説明

熱安定性ジケトピロロピロール顔料混合物

本発明は、コハク酸エステルを、少なくとも1つの非置換又は置換の芳香族又は複素環式芳香族ニトリルと反応させることによる、式(1):[式中、A1及びA2は、それぞれ他と独立に、芳香族又は複素環式芳香族ラジカルである]で示される、少なくとも2種の構造的に異なるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物の製造方法であって、この反応を、式(2):[式中、Aは、芳香族又は複素環式芳香族ラジカルであり、R3は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、−CF3又は−CNであり、R4は、直鎖、又はC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール又はC6−C24アラルキルラジカルであり、Xは、−S−、−O−、−CR55’−、−COO−、−CONR5−、−SO−、−SO2−、−SO2NR5−又は−NR5−であり、そしてR5及びR5’は、それぞれ他と独立に、水素、又は直鎖、若しくはC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール若しくはC6−C24アラルキルラジカルである]で示される少なくとも1つの化合物の存在下で行うことを特徴とする方法である。
式(1)中のA1が、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又はフェニルラジカルである方法、そのような混合物の有機材料の着色及び化粧料における使用、並びに新規なジケトピロロピロール顔料混合物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱安定性で着色力の高いジケトピロロピロール顔料混合物の製造方法、並びに有機材料の着色及び化粧品におけるその使用、更には新規なジケトピロロピロール顔料混合物に関する。
【0002】
比較的高い着色力を特徴とする、既知の顔料、特に比較的小粒度の顔料は、現代の要求に、特に、例えば、ポリオレフィン類において、例えば、移染に対する堅牢度、耐光堅牢度、耐候堅牢度及び耐熱堅牢度のような堅牢性に関して、しばしば充分には応ずることができない。同じことは、カラーフィルター応用のための顔料についても当てはまり、そしてここでは、高度の透明性、又はコントラスト、及び良好な耐熱堅牢度が必要とされる。
【0003】
本発明の課題は、例えば、部分結晶性プラスチックにおける、非常に良好な分散性及び良好な反り挙動(warping behavior)を特徴とする、そして単純かつ経済的に有利な製造方法により製造することができる、特に顔料混合物の形にした、熱に堅牢な着色力の高い透明な顔料を提供することであった。
【0004】
今や驚くべきことに、後述の本発明の方法を用いて、上記の有利な性質を有する顔料混合物を入手できることが見い出された。
【0005】
よって本出願は、コハク酸エステルを、少なくとも1つの非置換又は置換の芳香族又は複素環式芳香族ニトリルと反応させることによる、式(1):
【0006】
【化10】

【0007】
[式中、
1及びA2は、それぞれ他と独立に、芳香族又は複素環式芳香族ラジカルである]で示される、少なくとも2種の構造的に異なるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物の製造方法であって、この反応を、式(2):
【0008】
【化11】

【0009】
[式中、
Aは、芳香族又は複素環式芳香族ラジカルであり、
3は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、−CF3又は−CNであり、
4は、直鎖、又はC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール又はC6−C24アラルキルラジカルであり、
Xは、−S−、−O−、−CR55’−、−COO−、−CONR5−、−SO−、−SO2−、−SO2NR5−又は−NR5−であり、そして
5及びR5’は、それぞれ他と独立に、水素、又は直鎖、若しくはC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール若しくはC6−C24アラルキルラジカルである]で示される少なくとも1つの化合物の存在下で行うことを特徴とする方法に関する。
【0010】
式(2)の化合物の量は、ニトリルの総量に基づいて、有利には1〜10mol%、特に2〜6mol%である。
【0011】
Aは、好ましくは、例えば、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又は特にフェニルラジカルのような、芳香族ラジカルである。
【0012】
1は、好ましくは、例えば、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又は特にフェニルラジカルのような、芳香族ラジカルである。
【0013】
2は、好ましくは、例えば、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又は特にフェニルラジカルのような、芳香族ラジカルである。
【0014】
A、A1及びA2の意味におけるナフチルラジカルは、非置換であっても、又はそれぞれ他と独立に、塩素、臭素、メチル、tert−ブチル、メトキシ、フェニル、−CF3、−S−フェニル若しくは−SO2−フェニルにより単置換若しくは多置換されていてもよい。
【0015】
A、A1及びA2の意味におけるジフェニルラジカルは、非置換であっても、又はそれぞれ他と独立に、塩素、臭素、メチル、tert−ブチル、メトキシ、フェニル、−CF3、−S−フェニル若しくは−SO2−フェニルにより単置換若しくは多置換されていてもよい。
【0016】
A、A1及びA2の意味におけるフェニルラジカルは、非置換であっても、又はそれぞれ他と独立に、ハロゲン(例えば、塩素又は臭素)、C1−C4アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル又はtert−ブチル)、若しくはC1−C4アルコキシ(例えば、メトキシ又はエトキシ)、−CF3、−CN、フェニル、−O−アリール(例えば、フェノキシ)、−SO−アリール(例えば、−SO−フェニル)、−SO2−アリール(例えば、−SO2−フェニル)、若しくは−S−アリール(例えば、−S−フェニル)により単置換若しくは多置換されていてもよい。
【0017】
1及びA2の意味におけるフェニルラジカルは、好ましくは非置換であるか、又はそれぞれ他と独立に、塩素、臭素、メチル、tert−ブチル、メトキシ、フェニル、−CF3、−S−フェニル若しくは−SO2−フェニルにより単置換若しくは多置換されている。
【0018】
Xは、好ましくは−SO−、−O−、−SO2−又は−S−である。
【0019】
Xは、特に−SO2−及び更には−S−である。
【0020】
3は、好ましくは水素である。
【0021】
直鎖、又はC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキルとしてのR4はまた、必要であれば、エーテル、アミド又はエステル基を含んでいてもよい。
【0022】
この場合にアルキル鎖は、−O−、−NH−、−S−、−CO2−NH−、−CO2−O−、−SO2−O−又は−SO2−NH−により1回以上中断されていてもよい。
【0023】
4は、好ましくはC8−C28アルキルラジカル、特に直鎖C12−C24アルキルラジカル、更には直鎖C16−C20アルキルラジカル、とりわけ直鎖C18アルキルラジカルである。
【0024】
本発明の方法の好ましい実施態様によって、式(3):
【0025】
【化12】

【0026】
[式中、
2つの置換基R1は、それぞれ他と独立に、水素、塩素、臭素、C1−C4アルキル、メトキシ、−CF3、−CN、フェニル、−S−アリール又は−SO2−アリールであり、そして
2つの置換基R2は、それぞれ他と独立に、水素、塩素、臭素、メチル、tert−ブチル、メトキシ、−CF3又は−CNである]で示される少なくとも1つのジケトピロロピロール顔料、並びに式(4)及び(5):
【0027】
【化13】

【0028】
[式中、
1及びR2は、式(3)と同義であり、
6は、水素、ハロゲン、C1−C4アルキル、メトキシ、−CF3又は−CNであり、
7は、直鎖、又はC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール又はC6−C24アラルキルラジカルであり、
Xは、−S−、−O−、−CR55’−、−COO−、−CONR5−、−SO−、−SO2−、−SO2NR5−又は−NR5−であり、そして
5及びR5’は、それぞれ他と独立に、水素、又は直鎖、若しくはC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール若しくはC6−C24アラルキルラジカルである]で示される構造的に異なるジケトピロロピロール顔料よりなる群から選択される、少なくとも1つのジケトピロロピロール顔料を含む混合物が得られる。
【0029】
6は、好ましくは水素である。
【0030】
ラジカルXR7は、好ましくはパラ位に結合している。
【0031】
直鎖、又はC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキルとしてのR7はまた、必要であれば、エーテル、アミド又はエステル基を含んでいてもよい。
【0032】
この場合にアルキル鎖は、−O−、−NH−、−S−、−CO2−NH−、−CO2−O−、−SO2−O−又は−SO2−NH−により1回以上中断されていてもよい。
【0033】
7は、好ましくはC8−C28アルキルラジカル、特に直鎖C12−C24アルキルラジカル、更には直鎖C16−C20アルキルラジカル、とりわけ直鎖C18アルキルラジカルである。
【0034】
本発明の方法の特に好ましい実施態様によって、式(3a):
【0035】
【化14】

【0036】
[式中、
2つの置換基R1’は、それぞれ他と独立に、水素、塩素、臭素、メチル、tert−ブチル、メトキシ、−CF3、フェニル、−S−フェニル又は−CNであり、そして
2つの置換基R2は、水素、塩素、臭素、メチル、tert−ブチル、メトキシ、−CF3又は−CNである]で示される少なくとも1つのジケトピロロピロール顔料、並びに式(4a)及び(5a):
【0037】
【化15】

