説明

熱圧着装置

【課題】基板の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装部品等が配置された場合にあっても、当該端子領域を含む熱圧着対象部位をより均一に加圧することができる熱圧着装置を提供する。
【解決手段】熱圧着装置1は、リジッド配線基板100の端子領域に対応する部分を下方から保持する保持ユニット30を備える。保持ユニット30は、リジッド配線基板100に接触することでリジッド配線基板100をフレキシブル配線基板200に向けて押圧付勢する複数の保持ピン32を有する。複数の保持ピン32の各々は、棒状のピン本体と、ピン本体をリジッド配線基板100に向けて付勢する付勢バネと、ピン本体のリジッド配線基板100側の先端に取付けられたクッションパッド32eとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続対象である一対の基板の各々に設けられた端子領域に対応する部分を熱圧着用フィルムを用いて熱圧着するための熱圧着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に表面実装型のチップ部品やIC(Integrated Circuit)等を実装する方法として、熱圧着用フィルムを用いた実装方法が知られている。また、プリント基板同士を接続する接続方法としても、熱圧着用フィルムを用いた接続方法が知られている。これら熱圧着用フィルムを用いた実装方法や接続方法を採用した場合には、接続電極間をファインピッチで接続することが可能になるメリットが得られるばかりでなく、別途コネクタ等を設ける必要がなくなるため、機器の薄型化が可能になるというメリットも得られる。
【0003】
熱圧着用フィルムとしては、樹脂部(熱硬化性樹脂)と当該樹脂部中に分散配置された導電粒子とを備えたACF(異方性導電フィルム:Anisotropic Conductive Film)と、導電粒子を含まず樹脂部(熱硬化性樹脂)のみからなるNCF(Non Conductive Film)とが知られている。ACFを利用した場合には、熱圧着後において導電粒子が接続電極間を電気的に導通させる導通部となり、硬化した樹脂部が接続状態を保持するとともに、隣接する電極間の絶縁性を確保する。一方、NCFを利用した場合には、熱圧着後において接続電極同士が接触により導通し、硬化した樹脂部が接続状態を保持するとともに、隣接する電極間の絶縁性を確保する。
【0004】
たとえば、携帯電話に代表される小型化や薄型化の要請の強い携帯機器にあっては、その製造の際に、接続対象である一対のプリント基板(多くの場合、一方がリジッド配線基板であり、他方がフレキシブル配線基板である)の各々に設けられた端子領域間にACFを挟み込み、当該ACFを挟み込んだ状態においてACFを加熱しつつ一対のプリント基板の端子領域が設けられた部分を挟み込むように両側から加圧することにより、これら積層体の熱圧着が行なわれる。当該熱圧着により、接続電極間に位置するACF中に含まれる導電粒子同士が互いに接触した状態となり、当該接続電極間において電気的導通が確保される。
【0005】
ここで、上記接続電極間における高い接続信頼性を実現するためには、当該接続電極が設けられた領域であるプリント基板の端子領域に対応する部分(すなわち、当該部分が熱圧着対象部位となる)を均等な加圧力で加圧することが必要になる。そのため、通常は、プリント基板の端子領域が設けられた部分の裏面側は、実装部品等が実装されずに平坦な状態とされる場合が多い。
【0006】
しかしながら、上述した携帯電話等にあっては、小型化および薄型化のためにより高密度での実装部品の実装が要求されるため、上述したような実装部品のレイアウトに対する制約は、実装密度の低下につながってしまい、好ましいものとは言えない。
【0007】
そこで、従来、プリント基板の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装部品が実装された状態にあっても、上述した如くの熱圧着を可能にするプリント基板の接続方法が、種々提案されている。
【0008】
たとえば、特開2001−15908号公報(特許文献1)には、リジッド配線基板の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装された実装部品を避けてリジッド配線基板を支持台にて支持し、当該リジッド配線基板の上方にフレキシブル配線基板を配置して熱圧着を行なう接続方法が開示されている。
【0009】
また、特開2009−105204号公報(特許文献2)には、リジッド配線基板の端子領域が設けられ部分の裏面側に実装された実装部品および/またはその周辺部分を弾性体からなる支持部材を用いて弾性支持し、当該リジッド配線基板の上方にフレキシブル配線基板を配置して熱圧着を行なう接続方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−15908号公報
