熱成形装置及びその温調ユニット
【課題】熱成形装置において加熱部への配線を少なくすることを課題とする。
【解決手段】熱成形を制御する主制御部2が設けられた第一の場所L1とは別の第二の場所L2に温調ユニット100が設けられ、この温調ユニット100は、温度検出部(69)毎の温度目標T1を入力する温度目標入力手段U11と、複数の加熱部(79)を駆動する駆動出力部U12と、加熱部(79)毎の温度検出部(69)で検出される検出温度T2を入力するための検出温度入力部U13と、加熱部(79)毎に入力対象の温度検出部(69)から検出温度入力部U13へ入力される検出温度T2を前記入力された温度目標T1に近付けるように駆動出力部U12から制御対象の加熱部(79)への出力を制御する温度制御手段U14とを備える。
【解決手段】熱成形を制御する主制御部2が設けられた第一の場所L1とは別の第二の場所L2に温調ユニット100が設けられ、この温調ユニット100は、温度検出部(69)毎の温度目標T1を入力する温度目標入力手段U11と、複数の加熱部(79)を駆動する駆動出力部U12と、加熱部(79)毎の温度検出部(69)で検出される検出温度T2を入力するための検出温度入力部U13と、加熱部(79)毎に入力対象の温度検出部(69)から検出温度入力部U13へ入力される検出温度T2を前記入力された温度目標T1に近付けるように駆動出力部U12から制御対象の加熱部(79)への出力を制御する温度制御手段U14とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱成形装置及びその温調ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
熱板を用いた熱成形装置は、例えば、装置全体を制御する制御盤を備え、ヒーターにより昇温した熱板の上面を走行して間欠的に停止する連続樹脂シートを、上下動する成形型の下降で固定し、真空吸引手段及び圧空手段により熱板に密着させて加熱し、加熱終了後差圧により熱成形する。ここで、熱板を均一に加熱するため、熱板の下側に多数のヒーターを並べ、ヒーター毎に設けた熱電対温度計の検出温度が目標温度に一致するように制御盤で各ヒーターへの通電量をフィードバック制御することが行われている。
【0003】
なお、特許文献1に記載の温度制御システムは、シート加熱部、ヒーター割付制御部、システム制御部、ヒーター制御出力部、等を備えている。シート加熱部は、上型に配置される上ヒーター群及び下型に配置される下ヒーター群によって構成され、両ヒーター群の間にシート状の被加熱物が挿入されるようになっている。ヒーター割付制御部は、上下各ヒーター群のそれぞれを1個又は複数個のブロックに分割する。これらのブロック毎に、温度センサーが1個ずつ配置される。すなわち、複数個のヒーターからなるブロックには温度センサーが1個しか配置されない。システム制御部は、各ブロックの制御温度に温度センサーの計測温度が一致するようにヒーター制御出力部に対して各ヒーターに対するオンオフ信号を出力する。ヒーター制御出力部は、システム制御部からのオンオフ信号に基づき、各ヒーターのオンオフ制御を行う。
以上より、各ヒーターのフィードバック加熱制御の主体は、システム制御部であり、装置全体を制御する制御盤で構成される。
【0004】
また、特許文献2に記載の樹脂シート加熱制御方法は、コンピューターが温度制御量を演算し、シーケンサーを介してコンピューターが温度制御量を各制御手段に指令し、ヒーターの発熱量を制御する。すなわち、ヒーターの発熱量の制御主体は、コンピューターであり、装置全体を制御する制御盤で構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−274048号公報
【特許文献2】特開平09−239823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱成形装置に多数のヒーターを設ける場合、温度センサーの検出温度を目標温度に一致させるように各ヒーターの通電量を制御するためのシーケンサー回路を制御盤に設ける必要がある。このシーケンサー回路は、ヒーター毎のフィードバック制御回路の他、ヒーター毎のリレーや配線や端子、温度計毎の配線や端子、等が必要である。特に、多数のヒーター及び温度計のために必要な配線等は、制御盤のシーケンサー回路を複雑にさせ、配線の組み付け作業の労力及びコストを増大させ、ひいては熱成形装置のコストを増大させてしまう。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、複数個のヒーターからなるブロックに温度センサーを1個しか配置しない結果、温度センサーに必要な配線が若干減る。しかし、ブロック内の複数のヒーターに対するフィードバック制御が一つに減るため、温度制御の精度が低下してしまう。また、ヒーター毎の配線等や温度センサー毎の配線等を制御盤に設ける必要があるため、制御盤のシーケンサー回路が複雑であり、配線の組み付け作業に多大な労力及びコストがかかる。
【0008】
特許文献2に記載の技術も、ヒーター毎の配線等や温度センサー毎の配線等を制御盤に設ける必要があるため、制御盤のシーケンサー回路が複雑であり、配線の組み付け作業に多大な労力及びコストがかかる。
【0009】
以上を鑑み、本発明は、熱成形装置において加熱部への配線を少なくする目的を有している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、を備える熱成形装置であって、
熱成形を制御する主制御部が第一の場所に設けられるとともに、該第一の場所とは別の第二の場所に前記複数の加熱部の加熱出力を制御するための温調ユニットが設けられ、
前記主制御部は、前記温度検出部毎の温度目標を前記温調ユニットへ出力する温度目標出力手段を備え、
前記温調ユニットは、
前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備える態様を有する。
【0011】
また、本発明は、被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、第一の場所に設けられ熱成形を制御する主制御部、とを備える熱成形装置において前記第一の場所とは別の第二の場所に設けられる温調ユニットであって、
前記主制御部から前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備える態様を有する。
【0012】
すなわち、上記駆動出力部と上記検出温度入力部と上記温度制御手段を備える温調ユニットが主制御部の場所とは別の第二の場所に設けられる。また、温調ユニットには、上記温度目標入力手段が設けられている。これにより、第一の場所に設けられた主制御部は、第二の場所に設けられた温調ユニットへ温度検出部毎の温度目標を出力することにより、加熱部毎に加熱出力を制御する必要が無くなり、加熱部毎に配線を設ける必要が無くなる。
【0013】
ここで、上記熱成形には、圧空成形や真空成形や圧空真空成形といった差圧成形等が含まれる。
上記被加熱物には、熱成形可能な被成形材、熱板、成形型、等が含まれる。なお、加熱された熱板等で被成形材が加熱される場合、加熱部は間接的に被成形材を加熱することになる。
上記加熱部には、ヒーター、バーナー、等が含まれる。また、加熱部は、一つのヒーターのみならず、複数のヒーター等で構成されてもよい。上記駆動出力部から制御対象のヒーターへの出力には、ヒーターへの通電量、ヒーターに加える電圧値、等が含まれる。ヒーターへの通電量には、ヒーターに流す平均電流値が含まれる。上記駆動出力部から加熱部への出力には、アナログ量、デジタル値、等が含まれる。
上記温度検出部には、熱電対温度計、放射温度計、等が含まれる。上記検出温度入力部に入力される検出温度は、アナログ量、デジタル値、等が含まれ、温度値そのものに限定されない。
上記温度目標は、デジタル値、アナログ量、等が含まれ、温度値そのものに限定されない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、加熱部への配線を少なくすることが可能な熱成形装置を提供することができる。
請求項2に係る発明では、加熱部の加熱出力の制御用定数を主制御部から設定することができるので、熱成形の条件等に応じてより好適な加熱制御を行うことが可能となる。
請求項3に係る発明では、主制御部で温度検出部毎の検出温度を視認することができるので、熱成形の温度管理を容易に行うことが可能となる。
請求項4に係る発明では、加熱部への配線を少なくすることが可能な熱成形装置の温調ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】熱成形装置1の外観を例示する斜視図である。
【図2】熱成形装置1を例示する正面図である。
【図3】成形型40が所定の離間位置L13にあるときの熱成形装置1を例示する垂直断面図である。
【図4】成形型40が所定の近接位置L14にあるときの熱成形装置1を例示する垂直断面図である。
【図5】裏側にヒーター79及び温度計69を配置した熱板60を例示する平面図である。
【図6】温調ユニット100の外観を模式的に例示する平面図である。
【図7】熱成形装置1の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。
【図8】成形手段20の動作を例示するタイミングチャートである。
【図9】温度制御ボード120で行われる温度制御処理を例示するフローチャートである。
【図10】情報出力部94に表示される測定値一覧を例示する図である。
【図11】(a)〜(c)はコンピューターシステム90の構成を例示するブロック図である。
【図12】コンピューターシステム90で行われる温調ユニット管理処理を例示するフローチャートである。
【図13】(a),(b)は変形例に係る熱成形装置を模式的に例示する垂直断面図である。
【図14】比較例に係る熱成形装置の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下に説明する実施形態は、本発明を例示するものに過ぎない。
【0017】
(1)熱成形装置の説明:
図1〜7に例示される熱成形装置1は、熱成形可能なシートS1を熱板60で接触加熱した後、該シートS1を成形手段20により成形する。なお、図2において、左から右へ向かう方向が所定の搬送方向D1であり、左側がシートS1の上流側、右側がシートS1の下流側である。
【0018】
図1〜7に例示される熱成形装置1は、被加熱物(熱板60)を加熱するための複数の加熱部(ヒーター79)と、該加熱部(ヒーター79)毎に設けられた温度検出部(温度計69)と、を備える。熱成形を制御する主制御部2は、第一の場所L1に設けられている。該第一の場所L1とは別の第二の場所L2に、複数の加熱部(ヒーター79)の加熱出力(発熱量Q1)を制御するための温調ユニット100が設けられている。
図7に例示されるように、主制御部2は、温度検出部(温度計69)毎の温度目標T1を温調ユニット100へ出力する温度目標出力手段U21を備えている。
【0019】
図6に例示されるように、温調ユニット100は、温度目標入力手段U11、駆動出力部U12、検出温度入力部U13、温度制御手段U14、を備えている。
温度目標入力手段U11は、温度検出部(温度計69)毎の温度目標T1を入力する。駆動出力部U12は、複数の加熱部(ヒーター79)を駆動する。検出温度入力部U13は、加熱部(ヒーター79)毎の温度検出部(温度計69)で検出される検出温度T2を入力する。温度制御手段U14は、加熱部(ヒーター79)毎に、入力対象の温度検出部(温度計69)から検出温度入力部U13へ入力される検出温度T2を前記入力された温度目標T1に近付けるように駆動出力部U12から制御対象の加熱部(79)への出力を制御する。例えば、ヒーター79と温度計69の組合せを番号iで識別することにすると、i番目の温度計69から入力される検出温度T2iを温度計毎の温度目標T1iに近付けるように駆動出力部U12からi番目のヒーター79への平均電流値(通電量)を制御する。
【0020】
以上により、第一の場所L1に設けられた主制御部2は、第二の場所L2に設けられた温調ユニット100へ温度検出部(温度計69)毎の温度目標T1を出力することにより、加熱部(ヒーター79)毎に加熱出力(発熱量Q1)を制御する必要が無くなり、加熱部(ヒーター79)毎に配線を設ける必要が無くなる。
【0021】
図7に例示される主制御部2は、さらに、制御用定数出力手段U22、検出温度表示手段U23、を備える。図6に例示される温調ユニット100は、さらに、制御用定数入力手段U15、検出温度情報出力手段U16、を備える。
【0022】
制御用定数出力手段U22は、加熱出力(発熱量Q1)の制御用定数(P,I,D等)を温調ユニット100へ出力する。制御用定数入力手段U15は、前記制御用定数(P,I,D等)を入力する。温度制御手段U14は、前記入力された制御用定数(P,I,D等)を用いて駆動出力部U12から複数の加熱部(ヒーター79)への出力を制御する。これにより、加熱部(ヒーター79)の加熱出力(発熱量Q1)の制御用定数(P,I,D等)を主制御部2から設定することができ、熱成形の条件等に応じてより好適な加熱制御を行うことが可能となる。
【0023】
検出温度情報出力手段U16は、温度検出部(温度計69)毎の検出温度T2に対応した検出温度情報T3を主制御部2へ出力する。検出温度表示手段U23は、温調ユニット100から入力される温度検出部(温度計69)毎の検出温度情報T3を表示する。これにより、主制御部2で温度検出部(温度計69)毎の検出温度T2を視認することができ、熱成形の温度管理を容易に行うことが可能となる。
【0024】
図1に例示される熱成形装置1は、シート搬送機構10を備える。シート搬送機構10は、所定の成形位置L10を通る所定の搬送方向D1へシート(被成形材)S1を搬送する。成形手段20は、シート搬送機構10によりシートS1が搬送されるときには熱板60と成形型40とを離間させ、シートS1が成形位置L10まで搬送されたときに熱板60と成形型40とを近接させてシートS1を加熱しながら成形面41aの形状に合わせて成形する。
【0025】
成形対象のシートS1は、成形可能であればよく、熱可塑性樹脂等の樹脂のみからなる樹脂シートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。前記樹脂には、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリ塩化ビニル(Poly (vinyl chloride))、ABS樹脂(Acrylonitrile-butadiene-styrene resin)、ポリエチレンテレフタレート(Poly (ethylene terephthalate))、ポリカーボネート(Polycarbonate)、ポリアミド(Polyamide)、アクリル樹脂(Acrylic resin)、これらの組み合わせ、等を利用可能である。シートS1は、シート状ないしフィルム状になっていればよく、ロール状に巻かれていても、所定の長さにカットされていてもよい。シートの厚みは、1〜2mm程度、0.25〜1mm程度、等、様々な厚みとすることが可能であり、0.25mm程度以下のフィルムでもよいし、厚みのあるシートでもよい。
【0026】
シートS1の熱成形は、差圧成形、プレス成形、等により行うことができる。シートの搬送方向D1は、水平方向としてシートが安定して搬送されるようにしているが、水平方向から上方向へずれた方向でも、水平方向から下方向へずれた方向でも、鉛直上方向でも、鉛直下方向でもよい。
成形対象の被成形材は、シート以外にも、塊状の材料等でもよい。
【0027】
図1に示すシート搬送機構10は、シート供給機構12とクランプ搬送機構14を備えている。シート供給機構12は、ロール状に巻かれたシートS1を連続した状態で搬送方向D1へ送り出し可能とされている。クランプ搬送機構14は、成形後のシートS2の両側縁部をクランプ(把持)するクランプ部材14aを有し、成形のタイミングに合わせて成形位置L10にて成形されたシートS2の両側縁部をクランプ部材14aでクランプして間欠的に連続した状態のシートS1を引っ張って搬送方向D1へ搬送する。なお、本熱成形装置1に、成形後のシートS2を所定の長さでカット(切断)して取り出す成形品取出機構を設けてもよい。
【0028】
以上の構成により、熱板60と成形型40とが離間しているとき、ロール状のシートS1は、順次必要量がシート供給機構12から巻き出され、所定の搬送方向D1へ搬送されて、成形位置L10に搬入される。ここで、成形位置L10にあるシートS1は、下面S1bが熱板60の表面61aに接触し、熱板60から熱を供給され、加熱されて軟化する。シートS1が成形位置L10まで搬送されたとき、熱板60と成形型40とが近接して成形位置L10の加熱軟化したシートS1を挟み、該シートS1を差圧成形により成形面41aに密接させる。これにより、シートS1が成形面41aの形状に合わせて成形される。
成形後、熱板60と成形型40とが離間すると、既に成形位置L10から搬送方向D1へ搬出された成形後のシートS2の両側縁部がクランプ位置L11のクランプ部材14aでクランプされ、クランプ搬送機構14がクランプ位置L11から所定の解放位置L12まで水平移動してシートS2をさらに搬送方向D1へ所定量搬送する。すると、既にクランプされていた成形後のシートS2は、例えば、成形品取出機構へ送られ、所定の長さでカットされて、成形品が取り出される。
【0029】
図3〜5等に示す熱板60は、複数の第一の通気孔62を有する表面板61と、該表面板61の裏面61bに接し複数の第一の通気孔62に繋がる熱板側通気経路81が形成された台座65とを備えている。
表面板61の各通気孔62は、表面板61の表面61aから裏面61bへ貫通した貫通穴とされ、熱板の表面61a上で互いに異なるx方向とy方向とへそれぞれ配列されている。各通気孔62は、差圧供給手段25から負圧(いわゆる真空圧)を作用させられたり(空気を吸引されたり)、負圧の供給(減圧)から解放されたり、圧空を供給されたり、圧空の供給を解除されたりする。なお、x方向とy方向とは、互いに直交していると好適であるが、60°以上90°未満、30°以上60°未満、等、90°とは違う角度で互いに交わってもよい。また、シートの搬送方向D1は、x方向のみならず、y方向やx,y両方向からずれた方向とされてもよい。表面板61は、成形型40に対向する表面61aが成形位置L10のシートS1の下面S1bに接触するように配置され、成形位置L10に搬入されたシートS1を加熱して軟化させる。
【0030】
台座65における熱板側通気経路81は、表面65aの溝が複数の第一の通気孔62に繋がり、裏面65b側が間座70の表面70aにおける熱板側通気経路81に繋がっている。台座65の表面65aに表面板61が載置されて固定されている。
なお、表面板61や台座65は、例えば金属製とされ、矩形板形状に形成される。
【0031】
図2〜4に示す成形手段20は、成形型40、差圧供給用通気経路80、差圧供給手段25、等を備える。
【0032】
成形型40は、複数の雌型(交換用型)41と型ベース部材42を有し、表面板61に対向している。各雌型41は、例えば金属製とされ、それぞれ熱板60に対向する成形面41aが形成されて、該成形面に通気孔(第二の通気孔)40bが形成されている。型ベース部材42は、例えば、金属製とされ、略板状に形成されて、下面で複数の雌型41を着脱可能に保持する型保持部位が形成されている。型ベース部材42に形成された型側通気経路82は、下面の溝が複数の第二の通気孔40bに繋がり、上面側が上テーブル45の下面45aにおける型側通気経路82に繋がっている。上テーブル45は、例えば金属製とされ、下面45aに型ベース部材42の上面が取り付けられて固定されている。
【0033】
床に接触した基台9には、搬送されるシートS1と接触しない位置に複数の円柱状の支柱55が上方に向かって立設されている。複数の支柱55は、熱板60を位置決めしながら固定部材51を下から支持し、上テーブル45の近接及び離間の往復動をガイドする。型用テーブル駆動機構50は、上テーブル45における熱板に対向する下面45aとは反対側の上部45bに取り付けられ、成形位置L10で成形型40を保持した上テーブル45をリンク機構52により往復動させる。固定部材51は、例えば金属製とされ、前記立設された支柱55の先端部に固定される。
【0034】
差圧供給用通気経路80は、熱板側差圧供給回路26(差圧供給手段25)からのエアの圧力を伝える熱板側通気経路81と、型側差圧供給回路27(差圧供給手段25)からのエアの圧力を伝える型側通気経路82とを備えている。熱板側差圧供給回路26と型側差圧供給回路27の一方は省略可能であるため、熱板側通気経路81と型側通気経路82の一方は省略可能である。差圧供給用通気経路80は、ウレタンチューブ等の樹脂チューブ、樹脂ホース、樹脂管、金属管、等、継手やバルブに接続可能な耐圧チューブ等の耐圧管、及び、耐圧管に取り付けられる継手とバルブの少なくとも一方との組み合わせ、等で構成することができる。
【0035】
差圧供給手段25は、熱板60に接触したシートS1に対して成形型40側の圧力が熱板60側の圧力よりも低くなる差圧を差圧供給用通気経路80から供給して成形型40に密接させる。例えば、表面板61と成形型40とを近接させ表面板61上のシートの上面S1aと雌型41の外周部とを接触させてシート上面S1aと上方へ凹んだ成形面41aとで閉空間を形成し、熱板側通気経路81を経由して表面板61の通気孔62から圧空を供給するとともに型側通気経路82を経由して成形型の通気孔40bから負圧を供給すると、シートS1が成形面41aに密接して圧空真空成形される。
【0036】
上述した熱板60に熱を供給するヒーターを設置する空間を設けるため、図3等に示すように、台座65の裏面65bから下方に向けて複数の間座70が間隔を空けて立設されて固定され、下テーブル75の表面75aに複数の間座70が載置されて固定されている。間座70の一部には、表面70aから裏面70bへ熱板側通気経路81が貫通している。間座70は、金属、セラミックス、樹脂、等、様々な材質とすることができ、近くにヒーターが配置されることから耐熱性の材質が好ましい。
下テーブル75は、例えば金属製とされ、表面75aに間座70の裏面70bが取り付けられて固定されている。
【0037】
ヒーター79は、図3等に示すように、複数の間座70の間で下テーブル75の表面75aから離間して台座65の裏面65bに取り付けられて固定されている。ヒーター79は、通電されると発熱し、台座65側から熱板60を加熱する。図5の例では、x方向に6個、y方向に5個の計30個のヒーター79が熱板60の下側に並べられていることが示されている。一つの熱板に多数のヒーターを設けているのは、熱板を均一に加熱するためである。
台座65には、表面板61の温度を検出する温度計69がヒーター79毎に設けられている。温度計69には、熱電対温度計等を用いることができる。図5の例では、x方向に6個、y方向に5個の計30個の温度計69が表面板61の下側に並べられていることが示されている。熱板を均一に加熱するため、ヒーター毎に設けた温度計の検出温度が目標温度に一致するように各ヒーターへの通電量がフィードバック制御される。
熱板の加熱温度は、シートの材質や厚み等に応じて設定され、例えばシートが軟化する温度以上溶融する温度未満とすることができる。
【0038】
図1,2等に示すように、温調ユニット100は、主制御部2の第一の場所L1よりもヒーター79に近い第二の場所L2に設けられている。図6に示す温調ユニット100は、金属板といった導電性のグランド板110の上に、温度制御ボード120、通信用のコネクター128、駆動出力部U12、検出温度入力端子群140、等が設けられている。
【0039】
温度制御ボード120は、プリント基板上にマイクロコンピューターや電源入力端子121等を有する配線が形成され、図9に示す温度制御処理を実行する。この温度制御処理の詳細は、後述する。マイクロコンピューターは、内部のバスに、CPU(Central Processing Unit)122、ROM(Read Only Memory)123、RAM(Random Access Memory)124、タイマー回路125、A/D(アナログ/デジタル)変換回路126,通信部127、等が接続されている。温度制御ボード120は、直流電源の直流電圧E2(例えば24V)を電源入力端子121に入力して動作し、温調ユニット100全体の動作を制御する。A/D変換回路126は、検出温度入力端子群140に接続されている。温度制御ボード120は、ヒーター79毎に、入力対象の温度計69から入力される検出温度T2iを温度目標T1iに近付けるように出力対象のリレー134の操作量を決定し、該リレー134へオンオフ信号を出力する。
コネクター128は、上記通信部127に接続され、例えば通信ケーブルを介して主制御部2に接続される。コネクター128には、RS−485といったシリアル通信規格やパラレル通信規格等のコネクターを用いることができる。
【0040】
駆動出力部U12は、電源入力端子132、複数のリレー134、ヒーター出力端子群136、を備え、各ヒーター79を個別に駆動する。
電源入力端子132は、例えば商用のAC200Vといった交流電源の交流電圧E1を入力し、各リレー134の入力端子に交流電圧E1を供給する。
【0041】
リレー134は、ヒーター79毎に設けられ、温度制御ボード120から入力されるオンオフ信号がオンであるときに交流電圧E1をヒーター79へ供給し、該オンオフ信号がオフであるときにヒーター79への交流電圧E1の供給を遮断する。オンオフ信号のオン期間の割合をR1(0≦R1≦1)、オン期間にヒーター79に流れる電流量をIon(A)とすると、ヒーター79に流れる平均電流値は、概略、R1×Ionとなる。リレー134には、SSR(ソリッドステートリレー)等を用いることができる。
ヒーター出力端子群136は、ヒーター79毎にヒーター出力端子137を有し、ヒーター79の電力線(配線79a)に接続される。各ヒーター出力端子137は、対応するリレー134の出力部から入力される交流電圧E1をヒーター79へ供給する。
【0042】
検出温度入力端子群140は、温度計69毎に検出温度入力端子141を有し、温度計69への配線69aに接続される。各検出温度入力端子141は、対応する温度計69から検出温度に対応した電圧を入力し、この電圧を温度制御ボード120へ出力する。
なお、図6に示す温調ユニット100は、リレー134とヒーター出力端子137と検出温度入力端子141の組合せを16組有している。図5に示すようにヒーター79と温度計69の組合せが30組ある場合、本温調ユニット100を二つ用意すれば全てのヒーター79を個別に加熱制御することができる。
【0043】
上述した温調ユニット100を備える熱成形装置1の動作は、例えば、図7に示すコンピューターシステム90で制御される。コンピューターシステム90には、温調ユニット100、シート搬送機構10、成形手段20を構成する成形機構21、等が電気的に接続されている。コンピューターシステム90は、システム全体の動作を制御する中央制御回路91、例えばシリアル通信規格の通信ケーブルを介して温調ユニットのコネクター128に接続した通信部92、シート搬送機構10の動作を制御するシート搬送制御部93a、成形機構21の動作を制御する成形制御部93b、情報出力部94、操作部95、等を備えている。
【0044】
中央制御回路91は、内部のバスに、CPU91a、ROM91b、RAM91c、タイマー回路91d、不揮発性メモリー91e、等が接続された回路とされている。情報出力部94は、例えばディスプレイや音声出力器やプリンターで構成され、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や熱成形装置1の運転状況を表す各種情報を表示等により出力する。図10には、情報出力部94に表示される測定値一覧を例示している。操作部95は、例えば複数のボタンで構成され、利用者から操作入力を受け付ける。
ここで、コンピューターシステム90は、成形手段20の一部を構成する。通信部92を備えたコンピューターシステム90は、温度目標出力手段U21及び制御用定数出力手段U22を構成する。情報出力部94を備えたコンピューターシステム90は、検出温度表示手段U23を構成する。
【0045】
なお、コンピューターシステム90は、様々な構成とすることができる。
図11(a)に例示するコンピューターシステム90は、パーソナルコンピューター90aと、このパーソナルコンピューター90aに例えばLAN(Local Area Network)により接続され温調ユニット100を接続したタッチパネル90bと、このタッチパネル90bに接続されシート搬送機構10及び成形機構21を接続したシーケンサー90cとを備えている。例えば、タッチパネル90bは、液晶ディスプレイ上に表示されるソフトスイッチやランプ等への操作を受け付けて該操作に対応する操作信号をシーケンサー90cへ出力する。シーケンサー90cは、タッチパネル90bからの操作信号に応じてシート搬送機構10及び成形機構21の動作を制御する。
【0046】
図11(b)に例示するコンピューターシステム90は、図11(a)に示したタッチパネル90bの機能もパーソナルコンピューター90aに設けている。
図11(c)に例示するコンピューターシステム90は、全ての機能を制御盤90dに設けている。操作パネル90eは、例えば、液晶ディスプレイ上に表示されるソフトスイッチやランプ等への操作を受け付ける。
【0047】
図8のタイミングチャートに例示されるように、コンピューターシステム90は、初期状態において、クランプ部材14aのシートクランプをオフにしてシートS2のクランプを解除させた状態にし、クランプ搬送機構14を上流側の所定のクランプ位置L11にさせ、成形型40を所定の離間位置L13にさせ、熱板側差圧供給回路26及び型側差圧供給回路27からの負圧又は圧空の供給を解除している状態にしている。この状態で、コンピューターシステム90は、クランプ部材14aのシートクランプをオンにしてシートS2の両側縁部をクランプ搬送機構14にクランプさせる(タイミングt1)。タイミングt2〜t3では、クランプ搬送機構14をクランプ位置L11から下流側の所定の解放位置L12まで移動させる。すると、シートS1,S2が所定量搬送方向D1へ搬送され、成形されていないシートS1が成形位置L10に搬入される。タイミングt4では、クランプ部材14aのシートクランプをオフにしてシートS2のクランプを解除させた状態にする。なお、タイミングt2に戻るまでに、所定のタイミングでクランプ搬送機構14を解放位置L12から上流側のクランプ位置L11まで移動させるようにしている。
【0048】
タイミングt5では、熱板側差圧供給回路26から熱板の通気孔62へ負圧を作用させ、成形位置L10のシートS1を表面板61に密接させて加熱軟化させる。タイミングt6〜t7では、図4に示すように、型用テーブル駆動機構50により上テーブル45を下降させ、成形型40を所定の近接位置L14にさせて、熱板60と成形型40とを近接させる。タイミングt8〜t9では、熱板側差圧供給回路26から熱板の通気孔62へ圧空を供給するとともに型側差圧供給回路27から成形型の通気孔40bに負圧を作用させ、加熱軟化状態のシートS1を凹状の成形面41aに密接させる。雌型41の温度は表面板61よりも低いため、成形面41aに密接したシートが冷却され、固化する。これにより、シートが圧空真空成形され、カット前の成形品が形成される。
なお、熱板側差圧供給回路26が無い場合、タイミングt5で型側差圧供給回路27から成形型の通気孔40bに圧空を供給し、タイミングt8〜t9で型側差圧供給回路27から成形型の通気孔40bに負圧を作用させると、シートを真空成形することができる。型側差圧供給回路27が無い場合、タイミングt8〜t9で熱板側差圧供給回路26から熱板の通気孔62へ圧空を供給すると、シートを圧空成形することができる。
【0049】
タイミングt9で熱板の通気孔62への圧空の供給を解除し成形型の通気孔40bへの負圧の供給を解除すると、タイミングt10〜t11では、型用テーブル駆動機構50により上テーブル45を上昇させ、成形型40を図3に示す所定の離間位置L13にさせて、熱板60と成形型40とを離間させる。
以上で1サイクルが終了し、以下、タイミングt1〜t11を繰り返すことにより、シートから熱板を用いた差圧成形を連続して行うことができる。なお、上述した動作の各タイミングの順番は、適宜、変更可能である。
【0050】
(2)温調ユニットの動作、作用、及び、効果:
主制御部2は、例えば、電源が供給されると、温調ユニット100へ直流電圧E2の供給を開始したうえ、図12に示す温調ユニット管理処理を開始する。この処理は、中央制御回路91が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、ステップS202〜S204は温度目標出力手段U21及び制御用定数出力手段U22に対応し、ステップS206〜S208は検出温度表示手段U23に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
【0051】
温調ユニット管理処理が開始すると、主制御部2は、各種設定値の操作入力を操作部95から受け付ける(S202)。設定値には、温度計69毎の温度目標T1i、制御用定数、等が含まれる。例えば、温度目標T1iが全て160℃であれば、オペレーターは、全ての温度計69に対して160℃を操作入力すればよい。フィードバック加熱制御の一種であるPID制御(proportional plus integral plus derivative control)を行う場合、制御用定数には、P(比例ゲイン)とI(積分時間)とD(微分時間)の各定数が含まれる。加熱制御にフィードフォワード加熱制御が含まれる場合、制御用定数には、フィードフォワード制御の設定値FFが含まれる。これらの他、制御用定数には、温度目標T1iまでの応答速度、各リレー134へのオンオフ信号のオン割合R1の最大値、等が含まれてもよい。むろん、P,I,Dの各定数は制御用定数に必須ではなく、検出温度<温度目標(又は検出温度≦温度目標)のためのオン割合Rlowと検出温度≧温度目標(又は検出温度>温度目標)のためのオン割合Rhigh(0≦Rhigh<Rlow≦1)を制御用定数に設定する等、加熱制御の種類に応じて様々な定数を制御用定数に設定すればよい。
S204では、受け付けた設定値をその出力要求とともに通信部92から温調ユニット100へ出力する。
【0052】
温調ユニットの温度制御ボード120は、例えば、主制御部2から電源入力端子121への直流電圧E2の供給が開始されると、図9に示す温度制御処理を開始する。この処理は、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、S102〜S104は温度目標入力手段U11及び制御用定数入力手段U15に対応し、S108〜S110は温度制御手段U14に対応し、S112は検出温度情報出力手段U16に対応している。
温度制御処理が開始すると、温度制御ボード120は、主制御部2から設定値の入力要求があるか否かを判断する(S102)。設定値の入力要求がある場合、温度制御ボード120は、コネクター128を介して温度計69毎の温度目標T1iや制御用定数といった設定値を入力し、RAM124に格納する(S104)。
【0053】
S106では、A/D変換回路126を介して温度計69毎に検出温度入力端子141から検出温度T2iを読み込み、検出温度T2iに対応した検出温度情報T3iを取得する。検出温度情報T3iは、例えば、アナログ電圧の検出温度T2iに対応した所定ビット数(例えば16ビット)の数値とすることができる。
【0054】
S108では、ヒーター79毎、すなわち、リレー134毎に操作量(オン割合R1i)を決定する。操作量(R1i)は、温度制御ボード120の出力量であり、温度計69の温度を制御するためにリレー134に加えられる。i番目のリレー134の操作量(R1i)は、RAM124に格納されている制御用定数(P,I,D等)を用いて、入力対象の温度計69から入力される検出温度T2iを温度目標T1iに一致させるように決定する。これにより、各ヒーター79の平均電流値(通電量)が決定される。
【0055】
例えば、フィードバック加熱制御の場合、電源投入直後など、検出温度情報T3iが温度目標T1iの近辺(例えばT1i−T3iが正の所定値TH1以下)に到達していなければ、P(比例ゲイン)を用いて温度目標T1iと検出温度T2iとの差に応じたオン割合R1iを決定すればよい。検出温度情報T3iが温度目標T1iの近辺に到達した後であれば、検出温度情報T3iの変化を少なくするようにD(微分時間)を用いるとともに温度目標T1iと検出温度T2iとの差を少なくするようにI(積分時間)を用いてオン割合R1iを決定すればよい。簡易なフィードバック加熱制御を行う場合、T3i<T1i(又はT3i≦T1i)の場合にi番目におけるリレー134へのオンオフ信号のオン割合R1iを検出温度<温度目標(又は検出温度≦温度目標)のためのオン割合Rlowに大きくしてヒーター79の平均電流値を大きくし、T3i≧T1i(又はT3i>T1i)の場合にi番目におけるリレー134へのオンオフ信号のオン割合R1iを検出温度≧温度目標(又は検出温度>温度目標)のためのオン割合Rhighに小さくしてヒーター79の平均電流値を大きくしてもよい。
【0056】
S110では、決定されたオン割合R1iのオンオフ信号を各リレー134へ出力することにより、各リレー134を制御する。i番目のリレー134は、オン割合R1iに応じたオンオフ信号を入力すると、オンオフ信号がオンであるときに交流電圧E1をi番目のヒーター79へ供給し、オンオフ信号がオフであるときにi番目のヒーター79への交流電圧E1の供給を遮断する。i番目のヒーター79は、オン割合R1iに応じた平均電流値の電流により発熱量Q1i(単位は例えばcal)が制御される。この発熱量Q1iは、i番目のヒーター79の加熱出力である。
以上により、ヒーター79毎に、入力対象の温度計69から入力される検出温度T2が温度目標T1に近付くように駆動出力部U12から制御対象のヒーター79への出力が制御される。
【0057】
S112では、温度計69毎の検出温度情報T3iといった測定情報をその出力要求とともに通信部127から主制御部2へ出力する。測定情報には、検出温度情報T3の他、各ヒーター79の平均電流値、警報、等が含まれてもよい。各ヒーター79の平均電流値は、オンオフ信号のオン割合R1iから求められる電流値でもよいし、ヒーター79毎に設けた電流計で検出される電流値でもよい。警報には、検出温度が上限値を超えた旨の警報、ヒーターの平均電流値が上限を超えた旨の警報、等が含まれる。
【0058】
主制御部2は、図12のS206において、温調ユニット100から測定情報の入力要求があるか否かを判断する。測定情報の入力要求がある場合、主制御部2は、コネクター128を介して温度計69毎の検出温度情報T3iといった測定情報を入力し、情報出力部94に出力する(S208)。図10には、測定情報として温度計69毎の検出温度情報T3とヒーター79毎の平均電流値とを一覧表示した情報出力部94を例示している。
【0059】
主制御部2は、S210において、温調ユニット管理処理を終了するか否かを判断する。熱成形品の製造を継続するなど処理を終了しない場合、S206〜S210の処理を繰り返し、更新される測定情報を表示する。熱成形品の製造を終了する等の場合、温調ユニット管理処理を終了する。
温度制御ボード120も、S114において、温度制御処理を終了するか否かを判断する。熱成形品の製造を継続するなど処理を終了しない場合、S106〜S114の処理を繰り返し、各ヒーター79の発熱量Q1iの制御及び測定情報の出力を継続する。主制御部2から温度制御処理の終了指示を入力した等の場合、温度制御処理を終了する。
【0060】
図14は、比較例に係る熱成形装置の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。この熱成形装置のコンピューターシステム900は、中央制御回路901、シート搬送制御部941、成形制御部942、情報出力部943、操作部944、の他、検出温度入力部910と駆動出力部920と温度制御部930が必要である。検出温度入力部910には、多数の検出温度入力端子913からなる検出温度入力端子群912が必要である。駆動出力部920には、多数のリレー924や、多数のヒーター出力端子923からなるヒーター出力端子群922が必要である。温度制御部930は、ヒーター79毎に、温度計69から検出温度入力部910へ入力される検出温度を温度目標に一致させるように駆動出力部920からヒーター79への通電量を制御する。コンピューターシステム900は、温度計69やヒーター79の設置箇所から遠い場所にあるため、多数の温度計69やヒーター79への長い配線69a,79aが必要となる。また、多数の温度計69やヒーター79のために必要な配線や端子等は、コンピューターシステム900の電気回路を複雑にさせ、配線等の組み付け作業の労力及びコストを増大させ、ひいては熱成形装置のコストを増大させてしまう。
【0061】
図7に例示する熱成形装置は、駆動出力部U12と検出温度入力部U13と温度制御手段U14を備える温調ユニット100が主制御部2の場所L1とは別の第二の場所L2に設けられている。特に、温調ユニットの場所L2は、主制御部の場所L1よりもヒーター79に近い場所となっている。従って、多数の温度計69やヒーター79への配線69a,79aは、比較例よりも短くて済む。第一の場所L1に設けられた主制御部2は、第二の場所L2に設けられた温調ユニット100へ温度計69毎の温度目標T1を出力することにより、ヒーター79毎に発熱量Q1を制御する必要が無くなり、ヒーター79毎に配線を設ける必要が無くなる。
以上説明したように、本技術は、加熱部や温度検出部への配線を少なくすることが可能となる。
【0062】
(3)変形例:
上記成形手段では、シートの上面側に熱板を配置し、シートの下面側に型を配置してもよい。シートを鉛直方向に搬送する場合には、熱板と型とを同じ高さに配置してもよい。
上記シートの一面側に配置される熱板は、該シートの一面に接触しても、接触せず該シートの一面に対面配置されてもよい。なお、シートを加熱する際には、接触加熱する以外にも、輻射加熱や、接触加熱と輻射加熱の併用によりシートを加熱してもよい。上記シートの他面側に配置される型は、該シートの他面に接触しても、接触せず該シートの他面に対面配置されてもよい。
上記熱板と上記型とを近接及び離間させる際には、熱板のみ移動させても、熱板と型の両方を移動させてもよい。また、熱板と型との近接及び離間の際、シートの位置を変えないのみならず、シートを型の方向へ移動させたり、シートを熱板の方向へ移動させたりしてもよい。
型用テーブルを熱板に対して近接及び離間させる機構は、各種クランク機構、エアシリンダや油圧シリンダのようなシリンダを用いた機構、等でもよい。
上記熱板は、上記表面板と上記台座とが一体化された単一部材でもよい。
【0063】
上記被加熱物は、熱板の他、被成形材、成形型、等でもよい。
上記加熱部は、熱風を供給する機構、ガス等の燃料を燃焼させる機構、等でもよい。
上記温度検出部は、放射温度計、抵抗温度センサー、等でもよい。
上記温度検出部の測定場所は、熱板の他、被成形材、成形型、等でもよく、加熱部により直接加熱される被加熱物そのものでもよいし、被加熱物により加熱される物など加熱部により間接的に加熱される物などでもよい。
上記ヒーターの配線79aとヒーター出力端子137とは、分離不能に固定されてもよい。上記ヒーター出力端子に例示される出力部は、温調ユニットに設けられる単なる配線等でもよい。
上記温度計の配線69aと検出温度入力端子141とは、分離不能に固定されてもよい。上記検出温度入力端子に例示される検出温度入力部は、温調ユニットに設けられる単なる配線等でもよい。
【0064】
図13(a)は、加熱装置210と成形装置220を備えた変形例の熱成形装置を模式的に例示する垂直断面図である。本加熱装置210は、上下にヒーター79及び放射温度計(69)の組合せを複数備えている。連続シート(S1)は、搬送方向D1へ搬送されて加熱装置210に搬入されると、加熱されて軟化する。軟化したシートS1がさらに搬送方向D1へ搬送されて成形装置220に搬入されると、成形型40により熱成形品が形成される。温調ユニット100は、上側のヒーター79に近い場所と下側のヒーター79に近い場所、すなわち、主制御部よりもヒーター79に近い加熱装置210に設置されている。このように、主制御部とは別の場所に温調ユニット100を設置すると、ヒーター79や温度計69への配線を少なくする効果が得られる。
【0065】
図13(b)は、互いに対向する成形型40とクランプ44とでカットシート(S1)を挟持する変形例の熱成形装置を模式的に例示する垂直断面図である。複数のヒーター79は成形型40に設けられ、ヒーター79毎の放射温度計(69)がクランプ44側に設けられている。各温度計69は、シートS1の表面温度を検出する。温調ユニット100は、ヒーター79に近い成形装置、すなわち、主制御部よりもヒーター79に近い場所に設置されている。このように、主制御部とは別の場所に温調ユニット100を設置すると、ヒーター79や温度計69への配線を少なくする効果が得られる。
【0066】
なお、温調ユニット100の基本部分U11,U12,U13,U14のみでも、加熱部への配線を少なくする効果が得られる。
すなわち、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0067】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、有用な温調ユニットの技術等を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能であり、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能である。従って、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…熱成形装置、2…主制御部、20…成形手段、
60…熱板、61…表面板、65…台座、
69…温度計(温度検出部)、69a…配線、
70…間座、75…下テーブル、
79…ヒーター(加熱部)、79a…配線、
90…コンピューターシステム、
100…温調ユニット、110…グランド板、
120…温度制御ボード、121…電源入力端子、
128…コネクター、
132…電源入力端子、134…リレー、
136…ヒーター出力端子群、137…ヒーター出力端子、
140…検出温度入力端子群、141…検出温度入力端子、
L1…第一の場所、L2…第二の場所、
S1…シート(被成形材)、S2…成形後のシート、
U11…温度目標入力手段、U12…駆動出力部、U13…検出温度入力部、
U14…温度制御手段、U15…制御用定数入力手段、U16…検出温度情報出力手段、
U21…温度目標出力手段、U22…制御用定数出力手段、U23…検出温度表示手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱成形装置及びその温調ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
熱板を用いた熱成形装置は、例えば、装置全体を制御する制御盤を備え、ヒーターにより昇温した熱板の上面を走行して間欠的に停止する連続樹脂シートを、上下動する成形型の下降で固定し、真空吸引手段及び圧空手段により熱板に密着させて加熱し、加熱終了後差圧により熱成形する。ここで、熱板を均一に加熱するため、熱板の下側に多数のヒーターを並べ、ヒーター毎に設けた熱電対温度計の検出温度が目標温度に一致するように制御盤で各ヒーターへの通電量をフィードバック制御することが行われている。
【0003】
なお、特許文献1に記載の温度制御システムは、シート加熱部、ヒーター割付制御部、システム制御部、ヒーター制御出力部、等を備えている。シート加熱部は、上型に配置される上ヒーター群及び下型に配置される下ヒーター群によって構成され、両ヒーター群の間にシート状の被加熱物が挿入されるようになっている。ヒーター割付制御部は、上下各ヒーター群のそれぞれを1個又は複数個のブロックに分割する。これらのブロック毎に、温度センサーが1個ずつ配置される。すなわち、複数個のヒーターからなるブロックには温度センサーが1個しか配置されない。システム制御部は、各ブロックの制御温度に温度センサーの計測温度が一致するようにヒーター制御出力部に対して各ヒーターに対するオンオフ信号を出力する。ヒーター制御出力部は、システム制御部からのオンオフ信号に基づき、各ヒーターのオンオフ制御を行う。
以上より、各ヒーターのフィードバック加熱制御の主体は、システム制御部であり、装置全体を制御する制御盤で構成される。
【0004】
また、特許文献2に記載の樹脂シート加熱制御方法は、コンピューターが温度制御量を演算し、シーケンサーを介してコンピューターが温度制御量を各制御手段に指令し、ヒーターの発熱量を制御する。すなわち、ヒーターの発熱量の制御主体は、コンピューターであり、装置全体を制御する制御盤で構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−274048号公報
【特許文献2】特開平09−239823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱成形装置に多数のヒーターを設ける場合、温度センサーの検出温度を目標温度に一致させるように各ヒーターの通電量を制御するためのシーケンサー回路を制御盤に設ける必要がある。このシーケンサー回路は、ヒーター毎のフィードバック制御回路の他、ヒーター毎のリレーや配線や端子、温度計毎の配線や端子、等が必要である。特に、多数のヒーター及び温度計のために必要な配線等は、制御盤のシーケンサー回路を複雑にさせ、配線の組み付け作業の労力及びコストを増大させ、ひいては熱成形装置のコストを増大させてしまう。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、複数個のヒーターからなるブロックに温度センサーを1個しか配置しない結果、温度センサーに必要な配線が若干減る。しかし、ブロック内の複数のヒーターに対するフィードバック制御が一つに減るため、温度制御の精度が低下してしまう。また、ヒーター毎の配線等や温度センサー毎の配線等を制御盤に設ける必要があるため、制御盤のシーケンサー回路が複雑であり、配線の組み付け作業に多大な労力及びコストがかかる。
【0008】
特許文献2に記載の技術も、ヒーター毎の配線等や温度センサー毎の配線等を制御盤に設ける必要があるため、制御盤のシーケンサー回路が複雑であり、配線の組み付け作業に多大な労力及びコストがかかる。
【0009】
以上を鑑み、本発明は、熱成形装置において加熱部への配線を少なくする目的を有している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、を備える熱成形装置であって、
熱成形を制御する主制御部が第一の場所に設けられるとともに、該第一の場所とは別の第二の場所に前記複数の加熱部の加熱出力を制御するための温調ユニットが設けられ、
前記主制御部は、前記温度検出部毎の温度目標を前記温調ユニットへ出力する温度目標出力手段を備え、
前記温調ユニットは、
前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備える態様を有する。
【0011】
また、本発明は、被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、第一の場所に設けられ熱成形を制御する主制御部、とを備える熱成形装置において前記第一の場所とは別の第二の場所に設けられる温調ユニットであって、
前記主制御部から前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備える態様を有する。
【0012】
すなわち、上記駆動出力部と上記検出温度入力部と上記温度制御手段を備える温調ユニットが主制御部の場所とは別の第二の場所に設けられる。また、温調ユニットには、上記温度目標入力手段が設けられている。これにより、第一の場所に設けられた主制御部は、第二の場所に設けられた温調ユニットへ温度検出部毎の温度目標を出力することにより、加熱部毎に加熱出力を制御する必要が無くなり、加熱部毎に配線を設ける必要が無くなる。
【0013】
ここで、上記熱成形には、圧空成形や真空成形や圧空真空成形といった差圧成形等が含まれる。
上記被加熱物には、熱成形可能な被成形材、熱板、成形型、等が含まれる。なお、加熱された熱板等で被成形材が加熱される場合、加熱部は間接的に被成形材を加熱することになる。
上記加熱部には、ヒーター、バーナー、等が含まれる。また、加熱部は、一つのヒーターのみならず、複数のヒーター等で構成されてもよい。上記駆動出力部から制御対象のヒーターへの出力には、ヒーターへの通電量、ヒーターに加える電圧値、等が含まれる。ヒーターへの通電量には、ヒーターに流す平均電流値が含まれる。上記駆動出力部から加熱部への出力には、アナログ量、デジタル値、等が含まれる。
上記温度検出部には、熱電対温度計、放射温度計、等が含まれる。上記検出温度入力部に入力される検出温度は、アナログ量、デジタル値、等が含まれ、温度値そのものに限定されない。
上記温度目標は、デジタル値、アナログ量、等が含まれ、温度値そのものに限定されない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、加熱部への配線を少なくすることが可能な熱成形装置を提供することができる。
請求項2に係る発明では、加熱部の加熱出力の制御用定数を主制御部から設定することができるので、熱成形の条件等に応じてより好適な加熱制御を行うことが可能となる。
請求項3に係る発明では、主制御部で温度検出部毎の検出温度を視認することができるので、熱成形の温度管理を容易に行うことが可能となる。
請求項4に係る発明では、加熱部への配線を少なくすることが可能な熱成形装置の温調ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】熱成形装置1の外観を例示する斜視図である。
【図2】熱成形装置1を例示する正面図である。
【図3】成形型40が所定の離間位置L13にあるときの熱成形装置1を例示する垂直断面図である。
【図4】成形型40が所定の近接位置L14にあるときの熱成形装置1を例示する垂直断面図である。
【図5】裏側にヒーター79及び温度計69を配置した熱板60を例示する平面図である。
【図6】温調ユニット100の外観を模式的に例示する平面図である。
【図7】熱成形装置1の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。
【図8】成形手段20の動作を例示するタイミングチャートである。
【図9】温度制御ボード120で行われる温度制御処理を例示するフローチャートである。
【図10】情報出力部94に表示される測定値一覧を例示する図である。
【図11】(a)〜(c)はコンピューターシステム90の構成を例示するブロック図である。
【図12】コンピューターシステム90で行われる温調ユニット管理処理を例示するフローチャートである。
【図13】(a),(b)は変形例に係る熱成形装置を模式的に例示する垂直断面図である。
【図14】比較例に係る熱成形装置の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下に説明する実施形態は、本発明を例示するものに過ぎない。
【0017】
(1)熱成形装置の説明:
図1〜7に例示される熱成形装置1は、熱成形可能なシートS1を熱板60で接触加熱した後、該シートS1を成形手段20により成形する。なお、図2において、左から右へ向かう方向が所定の搬送方向D1であり、左側がシートS1の上流側、右側がシートS1の下流側である。
【0018】
図1〜7に例示される熱成形装置1は、被加熱物(熱板60)を加熱するための複数の加熱部(ヒーター79)と、該加熱部(ヒーター79)毎に設けられた温度検出部(温度計69)と、を備える。熱成形を制御する主制御部2は、第一の場所L1に設けられている。該第一の場所L1とは別の第二の場所L2に、複数の加熱部(ヒーター79)の加熱出力(発熱量Q1)を制御するための温調ユニット100が設けられている。
図7に例示されるように、主制御部2は、温度検出部(温度計69)毎の温度目標T1を温調ユニット100へ出力する温度目標出力手段U21を備えている。
【0019】
図6に例示されるように、温調ユニット100は、温度目標入力手段U11、駆動出力部U12、検出温度入力部U13、温度制御手段U14、を備えている。
温度目標入力手段U11は、温度検出部(温度計69)毎の温度目標T1を入力する。駆動出力部U12は、複数の加熱部(ヒーター79)を駆動する。検出温度入力部U13は、加熱部(ヒーター79)毎の温度検出部(温度計69)で検出される検出温度T2を入力する。温度制御手段U14は、加熱部(ヒーター79)毎に、入力対象の温度検出部(温度計69)から検出温度入力部U13へ入力される検出温度T2を前記入力された温度目標T1に近付けるように駆動出力部U12から制御対象の加熱部(79)への出力を制御する。例えば、ヒーター79と温度計69の組合せを番号iで識別することにすると、i番目の温度計69から入力される検出温度T2iを温度計毎の温度目標T1iに近付けるように駆動出力部U12からi番目のヒーター79への平均電流値(通電量)を制御する。
【0020】
以上により、第一の場所L1に設けられた主制御部2は、第二の場所L2に設けられた温調ユニット100へ温度検出部(温度計69)毎の温度目標T1を出力することにより、加熱部(ヒーター79)毎に加熱出力(発熱量Q1)を制御する必要が無くなり、加熱部(ヒーター79)毎に配線を設ける必要が無くなる。
【0021】
図7に例示される主制御部2は、さらに、制御用定数出力手段U22、検出温度表示手段U23、を備える。図6に例示される温調ユニット100は、さらに、制御用定数入力手段U15、検出温度情報出力手段U16、を備える。
【0022】
制御用定数出力手段U22は、加熱出力(発熱量Q1)の制御用定数(P,I,D等)を温調ユニット100へ出力する。制御用定数入力手段U15は、前記制御用定数(P,I,D等)を入力する。温度制御手段U14は、前記入力された制御用定数(P,I,D等)を用いて駆動出力部U12から複数の加熱部(ヒーター79)への出力を制御する。これにより、加熱部(ヒーター79)の加熱出力(発熱量Q1)の制御用定数(P,I,D等)を主制御部2から設定することができ、熱成形の条件等に応じてより好適な加熱制御を行うことが可能となる。
【0023】
検出温度情報出力手段U16は、温度検出部(温度計69)毎の検出温度T2に対応した検出温度情報T3を主制御部2へ出力する。検出温度表示手段U23は、温調ユニット100から入力される温度検出部(温度計69)毎の検出温度情報T3を表示する。これにより、主制御部2で温度検出部(温度計69)毎の検出温度T2を視認することができ、熱成形の温度管理を容易に行うことが可能となる。
【0024】
図1に例示される熱成形装置1は、シート搬送機構10を備える。シート搬送機構10は、所定の成形位置L10を通る所定の搬送方向D1へシート(被成形材)S1を搬送する。成形手段20は、シート搬送機構10によりシートS1が搬送されるときには熱板60と成形型40とを離間させ、シートS1が成形位置L10まで搬送されたときに熱板60と成形型40とを近接させてシートS1を加熱しながら成形面41aの形状に合わせて成形する。
【0025】
成形対象のシートS1は、成形可能であればよく、熱可塑性樹脂等の樹脂のみからなる樹脂シートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。前記樹脂には、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリ塩化ビニル(Poly (vinyl chloride))、ABS樹脂(Acrylonitrile-butadiene-styrene resin)、ポリエチレンテレフタレート(Poly (ethylene terephthalate))、ポリカーボネート(Polycarbonate)、ポリアミド(Polyamide)、アクリル樹脂(Acrylic resin)、これらの組み合わせ、等を利用可能である。シートS1は、シート状ないしフィルム状になっていればよく、ロール状に巻かれていても、所定の長さにカットされていてもよい。シートの厚みは、1〜2mm程度、0.25〜1mm程度、等、様々な厚みとすることが可能であり、0.25mm程度以下のフィルムでもよいし、厚みのあるシートでもよい。
【0026】
シートS1の熱成形は、差圧成形、プレス成形、等により行うことができる。シートの搬送方向D1は、水平方向としてシートが安定して搬送されるようにしているが、水平方向から上方向へずれた方向でも、水平方向から下方向へずれた方向でも、鉛直上方向でも、鉛直下方向でもよい。
成形対象の被成形材は、シート以外にも、塊状の材料等でもよい。
【0027】
図1に示すシート搬送機構10は、シート供給機構12とクランプ搬送機構14を備えている。シート供給機構12は、ロール状に巻かれたシートS1を連続した状態で搬送方向D1へ送り出し可能とされている。クランプ搬送機構14は、成形後のシートS2の両側縁部をクランプ(把持)するクランプ部材14aを有し、成形のタイミングに合わせて成形位置L10にて成形されたシートS2の両側縁部をクランプ部材14aでクランプして間欠的に連続した状態のシートS1を引っ張って搬送方向D1へ搬送する。なお、本熱成形装置1に、成形後のシートS2を所定の長さでカット(切断)して取り出す成形品取出機構を設けてもよい。
【0028】
以上の構成により、熱板60と成形型40とが離間しているとき、ロール状のシートS1は、順次必要量がシート供給機構12から巻き出され、所定の搬送方向D1へ搬送されて、成形位置L10に搬入される。ここで、成形位置L10にあるシートS1は、下面S1bが熱板60の表面61aに接触し、熱板60から熱を供給され、加熱されて軟化する。シートS1が成形位置L10まで搬送されたとき、熱板60と成形型40とが近接して成形位置L10の加熱軟化したシートS1を挟み、該シートS1を差圧成形により成形面41aに密接させる。これにより、シートS1が成形面41aの形状に合わせて成形される。
成形後、熱板60と成形型40とが離間すると、既に成形位置L10から搬送方向D1へ搬出された成形後のシートS2の両側縁部がクランプ位置L11のクランプ部材14aでクランプされ、クランプ搬送機構14がクランプ位置L11から所定の解放位置L12まで水平移動してシートS2をさらに搬送方向D1へ所定量搬送する。すると、既にクランプされていた成形後のシートS2は、例えば、成形品取出機構へ送られ、所定の長さでカットされて、成形品が取り出される。
【0029】
図3〜5等に示す熱板60は、複数の第一の通気孔62を有する表面板61と、該表面板61の裏面61bに接し複数の第一の通気孔62に繋がる熱板側通気経路81が形成された台座65とを備えている。
表面板61の各通気孔62は、表面板61の表面61aから裏面61bへ貫通した貫通穴とされ、熱板の表面61a上で互いに異なるx方向とy方向とへそれぞれ配列されている。各通気孔62は、差圧供給手段25から負圧(いわゆる真空圧)を作用させられたり(空気を吸引されたり)、負圧の供給(減圧)から解放されたり、圧空を供給されたり、圧空の供給を解除されたりする。なお、x方向とy方向とは、互いに直交していると好適であるが、60°以上90°未満、30°以上60°未満、等、90°とは違う角度で互いに交わってもよい。また、シートの搬送方向D1は、x方向のみならず、y方向やx,y両方向からずれた方向とされてもよい。表面板61は、成形型40に対向する表面61aが成形位置L10のシートS1の下面S1bに接触するように配置され、成形位置L10に搬入されたシートS1を加熱して軟化させる。
【0030】
台座65における熱板側通気経路81は、表面65aの溝が複数の第一の通気孔62に繋がり、裏面65b側が間座70の表面70aにおける熱板側通気経路81に繋がっている。台座65の表面65aに表面板61が載置されて固定されている。
なお、表面板61や台座65は、例えば金属製とされ、矩形板形状に形成される。
【0031】
図2〜4に示す成形手段20は、成形型40、差圧供給用通気経路80、差圧供給手段25、等を備える。
【0032】
成形型40は、複数の雌型(交換用型)41と型ベース部材42を有し、表面板61に対向している。各雌型41は、例えば金属製とされ、それぞれ熱板60に対向する成形面41aが形成されて、該成形面に通気孔(第二の通気孔)40bが形成されている。型ベース部材42は、例えば、金属製とされ、略板状に形成されて、下面で複数の雌型41を着脱可能に保持する型保持部位が形成されている。型ベース部材42に形成された型側通気経路82は、下面の溝が複数の第二の通気孔40bに繋がり、上面側が上テーブル45の下面45aにおける型側通気経路82に繋がっている。上テーブル45は、例えば金属製とされ、下面45aに型ベース部材42の上面が取り付けられて固定されている。
【0033】
床に接触した基台9には、搬送されるシートS1と接触しない位置に複数の円柱状の支柱55が上方に向かって立設されている。複数の支柱55は、熱板60を位置決めしながら固定部材51を下から支持し、上テーブル45の近接及び離間の往復動をガイドする。型用テーブル駆動機構50は、上テーブル45における熱板に対向する下面45aとは反対側の上部45bに取り付けられ、成形位置L10で成形型40を保持した上テーブル45をリンク機構52により往復動させる。固定部材51は、例えば金属製とされ、前記立設された支柱55の先端部に固定される。
【0034】
差圧供給用通気経路80は、熱板側差圧供給回路26(差圧供給手段25)からのエアの圧力を伝える熱板側通気経路81と、型側差圧供給回路27(差圧供給手段25)からのエアの圧力を伝える型側通気経路82とを備えている。熱板側差圧供給回路26と型側差圧供給回路27の一方は省略可能であるため、熱板側通気経路81と型側通気経路82の一方は省略可能である。差圧供給用通気経路80は、ウレタンチューブ等の樹脂チューブ、樹脂ホース、樹脂管、金属管、等、継手やバルブに接続可能な耐圧チューブ等の耐圧管、及び、耐圧管に取り付けられる継手とバルブの少なくとも一方との組み合わせ、等で構成することができる。
【0035】
差圧供給手段25は、熱板60に接触したシートS1に対して成形型40側の圧力が熱板60側の圧力よりも低くなる差圧を差圧供給用通気経路80から供給して成形型40に密接させる。例えば、表面板61と成形型40とを近接させ表面板61上のシートの上面S1aと雌型41の外周部とを接触させてシート上面S1aと上方へ凹んだ成形面41aとで閉空間を形成し、熱板側通気経路81を経由して表面板61の通気孔62から圧空を供給するとともに型側通気経路82を経由して成形型の通気孔40bから負圧を供給すると、シートS1が成形面41aに密接して圧空真空成形される。
【0036】
上述した熱板60に熱を供給するヒーターを設置する空間を設けるため、図3等に示すように、台座65の裏面65bから下方に向けて複数の間座70が間隔を空けて立設されて固定され、下テーブル75の表面75aに複数の間座70が載置されて固定されている。間座70の一部には、表面70aから裏面70bへ熱板側通気経路81が貫通している。間座70は、金属、セラミックス、樹脂、等、様々な材質とすることができ、近くにヒーターが配置されることから耐熱性の材質が好ましい。
下テーブル75は、例えば金属製とされ、表面75aに間座70の裏面70bが取り付けられて固定されている。
【0037】
ヒーター79は、図3等に示すように、複数の間座70の間で下テーブル75の表面75aから離間して台座65の裏面65bに取り付けられて固定されている。ヒーター79は、通電されると発熱し、台座65側から熱板60を加熱する。図5の例では、x方向に6個、y方向に5個の計30個のヒーター79が熱板60の下側に並べられていることが示されている。一つの熱板に多数のヒーターを設けているのは、熱板を均一に加熱するためである。
台座65には、表面板61の温度を検出する温度計69がヒーター79毎に設けられている。温度計69には、熱電対温度計等を用いることができる。図5の例では、x方向に6個、y方向に5個の計30個の温度計69が表面板61の下側に並べられていることが示されている。熱板を均一に加熱するため、ヒーター毎に設けた温度計の検出温度が目標温度に一致するように各ヒーターへの通電量がフィードバック制御される。
熱板の加熱温度は、シートの材質や厚み等に応じて設定され、例えばシートが軟化する温度以上溶融する温度未満とすることができる。
【0038】
図1,2等に示すように、温調ユニット100は、主制御部2の第一の場所L1よりもヒーター79に近い第二の場所L2に設けられている。図6に示す温調ユニット100は、金属板といった導電性のグランド板110の上に、温度制御ボード120、通信用のコネクター128、駆動出力部U12、検出温度入力端子群140、等が設けられている。
【0039】
温度制御ボード120は、プリント基板上にマイクロコンピューターや電源入力端子121等を有する配線が形成され、図9に示す温度制御処理を実行する。この温度制御処理の詳細は、後述する。マイクロコンピューターは、内部のバスに、CPU(Central Processing Unit)122、ROM(Read Only Memory)123、RAM(Random Access Memory)124、タイマー回路125、A/D(アナログ/デジタル)変換回路126,通信部127、等が接続されている。温度制御ボード120は、直流電源の直流電圧E2(例えば24V)を電源入力端子121に入力して動作し、温調ユニット100全体の動作を制御する。A/D変換回路126は、検出温度入力端子群140に接続されている。温度制御ボード120は、ヒーター79毎に、入力対象の温度計69から入力される検出温度T2iを温度目標T1iに近付けるように出力対象のリレー134の操作量を決定し、該リレー134へオンオフ信号を出力する。
コネクター128は、上記通信部127に接続され、例えば通信ケーブルを介して主制御部2に接続される。コネクター128には、RS−485といったシリアル通信規格やパラレル通信規格等のコネクターを用いることができる。
【0040】
駆動出力部U12は、電源入力端子132、複数のリレー134、ヒーター出力端子群136、を備え、各ヒーター79を個別に駆動する。
電源入力端子132は、例えば商用のAC200Vといった交流電源の交流電圧E1を入力し、各リレー134の入力端子に交流電圧E1を供給する。
【0041】
リレー134は、ヒーター79毎に設けられ、温度制御ボード120から入力されるオンオフ信号がオンであるときに交流電圧E1をヒーター79へ供給し、該オンオフ信号がオフであるときにヒーター79への交流電圧E1の供給を遮断する。オンオフ信号のオン期間の割合をR1(0≦R1≦1)、オン期間にヒーター79に流れる電流量をIon(A)とすると、ヒーター79に流れる平均電流値は、概略、R1×Ionとなる。リレー134には、SSR(ソリッドステートリレー)等を用いることができる。
ヒーター出力端子群136は、ヒーター79毎にヒーター出力端子137を有し、ヒーター79の電力線(配線79a)に接続される。各ヒーター出力端子137は、対応するリレー134の出力部から入力される交流電圧E1をヒーター79へ供給する。
【0042】
検出温度入力端子群140は、温度計69毎に検出温度入力端子141を有し、温度計69への配線69aに接続される。各検出温度入力端子141は、対応する温度計69から検出温度に対応した電圧を入力し、この電圧を温度制御ボード120へ出力する。
なお、図6に示す温調ユニット100は、リレー134とヒーター出力端子137と検出温度入力端子141の組合せを16組有している。図5に示すようにヒーター79と温度計69の組合せが30組ある場合、本温調ユニット100を二つ用意すれば全てのヒーター79を個別に加熱制御することができる。
【0043】
上述した温調ユニット100を備える熱成形装置1の動作は、例えば、図7に示すコンピューターシステム90で制御される。コンピューターシステム90には、温調ユニット100、シート搬送機構10、成形手段20を構成する成形機構21、等が電気的に接続されている。コンピューターシステム90は、システム全体の動作を制御する中央制御回路91、例えばシリアル通信規格の通信ケーブルを介して温調ユニットのコネクター128に接続した通信部92、シート搬送機構10の動作を制御するシート搬送制御部93a、成形機構21の動作を制御する成形制御部93b、情報出力部94、操作部95、等を備えている。
【0044】
中央制御回路91は、内部のバスに、CPU91a、ROM91b、RAM91c、タイマー回路91d、不揮発性メモリー91e、等が接続された回路とされている。情報出力部94は、例えばディスプレイや音声出力器やプリンターで構成され、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や熱成形装置1の運転状況を表す各種情報を表示等により出力する。図10には、情報出力部94に表示される測定値一覧を例示している。操作部95は、例えば複数のボタンで構成され、利用者から操作入力を受け付ける。
ここで、コンピューターシステム90は、成形手段20の一部を構成する。通信部92を備えたコンピューターシステム90は、温度目標出力手段U21及び制御用定数出力手段U22を構成する。情報出力部94を備えたコンピューターシステム90は、検出温度表示手段U23を構成する。
【0045】
なお、コンピューターシステム90は、様々な構成とすることができる。
図11(a)に例示するコンピューターシステム90は、パーソナルコンピューター90aと、このパーソナルコンピューター90aに例えばLAN(Local Area Network)により接続され温調ユニット100を接続したタッチパネル90bと、このタッチパネル90bに接続されシート搬送機構10及び成形機構21を接続したシーケンサー90cとを備えている。例えば、タッチパネル90bは、液晶ディスプレイ上に表示されるソフトスイッチやランプ等への操作を受け付けて該操作に対応する操作信号をシーケンサー90cへ出力する。シーケンサー90cは、タッチパネル90bからの操作信号に応じてシート搬送機構10及び成形機構21の動作を制御する。
【0046】
図11(b)に例示するコンピューターシステム90は、図11(a)に示したタッチパネル90bの機能もパーソナルコンピューター90aに設けている。
図11(c)に例示するコンピューターシステム90は、全ての機能を制御盤90dに設けている。操作パネル90eは、例えば、液晶ディスプレイ上に表示されるソフトスイッチやランプ等への操作を受け付ける。
【0047】
図8のタイミングチャートに例示されるように、コンピューターシステム90は、初期状態において、クランプ部材14aのシートクランプをオフにしてシートS2のクランプを解除させた状態にし、クランプ搬送機構14を上流側の所定のクランプ位置L11にさせ、成形型40を所定の離間位置L13にさせ、熱板側差圧供給回路26及び型側差圧供給回路27からの負圧又は圧空の供給を解除している状態にしている。この状態で、コンピューターシステム90は、クランプ部材14aのシートクランプをオンにしてシートS2の両側縁部をクランプ搬送機構14にクランプさせる(タイミングt1)。タイミングt2〜t3では、クランプ搬送機構14をクランプ位置L11から下流側の所定の解放位置L12まで移動させる。すると、シートS1,S2が所定量搬送方向D1へ搬送され、成形されていないシートS1が成形位置L10に搬入される。タイミングt4では、クランプ部材14aのシートクランプをオフにしてシートS2のクランプを解除させた状態にする。なお、タイミングt2に戻るまでに、所定のタイミングでクランプ搬送機構14を解放位置L12から上流側のクランプ位置L11まで移動させるようにしている。
【0048】
タイミングt5では、熱板側差圧供給回路26から熱板の通気孔62へ負圧を作用させ、成形位置L10のシートS1を表面板61に密接させて加熱軟化させる。タイミングt6〜t7では、図4に示すように、型用テーブル駆動機構50により上テーブル45を下降させ、成形型40を所定の近接位置L14にさせて、熱板60と成形型40とを近接させる。タイミングt8〜t9では、熱板側差圧供給回路26から熱板の通気孔62へ圧空を供給するとともに型側差圧供給回路27から成形型の通気孔40bに負圧を作用させ、加熱軟化状態のシートS1を凹状の成形面41aに密接させる。雌型41の温度は表面板61よりも低いため、成形面41aに密接したシートが冷却され、固化する。これにより、シートが圧空真空成形され、カット前の成形品が形成される。
なお、熱板側差圧供給回路26が無い場合、タイミングt5で型側差圧供給回路27から成形型の通気孔40bに圧空を供給し、タイミングt8〜t9で型側差圧供給回路27から成形型の通気孔40bに負圧を作用させると、シートを真空成形することができる。型側差圧供給回路27が無い場合、タイミングt8〜t9で熱板側差圧供給回路26から熱板の通気孔62へ圧空を供給すると、シートを圧空成形することができる。
【0049】
タイミングt9で熱板の通気孔62への圧空の供給を解除し成形型の通気孔40bへの負圧の供給を解除すると、タイミングt10〜t11では、型用テーブル駆動機構50により上テーブル45を上昇させ、成形型40を図3に示す所定の離間位置L13にさせて、熱板60と成形型40とを離間させる。
以上で1サイクルが終了し、以下、タイミングt1〜t11を繰り返すことにより、シートから熱板を用いた差圧成形を連続して行うことができる。なお、上述した動作の各タイミングの順番は、適宜、変更可能である。
【0050】
(2)温調ユニットの動作、作用、及び、効果:
主制御部2は、例えば、電源が供給されると、温調ユニット100へ直流電圧E2の供給を開始したうえ、図12に示す温調ユニット管理処理を開始する。この処理は、中央制御回路91が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、ステップS202〜S204は温度目標出力手段U21及び制御用定数出力手段U22に対応し、ステップS206〜S208は検出温度表示手段U23に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
【0051】
温調ユニット管理処理が開始すると、主制御部2は、各種設定値の操作入力を操作部95から受け付ける(S202)。設定値には、温度計69毎の温度目標T1i、制御用定数、等が含まれる。例えば、温度目標T1iが全て160℃であれば、オペレーターは、全ての温度計69に対して160℃を操作入力すればよい。フィードバック加熱制御の一種であるPID制御(proportional plus integral plus derivative control)を行う場合、制御用定数には、P(比例ゲイン)とI(積分時間)とD(微分時間)の各定数が含まれる。加熱制御にフィードフォワード加熱制御が含まれる場合、制御用定数には、フィードフォワード制御の設定値FFが含まれる。これらの他、制御用定数には、温度目標T1iまでの応答速度、各リレー134へのオンオフ信号のオン割合R1の最大値、等が含まれてもよい。むろん、P,I,Dの各定数は制御用定数に必須ではなく、検出温度<温度目標(又は検出温度≦温度目標)のためのオン割合Rlowと検出温度≧温度目標(又は検出温度>温度目標)のためのオン割合Rhigh(0≦Rhigh<Rlow≦1)を制御用定数に設定する等、加熱制御の種類に応じて様々な定数を制御用定数に設定すればよい。
S204では、受け付けた設定値をその出力要求とともに通信部92から温調ユニット100へ出力する。
【0052】
温調ユニットの温度制御ボード120は、例えば、主制御部2から電源入力端子121への直流電圧E2の供給が開始されると、図9に示す温度制御処理を開始する。この処理は、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、S102〜S104は温度目標入力手段U11及び制御用定数入力手段U15に対応し、S108〜S110は温度制御手段U14に対応し、S112は検出温度情報出力手段U16に対応している。
温度制御処理が開始すると、温度制御ボード120は、主制御部2から設定値の入力要求があるか否かを判断する(S102)。設定値の入力要求がある場合、温度制御ボード120は、コネクター128を介して温度計69毎の温度目標T1iや制御用定数といった設定値を入力し、RAM124に格納する(S104)。
【0053】
S106では、A/D変換回路126を介して温度計69毎に検出温度入力端子141から検出温度T2iを読み込み、検出温度T2iに対応した検出温度情報T3iを取得する。検出温度情報T3iは、例えば、アナログ電圧の検出温度T2iに対応した所定ビット数(例えば16ビット)の数値とすることができる。
【0054】
S108では、ヒーター79毎、すなわち、リレー134毎に操作量(オン割合R1i)を決定する。操作量(R1i)は、温度制御ボード120の出力量であり、温度計69の温度を制御するためにリレー134に加えられる。i番目のリレー134の操作量(R1i)は、RAM124に格納されている制御用定数(P,I,D等)を用いて、入力対象の温度計69から入力される検出温度T2iを温度目標T1iに一致させるように決定する。これにより、各ヒーター79の平均電流値(通電量)が決定される。
【0055】
例えば、フィードバック加熱制御の場合、電源投入直後など、検出温度情報T3iが温度目標T1iの近辺(例えばT1i−T3iが正の所定値TH1以下)に到達していなければ、P(比例ゲイン)を用いて温度目標T1iと検出温度T2iとの差に応じたオン割合R1iを決定すればよい。検出温度情報T3iが温度目標T1iの近辺に到達した後であれば、検出温度情報T3iの変化を少なくするようにD(微分時間)を用いるとともに温度目標T1iと検出温度T2iとの差を少なくするようにI(積分時間)を用いてオン割合R1iを決定すればよい。簡易なフィードバック加熱制御を行う場合、T3i<T1i(又はT3i≦T1i)の場合にi番目におけるリレー134へのオンオフ信号のオン割合R1iを検出温度<温度目標(又は検出温度≦温度目標)のためのオン割合Rlowに大きくしてヒーター79の平均電流値を大きくし、T3i≧T1i(又はT3i>T1i)の場合にi番目におけるリレー134へのオンオフ信号のオン割合R1iを検出温度≧温度目標(又は検出温度>温度目標)のためのオン割合Rhighに小さくしてヒーター79の平均電流値を大きくしてもよい。
【0056】
S110では、決定されたオン割合R1iのオンオフ信号を各リレー134へ出力することにより、各リレー134を制御する。i番目のリレー134は、オン割合R1iに応じたオンオフ信号を入力すると、オンオフ信号がオンであるときに交流電圧E1をi番目のヒーター79へ供給し、オンオフ信号がオフであるときにi番目のヒーター79への交流電圧E1の供給を遮断する。i番目のヒーター79は、オン割合R1iに応じた平均電流値の電流により発熱量Q1i(単位は例えばcal)が制御される。この発熱量Q1iは、i番目のヒーター79の加熱出力である。
以上により、ヒーター79毎に、入力対象の温度計69から入力される検出温度T2が温度目標T1に近付くように駆動出力部U12から制御対象のヒーター79への出力が制御される。
【0057】
S112では、温度計69毎の検出温度情報T3iといった測定情報をその出力要求とともに通信部127から主制御部2へ出力する。測定情報には、検出温度情報T3の他、各ヒーター79の平均電流値、警報、等が含まれてもよい。各ヒーター79の平均電流値は、オンオフ信号のオン割合R1iから求められる電流値でもよいし、ヒーター79毎に設けた電流計で検出される電流値でもよい。警報には、検出温度が上限値を超えた旨の警報、ヒーターの平均電流値が上限を超えた旨の警報、等が含まれる。
【0058】
主制御部2は、図12のS206において、温調ユニット100から測定情報の入力要求があるか否かを判断する。測定情報の入力要求がある場合、主制御部2は、コネクター128を介して温度計69毎の検出温度情報T3iといった測定情報を入力し、情報出力部94に出力する(S208)。図10には、測定情報として温度計69毎の検出温度情報T3とヒーター79毎の平均電流値とを一覧表示した情報出力部94を例示している。
【0059】
主制御部2は、S210において、温調ユニット管理処理を終了するか否かを判断する。熱成形品の製造を継続するなど処理を終了しない場合、S206〜S210の処理を繰り返し、更新される測定情報を表示する。熱成形品の製造を終了する等の場合、温調ユニット管理処理を終了する。
温度制御ボード120も、S114において、温度制御処理を終了するか否かを判断する。熱成形品の製造を継続するなど処理を終了しない場合、S106〜S114の処理を繰り返し、各ヒーター79の発熱量Q1iの制御及び測定情報の出力を継続する。主制御部2から温度制御処理の終了指示を入力した等の場合、温度制御処理を終了する。
【0060】