【0038】
[式中、
1’及びR2’は、式(3a)と同義であり、
6’は、水素であり、そして
7’は、直鎖C16−C20アルキルラジカルである]で示される構造的に異なるジケトピロロピロール顔料よりなる群から選択される、少なくとも1つのジケトピロロピロール顔料を含む混合物が得られる。
【0039】
式(3a)及び(4a)のジケトピロロピロール顔料を含むジケトピロロピロール顔料混合物は、本発明のコンテクストにおいて特に重要である。
【0040】
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物として、特に好ましいのは、下記式(混合物A)〜(混合物G):
【0041】
【化16】



【0042】
で示される、ジケトピロロピロールピグメントを含む混合物である。
【0043】
混合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)は、新規であり、そして本出願はまたこれらに関する。
【0044】
コハク酸エステルと少なくとも1つの非置換又は置換の芳香族又は複素環式芳香族ニトリルとの、かつ少なくとも1つの式(2)の化合物の存在下での反応は、例えば、US-A-4,720,305又はUS-A-4,579,949に記載されているように、有機溶媒中で塩基の存在下で高温でのジケトピロロピロール化合物の製造のための一般に既知の方法により行われる。
【0045】
本発明のジケトピロロピロール顔料混合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の製造は、US-A-4,720,305に記載されている方法と同様に、式(51):
【0046】
【化17】

【0047】
[式中、R8は、塩素、メチル、tert−ブチル、フェニル又は−S−フェニルである]で示される化合物及び式(52):
【0048】
【化18】

【0049】
で示される化合物よりなる混合物を、コハク酸ジエステルと反応させるか、又は
式(51)の2種の構造的に異なる化合物及び式(52)の化合物よりなる混合物を、コハク酸ジエステルと反応させることによって、一般には行われる。
【0050】
本発明のジケトピロロピロール顔料混合物(G)の製造は、式(52)の化合物の代わりに、式(53):
【0051】
【化19】