【特許文献2】特開2009−105204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に開示の如くの接続方法を採用した場合には、実装部品が実装された部分においてリジッド配線基板を支持しない構成であるため、支持台によって支持される部分と支持台によって支持されない部分とがリジッド配線基板の熱圧着対象部位に生じてしまうことになり、加圧力の不均一が生じて接続信頼性の十分な確保が行なえない問題が生じる。さらには、熱圧着対象部位の全体に実装部品が実装されている場合には、そもそもリジッド配線基板自体を支持できない問題も生じてしまう。
【0012】
また、上記特許文献2に開示の如くの接続方法を採用した場合には、熱圧着を行なうワーク毎にそれに応じた形状の弾性体を別途準備することが必要になり、装置コストが増大してしまうといった問題が生じる。また、リジッド配線基板の端子領域が設けられ部分の裏面側に複数の実装部品が実装されている場合等には、実装部品の間の隙間の部分と実装部品が位置する部分との間でやはり加圧力に不均一が生じてしまい、接続信頼性の十分な確保が困難になってしまう問題も生じる。
【0013】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、基板の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装部品等が配置された場合にあっても、当該端子領域を含む熱圧着対象部位をより均一に加圧することができる熱圧着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に基づく熱圧着装置は、第1基板および第2基板の各々に設けられた端子領域によって熱圧着用フィルムが挟み込まれてなる上記第1基板、上記第2基板および上記熱圧着用フィルムの積層体に対して、熱圧着ヘッドを上記第2基板が位置する上方側から上記第2基板の端子領域に対応する部分に押圧することにより、上記第1基板と上記第2基板とを熱圧着するものであって、上記第1基板の端子領域に対応する部分を上記第1基板が位置する下方側から保持する保持部を備えている。上記保持部は、上記第1基板に接触することで上記第1基板を上記第2基板に向けて押圧付勢する複数の保持ピンを有しており、上記複数の保持ピンの各々は、棒状のピン本体と、上記ピン本体を上記第1基板に向けて付勢する付勢部材と、上記ピン本体の上記第1基板側の先端に取付けられた弾性部材とを含んでいる。
【0015】
上記本発明に基づく熱圧着装置にあっては、上記保持部が、上記複数の保持ピンの設置高さを個別に調節可能な第1高さ調節機構を有していてもよい。
【0016】
上記本発明に基づく熱圧着装置にあっては、上記保持部が、上記複数の保持ピンを支持する支持ブロックをさらに有していることが好ましく、その場合には、当該熱圧着装置が、上記支持ブロックの設置高さを調節することで上記複数の保持ピンの設置高さを一括して調節可能な第2高さ調節機構をさらに備えていることが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づく熱圧着装置は、さらに、上記第1基板の端子領域以外の領域である周囲領域に対応する部分を下方から支持する支持部を備えていることが好ましい。
【0018】
上記本発明に基づく熱圧着装置は、さらに、上記支持部に対向配置され、上記第1基板の周囲領域に対応する部分を上方側から上記支持部に向けて押圧するための押さえ部を備えていることが好ましい。
【0019】
上記本発明に基づく熱圧着装置にあっては、上記押さえ部が、上記熱圧着ヘッドの上下動に連動して上下動するように上記熱圧着ヘッドと一体化されていることが好ましい。
【0020】
上記本発明に基づく熱圧着装置にあっては、上記支持部が、上記第1基板に接触することで上記第1基板を上記押さえ部に向けて押圧付勢する複数の支持ピンを有していてもよく、その場合には、上記複数の支持ピンの各々は、棒状のピン本体と、上記ピン本体を上記第1基板に向けて付勢する付勢部材とを含んでいることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基板の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装部品等が配置された場合にあっても、当該端子領域を含む熱圧着対象部位をより均一に加圧することができる熱圧着装置とすることができる。したがって、当該熱圧着装置を利用することにより、接続電極間における高い接続信頼性が確保できる熱圧着用フィルムを用いた接続を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1における熱圧着装置の斜視図である。
【図2】図1に示すヘッド側ユニットの底面図である。
【図3】図1に示す受け台側ユニットの平面図である。
【図4】図1に示す熱圧着装置の保持ユニットを含む部分の断面図である。
【図5】図1に示す保持ピンの一部破断正面図である。
【図6】図1に示す熱圧着装置の支持ユニットを含む部分の断面図である。
【図7】図1に示す熱圧着装置の熱圧着時における要部拡大正面図である。
【図8】図1に示す熱圧着装置の熱圧着時における要部拡大側面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における熱圧着装置の保持ユニットを含む部分の受け台側ユニットの断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3における熱圧着装置の保持ユニットを含む部分の受け台側ユニットの断面図である。