図14は、比較例に係る熱成形装置の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。この熱成形装置のコンピューターシステム900は、中央制御回路901、シート搬送制御部941、成形制御部942、情報出力部943、操作部944、の他、検出温度入力部910と駆動出力部920と温度制御部930が必要である。検出温度入力部910には、多数の検出温度入力端子913からなる検出温度入力端子群912が必要である。駆動出力部920には、多数のリレー924や、多数のヒーター出力端子923からなるヒーター出力端子群922が必要である。温度制御部930は、ヒーター79毎に、温度計69から検出温度入力部910へ入力される検出温度を温度目標に一致させるように駆動出力部920からヒーター79への通電量を制御する。コンピューターシステム900は、温度計69やヒーター79の設置箇所から遠い場所にあるため、多数の温度計69やヒーター79への長い配線69a,79aが必要となる。また、多数の温度計69やヒーター79のために必要な配線や端子等は、コンピューターシステム900の電気回路を複雑にさせ、配線等の組み付け作業の労力及びコストを増大させ、ひいては熱成形装置のコストを増大させてしまう。
【0061】
図7に例示する熱成形装置は、駆動出力部U12と検出温度入力部U13と温度制御手段U14を備える温調ユニット100が主制御部2の場所L1とは別の第二の場所L2に設けられている。特に、温調ユニットの場所L2は、主制御部の場所L1よりもヒーター79に近い場所となっている。従って、多数の温度計69やヒーター79への配線69a,79aは、比較例よりも短くて済む。第一の場所L1に設けられた主制御部2は、第二の場所L2に設けられた温調ユニット100へ温度計69毎の温度目標T1を出力することにより、ヒーター79毎に発熱量Q1を制御する必要が無くなり、ヒーター79毎に配線を設ける必要が無くなる。
以上説明したように、本技術は、加熱部や温度検出部への配線を少なくすることが可能となる。
【0062】
(3)変形例:
上記成形手段では、シートの上面側に熱板を配置し、シートの下面側に型を配置してもよい。シートを鉛直方向に搬送する場合には、熱板と型とを同じ高さに配置してもよい。
上記シートの一面側に配置される熱板は、該シートの一面に接触しても、接触せず該シートの一面に対面配置されてもよい。なお、シートを加熱する際には、接触加熱する以外にも、輻射加熱や、接触加熱と輻射加熱の併用によりシートを加熱してもよい。上記シートの他面側に配置される型は、該シートの他面に接触しても、接触せず該シートの他面に対面配置されてもよい。
上記熱板と上記型とを近接及び離間させる際には、熱板のみ移動させても、熱板と型の両方を移動させてもよい。また、熱板と型との近接及び離間の際、シートの位置を変えないのみならず、シートを型の方向へ移動させたり、シートを熱板の方向へ移動させたりしてもよい。
型用テーブルを熱板に対して近接及び離間させる機構は、各種クランク機構、エアシリンダや油圧シリンダのようなシリンダを用いた機構、等でもよい。
上記熱板は、上記表面板と上記台座とが一体化された単一部材でもよい。
【0063】
上記被加熱物は、熱板の他、被成形材、成形型、等でもよい。
上記加熱部は、熱風を供給する機構、ガス等の燃料を燃焼させる機構、等でもよい。
上記温度検出部は、放射温度計、抵抗温度センサー、等でもよい。
上記温度検出部の測定場所は、熱板の他、被成形材、成形型、等でもよく、加熱部により直接加熱される被加熱物そのものでもよいし、被加熱物により加熱される物など加熱部により間接的に加熱される物などでもよい。
上記ヒーターの配線79aとヒーター出力端子137とは、分離不能に固定されてもよい。上記ヒーター出力端子に例示される出力部は、温調ユニットに設けられる単なる配線等でもよい。
上記温度計の配線69aと検出温度入力端子141とは、分離不能に固定されてもよい。上記検出温度入力端子に例示される検出温度入力部は、温調ユニットに設けられる単なる配線等でもよい。
【0064】
図13(a)は、加熱装置210と成形装置220を備えた変形例の熱成形装置を模式的に例示する垂直断面図である。本加熱装置210は、上下にヒーター79及び放射温度計(69)の組合せを複数備えている。連続シート(S1)は、搬送方向D1へ搬送されて加熱装置210に搬入されると、加熱されて軟化する。軟化したシートS1がさらに搬送方向D1へ搬送されて成形装置220に搬入されると、成形型40により熱成形品が形成される。温調ユニット100は、上側のヒーター79に近い場所と下側のヒーター79に近い場所、すなわち、主制御部よりもヒーター79に近い加熱装置210に設置されている。このように、主制御部とは別の場所に温調ユニット100を設置すると、ヒーター79や温度計69への配線を少なくする効果が得られる。
【0065】
図13(b)は、互いに対向する成形型40とクランプ44とでカットシート(S1)を挟持する変形例の熱成形装置を模式的に例示する垂直断面図である。複数のヒーター79は成形型40に設けられ、ヒーター79毎の放射温度計(69)がクランプ44側に設けられている。各温度計69は、シートS1の表面温度を検出する。温調ユニット100は、ヒーター79に近い成形装置、すなわち、主制御部よりもヒーター79に近い場所に設置されている。このように、主制御部とは別の場所に温調ユニット100を設置すると、ヒーター79や温度計69への配線を少なくする効果が得られる。
【0066】
なお、温調ユニット100の基本部分U11,U12,U13,U14のみでも、加熱部への配線を少なくする効果が得られる。
すなわち、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0067】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、有用な温調ユニットの技術等を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能であり、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能である。従って、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…熱成形装置、2…主制御部、20…成形手段、
60…熱板、61…表面板、65…台座、
69…温度計(温度検出部)、69a…配線、
70…間座、75…下テーブル、
79…ヒーター(加熱部)、79a…配線、
90…コンピューターシステム、
100…温調ユニット、110…グランド板、
120…温度制御ボード、121…電源入力端子、
128…コネクター、
132…電源入力端子、134…リレー、
136…ヒーター出力端子群、137…ヒーター出力端子、
140…検出温度入力端子群、141…検出温度入力端子、
L1…第一の場所、L2…第二の場所、
S1…シート(被成形材)、S2…成形後のシート、
U11…温度目標入力手段、U12…駆動出力部、U13…検出温度入力部、
U14…温度制御手段、U15…制御用定数入力手段、U16…検出温度情報出力手段、
U21…温度目標出力手段、U22…制御用定数出力手段、U23…検出温度表示手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、を備える熱成形装置であって、
熱成形を制御する主制御部が第一の場所に設けられるとともに、該第一の場所とは別の第二の場所に前記複数の加熱部の加熱出力を制御するための温調ユニットが設けられ、
前記主制御部は、前記温度検出部毎の温度目標を前記温調ユニットへ出力する温度目標出力手段を備え、
前記温調ユニットは、
前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備えることを特徴とする熱成形装置。
【請求項2】
前記主制御部は、前記加熱出力の制御用定数を前記温調ユニットへ出力する制御用定数出力手段を備え、
前記温調ユニットは、前記制御用定数を入力する制御用定数入力手段を備え、
前記温度制御手段は、前記入力された制御用定数を用いて前記駆動出力部から前記複数の加熱部への出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の熱成形装置。
【請求項3】
前記温調ユニットは、前記温度検出部毎の検出温度に対応した検出温度情報を前記主制御部へ出力するための検出温度情報出力手段を備え、
前記主制御部は、前記温調ユニットから入力される温度検出部毎の検出温度情報を表示する検出温度表示手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱成形装置。
【請求項4】
被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、第一の場所に設けられ熱成形を制御する主制御部、とを備える熱成形装置において前記第一の場所とは別の第二の場所に設けられる温調ユニットであって、
前記主制御部から前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備えることを特徴とする温調ユニット。
【請求項1】
被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、を備える熱成形装置であって、
熱成形を制御する主制御部が第一の場所に設けられるとともに、該第一の場所とは別の第二の場所に前記複数の加熱部の加熱出力を制御するための温調ユニットが設けられ、
前記主制御部は、前記温度検出部毎の温度目標を前記温調ユニットへ出力する温度目標出力手段を備え、
前記温調ユニットは、
前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備えることを特徴とする熱成形装置。
【請求項2】
前記主制御部は、前記加熱出力の制御用定数を前記温調ユニットへ出力する制御用定数出力手段を備え、
前記温調ユニットは、前記制御用定数を入力する制御用定数入力手段を備え、
前記温度制御手段は、前記入力された制御用定数を用いて前記駆動出力部から前記複数の加熱部への出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の熱成形装置。
【請求項3】
前記温調ユニットは、前記温度検出部毎の検出温度に対応した検出温度情報を前記主制御部へ出力するための検出温度情報出力手段を備え、
前記主制御部は、前記温調ユニットから入力される温度検出部毎の検出温度情報を表示する検出温度表示手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱成形装置。
【請求項4】
被加熱物を加熱するための複数の加熱部と、該加熱部毎に設けられた温度検出部と、第一の場所に設けられ熱成形を制御する主制御部、とを備える熱成形装置において前記第一の場所とは別の第二の場所に設けられる温調ユニットであって、
前記主制御部から前記温度検出部毎の温度目標を入力する温度目標入力手段と、
前記複数の加熱部を駆動する駆動出力部と、
前記加熱部毎の温度検出部で検出される検出温度を入力するための検出温度入力部と、
前記加熱部毎に、入力対象の温度検出部から前記検出温度入力部へ入力される検出温度を前記入力された温度目標に近付けるように前記駆動出力部から制御対象の加熱部への出力を制御する温度制御手段とを備えることを特徴とする温調ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−35131(P2013−35131A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170354(P2011−170354)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(304050369)株式会社浅野研究所 (44)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(304050369)株式会社浅野研究所 (44)
【Fターム(参考)】
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