説明

熱媒体加熱装置、車両用空調装置及び熱媒体加熱装置の製造方法

【課題】伝熱効率をさせつつ、積層方向の強度を向上させることが可能な熱媒体加熱装置、車両用空調装置及び熱媒体加熱装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】熱媒体加熱装置は、入口ヘッダ部21から導入された熱媒体が流通して出口ヘッダ部22から導出される複数の扁平状の扁平熱交チューブ17と、積層された二つの扁平熱交チューブ17に挟み込まれるPTCヒータとを備え、扁平熱交チューブ17は、一端部に入口ヘッダ部21と出口ヘッダ部22が並列して設けられ、他端部に熱媒体の流れ方向を180°転回させるUターン部24が形成され、Uターン部24には、熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第1チューブ部23が設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTCヒータを用いて熱媒体を加熱する熱媒体加熱装置、車両用空調装置及び熱媒体加熱装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱媒体加熱装置は、例えば電気自動車やハイブリッド車に搭載される車両用空調装置に用いられ、PTC(Positive Temperature Coefficient)半導体を用いて、水等の熱媒体を加熱する。PTC半導体は、温度が上昇すると抵抗値が上がる特性を有し、ある一定以上の温度になると抵抗値が急変し電流を制限できるため、負荷変動や電圧変動が生じても発熱体の温度をほぼ一定にすることができる。
特許文献1には、車両用空調装置に適用可能なPTC素子を加熱素子とした熱媒体加熱装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−56044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱媒体加熱装置のケーシング内には、熱媒体が流れる流通路と、熱媒体を加熱するPTC半導体とが積層される。そして、流通路は、熱媒体を流通路へ導入する熱媒体入口路と、熱媒体を流通路から外部へ導出する熱媒体出口路とに接続される。熱媒体加熱装置の流通路には、一端側に熱媒体入口路と熱媒体出口路を並列して設け、他端側にUターン部を設ける場合がある。
【0005】
また、流通路には、薄板を波状に折り曲げて突起部と溝部を繰り返すことによって複数の平行な流通路が形成されるものがある。しかし、薄板を波形状にして流通路を形成した場合、波形状が屈折してしまうため、平行な流通路を保ったまま熱媒体の流れ方向を180°転回するように折り曲げることは不可能である。
【0006】
一方、Uターン部でも、PTCヒータからの熱を効率良く熱媒体へ伝達することが求められる。また、流通路とPTCヒータは積層構造であるから、積層構造上部又は下部からの負荷によって流通路が狭くなることをUターン部でも防止する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、伝熱効率をさせつつ、積層方向の強度を向上させることが可能な熱媒体加熱装置、車両用空調装置及び熱媒体加熱装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の熱媒体加熱装置、車両用空調装置及び熱媒体加熱装置の製造方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る熱媒体加熱装置は、入口ヘッダ部から導入された熱媒体が流通して出口ヘッダ部から導出される複数の扁平状の熱交チューブと、積層された二つの熱交チューブに挟み込まれるPTCヒータとを備え、熱交チューブは、一端部に入口ヘッダ部と出口ヘッダ部が並列して設けられ、他端部に熱媒体の流れ方向を180°転回させるUターン部が形成され、Uターン部には、熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第1チューブ部が設置される。
【0009】
この発明によれば、熱交チューブにおいて熱媒体が一端部側の入口ヘッダから導入された後、他端部側のUターン部へ流れ、Uターン部にて熱媒体の流れ方向が180°転回される。そして、熱媒体がUターン部側から一端部側の出口ヘッダ部へ流れて、出口ヘッダ部から導出される。このとき、Uターン部には、第1チューブ部、すなわち熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブが設置されることから、Uターン部でPTCヒータからの熱伝達表面積が増加し、伝熱効率を向上させる。また、Uターン部で積層方向の強度が増加する。