【図11】本発明の実施の形態4における熱圧着装置の保持ユニットの平面図である。
【図12】携帯電話のリジッド配線基板と液晶ユニットとの接続構造を示す表面側から見た斜視図である。
【図13】携帯電話のリジッド配線基板と液晶ユニットとの接続構造を示す裏面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下においては、熱圧着用フィルムとしてACFを使用したACF接続に本発明を適用した場合を例示して説明を行なうが、熱圧着用フィルムとしてNCFを使用したNCF接続にも本発明の適用が可能である。
【0024】
まず、本発明の実施の形態における熱圧着装置について説明するに先立って、当該熱圧着装置を利用することで製造される携帯電話のリジッド配線基板と液晶ユニットとの接続構造について説明する。図12は、携帯電話のリジッド配線基板と液晶ユニットとの接続構造を示す表面側から見た斜視図であり、図13は、裏面側から見た斜視図である。
【0025】
図12および図13に示すように、液晶ユニット120は、リジッド配線基板100に設けられた各種回路との間で表示のための信号をやり取りするために、フレキシブル配線基板200を用いてリジッド配線基板100に接続される。
【0026】
リジッド配線基板100とフレキシブル配線基板200との接続は、リジッド配線基板100に設けられた端子領域R1がフレキシブル配線基板200の一端部に設けられた端子領域に対してACFを用いて接続されることによって行なわれる。また、液晶ユニット120とフレキシブル配線基板200との接続は、液晶ユニット120に設けられた端子領域R2がフレキシブル配線基板200の他端部に設けられた端子領域に対してACFを用いて接続されることによって行なわれる。
【0027】
ここで、リジッド配線基板100とフレキシブル配線基板200とを接続するための接続方法について、より具体的に説明する。
【0028】
まず、リジッド配線基板100に設けられた端子領域R1に、接続に必要な量(長さ)のACFが貼り付けられた後、当該ACFに60℃〜80℃程度の温度と1MPa程度の圧力が加わるように加熱および加圧が行なわれることにより、ACFがリジッド配線基板100に仮圧着(転写)される。次に、このACFの仮圧着が行なわれたリジッド配線基板100が後述する本実施の形態における熱圧着装置の受け台側ユニットにセットされる。
【0029】
次に、フレキシブル配線基板200の端子領域が設けられた上記一端部がリジッド配線基板100のACFが仮圧着された部分である端子領域R1上に重なるように、フレキシブル配線基板200が配置される。さらに、フレキシブル配線基板200の上記一端部上にゴムシート等からなる緩衝材が配置され、熱圧着装置の加熱された熱圧着ヘッドが当該緩衝材を介してACFが介装された部分である熱圧着対象部位に対して押圧される。これにより、ACFに170℃〜190℃程度の温度と3MPa程度の圧力が加えられ、ACFがリジッド配線基板100およびフレキシブル配線基板200に本圧着される。
【0030】
本圧着においては、一旦、ACFの樹脂部(熱硬化性樹脂)が溶融し、リジッド配線基板100に設けられた接続電極とフレキシブル配線基板200に設けられた接続電極との間において、上記熱圧着ヘッドによる加圧によってACF中の導電粒子(金めっきニッケル粒子または金めっきプラスチック粒子等)が相互に接触し、これら接触した導電粒子によって両接続電極間が導通する。さらに、ACFが上記温度に到達するまでの間、上記熱圧着ヘッドによる押圧状態が概ね10秒程度維持されることにより、ACFの樹脂部が硬化し、本圧着が完了する。
【0031】
以上においては、リジッド配線基板100とフレキシブル配線基板200とを接続するための接続方法について具体的に説明したが、液晶ユニット120とフレキシブル配線基板200とを接続するための接続方法についても、同様の処理の熱圧着によって行なわれる。
【0032】
ここで、リジッド配線基板100の表裏面には、上述した熱圧着に先立って各種の実装部品101が実装されている。特に、図13に示すように、リジッド配線基板100の端子領域R1が設けられた部分の裏面に実装部品101が実装されている場合には、本圧着の際に、上述したように熱圧着対象部位に対する加圧力の不均一が生じてしまい、接続信頼性の十分な確保が行なえない問題が生じてしまう。
【0033】
以下において示す実施の形態1ないし4における熱圧着装置は、主として上述した受け台側ユニットに改良を加えることにより、ワークである、リジッド配線基板、フレキシブル配線基板および異方性導電フィルムの積層体に含まれる熱圧着対象部位に対する加圧力の均一化を図り、これにより上記問題点の解決を図るものである。なお、以下に示す実施の形態1ないし4においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱圧着装置の斜視図であり、図2は、図1に示すヘッド側ユニットの底面図、図3は、図1に示す受け台側ユニットの平面図である。図4は、図1に示す熱圧着装置の保持ユニットを含む部分の断面図であり、図2および図3中に示すIV−IV線に沿った断面図である。図5は、図1に示す保持ピンの一部破断正面図である。図6は、図1に示す熱圧着装置の支持ユニットを含む部分の断面図であり、図2および図3中に示すVI−VI線に沿った断面図である。以下においては、これら図1ないし図6を参照して、本実施の形態における熱圧着装置について説明する。