【0052】
で示される化合物を用いて同様に行われる。
【0053】
本発明のジケトピロロピロール顔料混合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の製造はまた更に、WO 99/54332に記載されている方法と同様に行うことができる。
【0054】
有機溶媒中のニトリルの総濃度は通常、5mol/l〜0.5mol/lの範囲内で選択される。
【0055】
塩基対コハク酸ジエステルのモル比は一般に、1molのコハク酸ジエステルに対して0.1〜10molの塩基の範囲にある。
【0056】
選択される圧力は、好ましくは大気圧である。
【0057】
反応温度は、通常60〜140℃の範囲、好ましくは80〜120℃の範囲にある。
【0058】
反応時間は通常、選択される温度に依存して選択される。一般には30分間〜20時間の範囲にある。
【0059】
例えば、US-A-4,783,540及びUS-A-4,579,949に記載されるような通常法を用いて、反応生成物は、プロトン付加によって処理し、続いて単離することができる。
【0060】
有機溶媒は、例えば、極性、非極性、プロトン性又は非プロトン性有機溶媒であってよい。詳細には、使用できる溶媒の例は、エーテル類、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はグリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル若しくはジエチレングリコールモノエチルエーテル、又は芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン又はアルキル−、アルコキシ−若しくはハロ−置換ベンゼン、例えば、トルエン、キシレン、アニソール又はクロロベンゼン、ジクロロ−若しくはトリクロロ−ベンゼン、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、又は芳香族N−複素環化合物、例えば、ピリジン、ピコリン若しくはキノリン、又は第2級及び第3級アルコール類、例えば、tert−ブタノール、sec−アミルアルコール若しくはtert−アミルアルコールのような、更にはまたエチレングリコール又はプロピレングリコールのような、アルコール類を含む。言及した溶媒はまた、混合物の形でも使用することができる。
【0061】
塩基として、例えば、アルカリ金属、例えば、リチウム、ナトリウム若しくはカリウム、又はそれらの水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又はそれらのアルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド若しくはカリウムアミド、又はそれらのアルカリ金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム若しくは水素化カリウム、又はそれらのアルカリ金属アルコーラート類、特にC4−C10アルカン類のアルコール類、例えば、カルシウムtert−ブチラート、マグネシウムtert−ブチラート、リチウムtert−ブチラート、ナトリウムtert−ブチラート若しくはカリウムtert−ブチラート、カリウムtert−アミラート、カリウム2−メチル−2−ペンチラート、カリウム3−メチル−3−ペンチラート若しくはカリウム3−エチル−3−ペンチラートを使用することができる。
【0062】
コハク酸ジエステル類は、対称性又は非対称性ジエステル類であり、好ましくは対称性ジエステル類である。好ましいのは、コハク酸ジ(C1−C12アルキル)エステル類、好ましくはコハク酸ジ(C1−C8アルキル)エステル類、そして特にコハク酸ジ(C1−C5アルキル)エステル類のような、コハク酸ジアルキルエステル類の使用であり、またコハク酸ジアリール及びコハク酸モノアリールモノアルキルエステル類[ここで、アリールは、非置換であっても、又は例えば、1個若しくは2個のハロゲンラジカル、C1−C6アルキル若しくはC1−C6アルコキシにより置換されていてもよい]の使用である。アリールは、好ましくはフェニルである。
【0063】
特に好ましいのは、コハク酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジペンチルエステル、ジヘプチルエステル、ジオクチルエステル、ジイソプロピルエステル、ジヘプチルエステル、ジ−sec−ブチルエステル、ジ−tert−ブチルエステル、ジ−tert−アミルエステル、ジ[1,1−ジメチルブチル]エステル、ジ[1,1,3,3−テトラメチルブチル]エステル、ジ[1,1−ジメチルペンチル]エステル、ジ[1−メチル−1−ブチル]エステル、ジ[1,1−ジメチルペンチル]エステル、ジ[1−メチル−1−エチル−ブチル]エステル、ジ[1,1−ジエチルプロピル]エステル、ジフェニルエステル、ジ[4−メチルフェニル]エステル、ジ[2−メチルフェニル]エステル、ジ[4−クロロフェニル]エステル、ジ[2,4−ジクロロフェニル]エステル又はモノエチルモノフェニルエステルのような、コハク酸ジエステル類である。
【0064】
上述のコハク酸ジエステル類は、既知であり、幾つかの場合には市販化合物である。
【0065】
必要であれば、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物及び本発明のジケトピロロピロール顔料混合物に、レオロジー改善化合物を加えてもよい。
【0066】
よって本発明の更に別の好ましい実施態様は、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物及び/又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物と、レオロジー改善化合物とを含む、組成物に関する。
【0067】
顔料混合物の量に対して使用されるレオロジー改善化合物の量は、一般に0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲にある。
【0068】
レオロジー改善化合物は、既知であり、そして例えば、ジケトピロロピロール誘導体又はジケトピロロピロール誘導体を含む組成物、特に、例えば、GB-A-2,238,550、US-A-4,791,204、US-A-4,914,211、GB-A-430,875、US-A-5,271,759、US-A-5,785,750若しくはUS-A-5,786,487に記載されるようなジケトピロロピロールスルホン酸塩、又はUS-A-5,334,727、US-A-5,200,528、US-A-5,685,901、US-A-5,342,955、US-A-5,424,452若しくはUS-A-6,066,202から知られているようなアミノ置換ジケトピロロピロール類、又はUS-A-5,482,547から知られているようなシラン置換ジケトピロロピロール類である。レオロジー改善化合物はまた、例えば、US-A-5,145,524、US-A-5,685,901若しくはUS-A-5,679,148から知られているようなポリマー類、又はUS-A-5,685,901から知られているようなキレート錯体、又は例えば、US-A-4,880,472、US-A-4,808,230、US-A-4,889,562、US-A-5,522,925若しくはUS-A-5,641,350から知られているような被覆剤として使用される無機化合物、又は例えば、US-A-5,827,364から知られているようなキナクリドン誘導体、又はEP-A-1,029,899に記載されるようなペリレン添加剤である。
【0069】
レオロジー改善化合物は、通常ジケトピロロピロール顔料混合物の製造中又は製造後に加えることができる。
【0070】
ジケトピロロピロール顔料混合物は、一般に、通常の混合法によりレオロジー改善化合物と接触させる。
【0071】
本発明の好ましい実施態様は、更には、本発明の方法により入手できるジケトピロロピロール顔料混合物をレオロジー改善化合物と一緒に含むことを特徴とする組成物に関する。
【0072】
必要であれば、本発明のジケトピロロピロール顔料混合物にテクスチャー改善剤を加えることができる。
【0073】
適切なテクスチャー改善剤は、例えば、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸類(特にステアリン酸又はベヘン酸など)、ステアリン酸又はベヘン酸アミド、ステアリン酸又はベヘン酸の塩(ステアリン酸又はベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸又はベヘン酸亜鉛又はステアリン酸又はベヘン酸アルミニウムなど)、更にまた第4級アンモニウム化合物(特に、トリ(C1−C4)アルキルベンジルアンモニウム塩、例えば、トリメチル−、トリエチル−、トリ−n−プロピル−、トリ−イソプロピル−、トリ−n−ブチル−、トリ−sec−ブチル−及びトリ−tert−ブチル−ベンジルアンモニウム塩など)、更にまた可塑剤(エポキシ化ダイズ油など)、ワックス(ポリエチレンワックスなど)、樹脂酸(アビエチン酸など)、コロホニー石鹸、水素化又は二量体化コロホニー、(C12−C18)パラフィンジスルホン酸、アルキルフェノール類及びアルコール類(ステアリルアルコールなど)を含む。また適切なものは、ラウリルアミン及びステアリルアミン、更には脂肪族1,2−ジオール類(1,2−ドデカンジオールなど)である。
【0074】
好ましいテクスチャー改善剤は、ラウリルアミン及びステアリルアミン、脂肪族1,2−ジオール類、ステアリン酸及びそのアミド類、塩及びエステル類、エポキシ化ダイズ油、ワックス及び樹脂酸である。
【0075】
このような添加剤は、本発明の組成物に基づいて、0.05〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で、その製造の前、最中又は後に加えることができる。
【0076】
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物及び本発明のジケトピロロピロール顔料混合物は、有機材料、特に低分子量又は高分子量の有機材料の着色において使用することができる。
【0077】
よって本発明の更に別の実施態様は、有機材料と着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを互いに混合することによる、有機材料を着色する方法に関する。
【0078】
必要であれば、ジケトピロロピロール顔料混合物の製造において得られる製品は、分散形に変換することができる。これは、それ自体既知のやり方で達成することができる。化合物及び使用目的に応じて、トナーとして、又は調合物の形で着色料を使用することが有利であると判明した。
【0079】
低分子量有機材料は、例えば、鉱油、潤滑グリース又はワックスであってよい。
【0080】
104〜108g/molの分子量(MW)を有する高分子量材料は、例えば、合成及び/又は天然物質、例えば、天然樹脂又は乾性油、ゴム若しくはカゼイン、又は改質天然物質(塩化ゴムなど)、油変性アルキド樹脂、ビスコース、又はセルロースエーテル類若しくはエステル類(エチルセルロース、酢酸、プロピオン酸若しくは酪酸セルロース、アセト酪酸セルロース及びニトロセルロースなど)であるが、特に全合成有機ポリマー類(熱硬化性プラスチック及び熱可塑性プラスチック)であり、重合により(例えば、重縮合又は重付加により)入手することができる。この分類のポリマーは、例えば、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレンなど)、また置換ポリオレフィン類(塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類のようなモノマーの重合産物など)、フッ素化重合産物(ポリフルオロエチレン又はポリトリフルオロクロロエチレン又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン混合重合産物)、及びまた上述のモノマーの共重合産物を含む。重付加及び重縮合樹脂の範囲から、例えば、ホルムアルデヒドとフェノール類との縮合産物、いわゆるフェノプラスト類、及びホルムアルデヒドと尿素又はチオ尿素との縮合産物;またメラミン、いわゆるアミノプラスト類;また表面被覆樹脂として使用されるポリエステル類(アルキド樹脂のように飽和であれ、又はマレイン酸樹脂のように不飽和であれ);また線状ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリフェニレンオキシド類又はシリコーン類、及びシリコーン樹脂を使用することができる。高分子量有機材料はまた、部分結晶性であっても、又は非晶質プラスチック(LLDPE(線状低密度ポリエチレン)など)であってもよい。
【0081】
「部分結晶性プラスチック」とは、凝固により、小結晶核を形成するか、又は凝集する(例えば、球晶又はクアドライト(quadrites))プラスチック(核剤(例えば、有機顔料)の存在下でのみこうなる材料を含む)を意味すると理解すべきである。
【0082】
プラスチックは、104〜108g/mol、好ましくは105〜107g/molの分子量(MW)を有する、熱可塑性高分子量有機材料であってよい。このプラスチックが部分結晶性である場合、これらは通常10〜99.9%、特に40〜99%、更には80〜99%の結晶化度(XC)を有する。好ましい部分結晶性プラスチックは、エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン及び/又はジビニルベンゼン、特にα−オレフィン類(HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン及びポリスチレン)のホモポリマー、ブロック又はランダムコポリマー及びターポリマー、更にはポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート(PET))及び熱可塑性イオノマー類である。特に好ましい部分結晶性プラスチックは、ポリオレフィン類、特に高密度のポリエチレン及びポリプロピレンである。部分結晶性プラスチックはまた、場合により通常量の添加剤、例えば、安定剤、蛍光増白剤、体質顔料及び/又は滑沢剤を含んでいてもよい。
【0083】
上述の高分子量化合物は、プラスチック塊、溶融物として、又は紡糸液の形で、個々に、又は混合物として存在することができる。これらはまた、表面被覆剤用又は印刷インク用の塗膜形成剤又はバインダーとして、そのモノマーの形で、又は重合状態で溶解された形であってもよい(例えば、煮アマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂及び尿素ホルムアルデヒド樹脂又はアクリル樹脂)。
【0084】
本発明はまた、
印刷プロセスにおける印刷インク用の、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッケージングの印刷、機密保護カラー印刷、凹版印刷若しくはオフセット印刷用の、印刷の予備段階用、及びテキスタイルの捺染用、オフィス若しくは家庭使用のための、又はグラフィック応用のための、例えば、紙製品用の、ボールペン、フェルトペン、サインペン、ボール紙、木、(ウッド)ステイン、金属、スタンプパッド用のインクの、あるいはインパクトプリンティングプロセス(インパクトプリンティングインクリボンを用いる)用のインクの製造における、
工業用又は商業用使用のための、テキスタイル装飾及び工業的ラベル付け用、コイル被覆若しくは粉体塗装のための、又は自動車塗装のための、ハイソリッド(低溶剤)、水性若しくは金属塗料のための、又は水性塗料用の着色配合のための、鉱油、潤滑グリース若しくはワックスのための、表面被覆剤の製造における、
被覆剤、繊維、プレート又は成形品用の着色プラスチックの製造における、
ディジタル印刷用、熱転写ワックス印刷、インクジェット印刷若しくは熱転写印刷用の、ノンインパクトプリンティング材料の製造における、そして更には
ポリマー着色剤粒子、トナー、乾式コピートナー、液体コピートナー又は電子写真トナーの製造における、
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の使用に関する。
【0085】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを含むインクに関する。
【0086】
インク(特にインクジェット印刷用)の製造方法は、一般に知られており、例えば、US-A-5,106,412に記載されている。
【0087】
このインクは、例えば、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物をポリマー分散剤と混和することにより製造することができる。
【0088】
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とポリマー分散剤との混和は、好ましくは、撹拌又は混合のような、一般に知られている混和方法により行われるが、強力なミキサー(例えば、商標名ウルトラタラックス(Ultra-Turrax)(登録商標))の使用が特に推奨される。
【0089】
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物をポリマー分散剤と混和するとき、有機溶媒、特に水混和性で極性のプロトン性又は非プロトン性有機溶媒、例えば、アルコール又はケトンを使用するのが有利である。
【0090】
インクに対する本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の重量比は、インクの総重量に基づいて0.0001〜75重量%、特に0.001〜50重量%の範囲で有利には選択される。
【0091】
よって本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを一緒に混和することを特徴とする、インクの製造方法に関する。
【0092】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを含む着色料に関する。
【0093】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを一緒に混和することを特徴とする、着色料の製造方法に関する。
【0094】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを含む、着色プラスチック又はポリマー着色剤粒子に関する。
【0095】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを一緒に混和することを特徴とする、着色プラスチック又はポリマー着色剤粒子の製造、特に練込み着色プラスチックの製造方法に関する。
【0096】
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物による高分子量有機物質の着色は、例えば、このような着色料(場合によりマスターバッチの形で)を、ロールミル又は混合若しくは粉砕装置を用いて基体に混合することにより行われ、その結果として着色料は、高分子量材料に溶解するか、又はそこに微細に分布する。混合着色料を含む高分子量有機材料は、次に、カレンダー掛け、圧縮成形、押出し成形、塗布、へら絞り、鋳造又は射出成形のような、それ自体既知の方法により加工され、こうして着色材料はその最終形状を獲得する。着色料の混合はまた、実際の加工工程の直前に、例えば、本発明の微粉着色料と、同時に顆粒化した高分子量有機材料(及び場合により、例えば、添加剤のような追加の成分も)とを、直接押出し機の吸い込みゾーンに連続的に送る(ここで、混合が加工の直前に起こる)ことにより、達成することができる。しかし一般には、より一定不変の結果を達成できるため、事前に高分子量有機材料に着色料を混合することが好ましい。軟質成形品を製造するため、又はその脆弱性を減少させるために、成形の前にいわゆる可塑剤を高分子量化合物に混ぜ込むことが、しばしば望ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸、フタル酸又はセバシン酸のエステル類を使用することができる。本発明のプロセスにおいて、可塑剤は、着色料の混ぜ込みの前又は後にポリマーに混ぜ込むことができる。また、種々の色調を達成するために、高分子量有機材料に、本発明の顔料混合物又は顔料組成物の他に、白色、カラー又は黒色顔料のような構成成分を任意の必要量で加えることができる。
【0097】
よって本発明の更に別の実施態様は、射出成形法において本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物をプラスチックと一緒に成形することによる、着色(特に練込み着色)プラスチック(特に部分結晶性プラスチック)の製造方法に関する。
【0098】
射出成形配合の構成成分は、射出成形機に送り込む前に前もって混合しても、あるいは個々に同時に送り込んでもよい。また、2つ以上の成分、及び必要であれば添加剤をも前もって混合し、次にこの混合物を、他の成分(個々に使用することができるか、又は同様に前もって混合してもよい)と一緒に射出成形機に送り込むこともできる。
【0099】
本発明の方法の具体的な実施態様は、これらがマスターバッチで行われることに関する。
【0100】
マスターバッチにおいて、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の濃度は、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とプラスチックとの総重量に基づいて、好ましくは5〜70重量%である。
【0101】