【0010】
上記発明において、熱交チューブは、Uターン部と入口ヘッダ部又は出口ヘッダ部とを結ぶ直線部が形成され、直線部には、熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第2チューブ部が設置され、第2チューブ部のUターン部側の角の角度と、第1チューブ部の角の角度が等しくてもよい。
【0011】
この発明によれば、第1チューブ部と第2チューブ部は、所定の長さを有する互いに平行な複数のチューブを長手方向に対して傾斜して切断することによって一度に形成できるため、材料効率を高めることができる。
【0012】
また、本発明に係る車両用空調装置は、空気流路中に配設されている放熱器に対して、熱媒体加熱装置で加熱された熱媒体が循環可能に構成されている車両用空調装置において、熱媒体加熱装置は、入口ヘッダ部から導入された熱媒体が流通して出口ヘッダ部から導出される複数の扁平状の熱交チューブと、積層された二つの熱交チューブに挟み込まれるPTCヒータとを備え、熱交チューブは、一端部に入口ヘッダ部と出口ヘッダ部が並列して設けられ、他端部に熱媒体の流れ方向を180°転回させるUターン部が形成され、Uターン部には、熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第1チューブ部が設置される。
【0013】
この発明によれば、空気流路中に配設されている放熱器へと循環される熱媒体を、伝熱効率が向上した熱媒体加熱装置により加熱し、循環させることができるため、車両用空調装置における空調性能、特に暖房性能の向上を図ることができるとともに、車両に対する空調装置の搭載性を向上することができる。
【0014】
また、本発明に係る熱媒体加熱装置の製造方法は、互いに平行な複数のチューブからなる扁平状のチューブ部を長手方向に対して傾斜して三つに切断するステップと、切断されたチューブ部のうち中央に位置していた第1チューブ部と、両端に位置していた二つの第2チューブ部を、二つの第2チューブ部の流路方向が互いに平行に、かつ第1チューブ部の流路方向に対して垂直になるように配置するステップと、第1チューブ部と第2チューブ部をPTCヒータに積層するステップとを備える。
【0015】
この発明によれば、第1チューブ部と第2チューブ部は、所定の長さを有する互いに平行な複数のチューブを長手方向に対して傾斜して切断することによって一度に形成できるため、材料効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、伝熱効率をさせつつ、積層方向の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置を備えた車両用空調装置を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態に係る熱媒体加熱装置を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示す熱媒体加熱装置の熱媒体入口路に沿って切断した縦断面図である。
【図4】同実施形態に係る扁平熱交チューブを示す平面図である。
【図5】同実施形態に係る扁平熱交チューブを示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態の変形例に係る扁平熱交チューブを示す平面図である。
【図7】同実施形態の変形例に係るチューブ部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置10について、図面を参照して説明する。
車両用空調装置1は、例えば電気自動車やハイブリッド車に搭載され、外気又は車室内空気を取り込んで温調した後、温調した空気を車室内へと導く。車両用空調装置1は、図1に示すように空気流通路2を形成するケーシング3を備える。
ケーシング3の内部には、空気流通路2の上流側から下流側にかけて順次、外気又は車室内空気を吸い込んで昇圧し、それを下流側へと圧送するブロア4と、該ブロア4により圧送される空気を冷却する冷却器5と、冷却器5を通過して冷却された空気を加熱する放熱器6と、放熱器6を通過する空気量と放熱器6をバイパスする空気量との流量割合を調整し、その下流側でエアミックスすることにより、温調風の温度を調節するエアミックスダンパ7とが設置されている。
