説明

熱強化された電気絶縁性接着ペースト

熱界面材料は結合剤中に、整合性のある大きな熱伝導粒子と、小さなセラミック熱伝導粒子とを含む。結合剤は熱可塑性(及び選択的には熱硬化性)粒子と、不安定性の液体とを含んでもよく、実質的に互いに不溶性である。結合剤は更に液状エポキシを含んでもよい。大きな熱伝導粒子の各々自体は結合性かつ整合性のある扁平粒子の凝集である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱界面材料に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、高密度超小型回路電子部品を基板に結合するのに非常に好適な熱強化された接着ペーストに関する。
【0003】
セラミックシートへのシリコンダイの付着といった、基板上への高密度超小型回路電子部品の付着は何年もの間、電子産業の重要な態様である。一般的には、ダイと基板との間に配置されるダイアタッチペーストを用いることが知られている。一般的には、ダイアタッチペーストは充填剤と、接着剤と、担体とを含む。充填剤は所望の導電性、抵抗性又は誘電性特性を完成品の結合層に与えるように選択される。接着剤はダイと基板との間で強い結合を生成するように選択される。担体は流体の均一な混合物中に総ての部品を維持し、ペーストをダイと基板の界面に容易に適用可能にする。担体は更に、ダイと基板の間の移動と、後のアセンブリの熱処理のための好適な揮発性を有する。ペーストが付着され、ダイ及び基板が構成された後で、アセンブリは一般的に加熱されて、接着剤を融解し、担体を除去させる。冷却時に、ダイは基板に固く付着される。
【0004】
活性成分の粉末密度は上昇し続け、これらの部品を付着する高熱伝導性の接着剤の要求の増加を生じさせる。これらの要求は米国特許第6,111,005号及び第6,140,402号を含む従来技術に記載の技術によって、これまで適えられてきた。これらの特許は粉末有機高分子樹脂の使用を含む技術について記載し、高熱伝導性充填剤とともに非溶剤で懸濁されている。粉末樹脂の型は用途に依存して変化した。基板に対する熱膨張係数(CTE)の不適合が更に大きくなる広面積の部品付着については、低係数の熱可塑性高分子が接着剤の結合ラインで生成される剪断応力を処理するために取り込まれた。基板に対する膨張の不適合が低い小さな面積の部品については、熱硬化性又は熱可塑性と熱硬化性の組合せの高分子粉末が、充填剤とともに接着剤組成物中で用いられた。高係数の高分子の使用は更に熱伝導率を増加させる。
【0005】
米国特許第6,265,471号は、高伝導性の充填剤が不安定な溶剤に溶解される液状エポキシ樹脂に懸濁される場合の更なる高熱伝導性技術について記載する。この技術は米国特許第6,111,005号及び第6,140,402号に記載の従来技術以上に熱伝導率を増加させた。不幸なことに、熱硬化性液体樹脂系の弾性係数は硬化又は架橋結合される場合に比較的高くなった。結果的に、この技術の適用は、小さな面積の部品付着、及び/又は部品、通常は半導体ダイにCTE内で密接に適合される基板に限定された。上述の技術に記載された従来技術は、接着剤の係数と熱伝導率との間の線形関係を示す。米国特許第6,111,005号及び第6,140,402号に記載の低い係数の接着剤は熱伝導率が低いが、米国特許第6,265,471号に記載の高い係数の接着剤は熱伝導率が高い。大きさ及び電力において高機能な半導体デバイスが増大するにつれて、高熱伝導率及び低係数の双方を有する接着剤に対するニーズも更に増大する。このような接着剤は、ダイと高膨張で高熱伝導性の基板との間の熱膨張の不適合によって生じる結合ラインの剪断応力を吸収するのに必要であった。市場における1の大きな用途は、広面積のフリップチップのマイクロプロセッサデバイスの高膨張性で高熱伝導性の熱拡散剤への付着である。高伝導率と低係数の双方の特性はこの用途で必要である。これまでに、米国特許第6,111,005号、第6,140,402号、及び第6,265,471号に記載の接着剤がこれらの用途に用いられた。しかしながら、マイクロプロセッサデバイスは電力密度を増加させ、ひいては低弾性係数を伴い更に良好な熱特性を有する接着剤に対する要求が増大した。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、(1)整合性のある第1の型の熱伝導粒子であって、第1の型の熱伝導粒子の各々自体は、更に小さな扁平粒子の自己結合性の凝集である第1の型の熱伝導粒子と、(2)第2の型の熱伝導粒子と、(3)結合剤とを含む熱界面材料を提供する。