【0035】
図1に示すように、本実施の形態における熱圧着装置1は、ヘッド側ユニット10と、受け台側ユニット20とを主として備えている。ヘッド側ユニット10は、熱圧着装置1の上部に設置されており、受け台側ユニット20は、ヘッド側ユニット10に対向するように熱圧着装置1の下部に設置されている。
【0036】
図1および図2に示すように、ヘッド側ユニット10は、熱圧着ヘッド11と、押さえ部材12と、これら熱圧着ヘッド11および押さえ部材12が組付けられた枠部材13とを含んでいる。熱圧着ヘッド11は、ワークの熱圧着対象部位である端子領域を含む部分を加熱および加圧するためのものであり、その下端に位置する押圧面は、図中に示すX軸方向に沿って延びるように形成されている。押さえ部材12は、ワークの端子領域以外の領域である周囲領域を含む部分を押圧するための押さえ部に相当し、図中に示すXY平面において複数設けられている。
【0037】
枠部材13は、図示しない駆動機構によって図中に示すZ軸方向に沿って上下動可能となるように構成されている。また、押さえ部材12は、枠部材13を介して熱圧着ヘッド11と一体化されている。これにより、図示しない駆動機構によって枠部材13が上下動されることにより、熱圧着ヘッド11および押さえ部材12が一体的に上下動することになる。
【0038】
図1および図3に示すように、受け台側ユニット20は、受け台21と、保持ユニット30と、支持ユニット40A,40Bとを主として備えている。保持ユニット30は、ワークの熱圧着対象部位である端子領域を含む部分を保持するための保持部に相当し、その上端に位置する保持面は、図中に示すX軸方向に沿って延びるように形成されている。支持ユニット40A,40Bは、ワークの端子領域以外の領域である周囲領域を含む部分を支持するための支持部に相当し、図中に示すXY平面において保持ユニット30を挟み込むように配置されている。保持ユニット30および支持ユニット40A,40Bは、それぞれ受け台21に設けられた凹部に収容されることで受け台21に対してそれぞれ組付けられている。
【0039】
ここで、図1に示すように、保持ユニット30は、熱圧着ヘッド11に対向するように配置されており、一対の支持ユニット40A,40Bは、押さえ部材12に対向するように配置されている。これにより、ワークが受け台側ユニット20上にセットされた状態であってかつヘッド側ユニット10が下降した状態においては、ワークの熱圧着対象部位である端子領域を含む部分が保持ユニット30と熱圧着ヘッド11とによって挟み込まれることになり、またワークの端子領域以外の領域である周囲領域を含む部分が支持ユニット40A,40Bと押さえ部材12とによって挟み込まれることになり、これにより熱圧着(本圧着)が行なわれることになる。
【0040】
図1,図3および図4に示すように、保持ユニット30は、複数の保持ピン32と、当該複数の保持ピン32を支持する支持ブロック31とを有している。複数の保持ピン32は、支持ブロック31を平面視した場合に行列状に整列して設けられている。
【0041】
図5に示すように、複数の保持ピン32の各々は、スリーブ32aと、ピン本体32bと、ストッパ32cと、付勢バネ32dと、弾性部材としてのクッションパッド32eとを含んでいる。スリーブ32aは、円筒状の部材からなり、その内部に下から順に球状のストッパ32c、付勢バネ32dおよび棒状のピン本体32bが挿入されている。ピン本体32bは、その上端寄りの部分がスリーブ32aの外部に露出して位置するように配置されており、クッションパッド32eは、露出して配置されたピン本体32bの先端部分(すなわち上端部分)に取付けられている。なお、クッションパッド32eの材質としては、特に制限されるものではないが、αゲルまたはシリコーンゴム等が好適である。
【0042】
スリーブ32aの下端には、絞り加工が施されており、これにより、ストッパ32cは、スリーブ32aの下端において当て留めされている。また、付勢バネ32dの下端は、当該当て留めされたストッパ32cに接触しており、付勢バネ32dの上端は、ピン本体32bの下端に接触している。以上により、ピン本体32bは、図中に示す矢印B方向に沿って移動可能に構成されることになり、付勢バネ32dが伸縮することで保持ピン32の全長が変化することになる。
【0043】
すなわち、ピン本体32bが押し込まれた状態においては、付勢バネ32dが圧縮されることで保持ピン32の全長が短くなり、ピン本体32bが押し込まれた状態が解除されることにより、付勢バネ32dの復元力によってピン本体32bが押し上げられることで保持ピン32の全長が長くなる。なお、ピン本体32bが押し込まれた状態においては、圧縮された付勢バネ32dの付勢力に基づいて、ピン本体32bに所定の反力が与えられる。この付勢バネ32dの反力が、後述するワークの熱圧着対象部位を保持するための保持力になる。
【0044】
図1,図3および図4に示すように、支持ブロック31は、図中に示すZ軸方向に沿って延びるように設けられた非貫通の複数の孔部を有しており、複数の保持ピン32の各々は、当該複数の孔部のそれぞれに挿入されることで支持ブロック31に組付けられている。より詳細には、上記複数の孔部は、支持ブロック31の上面から所定の深さにまで達するように設けられており、複数の保持ピン32のスリーブ32aが、当該複数の孔部のそれぞれに上方から挿入されることにより、複数の保持ピン32が支持ブロック31に組付けられている。
