熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラム
【課題】情報を伝達する手段又は体感効果を与える手段として熱を用いた熱情報処理システムを提供する。
【解決手段】熱情報処理システム10は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な携帯電話100と、熱の高低によりユーザに情報を伝達する指輪200と、を有する。携帯電話100は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力する。指輪200は、ペルチェ素子210を有し、携帯電話100から出力された指示信号に応じた方向の電流をペルチェ素子210に流す。これにより、ペルチェ素子210が発熱又は吸熱することによってユーザに所望の情報を通知する。
【解決手段】熱情報処理システム10は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な携帯電話100と、熱の高低によりユーザに情報を伝達する指輪200と、を有する。携帯電話100は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力する。指輪200は、ペルチェ素子210を有し、携帯電話100から出力された指示信号に応じた方向の電流をペルチェ素子210に流す。これにより、ペルチェ素子210が発熱又は吸熱することによってユーザに所望の情報を通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱の高低により情報を伝達可能な熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非常に多くの体感、体感ゲーム装置が提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。体感ゲーム装置の代表的なものとしては、自動車やバイクなどのレースゲームが存在する。体感ゲーム装置では、ゲームプレイヤが座る搭乗部を揺動させたり、コントローラを振動させたりしてゲームプレイヤに対して体感効果を与える。また、ゲームプレイヤに体感効果を与える他の伝達媒体としては、光や音等も考えられる。また、ゲームプレイヤに情報を与える伝達媒体としては、振動、光、音の他に画面上の文字が考えられる。
【0003】
【特許文献1】特開2002−177628号公報
【特許文献1】特開2000−262757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、いままで提案された体感ゲーム装置では、熱を情報伝達媒体として用いたり体感効果を与える手段として用いたものはなかった。一方、熱をゲームその他の機器の情報伝達媒体や体感効果として用いることができれば、臨場感のあるゲームをプレイヤに提供できる。また、ゲーム機器以外においても、熱を情報伝達媒体や体感効果を与える手段として用いることができれば、全く音を出さずに情報を伝達することができるため、他者に全く影響を与えずに特定人と情報をやりとりすることができ、他人に迷惑をかけることがない。
【0005】
上記問題を解消するために、本発明では、情報を伝達する手段又は体感効果を与える手段として熱を用いた熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とが接続された熱情報処理システムであって、前記情報処理機器は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、前記熱伝達機器は、ペルチェ素子を有し、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を前記ペルチェ素子に流し、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理システムが提供される。
【0007】
かかる構成によれば、熱伝達機器は、情報処理機器からの指示信号に従い、熱伝達機器に装着されたペルチェ素子に所定方向の電流を流す。たとえば、ペルチェ素子に正方向の電流を流した場合、熱伝達機器は発熱し、逆方向の電流を流した場合、熱伝達機器は吸熱する。これにより、ユーザは発熱及び吸熱に応じた体感を得ることができ、発熱又は吸熱に応じた情報を知ることができる。
【0008】
ユーザが発熱又は吸熱に応じた情報を知る場合としては、次のような場合が挙げられる。たとえば、前記情報処理機器は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な携帯機器であり、前記携帯機器は、前記携帯機器に電話の着呼又はメールの着信の少なくともいずれかを受信したタイミングに、前記電話の着呼又は前記メールの着信に関する情報をユーザに通知するために前記指示信号を出力する場合である。これにより、ユーザは、発熱又は吸熱を体感することによって携帯機器に電話が掛かってきたことや携帯機器にメールが着信されたことを知ることができる。
【0009】
前記携帯機器は、前記電話の着呼又は前記メールの着信が予め登録された特定人から発信されているとき、前記特定人からの発信をユーザに通知するために前記指示信号を出力するようにしてもよい。これにより、ユーザは、発熱又は吸熱を体感することによって特定人から電話やメールが発信されたことを知ることができる。
【0010】
前記熱伝達機器は、人の体に取り付けるアクセサリであってもよい。前記熱伝達機器のペルチェ素子は、ユーザの身体が接触する部分の近傍に設けてもよい。これによれば、ユーザの体に密着して又は近傍にペルチェ素子が設けられているため、ユーザが熱を体感しやすい。なお、前記熱伝達機器は、前記情報処理機器に装着されたペルチェ素子自身であってもよい。
【0011】
前記熱伝達機器は、正方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて前記複数のペルチェ素子のうち、所定のペルチェ素子のみに正方向の電流を流し、逆方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて他の所定のペルチェ素子のみに逆方向の電流を流してもよい。
【0012】
これによれば、発熱する素子と吸熱する素子を区別して使用するため、発熱又は吸熱により情報伝達又は体感をユーザにより確実に伝えることができる。特に、熱は、熱しやすく冷めにくい性質を有しているため、前記熱伝達機器は、前記指示信号にしたがい所定方向の電流を所定時間流すときを除いて、所定の温度に制御するようにしてもよい。これによれば、平常時は、ある程度の低温状態に熱伝達機器を制御しておくことにより、熱の冷めにくい性質を克服して、所望のタイミングにレスポンスよく熱伝達機器を所定温度に発熱、吸熱することができる。
【0013】
前記熱伝達機器の前記ペルチェ素子が設けられた部分近傍には、開口が設けられていてもよい。これによれば、熱伝達機器の開口から熱が放熱され、熱伝導を良好することができる。開口から熱が放熱されやすいように前記熱伝達機器の内部にファンを設ければ、ペルチェ素子の熱をより放熱しやすくすることができる。
【0014】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面に対応したゲームに関する情報を熱の高低によりユーザに通知するための指示信号を出力してもよい。たとえば、前記情報処理機器は、ゲームの各場面の温度状態をユーザに通知するために、前記各場面の温度に応じた電流をペルチェ素子に流すための指示信号を出力してもよい。
【0015】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面のうち高温状態の場面とその場面の温度を予めメモリに登録するとともに、低温状態の場面とその場面の温度を予め前記メモリに登録し、前記メモリに登録された高温状態又は低温状態の場面が画面に映し出される際、その場面の温度に応じた電流を流すための指示信号を出力してもよい。
【0016】
これによれば、熱をゲーム機器の情報伝達媒体や体感効果として利用することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを接続して情報を通知する熱情報処理方法であって、所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流し、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理方法が提供される。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とに情報を通知する処理をコンピュータに実行させる熱情報処理プログラムであって、所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力する処理と、前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流す処理と、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する処理と、を備えた熱情報処理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、情報伝達又は体感効果に熱を用いた熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態にかかる熱情報処理システムについて説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態にかかる熱情報処理システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。本実施形態にかかる熱情報処理システム10は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを有している。本実施形態では、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器の一例として携帯電話100が挙げられているが、情報処理機器は携帯電話に限られず、たとえば、PDA(Personal Digital Assistants))、PC等の電子機器であってもよい。また、携帯電話100は、操作部120を利用してゲームのコントローラとしても機能することができる。
【0022】
また、本実施形態では、熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器の一例としてユーザの指輪200が挙げられているが、熱伝達機器は、指輪に限られず、たとえば、人の体に取り付ける腕輪、ネックレス、イヤリングなどのアクセサリであってもよい。
【0023】
本実施形態では、ペルチェ素子140を内蔵した携帯電話100は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器として機能するとともに、熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器として機能する。すなわち、携帯電話100にペルチェ素子140が内蔵されている場合、熱伝達機器は、情報処理機器の一例である携帯電話100に装着されたペルチェ素子自身となる。この場合、携帯電話100のCPUとペルチェ素子140とは内部バスにより接続され、内部にて指示信号のやりとりをする。
【0024】
携帯電話100は、端末本体に内蔵されたICチップ110、端末本体表面に設けられた操作部120およびディスプレイ130、ペルチェ素子140を有している。ICチップ110は、半導体集積回路であり、図示しないROM、揮発性メモリ(たとえば、RAM)、不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM)、CPU、通信回路およびアンテナを含んでいる。
【0025】
ROMは、熱情報処理プログラムを記憶している。揮発性メモリは、各種データを一時的に記憶し、不揮発性メモリは、各種データを記憶する。CPUは、揮発性メモリ、不揮発性メモリに記憶されたデータを用いてROMに記憶された熱情報処理プログラムを実行する。通信回路は、ネットワークを介して接続された指輪200と無線通信する。もちろん、有線で通信してもよい。
【0026】
操作部120は、ユーザの操作により電話番号を入力したり、ゲームのコントローラとして操作したりする。入力されたコマンドは、通信回路およびアンテナを経由して指輪200に送信される。ディスプレイ130は、ゲーム等の画面を表示する。
【0027】
ペルチェ素子140は、薄いシート状であり、ユーザの手が携帯電話100に接触する部分の近傍に配置され、ユーザが熱を体感しやすいようになっている。ペルチェ素子140に正方向又は逆方向の電流を流すと、ペルチェ素子140は発熱又は吸熱する。
【0028】
本実施形態では、図2(a)に拡大して示したように、指輪200にもペルチェ素子210が埋め込まれている。指輪200は、シリコンにより形成されているので、フリーサイズでどんなユーザにも適用可能である。なお、ペルチェ素子140、210は、埋め込まれずに携帯電話100や指輪200に貼り付けられていてもよい。また、ペルチェ素子140、210は、本実施形態では両方に配されているが、携帯電話100又は指輪200の少なくともいずれかに装着されていればよい。
【0029】
ペルチェ素子210は、図2(b)及び図2(c)に示したように、P型熱電材料210aとN型熱電材料210bとを一対にした素子を複数個並べ、両面に図示しない平板状の電極を配した金属を有している。ペルチェ素子210に対して図2(b)に示した正方向の向きに電流を流すと、指輪200の外側(吸熱側)から内側(発熱側)に熱が移動するため、ユーザの指に熱が与えられ、ユーザは指輪200が熱くなったと感じる。一方、ペルチェ素子210に対して図2(c)に示した逆方向の向きに電流を流すと、指輪200の内側(吸熱側)から外側(発熱側)に熱が移動するため、ユーザの指から熱が奪われ、ユーザは指輪200が冷たくなったと感じる。なお、ペルチェ素子140もペルチェ素子210と動作原理は同じである。
【0030】
本実施形態では、このペルチェ素子140、210を機器側からユーザへの情報伝達媒体として用いる。具体的には、携帯電話100は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を生成して、出力する。指示信号は無線により指輪200に伝えられ、指輪側では、携帯電話100から出力された指示信号に応じた方向の電流がペルチェ素子210に流される。これにより、ペルチェ素子210は発熱又は吸熱することによってユーザに所望の情報を伝える。つぎに、以上に説明した熱による情報伝達について、具体例を挙げながら説明する。
【0031】
(熱情報伝達処理1)
まず、図3に示したフローチャートを参照して、携帯電話100によって実行される熱情報伝達処理の一例を挙げて説明する。なお、本処理は、所定時間経過毎に携帯電話100のCPUによって実行される。実際には、本処理は、熱情報伝達処理プログラムとしてROMに記憶されていて、CPUによって熱情報伝達処理プログラムの各ステップが実行されることにより遂行される。
【0032】
携帯電話100は、ステップS300から熱情報伝達処理を開始し、ステップS305に進んで電話の着呼があったかを判断する。着呼があった場合、携帯電話100は、ステップS310に進み、正方向に電流を流す指示信号を生成して出力した後、ステップS315に進む。着呼がなかった場合、着呼を知らせる指示信号を生成することなくステップS315に進む。
【0033】
つぎに、携帯電話100は、ステップS315にてメールの着信があったかを判断する。携帯電話100は、着信があった場合、ステップS320に進み、逆方向に電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS395に進んで本処理を終了する。着信がなかった場合、着信を知らせる指示信号を生成することなくステップS395に進み、本処理を終了する。
【0034】
これによれば、出力された着呼を知らせる指示信号は、無線を介して指輪200に送信される。これにより、指輪200に埋設されたペルチェ素子210に正方向の電流が流れ、図2(b)に示した外側から内側への熱の移動により、指輪200をはめたユーザは、指輪200が熱くなったと感じる。また、携帯電話100に埋設されたペルチェ素子140も同様に発熱する。これにより、携帯電話100を持ったユーザの手のひらは、携帯電話100が熱くなったと感じる。この結果、従来のマナーモードにおける振動や光や音ではどうしてもなんらかの音がでるため、ユーザの傍らにいる人に不快感を与える場合があったのに対し、本実施形態に掛かる熱情報処理システム10によれば、ユーザは、他人に何らの影響を与えずに電話が掛かってきたことを知ることができ、他人に迷惑を掛けずに着呼に対する迅速な対応ができる。
【0035】
同様に、着信を知らせる指示信号に応じて、指輪200のペルチェ素子210および携帯電話のペルチェ素子140に逆方向の電流が流れ、図2(c)に示した内側から外側への熱の移動により、指輪200をはめたユーザ及び携帯電話100を持つユーザは、指輪200及び携帯電話100が冷たくなったと感じる。この結果、ユーザは、他人に何らの影響を与えずにメールが届いたことを知ることができ、他人に迷惑を掛けずに着信に対する迅速な対応ができる。
【0036】
(熱情報伝達処理2)
次に、図4に示したフローチャートを参照して、携帯電話100によって実行される熱情報伝達処理の他の例を挙げて説明する。なお、本例では、ユーザにより、携帯電話100に設けられたメモリに予め特定の発信者の識別情報(ID)が登録されている。
【0037】
携帯電話100は、ステップS400から熱情報伝達処理を開始し、ステップS405に進んで電話の着呼またはメールの着信があったかどうかを判断する。着呼又は着信があった場合、携帯電話100は、ステップS410に進み、発信者は特定の人か否かを判断する。メモリに発信者の識別情報が登録されていた場合、ステップS415に進み、携帯電話100は、正方向に電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS495にて本処理を終了する。登録されていなかった場合、ステップS420に進み、逆方向に電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS495にて本処理を終了する。
【0038】
これによれば、指示信号に応じてペルチェ素子140,210に正方向の電流が流れた場合、ユーザは、指輪200及び携帯電話100が熱くなったと感じる。この結果、ユーザは、他人に何らの影響を与えずに特定人から電話またはメールを着信したことを知ることができ、すぐに対応するなど特定人に対する優先順位の高い対応ができる。
【0039】
また、指示信号に応じてペルチェ素子140,210に逆方向の電流が流れた場合、ユーザは、指輪200及び携帯電話100が冷たくなったと感じる。この結果、ユーザは、他人に何らの影響を与えずに特定人以外の人から電話またはメールを着信したことを知ることができ、後で対応するなど特定人への対応と区別した対応ができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる熱情報処理システム10の全体構成について、図5を参照しながら説明する。本実施形態にかかる熱情報処理システム10は、ゲーム機500とゲームを操作するコントローラ600とを有している。ゲーム機500は、ゲームの画像を映し出すテレビ700に接続されている。ゲーム機500は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器の一例である。コントローラ600は、熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器の一例である。コントローラ600は、通話又は電子メールの送受信機能を有していてもよい。
【0041】
ゲーム機500は、図示しないROM、ハードディスク(HDD)、CPU、RAM、バス、画像生成回路、音響再生回路、内部インタフェースおよび外部インタフェースを含んで構成されている。
【0042】
ROMには、ゲームを実行させるためのプログラム等が記録されている。ハードディスクには各種プログラムや各種データが蓄積されている。CPUは、ゲーム機全体を制御する。CPUは、ハードディスクに記憶されたプログラムをゲーム機内のワーク用のRAMにロードする。CPUは、このようにしてRAMにロードされたプログラムを実行することによりゲームをスタートさせ、図示しないゲームサーバと逐次通信しながらゲームを進行する。
【0043】
バスは、ROM、ハードディスク、CPU、RAM、画像生成回路、音響再生回路、内部インタフェースおよび外部インタフェースの各デバイス間で情報をやりとりする経路である。画像生成回路は、グラフィックチップとVRAMとから構成されていて、CPUから画像の生成を指示されると、その指示に従って画像を生成する。音響再生回路は、サウンドチップとサウンドRAMとから構成されていて、CPUからサウンドの生成を指示されると、その指示に従って各ゲームに対応したバックミュージックや音響処理を行う。
【0044】
内部インタフェースは、コントローラ600を用いたユーザによるゲーム操作を入力するとともに、複数のキャラクタの映像および音響をモニタおよびスピーカにそれぞれ出力する。外部インタフェースは、ネットワークを介して、プレイヤによる操作に応じたコマンドやメッセージ等の各種データをゲームサーバに送受信する。
【0045】
コントローラ600は、ゲーム操作のための操作部610及びペルチェ素子620を有している。ペルチェ素子620は、薄いシート状であり、プレイヤがコントローラ600を把持する部分に埋め込まれ、プレイヤの手のひらに密着してプレイヤが熱を体感しやすいようになっている。
【0046】
(直感ゲーム処理)
次に、図6に示したフローチャートを参照して、ゲーム機500によって実行される直感ゲーム処理の一例を挙げて説明する。このゲームの一例として、図7、8に示した戦闘ゲームを例に挙げて説明する。なお、本処理は、所定時間経過毎にゲーム機500のCPUによって実行される。実際には、本処理は、熱情報処理プログラムとしてROMに記憶されていて、CPUによって熱情報処理プログラムの各ステップが実行されることにより遂行される。
【0047】
ゲーム機500は、ステップS600から直感ゲーム処理を開始し、ステップS605に進んで、TV700の画面に映し出される映像が、温度の高い場面かを判断する。判断に際しては、ゲームの各場面のうち高温状態の場面及びその場面の温度が予めゲーム機500内のメモリに登録されていると同時に低温状態の場面とその場面の温度を予めメモリに登録されているので、その登録情報を利用する。
【0048】
たとえば、図7に示したように、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCが、ゲーム機500が自動で制御するノンプレイヤキャラクタNPCと戦う場面において、ノンプレイヤキャラクタNPCがたいまつを持ち、一面が炎に包まれているとき、メモリには温度の高い場面Htと登録されている。この場合、ゲーム機500は、ステップS605にて温度の高い場面Htの設定温度に応じた大きさの正電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS615に進む。温度の高い場面ではない場合、指示信号を生成せずに直ちにステップS615に進む。
【0049】
つぎに、ゲーム機500は、ステップS615にてTV700の画面に映し出される映像が、温度の低い場面かを判断する。たとえば、図8に示したように、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCが、川を泳いで渡る場面のとき、メモリには温度の低い場面Ltと登録されている。この場合、ゲーム機500は、ステップS620に進んで、温度の低い場面Ltの設定温度に応じた大きさの逆電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS695に進んで本処理を終了する。温度の低い場面ではない場合には、指示信号を生成せずに直ちにステップS695に進んで本処理を終了する。
【0050】
これによれば、出力された指示信号は、コントローラ600に送信される。コントローラ600では、指示信号に応じて、ペルチェ素子620に電流が流される。正(逆)方向の電流が流れた場合、プレイヤは、コントローラ600が熱くなった(冷たくなった)と感じる。この結果、プレイヤは、今までになかった熱を利用して自分がゲーム内のキャラクタになったような気分を体感することができ、臨場感あふれたゲームを楽しむことができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態にかかる熱情報処理システム10について説明する。第3実施形態にかかる熱情報処理システム10は、全体構成において第2実施形態にかかる熱情報処理システム10と同じであるが、コントローラ600に装着されたペルチェ素子620の配置及び機能が異なる。
【0052】
すなわち、第3実施形態にかかるコントローラ600では、図9に示したように、ペルチェ素子のシート片A、Bがパッチ状に配置されている。この場合にも、プレイヤの手が接触する部分に配置する。図9では、シート片A、Bは、交互に配置されるがこれに限られない。
【0053】
ペルチェ素子620aのシート片Aは、指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、正方向に電流を流し、発熱する。指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620aのシート片Aは電流を流さない(OFF状態)。
【0054】
ペルチェ素子620bのシート片Bは、指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、逆方向に電流を流し、吸熱する。指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620bのシート片Bは電流を流さない(OFF状態)。
【0055】
これによれば、複数のシート片Aは発熱部材としてのみ機能し、複数のシート片Bは吸熱部材としてのみ機能する。熱は、熱しやすく冷めにくい性質を有している。このため、温度によっては、熱したペルチェ素子620を瞬間的に冷やすことは難しい。しかしながら、本実施形態によれば、各シート片A、Bを発熱部材専用シート及び吸熱部材専用シートとしてそれぞれ使用することにより、プレイヤに「熱い」又は「冷たい」感覚をより確実に伝えることができる。
【0056】
また、コントローラ600は、操作部610及びペルチェ素子620の他に赤外線LED630を有している。赤外線LED630は、赤外線の光信号を発射する。赤外線LED630から発射された赤外線の光信号は、TV700に設けられた赤外線受光部により受光され、赤外線を受光したことを知らせる信号がゲーム機500に伝達される。
【0057】
(熱情報伝達ゲーム処理1)
次に、図10に示したフローチャートを参照して、ゲーム機500によって実行される熱情報伝達ゲーム処理の一例を挙げて説明する。このゲームの一例としては、図11、12に示した脱出ゲームが挙げられる。
【0058】
ゲーム機500は、ステップS1000から熱情報伝達ゲーム処理を開始し、ステップS1005に進んで、コントローラ600の赤外線LED630から出力された赤外線をTV700に設けられた赤外線受光部に受光させ、これにより、画面に向かうコントローラ600の向きを検出する。
【0059】
次に、ゲーム機500は、ステップS1010に進み、TV700に映し出された画面のうち、熱さ(冷たさ)を示す画像にコントローラ600が向いているかを判断する。向いていると判断された場合、ゲーム機500は、ステップS1015に進み、熱さを示す画像の場合には、すべてのシート片Aに正方向の電流を流す指示信号を生成し、出力する。冷たさを示す画像の場合には、すべてのシート片Bに逆方向の電流を流す指示信号を生成し、出力する。
【0060】
一方、ステップS1010にて、向いていないと判断された場合、ゲーム機500は、ステップS1005に戻り、再び、赤外線によりコントローラ600の向きを検出し、コントローラ600が熱さ(冷たさ)を示す画像の方向に向くまでステップS1005,S1010を繰り返す。ステップS1015にて出力された指示信号に応じて、コントローラ600が熱くなる(冷たくなる)と、プレイヤは、たとえば、その向きによいことがあると判断する。
【0061】
たとえば、図11に示した冷たい部屋の右奥に脱出口Extがあるゲームでは、ゲーム開始と同時に、コントローラ600のシート片Bに逆方向の電流を流しておく。これによれば、プレイヤは、コントローラ600の冷たさを感じて、部屋が冷たいことを直感する。
【0062】
ゲーム中、ステップS1015にて出力された正方向の指示信号に応じて、コントローラ600が熱くなると、プレイヤはそのコントローラ600の方向に脱出口があると判断する。このように、コントローラ600の温度変化を情報(熱情報)伝達手段として利用する。
【0063】
プレイヤは、部屋から脱出するためにその方向へ向かうように操作部610を操作する。ゲーム機500は、ステップS1020にて、熱さを示す画像方向に所定距離だけ進んだと判断した場合、ステップS1025に進んで、ゲームをクリアしたことをプレイヤに通知し、ステップS1095にて本処理を終了する。
【0064】
また、たとえば、図12に示した砂漠の左側に脱出口Extがあるゲームでは、ゲーム開始と同時に、コントローラ600のシート片Aに正方向の電流を流しておく。これによれば、プレイヤは、コントローラ600の熱さを感じて、灼熱の砂漠にいることを直感する。
【0065】
ゲーム中、ステップS1015にて出力された逆方向の指示信号に応じて、コントローラ600が冷たくなると、プレイヤはそのコントローラ600の方向に脱出口があると判断する。プレイヤは、砂漠から脱出するために、その方向へ向かうように操作部610を操作する。ゲーム機500は、ステップS1020にて、冷たさを示す画像方向に所定距離だけ進んだと判断した場合、ステップS1025に進んで、ゲームをクリアしたことをプレイヤに通知し、ステップS1095にて本処理を終了する。
【0066】
なお、ステップS1020にて、熱さ(冷たさ)を示す画像方向に所定距離だけ進まなかったと判断された場合には、ステップS1005に戻り、ゲームをクリアするまでステップS1005〜ステップS1020の処理を繰り返す。
【0067】
これによれば、コントローラ600の発熱及び吸熱により臨場感を出すことにより、プレイヤは、リアル感のあるゲームを楽しむことができる。また、コントローラ600の発熱及び吸熱により、何らかの情報やゲーム攻略のヒントをプレイヤに与えることができる。これにより、今までにない熱を利用したゲームを提供することができる。
【0068】
また、本実施形態にかかるコントローラ600によれば、ペルチェ素子620の各シート片A、Bを発熱部材、吸熱部材としてのみ機能させたので、プレイヤに「熱い」又は「冷たい」感覚をより確実に伝えることができる。
【0069】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態にかかる熱情報処理システム10について説明する。第4実施形態にかかる熱情報処理システム10は、全体構成において第2実施形態にかかる熱情報処理システム10と同じであるが、図5のコントローラ600に替えて図13に示したハンドル型のコントローラ600が用いられる。
【0070】
ハンドル型のコントローラ600には、左右のハンドル部分に複数の開口Opが設けられているとともに、複数の開口Opの下にペルチェ素子のシートA、Bが一枚ずつ配置されている。この場合にも、プレイヤの手が接触する部分の近傍に配置する。
【0071】
ペルチェ素子620aのシートAは、指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、正方向に電流を流し、発熱する。指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620aのシートAは電流を流さない(OFF状態)。
【0072】
ペルチェ素子620bのシートBは、指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、逆方向に電流を流し、発熱する。指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620aのシートBは電流を流さない(OFF状態)。
【0073】
複数の開口Opは、複数の開口Opからの放熱により、熱の熱しやすく冷めやすい性質を克服して、発熱状態及び吸熱状態をすばやくプレイヤに伝えることができる。
【0074】
(熱情報伝達ゲーム処理2)
次に、図14に示したフローチャートを参照して、ゲーム機500によって実行される熱情報伝達ゲーム処理の一例としてカーレースゲームを挙げて説明する。なお、レースに関するコース情報は、ゲーム機500のメモリに予め登録されている。
【0075】
ゲーム機500は、ステップS1400から熱情報伝達ゲーム処理を開始し、ステップS1405に進んで、この先のコースが右に曲がるか否かを、メモリに登録されたコース情報から判断する。右に曲がると判断された場合、ステップS1410に進み、この先のコースの径Rに応じた大きさの正電流をシートAに流す指示信号を生成して出力し、ステップS1415に進む。この指示信号に応じてコントローラ600の右側のハンドルが熱くなる。一方、ステップS1405にて右に曲がらないと判断された場合、直ちにステップS1415に進む。
【0076】
ゲーム機500は、ステップS1415にて、この先のコースが左に曲がるか否かを、メモリに登録されたコース情報から判断する。左に曲がると判断された場合、ステップS1420に進み、この先のコースの径Rに応じた大きさの逆電流をシートBに流す指示信号を生成し、出力する。この指示信号に応じてコントローラ600の左側のハンドルが冷たくなる。その後、ステップS1495に進んで本処理を終了する。一方、ステップS1415にて左に曲がらないと判断された場合、直ちにステップS1495に進んで本処理を終了する。
【0077】
これによれば、プレイヤは、画面のコースの映像とハンドルの温度により、この先のコースの曲がり方を判断し、ハンドル型のコントローラ600を左右のいずれかに迅速に切ることができる。これにより、熱を利用した今までにないゲームを楽しむことができる。
【0078】
また、複数の開口Opは、コントローラ600の内部の熱を放熱することができるため、熱情報をすばやくプレイヤに伝達することができるとともに周辺部材の熱による損傷などを防止することができる。
【0079】
なお、ハンドル型のコントローラ600の開口Op付近にファンを設ければ、熱情報をより迅速にプレイヤに伝達することができるとともに、周辺部材の熱による損傷などをより確実に防止することができる。
【0080】
(その他の熱情報伝達ゲーム処理1)
上述したゲーム処理の他に、熱を用いた以下のようなゲームが考えられる。たとえば、複数種類のモンスターが出現するゲームにおいて、携帯電話100やコントローラ600にペルチェ素子を組み込み、携帯電話100やコントローラ600が熱くなったら、特定のモンスターを攻撃し、冷たくなったら、異なる特定のモンスターを攻撃するようにしてもよい。
【0081】
(その他の熱情報伝達ゲーム処理2)
また、携帯電話100のノベル配信において、小説の主人公の心理描写をペルチェ素子の発熱、吸熱で表現することも考えられる。すなわち、主人公が緊張したり、興奮したりしている場合には、ペルチェ素子に正電流を流して発熱させることにより、携帯電話100を熱くする。一方、主人公が怖がっている場合には、ペルチェ素子に逆電流を流して吸熱させることにより、携帯電話100を冷やす。これにより、文字を追うだけでなく、携帯電話100を持つ手から感覚的に小説の情景を体感することができる。
【0082】
上記実施形態において、各部の動作はお互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、熱情報処理システムの動作の実施形態は、熱情報処理方法の実施形態として実現することができる。また、熱情報処理システムの動作は、熱情報処理システムの機能を記載した熱情報処理プログラムを、コンピュータを用いて実行することにより実現することができる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
たとえば、コントローラ等の熱伝達機器は、指示信号にしたがいペルチェ素子に所定方向の電流を流すときを除いて、所定の温度に制御するようにしてもよい。これによれば、平常時は、ある程度の低温状態に熱伝達機器を制御しておくことにより、熱の冷めにくい性質を克服して、所望のタイミングにレスポンスよく熱伝達機器を所定温度に発熱、吸熱することができる。
【0085】
また、上記熱による情報伝達に加え、光、音、振動などを利用してそれらの相乗効果により、さらに臨場感あふれたゲームを提供することも可能である。また、通常状態においてコントローラを冷却しておくことにより、ゲームに没頭したプレイヤが手汗をかくことを防ぐことができる。
【0086】
また、熱伝達機器は、熱伝導をよくするために、導電性の高い素材から形成されていてもよい。一方、プレイヤの体の一部が接触する熱伝達機器の表面部分は絶縁物で覆い、大きな熱が直接プレイヤに伝わることを防ぐようにしてもよい。
【0087】
また、ペルチェ素子の表面はセラミック等の絶縁物である場合、絶縁物の誘電率により熱容量が定まるため、熱容量から加熱時間を算出することにより、ペルチェ素子に所定時間以上電流を流さないように制御することによって、熱による機器の損失を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる熱情報処理システムの全体構成図である。
【図2】指輪に装着されたペルチェ素子の動作原理を説明するための図である。
【図3】熱情報伝達処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】熱情報伝達処理の他の一例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2〜第4実施形態にかかる熱情報処理システムの全体構成図である。
【図6】直感ゲーム処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】ゲーム中の温度の高い場面の一例を示した図である。
【図8】ゲーム中の温度の低い場面の一例を示した図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかるコントローラを示した図である。
【図10】熱情報伝達ゲーム処理の一例を示したフローチャートである。
【図11】ゲーム中の温度の低い部屋の一例を示した図である。
【図12】ゲーム中の温度の高い砂漠の一例を示した図である。
【図13】本発明の第4実施形態にかかるハンドル型のコントローラを示した図である。
【図14】熱情報伝達ゲーム処理の他の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
10 熱情報処理システム
100 携帯電話
110 ICチップ
120,610 操作部
130 ディスプレイ
140,210,620,620a,620b ペルチェ素子
200 指輪
500 ゲーム機
600 コントローラ
630 赤外線LED
700 テレビ
PC プレイヤキャラクタ
NPC ノンプレイヤキャラクタ
Op 開口
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱の高低により情報を伝達可能な熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非常に多くの体感、体感ゲーム装置が提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。体感ゲーム装置の代表的なものとしては、自動車やバイクなどのレースゲームが存在する。体感ゲーム装置では、ゲームプレイヤが座る搭乗部を揺動させたり、コントローラを振動させたりしてゲームプレイヤに対して体感効果を与える。また、ゲームプレイヤに体感効果を与える他の伝達媒体としては、光や音等も考えられる。また、ゲームプレイヤに情報を与える伝達媒体としては、振動、光、音の他に画面上の文字が考えられる。
【0003】
【特許文献1】特開2002−177628号公報
【特許文献1】特開2000−262757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、いままで提案された体感ゲーム装置では、熱を情報伝達媒体として用いたり体感効果を与える手段として用いたものはなかった。一方、熱をゲームその他の機器の情報伝達媒体や体感効果として用いることができれば、臨場感のあるゲームをプレイヤに提供できる。また、ゲーム機器以外においても、熱を情報伝達媒体や体感効果を与える手段として用いることができれば、全く音を出さずに情報を伝達することができるため、他者に全く影響を与えずに特定人と情報をやりとりすることができ、他人に迷惑をかけることがない。
【0005】
上記問題を解消するために、本発明では、情報を伝達する手段又は体感効果を与える手段として熱を用いた熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とが接続された熱情報処理システムであって、前記情報処理機器は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、前記熱伝達機器は、ペルチェ素子を有し、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を前記ペルチェ素子に流し、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理システムが提供される。
【0007】
かかる構成によれば、熱伝達機器は、情報処理機器からの指示信号に従い、熱伝達機器に装着されたペルチェ素子に所定方向の電流を流す。たとえば、ペルチェ素子に正方向の電流を流した場合、熱伝達機器は発熱し、逆方向の電流を流した場合、熱伝達機器は吸熱する。これにより、ユーザは発熱及び吸熱に応じた体感を得ることができ、発熱又は吸熱に応じた情報を知ることができる。
【0008】
ユーザが発熱又は吸熱に応じた情報を知る場合としては、次のような場合が挙げられる。たとえば、前記情報処理機器は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な携帯機器であり、前記携帯機器は、前記携帯機器に電話の着呼又はメールの着信の少なくともいずれかを受信したタイミングに、前記電話の着呼又は前記メールの着信に関する情報をユーザに通知するために前記指示信号を出力する場合である。これにより、ユーザは、発熱又は吸熱を体感することによって携帯機器に電話が掛かってきたことや携帯機器にメールが着信されたことを知ることができる。
【0009】
前記携帯機器は、前記電話の着呼又は前記メールの着信が予め登録された特定人から発信されているとき、前記特定人からの発信をユーザに通知するために前記指示信号を出力するようにしてもよい。これにより、ユーザは、発熱又は吸熱を体感することによって特定人から電話やメールが発信されたことを知ることができる。
【0010】
前記熱伝達機器は、人の体に取り付けるアクセサリであってもよい。前記熱伝達機器のペルチェ素子は、ユーザの身体が接触する部分の近傍に設けてもよい。これによれば、ユーザの体に密着して又は近傍にペルチェ素子が設けられているため、ユーザが熱を体感しやすい。なお、前記熱伝達機器は、前記情報処理機器に装着されたペルチェ素子自身であってもよい。
【0011】
前記熱伝達機器は、正方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて前記複数のペルチェ素子のうち、所定のペルチェ素子のみに正方向の電流を流し、逆方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて他の所定のペルチェ素子のみに逆方向の電流を流してもよい。
【0012】
これによれば、発熱する素子と吸熱する素子を区別して使用するため、発熱又は吸熱により情報伝達又は体感をユーザにより確実に伝えることができる。特に、熱は、熱しやすく冷めにくい性質を有しているため、前記熱伝達機器は、前記指示信号にしたがい所定方向の電流を所定時間流すときを除いて、所定の温度に制御するようにしてもよい。これによれば、平常時は、ある程度の低温状態に熱伝達機器を制御しておくことにより、熱の冷めにくい性質を克服して、所望のタイミングにレスポンスよく熱伝達機器を所定温度に発熱、吸熱することができる。
【0013】
前記熱伝達機器の前記ペルチェ素子が設けられた部分近傍には、開口が設けられていてもよい。これによれば、熱伝達機器の開口から熱が放熱され、熱伝導を良好することができる。開口から熱が放熱されやすいように前記熱伝達機器の内部にファンを設ければ、ペルチェ素子の熱をより放熱しやすくすることができる。
【0014】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面に対応したゲームに関する情報を熱の高低によりユーザに通知するための指示信号を出力してもよい。たとえば、前記情報処理機器は、ゲームの各場面の温度状態をユーザに通知するために、前記各場面の温度に応じた電流をペルチェ素子に流すための指示信号を出力してもよい。
【0015】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面のうち高温状態の場面とその場面の温度を予めメモリに登録するとともに、低温状態の場面とその場面の温度を予め前記メモリに登録し、前記メモリに登録された高温状態又は低温状態の場面が画面に映し出される際、その場面の温度に応じた電流を流すための指示信号を出力してもよい。
【0016】
これによれば、熱をゲーム機器の情報伝達媒体や体感効果として利用することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを接続して情報を通知する熱情報処理方法であって、所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流し、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理方法が提供される。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とに情報を通知する処理をコンピュータに実行させる熱情報処理プログラムであって、所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力する処理と、前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流す処理と、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する処理と、を備えた熱情報処理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、情報伝達又は体感効果に熱を用いた熱情報処理システム、熱情報処理方法および熱情報処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態にかかる熱情報処理システムについて説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態にかかる熱情報処理システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。本実施形態にかかる熱情報処理システム10は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを有している。本実施形態では、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器の一例として携帯電話100が挙げられているが、情報処理機器は携帯電話に限られず、たとえば、PDA(Personal Digital Assistants))、PC等の電子機器であってもよい。また、携帯電話100は、操作部120を利用してゲームのコントローラとしても機能することができる。
【0022】
また、本実施形態では、熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器の一例としてユーザの指輪200が挙げられているが、熱伝達機器は、指輪に限られず、たとえば、人の体に取り付ける腕輪、ネックレス、イヤリングなどのアクセサリであってもよい。
【0023】
本実施形態では、ペルチェ素子140を内蔵した携帯電話100は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器として機能するとともに、熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器として機能する。すなわち、携帯電話100にペルチェ素子140が内蔵されている場合、熱伝達機器は、情報処理機器の一例である携帯電話100に装着されたペルチェ素子自身となる。この場合、携帯電話100のCPUとペルチェ素子140とは内部バスにより接続され、内部にて指示信号のやりとりをする。
【0024】
携帯電話100は、端末本体に内蔵されたICチップ110、端末本体表面に設けられた操作部120およびディスプレイ130、ペルチェ素子140を有している。ICチップ110は、半導体集積回路であり、図示しないROM、揮発性メモリ(たとえば、RAM)、不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM)、CPU、通信回路およびアンテナを含んでいる。
【0025】
ROMは、熱情報処理プログラムを記憶している。揮発性メモリは、各種データを一時的に記憶し、不揮発性メモリは、各種データを記憶する。CPUは、揮発性メモリ、不揮発性メモリに記憶されたデータを用いてROMに記憶された熱情報処理プログラムを実行する。通信回路は、ネットワークを介して接続された指輪200と無線通信する。もちろん、有線で通信してもよい。
【0026】
操作部120は、ユーザの操作により電話番号を入力したり、ゲームのコントローラとして操作したりする。入力されたコマンドは、通信回路およびアンテナを経由して指輪200に送信される。ディスプレイ130は、ゲーム等の画面を表示する。
【0027】
ペルチェ素子140は、薄いシート状であり、ユーザの手が携帯電話100に接触する部分の近傍に配置され、ユーザが熱を体感しやすいようになっている。ペルチェ素子140に正方向又は逆方向の電流を流すと、ペルチェ素子140は発熱又は吸熱する。
【0028】
本実施形態では、図2(a)に拡大して示したように、指輪200にもペルチェ素子210が埋め込まれている。指輪200は、シリコンにより形成されているので、フリーサイズでどんなユーザにも適用可能である。なお、ペルチェ素子140、210は、埋め込まれずに携帯電話100や指輪200に貼り付けられていてもよい。また、ペルチェ素子140、210は、本実施形態では両方に配されているが、携帯電話100又は指輪200の少なくともいずれかに装着されていればよい。
【0029】
ペルチェ素子210は、図2(b)及び図2(c)に示したように、P型熱電材料210aとN型熱電材料210bとを一対にした素子を複数個並べ、両面に図示しない平板状の電極を配した金属を有している。ペルチェ素子210に対して図2(b)に示した正方向の向きに電流を流すと、指輪200の外側(吸熱側)から内側(発熱側)に熱が移動するため、ユーザの指に熱が与えられ、ユーザは指輪200が熱くなったと感じる。一方、ペルチェ素子210に対して図2(c)に示した逆方向の向きに電流を流すと、指輪200の内側(吸熱側)から外側(発熱側)に熱が移動するため、ユーザの指から熱が奪われ、ユーザは指輪200が冷たくなったと感じる。なお、ペルチェ素子140もペルチェ素子210と動作原理は同じである。
【0030】
本実施形態では、このペルチェ素子140、210を機器側からユーザへの情報伝達媒体として用いる。具体的には、携帯電話100は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を生成して、出力する。指示信号は無線により指輪200に伝えられ、指輪側では、携帯電話100から出力された指示信号に応じた方向の電流がペルチェ素子210に流される。これにより、ペルチェ素子210は発熱又は吸熱することによってユーザに所望の情報を伝える。つぎに、以上に説明した熱による情報伝達について、具体例を挙げながら説明する。
【0031】
(熱情報伝達処理1)
まず、図3に示したフローチャートを参照して、携帯電話100によって実行される熱情報伝達処理の一例を挙げて説明する。なお、本処理は、所定時間経過毎に携帯電話100のCPUによって実行される。実際には、本処理は、熱情報伝達処理プログラムとしてROMに記憶されていて、CPUによって熱情報伝達処理プログラムの各ステップが実行されることにより遂行される。
【0032】
携帯電話100は、ステップS300から熱情報伝達処理を開始し、ステップS305に進んで電話の着呼があったかを判断する。着呼があった場合、携帯電話100は、ステップS310に進み、正方向に電流を流す指示信号を生成して出力した後、ステップS315に進む。着呼がなかった場合、着呼を知らせる指示信号を生成することなくステップS315に進む。
【0033】
つぎに、携帯電話100は、ステップS315にてメールの着信があったかを判断する。携帯電話100は、着信があった場合、ステップS320に進み、逆方向に電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS395に進んで本処理を終了する。着信がなかった場合、着信を知らせる指示信号を生成することなくステップS395に進み、本処理を終了する。
【0034】
これによれば、出力された着呼を知らせる指示信号は、無線を介して指輪200に送信される。これにより、指輪200に埋設されたペルチェ素子210に正方向の電流が流れ、図2(b)に示した外側から内側への熱の移動により、指輪200をはめたユーザは、指輪200が熱くなったと感じる。また、携帯電話100に埋設されたペルチェ素子140も同様に発熱する。これにより、携帯電話100を持ったユーザの手のひらは、携帯電話100が熱くなったと感じる。この結果、従来のマナーモードにおける振動や光や音ではどうしてもなんらかの音がでるため、ユーザの傍らにいる人に不快感を与える場合があったのに対し、本実施形態に掛かる熱情報処理システム10によれば、ユーザは、他人に何らの影響を与えずに電話が掛かってきたことを知ることができ、他人に迷惑を掛けずに着呼に対する迅速な対応ができる。
【0035】
同様に、着信を知らせる指示信号に応じて、指輪200のペルチェ素子210および携帯電話のペルチェ素子140に逆方向の電流が流れ、図2(c)に示した内側から外側への熱の移動により、指輪200をはめたユーザ及び携帯電話100を持つユーザは、指輪200及び携帯電話100が冷たくなったと感じる。この結果、ユーザは、他人に何らの影響を与えずにメールが届いたことを知ることができ、他人に迷惑を掛けずに着信に対する迅速な対応ができる。
【0036】
(熱情報伝達処理2)
次に、図4に示したフローチャートを参照して、携帯電話100によって実行される熱情報伝達処理の他の例を挙げて説明する。なお、本例では、ユーザにより、携帯電話100に設けられたメモリに予め特定の発信者の識別情報(ID)が登録されている。
【0037】
携帯電話100は、ステップS400から熱情報伝達処理を開始し、ステップS405に進んで電話の着呼またはメールの着信があったかどうかを判断する。着呼又は着信があった場合、携帯電話100は、ステップS410に進み、発信者は特定の人か否かを判断する。メモリに発信者の識別情報が登録されていた場合、ステップS415に進み、携帯電話100は、正方向に電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS495にて本処理を終了する。登録されていなかった場合、ステップS420に進み、逆方向に電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS495にて本処理を終了する。
【0038】
これによれば、指示信号に応じてペルチェ素子140,210に正方向の電流が流れた場合、ユーザは、指輪200及び携帯電話100が熱くなったと感じる。この結果、ユーザは、他人に何らの影響を与えずに特定人から電話またはメールを着信したことを知ることができ、すぐに対応するなど特定人に対する優先順位の高い対応ができる。
【0039】
また、指示信号に応じてペルチェ素子140,210に逆方向の電流が流れた場合、ユーザは、指輪200及び携帯電話100が冷たくなったと感じる。この結果、ユーザは、他人に何らの影響を与えずに特定人以外の人から電話またはメールを着信したことを知ることができ、後で対応するなど特定人への対応と区別した対応ができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる熱情報処理システム10の全体構成について、図5を参照しながら説明する。本実施形態にかかる熱情報処理システム10は、ゲーム機500とゲームを操作するコントローラ600とを有している。ゲーム機500は、ゲームの画像を映し出すテレビ700に接続されている。ゲーム機500は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器の一例である。コントローラ600は、熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器の一例である。コントローラ600は、通話又は電子メールの送受信機能を有していてもよい。
【0041】
ゲーム機500は、図示しないROM、ハードディスク(HDD)、CPU、RAM、バス、画像生成回路、音響再生回路、内部インタフェースおよび外部インタフェースを含んで構成されている。
【0042】
ROMには、ゲームを実行させるためのプログラム等が記録されている。ハードディスクには各種プログラムや各種データが蓄積されている。CPUは、ゲーム機全体を制御する。CPUは、ハードディスクに記憶されたプログラムをゲーム機内のワーク用のRAMにロードする。CPUは、このようにしてRAMにロードされたプログラムを実行することによりゲームをスタートさせ、図示しないゲームサーバと逐次通信しながらゲームを進行する。
【0043】
バスは、ROM、ハードディスク、CPU、RAM、画像生成回路、音響再生回路、内部インタフェースおよび外部インタフェースの各デバイス間で情報をやりとりする経路である。画像生成回路は、グラフィックチップとVRAMとから構成されていて、CPUから画像の生成を指示されると、その指示に従って画像を生成する。音響再生回路は、サウンドチップとサウンドRAMとから構成されていて、CPUからサウンドの生成を指示されると、その指示に従って各ゲームに対応したバックミュージックや音響処理を行う。
【0044】
内部インタフェースは、コントローラ600を用いたユーザによるゲーム操作を入力するとともに、複数のキャラクタの映像および音響をモニタおよびスピーカにそれぞれ出力する。外部インタフェースは、ネットワークを介して、プレイヤによる操作に応じたコマンドやメッセージ等の各種データをゲームサーバに送受信する。
【0045】
コントローラ600は、ゲーム操作のための操作部610及びペルチェ素子620を有している。ペルチェ素子620は、薄いシート状であり、プレイヤがコントローラ600を把持する部分に埋め込まれ、プレイヤの手のひらに密着してプレイヤが熱を体感しやすいようになっている。
【0046】
(直感ゲーム処理)
次に、図6に示したフローチャートを参照して、ゲーム機500によって実行される直感ゲーム処理の一例を挙げて説明する。このゲームの一例として、図7、8に示した戦闘ゲームを例に挙げて説明する。なお、本処理は、所定時間経過毎にゲーム機500のCPUによって実行される。実際には、本処理は、熱情報処理プログラムとしてROMに記憶されていて、CPUによって熱情報処理プログラムの各ステップが実行されることにより遂行される。
【0047】
ゲーム機500は、ステップS600から直感ゲーム処理を開始し、ステップS605に進んで、TV700の画面に映し出される映像が、温度の高い場面かを判断する。判断に際しては、ゲームの各場面のうち高温状態の場面及びその場面の温度が予めゲーム機500内のメモリに登録されていると同時に低温状態の場面とその場面の温度を予めメモリに登録されているので、その登録情報を利用する。
【0048】
たとえば、図7に示したように、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCが、ゲーム機500が自動で制御するノンプレイヤキャラクタNPCと戦う場面において、ノンプレイヤキャラクタNPCがたいまつを持ち、一面が炎に包まれているとき、メモリには温度の高い場面Htと登録されている。この場合、ゲーム機500は、ステップS605にて温度の高い場面Htの設定温度に応じた大きさの正電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS615に進む。温度の高い場面ではない場合、指示信号を生成せずに直ちにステップS615に進む。
【0049】
つぎに、ゲーム機500は、ステップS615にてTV700の画面に映し出される映像が、温度の低い場面かを判断する。たとえば、図8に示したように、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCが、川を泳いで渡る場面のとき、メモリには温度の低い場面Ltと登録されている。この場合、ゲーム機500は、ステップS620に進んで、温度の低い場面Ltの設定温度に応じた大きさの逆電流を流す指示信号を生成して出力し、ステップS695に進んで本処理を終了する。温度の低い場面ではない場合には、指示信号を生成せずに直ちにステップS695に進んで本処理を終了する。
【0050】
これによれば、出力された指示信号は、コントローラ600に送信される。コントローラ600では、指示信号に応じて、ペルチェ素子620に電流が流される。正(逆)方向の電流が流れた場合、プレイヤは、コントローラ600が熱くなった(冷たくなった)と感じる。この結果、プレイヤは、今までになかった熱を利用して自分がゲーム内のキャラクタになったような気分を体感することができ、臨場感あふれたゲームを楽しむことができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態にかかる熱情報処理システム10について説明する。第3実施形態にかかる熱情報処理システム10は、全体構成において第2実施形態にかかる熱情報処理システム10と同じであるが、コントローラ600に装着されたペルチェ素子620の配置及び機能が異なる。
【0052】
すなわち、第3実施形態にかかるコントローラ600では、図9に示したように、ペルチェ素子のシート片A、Bがパッチ状に配置されている。この場合にも、プレイヤの手が接触する部分に配置する。図9では、シート片A、Bは、交互に配置されるがこれに限られない。
【0053】
ペルチェ素子620aのシート片Aは、指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、正方向に電流を流し、発熱する。指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620aのシート片Aは電流を流さない(OFF状態)。
【0054】
ペルチェ素子620bのシート片Bは、指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、逆方向に電流を流し、吸熱する。指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620bのシート片Bは電流を流さない(OFF状態)。
【0055】
これによれば、複数のシート片Aは発熱部材としてのみ機能し、複数のシート片Bは吸熱部材としてのみ機能する。熱は、熱しやすく冷めにくい性質を有している。このため、温度によっては、熱したペルチェ素子620を瞬間的に冷やすことは難しい。しかしながら、本実施形態によれば、各シート片A、Bを発熱部材専用シート及び吸熱部材専用シートとしてそれぞれ使用することにより、プレイヤに「熱い」又は「冷たい」感覚をより確実に伝えることができる。
【0056】
また、コントローラ600は、操作部610及びペルチェ素子620の他に赤外線LED630を有している。赤外線LED630は、赤外線の光信号を発射する。赤外線LED630から発射された赤外線の光信号は、TV700に設けられた赤外線受光部により受光され、赤外線を受光したことを知らせる信号がゲーム機500に伝達される。
【0057】
(熱情報伝達ゲーム処理1)
次に、図10に示したフローチャートを参照して、ゲーム機500によって実行される熱情報伝達ゲーム処理の一例を挙げて説明する。このゲームの一例としては、図11、12に示した脱出ゲームが挙げられる。
【0058】
ゲーム機500は、ステップS1000から熱情報伝達ゲーム処理を開始し、ステップS1005に進んで、コントローラ600の赤外線LED630から出力された赤外線をTV700に設けられた赤外線受光部に受光させ、これにより、画面に向かうコントローラ600の向きを検出する。
【0059】
次に、ゲーム機500は、ステップS1010に進み、TV700に映し出された画面のうち、熱さ(冷たさ)を示す画像にコントローラ600が向いているかを判断する。向いていると判断された場合、ゲーム機500は、ステップS1015に進み、熱さを示す画像の場合には、すべてのシート片Aに正方向の電流を流す指示信号を生成し、出力する。冷たさを示す画像の場合には、すべてのシート片Bに逆方向の電流を流す指示信号を生成し、出力する。
【0060】
一方、ステップS1010にて、向いていないと判断された場合、ゲーム機500は、ステップS1005に戻り、再び、赤外線によりコントローラ600の向きを検出し、コントローラ600が熱さ(冷たさ)を示す画像の方向に向くまでステップS1005,S1010を繰り返す。ステップS1015にて出力された指示信号に応じて、コントローラ600が熱くなる(冷たくなる)と、プレイヤは、たとえば、その向きによいことがあると判断する。
【0061】
たとえば、図11に示した冷たい部屋の右奥に脱出口Extがあるゲームでは、ゲーム開始と同時に、コントローラ600のシート片Bに逆方向の電流を流しておく。これによれば、プレイヤは、コントローラ600の冷たさを感じて、部屋が冷たいことを直感する。
【0062】
ゲーム中、ステップS1015にて出力された正方向の指示信号に応じて、コントローラ600が熱くなると、プレイヤはそのコントローラ600の方向に脱出口があると判断する。このように、コントローラ600の温度変化を情報(熱情報)伝達手段として利用する。
【0063】
プレイヤは、部屋から脱出するためにその方向へ向かうように操作部610を操作する。ゲーム機500は、ステップS1020にて、熱さを示す画像方向に所定距離だけ進んだと判断した場合、ステップS1025に進んで、ゲームをクリアしたことをプレイヤに通知し、ステップS1095にて本処理を終了する。
【0064】
また、たとえば、図12に示した砂漠の左側に脱出口Extがあるゲームでは、ゲーム開始と同時に、コントローラ600のシート片Aに正方向の電流を流しておく。これによれば、プレイヤは、コントローラ600の熱さを感じて、灼熱の砂漠にいることを直感する。
【0065】
ゲーム中、ステップS1015にて出力された逆方向の指示信号に応じて、コントローラ600が冷たくなると、プレイヤはそのコントローラ600の方向に脱出口があると判断する。プレイヤは、砂漠から脱出するために、その方向へ向かうように操作部610を操作する。ゲーム機500は、ステップS1020にて、冷たさを示す画像方向に所定距離だけ進んだと判断した場合、ステップS1025に進んで、ゲームをクリアしたことをプレイヤに通知し、ステップS1095にて本処理を終了する。
【0066】
なお、ステップS1020にて、熱さ(冷たさ)を示す画像方向に所定距離だけ進まなかったと判断された場合には、ステップS1005に戻り、ゲームをクリアするまでステップS1005〜ステップS1020の処理を繰り返す。
【0067】
これによれば、コントローラ600の発熱及び吸熱により臨場感を出すことにより、プレイヤは、リアル感のあるゲームを楽しむことができる。また、コントローラ600の発熱及び吸熱により、何らかの情報やゲーム攻略のヒントをプレイヤに与えることができる。これにより、今までにない熱を利用したゲームを提供することができる。
【0068】
また、本実施形態にかかるコントローラ600によれば、ペルチェ素子620の各シート片A、Bを発熱部材、吸熱部材としてのみ機能させたので、プレイヤに「熱い」又は「冷たい」感覚をより確実に伝えることができる。
【0069】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態にかかる熱情報処理システム10について説明する。第4実施形態にかかる熱情報処理システム10は、全体構成において第2実施形態にかかる熱情報処理システム10と同じであるが、図5のコントローラ600に替えて図13に示したハンドル型のコントローラ600が用いられる。
【0070】
ハンドル型のコントローラ600には、左右のハンドル部分に複数の開口Opが設けられているとともに、複数の開口Opの下にペルチェ素子のシートA、Bが一枚ずつ配置されている。この場合にも、プレイヤの手が接触する部分の近傍に配置する。
【0071】
ペルチェ素子620aのシートAは、指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、正方向に電流を流し、発熱する。指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620aのシートAは電流を流さない(OFF状態)。
【0072】
ペルチェ素子620bのシートBは、指示信号が逆方向の電流を流すことを指示している場合、逆方向に電流を流し、発熱する。指示信号が正方向の電流を流すことを指示している場合、ペルチェ素子620aのシートBは電流を流さない(OFF状態)。
【0073】
複数の開口Opは、複数の開口Opからの放熱により、熱の熱しやすく冷めやすい性質を克服して、発熱状態及び吸熱状態をすばやくプレイヤに伝えることができる。
【0074】
(熱情報伝達ゲーム処理2)
次に、図14に示したフローチャートを参照して、ゲーム機500によって実行される熱情報伝達ゲーム処理の一例としてカーレースゲームを挙げて説明する。なお、レースに関するコース情報は、ゲーム機500のメモリに予め登録されている。
【0075】
ゲーム機500は、ステップS1400から熱情報伝達ゲーム処理を開始し、ステップS1405に進んで、この先のコースが右に曲がるか否かを、メモリに登録されたコース情報から判断する。右に曲がると判断された場合、ステップS1410に進み、この先のコースの径Rに応じた大きさの正電流をシートAに流す指示信号を生成して出力し、ステップS1415に進む。この指示信号に応じてコントローラ600の右側のハンドルが熱くなる。一方、ステップS1405にて右に曲がらないと判断された場合、直ちにステップS1415に進む。
【0076】
ゲーム機500は、ステップS1415にて、この先のコースが左に曲がるか否かを、メモリに登録されたコース情報から判断する。左に曲がると判断された場合、ステップS1420に進み、この先のコースの径Rに応じた大きさの逆電流をシートBに流す指示信号を生成し、出力する。この指示信号に応じてコントローラ600の左側のハンドルが冷たくなる。その後、ステップS1495に進んで本処理を終了する。一方、ステップS1415にて左に曲がらないと判断された場合、直ちにステップS1495に進んで本処理を終了する。
【0077】
これによれば、プレイヤは、画面のコースの映像とハンドルの温度により、この先のコースの曲がり方を判断し、ハンドル型のコントローラ600を左右のいずれかに迅速に切ることができる。これにより、熱を利用した今までにないゲームを楽しむことができる。
【0078】
また、複数の開口Opは、コントローラ600の内部の熱を放熱することができるため、熱情報をすばやくプレイヤに伝達することができるとともに周辺部材の熱による損傷などを防止することができる。
【0079】
なお、ハンドル型のコントローラ600の開口Op付近にファンを設ければ、熱情報をより迅速にプレイヤに伝達することができるとともに、周辺部材の熱による損傷などをより確実に防止することができる。
【0080】
(その他の熱情報伝達ゲーム処理1)
上述したゲーム処理の他に、熱を用いた以下のようなゲームが考えられる。たとえば、複数種類のモンスターが出現するゲームにおいて、携帯電話100やコントローラ600にペルチェ素子を組み込み、携帯電話100やコントローラ600が熱くなったら、特定のモンスターを攻撃し、冷たくなったら、異なる特定のモンスターを攻撃するようにしてもよい。
【0081】
(その他の熱情報伝達ゲーム処理2)
また、携帯電話100のノベル配信において、小説の主人公の心理描写をペルチェ素子の発熱、吸熱で表現することも考えられる。すなわち、主人公が緊張したり、興奮したりしている場合には、ペルチェ素子に正電流を流して発熱させることにより、携帯電話100を熱くする。一方、主人公が怖がっている場合には、ペルチェ素子に逆電流を流して吸熱させることにより、携帯電話100を冷やす。これにより、文字を追うだけでなく、携帯電話100を持つ手から感覚的に小説の情景を体感することができる。
【0082】
上記実施形態において、各部の動作はお互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、熱情報処理システムの動作の実施形態は、熱情報処理方法の実施形態として実現することができる。また、熱情報処理システムの動作は、熱情報処理システムの機能を記載した熱情報処理プログラムを、コンピュータを用いて実行することにより実現することができる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
たとえば、コントローラ等の熱伝達機器は、指示信号にしたがいペルチェ素子に所定方向の電流を流すときを除いて、所定の温度に制御するようにしてもよい。これによれば、平常時は、ある程度の低温状態に熱伝達機器を制御しておくことにより、熱の冷めにくい性質を克服して、所望のタイミングにレスポンスよく熱伝達機器を所定温度に発熱、吸熱することができる。
【0085】
また、上記熱による情報伝達に加え、光、音、振動などを利用してそれらの相乗効果により、さらに臨場感あふれたゲームを提供することも可能である。また、通常状態においてコントローラを冷却しておくことにより、ゲームに没頭したプレイヤが手汗をかくことを防ぐことができる。
【0086】
また、熱伝達機器は、熱伝導をよくするために、導電性の高い素材から形成されていてもよい。一方、プレイヤの体の一部が接触する熱伝達機器の表面部分は絶縁物で覆い、大きな熱が直接プレイヤに伝わることを防ぐようにしてもよい。
【0087】
また、ペルチェ素子の表面はセラミック等の絶縁物である場合、絶縁物の誘電率により熱容量が定まるため、熱容量から加熱時間を算出することにより、ペルチェ素子に所定時間以上電流を流さないように制御することによって、熱による機器の損失を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる熱情報処理システムの全体構成図である。
【図2】指輪に装着されたペルチェ素子の動作原理を説明するための図である。
【図3】熱情報伝達処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】熱情報伝達処理の他の一例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2〜第4実施形態にかかる熱情報処理システムの全体構成図である。
【図6】直感ゲーム処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】ゲーム中の温度の高い場面の一例を示した図である。
【図8】ゲーム中の温度の低い場面の一例を示した図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかるコントローラを示した図である。
【図10】熱情報伝達ゲーム処理の一例を示したフローチャートである。
【図11】ゲーム中の温度の低い部屋の一例を示した図である。
【図12】ゲーム中の温度の高い砂漠の一例を示した図である。
【図13】本発明の第4実施形態にかかるハンドル型のコントローラを示した図である。
【図14】熱情報伝達ゲーム処理の他の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
10 熱情報処理システム
100 携帯電話
110 ICチップ
120,610 操作部
130 ディスプレイ
140,210,620,620a,620b ペルチェ素子
200 指輪
500 ゲーム機
600 コントローラ
630 赤外線LED
700 テレビ
PC プレイヤキャラクタ
NPC ノンプレイヤキャラクタ
Op 開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とが接続された熱情報処理システムであって、
前記情報処理機器は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、
前記熱伝達機器は、ペルチェ素子を有し、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を前記ペルチェ素子に流し、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理機器は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な携帯機器であり、
前記携帯機器は、
前記携帯機器に電話の着呼又はメールの着信の少なくともいずれかを受信したタイミングに、前記電話の着呼又は前記メールの着信に関する情報をユーザに通知するために前記指示信号を出力する請求項1に記載された熱情報処理システム。
【請求項3】
前記携帯機器は、前記電話の着呼又は前記メールの着信が予め登録された特定人から発信されているとき、前記特定人からの発信をユーザに通知するために前記指示信号を出力する請求項2に記載された熱情報処理システム。
【請求項4】
前記熱伝達機器は、人の体に取り付けるアクセサリである請求項1〜3のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項5】
前記熱伝達機器は、前記情報処理機器に装着されたペルチェ素子自身である請求項1〜3のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項6】
前記熱伝達機器のペルチェ素子は、ユーザの身体が接触する部分の近傍に設けられる請求項1〜5のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項7】
前記熱伝達機器は、複数のペルチェ素子を有し、
正方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて前記複数のペルチェ素子のうち、所定のペルチェ素子のみに正方向の電流を流し、
逆方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて他の所定のペルチェ素子のみに逆方向の電流を流す請求項1〜6のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項8】
前記熱伝達機器の前記ペルチェ素子が設けられた部分近傍には、開口が設けられている請求項1〜7のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項9】
前記熱伝達機器の内部には、前記熱伝達機器の開口から熱が放熱されるようにファンが設けられている請求項8に記載された熱情報処理システム。
【請求項10】
前記熱伝達機器は、前記指示信号にしたがい所定方向の電流を所定時間流すときを除いて、所定の温度に制御されている請求項1〜9のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項11】
前記情報処理機器は、
ゲームの各場面に対応したゲームに関する情報を熱の高低によりユーザに通知するための指示信号を出力する請求項1〜10のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項12】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面の温度状態をユーザに通知するために、前記各場面の温度に応じた電流をペルチェ素子に流すための指示信号を出力する請求項11に記載された熱情報処理システム。
【請求項13】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面のうち高温状態の場面とその場面の温度を予めメモリに登録するとともに、低温状態の場面とその場面の温度を予め前記メモリに登録し、
前記メモリに登録された高温状態又は低温状態の場面が画面に映し出される際、その場面の温度に応じた電流を流すための指示信号を出力する請求項11又は12のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項14】
ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを接続して情報を通知する熱情報処理方法であって、
所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、
前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流し、
前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理方法。
【請求項15】
ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを接続して情報を通知する処理をコンピュータに実行させる熱情報処理プログラムであって、
所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力する処理と、
前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流す処理と、
前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する処理と、を備えた熱情報処理プログラム。
【請求項1】
ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とが接続された熱情報処理システムであって、
前記情報処理機器は、所望のタイミングに正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、
前記熱伝達機器は、ペルチェ素子を有し、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を前記ペルチェ素子に流し、前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理機器は、ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な携帯機器であり、
前記携帯機器は、
前記携帯機器に電話の着呼又はメールの着信の少なくともいずれかを受信したタイミングに、前記電話の着呼又は前記メールの着信に関する情報をユーザに通知するために前記指示信号を出力する請求項1に記載された熱情報処理システム。
【請求項3】
前記携帯機器は、前記電話の着呼又は前記メールの着信が予め登録された特定人から発信されているとき、前記特定人からの発信をユーザに通知するために前記指示信号を出力する請求項2に記載された熱情報処理システム。
【請求項4】
前記熱伝達機器は、人の体に取り付けるアクセサリである請求項1〜3のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項5】
前記熱伝達機器は、前記情報処理機器に装着されたペルチェ素子自身である請求項1〜3のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項6】
前記熱伝達機器のペルチェ素子は、ユーザの身体が接触する部分の近傍に設けられる請求項1〜5のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項7】
前記熱伝達機器は、複数のペルチェ素子を有し、
正方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて前記複数のペルチェ素子のうち、所定のペルチェ素子のみに正方向の電流を流し、
逆方向の電流を流すための指示信号を受信した場合、前記指示信号に応じて他の所定のペルチェ素子のみに逆方向の電流を流す請求項1〜6のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項8】
前記熱伝達機器の前記ペルチェ素子が設けられた部分近傍には、開口が設けられている請求項1〜7のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項9】
前記熱伝達機器の内部には、前記熱伝達機器の開口から熱が放熱されるようにファンが設けられている請求項8に記載された熱情報処理システム。
【請求項10】
前記熱伝達機器は、前記指示信号にしたがい所定方向の電流を所定時間流すときを除いて、所定の温度に制御されている請求項1〜9のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項11】
前記情報処理機器は、
ゲームの各場面に対応したゲームに関する情報を熱の高低によりユーザに通知するための指示信号を出力する請求項1〜10のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項12】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面の温度状態をユーザに通知するために、前記各場面の温度に応じた電流をペルチェ素子に流すための指示信号を出力する請求項11に記載された熱情報処理システム。
【請求項13】
前記情報処理機器は、ゲームの各場面のうち高温状態の場面とその場面の温度を予めメモリに登録するとともに、低温状態の場面とその場面の温度を予め前記メモリに登録し、
前記メモリに登録された高温状態又は低温状態の場面が画面に映し出される際、その場面の温度に応じた電流を流すための指示信号を出力する請求項11又は12のいずれかに記載された熱情報処理システム。
【請求項14】
ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを接続して情報を通知する熱情報処理方法であって、
所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力し、
前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流し、
前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する熱情報処理方法。
【請求項15】
ゲーム、通話又は電子メールの少なくともいずれかの処理が可能な情報処理機器と熱の高低により情報を伝達可能な熱伝達機器とを接続して情報を通知する処理をコンピュータに実行させる熱情報処理プログラムであって、
所望のタイミングに前記情報処理機器から正方向または逆方向に電流を流す指示信号を出力する処理と、
前記熱伝達機器に設けられたペルチェ素子に、前記情報処理機器から出力された指示信号に応じた方向の電流を流す処理と、
前記ペルチェ素子が発熱又は吸熱することによりユーザに所望の情報を通知する処理と、を備えた熱情報処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図11】
【公開番号】特開2009−261510(P2009−261510A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112672(P2008−112672)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(595000427)株式会社光栄 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(595000427)株式会社光栄 (12)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]