはZnのステアリン酸塩、Co、ZnもしくはCuのオクタン酸塩、MnおよびCoのナフテン酸塩、または対応するリノール酸塩、樹脂酸塩またはタレートである。
【0134】
金属キレートの例は、アセチルアセトン、エチルアセチルアセテート、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノンまたはエチルトリフルオロアセチルアセテートのアルミニウムキレート、チタンキレートまたはジルコニウムキレート、およびこれらの金属のアルコキシドである。
【0135】
有機スズ化合物の例は、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートまたはジブチルスズジオクトエートである。
【0136】
アミンの例は、特に第3アミン(例えば、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)、ジアザビシクロウンデセン、DBN(=1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)、およびこれらの塩)である。さらなる例は、第4アンモニウム塩(例えば、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド)である。
【0137】
アミノ含有樹脂は同時に結合剤であり、硬化触媒である。その例は、アミノ含有アクリレートコポリマーである。
【0138】
使用する硬化触媒は、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)であってもよい。
【0139】
新規のコーティング組成物は、放射線硬化性コーティング組成物であってもよい。この場合、結合剤は、エチレン性不飽和結合を含有するモノマーまたはオリゴマー化合物(プレポリマー)を実質的に含み、これらは塗布後に化学線により硬化し、すなわち架橋した高分子量形態に変換される。系がUV硬化性を有する場合は、一般的に少なくとも1つの光開始剤も含有する。対応する系については、前述の刊行物Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A18, pages 451−453に記載されている。放射線硬化性コーティング組成物においては、立体的に遮蔽されたアミンを添加せずに新規の安定剤を使用してもよい。
【0140】
本発明のコーティング組成物は、いずれの所望の基体(例えば、金属、木、プラスチックまたはセラミック材料)に塗布してもよい。これらは、好ましくは自動車の仕上げ工程でトップコートとして使用される。下層が着色され、上層が着色されていない2つの層をトップコートが含む場合は、新規のコーティング組成物を上層もしくは下層のいずれかに使用してもよければ、または両方の層に使用してもよく、好ましくは上層に使用する。
【0141】
新規のコーティング組成物は、慣例的な方法(例えば、ブラッシング、噴霧、注入、浸漬または電気泳動)によって基体に塗布することができる。これについてもUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A18, pp. 491−500を参照されたい。
【0142】
結合剤系によっては、コーティングを室温で硬化させることもできれば、または加熱によって硬化させることができる。コーティングは、好ましくは50〜150℃で硬化させ、粉末コーティングまたはコイル油コーティングの場合は、さらに高温で硬化させる。
【0143】
本発明に従って得られるコーティングは、光、酸素および熱の損傷作用に対して優れた耐性を有し、特筆すべきは、このようにして得られるコーティング(例えば、塗料)が優れた光安定性および耐候性を有する点である。
【0144】
コーティング組成物は、結合剤が溶解しやすい有機溶媒または溶媒混合物を含んでよい。あるいはコーティング組成物は水溶液であっても、分散液であってもよい。またビヒクルが有機溶媒と水との混合物であってもよい。コーティング組成物は高固形分塗料であっても、無溶媒(例えば、粉末コーティング材料)であってもよい。粉末コーティングは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., A18, pages 438−444に記載されるものである。粉末コーティング材料は、粉末−スラリー(好ましくは水に粉末が分散した分散液)の形態を有してもよい。
【0145】
顔料は無機顔料、有機顔料または金属顔料であってよい。新規のコーティング組成物は、好ましくは顔料を含有せず、クリアコートとして使用される。
【0146】
本発明の基質材料は、無機ポリマー組成物であっても、有機/無機ポリマーハイブリッド系(例えば、ゾル−ゲルコーティング)であってもよい。その例は、金属アルコキシド(例えば、Siアルコキシド、Tiアルコキシド、Xrアルコキシド、Alアルコキシド)を主成分とする金属酸化物系、または樹脂と金属アルコキシドとの混合物を主成分とするハイブリッドコーティングであり、このような系およびこのような系の製造の例については、米国特許第20070187653号の段落[0169]または欧州特許第(EP−A)1676890号の第18段落、第9〜16行に記載されており、これらの部分は参考して本明細書で援用されている。
【0147】
特に興味深い用途は、本発明の粉末材料を特にプラズマディスプレーパネルに使用する光学フィルターに組み入れる用途である。
【0148】