表面被覆剤及び印刷インクの着色には、高分子量有機材料、及び本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を、場合により、体質顔料、染料、顔料、乾燥剤(siccatives)(乾燥剤(drying agents))又は可塑剤のような添加剤と一緒に、同じ有機溶媒又は溶媒混合物に、微細に分散させるか、又は溶解させる。また、個々の成分が別々に分散又は溶解しているか、あるいはその複数のものが一緒に分散又は溶解しており、その後初めて全ての成分を合わせる手順を利用することができる。この処理は、通常法、例えば、吹き付け、フィルムコーティング又は多くの印刷法の1つによりなされ、表面被覆剤又は印刷インクは、適宜、事前に乾燥後に、有利には熱又は照射により硬化される。着色すべき高分子量材料が表面被覆剤であるとき、これは、通常の表面被覆剤であっても、又は専門の表面被覆剤、例えば、自動車の仕上げであってもよい。
【0102】
好ましいのは、熱可塑性プラスチック(特に繊維の形状の)、並びに印刷インクの着色である。本発明の着色に適した好ましい高分子量有機材料は、非常に一般的には、≧2.5の誘電率を有するポリマー、特にポリエステル類、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン/アクリロニトリル(SAN)及びアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)である。特に好ましいのは、ポリエステル類、ポリカーボネート、ポリスチレン及びPMMAである。更に好ましいのは、ポリエステル類、ポリカーボネート及びPMMA、特に、テレフタル酸の重縮合により得ることができる、芳香族ポリエステル類、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(PBTP)である。
【0103】
特に好ましいのはまた、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を用いる、鉱油、潤滑グリース及びワックスのような、低分子量有機材料の着色である。
【0104】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを含む、ノンインパクトプリンティング材料に関する。
【0105】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを一緒に混和することを特徴とする、ノンインパクトプリンティング材料の製造方法に関する。
【0106】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを含む、トナーに関する。
【0107】
本発明はまた、高分子量有機材料と、着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とを一緒に混和する、トナーの製造方法に関する。
【0108】
本発明の方法の具体的な実施態様において、トナー、塗料、インク又は着色プラスチックは、トナー、塗料、インク又は着色プラスチックのマスターバッチを、ロールミル又は混合若しくは粉砕装置で処理することにより製造される。
【0109】
本発明はまた、着色媒体を用いる放射線の一部の選択的吸収により、可視光線のスペクトルを改変する方法であって、着色媒体として、透明基体に被覆された本発明の着色高分子量ポリマー材料を用いることを特徴とする方法に関する。
【0110】
よって本発明はまた、少なくとも1つの本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を含む、高分子量ポリマー材料を用いて製造されたカラーフィルターに関する。
【0111】
赤色、青色及び緑色顔料を、適切な基体、例えば、アモルファスシリコンに、連続して適用することによる、カラーフィルターの製造は、GB-A 2,182,165に記載されている。カラーフィルターは、例えば、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を含む、インク(特に印刷インク)を用いて被覆することができるか、あるいは、例えば、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を、化学的に、熱的に又は光分解的に構造形成可能な高分子量材料と混合することにより製造することができる。製造の残りの部分は、例えば、EP-A 654,711と同様に、基体(例えば、LCD)への適用、続いての光構造形成及び現像を用いて実施することができる。カラーフィルターの製造が記載されている更に別の文献は、US-A-5,624,467である。
【0112】
本発明のカラーフィルターは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又はエレクトロルミネセンスディスプレイ[これらは、例えば、アクティブ(ねじれネマチック(TN))又はパッシブ(超ねじれネマチック(STN))強誘電体ディスプレイ又は発光ダイオードであってよい]において、特に透明性、透過率及び熱安定性では優れた成績で使用することができる。
【0113】
着色有効量の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物とは、本発明において一般に、それにより着色すべき材料の総重量に基づいて、0.0001〜99.99重量%、好ましくは0.001〜50重量%、そして特に0.01〜50重量%を意味する。
【0114】
特に、例えば、熱可塑性又は熱硬化性プラスチック材料、繊維、表面被覆剤又は印刷インク中の、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物及び本発明のジケトピロロピロール顔料混合物は、純粋な色相、高い着色力、高い飽和度及び非常に高い透明性;良好な耐移染、耐摩擦、耐光及び耐侯堅牢度;非常に良好な熱安定性、及びまた良好な光沢を特徴とすることが見い出された。
【0115】
本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物はまた、化粧品調合物又は組成物において使用することができる。使用すべきジケトピロロピロール顔料混合物の量は、化粧品調合物又は組成物の性質に依存しよう。通常、化粧品調合物又は組成物の総重量に基づいて、0.0001〜50重量%、好ましくは0.5〜25重量%の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物が使用されよう。
【0116】
また通常、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の他に、化粧品調合物又は組成物に通常使用されている、他の顔料、ゴニオクロマチック(goniochromatic)顔料及び/又は染料が使用される。このような無機又は有機顔料及び/又は染料は、化粧品調合物又は組成物の総重量に基づいて、通常0〜25重量%、好ましくは2〜15重量%の量で使用される。このような無機顔料の例は、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及びまた酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、あるいは紺青(III)(第二鉄青)を含んでよい。好ましい有機顔料は、例えば、酸性染料のカルシウム、バリウム、ジルコニウム又はアルミニウム塩である。
【0117】
必要であれば、この顔料はまた、例えば、リン酸ペルフルオロアルキル、メチルポリシロキサン類、メチルハイドロジェンポリシロキサン類又はキトサンにより修飾された、表面修飾顔料の形で使用することができる。適切な修飾顔料は、例えば、B.G. HaysによりAm. Inkmaker, (June, 1984) 28, (Oct., 1986) 13及び(Nov. 1990) 28に記載されたものである。
【0118】
更にこの顔料はまた、US-A-4,783,540及びUS-A-4,810,304に記載されているように、固溶体の形で使用することができる。
【0119】
場合により修飾されたこれらの顔料は、有利には、顔料がすでに分散形で存在している、顔料調合物の形で使用される。適切な調合物は、例えば、W. Herbst, K. Hunger: Industrielle organische Pigmente, VCH Verlagsgesellschaft 1995, pages 92ffに記載されている。
【0120】
よって本発明の更に別の実施態様は、総重量に基づいて、
a) 0.0001〜20重量%の少なくとも1つの本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物、及び
b) 80〜99.9999重量%の化粧品として適切なキャリヤ物質
を含むことを特徴とする、化粧品調合物又は組成物に関する。
【0121】
本発明の化粧品調合物及び組成物に適したキャリヤ物質は、このような配合において使用される通常の物質である。
【0122】
本発明の化粧品調合物及び組成物は、例えば、スティック、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、分散液、粉末又は液の形状であってよい。このような化粧品調合物又は組成物は、例えば、口紅、マスカラ調合物、頬紅、アイシャドー、ファンデーション、アイライナー、パウダー又はマニキュア液である。
【0123】
この調合物が、スティック形状、例えば、口紅、アイシャドー、頬紅又はファンデーションであるとき、このような調合物の相当部分は、脂肪成分からなり、そしてこれらは、1種以上のロウ、例えば、オゾケライト、ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリンワックス、ミツロウ、カンデリラロウ、ミクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、セチルアルコール、ステアリルアルコール、カカオ脂、ラノリン脂肪酸、ペトロラタム、ワセリン(petroleum jelly)、25℃で固体である、モノ−、ジ−若しくはトリ−グリセリド類又はその脂肪酸エステル類、シリコーンワックス類(メチルオクタデカン−オキシポリシロキサン及びポリ(ジメチルシロキシ)ステアロキシ−シロキサンなど)、ステアリン酸モノエタノールアミン、コロホニー及びその誘導体(アビエチン酸グリコール及びアビエチン酸グリセロールなど)、25℃で固体である硬化油、糖グリセリド類、並びにカルシウム、マグネシウム、ジルコニウム及びアルカリのオレイン酸、ミリスチン酸、ラノラート(lanolates)、ステアリン酸及びジヒドロキシステアリン酸塩よりなっていてよい。
【0124】
この脂肪成分はまた、少なくとも1種のロウと少なくとも1種の油との混合物よりなっていてもよく、この場合には、例えば、以下の油が適している:パラフィン油、パーセリン油(purcelline oil)、ペルヒドロスクアレン、甘扁桃油、アボカド油、テリハボク油(calophyllum oil)、ヒマシ油、ゴマ油、ホホバ油、約310〜410℃の沸点を有する鉱油、シリコーン油(ジメチルポリシロキサンなど)、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、オレイルアルコール、穀物油(コムギ胚芽油など)、イソプロピルラノラート、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、アセチルグリセリド類、アルコール類及び多価アルコール類(例えば、グリコール及びグリセロール)のオクタン酸及びデカン酸エステル類、アルコール類及び多価アルコール類(例えば、セチルアルコール、イソステアリルアルコール)のリシノール酸エステル類、イソセチルラノラート、アジピン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル及びオクチルドデカノール。
【0125】
スティック形状のこのような調合物中の脂肪成分は一般に、調合物の総重量の99.91重量%以下を構成することができる。
【0126】
本発明の化粧品調合物及び組成物は更に、例えば、グリコール類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、モノアルカノールアミド類、非着色ポリマーの、無機の若しくは有機の体質顔料、保存料、UVフィルター、又は化粧品において通常の他の補助剤及び添加剤のような、更に別の構成成分を含んでいてもよい。
【0127】
これらは、例えば、天然又は合成若しくは部分合成のジ−又はトリ−グリセリド、鉱油、シリコーン油、ロウ、脂肪アルコール、ゲルベ(Guerbet)アルコール又はそのエステル、親油性の機能性美容活性成分(日焼け防止フィルター類を含む)、又はこのような物質の混合物を含む。
【0128】
皮膚用化粧品に適している親油性の機能性美容活性成分、活性成分組成物又は活性成分抽出物は、皮膚又は局所適用について承認されている成分又は成分の混合物である。
【0129】
一例として以下のものに言及することができる:
− 皮膚表面及び毛髪への清浄作用を有する活性成分;これらは、油、石鹸、合成洗剤及び固形物質のような、皮膚を清浄化するのに役立つ全ての物質を含む;
− 脱臭及び発汗阻害作用を有する活性成分:これらは、アルミニウム塩又は亜鉛塩に基づく制汗薬、殺菌性又は静菌性脱臭物質を含む脱臭薬、例えば、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコール類及びカチオン性物質(例えば、第4級アンモニウム塩など)、及び臭気吸収剤、例えば、グリロシン(Grillocin)(登録商標)(リシノール酸亜鉛と種々の添加剤の組合せ)又はクエン酸トリエチル(場合により、酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエンなど)と組合せる)又はイオン交換樹脂を含む;
− 日光に対する防護を与える活性成分(UVフィルター):適切な活性成分は、日光から紫外線を吸収して熱に変換することができるフィルター物質(サンスクリーン類);必要な作用に応じて、以下の光防護剤が好ましい:日焼けを引き起こす約280〜315nmの範囲の高エネルギー紫外線を選択的に吸収し(UV−B吸収剤)、そして例えば、315〜400nm(UV−A範囲)の長波長範囲を透過する光防護剤、並びに315〜400nmのUV−A範囲の長波長放射線だけを吸収する光防護剤(UV−A吸収剤);適切な光防護剤は、例えば、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、アクリル酸ジフェニル誘導体、ベンゾフラン誘導体、1個以上の有機ケイ素ラジカルを含むポリマー紫外線吸収剤、ケイ皮酸誘導体、カンフル誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸及びその塩、アントラニル酸メチル、ベンゾトリアゾール誘導体の分類からの有機紫外線吸収剤、及び/又は無機マイクロピグメント(酸化アルミニウム−又は二酸化ケイ素で被覆されたTiO2、酸化亜鉛及びマイカから選択される)である;
− 昆虫に対する活性成分(忌避剤)は、昆虫が皮膚に接触し、そこで活動的になるのを防止することを目的とした薬剤である;これらは、昆虫を追い払いゆっくり蒸発する;最も頻度高く使用される忌避剤は、ジエチルトルアミド(DEET)である;他の普通の忌避剤は、例えば、W. RaabとU. Kindl "Pflegekosmetik", Gustav-Fischer-Verlag Stuttgart/New York, 1991, page 161に見い出されよう;
− 化学及び機械的影響に対する保護のための活性成分:これらは、例えば、パラフィン油、シリコーン油、植物油、水溶液に対する保護のためのPCL製品及びラノリン、塗膜形成剤(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸トリエタノールアミンなど)、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール又はセルロースエーテル類(有機溶媒の作用に対する保護のため)、又は重篤な機械的ストレスに対して皮膚を保護するための「滑沢剤」としての鉱油、植物油若しくはシリコーン油に基づく物質のような、皮膚と外部有害物質との間の障壁を形成する全ての物質を含む;
− 保湿物質:例えば、以下の物質が水分調節剤(保湿剤)として使用される:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール類、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチン及びヒアルロン酸;
− 角質形成作用を有する活性成分:過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、コロイド硫黄及びレゾルシノール;
− 例えば、トリクロサン又は第4級アンモニウム化合物のような、抗菌剤;
− 皮膚適用に適している油性又は油溶性ビタミン類又はビタミン誘導体:例えば、ビタミンA(遊離酸又はその誘導体の形のレチノール)、パンテノール、パントテン酸、葉酸、及びこれらの組合せ、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF;必須脂肪酸;又はナイアシンアミド(ニコチン酸アミド);
− ビタミンに基づく胎盤エキス:特にビタミンA、C、E、B21、B12、葉酸及びビオチン、アミノ酸及び酵素、並びに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄又は銅の化合物を含む、活性成分組成物;
− 皮膚修復複合体:不活化及び崩壊したビフィズス菌群の培養液から入手できる;
− 植物及び植物エキス:例えば、アルニカ、アロエ、サルオガセ(beard lichen)、キヅタ、イラクサ、チョウセンニンジン、ヘンナ、カモミール、マリゴールド、ローズマリー、セージ、トクサ又はタイム;
− 動物エキス:例えば、ロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質又は胸腺抽出物;
− 皮膚適用に適している化粧品用油;ミグリオール(Miglyol)812型の中性油、杏仁油、アボカド油、ババス油、綿実油、ルリヂサ油、アザミ油、落花生油、ガンマ−オリザノール、ローズヒップ種子油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、ブラックカラント種子油、ホホバ油、サクランボ種子油、サーモン油、アマニ油、コーン種子油、マカダミアナッツ油、扁桃油、月見草油、ミンク油、オリーブ油、ペカンナッツ油、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、イネ種子油、ヒマシ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ティーツリー油、ブドウ種子油又はコムギ胚芽油。
【0130】
スティック形状の調合物は、好ましくは無水であるが、ある場合には、化粧品調合物の総重量に基づいて、一般に40重量%を超えない一定量の水を含んでいてもよい。
【0131】
本発明の化粧品調合物及び組成物が半固体製品の形状であるとき、即ち、軟膏又はクリームの形状であるとき、これらは同様に無水であっても、又は水を含んでいてもよい。このような調合物及び組成物は、例えば、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、頬紅、アイシャドー、又は目の縁用のコンシーラーである。
【0132】
このような軟膏又はクリームが水性であるとき、これらは特に、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物は別として、1〜98.8重量%の脂肪相、1〜98.8重量%の水相及び0.2〜30重量%の乳化剤を含む、油中水型の、又は水中油型の乳剤である。
【0133】
このような軟膏及びクリームはまた、例えば、香料、酸化防止剤、保存料、ゲル形成剤、UVフィルター、着色料、顔料、真珠光沢剤、非着色ポリマー並びに無機又は有機体質顔料のような、更に別の従来の添加剤を含んでいてもよい。
【0134】
この調合物が粉末の形状であるとき、これらは実質的に、例えば、滑石、カオリン、デンプン、ポリエチレン粉体又はポリアミド粉体、更にはバインダー、着色料などのような補助剤よりなる。
【0135】
このような調合物は同様に、香料、酸化防止剤、保存料などのような、化粧品において従来から使用されている種々の補助剤を含んでいてもよい。
【0136】
本発明の化粧品調合物及び組成物がマニキュアであるとき、これらは実質的に、溶媒系中の溶液の形のニトロセルロース及び天然又は合成ポリマーよりなり、この溶液は、他の補助剤、例えば、真珠光沢剤を含むことができる。
【0137】
この実施態様において、着色ポリマーは、約0.1〜5重量%の量で存在する。
【0138】
本発明の化粧品調合物及び組成物はまた、毛髪を染めるために使用することができ、この場合にこれらは、化粧品工業において従来使用されている基剤と、少なくとも1つの本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を含む、シャンプー、クリーム又はゲルの形で使用される。
【0139】
本発明の化粧品調合物及び組成物は、従来法で、例えば、成分を一緒に混合又は撹拌する(場合により混合物が溶融するように加熱しながら)ことにより製造される。
【0140】
化粧品調合物又は組成物に適した配合は、例えば、WO-A-00/33795の9〜20ページに記載されている。ここに与えられる17の配合実施例はまた、本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は本発明のジケトピロロピロール顔料混合物が、ここに与えられるジケトピロロピロール(DPP)顔料の代わりに同じ濃度で使用されるならば、本発明の混合物にも適している。
【0141】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。特に断りない限り、部は重量部であり、そして百分率は重量百分率である。温度は摂氏度で与えられる。重量部と容量部の間の関係は、グラムと立方センチメートルの間と同じである。
【0142】
実施例1:
以下の反応スキームによるオクタデシル−チオ−ベンゾニトリルの調製
【0143】
【化20】

【0144】
本反応は、温度計、メカニカルスターラー、滴下ロート及び還流冷却器を備えた750ml五つ口スルホン化フラスコ中で不活性雰囲気下で行った。1−オクタデカンチオール100.00g(0.35mol、1.0当量)をジメチルアセトアミド(DMA)200mlに30℃で溶解して、25分間かけて、ジメチルアセトアミド200ml中のp−クロロベンゾニトリル48.18g(0.35mol、1.0当量)及び微粉砕炭酸カリウム67.72g(0.49mol、1.4当量)の白色懸濁液に加えた。次にこの反応混合物を135℃に加熱して、この温度で4時間撹拌した。次いで温度を80℃に低下させ、反応混合物を16時間撹拌することにより反応を終了させた。次にこの反応混合物を水1600.0g中に室温で放出した。1時間で沈殿した白色の結晶性固体を濾別して、70℃及び200mbarで乾燥した。式(52):
【0145】
【化21】

【0146】
で示される化合物122.6g(理論値の90.4%)を得た。式(52)の化合物はまた、4−メルカプトベンゾニトリルから出発して、S. Karisson, A. Hallberg及びS. GronowitzによりJ. Organomet. Chem. 1992, 430, 1, 53-60に発表された方法と同様に、又はW.H. Roark, B.D. Roth, A. Holmes, B.K. Trivedi, K.A. Kieft, A.D. Essenburg, B.R. Krause及びR.L. StanfieldによりJ. Med. Chem. 1993, 36, 1662-1668に発表された方法と同様に、あるいはまたD.A. ShirleyとW.H. ReedyによりJ. Am. Chem. Soc. 1951, 73, 4885-4886に発表された方法と同様に調製することができる。
【0147】
実施例1B:
以下の反応スキームによる4−オクタデシルオキシベンゾニトリルの調製:
【0148】
【化22】