【0007】
特定の実施形態によると、結合剤は不安定性の液体中の第1の型のセラミック粒子及び第2の型のセラミック粒子と結合される樹脂微粒子を含み、これによってペーストを形成し、熱可塑性粒子は実質的に不安定性の液体に不溶性である。不安定性の液体は粘度調整剤を含んでもよい。
【0008】
代替的な実施例によると、結合剤は液状エポキシといった液体熱硬化性樹脂である。
【0009】
特定の実施形態によると、第1の熱伝導粒子の材料の全熱伝導率は200W/mKを超える。
【0010】
特定の実施形態によると、第2の熱伝導粒子の材料の全熱伝導率は10W/mKを超える。
【0011】
特定の実施形態によると、第1の型のセラミック粒子は窒化ホウ素を含む。
【0012】
特定の実施形態によると、第2の型の熱伝導粒子はアルミナである。
【0013】
窒化ホウ素及びアルミナは双方ともセラミック粒子である。
【0014】
特定の実施形態によると、熱伝導粒子は約0.5ないし2.5gm/ccのタップ密度を有する。
【0015】
特定の実施形態によると、双方の型の粒子の形状は、当該技術分野の当業者によって球状と称されるものである。本記載で用いられるように、球状という用語は特別な場合として球形を含む。これらの用語の使用は粒子の形状が数学的に規定される理想の形状に明確に忠実ではないことを意味する。
【0016】
特定の実施形態によると、熱伝導粒子の粒径分布は二峰性である。例えば、大きな第1の型の粒子は小さな第2の型の粒子との結合に用いられうる。結果として、第2の型の熱伝導粒子は第1の型の熱伝導粒子間の間隙を占有する。
【0017】
特定の実施形態によると、熱界面材料は更に焼結助剤を含む。
【0018】
特定の実施形態によると、熱界面材料はダイアタッチペーストとして用いられる。
【0019】
主に熱可塑性結合剤を含む実施形態は、強固であるが、過剰な応力を誘起することなく大面積のシリコンダイを更に拡張可能な基板に結合するのに十分な弾性のあるダイアタッチペーストを提供し、更に従来技術よりも十分に高い熱特性と電気絶縁性を提供する。
【0020】
液体エポキシ結合剤を含む実施形態は、硬化接着係数が高い場合、かつ電気絶縁性が要求される場合に、より小さな成分の付着用に熱特性の強化を提供する。
【0021】
本発明は更に、大きな変更なく産業で現に用いられている機器及びプロセスに適用され、それによって、処理される際に強い熱伝導性の結合ラインを生成しうるダイアタッチペーストを提供する。本発明の実施形態は、成分と基板の間に十分な付着力を提供し、付着力に対する工業規格に適合させる。更に、熱可塑性樹脂は反復して融解及び凝固できるため、熱可塑性樹脂を用いるそれらの実施形態は再加工可能であり、マルチチップモジュール技術に、あるいは高輝度発光ダイオード(HBLED)アレイに好適となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明のある実施形態による、基板に結合される熱界面材料の断面図の第1の電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明のある実施形態による、基板とシリコンダイとの間にある熱界面材料の断面図の第2の電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、熱界面材料で用いられる窒化ホウ素粒子の接写を示す第3の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
米国特許第6,111,005号は、本発明で用いられうる熱可塑性結合剤の組成物を開示する。米国特許第6,265,471号は、本発明で用いられうる液体エポキシ結合剤を開示する。米国特許第6,111,005号及び第6,265,471号は引用によって本明細書中に組み込まれる。’471及び’005号特許で開示される銀充填剤に対し上述のセラミック粒子を置換することによって、高焼結密度構成を産生する。これは熱伝導率の予期されない増加と熱インピーダンスの減少とを生成する。更に、本明細書中に教示のペーストは付着力の増加を提供し、熱伝導率を更に増加させる樹脂成分の減少(樹脂に対する高い充填剤の比率)を与える。
【0024】
本発明の接着ペーストで用いられるセラミック充填剤は、粒子形状で存在する。充填剤粒子の少なくとも約80%、好適には実質的に総ての充填剤粒子は、円形の周縁部によって特徴づけられ、扁平面が実質的にない。扁平粒子とは対照的に、球状が特に好適である。本明細書中で用いられる場合、「球状(spheroidal)」という用語は数学的に厳密な形状に限定されない。本明細書中で用いられるように、当該技術分野での使用に従い、「球状」という用語は、厚さが横方向(例えば、直径)よりもかなり小さい扁平粒子の場合とは対照的に、同等の幅及び高さ方向の長さを有する粒子を示す。
【0025】
本発明で用いられうるセラミック充填剤粒子の代表例は、Saint−Gobain社から入手可能な標準品番PCTH3MHFの窒化ホウ素(BN)である。用いられうる代表的なセラミック充填剤は、日本国のDenka社から入手可能な球形の酸化アルミニウム(Al)である。本明細書中で用いられる場合、「整合性のある(conformable)」という用語は、圧力下あるいは硬化時に圧縮される粒子のことである。
【0026】
いくつかの実施形態によると、少なくとも約50%の熱伝導粒子、すなわち窒化ホウ素は単分散され、少なくとも約50ミクロンの粒径を有し、残りの熱伝導粒子、すなわちアルミナは約10ミクロン未満の粒径を有する。このような実施形態においては、アルミナはBN粒子間の間隙を占有する。
【0027】
セラミック充填剤は好適には、少なくとも1の焼結助剤、すなわち、充填剤の焼結を増加させる任意の添加剤との組合せで用いられる。代表的な焼結助剤は金属アルコキシド、低融点塩、及び有機無機ハイブリッド複合材料を含む。焼結助剤は一般的には、硬化材料の約0.1ないし0.5重量パーセントの濃度で存在する。
【0028】
熱特性の予測されない増加は完全には理解されないが、この型の熱界面材料で以前に用いられたフレークの形状と比較して良好な充填及び球体の点接触のためであると考えられる。更に顕著であると考えられるのはBNといった球形の整合性のある充填剤の存在である。
【0029】
熱可塑性粉末及び不安定性の液体を用いる実施形態においては、この2つは、好適には20%を超えない範囲まで、及びより好適には10%を超えない範囲まで互いに可溶である。更には、粒子は好適には直径で40ミクロン未満である。
【0030】
用いられうる熱可塑性粉末の実施例は、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene teraphthalate)、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ケイ素樹脂、及び液体結晶性高分子を含む。
【0031】
不安定性の液体の実施例は、Terpenol、Norpar(ノーマルパラフィン)、Linpar、ヘキサン、アルコール類を含む。
【0032】
不安定性の液体を用いる実施例においては、粘度調整剤は不安定性の液体に添加されてもよい。粘度調整剤は好適には、接着ペーストの0.05ないし5体積パーセントの範囲の量で存在する。粘度調整剤の例はスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレンブロック共重合体、及びポリイソブチレンを含む。
【0033】
用いられうる熱硬化性結合剤の実施例は、エポキシ類、ケイ素樹脂、反応性ポリエステル、ポリウレタン、及びポリイミドを含む。
【0034】
従来技術の熱界面材料において、結合アセンブリが加熱された場合、樹脂粉末は他の粒子に融解及び合体し、結合ライン界面方向に移動する。この粉末の融解は結合ラインに空隙を残し、以降では「結合離脱(BDO:bond drop out)」と称される。本明細書中に記載の熱界面材料がある場合、BDOは観察されなかった。本明細書中に記載の熱界面材料の組合せによって、BDOを生じることなく熱伝導性セラミック粒子の非常に高い負荷を可能にした。75%、例えば85重量パーセントより高い(硬化生成物中の全固体重量に対する)熱伝導性セラミック粒子の割合が、BDOがなく、ダイアタッチアプリケーションで十分な接着強度に達する際に得られる。全固体重量は熱伝導性セラミック粒子及び硬化結合剤を含む。更に、大きな充填剤と小さな充填剤との混合物の場合は、細かい方が大きな方の間隙充填剤となる。
【0035】
塩、低融点ガラス、混合酸化物、及びセラミック粒子上の低融点コーティングといった添加剤は更に本発明で用いてもよい。これらの成分は充填剤粒子を互いに固体塊に「焼結する(sinter)」のを可能にすることによって熱伝導率を更に増加できる。これらの添加剤はセラミック充填剤粒子用の焼結助剤として作用しうる。
【0036】