【0045】
以上により、保持ピン32のピン本体32bの上端寄りの部分およびピン本体32bの先端部分に取付けられたクッションパッド32eが、受け台21の上面上において上方に向けて突出して配置されることになるとともに、当該ピン本体32bおよびこれに取付けられたクッションパッド32eが、図中に示すZ軸方向に沿って(すなわち、図4中に示す矢印B方向に)上下動可能に構成されることになる。
【0046】
なお、図4に示すように、ヘッド側ユニット10に設けられた熱圧着ヘッド11は、熱圧着の際に図中に示すZ軸方向に沿って(すなわち、図4中に示す矢印A方向に)下降し、これによりワークの熱圧着対象部位である端子領域を含む部分(図4においては、ワークは不図示)が保持ユニット30の複数の保持ピン32と熱圧着ヘッド11とによって挟み込まれることになる。
【0047】
一方、図1,図3および図6に示すように、支持ユニット40Aは、一対の支持ピン42と、当該一対の支持ピン42を支持する支持ブロック41とを有している。
【0048】
図6に示すように、一対の支持ピン42の各々は、棒状のピン本体を有しており、当該ピン本体の先端部分(上端部分)に位置決め用の突起部42aが、また後端部分(下端部分)に凹状の受け部42bが設けられている。支持ピン42は、その上端寄りの部分が支持ブロック41の外部に露出して位置するように配置されている。
【0049】
支持ブロック41の内部には、付勢バネ43と、ベアリング44とが埋設されている。付勢バネ43は、その一端が支持ピン42の受け42bに接触するように配置されており、支持ピン42が押し込まれた状態において、圧縮された付勢バネ43の付勢力に基づいて、支持ピン42に所定の反力が与えられる。また、ベアリング44は、支持ピン42を上下方向に摺動可能に保持するものであり、支持ピン42が傾斜することを防止するためのものである。
【0050】
以上により、支持ピン42の上端寄りの部分が、受け台21の上面上において上方に向けて突出して配置されることになるとともに、当該支持ピン42が、図中に示すZ軸方向に沿って(すなわち、図6中に示す矢印C方向に)上下動可能に構成されることになる。なお、その詳細な説明は省略するが、支持ユニット40Bの構造および動作についても、上述した支持ユニット40Aの構造および動作と同じである。
【0051】
図6に示すように、ヘッド側ユニット10に設けられた押さえ部材12は、熱圧着の際に図中に示すZ軸方向に沿って(すなわち、図6中に示す矢印A方向に)下降し、これによりワークの端子領域以外の領域である周囲領域を含む部分(図6においては、ワークは不図示)が支持ユニット40A,40Bと押さえ部材12とによって挟み込まれることになる。
【0052】
ここで、図2および図6に示すように、押さえ部材12の各々の下面には、上述した支持ピン42に設けられた位置決め用の突起部42aの先端部を受け入れる位置決め用の凹部12aが設けられている。これにより、ワークの所定位置に位置決め用の貫通孔を設けておけば、当該貫通孔に支持ピン42の位置決め用の突起部42aが挿通されることによってワークの位置決めが可能になるとともに、当該位置決めを行なった上で支持ユニット40A,40Bと押さえ部材12とによってワークを支持することが可能になる。
【0053】
また、図1,図3および図4に示すように、受け台21の所定位置には、保持ユニット30が収容される凹部の側面に達するように、複数の貫通孔21aが図中に示すX軸方向に沿って延びるように設けられている。当該複数の貫通孔21aは、保持ユニット30が収容される凹部の両側に配置されている。
【0054】
複数の貫通孔21aの各々の内周面には、雌ネジ部が設けられており、当該複数の貫通孔21aのそれぞれには、図4に示すように、セットビス(イモネジ)22が螺合されている。当該セットビス22は、捩じ込まれることによってその先端が上記凹部内に達するように構成されており、これにより保持ユニット30の支持ブロック31が両側から当該セットビス22によって挟み込まれて保持されることになる。
【0055】
上記構成を採用することにより、保持ユニット30を受け台21に設けた凹部に収容した状態において、その高さ(すなわち、保持ユニット30の図中に示すZ軸方向に沿った位置)を適宜の高さに調節して受け台21に固定することが可能になるため、複数の保持ピン32の設置高さを一括して調節することが可能になる。すなわち、上記受け台21に設けた凹部、貫通孔21aおよびセットビス22は、保持ユニット30の支持ブロック31の設置高さを調節することで複数の保持ピン32の設置高さを一括して調節することが可能な第2高さ調節機構に相当する。
【0056】
以上において説明した本実施の形態における熱圧着装置1にあっては、熱圧着(本圧着)の際に、ワークに含まれる熱圧着対象部位に対する加圧力の均一化が図られることになる。以下においては、その仕組みについて、図7および図8を参照して詳細に説明する。図7は、本実施の形態における熱圧着装置の熱圧着時における要部拡大正面図であり、図8は、要部拡大側面図である。
【0057】
図7および図8に示すように、熱圧着の際には、ACF300の仮圧着が行なわれた第1基板としてのリジッド配線基板100が熱圧着装置1の受け台側ユニット20上にセットされ、さらにその上に第2基板としてのフレキシブル配線基板200とゴムシート50とが順次配置され、熱圧着装置1のヘッド側ユニット10が受け台側ユニット20上にセットされたワークに接触する位置にまで下降されることにより、本圧着が行なわれる。
【0058】
図7および図8に示すように、本実施の形態における熱圧着装置1にあっては、熱圧着の際に、ワークの下部側に位置するリジッド配線基板100の周囲領域に対応する部分が、支持ユニット40A,40Bの支持ピン42によって下方側から支持されるとともに、当該リジッド配線基板100の周囲領域に対応する部分が上方から押さえ部材12によって支持ピン42側に向けて押し付けられることになる。これにより、リジッド配線基板100は、支持ピン42と押さえ部材12とによって挟持されることになり、リジッド配線基板100に意図しない傾きが生じることがなく、安定的にワークが支持されることになる。
【0059】
また、上述したように、支持ピン42が図中に示すZ軸方向に沿って移動可能であるため、付勢バネ43による付勢力を最適化しておくことにより、リジッド配線基板100に多少の反り等が生じている場合であっても、当該反りを吸収した上でワークを安定的に保持することが可能になる。したがって、熱圧着の際に、ワークに含まれる熱圧着対象部位が傾いたり位置ずれを起こしたりすることがなくなることになる。
【0060】
また、本実施の形態における熱圧着装置1にあっては、ワークの下部側に位置するリジッド配線基板100の端子領域に対応する部分が、保持ユニット30の保持ピン32によって下方側から保持された状態が維持されつつ、ワークの上部側に位置するフレキシブル配線基板200の端子領域に対応する部分が、緩衝材であるゴムシート50を介して上方側から熱圧着ヘッド11によってリジッド配線基板100側に向けて押圧される。
【0061】
その際、上述したように、複数の保持ピン32のそれぞれが個別に図中に示すZ軸方向に沿って移動可能であるため、リジッド配線基板100の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装部品101が配置された場合であっても、熱圧着対象部位に相当する部分であるリジッド配線基板100の裏面側部分および実装部品101の下面側部分に当該複数の保持ピン32(より詳細には、保持ピン32の先端部分に取付けられたクッションパッド32e)が接触することになり、安定的にこれを保持することが可能になる。すなわち、上記熱圧着対象部位の高さの違いに応じて複数の保持ピン32のそれぞれが個別に変位することにより、当該高さの違いを吸収しつつ、これを保持することができる。
【0062】
また、その際の保持力は、上述した保持ピン32に具備された付勢バネ32dの付勢力によって与えられるため、付勢バネ32dによる付勢力を最適化しておくことにより、熱圧着ヘッド11のワークに対する押圧に抗してワークの熱圧着対象部位を安定的に保持することが可能になる。
【0063】
さらに、本実施の形態における熱圧着装置1にあっては、上述したように、複数の保持ピン32の先端部分に弾性部材からなるクッションパッド32eが取付けられている。そのため、実装部品101の上記下面側部分がリジッド配線基板100の裏面と平行でない場合や、あるいは実装部品101の下面側部分に微小な凹凸がある場合等であっても、当該クッションパッド32eの一部または全部が変形することによってこれらの形状を吸収した上で実装部品101の下面側部分に密着することになり、ワークの熱圧着対象部位をより均一な保持力をもって保持することができる。
【0064】
なお、熱圧着対象部位をより均一な保持力をもって保持するためには、複数の保持ピン32の配置ピッチを可能な限り小さくすることが好ましい。当該観点から見た場合に、複数の保持ピン32の配置ピッチは、1.5mm程度とすることが好ましい。
【0065】
以上により、本実施の形態における熱圧着装置1とすることにより、リジッド配線基板100の端子領域が設けられた部分の裏面側に実装部品等が配置された場合にあっても、当該端子領域を含む熱圧着対象部位をより均一に加圧することができる熱圧着装置とすることができる。したがって、本実施の形態における熱圧着装置1を利用することにより、接続電極間における高い接続信頼性が確保できるACF接続を実現することが可能になる。
【0066】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における熱圧着装置の保持ユニットを含む部分の受け台側ユニットの断面図である。以下においては、この図9を参照して、本実施の形態における熱圧着装置について説明する。
【0067】
図9に示すように、本実施の形態における熱圧着装置は、上述した実施の形態1における熱圧着装置1と比べた場合に、上述した保持ユニット30と異なる構成の保持ユニット30Aを備えている点において相違している。保持ユニット30Aは、その下端部に、保持ピン32が収容される孔部の下端に達する貫通孔31aを有している。当該貫通孔31aは、図中に示すZ軸方向に沿って延びるように設けられており、複数設けられた孔部に対応してそれぞれ設けられている。
【0068】