【0149】
750mlスルホン化フラスコ中で、4−ヒドロキシベンゾニトリル30.0g(0.252mol)、1−ブロモオクタデカン84.0g(0.252mol)及び微粉砕炭酸カリウム48.7g(0.353mol)を窒素雰囲気下N−メチルピロリドン(NMP)200ml中に導入して、撹拌しながら120℃で加熱した。15時間撹拌後、この混合物を室温に冷却して、水2リットル中に注ぎ入れると、明ベージュ色の固体が沈殿してきたが、これを濾別して水で洗浄した。60℃及び150mbarで乾燥後、下記式:
【0150】
【化23】

【0151】
で示される無色の結晶性固体90.8g(理論値の97%)を得た。
【0152】
実施例2:
式(100)及び(101):
【0153】
【化24】

【0154】
で示される顔料を含む混合物の調製(以下の反応スキームによる):
【0155】
【化25】

【0156】
本反応は、温度計、メカニカルスターラー、滴下ロート及び還流冷却器を備えた750ml五つ口スルホン化フラスコ中で不活性雰囲気下で行った。プロトン付加及び調整工程は、温度計、メカニカルスターラー及び還流冷却器を備えた2.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で行った。ナトリウム24.8g(1.08mol、4.0当量)を、tert−アミルアルコール400ml及びFe(III)Cl3触媒量の溶液に112℃で加えた。ナトリウムは、ナトリウムtert−アミラート及びH2の形成と共に、112℃で40分間で溶解した。生じた溶液に、次にp−トルニトリル62.0g(0.53mol、1.96当量)及びp−オクタデシルチオベンゾニトリル4.2g(0.01mol、0.04当量)を加え、そして次に105℃で5時間かけてコハク酸ジ−tert−アミルエステル92.2g(0.31mol、1.15当量)を加えた。この反応混合物を105℃で更に2時間撹拌し、一晩で室温に冷却した。次にこの反応混合物を、水450ml及びメタノール450mlの溶液(室温で)に15分間で加えた。生じた混合物を32℃に加熱して、この温度で4.5時間撹拌した。赤色の沈殿物を濾別し、メタノール500ml及び水500mlで洗浄して、80℃及び200mbarで乾燥した。式(100)及び(101)の顔料を含む赤色の混合物75.2g(理論値の約87%)を得た。
【0157】
実施例2B:
ナトリウム24.83g(1.08mol)、スパチュラ先端分のFeCl3及びtert−アミルアルコール400mlの混合物を、750mlスルホン化フラスコ中で窒素雰囲気下還流した。生じた清澄な溶液に、撹拌しながら4−トルニトリル59.47g(0.508mol)及び4−オクタデシルチオベンゾニトリル12.56g(0.0324mol)を加えた。次にコハク酸ジ−tert−アミルエステル97.7ml(0.311mol)を5時間かけて滴下により加えた。添加が終了後、生じた暗赤色の懸濁液を還流下で更に2時間撹拌し、次いで室温に冷却した。次にこの反応混合物を、45分間かけて水/氷450g及びメタノール450mlの混合物に加えたが、この間温度は20℃を超える上昇はせず、次に83℃で4.5時間還流下で撹拌することにより、反応を終了させた。こうして得られた顔料組成物を濾別して、メタノール及び水で洗浄した。80℃で真空で一晩乾燥することにより、式(100)及び(101)の顔料を含む顔料混合物77.7g(理論値の82.5%)を得たが、これをPVCに入れると透明な赤色を呈した。
【0158】
実施例2C〜2E:
実施例2C〜2Eは、4−オクタデシルチオベンゾニトリルを下記の表に列挙されたニトリルにより置換することを除いて、実施例1Aと同様に調製した。
【0159】
【表1】