図1及び図2は本発明のある実施形態による、シリコンダイ204を基板104に結合する熱界面材料102の2の電子顕微鏡写真である。シリコンダイのみが図2で可視可能であることに留意されたい。図1又は2はシリコンダイ204及び基板104の結合アセンブリを切開することによって得られる断面である。BNで標識される大きな窒化ホウ素粒子及びAlで標識される球形のアルミナ粒子は、結合剤材料の基材、この場合においてはポリエステル樹脂に浸漬される。特定の実施形態によると、BN粒子の平均粒径は、用いられるAl粒子の平均粒径よりも少なくとも5倍大きい。結合を生成するプロセスにおいて、シリコンダイが分散量の熱界面材料上で加圧される場合、BN粒子は異なる形状に整合させてもよいと思われる。
【0037】
図3は、図1又は2に示した熱界面材料で用いられる窒化ホウ素粒子の接写を示す。窒化ホウ素粒子の各々は整合性のある、更に小さな扁平形状の窒化ホウ素フレークの結合性の凝集である。
【0038】
以下の実施例及び比較実施例においては、充填剤、樹脂、及び不安定性の液体の組合せはペーストを形成するように結合された。その主成分ならびにその適用及び使用方法での接着剤の調製は、多様な方法を利用し、当該技術分野に公知の機器を用いる。主成分はペースト調製用で当該技術分野に既知の機器で混合できる。
【0039】
本発明の熱界面材料は都合よく、超小型回路電子部品(半導体ダイ)を基板に付着するのに用いられうる。一般的にこれは、熱界面材料の接着ペーストを生成するステップと;ペーストを基板表面に適用して、結合ラインを形成して、ペーストが電子部品と基板との間にあるように、電子部品を結合ライン上に配置するステップと;次いで、有機熱可塑性樹脂が軟化し流体となるが劣化せず、かつ不安定性の液体がペーストから液化するのに十分な時間、十分に高い温度でアセンブリを加熱するステップと;次いで、熱可塑性高分子が固体となる温度未満まで加熱処理したアセンブリを冷却するステップと;を具え、これによって超小型回路電子部品は空隙のない結合ラインによって基板に結合される。熱硬化性樹脂が粒子としてではなく、一部又は総ての有機高分子として用いられる場合、処理温度は樹脂を架橋結合するほど十分に高くすべきである。
【0040】
本発明を証明する目的で、ダイが湿式接着剤の上に配置される前に、湿性接着剤がセラミック基板上に付着された。総ての硬化は30分間最大200℃でなされた。硬化後、ダイが基板を剪断するまでダイの側面に垂直な応力が印加された。この応力は試験中の特定の組成物に対する付着力の数値として平方インチに対するポンド(PSI)で記録された。熱伝導率の測定は粒径1/2インチで厚さ約1/8インチのペレット上で既知のレーザフラッシュ法によってなされた。この測定方法は、Standard Test Method for Thermal Diffusivity by the Flash MethodのASTME1461に更に完全に記載されている。
【0041】
本発明はその特定の代表的な実施形態の実施例によって示され、総ての部数、比率及び割合は、特に示されない限りにおいては重量によるものである。実施例は例示のみであることを示し、本発明の変形物及び等価物は当該技術分野の当業者に明確であろう。
【0042】
[実施例1ないし4及び比較実施例A]
【表1】

【0043】
球形の充填剤は付着力を増加させ;充填剤負荷の増加は付着力を低くするが、Lipotinは付着力を増加させる。Lipotinはドイツ共和国エッセンD−45127ゴールドシュミット通り100にあるTego Chemie Service社のダイズレシチンである。
【0044】
[実施例5ないし8及び比較実施例B]
【表2】

【0045】
最大粒子が直径20ミクロン未満である微粒子樹脂(−635メッシュ)は結合ラインの厚さ(BLT:bond line thickness)を低くする。熱可塑性における熱硬化性の付加(0004)は付着力を増加させ、Rth(界面熱抵抗)を低下させる。マサチューセッツ州ミドルトンのBostik社のコポリエステル及び日本国東京のTomogawaによって生成された反応性ポリエステルが用いられた。
【0046】
【表3】

【0047】
上述の実施例は、樹脂の割合が増加した場合でも空隙率の低下が熱伝導率を増加させることを示す。更なるZnOの添加は熱伝導率を増加させる。
【0048】
【表4】


DAW3は3ミクロンのアルミナであり、DAW10は10ミクロンのアルミナであり、DAW45は45ミクロンのアルミナであり、PCTH3MHFは300万個のBNである。Kadox930はペンシルベニア州モナカのHorshead社で販売されるZnO粉末である。DAWは日本国Denka社のアルミナ粉末である。