複数の貫通孔31aの各々の内周面には、雌ネジ部が設けられており、当該複数の貫通孔31aのそれぞれには、セットビス(イモネジ)33が螺合されている。当該セットビス33は、捩じ込まれることによってその先端が上記孔部内に達するように構成されており、これにより保持ピン32が上方に向けて押し上げ可能とされている。
【0069】
上記構成を採用することにより、セットビス33の捩じ込み量を適宜調節することにより、保持ピン32の支持ブロック31に対する高さ(すなわち、図中に示すZ軸方向に沿った位置)を適宜の高さに調節することが可能になるため、複数の保持ピン32の設置高さを個別に調節することが可能になる。すなわち、上記支持ブロック31に設けた貫通孔31aおよびセットビス33は、複数の保持ピン32の設置高さ個別に調節可能な第1高さ調節機構に相当する。
【0070】
以上において説明した本実施の形態における熱圧着装置とすることにより、複数の保持ピン32の設置高さを個別に調節することが可能になるため、実装部品の高さに応じて予め対応する保持ピン32の高さを微調整しておくことが可能になる。そのため、熱圧着時において、複数の保持ピン32の沈み込み量を均等に揃えることができ、それにより複数の保持ピン32による保持力を均一化させることが可能になる。したがって、上記構成を採用することにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、ワークの熱圧着対象部位をさらにより均一な保持力をもって保持することが可能になる効果が得られる。
【0071】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3における熱圧着装置の保持ユニットを含む部分の受け台側ユニットの断面図である。以下においては、この図10を参照して、本実施の形態における熱圧着装置について説明する。
【0072】
図10に示すように、本実施の形態における熱圧着装置は、上述した実施の形態1における熱圧着装置1と比べた場合に、上述した受け台側ユニット20と異なる構成の受け台側ユニット20Aを備えている点において相違している。受け台側ユニット20Aに組付けられた保持ユニット30Bにおいては、複数の保持ピン32が挿入される孔部のそれぞれが上下方向に貫通して設けられている。これにより、複数の保持ピン32の下端は、支持ブロック31の下面よりもさらに下方に突出して配置可能とされている。
【0073】
また、保持ユニット30Bが収容された受け台21の凹部の底面上には、高さ調整ブロック34が必要に応じて配置される。高さ調整ブロック34は、所定範囲内にある保持ピン32の設置高さを調整するための治具に相当するものであり、当該高さ調整ブロック34を配置することにより、上記所定範囲内にある保持ピン32の下端が高さ調整ブロック34の上面に当接することでその設置高さが微調整可能である。すなわち、上記支持ブロック31に設けた貫通した孔部および高さ調整ブロック34は、複数の保持ピン32の設置高さ個別に調節可能な第1高さ調節機構に相当する。
【0074】
以上において説明した本実施の形態における熱圧着装置とすることにより、複数の保持ピン32の設置高さを個別に調節することが可能になるため、実装部品の高さに応じて予め対応する保持ピン32の高さを微調整しておくことが可能になる。そのため、熱圧着時において、複数の保持ピン32の沈み込み量を均等に揃えることができ、それにより複数の保持ピン32による保持力を均一化させることが可能になる。したがって、上記構成を採用することにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、ワークの熱圧着対象部位をさらにより均一な保持力をもって保持することが可能になる効果が得られる。
【0075】
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4における熱圧着装置の保持ユニットの平面図である。以下においては、この図11を参照して、本実施の形態における熱圧着装置について説明する。
【0076】
図11に示すように、本実施の形態における熱圧着装置は、上述した実施の形態1における熱圧着装置1と比べた場合に、上述した保持ユニット30と異なる構成の保持ユニット30Cを備えている点において相違している。保持ユニット30Cにおいては、複数の保持ピン32が、支持ブロック31を平面視した場合に千鳥状に整列して設けられている。
【0077】
このように構成することにより、複数の保持ピン32を行列状に整列して設けた場合に比べてより近接して設置することが可能になるため、複数の保持ピン32の配置ピッチを可能な限り小さくすることができる。したがって、本実施の形態における熱圧着装置とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、さらに熱圧着対象部位をより均一な保持力をもって保持することが可能になる効果が得られる。
【0078】
以上において説明した本発明の実施の形態1ないし4においては、支持部に相当する支持ピンに付勢バネを付設することで支持ピンが上下方向に移動可能となるように構成した場合を例示したが、リジッド配線基板に反り等が生じていない場合や当該反り等が僅かであり許容できる場合には、支持ピンを上下方向に移動可能に構成する必要は必ずしもなく、移動不能な支持ピンとしてもよい。また、支持ピンに代え、枠状の支持台等を利用することも当然に可能である。さらには、支持部を用いてリジッド配線基板を支持せずとも、これを保持ピンを含む保持部のみによって保持することにより安定的に支持ができる場合には、支持部を別途設ける必要はない。