【0160】
実施例3:
式(102)及び(103):
【0161】
【化26】

【0162】
で示される顔料を含む混合物の調製(以下の反応スキームによる):
【0163】
【化27】

【0164】
本反応は、温度計、メカニカルスターラー、滴下ロート及び還流冷却器を備えた1.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で不活性雰囲気下で行った。プロトン付加及びコンディショニング工程は、温度計、メカニカルスターラー及び還流冷却器を備えた2.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で行った。ナトリウム24.8g(1.08mol、4.0当量)を、tert−アミルアルコール170ml及びFe(III)Cl3触媒量の溶液に112℃で加えた。ナトリウムは、ナトリウムtert−アミラート及びH2の形成と共に、112℃で40分間で溶解した。生じた溶液に、次にp−(tert−ブチル)−ベンゾニトリル34.46g(0.22mol、0.8当量)を加えた。次いでp−クロロベンゾニトリル44.64g(0.32mol、1.2当量)、p−オクタデシルチオ−ベンゾニトリル8.4g(0.02mol、0.08当量)及びコハク酸ジイソプロピルエステル59.12g(0.30mol)を、60℃でtert−アミルアルコール100mlに溶解して、3.3時間かけて反応混合物に加えた。最初の1時間の添加では、内部温度は105℃に維持したが、次に95℃に下げた。コハク酸ジイソプロピルエステル更に10.95g(0.05mol、0.2当量)を1時間かけて加え、この反応混合物を95℃で更に1時間撹拌し、一晩で室温に冷却した。次にこの反応混合物を、水1062g及びメタノール213gの溶液(室温で)に20分間で導入した。生じた混合物を76℃に加熱して、この温度で4時間撹拌した。次に暗赤色の沈殿物を濾別し、メタノール5リットル及び水5リットルで洗浄して、80℃及び200mbarで乾燥した。式(102)及び(103)の顔料を含む混合物81.5g(理論値の80%)を得た。
【0165】
実施例4:
ナトリウム22.94g(0.998mol)及びtert−アミルアルコール199.6gの混合物を、110〜115℃の温度で一晩還流した。生じた清澄な溶液を105℃で撹拌し、そしてこの溶液に、tert−アミルアルコール121.93gに溶解した、p−クロロベンゾニトリル66.21g(0.481mol)、p−オクタデシルベンゾニトリル12.01g(0.031mol)及びコハク酸ジイソプロピルエステル64.22g(0.317mol)の混合物を滴下により3時間かけて加えた;添加が終了後、反応混合物を4時間撹拌した。次にこの反応混合物を23℃に冷却して、水422ml及びメタノール422mlの混合物中に25〜30℃の温度で放出した;次にこれを78℃(還流)に加熱し、この温度で6時間維持した。室温に冷却後、生成した懸濁液を濾別し、メタノール1.5リットル及び水2リットルで洗浄して、80℃で真空で一晩乾燥した。式(104)及び(103):
【0166】
【化28】

【0167】
で示される顔料を含む赤色混合物66g(理論値の70%)を得たが、これはPVCに透明な赤色を与えた。
【0168】
実施例4B:
【0169】
【化29】

【0170】
本反応は、温度計、メカニカルスターラー、滴下ロート及び還流冷却器を備えた1.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で不活性雰囲気下で行った。プロトン付加及び調整工程は、温度計、メカニカルスターラー及び還流冷却器を備えた2.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で行った。ナトリウム22.96g(1.0mol)を、tert−アミルアルコール200g及びFe(III)Cl3触媒量の溶液に112℃で加えた。ナトリウムは、ナトリウムtert−アミラート及びH2の形成と共に、112℃で60分間で溶解した。次にp−クロロベンゾニトリル66.21g(0.48mol)、p−オクタデシルチオ−ベンゾニトリル5.95g(0.016mol)及びコハク酸ジイソプロピルエステル(SAI)48.16g(0.238mol)を、90℃でtert−アミルアルコール121gに溶解し、そして2時間かけて反応混合物に加えた。最初の1時間の添加では、内部温度は112℃に維持したが、次に85℃に下げた。次いでSAI更に16.06g(0.08mol)を3時間かけて加え、そしてこの反応混合物を85℃で更に4時間撹拌し、室温に冷却した。次にこの反応混合物を、水552ml及びメタノール522mlの溶液に室温で20分間で移した。生じた混合物を50℃に加熱して、この温度で4時間撹拌した。次に暗赤色の沈殿物を濾別し、メタノール及び水それぞれ8リットルで洗浄して、乾燥棚で80℃及び200mbarで乾燥した。式(103)及び(104)の顔料を含む赤色の混合物88.3g(理論値の96%)を得たが、これをPVCに入れると透明な赤色を呈した。
【0171】
実施例4Cは、オクタデシルオキシ−ベンゾニトリルをナトリウムtert−アミラートに直接加え、p−クロロベンゾニトリル及びSAIを伴わないことを除いて、同様に調製した。
【0172】
【化30】

【0173】
実施例4D:
【0174】
【化31】

【0175】
本反応は、温度計、メカニカルスターラー、滴下ロート及び還流冷却器を備えた1.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で不活性雰囲気下で行った。プロトン付加及び調整工程は、温度計、メカニカルスターラー及び還流冷却器を備えた2.5リットル五つ口スルホン化フラスコ中で行った。ナトリウム44.5g(1.9mol)を、tert−アミルアルコール348g及びFe(III)Cl3触媒量の溶液に115℃で加えた。ナトリウムは、ナトリウムtert−アミラート及びH2の形成と共に、115℃で40分間で溶解した。次にp−クロロベンゾニトリル137.6g(1.0mol)、p−オクタデシルチオベンゾニトリル12.3g(32mmol)及びコハク酸ジイソプロピルエステル(SAI)94.2g(0.46mol)を、60℃でtert−アミルアルコール220gに溶解し、そして2時間かけて反応溶液に加えた。最初の1時間の添加では、内部温度は115℃に維持したが、次にゆっくり85℃に下げた。次いでSAI更に31.0g(0.15mol)を3時間かけて加えた。更に3時間かけて、イソプロパノールとtert−アミルアルコールの共沸混合物160gを次に減圧下で(350mbar)85℃で留去した。この反応混合物を、室温に冷却し、そして2.5時間かけて氷349g、メタノール170g及び60%硫酸163gの混合物に0℃で加えた。添加の間、MeOH更に231gと全部で1440gの氷を少量ずつ加えた。生じた混合物を0℃で5時間撹拌した。暗赤色の沈殿物を濾別し、メタノール及び水それぞれ5リットルで洗浄して、乾燥棚で80℃及び200mbarで乾燥した。式(103)及び(104)の顔料を含む赤色の混合物170g(88%)を得たが、これをPVCに入れると透明な赤色を呈した。
【0176】
4−オクタデシルチオベンゾニトリルの代わりに適切に置換されたベンゾニトリル(下記表からの実施例4E〜4G)を使用して、記載された収率で更に別の顔料を同様に合成した。実施例4H及び4Jは、置換ベンゾニトリルをナトリウムtert−アミラート中に直接導入し、4−クロロベンゾニトリル及びSAIと一緒に加えないことを除いて、同様に調製した。
【0177】
【表2】

【0178】
実施例5:
【0179】
【化32】

【0180】
小片に切り崩したナトリウム38.8g(1.68mol)及びスパチュラの先端分のFeCl3を、1リットルのスルホン化フラスコ中でtert−アミルアルコール375ml中に導入して、加熱還流した(浴温130℃)。生じた清澄な溶液に、次にtert−アミルアルコール225ml中の3−クロロベンゾニトリル72.3g(0.53mol)、4−クロロベンゾニトリル31.0g(0.23mol)、4−オクタデシルチオベンゾニトリル14.2g(0.038mol)及びまたコハク酸ジイソプロピルエステル(SAI)92.9ml(0.45mol)の溶液を、加熱滴下ロートを介して3時間かけて加えた(開始時浴温は95℃に設定した)。添加が終了後、SAI更に15.5ml(0.075mol)を30分間かけて加えた。次に反応混合物を50℃に冷却して、メタノール375ml及び水1125mlの混合物に室温で30分間かけて移した。添加が終了後、撹拌を一晩行うことにより、反応を終了させた。橙色の懸濁液を濾過して、メタノール及び次に水で洗浄した。乾燥棚で80℃及び200mbarで一晩乾燥後、顔料136.9g(理論値の91%)を得たが、これをPVCに入れると透明で着色力の高い橙色を呈した。
【0181】
実施例6:
【0182】
【化33】

【0183】
小片に切り崩したナトリウム25.9g(1.13mol)及びスパチュラ先端分のFeCl3を、1リットルのスルホン化フラスコ中でtert−アミルアルコール250ml中に導入して、加熱還流した(浴温130℃)。生じた清澄な溶液に、次にtert−アミルアルコール100ml中の4−フェニルチオベンゾニトリル107.2g(0.50mol)、4−オクタデシルチオベンゾニトリル2.1g(0.005mol)及びコハク酸ジイソプロピルエステル(SAI)73.43g(0.36mol)の溶液を、加熱滴下ロート(90℃)を介して3時間かけて加えた。添加が終了後、撹拌を更に1.5時間還流しながら行った。次に反応混合物を室温に冷却し、そして30分間かけて水/氷1000ml、メタノール200ml及び氷酢酸90gの混合物中に0℃でポンプを用いて移した。添加が終了後、0〜10℃で撹拌を一晩行うことにより、反応を終了させた。次にこの赤色の懸濁液を濾過して、メタノール及び次に水で洗浄した。乾燥棚で70℃及び200mbarで一晩乾燥後、顔料106.3g(理論値の87%)を得たが、これをPVCに入れると透明で着色力の高い赤色を呈した。
【0184】
実施例6B:
【0185】
【化34】