【0019】
ケーシング3の下流側は、図示省略された吹き出しモード切替えダンパ及びダクトを介して温調された空気を車室内に吹き出す複数の吹き出し口に接続されている。
冷却器5は、図示省略された圧縮機、凝縮器、膨張弁等と共に冷媒回路を構成し、膨張弁で断熱膨張された冷媒を蒸発させることにより、そこを通過する空気を冷却するものである。また、放熱器6は、タンク8、ポンプ9及び熱媒体加熱装置10とともに熱媒体循環回路10Aを構成し、熱媒体加熱装置10で高温に加熱された熱媒体(例えば、不凍液、温水等)がポンプ9を介して循環されることにより、そこを通過する空気を加温するものである。
【0020】
熱媒体加熱装置10は、図2及び図3に示すように、制御基板13と、複数枚の電極板14と、制御基板13上に配設されたIGBT等の複数個の半導体スイッチング素子12と、熱交押え部材16と、複数枚(例えば、3枚)の扁平熱交チューブ17と、複数組のPTC素子18aと、これらの制御基板13、電極板14、半導体スイッチング素子12、扁平熱交チューブ17、熱交押え部材16及びPTC素子18a等を収容するケーシング11とを備えている。
なお、上記電極板14、PTC素子18a及び絶縁部材(図示せず)等によってPTCヒータ18が構成されている。
【0021】
ケーシング11は、上半部と下半部とに2分割されており、上半部を構成するアッパケース(図示省略)と、下半部を構成するロアケース11aとを備えている。このアッパケース及びロアケース11aの内部には、ロアケース11aの上方からロアケース11aの開口部11bにアッパケースを載置することによって、上記制御基板13、半導体スイッチング素子12、電極板14、熱交押え部材16、複数枚の扁平熱交チューブ17及び複数組のPTCヒータ18等を収容する空間が形成されている。
【0022】
ロアケース11aの底面には、積層された3枚の扁平熱交チューブ17に導入される熱媒体を導くための熱媒体入口路11c及び扁平熱交チューブ17内を流通した熱媒体を導出するための熱媒体出口路11dが一体に形成されている。この熱媒体入口路11c及び熱媒体出口路11dは、ロアケース11aの底面から同一の水平方向に互いに平行に延長され、ロアケース11aの一端から側方に突出されている。なお、アッパケース及びロアケース11aは、その内部空間に収容される扁平熱交チューブ17を構成しているアルミ合金材と線膨張が近い樹脂材料(例えば、PPS)により成形されている。このように、ケーシング11を樹脂材料で構成することにより、軽量化を図ることができる。
【0023】
なお、ロアケース11aの下面には、電源ハーネス及びLVハーネスの先端部を貫通するための電源ハーネス用孔及びLVハーネス用孔(いずれも図示省略)が開口されている。電源ハーネスは、制御基板13及び半導体スイッチング素子12を介してPTCヒータ18に電力を供給する。また、LVハーネスは、制御基板13に制御用の信号を送信する。
【0024】
半導体スイッチング素子12及び制御基板13は、上位制御装置(ECU)からの指令に基づいて複数組のPTCヒータ18に対する通電制御を行う制御系を構成するものであり、IGBT等の複数個の半導体スイッチング素子12を介して複数組のPTCヒータ18に対する通電状態が切替え可能である。そして、この複数組のPTCヒータ18をその両面側から挟み込むように複数枚の扁平熱交チューブ17が積層される。
【0025】
扁平熱交チューブ17は、アルミ合金材製のチューブを有しており、図2及び図3に示されるように、3枚の扁平熱交チューブ17が互いに平行になるように、下段、中段及び上段の扁平熱交チューブ17c、17b、17aの順に積層される。これらの扁平熱交チューブ17は、図4及び図5に示されるように、一端部に入口ヘッダ部21及び出口ヘッダ部22が並列して設けられ、他端部に熱媒体の流れ方向を180°転回させて、熱媒体をUターンさせるUターン部24が形成されている。また、扁平熱交チューブ17には、Uターン部24と入口ヘッダ部21、又はUターン部24と出口ヘッダ部22を結ぶ直線部28が形成される。
【0026】
そして、Uターン部24には、熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第1チューブ部23が設置され、直線部28には、熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第2チューブ部27が設置される。第1チューブ部23と第2チューブ部27は互いに離隔して設置されており、二つの第2チューブ部27の流路方向と第1チューブ部23の流路方向とは垂直である。