有用なタングステンブロンズの例は、Na0.33WO3、K0.33WO3、Cs0.33WO3、Ba0.33WO3、Rb0.33WO3である。
【0149】
混合酸化物の例は、Na0.8Mo0.050.953またはRb0.30.50.53である。
【0150】
タングステン亜酸化物(例えば、WO2.72)、およびタングステンブロンズ(例えば、Na0.33WO0.3、Cs0.33WO3)を使用するのが好適である。
【0151】
特に好適なのは、Cs0.2WO3およびCs0.3WO3を含む材料である。
【0152】
レーザー溶接
入熱量は、近赤外線によって供給される熱エネルギーと見なすことができる。近赤外線の入熱量が増加することで、前記酸化タングステンおよびタングステン酸塩は種々の工程(例えば、プラスチックのレーザー溶接、コーティングのNIR硬化、印刷用インクの乾燥、インクトナーの基体への定着、プラスチックプリフォームの加熱、プラスチック、紙およびその他の天然または人工基体のレーザーマーキング)で使用することができる。
【0153】
本発明の方法で使用されるNIR線は、約700nm〜約3000nmの範囲の波長の短波長赤外線である。NIR線源としては、例えば、(例えばAdphos社から)市販され、主発光波長が800〜1500nmの範囲である従来のNIR線エミッター、ダイオードレーザー、ファイバーレーザー、またはNd:YAGレーザーが挙げられる。
【0154】
赤外硬化
コーティングのNIR硬化は、着色および非着色のいずれのコーティング材料をはじめとするあらゆる種類のコーティングに使用することができる。有機結合剤の性質に応じて、コーティングは溶媒および/または水を含んでも、含まなくてもよい。また、顔料の他に充填剤およびその他の添加剤を含んでもよい。本発明の方法では、いずれの種類のコーティング(例えば、粉末コーティング、クリアコート、高固形分コーティング、エフェクトコーティング、高光沢コーティング、絹目仕上げコーティング、艶消し仕上げコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、注入コーティング)も好適である。対応する原材料および組成物は、当業者に公知であり、例えば、"Lehrbuch der Lacktechnologie", Vincentz Verlag, 1998に記載されている。
【0155】
コーティングのNIR硬化は、コイルコーティングの分野の最先端の技術である。コーティング配合物自体はNIR線を吸収しないため、乾燥および/または硬化中のコーティングの加熱速度は、以下のいくつかの要因により大きく異なる:
・基体
・着色度
・顔料化学。
【0156】
このため特定のコーティング方法では以下のような欠点を生じる:
a) NIR線の損失によりエネルギー効率が低い、
b) 例えば黒色(FW200)着色系と白色(TiO2)着色系の硬化速度が異なる、
c) NIR乾燥はクリアコートの塗布に使用できない、
d) 特に9002、9010および9016のような白色RALシェードがNIR硬化中に低いエネルギー効率を示す。
【0157】
従って、欠点a〜dを克服するために、無色かつ透明の近赤外吸収剤が必要とされている。最先端の材料は、コーティング配合物に組み入れる時に、着色されるか(Lumogen IR 765、788)、または高い曇り度を示すか(Minatec 230 A−IR、Lazerflair 825、LaB6)のいずれかとなる。従って、使用するIR吸収剤に求められるさらなる要件は、曇り度を回避することである。なお、Minatec 230 A−IRは特定のアンチモンスズ組成物(Merck)から構成される製品である。Lazerflair 825はマイカプレートレット顔料(Merck)であり、Lumogen IR 765およびIR788は有機クアテリレン−ビスイミド(BASF)である。LaB6はAldrich社から購入することができる。
【0158】
入熱は、コーティングのNIR硬化および乾燥、接着剤の硬化および乾燥、レーザー溶接、印刷物の乾燥、インクトナーの基体への定着、プラスチックプリフォームの加熱、プラスチック、紙およびその他の天然または人工基体のレーザーマーキング後に到達する温度に対応する。
【0159】
到達する温度は、前記酸化タングステンおよびタングステン酸塩を使用しても、またはカーボンブラックを使用してもほぼ同じである。前記酸化タングステンおよびタングステン酸塩を使用して到達することができる極めて高い温度のこのような予想外の効果は、高い近赤外吸収だけでは説明できない。近赤外における吸収積分が高い材料または濃度ほど、NIR硬化サイクル後の温度上昇が低くなる(実施例3.1)。
【0160】
融着プラスチックを製造する溶接法ではレーザー照射が使用される。使用する典型的なレーザー波長は、808nm、850nm、940nm、980nmまたは1064nmである。レーザー照射の吸収と溶融法のための熱変換では、IR吸収剤を添加する必要がある。一般的なIR吸収剤はカーボンブラックである。暗色であるため、明色または透明の部品を溶接することはできない。
【0161】
酸化タングステンまたはタングステン酸塩の濃度は、5〜500ppm、好ましくは50〜200ppmである。
【0162】
酸化タングステンまたはタングステン酸塩は、射出成形、押出等の公知の方法によってプラスチック部品に直接組み入れてもよい。
【0163】
レーザー溶接法で使用されるプラスチックの例は、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリカーボネート−ポリエチレンテレフタレートブレンド、ポリカーボネート−ポリブチレンテレフタレートブレンド、ポリカーボネート−アクリルニトリル/スチレン/アクリルニトリルコポリマーブレンド、ポリカーボネート−アクリルニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマーブレンド、ポリメチルメタクリレート−アクリルニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマーブレンド(MABS)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート−ポリビニリデンジフルオリドブレンド、アクリルニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー(ABS)、スチレン/アクリルニトリルコポリマー(SAN)、およびポリフェニレンスルホン、ならびにこれらの混合物である。
【0164】
さらなる実施形態において、本発明は、上に定義した酸化タングステンおよび/またはタングステン酸塩、さらには欧州特許出願第(EP)07100657.1号に開示される以下の式Iまたは式IIのジチオレン金属錯体を含むブレンドを、近赤外線の入熱量を増大させるために使用することに関する:
【化3】

[式中、
MはNi、Pd、Pt、Au、Ir、Fe、Zn、W、Cu、Mo、In、Mn、Co、Mg、V、CrおよびTiであり、
1、X2およびX3は互いに独立して硫黄または酸素であり、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して水素、NR78[式中、R7およびR8は互いに独立してC1〜C18アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキルである]、C1〜C18アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキルである]。
【0165】
1〜C18アルキルの例は、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
【0166】
アリールは、フェニル、ナフチル、アンスリルまたはフェナンスリルである。アリールアルキルは例えばベンジルである。ヘテロアリールアルキルは、イミダゾリル、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、インドリル、キノリニル、ピラゾリル、ピラジル、ピリダジル、ピリミジニルから選択されるヘテロ芳香環に置換基として低級アルキレンを介して結合したヘテロアリール基として理解される。
【0167】
具体例は
【化4】

である。
【0168】
酸化タングステンに対するジチオレンン金属錯体の量は、通常、5〜90質量%の範囲である。
【0169】
さらなる実施形態において、本発明は、上に定義した酸化タングステンおよび/またはタングステン酸塩、ならびにさらにはキノン−ジインモニウム塩、アミニウム塩、ポリメチン(例えば、シアニン、スクアレイン、クロコナイン)、フタロシアニン、ナフタロシアニンおよびクアテリレン−ビスイミドから選択される少なくとも1つの有機IR吸収剤、あるいはさらには六ホウ化ランタン、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンスズ酸化物(例えば、Merck社から市販されるMinatec 230 A−IR、またはMerck社から市販されるLazerflair(登録商標)顔料)から選択される少なくとも1つの無機IR吸収剤を含むブレンドの使用に関する。
【0170】
有機IR吸収剤のさらなる例は、アルキル化トリフェニルホスホロチオネート(例えば、Ciba(登録商標) Irgalube(登録商標) 211という商標名の市販品)のまたはカーボンブラック(例えば、Ciba(登録商標) Microsol(登録商標) Black 2BもしくはCiba(登録商標) Microsol(登録商標) Black C−E2という商標名の市販品)である。無機IR吸収剤の例は、銅、ビスマス、鉄、ニッケル、スズ、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、タングステン、ランタン、およびアンチモン等の金属の酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸塩およびリン酸塩、例えば酸化アンチモン(V)をドーピングしたマイカおよび酸化スズ(IV)をドーピングしたマイカである。
【0171】
以下の実施例では本発明の一部の実施形態について記載するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書の開示内容に従って、本発明の趣旨または適用範囲から逸脱することなく、開示する実施形態に多くの変更を加えることができることを理解しなければならない。従って、これらの実施例は、本発明の適用範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、本発明の適用範囲は、添付の特許請求の範囲およびこれらと同等の記述によってのみ決定されるものである。これらの実施例では、特に別段の記載がない限り、全ての部および百分率は質量基準であり、温度は摂氏度で記載する。使用する略語は以下の通りである。
NIR:近赤外線
NIR−A:近赤外吸収剤
SEM:走査電子顕微鏡法
【0172】
実施例で使用するタングステン酸アンモニウムは、パラタングステン酸アンモニウム[(NH41012242・4H2O;Osram Sylvania]である。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】実施例5.2のPETフィルムで得られた、IR透過率(B)の減少率および透過可視光線(A)の減少率の結果を示す。
【図2】実施例5.2のPETフィルムで測定した透明度(T)、曇り度(H)および鮮明度(C)の結果を示す。
【図3】実施例7のセシウムタングステンブロンズ粒子を0.05質量%含有するPVBフィルム(実施例5.3)のデルタEを示す。
【0174】
実施例1
a)プラズマリアクターを使用したセシウムタングステンブロンズの製造
炭酸セシウムおよびタングステン酸アンモニウム粉末を、1W対0.2Cs(試料1.2)、1W対0.33Cs(試料1.3)、1W対0.5Cs(試料1.4)、1W対0.3Cs(試料1.5)、または1W対0.1Cs(試料1.6)等の所望のモル比で混合する。混合した粉末を均質化した後、標準の粉末フィーダーによりアルゴンキャリアガス中に同伴させる。シースガスは、水素/ヘリウム/アルゴンガス混合物から構成される。流動化粉末混合物をプラズマリアクターに充填する。リアクターのプラズマホットゾーン内で典型的に到達する温度範囲は、5000〜10,000Kである。反応物の蒸気をクエンチガスにより冷却し、得られた粉末をバッグフィルターで回収する。得られた粉末を、粉末X線回折、電子顕微鏡法、および紫外可視近赤外分光法により分析する。
【0175】
b)X線特性評価
試料を深さ1.0mmの試料ホルダーに緩便に充填して、優先方位を回避する。そのうちの一部をさらに低バックグラウンドSiプレート上に堆積させたイソプロピルアルコール中懸濁液からさらに製造する。タングステンブロンズからのx線の線吸収が多いため、これらは全て約1000cm−1のμを有し、このことは、透過深さが1〜4マイクロメートルしかないことを意味する。従って、これらの材料の薄いフィルムでも、最適の回折と信頼性の高い定量結果を得るには十分な厚さであると見なすことができる。
【0176】
試料を標準のBragg−Brentano Siemens D5000回折計システムにかける。高出力線状焦点Cu標的を50kV/35mAで使用する。データは、ステップスキャンモード(ステップサイズ:0.02°(2シータ)および計数時間:2.5秒/ステップ)で収集し、Diffrac Plus(登録商標)ソフトウェアEva(登録商標) v.8.0により処理する。第一相同定は、SearchMatch(登録商標)およびPDF−2基準データベースを使用して実施する。欠失した基準パターンは、ICSデータベースから選択される単結晶構造データから参考としてシミュレートし、保存する。プロファイルフィッティングおよびリートベルト分析は、Bruker社のAXS Topas(登録商標)プロファイルフィッティングソフトウェアv.2.1.により実施する。以下の第1表には、リートベルト分析より算出された試料の特徴的な構造および微細構造データを記載しており、数式により同定した相を、粉末混合物中の濃度(Cx、質量%)、格子データ(空間群SG)、近似ドメインサイズ(nm)および無秩序パラメータ(e0)により特性評価している。
【0177】
第1表:セシウムタングステンブロンズ混合物のリートベルト定量分析
【表1】

【0178】
注:(炭酸セシウムの代わりに、または炭酸セシウムと混合して使用する)その他の可能なセシウム前駆体としては、酢酸セシウム、クエン酸セシウム、ギ酸セシウム、硝酸セシウム、炭酸水素セシウム、亜硝酸セシウムが挙げられる。
【0179】
実施例2
a)製造
炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム粉末をタングステン酸アンモニウム粉末と、1W対5K(試料2.1)、1W対0.33K(試料2.2)、IW対0.5Na(試料2.3)、1W対0.33Na(試料2.4)、1W対0.165Na(試料2.5)、1W対1Na(試料2.6)等の所望のモル比で混合する。試料2.1の製造では、K2CO3の蒸発が不十分なため、大過剰のカリウム遊離体を使用する。
【0180】
混合した粉末を均質化した後、標準の粉末フィーダーによりアルゴンキャリアガスに同伴させる。シースガスは、水素/ヘリウム/アルゴンガス混合物から構成される。流動化した粉末混合物をプラズマリアクターに充填する。リアクターのプラズマホットゾーン内で典型的に到達する温度範囲は5000〜10,000Kである。反応物の蒸気をクエンチガスにより冷却し、得られた粉末をバッグフィルターで回収する。得られた粉末を粉末X線回折、電子顕微鏡法、紫外可視近赤外分光法により分析する。
【0181】
注:(炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムの代わりに、または炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムと混合して使用する)その他の可能なアルカリ前駆体としては、酢酸カリウムまたはナトリウム、クエン酸カリウムまたはナトリウム、ギ酸カリウムまたはナトリウム、硝酸カリウムまたはナトリウム、炭酸水素カリウムまたはナトリウム、亜硝酸カリウムまたはナトリウムが挙げられる。
【0182】
b)リートベルト分析によるX線特性評価は、実施例1bに記載の方法に従って実施する。以下の第2表に結果を記載しており、数式により同定した相を、粉末混合物中の濃度(Cx、質量%)、格子データ(空間群SG)、近似ドメインサイズ(nm)および無秩序パラメータ(e0)により特性評価している。
【0183】
第2表:ナトリウムまたはカリウムタングステンブロンズ混合物のリートベルト定量分析
【表2】

【0184】
クエン酸三カリウム一水和物(K3C6H5O7・H2O)を2K対1Wのモル比で使用するか、または酢酸カリウム(CH3CO2K)を0.5K対1Wのモル比で使用して(炭酸カリウムを1W対5Kのモル比で使用する代わりに)、試料2.1とほぼ同じ試料を得る。
【0185】
実施例3.1(応用例:NIR硬化)
種々のNIR吸収剤のNIR硬化中の温度上昇ならびに最終コーティング特性について2P−PU配合物中で試験を行った。以下の表(値はgで表示)に従い、ガラスビーズおよびスキャンデックスシェーカーを使用して16時間かけてNIR吸収剤を練り顔料に組み入れた。
【0186】
【表3】

【0187】
練り顔料をレットダウン配合物と混合し、以下の表に従って架橋剤を添加した。
【0188】
【表4】

【0189】
Desmodur N3390は、Bayer Material Scienceから市販される脂肪族イソシアネートであり、架橋剤として使用される。
【0190】
【表5】

【0191】
Macrynal SM 510nは、Cytec Surface Specialties社から市販されるヒドロキシ官能性アクリル樹脂である。
【0192】
EFKA 3030は、Ciba Specialty Chemicals社から市販される、レベリング性向上のための修飾ポリシロキサンである。
【0193】
DBTLは、ジブチルスズジラウレートであり、触媒として使用される。
【0194】
DABCO−33LVは、Air Products & Chemicals社から市販されるトリエチレンジアミンとジプロピレングリコールとの混合物であり、触媒として使用される。
【0195】
80μmのWFT(未乾燥塗膜厚)を使用してワイヤーバーによりコーティングを塗布し、種々のランプ設定(Adphos高燃焼度NIRランプ6個、出力50〜100%)およびベルト速度(1〜4m/分)を使用してNIR乾燥機でコーティングを乾燥させた。
【0196】
コーティング配合物中へのNIR−Aの分布を、黒色上での曇り度を測定することにより確認した。値が低くなるほど、配合物中への分布が良好になり、視覚的なフィルム特性に対する影響が少ない。
【0197】
【表6】

【0198】
コーティング表面の温度を硬化直後に測定した。
【0199】
以下の表には、ベルト速度2m/分、Adphos高燃焼度NIRランプ6個、出力70%、ランプまでの距離100mmという設定を使用した結果を示す。
【0200】
【表7】

【0201】
この表には、本発明のアルカリ金属タングステンブロンズがカーボンブラックとほぼ同程度に(184℃対232℃)NIR線を熱に変換できることが明らかに示されている。従って、本発明の酸化タングステン材料は「無色のカーボンブラック」という目標にかなり近づいていると言える。NIR範囲(800〜1500nm)における吸収積分が高い近赤外吸収剤でも、本発明のタングステン酸塩に比べると、温度上昇は有意に少ない。
【0202】
このことは特にTiO2を塗布した場合に見て取れる。
【0203】
実施例3.2
【表8】

【0204】
練り顔料は、標準の方法に従い、ディスパーマットを使用して予混合し、Lau社のDisperser DAS 200を使用してさらに1時間粉砕して製造した。スリットコーターを使用してプレプライムド白色アルミニウムパネルにコーティングを塗布して、DFTを約80μmにした。TiCO2およびTiCO2とNIR−Aとの混合物を含む配合物を試験した。硬化は、Adphos社のHB−NIRエミッター6個を使用し、種々のベルト速度で実施した。
【0205】
特にコイルコーティングの分野における主な使用法は、例えばRAL 9001、9003、9010、9016等の「白色」シェードの分野においてであり、中でもRAL 9010が、放出されるエネルギーの効率的な吸収において最も重要である。NIR−Aの添加による硬化速度への影響を試験するに当たっては(実施例1)、45w%/wのTiO2着色系を基準として使用した。NIR−Aは、粉砕工程で直接添加してもよければ、あるいは溶液型塗布としてCiba EFKA(登録商標) 4310を主成分とする樹脂無し顔料ペーストを介して添加してもよい。NIR−Aを添加すると、硬化時間が大幅に短縮される。これにより、ベルト速度を加速させて、コーティングラインの処理量を増大させることも、あるいはランプ出力を減少させて、発電費用を削減することも可能となる。
【0206】
実施例3.3:実施例3.2と同じ配合物を使用する。基準として固体基準45重量%のTiO2を含む配合物を使用する。
【0207】
【表9】

【0208】
硬化ベルト速度は、100 MEKダブルラブに対する硬化コーティングの安定性により測定する。
【0209】
実施例4:レーザー溶接
実施例1のIR吸収剤を、射出成形機を使用してポリカーボネートシート(厚さ2mm)に500ppmの濃度で組み入れる。得られた若干青みがかった透明シートを、250ワットのNd:YAG−レーザーを使用してポリカーボネートシート(厚さ1mm)と溶接し、表面をレーザー光線により20mm/秒の速度でスキャンする。
【0210】
得られた溶接は接合に優れ、透明度が高く、局部的なプラスチック変形を示さず、溶接中に発泡しない。また、機械的応力による接合ラインの破損も生じない。
【0211】
Lumogen IR 765またはLumogen IR 788のようなプラスチックレーザー溶接用の最先端のIR吸収剤では、こうした条件で溶接を行うことはない。このことは、Nd:YAGレーザー(1064nm)の代わりに、例えば980nm、940nmまたは850nmでダイオードレーザーを使用する場合にも当てはまる。唯一808nmでのみ、これらのIR吸収剤を使用した溶接が行われる。
【0212】
実施例5:遮熱
試料評価:太陽光制御添加剤を含有する試料を、国際特許第09059901号の図1に示す機器を使用して評価する。この機器では、2枚のプラスチック試料(A4サイズ)(1枚は太陽光制御添加剤を含有する試料であり、もう1枚は太陽光制御添加剤を含有しない基準試料)を載せた黒色アルミニウムパネルの温度上昇を比較する。これらの2枚の試料を2種類のチャンバーの前面に取り付け、色温度5000Kの500Wハロゲンランプに露光し、PCのデータロガーに接続された各チャンバーの熱電対(PT100)により温度を記録する。
【0213】
以下の表には、800秒後に得られた遮熱係数(HS)(ΔT800sec(℃)で表示)を報告する。
【0214】
5.1. PET−Gフィルムの押出成形
ポリエチレンテレフタレート粉末(PET−G;Eastman社のEastar 6763)および1%のTinuvin 1577と添加剤とを、以下の表に記載する充填率でターボミキサーにより混合し、70℃で12時間乾燥させた後、二軸スクリュースクリュー型Collin押出機で配合する。得られたペレットを再度乾燥させ、Collinキャストラインで押出成形を行い、300ミクロンのPET−Gフィルムを得る。本発明の試料は曇り度が低い(0.125%の添加剤充填率で6.6もしくは7.7%、0.25%の添加剤充填率で11.1または13.3%)。このフィルムを使用して得られる遮熱効果を、前述の通りに測定する。以下の表に結果をまとめる。
【0215】
表:ΔT800sec(℃)
【表10】

【0216】
本発明のPET組成物は優れた遮熱効果を示す。
【0217】
フィルムの製造およびスクリーニングには、別の手順を使用することができる。
【0218】
5.2. PET−Gフィルムの製造
ポリエチレンテレフタレート粉末(PET−G;Eastman社のEastar 6763)を真空オーブンに入れて65℃で8時間乾燥させ、2質量%の充填率でIR吸収剤とターボミキサーにより混合し、Berstorff二軸スクリュースクリュー押出機で配合する。得られたマスターバッチペレットを粉砕して粉末にし、真空オーブンに入れて65℃で8時間再度乾燥させる。適量のIR吸収剤マスターバッチと1%のUV吸収剤(Ciba社のTINUVIN 1577)を、乾燥させたポリエチレンテレフタレート粉末に添加して、0.05質量%〜0.125質量%の範囲の濃度でIR吸収剤を含む配合物を得る。配合物をターボミキサーで混合し、Berstorff二軸スクリュー押出機で配合する。次いで、得られたペレットを、フラットダイを備えたCollinキャストラインで押出成形する。このようにして、幅10cm、厚さ300ミクロンのPET−Gフィルムを製造する。全ての加工工程では260℃の温度を使用する。
【0219】
分光法による遮熱評価
本方法では、一方が既知の濃度のIR吸収剤を含み、他方がIR吸収剤を含まない同じ厚さの2枚のフィルムについて、ASTM G173−03により標準的な分光日射量測定および分光測定を行う。
【0220】
分光日射量は、各単波長での太陽光エネルギーの割合を表す。曲線の積分により、1000ワットの総分光日射量を求め、これをUVの62ワット、可視光の549ワット、IR領域の378ワットに分割することができる。2枚のフィルムを透過した太陽照射の分光エネルギーは、2枚のフィルムの透過スペクトルから簡単に導き出される。2枚のフィルムを透過した分光エネルギーを表す曲線を積分することにより、再度UV、可視光およびIR領域に分割することができる。PETグレイジングを使用した用途では、可視領域におけるシェーディングが最小(A値が可能範囲で最低)となり、IRエネルギーの削減幅が最大(B値が可能範囲で最高)となるものが、最良のIR吸収剤である。
【0221】
図1には、試料2.4、7.1、7.2および7.3の本発明のIR吸収剤をそれぞれ0.05質量%、0.10質量%および0.125質量%の充填率で使用した場合の種々のB/A比の結果を示す。図2には、同PETフィルム試料で測定した透明度、曇り度および鮮明度の結果を示す。
【0222】
5.3 PVBフィルムの製造:
66%のPVB粉末(Solutia社のButvar(登録商標) B−72A)および33%の液体可塑剤(Solusolv(登録商標) S−2075)を混合する。得られた混合物(依然として粉末)を適量秤量し、Brabender(登録商標) PL 200に90℃で導入し、添加剤(以下で詳細に説明する試料7.1、7.2または7.3、充填率:全質量の0.05%または0.1%)を直ちに添加し、6〜10分間混合する。次いで、得られた物体を90℃で3分間かけて70×50×1mmのプラークに圧縮成形する。得られるフィルムは均質である。IR吸収添加剤を含有しない試料は基準として製造する。遮熱効果の分光評価を5.2に記載の通りに実施する。図3には、0.05質量%の添加剤を含むフィルムのデルタEを、基準試料と比較した結果を示す。
【0223】
5.4. LDPEフィルムの製造:
LDPE粉末(Polimeri Europa社のFF29)および0.8%のTinuvin 371を第2表に記載するIR吸収添加剤と0.05%〜0.25%の充填率でターボミキサーにより混合した後、二軸スクリューCollin押出機で配合して、化合物1を製造する。
【0224】
化合物1をFORMAC試験用押出機により溶融ブロー押出成形するによって、150ミクロンのLDPEフィルムを製造する。
【0225】
本発明のナノ粉末の優れた分散性により、全てのフィルムは優れた透明度を示す。
【0226】
実施例6:紙のレーザーマーキング
アクリル系ワニスは、20部のVinnapas(登録商標) C501樹脂(Wacker社から市販される、ビニルアセテートとクロトン酸との固体コポリマー)と80部のプロピルアセテートを混合することによって製造する。
【0227】
45部の酸化チタンAH−R(アナターゼ)と、54.9部の前記ワニスと、0.1部の、実施例2に従って製造したナトリウムタングステンブロンズ材料(59.5部のナトリウムタングステンブロンズと30.6部の三酸化タングステンと9.9%のタングステンから構成される)から構成される無色インク配合物を、バーコーターを使用して、クレイコーティングされた紙に塗布する。
【0228】
Nd:YAGレーザーを種々の出力(14〜25A、20kHz、1500mm、4.2〜7.6W)で使用してレーザーマーキングを行うと、高コントラストの優れたマーキング結果が得られる。
【0229】
比較例:代わりに六ホウ化ランタンを使用して同じレーザーマーキング性能を得るには、15倍を超えるIR吸収剤(1.6部のLaB6)が必要となる。
【0230】
実施例7:a)製造
酢酸セシウム粉末をタングステン酸アンモニウム粉末と所望のモル比(0.20Cs対1W(試料7.1)、0.25Cs対1W(試料7.2)、0.30Cs対1W(試料7.3))で混合する。混合した粉末を均質化した後、標準の粉末フィーダーによりアルゴンキャリアガス中に同伴させる。シースガスは、水素/ヘリウム/アルゴンガス混合物から構成される。流動化した粉末混合物をプラズマリアクターに充填する。リアクターのプラズマホットゾーン内で典型的に到達する温度範囲は、5000〜10,000Kである。反応物の蒸気をクエンチガスにより冷却し、得られた粉末をバッグフィルターで回収する。得られた粉末を、粉末X線回折、電子顕微鏡法、および紫外可視光近赤外分光法によって分析する。
【0231】
b)リートベルト分析によるX線特性評価は、実施例1bに記載の方法に従って実施する。以下の第7表に結果を記載しており、数式により同定した相を、粉末混合物中の濃度(Cx、質量%)、格子データ(空間群SG)、近似ドメインサイズ(nm)および無秩序パラメータ(e0)により特性評価している。
【0232】
第7表 セシウムタングステンブロンズ混合物のリートベルト定量分析
【表11】

【0233】
図面の簡単な説明:
図1は、実施例5.2のPETフィルムで得られた、IR透過率(B)の減少率および透過可視光線(A)の減少率の結果を示す。
図2は、実施例5.2のPETフィルムで測定した透明度(T)、曇り度(H)および鮮明度(C)の結果を示す。
図3は、実施例7のセシウムタングステンブロンズ粒子を0.05質量%含有するPVBフィルム(実施例5.3)のデルタEを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) アルカリ金属タングステンブロンズ、
b) 二元酸化タングステン、および
c) タングステン金属
を含む粉末組成物。
【請求項2】
a) 25〜95質量部、特に40〜94質量部の式WO3-zMex[式中、MeはCs、Na、Kから選択され、xは0.2〜1、特に0.4〜0.7の範囲であり、zは0であるか、または0〜xの範囲である]のアルカリ金属タングステンブロンズ、
b) 4〜60質量部、特に5〜60質量部の二元酸化タングステン、および
c) 1〜15質量部、特に1〜10質量部のタングステン金属
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ブロンズ(a)を全組成物の少なくとも50質量%を構成する主成分として含み、好ましくは、全粉末組成物を100質量部として、
a) 70〜98質量部、特に80〜96質量部の式WO3-zMex[式中、MeはCs、Na、Kから選択され、xは0.2〜1の範囲であり、zは0であるか、または0〜xの範囲である]のアルカリ金属タングステンブロンズ、
b) 1〜15質量部、特に2〜10質量部の二元酸化タングステン、および
c) 1〜15質量部、特に2〜10質量部のタングステン金属
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分(a)〜(c)が全粉末組成物の95〜100質量%を構成し、残りがもしあれば、有機ポリマー、その他のタングステン化合物および/または水である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
特に請求項1に記載のアルカリ金属タングステンブロンズまたはアルカリ金属タングステンブロンズ組成物を製造する方法であって、
好適なタングステン遊離体(特にタングステン酸アンモニウム)と(リチウムまたはナトリウムまたはカリウムまたはルビジウムまたはセシウムの酢酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、亜硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、水酸化物、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、メトキシド、アルコキシド、酸化物から特に選択される)セシウム、ルビジウム、リチウム、ナトリウムまたはカリウムの好適な塩との混合物、ならびに/あるいは好適なアルカリ金属タングステン酸塩を、還元ガス(特に水素)と2500K以上の温度で接触させることを含む、方法。
【請求項6】
前記接触がプラズマ中で行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記還元ガスが希ガスと混合して使用される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記還元ガスが水素を含み、生成物中に形成されるタングステン金属の量が生成物の15質量%未満、特に1〜10質量%の範囲に維持されるように水素の量が調節される、請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
有機ポリマー、溶媒(例えば、有機溶媒または水または有機溶媒と水との組み合わせ)、および有機ポリマーと溶媒との組み合わせから選択される分散媒中に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二元酸化タングステンの粒子およびタングステン金属の粒子と組み合わせてアルカリ金属タングステンブロンズ粒子を含む、粒子分散液。
【請求項10】
全粒子質量の90質量%以上が1nm〜800nmのサイズ範囲の粒子である、請求項9に記載の粒子分散液。
【請求項11】
i)有機ポリマー(特に、合成熱可塑性有機ポリマー)、および
ii)成分(i)に対して0.01〜15質量%のアルカリ金属タングステンブロンズを請求項1から4のいずれか1項に記載の粉末組成物の形態で含む、組成物。
【請求項12】
成分(i)の基質中に分散した粒子の形態で成分(ii)を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
有機もしくは無機ポリマー組成物または有機/無機ポリマーハイブリッド系における、赤外線吸収剤および/または遮熱添加剤としての、請求項1から4のいずれか1項に記載の二元酸化タングステンの粒子およびタングステン金属の粒子と組み合わせた、アルカリ金属タングステンブロンズ粒子またはアルカリ金属タングステンブロンズを含む粒子の使用。
【請求項14】
固体または液体材料中への近赤外線の入熱量を、特に前記材料の彩色性への影響を少なく増大させる方法であって、プラスチックのレーザー溶接、コーティングのNIR硬化および乾燥、接着剤の硬化および乾燥、印刷用インクの乾燥、インクトナーの基体への定着、プラスチックプリフォームの加熱、プラスチックまたは紙のレーザーマーキングを行うために、アルカリ金属タングステンブロンズ粒子またはアルカリ金属タングステンブロンズを含む粒子を、特に二元酸化タングステンの粒子およびタングステン金属の粒子と請求項2または3に記載の質量比で組み合わせて、好ましくはプラスチック、コーティング組成物、接着剤、インク、トナー、紙から選択される前記材料中に組み入れることを含む、方法。
【請求項15】
TiO2と、
有機IR吸収剤(例えば、キノン−ジインモニウム塩、アミニウム塩、ポリメチンフタロシアニン、ナフタロシアニンおよびクアテリレン−ビスイミド)と、
六ホウ化ランタン、インジウムスズ酸化物、アンチモンスズ酸化物から選択される1つの無機IR吸収剤と、
顔料と、
式Iおよび式II:
【化1】

[式中、
MはNi、Pd、Pt、Au、Ir、Fe、Zn、W、Cu、Mo、In、Mn、Co、Mg、V、CrおよびTiであり、
1、X2およびX3は互いに独立して硫黄または酸素であり、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は互いに独立して、水素、NR78[R7およびR8は互いに独立して、C1〜C18アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキルである]、C1〜C18アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキルである]
のジチオレンン金属錯体と
から選択されるさらなる添加剤を、前記材料またはポリマーもしくはハイブリッド系に組み入れる、請求項14に記載の方法、または請求項13に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−506463(P2012−506463A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532592(P2011−532592)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063377
【国際公開番号】WO2010/046285
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(507055925)データレース リミテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】DATALASE LTD.
【Fターム(参考)】