【0186】
市販の形のC.I.ピグメント・レッド254 107.2g(0.30mol)及び無水の微粉砕炭酸カリウム97.4g(0.71mol)を、2.5リットルのスルホン化フラスコ中でN,N−ジメチルホルムアミド(DMA)1リットル中に導入して、窒素雰囲気下70℃で激しく撹拌した。チオフェノール65.8g(0.585mol)と1−オクタデシルチオール4.52g(0.015mol)の混合物を次に滴下ロートを介して滴下により加えた。この混合物を次に130℃で2.5時間撹拌し、続いて110℃で一晩撹拌することにより、反応を終了させた。室温に冷却後、この混合物を、氷酢酸45g、メタノール2.25リットル及び水450mlの混合物にゆっくり加え、添加が終了後、2時間撹拌した。この赤色の沈殿物を濾別し、次にメタノール及び水で順に洗浄した。乾燥棚で80℃及び200mbarで一晩乾燥後、粗大な粒度の赤色の粗生成顔料149.1g(理論値の98.6%)を得た。
【0187】
この粗生成顔料のうち少量を、以下の手順により反応させることによって、粒子の形状を最適化した:
小片に切り崩したナトリウム5.0g(0.22mol)及びスパチュラの先端分のFeCl3を、750mlスルホン化フラスコ中でtert−アミルアルコール200ml中に導入して、窒素雰囲気下で加熱還流した(浴温130℃)。生じた清澄な溶液に、次に粗生成顔料25.2g(約0.05mol)を少量ずつ撹拌しながら加えた。添加が終了後、撹拌を更に2時間還流しながら行った。次に反応混合物を室温に冷却して、水/氷500ml、メタノール100ml及び氷酢酸18g(0.3mol)の混合物に0℃で30分間かけてポンプを用いて移した。添加が終了後、0〜10℃で撹拌を一晩行うことにより、反応を終了させた。次にこの赤色の懸濁液を濾過して、メタノール及び次に水で洗浄した。乾燥棚で70℃及び200mbarで一晩乾燥後、顔料24.0g(理論値の95.2%)を得たが、これをPVCに入れると透明で着色力の高い赤色を呈した。
【0188】
【表3】

【0189】
A相を高剪断ミキサーに入れ、色が完全に広がるまで混合した。B相の全成分を一緒にして、B相が充分に均質になるまで混合した。高速混合しながらA相にB相を吹き付けた。合体した相を高剪断ミキサーにより充分均質に混合した。優れた使用性及び顕著な耐光堅牢度の濃い鮮紅色を有するパウダーファンデーションを得た。
【0190】
【表4】

【0191】
相が均一になるまで、成分8〜21を75〜80℃の温度で混合した。成分1〜7を一緒に混合して、ボールミル又は3ロールミルで粉砕した。次に成分1〜7を、成分8〜21の混合物に加えた。この混合物を75〜80℃の温度で混合した。次いで成分22を加え、この混合物を約70℃の温度で混合した。こうして優れた使用性を有する口紅を得た。
【0192】
【表5】

【0193】
非常に良好な使用性及び顕著な光沢を有する赤色のマニキュアを得た。マニキュアの塗布、3日間の待機期間及びマニキュアの除去後、爪には完全に染みがないことが見い出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コハク酸エステルを、少なくとも1つの非置換又は置換の芳香族又は複素環式芳香族ニトリルと反応させることによる、式(1):
【化1】


[式中、
1及びA2は、それぞれ他と独立に、芳香族又は複素環式芳香族ラジカルである]で示される、少なくとも2種の構造的に異なるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物の製造方法であって、この反応を、式(2):
【化2】


[式中、
Aは、芳香族又は複素環式芳香族ラジカルであり、
3は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、−CF3又は−CNであり、
4は、直鎖、又はC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール又はC6−C24アラルキルラジカルであり、
Xは、−S−、−O−、−CR55’−、−COO−、−CONR5−、−SO−、−SO2−、−SO2NR5−又は−NR5−であり、そして
5及びR5’は、それぞれ他と独立に、水素、又は直鎖、若しくはC3以上は場合により分岐のC1−C30アルキル、C6−C10アリール若しくはC6−C24アラルキルラジカルである]で示される少なくとも1つの化合物の存在下で行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
式(1)中のA1が、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又はフェニルラジカルである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式(1)中のA2が、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又はフェニルラジカルである、請求項1又は請求項2のいずれか記載の方法。
【請求項4】
1が、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、−CF3、−CN、フェニル、−O−アリール、−SO−アリール、−SO2−アリール又は−S−アリールにより単置換又は多置換された、フェニルラジカルである、請求項2記載の方法。
【請求項5】
2が、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、−CF3、−CN、フェニル、−O−アリール、−SO−アリール、−SO2−アリール又は−S−アリールにより単置換又は多置換された、フェニルラジカルである、請求項3記載の方法。
【請求項6】
式(2)中のAが、ナフチルラジカル、ジフェニルラジカル又はフェニルラジカルである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
Aが、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、−CF3、−CN、フェニル、−O−アリール、−SO−アリール、−SO2−アリール又は−S−アリールにより単置換又は多置換された、フェニルラジカルである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
式(2)中のXが、−S−又は−SO2−である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
下記式:
【化3】


で示されるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物。
【請求項10】
下記式:
【化4】


で示されるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物。
【請求項11】
下記式:
【化5】


で示されるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物。
【請求項12】
下記式:
【化6】


で示されるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物。
【請求項13】
下記式:
【化7】


で示されるジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする混合物。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか1項記載の混合物の製造方法であって、式(51):
【化8】


[式中、R8は、塩素、メチル、tert−ブチル、フェニル又は−S−フェニルである]で示される化合物及び式(52):
【化9】


で示される化合物を、コハク酸ジエステルと反応させるか、又は
式(51)の2種の構造的に異なる化合物及び式(52)の化合物よりなる混合物を、コハク酸ジエステルと反応させることを特徴とする方法。
【請求項15】
着色プラスチック又はポリマー着色剤粒子の製造方法であって、これらの材料に、請求項1記載の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物又は請求項9〜13のいずれか1項記載の本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を混ぜ込むことを特徴とする方法。
【請求項16】
着色プラスチック又はポリマー着色剤粒子の製造における、請求項1記載の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物、又は請求項9〜13のいずれか1項記載の本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の使用。
【請求項17】
請求項15により着色されたプラスチック又はポリマー着色剤粒子。
【請求項18】
印刷プロセスにおける印刷インク用の、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッケージングの印刷、機密保護カラー印刷、凹版印刷若しくはオフセット印刷用の、印刷の予備段階用、及びテキスタイルの捺染用、オフィス若しくは家庭使用のための、又はグラフィック応用のための、ボールペン、フェルトペン、サインペン、ボール紙、木、(ウッド)ステイン、金属、スタンプパッド用のインクの、あるいはインパクトプリンティングプロセス(インパクトプリンティングインクリボンを用いる)用のインクの製造における、
工業用又は商業用使用のための、テキスタイル装飾及び工業的ラベル付け用、コイル被覆若しくは粉体塗装のための、又は自動車塗装のための、ハイソリッド(低溶剤)、水性若しくは金属塗料のための、又は水性塗料用の着色配合のための、鉱油、潤滑グリース若しくはワックスのための、表面被覆剤の製造における、
ディジタル印刷用、熱転写ワックス印刷、インクジェット印刷若しくは熱転写印刷用の、ノンインパクトプリンティング材料の製造における、
トナー、乾式コピートナー、液体コピートナー又は電子写真トナーの製造における、
請求項1記載の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物、又は請求項9〜13のいずれか1項記載の本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の使用。
【請求項19】
カラーフィルターの製造における、請求項1記載の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物、又は請求項9〜13のいずれか1項記載の本発明のジケトピロロピロール顔料混合物の使用。
【請求項20】
少なくとも1つの、請求項1記載の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物、又は請求項9〜13のいずれか1項記載の本発明のジケトピロロピロール顔料混合物を含むことを特徴とする、高分子量ポリマー材料を用いて製造される、カラーフィルター。
【請求項21】
総重量に基づいて、
a) 0.0001〜20重量%の少なくとも1つの、請求項1記載の本発明により製造されるジケトピロロピロール顔料混合物、又は請求項9〜13のいずれか1項記載の本発明のジケトピロロピロール顔料混合物、及び
b) 80〜99.9999重量%の化粧品として適切なキャリヤ物質
を含むことを特徴とする、化粧品調合物又は組成物。
【請求項22】
スティック、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、分散液、粉末又は液の形である、請求項21記載の化粧品調合物又は組成物。

【公表番号】特表2007−514798(P2007−514798A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536078(P2006−536078)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052426
【国際公開番号】WO2005/040284
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】