【0027】
熱媒体は、扁平熱交チューブ17において入口ヘッダ部21から導入された後、Uターン部24へ流れ、Uターン部24にて熱媒体の流れ方向が180°転回される。そして、熱媒体は、Uターン部24側から一端部側の出口ヘッダ部22へ流れて、出口ヘッダ部22から導出される。第1チューブ部23と第2チューブ部27は、薄板を波板状に折り曲げて突起部と溝部を繰り返すことによって複数の平行な流通路が形成される。
【0028】
扁平熱交チューブ17は、アルミ合金材製の薄い一対の成形プレート部材25a,25bを重ね合わせ、ロウ付け接合したものである。成形プレート部材25a,25bには、入口ヘッダ部21及び出口ヘッダ部22が成形される。また、成形プレート部材25a,25bは、第1チューブ部23と第2チューブ部27を内蔵して重ね合わされる。
【0029】
入口ヘッダ部21及び出口ヘッダ部22の厚さ方向寸法は、Uターン部24や直線部28の厚さ方向寸法よりも厚くされており、3枚の扁平熱交チューブ17a、17b、17cを積層したとき、隣り合う扁平熱交チューブ17の間に所定寸法の隙間が形成される。この隙間に、上下両面を電極板14及び図示省略の絶縁体等によってサンドイッチされたPTCヒータ18が挟み込まれることにより、3枚の扁平熱交チューブ17と2組のPTCヒータ18が多層に積層される。
【0030】
また、各扁平熱交チューブ17は、積層されたとき、図3に示されるように、入口ヘッダ部21同士が互いに密着され、入口ヘッダ部21に設けられている連通穴21a同士が互いに連通されるようになっている。なお、複数の出口ヘッダ部22の連通穴22aについても同様に連通される。この際、各連通穴21a,22aは、その周りに配設されるOリング、ガスケット、液状ガスケット等のシール材26(本例では、Oリングが用いられている。)によってシールされる。
【0031】
シール材(Oリング)26は、弾性を有する合成樹脂部材であり、扁平熱交チューブ17aと扁平熱交チューブ17bの出入口ヘッダ部21,22間、扁平熱交チューブ17bと扁平熱交チューブ17cの出入口ヘッダ部21,22間、及び扁平熱交チューブ17cの出入口ヘッダ部21,22とロアケース11aの内底面間において、扁平熱交チューブ17b,17cを構成する成形プレート部材25b側の連通穴21a,22a周り、及びロアケース11aの内底面に形成されているシール材26の配設部位に設置される。
【0032】
次に、扁平熱交チューブ17について説明する。
扁平熱交チューブ17には、図4及び図5に示すように、直線部28に第2チューブ部27が設置されるだけでなく、Uターン部24に第1チューブ部23が設置される。第1チューブ23及び第2チューブ27は、複数回繰り返された突起部又は溝部と成形プレート部材25a,25bとの間が熱媒体の流路になる。
【0033】
第1チューブ部23は、上面から見ると台形形状を有しており、扁平熱交チューブ17の内側のチューブが短く外側のチューブほど長い。このようにUターン部24でも平行な複数のチューブが設置されることによって、Uターン部24における熱媒体の乱れを抑えることができる。
【0034】
また、第1チューブ23及び第2チューブ27の突起部の上面及び溝部の底面が成形プレート部材25a,25bと接触する。これにより、PTCヒータ18からの熱が第1チューブ23及び第2チューブ27に伝達して、内部を流通する熱媒体が加熱される。直線部28に第2チューブ部27が設置されるだけでなく、Uターン部24に第1チューブ部23が設置されることによって、PTCヒータ18からの熱伝達表面積が増加し、伝熱効率を向上させることができる。また、Uターン部24の積層方向の負荷は、断面が波形状の第1チューブ部23によって支持されるため、熱媒体加熱装置10の積層方向の強度を増加させることが可能になる。更に、Uターン部24における熱媒体の流通路が確実に確保される。
【0035】
薄板を波形状にして流通路を形成した場合、熱媒体の流れ方向を180°転回するように折り曲げるようとすると、滑らかな曲面を形成することは難しい。そのため、Uターン部24では、成形プレート部材25a,25bを加工してリブを形成することが考えられる。一方、本実施形態のように、直線部28の第2チューブ部27とは別にUターン部24に第1チューブ部23が第2チューブ部27から離隔して設置されることによって、熱媒体を適切に流通させる流通路を容易に形成できる。
【0036】