【0049】
上述の実施例は、全充填剤のほぼ50%でBNを有する重要性を示し、更に大きな充填剤がより高い温度を提供する。
【0050】
[比較実施例CないしF]
以下の比較実施例はAINといった高伝導率を有する間隙充填剤の添加が、合成物の総ての熱伝導率を改善しないことを示す。
【0051】
【表5】


HC Starck AはHC Starck社により提供されるAIN粉末であり、DAW5は5ミクロンのアルミナである。
【0052】
【表6】

【0053】
[実施例18及び比較実施例G]
粉末樹脂中の充填剤の負荷が75重量パーセントであったことを除いては、実施例1ないし4の一般的な手順が繰り返された。実施例18においては、円形周縁部で特徴づけられた充填剤が用いられた。比較実施例Gにおいては、フレーク充填剤が用いられた。得られたペーストは前述のように試験され、結果は以下の表に集約された。
【0054】
【表7】

【0055】
前述の明細書においては、本発明の特定の実施形態が述べられてきた。しかしながら特許請求の範囲に説明されるように、様々な変更及び変形が以下の本発明の範囲から離れることなくなされうることが、当該技術分野の当業者は分かるであろう。更に明細書及び図面は、限定する意味ではなく例示として考慮すべきであり、総てのこのような変形物は本発明の範囲内に含まれることを示す。利益、利点、問題解決及び利益、利点、又は発生又は公言される解決を生じうる任意の要素は、重要な、必要な、あるいは本質的な任意又は総ての請求項の特徴又は要素として解釈すべきではない。本発明は、本出願の係属中になされる補正を含む添付の請求項、及び発行されたそれらの請求項の総ての等価物によってのみ規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱界面材料において、
整合性のある第1の型の熱伝導粒子であって、当該第1の型の熱伝導粒子の各々自体が、更に小さな扁平粒子の自己結合性の凝集である第1の型の熱伝導粒子と;第2の型の熱伝導粒子と;樹脂粒子と;不安定性の液体と;を含み、前記不安定性の液体及び前記樹脂粒子が20%未満の範囲まで互いに可溶であることを特徴とする熱界面材料。
【請求項2】
請求項1に記載の熱界面材料において、前記樹脂粒子が熱可塑性粒子を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項3】
請求項2に記載の熱界面材料において、前記樹脂粒子が熱硬化性粒子を更に含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項4】
請求項1に記載の熱界面材料において、前記樹脂粒子が熱硬化性粒子を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項5】
請求項1に記載の熱界面材料において、前記第1の型の熱伝導粒子が窒化ホウ素を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項6】
請求項5に記載の熱界面材料において、前記第1の型の熱伝導粒子が球状であることを特徴とする熱界面材料。
【請求項7】
請求項5に記載の熱界面材料において、前記第2の型の熱伝導粒子が窒化アルミニウムであることを特徴とする熱界面材料。
【請求項8】
請求項5に記載の熱界面材料において、前記窒化ホウ素の粒子が前記第2の型の熱伝導粒子の平均粒径の少なくとも5倍となる平均粒径を有することを特徴とする熱界面材料。
【請求項9】
請求項8に記載の熱界面材料において、前記熱伝導粒子及び前記樹脂粒子の全質量に対する前記熱伝導粒子の質量の割合が、少なくとも75%であることを特徴とする熱界面材料。
【請求項10】
請求項5に記載の熱界面材料において、前記第2の型の熱伝導粒子がアルミナであることを特徴とする熱界面材料。
【請求項11】
請求項10に記載の熱界面材料において、前記窒化ホウ素が単分散され、前記窒化ホウ素及びアルミナの全質量のうち、少なくとも50質量パーセントを有し、前記窒化ホウ素の粒子の平均粒径が前記アルミナの平均粒径よりも大きいことを特徴とする熱界面材料。
【請求項12】
請求項10に記載の熱界面材料が、実質的に酸化亜鉛からなる第3の型の熱伝導粒子を更に含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項13】
請求項10に記載の熱界面材料において、前記第2の型の熱伝導粒子が球状であることを特徴とする熱界面材料。
【請求項14】
請求項10に記載の熱界面材料が、焼結助剤を更に含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項15】
請求項14に記載の熱界面材料において、前記焼結助剤が金属アルコキシド、低融点塩、及び有機無機ハイブリッド複合材料からなる群から選択される少なくとも1の材料を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項16】
請求項11に記載の熱界面材料において、前記樹脂粒子がポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene teraphthalate)、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ケイ素樹脂、及び液体結晶性高分子からなる群から選択される少なくとも1の材料を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項17】
熱界面材料において、
整合性のある第1の型の熱伝導粒子であって、当該第1の型の熱伝導粒子の各々自体が、更に小さな扁平粒子の自己結合性の凝集である第1の型の熱伝導粒子と;第2の型の熱伝導粒子と;液体エポキシ結合剤;を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項18】
請求項17に記載の熱界面材料において、前記第1の型の熱伝導粒子が窒化ホウ素を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項19】
請求項18に記載の熱界面材料において、前記第1の型の熱伝導粒子が球状であることを特徴とする熱界面材料。
【請求項20】
請求項18に記載の熱界面材料において、前記第2の型の熱伝導粒子が窒化アルミニウムであることを特徴とする熱界面材料。
【請求項21】
請求項18に記載の熱界面材料において、前記窒化ホウ素の粒子が、前記第2の型の熱伝導粒子の平均粒径の少なくとも5倍となる平均粒径を有することを特徴とする熱界面材料。
【請求項22】
請求項18に記載の熱界面材料において、前記第2の型の熱伝導粒子がアルミナであることを特徴とする熱界面材料。
【請求項23】
請求項10に記載の熱界面材料において、前記窒化ホウ素が単分散され、前記窒化ホウ素及びアルミナの全質量のうち、少なくとも50質量パーセントを有し、前記窒化ホウ素の粒子の平均粒径が前記アルミナの平均粒径よりも大きいことを特徴とする熱界面材料。
【請求項24】
請求項22に記載の熱界面材料が、実質的に酸化亜鉛からなる第3の型の熱伝導粒子を更に含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項25】
請求項22に記載の熱界面材料において、前記第2の型の熱伝導粒子が球状であることを特徴とする熱界面材料。
【請求項26】
請求項22に記載の熱界面材料が、焼結助剤を更に含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項27】
請求項26に記載の熱界面材料において、前記焼結助剤が金属アルコキシド、低融点塩、及び有機無機ハイブリッド複合材料からなる群から選択される少なくとも1の材料を含むことを特徴とする熱界面材料。
【請求項28】
請求項23に記載の熱界面材料において、前記樹脂粒子がポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ケイ素樹脂、及び液体結晶性高分子からなる群から選択される少なくとも1の材料を含むことを特徴とする熱界面材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−515559(P2011−515559A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501823(P2011−501823)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/001935
【国際公開番号】WO2009/120376
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(510039507)ダイマット,インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】DIEMAT,INC.
【Fターム(参考)】