【0079】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし4においては、押さえ部に相当する押さえ部材を熱圧着ヘッドに一体化させた場合を例示して説明を行なったが、これらが別々に移動させられるように非一体化させて構成されていてもよい。また、上述した本発明の実施の形態1ないし4においては、ヘッド側ユニットに押さえ部を設けた場合を例示して説明を行なったが、支持部のみにて比較的安定的にワークが支持できる場合には、当該押さえ部材を設けないこととしてもよい。
【0080】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし4においては、リジッド配線基板とフレキシブル配線基板との接続に使用される熱圧着装置を例示して説明を行なったが、リジッド配線基板同士の接続やフレキシブル配線基板同士の接続、あるいはリジッド配線基板やフレキシブル配線基板とこれら以外の基板(たとえば液晶パネル等パネル基板等)の接続に使用される熱圧着装置にも、本発明は当然にその適用が可能である。
【0081】
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0082】
1 熱圧着装置、10 ヘッド側ユニット、11 熱圧着ヘッド、12 押さえ部材、12a 凹部、13 枠部材、20,20A 受け台側ユニット、21 受け台、21a 貫通孔、22 セットビス、30,30A〜30C 保持ユニット、31 支持ブロック、31a 貫通孔、32 保持ピン、32a スリーブ、32b ピン本体、32c ストッパ、32d 付勢バネ、32e クッションパッド、33 セットビス、34 高さ調整ブロック、40A,40B 支持ユニット、41 支持ブロック、42 支持ピン、42a 突起部、42b 受け部、43 付勢バネ、44 ベアリング、50 ゴムシート、100 リジッド配線基板、101 実装部品、120 液晶ユニット、200 フレキシブル配線基板、300 ACF、R1,R2 端子領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板および第2基板の各々に設けられた端子領域によって熱圧着用フィルムが挟み込まれてなる前記第1基板、前記第2基板および前記熱圧着用フィルムの積層体に対して、熱圧着ヘッドを前記第2基板が位置する上方側から前記第2基板の端子領域に対応する部分に押圧することにより、前記第1基板と前記第2基板とを熱圧着する熱圧着装置であって、
前記第1基板の端子領域に対応する部分を前記第1基板が位置する下方側から保持する保持部を備え、
前記保持部は、前記第1基板に接触することで前記第1基板を前記第2基板に向けて押圧付勢する複数の保持ピンを有し、
前記複数の保持ピンの各々は、棒状のピン本体と、前記ピン本体を前記第1基板に向けて付勢する付勢部材と、前記ピン本体の前記第1基板側の先端に取付けられた弾性部材とを含んでいる、熱圧着装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記複数の保持ピンの設置高さを個別に調節可能な第1高さ調節機構を有している、請求項1に記載の熱圧着装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記複数の保持ピンを支持する支持ブロックをさらに有し、
前記支持ブロックの設置高さを調節することで前記複数の保持ピンの設置高さを一括して調節可能な第2高さ調節機構をさらに備えている、請求項1または2に記載の熱圧着装置。
【請求項4】
前記第1基板の端子領域以外の領域である周囲領域に対応する部分を下方から支持する支持部をさらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載の熱圧着装置。
【請求項5】
前記支持部に対向配置され、前記第1基板の周囲領域に対応する部分を上方側から前記支持部に向けて押圧するための押さえ部をさらに備えた、請求項4に記載の熱圧着装置。
【請求項6】
前記押さえ部が、前記熱圧着ヘッドの上下動に連動して上下動するように前記熱圧着ヘッドと一体化されている、請求項5に記載の熱圧着装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記第1基板に接触することで前記第1基板を前記押さえ部に向けて押圧付勢する複数の支持ピンを有し、
前記複数の支持ピンの各々は、棒状のピン本体と、前記ピン本体を前記第1基板に向けて付勢する付勢部材とを含んでいる、請求項4から6のいずれかに記載の熱圧着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−84790(P2013−84790A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223938(P2011−223938)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】