次に、図6及び図7を参照して、第1チューブ部23及び第2チューブ部24の変形例について説明する。
本変形例では、図6に示すように、第2チューブ部27のUターン部24側の角の角度θと、第1チューブ部23の角の角度θが等しい。
このような第1チューブ部23と第2チューブ部27を形成するためには、図7に示すように、所定の長さを有する互いに平行な複数のチューブからなるチューブ部材30を、長手方向に対して傾斜して切断すればよい。このとき、切断されたチューブ部材30のうち中央に位置していた部材を第1チューブ部23として使用し、両端に位置していた二つの部材を第2チューブ部27として使用する。
【0037】
このように、第2チューブ部27のUターン部24側の角の角度θと、第1チューブ部23の角の角度θを等しくすることによって、第1チューブ部23と第2チューブ部27を形成する際に無駄な部材が生じず、材料効率を高めることができる。そして、直線部28に第2チューブ部27が設置されるだけでなく、Uターン部24に第1チューブ部23が設置されることによって、PTCヒータ18からの熱伝達表面積が増加し、伝熱効率を向上させることができる。また、Uターン部24の積層方向の負荷は、断面が波形状の第1チューブ部23によって支持されるため、熱媒体加熱装置10の積層方向の強度を増加させることが可能になる。更に、Uターン部24における熱媒体の流通路が確実に確保される。
【符号の説明】
【0038】
1 車両用空調装置
6 放熱器
10 熱媒体加熱装置
10A 熱媒体循環回路
11 ケーシング
11a ロアケース
11b 開口部
11c 熱媒体入口路
11d 熱媒体出口路
17,17a,17b,17c 扁平熱交チューブ(熱交チューブ)
18 PTCヒータ
21 入口ヘッダ部
21a 連通穴
22 出口ヘッダ部
22a 連通穴
23 第1チューブ部
24 Uターン部
25a,25b 成形プレート部材
26,26a,26b,26c シール材
27 第2チューブ部
28 直線部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口ヘッダ部から導入された熱媒体が流通して出口ヘッダ部から導出される複数の扁平状の熱交チューブと、
積層された二つの前記熱交チューブに挟み込まれるPTCヒータと、
を備え、
前記熱交チューブは、
一端部に前記入口ヘッダ部と前記出口ヘッダ部が並列して設けられ、
他端部に前記熱媒体の流れ方向を180°転回させるUターン部が形成され、
前記Uターン部には、前記熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第1チューブ部が設置される熱媒体加熱装置。
【請求項2】
前記熱交チューブは、
前記Uターン部と前記入口ヘッダ部又は前記出口ヘッダ部とを結ぶ直線部が形成され、
前記直線部には、前記熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第2チューブ部が設置され、
前記第2チューブ部の前記Uターン部側の角の角度と、前記第1チューブ部の角の角度が等しい請求項1に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項3】
空気流路中に配設されている放熱器に対して、熱媒体加熱装置で加熱された熱媒体が循環可能に構成されている車両用空調装置において、
前記熱媒体加熱装置は、
入口ヘッダ部から導入された熱媒体が流通して出口ヘッダ部から導出される複数の扁平状の熱交チューブと、
積層された二つの前記熱交チューブに挟み込まれるPTCヒータと、
を備え、
前記熱交チューブは、
一端部に前記入口ヘッダ部と前記出口ヘッダ部が並列して設けられ、
他端部に前記熱媒体の流れ方向を180°転回させるUターン部が形成され、
前記Uターン部には、前記熱媒体が流通する互いに平行な複数のチューブからなる第1チューブ部が設置される車両用空調装置。
【請求項4】
互いに平行な複数のチューブからなる扁平状のチューブ部を長手方向に対して傾斜して三つに切断するステップと、
切断された前記チューブ部のうち中央に位置していた第1チューブ部と、両端に位置していた二つの第2チューブ部を、二つの前記第2チューブ部の流路方向が互いに平行に、かつ前記第1チューブ部の流路方向に対して垂直になるように配置するステップと、
前記第1チューブ部と前記第2チューブ部をPTCヒータに積層するステップと、
を備える熱媒体加熱装置の製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate