説明

熱成形ポリエステルフィルム蓋を有するデュアルオーブナブル食品包装

本発明は食品製品を保存及び調理するオーブナブル真空スキン包装を提供する。この包装は、容器と、そこにヒートシールされた熱成形複合材料ポリマーフィルムカバーとを含み、前記複合材料ポリマーフィルムカバーが以下を含む:(i)第1のコポリエステル材料を含む熱成形可能な基板層;及び(ii)基板層の表面上の、第2のコポリエステル材料を含むヒートシール層であって、前記第2のコポリエステル材料は第1のコポリエステル材料とは異なるヒートシール層;ここで、i.容器はその表面上にヒートシール層と接触してシールを形成するよう適合されたシーリング領域を含む;及びii.容器及びカバーフィルムの双方は21 CFR §177.1630 h(1)の要求を遵守する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ及び従来式のオーブンの双方で使用するための真空スキン食品包装に関し、より詳細には、熱成形ポリエステルフィルム蓋を備える、425°F(218℃)を超える温度に耐え得る食品包装に関する。
【背景技術】
【0002】
食品包装等の包装用途におけるプラスチック容器の使用は、特に「クックイン(cook−in)」包装インスタント食品に関して、例えば電子レンジ又は従来式のオーブンのどちらかで温められ得る調理済みのオーブナブル(ovenable)食品に関して、増えてきている。現在、多忙な消費者はさらに高品質の製品、より使い易い包装、及び台所におけるさらなる柔軟性を実現するための迅速かつより効率的な調理法を要求している。従来式のオーブン又は電子レンジのどちらかにおいて食品を調理する性能は、実際必要となっている。
【0003】
真空スキン包装は、食品が容器内に収容された後容器を密閉する前に包装容器から空気を抜く、既知の包装プロセスである。そのような包装は、単純な非真空シュリンクラッピングを含む単純なフィルム包装法と比較して、さらに良好な保存性及び食品保管性を有する。
【0004】
「クックイン」包装は、食品製品が調理されていないか、又は予め調理されて、卸売販売業者、小売業者、又は消費者に輸送される包装法である。クックイン包装はその内部に食品製品が配置されるトレイ、及びトレイにヒートシールされたポリマー蓋フィルムを含んでよく、又は食品製品周囲の包装全体を形成するポリマーフィルム又はバッグを含んでよい。このような方法で包装された食品は、消費者が温める前に包装を取り除く必要なく、従来式のオーブン又は電子レンジで温められてよい。すなわち、これは肉の周囲をシュリンクラッピングされたシュリンクポリマーフィルムバッグ内での未加工の肉の包装として知られ、消費者はそれが包装された状態で肉を調理する。調理に費やす時間を減らすので、及び消費者に調理の技術を殆ど要求しないので、そのような「クックイン」包装は普及しつつある。上述のタイプの包装は、特に米国特許第4820536号公報、米国特許第5552169号公報、米国特許第6623821号公報、米国特許出願公開第2003/0021870号公報、国際特許出願第2003/061957号、国際特許出願第2002/026493号、及び国際特許出願第2003/026892号に記述されている。
【0005】
「クックイン」の概念は、それにより消費者が未加工の肉又は魚を取り扱う必要性(それを不愉快であると思う消費者がいる)が回避されるので、特に好ましい。さらに、生の肉又は魚の扱いは食品安全性の観点から心配が高まっており、予め包装されたクックイン食品製品は汚染のリスクを低減する。包装に関連して調理の説明も提供することができるので、消費者の利便性も高めることができる。さらに、食品製品を予め包装することは、一人分のコントロールのメカニズムとして使用することができ、これは健康関連のマーケットの増大においてますます望ましいものとなっている。予包装は、調理サイクルの期間の減少を可能にすることによって、消費者の利便性を改良し得る一方で、病原体及びバクテリアを殺すため食品内容物が十分に高い中心温度を実現することを可能にすることによって、包装された食品製品が適切に及び安全に調理されることを可能にする。クックイン包装の利便性と調理された食品製品の味及び歯応えとのバランスを取る(従来のオーブンにおいて良好に実現される)ことも重要であり、消費者に調味された又はマリネードに漬けられた予包装クックイン食品製品を提供することも望まれるだろう。
【0006】
電子レンジ又は従来式のオーブンを使用するのに適する容器は、一般的に「デュアルオーブナブル」と呼ばれる。プラスチック容器はAPET/CPETトレイ(結晶性ポリエチレンテレフタレート層の上部にアモルファスポリエチレンテレフタレート層を有する複合材料)であることが多い。CPETトレイ等の他の容器及びアルミニウムトレイも同様にデュアルオーブナブルである。一方で、ポリスチレン及びポリプロピレン容器は電子レンジの使用にのみ適する。プラスチック容器は、保管の間包装された内容物の漏れ及び乾燥を防ぐために、一般的に容器を密閉する蓋と共同して使用される。蓋は包装された内容物に付くべきではなく、オーブン内で形成される熱に耐えることができるべきである。
【0007】
そのような容器蓋は、典型的には「蓋フィルム」と呼ばれることが多い多層フィルムを含み、これは二軸配向されたポリエステルフィルム等の柔軟なポリマー基板層、及びヒートシール層を含む。
【0008】
蓋フィルムを用いた密閉された容器の製造は、蓋フィルムと容器との間のシールの形成を含む。このシールは、容器の最上部に蓋を配置して、蓋が容器表面に付着して蓋と容器との間に有効なシールを形成するように、溶着層を軟化又は溶融するために熱及び圧力を印加することによって形成される。典型的には、蓋フィルムは、加熱され、及び食品を収容するトレイ上のリップ又はフランジと接触して押し付けられ、それによってヒートシールを形成する。軟化されたフィルムは、その後、真空下でトレイキャビティ内部上にドローダウンされ、結果的に食品表面を覆いそれ自身を形成する。その後真空は解放される。
【0009】
得られたシールは、保存及び移送の間、内容物の漏れを防ぐのに十分な強度を持たなくてはならない。好ましくは、蓋は、消費者によって容器から剥すことが可能であり、したがってシールは内容物の漏れを防ぐのに十分な強度を持つべきであるが、容器が開けられるとき蓋を取り除くのに困難をもたらす程度には強くない。
【0010】
包装が消費者に、調理サイクルの間受ける高温の結果何らかのかたちで劣化されているという印象を与えないようなものであることも好ましい。結果的に、透明な包装フィルムが調理サイクルの間白化せず、又は不透明にならないことが好ましい。
【0011】
食品製品を包装するためのフィルムを用い、及び電子レンジで再加熱する市場には多くの食品製品が存在する一方で、保存及び移送の双方の間、及び後の加熱又は調理の間、電子レンジ内だけではなく、従来のオーブン内でも、食品にしっかりとした密閉を提供する、及び調理サイクルの間の不愉快な変色又は他の視覚的変化を伴わずにそれを行う、真空スキン食品包装に対する必要性も存在する。もちろんそのような包装は、任意の予調理、包装、ヒートシール、保存、及び最後の調理段階を含む加工サイクル全体にわたって消費者製品と接触して用いるための食品医薬品局によって承認された材料を使用すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4820536号公報
【特許文献2】米国特許第5552169号公報
【特許文献3】米国特許第6623821号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0021870号公報
【特許文献5】国際特許出願第2003/061957号
【特許文献6】国際特許出願第2002/026493号
【特許文献7】国際特許出願第2003/026892号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
一つの実施形態において、本発明は食品製品の保存及び調理に関するオーブナブル真空スキン包装を提供する。包装は、容器と、そこにヒートシールされた熱成形可能な複合材料ポリマーフィルムカバーと、を含み、複合材ポリマーフィルムカバーは以下を含み、
(i)第1のコポリエステル材料を含む熱成形可能な基板層;及び
(ii)基板層の表面上の、第2のコポリエステル材料を含むヒートシール層であって、前記第2のコポリエステル材料は第1のコポリエステル材料と異なるヒートシール層、
ここで、
i.容器はその表面上にヒートシール層と接触してシールを形成するよう適合されたシーリング領域を含む;及び
ii.容器及びカバーフィルムの双方は21 CFR §177.1630 h(1)の要求を遵守する。
【0014】
ヒートシール層は基板層と共押出されてよく、又は例えば溶媒からのコーティングによって基板層に貼付されてよい。ヒートシール層はワックスを含んでよい。追加層がヒートシール層とは反対の基板表面上に提供されてよく、印刷を含む層、又は熱成形可能な基板表面の印刷特性を改良する層、保護層、光沢改良層等を含む。
【0015】
本発明は、食品製品、特にオーブナブルの食品、を含む容器と、ここで記載される複合材料フィルムから形成される蓋とを含む、密閉された容器も提供する。包装される食品が容器内部に導入されると、ヒートシールフィルム蓋が付着され、高温、シーリングヘッド圧力、及び真空を用いて食品表面に合致した形態にされる。
【0016】
本発明は、包装された、密閉された食品製品、特にオーブナブル食品、をさらに提供し、包装はここに記述される複合材料フィルムを含む。
【0017】
本発明は、包装された、密閉された食品製品、特にオーブナブル食品、も提供し、有効であり、かつ食品製品の周囲にシールを形成する包装が、ここに記述される、それ自身がヒートシールされる複合材料フィルムをである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に有用なフィルムの横断立面図を概略的に示す。
【図2】本発明による真空スキン包装を概略的に示す。
【図3】蓋を結合するフランジの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明は図面と関連して説明され、全ての図面において同じ番号は同じ要素を特定するために使用される。図面は本発明を説明し、工学又は設計図として働くことは意図されず、したがって原寸どおりではなく、そのような図面に含まれるであろう全ての要素を含むものではない(そのような要素を含むことは図面を過度に乱雑にするであろう)。
【0020】
次に図面1を参照すると、本発明による真空スキン包装において使用する蓋を製造するのに有効な熱成形ヒートシール複合材料フィルムの断面が示される。
【0021】
複合材料フィルム10は、基板フィルム層12及びヒートシール層14を含む。基板フィルム層12は、熱成形自己支持ポリマーフィルムである。熱成形工程は、材料のガラス転移温度(T)よりも高い温度(T)へとフィルムを加熱し、もしも材料が結晶溶融温度(T)を示す場合、Tは結晶溶融温度よりも低く、その後材料を変形させる、すなわち、それが柔らかくなった、弾性のある、固体状態である間に材料を変形する段階を含む工程である。熱成形フィルムは、以下のようなものでなくてはならない。
(i)可逆的に、それのガラス転移温度(T)の上の温度で、及びもしも材料が結晶溶融温度(T)を示す場合結晶溶融温度よりも下で、柔らかくなり、この温度範囲で材料は外力によって変形可能であるようにゴム状の固体状態であると仮定される;及び
(ii)一度フィルムがガラス転移温度よりも下まで冷却されると、ガラス転移点より高い温度である間フィルムに導入された変形は保持される。
【0022】
さらに、熱成形温度で測定される破断伸び(歪み)(ETB)は、熱成形操作の間に受ける歪みと比較して大きい方がよく、熱成形温度で測定される最大伸び時の引張強度(UTS)はその温度における降伏応力と比較して大きい方がよい。
【0023】
適切な熱成形フィルムが商業的に入手可能であり、当業者であればそれらの製造方法及び特性についてよく承知しているであろう。熱成形性は、材料のガラス転移点よりも上の温度での応力−歪み曲線によって示される(例えばJames L.Throne,Pub.Karl Henser Verlag,Munich 1987「Thermoforming」;ISBN 3−446−14699−7を参照されたい)。熱成形ポリマーフィルムは、標準的なポリマーフィルムと比較するとき、そのTよりも上でフィルムを伸ばすのに必要とされる比較的少ない力、及び比較的高度の伸びによって特徴付けられる。熱成形性に対する評価は、以下で記載されるTを超える温度におけるフィルムのヤング率、降伏応力、及び降伏後弾性率、特に降伏応力及び降伏後弾性率、の一つ以上を測定することによって、より適切に実現される。Tを超える様々な温度におけるこれらのパラメータの測定は、フィルムの熱成形性の一般的な指標を提供する。より基本的には、もちろん、熱成形性は、変形されたフィルムが一度冷却され変形された形状を保持することを必要とする。したがって、熱成形フィルムの重要な特性は、フィルムを所定の歪みに引き伸ばした後、加工温度において誘起された応力を実質的に緩和することである。この特性は、規定された時間(秒)の後保持された応力のパーセンテージとして、又は規定されたパーセンテージまで応力を緩和するのに必要とされる時間として通常表現され、熱成形フィルムにおいて、これらのパラメータの値は可能な限り低いものであるほうがよい。
【0024】
フィルム内の結晶化度(X)も、フィルムが熱成形される性能の指標を与える。一つの実施形態において、コポリエステル基板は約50%よりも低い、より好ましくは約45%よりも低い、より好ましくは5から約42%の範囲の、より好ましくは3から約40%の範囲の、結晶化度(X)を有する。
【0025】
フィルム成形熱可塑性コポリエステル樹脂は基板層の主な成分を構成し、基板層の全重量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、及び好ましくは少なくとも95%を構成する。そのような樹脂は、典型的には合成直鎖コポリエステルである。例示的なコポリエステルは、ジカルボン酸、又はそれらの低級アルキルジエステル、例えばテレフタル酸(TA)、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−、又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ヘキサヒドロ−テレフタル酸、又は1,2−ビス−p−カルボキシフェノキシエタン(任意に、例えばピバル酸等の、モノカルボン酸と)を、一つ以上のグリコール、特に脂肪族又は環状脂肪族グリコール、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び/又はジエチレングリコールと縮合することによって得られてよい。脂肪酸グリコールが好ましく、エチレングリコール、任意に5モル%以下のジエチレングリコール(ポリエステルの全ジオール含量に対する)と共に、が好ましい。コポリエステルは、任意に好ましくはアゼライン酸等の一般式C2n(COOH)(nは2から8)である飽和脂肪族ジカルボン酸である脂肪族ジカルボン酸と共に、少なくとも一つの芳香族ジカルボン酸(好ましくはこれはTAである)を含む。
【0026】
好ましくは、基板層のコポリエステルは芳香族ジカルボン酸のコポリエステルの全二塩基酸部分に関連して少なくとも90モル%を占め、脂肪族ジカルボン酸のコポリエステルの全二塩基酸部分に関連して10モル%以下である。
【0027】
基板層は基板層の50重量%のレベルまで、好ましくは基板層の少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、及びより好ましくは少なくとも40重量%、リサイクル材料を含んでよい。用語「リサイクル材料」は本発明の複合材料フィルムからなる廃材料を意味し、そのような廃材料は、従来技術で知られるような、端部トリミング(典型的にはフィルム製造の間テンタークリップにより保持されるフィルムの端部)から、フィルムがその長手方向に沿って切れた後残る過剰なフィルムから、スタートアップフィルム(すなわち、製造稼働開始時に製造されるフィルム)から、又は他の理由で失敗したフィルムから得られてよい。リサイクル材料が熱成形層に由来するワックスを含むことを考えれば、リサイクル材料がフィルム製造工程において問題を引き起こすことなく、そのような高い比率で基板層に使用され得ることは思いがけないことであった。
【0028】
基板は、上記フィルム成形材料の、一つ以上の不連続共押出層を含んでよい。各層のポリマー材料は同じか又は異なっていてよい。例えば、基板は一つ、二つ、三つ、四つ、又は五つ又はそれ以上の層を含んでよく、典型的な多層構造はAB、ABA、ABC、ABAB、ABABA、又はABCBAタイプであってよい。好ましくは、基板は一つの層を含む。
【0029】
ヒートシール層12はヒートシール可能であり、好ましくは可剥性フィルムである。ここで用語「ヒートシール可能な可剥性フィルム」は、熱を与えて表面にシールを形成することができ、このシールはフィルムを破壊することなく破ることができるフィルムを示す。ここで記述されるフィルムの可剥性により、それらはシール強度の優れた、又は「溶着可能」フィルムとは異なるものとなる。そのようなフィルムにおいて、シールは非常に強く、容器を開けようとするときフィルム自身が壊れ得る。可剥性は以下の調理サイクルにおいて特に重要である。
【0030】
本発明による複合材料フィルムは、典型的なAPET/CPETトレイのAPET側にシールされるとき、約200から約2000g/25mm、好ましくは約200から約1600g/25mm、好ましくは約200から約1400g/25mm、好ましくは少なくとも300g/25mm、好ましくは少なくとも400g/25mm、及び好ましくは約1200g/25mm以下、より好ましくは約1000g/25mm以下の範囲のヒートシール強度(周囲温度における)を典型的に示す。一つの実施形態において、典型的なAPET/CPETトレイのAPET側にシールされるとき、ヒートシール強度は、好ましくは約200から約1200g/25mm、より好ましくは約400から約900g/25mmの範囲である。フィルムのそれ自身に対する典型的なヒートシール強度は、約200から約1400g/25mmの範囲であり、好ましくは約400から約600g/25mmの範囲である。
【0031】
ヒートシール結合強度は、調理サイクルの前、間、及び後に要求される性能を実現するために、変えられてよい。これは、ヒートシール層の化学物質及び厚み、並びにヒートシール結合を形成するのに用いられるプロセス条件を変えることによって実現されてよい。第1の実施形態において、ヒートシール結合は消費者によって剥離可能であることが意図され、ヒートシール結合は十分に強く保存又は移送の間壊れない一方で、調理サイクルの終了時には消費者がフィルムを剥がすことを可能にする。この実施形態において、ヒートシール結合強度は、典型的には200から1800g/25mm、好ましくは少なくとも300、より好ましくは少なくとも400g/25mm、及び好ましくは400−1500g/25mmの範囲、好ましくは400−1200g/25mmの範囲である。ヒートシール結合は調理サイクルの間に裂ける、すなわち複合材料フィルムが自身で包装の蒸気抜きを提供するようにする。調理サイクルの間所定の閾値を超えて包装内部の圧力が増加することによりヒートシール結合が裂け、裂けたヒートシール結合を通じて蒸気抜きを可能にする。ここで記載されるような、ヒートシール層の化学物質及び厚み、及び/又はヒートシール結合形成プロセス条件を変えることによって、製造者は調理サイクルの間固定された及び所定の電力に関して結合が機能しなくなる時間を制御することが可能になる。さらに、包装デザイン及びシーリング法を変えることで、製造者がヒートシール結合内部での欠陥箇所を制御することが可能になり、これは調理サイクルの間望ましくないことに液体物の包装が剥がれることを防ぐ点で、及び/又は調理サイクルの終了時に消費者によって包装が容易にかつきれいに開けられることを可能にする点で有利であり得る。従来のオーブンにおける典型的な調理サイクルは、最大オーブン温度が少なくとも350°F(177℃)、より典型的には少なくとも375°F(191℃)、及び最も典型的には少なくとも400°F(204℃)である。425°F(218℃)以上の温度が用いられる場合もある。
【0032】
フィルムのホットタック接着強度は、トレイ充填及びシーリング又は蓋付けラインでの使用におけるフィルムの良好な性能を保証するため調整され得る。充填ラインにおいて良好なホットタックを示すフィルムは、以下に記載されるように測定される、好ましいホットタック値、少なくとも3ニュートン、好ましくは少なくとも4ニュートン、ただし好ましくは約5ニュートン以下、を有し、好ましくは約3から約5ニュートンの範囲である。
【0033】
ヒートシール層は容器表面に対するヒートシール結合を形成することができ、ポリマー材料を含む。ポリマー材料は、ヒートシール層の主な成分であり、ヒートシール層の全重量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、及び好ましくは少なくとも95%の重量である。ヒートシール層のポリマー材料は十分な程度まで軟化し、その粘度はそれが結合される表面にそれが接着するのに適切な濡れを可能とするのに十分な程度に低くなる。ヒートシール結合は、ヒートシール層のポリマー材料を軟化するため加熱し、圧力を与えることによって、フィルム又はシールされる容器内の他の層を溶融することなく、生じる。つまり、ヒートシール層のポリマー材料は、ヒートシール結合が基板のポリマー材料の融点未満である温度において形成できるような温度において軟化が始まる。一つの実施形態において、ヒートシール層のポリマー材料は、約5から50℃未満の間、好ましくは約5から30℃未満の間で、より好ましくは基板のポリマー材料の融点から少なくとも約10℃下の温度で、ヒートシール結合を形成することができるような温度で、軟化が始まるのがよい。ヒートシール層のポリマー材料はアモルファスであってよい。
【0034】
好ましい実施形態において、ヒートシール層は以下を含む、及び典型的には本質的に以下からなる:少なくとも一つの(好ましくは唯一つの)芳香族ジカルボン酸、及び少なくとも一つの(好ましくは唯一つの)脂肪族ジカルボン酸(又はそれらの低級アルキル(すなわち、最大14炭素原子)ジエステル)と、一つ以上のグリコールとから誘導されるコポリエステル樹脂。コポリエステルの形成は、一般的には最大275℃の温度における、縮合、又はエステル交換により既知の方法で都合よく生じる。好ましい芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及び2,5−、2,6−、又は2,7−ナフタレンジカルボン酸を含み、好ましくは芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸である。好ましくは、脂肪族ジカルボン酸は、一般式C2n(COOH)(nは2から8)の飽和脂肪族ジカルボン酸であり、例えば、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、又はピメリン酸であり、好ましくはセバシン酸、アジピン酸、及びアゼライン酸であり、より好ましくはアゼライン酸である。一つの実施形態において、基板及びヒートシール層のコポリエステルが異なる条件下で、相対的な軟化温度に関して上述したように、ポリエステルは芳香族ジカルボン酸(好ましくはTA)90%以下、及び脂肪族ジカルボン酸少なくとも10%(パーセンテージはポリエステルの二塩基酸含量全体のモルパーセンテージ)を含む。好ましくは、コポリエステル内に存在する芳香族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に基づき約80モル%以下、及び好ましくは45から80モル%の範囲、より好ましくは50から70モル%、及び特に55から65モル%である。コポリエステル内に存在する脂肪族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に基づき少なくとも約20モル%、及び好ましくは20から55、より好ましくは30から50、及び特に35から45モル%の範囲である。好ましいグリコールは脂肪族グリコールであり、より好ましくはアルキレングリコールである。結果的に、適切なグリコールは、脂肪族ジオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、及び1,6−ヘキサンジオール等である。エチレングリコール、又は1,4−ブタンジオールが好ましい。ヒートシール層の製造は、異なるポリエステルのブレンドよりもむしろ、典型的には単一のポリエステル種を用いて実行される。
【0035】
好ましくは、コポリエステルのTは約20℃以下、好ましくは約10℃以下、好ましくは約0℃以下、及び好ましくは約−10℃以下である。一つの実施形態において、コポリエステルの融点Tは、好ましくは約160℃以下、好ましくは約150℃以下、より好ましくは約140℃以下、及びより好ましくは約130℃以下である。
【0036】
そのようなコポリエステルの特に好ましい例は、(i)アゼライン酸及びテレフタル酸の、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコール、とのコポリエステル;(ii)アジピン酸及びテレフタル酸の、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコール、とのコポリエステル;及び(iii)セバシン酸及びテレフタル酸の、脂肪族グリコール、好ましくはブチレングリコール、とのコポリエステル、である。例示的ポリマーは、ガラス転移点(T)が−40℃及び融点(T)が117℃である、セバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコール(好ましくは相対的モル比45−55/55−45/100、より好ましくは50/50/100、の成分を有する)のコポリエステルを含む。他の例示的なコポリエステルは、Tが−15℃であり融点Tが150℃である、アゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコール(好ましくは、相対的モル比40−50/60−50/100、より好ましくは45/55/100の成分を有する)を含む。
【0037】
ヒートシール層は一つ以上のワックスを含んでよく、典型的には唯一つのタイプのワックスを含んでよい。ワックスは天然又は合成ワックスであってよく、好ましくは少なくとも50℃の融点を有する。天然ワックスは、好ましくは植物性ワックス(例えばカルナバワックス等)又はミネラルワックス(例えばモンタンワックス及びオゾケライト)である。パラフィンワックス(直鎖炭化水素を含む高度に精製された低分子量ワックス)が使用されてもよい。合成ワックスの例としては、フィッシャー・トロプシュワックス(石炭ガス化によって製造され、約300から約1400ダルトンの範囲の分子量を有する)、及び酸化及び非酸化(好ましくは酸化)低分子量ポリエチレンワックス(約500から約3000ダルトンの範囲の分子量を有する)並びに対応するポリプロピレンワックスが挙げられる。
【0038】
しかしながら、好ましいワックス類はアミドワックスである。アミドワックスはヒートシール層のベースコポリマーと一般的に非相溶である。アミドワックスは一級、二級、三級、又はビス(脂肪族)アミド、例えばオレアミド及びエルカミドであってよい。様々なタイプの例として、一級脂肪族アミド、例えばエルカミド、ベヘンアミド、オレアミド、又はステアロアミド等;二級脂肪族アミド、例えばステアリルエルカミド、エルシルエルカミド、オレイルパルミトアミド、ステアリルステアロアミド、又はエルシルステアロアミド等;三級脂肪族アミド、例えばジメチルステアロアミド、又はジエチルステアロアミド等;及びN,N’−ビス(脂肪族)アミド、例えばN,N’−エチレンビス(ステアロアミド)、N,N’−メチレンビス(ステアロアミド)、N,N’−プロピレンビス(ステアロアミド)、N,N’−エチレンビス(オレアミド)、N,N’−メチレンビス(オレアミド)、又はN,N’−プロピレンビス(オレアミド)、が挙げられる。好ましくは、ワックスはN,N’−ビス(脂肪族)アミドから、より好ましくはN,N’−エチレンビス(オレアミド)及びN,N’−エチレンビス(ステアロアミド)から選択される。ワックスは、上述のヒートシール層を含む複合材料フィルムを共押出することによる製造において役に立つ。
【0039】
好ましい実施形態において、ワックスは、ヒートシール層の全重量に対して約0.1から約3重量%、好ましくは約0.5から約3重量%、好ましくは2重量%以下、典型的には約1から約2重量%のレベルで存在する。
【0040】
フィルムは一軸配向されてよいが、好ましくは二軸配向される。配向は、配向フィルムを製造するための、例えば管状又は平坦なフィルム工程等、従来技術で知られる任意の方法で実行されてよい。
【0041】
好ましい平坦フィルム工程において、フィルムを形成するポリマーはスロットダイを通じて押し出され、ポリマーがアモルファス状態に冷却されることを保証するため、冷却されたキャスティングドラム上で急速に冷却される。その後、基板ポリエステルのガラス転移点よりも高い温度で、冷却された押出物を少なくとも一つの方向に延伸することによって、配向を生じさせる。結果的に生じる配向は、平坦な、冷却された押出物を最初に一つの方向に(通常長手(又はマシン)方向(MD))、すなわちフィルム延伸装置を通って前方方向へ、及びその後横断方向(TD)に、延伸することによって実行されてよい。押出物の前方への延伸は一組の回転ロール上又は二対のニップロールの間で都合よく実施され、その後横断方向の延伸はテンター装置で実施される。他の方法として、キャストフィルムが二軸テンターにおいて前方及び横断方向の両方に同時に延伸されてよい。延伸は、配向されたフィルム(特にポリエステルフィルム)の寸法が、各延伸方向におけるその元々の寸法の2から5倍、一般的に少なくとも2.5倍、好ましくは4.5倍以下、より典型的には4.0倍以下であるように、一般的に実施される。本発明において、マシン方向における延伸比は好ましくは約2.8から約3.7の範囲である。横断方向の延伸比は、好ましくは約3.0から約4.0の範囲である。マシン方向及び横断方向において等しく延伸する必要はないが、もしもバランスの取れた性質が望ましい場合には、これは好ましい。
【0042】
ここで記述される熱成形フィルムに関して、TD延伸温度は典型的には約90℃から約110℃の範囲であり、フィルムは典型的には約80℃から約95℃の範囲の温度に予加熱されている。MD延伸温度は典型的には約55℃から約80℃の範囲である。
【0043】
延伸フィルムは、基板ポリエステルのガラス転移温度よりも高い温度で、ただしそれらの融点未満で、基板ポリエステルの結晶化を起こすため、寸法を拘束しながら熱処理することにより寸法的に安定にされてよく、またそれが好ましい。熱処理は、延伸フィルムに寸法安定性を与え、フィルムをその延伸された状態に「固定する」効果を有する。
【0044】
複合材料フィルムの形成は、押出によって、好ましくは基板及びヒートシール層の共押出によって、実行され得る。好ましくは、基板及びヒートシール層を含む本発明の複合材料フィルムは、マルチオリフィスダイの独立したオリフィスを通じた各々のフィルム形成層の同時共押出、及びその後の未だ溶融された層の結合によって、又は、好ましくは、各ポリマーの溶融流がダイマニホールドに繋がるチャネル内部で最初に結合され、その後内部混合のない層流条件下でダイオリフィスから共に押し出され、その結果多層ポリマーフィルムを製造するシングル−チャネル共押出によって、共押出によって実現され、これは上述のように配向され、及び熱処理される。
【0045】
フィルムの一つ以上の層は、ポリマーフィルム製造において都合よく使用される添加剤のどれかを都合よく含んでよい。その結果、例えば架橋剤、染料、顔料、ボイド付与剤、潤滑剤、抗酸化剤、ラジカルスカベンジャー、UV吸収剤、熱安定剤、耐ブロッキング剤、表面活性剤、滑剤、光学的光沢剤、光沢改良剤、プロデグラダント、粘度調整剤、及び分散安定剤等の物質は適宜混合されてよい。特に、複合材料フィルムは、粒子状のフィラーを含んでよく、例えば粒子状無機フィラー又は非相溶樹脂フィラー又は二つ以上のそのようなフィラーの混合物であってよい。そのようなフィラーは従来技術でよく知られる。
【0046】
粒子状無機フィラーは従来の無機フィラーを含み、特に金属又は半金属酸化物、例えばアルミナ、タルク、シリカ(特に沈降性又は珪藻土シリカ及びシリカゲル)、及びチタニア、焼成カオリン、及びアルカリ金属塩、例えばカルシウム及びバリウムの炭酸塩及び硫酸塩である。粒子状の無機フィラーはボイド形成又は非ボイド形成タイプであってよい。適切な粒子状無機フィラーは均一であってよく、本質的に単一のフィラー材料又は化合物からなり、例えば二酸化チタン又は硫酸バリウム単独である。他の方法として、フィラーの少なくとも一部は不均一であってよく、主なフィラー材料が追加の改質成分を伴う。例えば、主なフィラー粒子は表面改質剤、例えば顔料、せっけん、界面活性剤、カップリング剤、又は他の改質剤、で処理されてよく、フィラーがポリマー層と相溶する程度を高め、又は変更する。好ましい粒子状無機フィラーとして二酸化チタン及びシリカが挙げられる。無機フィラーは微細に分割され、その体積分布中央値粒子直径(全粒子の体積の50%に相当する等価な球の直径、粒子の直径の体積%に関する累積分布曲線上で読み取られる、「D(v、0.5)」値とも呼ばれる)は、好ましくは0.01から10μm、より好ましくは0.01から5μm、より好ましくは0.05から1.5μm、及び特に0.15から1.2μmである。無機フィラー粒子の体積の好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%は、体積分布中央値粒子直径±0.8μm、特に±0.5μmの範囲である。フィラー粒子の粒子サイズは電子顕微鏡、コールター・カウンター、沈降分析、及び静的又は動的光散乱によって測定されてよい。レーザ光散乱に基づく方法が好ましい。中央値粒子サイズは、選択された粒子サイズよりも小さい粒子体積のパーセンテージを表す累積分布曲線をプロットして中央値を測定することによって決定されてよい。
【0047】
好ましい実施形態において、ヒートシール層は、少なくとも約0.5重量%、及び約5重量%未満(層の全重量に基づく)、好ましくは約2重量%未満、好ましくは約1.5重量%未満、の無機フィラー粒子を含む。フィラー粒子は上述のフィラー粒子から選択され、好ましくはシリカ及びタルクから選択され、好ましくはシリカである。この実施形態において、ヘイズの許容できない増加又は他の光学特性の劣化を起こすことなく、フィルムの巻き付け性(すなわち、フィルムがロールに巻き取られるとき、ブロッキング又は付着が起こらない)が改良される。
【0048】
熱成形性は、典型的には基板層に可塑剤を混合することによってさらに改良することができる。適切な可塑剤として、芳香族ジカルボン酸エステル、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジ−n−ヘキシルフタレート、ジ−n−ヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−n−ノニルフタレート、ジエチルイソフタレート、ジ−n−ブチルイソフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテレフタレート等;リン酸エステル、例えば、トリエチルフォスフェート、トリ−n−ブチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、クレシルフォスフェート等;セバシン酸エステル、例えば、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジアミル等;アジピン酸エステル、例えばアジピン酸ヘキシル等;エステル、例えばブチルフタリルブチルグリコレート、クエン酸トリブチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、リシノール酸メチルアセチル等;及びポリエチレングリコール等が挙げられる。一つの実施形態において、可塑剤は芳香族ジカルボン酸エステル(特にフタル酸エステル)から選択される。それらが優れた耐熱性を有し、熱成形性を有意に改良することができ、フィルム形成プロセスの間昇華及びブリードアウトの問題を起こさないからである。大気圧における可塑剤の融点は好ましくは少なくとも300℃以上であり、より好ましくは少なくとも350℃である。層内の可塑剤含有量は、層のポリマー材料の重量に基づき好ましくは0.01から5重量%であり、より好ましくは0.05から2重量%である。
【0049】
層の組成物の成分は、従来の方法で互いに混合されてよい。例えば、様々な成分は、層のポリマーが誘導されるモノマー反応物とそれらを混合することによって組み込まれてよく、又は、成分は、タンブル若しくはドライブレンディングによって、又は押出機内でコンパウンドしてその後冷却し粒子若しくはチップに粉砕することによって、既に形成されたポリマーと混合されてよい。マスターバッチ法が使用されてもよい。
【0050】
一つの実施形態において、本発明のフィルムは光学的に透明であり、好ましくは標準ASTM D 1003に従って測定された、<25%、好ましくは<15%、<10%、好ましくは<8%、及び特に<6%の散乱可視光(ヘイズ)a%を有する。
【0051】
他の実施形態において、フィルムは不透明であり、高度に充填され、好ましくは0.1から2.0、より好ましくは0.2から1.5、より好ましくは0.25から1.25、より好ましくは0.35から0.75、及び特に0.45から0.65の範囲の透過光学濃度(Transmission Optical Density(TOD))(Sakura密度計;タイプPDA65;透過モード)を示す。フィルムは、有効な量の乳白剤をポリマーブレンド内部に組み込むことによって都合よく不透明にされる。適切な乳白剤として、上述のような、非相溶樹脂フィラー、粒子状無機フィラー、又は二つ以上のそのようなフィラーの混合物が挙げられる。所定の層に存在するフィラーの量は層ポリマーの重量に基づいて、好ましくは1%から30%、より好ましくは3%から20%、特に4%から15%、とりわけ5%から10%である。不透明フィルムの表面は、ここで記載されるように測定された、好ましくは60から120の、より好ましくは80から110の、特に90から105の、とりわけ95から100単位の白色度を示す。
【0052】
ヒートシール層と接触する基板の表面はここでは第1面と呼ばれ、ここでは第2面と呼ばれる。基板の第2面はその上に一つ以上のさらなるポリマー層又はコーティング材料を有してよい。第2面の任意のコーティングは、好ましくはインラインで実行される。本発明の複合材料フィルムは、典型的にはヒートシール層の露出された表面上に任意の追加層を有することなく、製造され、保管され、販売され、及び使用される。
【0053】
一つの実施形態において、フィルムの取り扱い及び巻き取り性を改良するために、第2面上のさらなるコーティングは「スリップコーティング」を含んでよい。適切なスリップコーティングは、例えば、その開示が参照によってここに組み込まれる米国特許第5130189号明細書に記載されるような、任意に架橋剤をさらに含む、アクリル及び/又はメタクリルポリマー樹脂の非連続層であってよい。他のスリップコーティングは、その開示が参照によってここに組み込まれる例えば米国特許第5925428号明細書及び米国特許第5882798号明細書に開示される、カリウムシリケートコーティングを含んでよい。
【0054】
さらなる実施形態において、基板の第2面はその上に印刷可能な又はインク受容層、及び接着性を高めるため任意に基板と印刷可能な又はインク受容層との間にプライマー層(その開示が参照によってここに組み込まれる米国特許第5658847号明細書、欧州特許第0429179号明細書、米国特許第5130189号明細書、欧州特許第0576179号明細書、又は国際公開第97/37849号に開示されるような)、が配置される。適切な印刷可能な又はインク受容層は、例えばその開示が参照によってここに組み込まれる欧州特許第0696516号明細書、米国特許第5888635号明細書、米国特許第5663030号明細書、米国特許第4912085号明細書、米国特許第5082824号明細書、欧州特許第0111819号明細書、及び米国特許第5658847号明細書に開示される。
【0055】
好ましいインク受容層は、米国特許第5130189号明細書に記載されるようなアクリル及び/又はメタクリルポリマー樹脂を含む。好ましいインク受容層ポリマーは、アルキルアクリレートモノマー単位及びアルキルメタクリレートモノマー単位、好ましくはエチルアクリレート及びアルキルメタクリレート(好ましくはメチルメタクリレート)を含む。好ましい実施形態において、アルキルアクリレートモノマー単位は、約30から約65モル%の比率で、及びアルキルメタクリレートモノマー単位は約20から約60モル%の比率で、存在する。特に好ましい実施形態において、ポリマーは約35から60モル%のエチルアクリレート、約30から55モル%のメチルメタクリレート、及び約2から20モル%のメタクリルアミドを含む。そのようなポリマーは、好ましくは水性分散液又は他の方法では有機溶媒の溶液として基板に塗布される。ポリマー組成物は既に配向されたフィルム基板上に塗布されてよい。しかしながら、塗布は、好ましくは延伸操作の前、又は延伸操作の間に実施される。基板が二軸配向しているとき、インク受容層は好ましくは二軸延伸操作の二つの段階(長手方向及び横断方向)の間で塗布される。
【0056】
さらなる実施形態において、基板の第2面はその上にガス及び/又は水蒸気バリア層が配置される。この層はラミネーション、押出コーティング、又は溶液コーティングによって実現されてよい。適切なバリア層として塩化ポリビニリデン(PVdC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、及びエチレンビニルアルコール(EVOH)が挙げられるが、これらに制限されない。
【0057】
複合材料フィルムの形成は、押出コーティングによって実施されてもよく、上述のヒートシール層は予め成形された熱成形基板層の表面上に押し出される。一つの実施形態において、予め成形された基板層は上述のような一つ以上のさらなるポリマーコーティングを含む。
【0058】
複合材料フィルムの形成は、溶液コーティングによって実施されてもよく、上述のヒートシール層は予め成形された熱成形基板層の表面上に塗布される。溶液コーティング法として前方ロールコーティング、逆ロールコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、及びスロットダイコーティングが挙げられるが、これらに制限されない。一つの実施形態において、予め成形された基板層は上述のような一つ以上のさらなるポリマーコーティングを含む。
【0059】
一つの実施形態において、複合材料フィルムは、ここで規定されるような、基板及びヒートシール層から構成される。すなわちフィルム中に他の層は存在しない。他の実施形態において、複合材料フィルムは基板、ヒートシール層、及び基板の第2面上の印刷可能な又はインク受容層、及び任意に基板と印刷可能な又はインク受容層との間の接着促進プライマー層から構成される。
【0060】
本発明の複合材料フィルムは、ここで記述されるような、「クックイン」包装として用いられてもよい。そのような包装は、クックインバッグ又はポーチの形態を取ってよく、複合材料は全体的に食品製品を囲み、その意味で、単一の包装手段として働く。この実施形態において、シーリングはフィルムの第1部分をフィルムの第2部分にヒートシールすることによって実行される。そのようなシールは従来の方法によって実行され、「フィンシール」及び「オーバーラップシール」を含み、典型的にはフィンシールである。ヒートシール結合は典型的には約110から約150℃の範囲の温度で形成される。
【0061】
「クックイン」包装の一つのタイプは、分離されたカバーフィルム(これも熱成形性を有してよい)を伴う熱成形収容フィルムである。食品製品は二つのフィルムの間に配置され、収容フィルム及びカバーフィルムの接触表面の少なくとも一つはヒートシール表面である。ここで記載されるような熱成形及びヒートシール複合材料フィルムは、収容フィルム及び/又はカバーフィルムとしてのそのようなアセンブリにおいて使用されてよい。一つの実施形態において、ここで記載されるような熱成形収容フィルムが、熱可塑性ポリマーフィルム、好ましくはポリエステル、任意にヒートシール可能であり、典型的に収縮が少ない、又は収縮がない(好ましくは7%未満、好ましくは5%未満、好ましくは3%未満、マシン方向及び/又は横断方向において、後述されるように測定される)であるカバーフィルムと共に使用される。
【0062】
上述のような、複合材料フィルム及びデュアルオーブナブルトレイを用いた真空スキン包装は従来の方法に従って、及び商業的に入手可能な装置を用いて形成することができる。図2は典型的なそのような包装20を示す。トレイ22等の容器、好ましくはAPET/CPET共押出トレイ、は食品24が充填される。トレイの開口部は複合材料フィルムのヒートシール可能な側に配置される。容器及びフィルムの両方は、21 CFR §177.1630 h(1)の規定を遵守する。この条項は、250°F(121℃)の蒸留水に2時間曝されるとき、食品接触面が生成するクロロホルム可溶な抽出物が0.02mg/in(0.0031mg/cm)を超えないこと、及び、150°Fのn−ヘプタンに2時間曝されるとき、食品接触面が生成するクロロホルム可溶な抽出物が溶媒に露出される食品接触表面に対して0.02mg/in(0.0031mg/cm)を超えないことを要求する。
【0063】
図3により詳細に示されるように、トレイは、好ましくは、接触するように適合され、ポリマー複合材料フィルム30のヒートシール層28とシールを形成するヒートシール領域27を形成するフランジ26を含む。デュアルオーブナブルトレイ22のフランジ26と複合材料フィルム30のシール層28との間の結合は、熱及び圧力の印加によって形成され、それによって密閉された包装を形成する。シーリングプロセスの間、包装の気体を抜いて複合材料フィルムが食品内容物24の表面上部に合致するよう複合材料フィルムを引くため、真空が適用される。典型的には、ヒートシール結合は120から約180℃の温度範囲内で実施され、ヒートシール結合を実行するのに必要とされる滞在時間は約0.1から約10秒である。シーリングプレート圧力は一般的に約1から10barである。包装された食品製品は、典型的にはその後冷蔵庫又は冷凍庫の内部で約−7から5℃の間の温度に冷却され、保管及び卸売販売業者、小売業者、又は消費者に移送される間、食品製品が調理される及び消費される状態になるまで所定の温度に保たれる。
【0064】
以下の試験方法は、ポリマーフィルムの特定の性質を測定するために使用され得る。
(i)広角ヘイズは、ASTM D 1003−61に従う、Hazegard System XL−211を用いて測定される。
【0065】
(ii)白色度指数は、ASTM D313に記載される原理に基づき、Colorgard System 2000,Model/45(Pacific Scientific製造)を用いて測定される。
【0066】
(iii)ヒートシール強度は以下のように測定される。フィルムは、ヒートシール層によって、Microseal PA 201(Packaging Automation Ltd.、英国から入手)トレイシーラーを用いて、温度180℃、及び圧力80psi(0.55N/mm)で2秒間、典型的なAPET/CPETトレイ(Faerch A/S、デンマークから入手)にシールされた。シールされたフィルムのストリップ(25mm幅)及びトレイは、シールに対して90°で切り出され、シールを引き離すのに必要な荷重が、クロスヘッド速度0.25m/分で操作されるInstronを用いて測定された。手順は一般的に4回繰り返され、五つの結果の平均値が計算される。
【0067】
(iv)複合材料フィルムのそれ自身に対するヒートシール強度は、フィルムの二つのサンプルのヒートシール層を互いに配置し、80psi(0.55N/mm)の圧力下で160℃で0.5秒、加熱することによって測定される。シールされたフィルムは、室温に冷却され、シールされた複合材料は25mm幅のストリップに切り取られる。ヒートシール強度は、シールの単位幅あたりの線形引張下、0.25m/分の一定速度で、フィルム層を引き剥がすのに必要とされる力を測定することによって決定される。
【0068】
(v)ホットタック接着性は、ASTM F1921−98(「熱可塑性ポリマー及び柔らかい織布のシーリング表面を含むブレンドのホットシール強度(ホットタック)の標準測定法」)に従って、Davinor J&Bホットタック試験機を用いて、測定される。複合材料フィルムのストリップ(25mm幅)は、シール温度及び力の所定の条件で、装置内でAPET/CPET表面(Faerch A/S、デンマークから入手)にシールされ、結果的に得られたシール強度は、所定の剥離速度で、シールが作製された後所定の時間で、測定される。本発明において、シール温度は150℃、シール圧力は1N/mm、シール時間は0.5秒、冷却時間(すなわち、シールを作製してからシール強度測定を実行するまでの時間)は0.1秒、剥離速度は120mm/sである。
【0069】
(vi)収縮は、温度190℃のオーブンに5分間サンプルを配置して、五つのフィルムサンプルに基づき、マシン方向及び横断方向の両方の平均収縮%を測定することによって決定される。
【0070】
(vii)最大引張強度は、フィルムの長手方向及び横断方向の値の平均を取って、ASTM D882−88に従って測定される。
【0071】
(viii)熱成形性は、ポリマーのガラス転移温度より上での応力−歪み曲線から、ヤング率、降伏応力、及び降伏後弾性率のパラメータを参照して、及び特に降伏応力、及び降伏後弾性率を参照して、推測できる。
【0072】
ヤング率は所定の材料の堅さの測定値である。ヤング率は応力の変化の速度を表し、引張試験の間応力−歪み曲線の初期の傾斜から実験的に決定することができる。結果的に、ヤング率は降伏応力より下での伸びに対する引張強度の比である。ここで引用される値は、0から10%の間の伸びの最も高い比率として計算される。
【0073】
降伏応力は、引張試験の間示される応力−歪み曲線から決定されてよく、応力が与えられた試験片の永久変形が起こり始める応力を表す。すなわち、それよりも上で材料が回復する域を超えて伸長する引張応力である。ここで引用される値は、伸びに対する引張の比がその最高値(すなわちヤング率)から60%減少したところでの応力として計算される。望ましくは、降伏応力は熱成形プロセスの加工温度において可能な限りゼロに近いものであるべきである。
【0074】
降伏後弾性率は、所定の材料の歪み硬化の測定値であり、材料が降伏点を越えて歪んだときの、応力−歪み曲線の傾斜である。さらなる歪みを作り出すのには、応力の増加が要求される。結果的に、降伏後弾性係数は降伏応力よりも上での(当然破断伸びよりも下での)、伸びに対する引張強度の比である。ここで引用される値は、伸び(%)範囲E1からE2の間の平均比として計算され、(i)10≦(E2−E1)≦20;(ii)60≦E2≦120;及び(iii)50≦E1≦100(この範囲は典型的に60から80%の間であるが、場合によっては40及び60%又は50%及び60%又は100及び120%の間、曲線の形状に依存する)である。望ましくは、降伏後応力は、興味の対象である加工範囲、すなわち熱成形プロセスで使用される歪み及び温度範囲、において可能な限りゼロに近い方がよい。
【0075】
ヤング率、降伏応力、及び降伏後弾性係数は、様々な温度(25℃、T、T+50℃、及びT+100℃)で測定される。直線エッジの較正されたサンプルカッター(ストリップ中央で10mm±0.5mm)を用いて、フィルムの五つのドッグボーン型ストリップ(長さ500mm)はマシン方向に沿って切り取られる。同じ手順が横断方向に関して繰り返される。各サンプルは、Instron model 3111材料試験器を用いて、ゴム製のアゴ面を有する空気圧アクショングリップ及びホットボックスを用いて試験される。温度は必要に応じて変えられる。クロスヘッド速度(離れる速度)は25mm/分である。歪み速度は50%である。伸びは、ストリップに予め付けられた二つの黒点の間の距離をビデオ録画することによって正確に測定される。
【0076】
(ix)ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC)によって測定される。フィルムから取得された10mgのポリマー試験片は、真空下80℃で12時間乾燥される。乾燥された試験片は、290℃で2分間加熱され、その後冷ブロック上で急冷される。急冷された試験片は、Perkin−Elmer DSC7B示差走査熱量計を用いて、速度20℃/分で、0℃から290℃まで加熱される。熱量計は加熱速度20℃/分で較正され、したがって冷却温度はコンピュータが生成した結果に3.9℃を加えることによって修正される。
【0077】
(x)結晶化パーセンテージは示差走査熱量計によって測定される。フィルムから取得された5mgのサンプルは、Perkin−Elmer DSC7Bを用いて、80℃/分で0℃から300℃まで加熱される。結晶化パーセンテージは全てのサンプルで結晶化が存在することを仮定する。
【0078】
オーブナブルな食品は、従来の調理時間と比較して短い時間で肉、魚等の調理された内部温度を実現し得る。意外なことに、本発明による包装内で調理された肉、魚等は、従来のオーブン又は電子レンジで調理された食品と比較しておいしいことが多い。
【符号の説明】
【0079】
20 包装
22 トレイ
24 食品
26 フランジ
27 ヒートシール領域
28 ヒートシール層
30 ポリマー複合材料フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品を保存及び調理するオーブナブル真空スキン包装であって、容器と、そこにヒートシールされた熱成形複合材料ポリマーフィルムカバーとを含み、前記複合材料ポリマーフィルムカバーが以下を含む、オーブナブル真空スキン包装:
(i)第1のコポリエステル材料を含む熱成形可能な基板層;及び
(ii)基板層の表面上の、第2のコポリエステル材料を含むヒートシール層であって、前記第2のコポリエステル材料は第1のコポリエステル材料とは異なるヒートシール層;
ここで、
i.容器はその表面上にヒートシール層と接触してシールを形成するよう適合されたシーリング領域を含む;及び
ii.容器及びカバーフィルムの双方は21 CFR §177.1630 h(1)の要求を遵守する。
【請求項2】
熱成形基板層及びヒートシール層が共押出されたフィルム層である、請求項1に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項3】
熱成形基板層及びヒートシール層が押出コーティングによって製造される、請求項1又は2に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項4】
熱成形基板層及びヒートシール層は溶液コーティングによって形成される、請求項1又は2に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項5】
熱成形基板層がワックスを含む、請求項1から4の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項6】
基板層表面上にコーティングされた少なくとも一つの追加層をさらに含む、請求項1から5の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項7】
前記少なくとも一つの追加層が印刷層である、請求項1から6の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項8】
熱成形複合材料ポリマーフィルムカバーの印刷特性又はバリア特性を改良する少なくとも一つの層をさらに含む、請求項1から7の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項9】
少なくとも一つの保護層と少なくとも一つの光沢改良層をさらに含む、請求項1から8の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項10】
シーリング領域が実質的に平坦なフランジを含む、請求項1から9の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項11】
形成されるシールが約30°F(−1℃)の温度で安定であり、少なくとも2時間少なくとも約400°F(204℃)の温度に曝されるとき安定を保持する、請求項1から10の何れか一項に記載のオーブナブル真空スキン包装。
【請求項12】
食品製品を収容する容器と、容器にヒートシールされた蓋とを含み、前記蓋が以下を含む複合材料フィルムから形成される、オーブナブル真空スキン包装密閉容器:
(i)第1のコポリエステル材料を含む熱成形可能な基板層;及び
(ii)基板層の表面上の、第2のコポリエステル材料を含むヒートシール層であって、前記第2のコポリエステル材料は第1のコポリエステル材料とは異なるヒートシール層;
ここで、
i.容器はその表面上に蓋のヒートシール層と接触してシールを形成するよう適合されたシーリング領域を含む;及び
ii.容器及び蓋の双方は21 CFR §177.1630 h(1)の要求を遵守する。
【請求項13】
複合材料フィルムがバリア層をさらに含む、請求項12に記載のオーブナブル真空スキン包装密閉容器。
【請求項14】
食品製品がオーブナブル食品である、請求項12又は13に記載のオーブナブル真空スキン包装密閉容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−537901(P2010−537901A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523088(P2010−523088)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/074308
【国際公開番号】WO2009/032627
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(505077426)デュポン・テイジン・フィルムズ・ユー・エス・リミテッド・パートナーシップ (9)
【Fターム(参考)】