説明

熱流体機器の運転条件算出装置、熱流体機器の運転条件算出方法およびコンピュータプログラム

【目的】 所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件算出装置を提供する。
【構成】 熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手順と、基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手順と、受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手順と、予め記憶している疲労強度データと実際の起動停止回数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手順と、その許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手順とを備えた熱流体機器の運転条件算出方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱応力が繰り返される流体機器に関して、これまでよりも適切な起動条件を探る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発電機器、化学プラントなどの多くの産業用機器において、水蒸気などの熱流体を扱うことは非常に多い。熱流体を扱う機器においては、運転停止状態から起動させて安定運転をさせたり、安定運転から運転を停止させるといったことは繰り返し行われる。運転状態の変化が繰り返されるということは、非定常な熱応力が繰り返し発生することとなり、その結果、当該機器に対して疲労破損を考慮しなければならないこととなる。
【0003】
このような問題に対して、疲労破損防止のための設計や、既に設計済みまたは運用されている機器に対する熱応力の耐久性評価などの技術が提供されている。
さて、たとえば、ファンヒータ、ボイラなどの複数の機器を組み合わせて形成される熱流体機器システムの場合、個々の機器に対する耐久性評価を組み合わせて評価するには、複数の評価プログラムを組み合わせる必要があった。そこで、その煩雑さや評価運用の規模増大に関して、特許文献1のような技術が提供されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−187768号公報
【0005】
この特許文献1に開示されている特開平10−187768号では、個々の運転条件から個々の部材ごとの熱応力を求めて疲労寿命を評価するという技術が開示されている。この技術によれば、複数の機器から構成されるシステムであっても、個々の機器に対する耐久性評価を可能とし、且つ一部の機能のみの利用も可能とした。
【0006】
ところで、従来、火力発電の中で汽力発電が主力であったが、近年、発電設備の運転状況が変化している。すなわち、原子力発電およびガスタービンなどを用いた複合火力発電が主力となり、汽力発電は、電力需要のピークにあわせて補助的に運転するようになってきている。したがって、汽力発電設備に用いられる流体機器はより頻繁に繰り返し応力を受けることとなっている。
【0007】
さて、熱応力を小さくするには時間を掛けて緩やかに温度変化をさせればよいのであるが、定常運転に至るまで、あるいは停止させるまでの時間が長すぎては、エネルギーの無駄が多く、運転コストも多く掛かることになる。
一般的には、運転条件を想定し、個々の部材ごとに熱応力を求め、疲労寿命を評価し、それが設計段階で想定する繰り返し数を上回るようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
流体機器の設計段階では、一般的には運転条件を想定し、個々の部材ごとに熱応力を求め、疲労寿命を評価し、それが設計段階で想定する繰り返し数を上回るようにして設計する。
【0009】
一方、流体機器の実際の起動停止回数は、設計段階で想定した回数よりも少ない事が多い。
しかし、この実際の起動停止回数に対して、どのような運転条件が合理的であるのかを算出する手段がなかった。結果として、流体機器の利用効率が高められなかった。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、熱流体機器に関する実際の起動停止回数に則した合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な技術を提供することにある。
請求項1から請求項3に記載の発明の目的は、所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件算出装置を提供することにある。
また、請求項4に記載の発明の目的は、所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件算出方法を提供することにある。
また、請求項5に記載の発明の目的は、所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件を算出できるコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、複数のパラメータのうち、いくつかを無次元化することで、熱流体機器の材質や大きさなどを考慮せずに統一的に評価する手法を案出したものである。
【0012】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、 熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手段と、 基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手段と、 その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手段と、 予め記憶している疲労強度データと実際の起動停止回数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手段と、その許容熱応力算出手段が算出した許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手段とを備えた熱流体機器の運転条件算出装置に係る。
【0013】
(用語説明)
「基本モデル」とは、流体機器についての形状をいくつかにパターン化したものであり、例えば、熱流体機器が蒸気タービンロータであれば、円柱型モデル、段付き円柱モデルなどがある。
「基礎データ」とは、基本モデルに関する代表寸法や材質に関するデータ(あるいは物性値)、熱流体機器の運転条件である初期温度および最終温度などである。
【0014】
無次元化応力解析手段とは、基本モデルの寸法などの長さ、時間、および温度について無次元化することによって、熱伝達率を無次元化したビオ数をパラメータとして無次元化応力を求めることである。例えば、同一形状で同一面に一定の熱伝達率を受ける物体の温度分布及びその時間変化は、長さ、時間、温度、熱伝達率を無次元化することにより、統一的に評価できる。
【0015】
無次元化応力解析手段を介して、熱伝達を受ける物体の非定常温度変化を、事前に求めておいた無次元解析解から、容易に評価することができる。熱応力の統一的な評価を用いて前もってシステムを構築し、実機の起動時の熱応力を容易に評価する事が可能である。
【0016】
「許容熱応力算出手段」とは、疲労強度データと実際の起動停止回数から許容される熱応力を算出する手段である。
「熱伝達条件決定手段」とは、 算出された許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する手段である。「熱伝達条件」とは、例えば、初期温度から最終温度までを、何段階でどのくらいの時間を掛けて上昇させるかという条件である。
【0017】
(作用)
本発明に係る装置の作用を、操作者による操作手順とともに説明する。
まず、熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを基本モデル記憶手段が予め記憶している。 一方、操作者の入力操作によって基礎データが入力され、基礎データ受信手段が基本モデルに関する基礎データの入力を受信する。 その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて、無次元化応力解析手段が所定の無次元化応力解析を行う。 予め記憶している疲労強度データと実際の起動停止回数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手段が許容熱応力とビオ数を決定する。その許容熱応力算出手段が算出した許容熱応力とビオ数を用いて、熱伝達条件決定手段が熱伝達条件を決定する。
【0018】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の熱流体機器の運転条件算出装置を限定したものである。すなわち、前記の熱伝達条件決定手段が算出した熱伝達条件に対して起動ステップ数を入力する回数入力手段と、 その回数入力手段に入力された起動ステップ数に基づいて起動パターンを算出する起動パターン算出手段と、 その起動パターン算出手段が算出した起動パターンを出力する出力手段とを備えた熱流体機器の運転条件算出装置に係る。
【0019】
(用語説明)
「起動ステップ数」とは、初期温度から最終温度までを所定時間内に何段階で上昇させるかについての段階数である。
「起動パターン」とは、前記の起動ステップ数の各ステップにおける温度変化幅とステップ継続時間である。蒸気の温度と蒸気の圧力との関係でもよい。
【0020】
(作用)
前記の熱伝達条件決定手段が算出した熱伝達条件に対して、操作者は、起動ステップ数入力手段を用いて起動ステップ数を入力する。その起動ステップ数入力手段に入力された起動ステップ数に基づいて、起動パターン算出手段が起動パターンを算出する。算出された起動パターンは出力手段が出力する。
操作者は、出力手段が出力した起動パターンを検証し、採択するか、再度計算させるか、などの意志決定に役立たせることができる。
【0021】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱流体機器の運転条件算出装置を限定したものである。
すなわち、基本モデル記憶手段には、複数の基本モデルに関するモデルデータを記憶しており、 基礎データ受信手段は、複数の基本モデルから選択された一のモデルと、そのモデルに関する基礎データとを受信することとした熱流体機器制御装置に係る。
【0022】
(作用)
本願請求項に係る発明によれば、複数の基本モデルのうちのどれかに該当すれば、当該熱流体機器の運転条件を算出することができる。
【0023】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手順と、 基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手順と、その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手順と、 予め記憶している疲労強度データと実際の起動ステップ数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手順と、その許容熱応力算出手順にて算出された許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手順とを備えた熱流体機器の運転条件算出方法に係る。
【0024】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、熱流体機器の運転条件算出プログラムに係る。
そのプログラムは、熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手順と、 基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手順と、その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手順と、 予め記憶している疲労強度データと実際の起動ステップ数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手順と、その許容熱応力算出手段が算出した許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手順とを備えた熱流体機器の運転条件を算出するためのコンピュータに実現させることとしたコンピュータプログラムである。
【0025】
上記のコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−R、MO(光磁気ディスク)、DVD−Rなどである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、熱流体機器の利用効率を高めるための演算を簡易化することができた。
請求項1から請求項3に記載の発明によれば、所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件算出装置を提供することができた。
また、請求項4に記載の発明によれば、所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件算出方法を提供することができた。
また、請求項5に記載の発明によれば、所定の熱流体機器に関する合理的な運転条件を熱疲労から算出可能な熱流体機器の運転条件を算出できるコンピュータプログラムを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に係る熱流体機器の運転条件算出技術に関する実施の形態について、添付図面を参照させながら説明する。ここで使用する図面は、図1ないし図5である。
【0028】
まず、例として軸対称体である蒸気タービンロータに関する熱伝導を解析する。なお、以下において、

熱拡散率 m2/s
λ 熱伝導率 W/m/k
ρ 密度 kg/m3
c 比熱 J/kg/k
h 熱伝達率 W/m2/k
蒸気温度 ℃
Ts ロータ表面温度 ℃
t 時間 sec
とする。
【0029】
熱伝導の基礎式は、

(a)
【0030】
蒸気タービンロータの表面の熱伝達境界条件(q)は、表面外向き法線方向をnとして、

(b)
【0031】
なお、初期条件は、時間 t=0 におけるロータ温度を一様温度であるので、

(c)
【0032】
上述した基本式について、続いて、半径方向については中央差分、時間軸は前進差分による差分近似によって解析すると熱伝導式は、

(d)
【0033】
また、境界条件は、

(e)
【0034】
上述の式を無次元化するため、次式の変数変換を行う。
まず、ロータの半径方向を無次元化する。

ここで、Rは、蒸気タービンロータの半径(本モデルの代表寸法)
【0035】
時間を無次元化するために、Fourier数を用いる。

【0036】
更に、熱伝達率を無次元化する。

【0037】
また、温度を無次元化する。

【0038】
以上のことから、

(f)
【0039】
熱伝達境界は、

(g)
【0040】
初期条件は、
θ(0)=1 (h)
によって、それぞれ無次元表示される。
【0041】
以上のことから、以下のことが判明する。
すなわち、同一形状で同一面に一定の熱伝達率を受ける物体の温度分布及びその時間変化は、長さ、時間、温度、熱伝達率を無次元化する事により、 統一的に評価できる。
また、熱伝達を受ける物体の非定常温度変化を、事前に求めておいた解析解から、容易に評価することができる。
【0042】
さて、まず、
E ヤング率
ν ポアソン比
α 線膨脹係数
とする。
【0043】
ロータの熱応力は、解析的に次式で与えられる。

(i)

(j)

(k)
【0044】
これらの式の右辺第1項は平均温度に関わる項であり、応力は平均温度と評価点での温度の差により与えられることが分かる。
【0045】
一方、境界条件および初期条件に対しては、前述の式(f),(g),(h)から

(l)
とおくことによって、無次元解を得る。
【0046】
起動条件は、疲労寿命の観点から決められる。すなわち、起動時の熱応力から疲労損傷を求め、供用期間中に想定される実際の起動停止回数に対して、疲労損傷の総和が1以下となるようにする。
起動条件は、温度および熱伝達率がステップ状に変化する場合を想定する。
【0047】
まず、対象とする機器の大きさ、材料特性、温度変化を正規化した基本モデルを作成する。以上のような前提に対し、代表的なモデルに関するデータを蓄積しておく。この例では、蒸気タービンロータを「円柱モデル」として捉える。一方、この蒸気タービンロータに関する材質(例えば12クロム鋼)が把握できれば、図7、図8のようなデータは、別途把握できる。操作者は、これを見ながら「予想運転回数」を入力することもできる。
【0048】
一方、その基本モデルについて、正規化した熱伝達率(ビオ数)を系統的に変化させた解析を行い、無次元化応力及びその時間変化を求めたので、図1に示すように、無次元応力とBiot数(ビオ数)との関係を得る。
続いて、図2に示すように、無次元時間と無次元応力との関係を得る。
【0049】
続いて、実際の起動停止回数を決める。その実際の起動停止回数に対する許容熱応力を、材料の疲労強度から求める。実機に関する条件としては、運転条件である初期温度(例えば摂氏20度)および最終温度(例えば摂氏500度)とする。
続いて、実機の起動条件を代表的な幾つかのパターンに区分する。そして、区分した各起動パターンについて、求めた許容熱応力とビオ数と無次元熱応力の解析結果から、許容熱伝達率を算定する。
【0050】
図3は、1ステップから5ステップに対する、熱伝達率および継続時間を示している。
1ステップでは熱伝達率が低すぎる(最終温度へ達するのに時間が掛かりすぎる)ので実用にならないが、2ステップ以上であれば大差がないことを示している。運転制御は、回数が小さいほど良いので、この結果からは、2ステップと決定することとなる。
なお、起動ステップ数が複数の場合、各ステップでの温度変化を等間隔にする必要はない。より合理的な起動方法(例えば比例配分)はあり得るが、ここでは言及しない。
【0051】
図4は、0.3m円柱における多段の熱負荷による外表面温度変化を示している。
図5は、0.3m円柱における多段の熱負荷による平均温度を示し、図6は、0.3m円柱における多段の熱負荷による熱応力を示す。図3から図6は別途詳細な数値解析を行ったものであり、本発明により得られた図3に示した起動条件が妥当なものである事を示したものである。
【0052】
(図9)
図9を用いて、本システムの構成と本システムを操作する操作者による操作に関する補足説明をする。
予め基本モデルに関するデータを格納している基本モデル記憶手段から、モデル選択出力手段が操作者に対してモデル選択を促す。操作者は、選択モデルを入力するとともに、そのモデルの材質や代表寸法を入力し、目標温度差または初期温度および最終温度を入力する。
【0053】
入力されたデータを用いて、無次元化応力解析手段が無次元応力などを算出する(図1,図2)。モデルの材質から特定された疲労強度データ(図8)や、操作者によって入力される起動停止回数(たとえば1000回)を入力する。すると、許容熱応力算出手段が許容熱応力とビオ数を算出し、更に熱伝達条件決定手段が、図3に示すような演算結果を出力する。
【0054】
ここで操作者は、疲労強度と起動時間短縮の観点から、どの起動パターンが合理的かを選択する。たとえば、500度までの昇温を、2ステップで行う、といった決定である。
このように、本システムによれば、熱流体機器の利用効率を高めるための演算を簡易化することができた。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本願発明は、熱流体機器の余寿命診断を必要とする分野において利用できる。
また、耐用年数などを考慮して設計され運転されている熱流体機器の実機が、疲労寿命を考慮した上でそのパフォーマンスを最大限に引き出すには、どのような起動条件が合理的であるのかを算出できるので、プラントの運用効率を高めるようなコンサルティング業においても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】円柱モデルにおける外面熱負荷時における表面の無次元熱応力を示す。
【図2】円柱モデルにおける熱衝撃時の無次元最大応力の履歴を示す。
【図3】0.3m円柱における多段の熱負荷による設定熱伝達率を示す。
【図4】0.3m円柱における多段の熱負荷による外表面温度を示す。
【図5】0.3m円柱における多段の熱負荷による平均温度を示す。
【図6】0.3m円柱における多段の熱負荷による熱応力を示す。
【図7】12Cr鋼の機械的特性を示す。
【図8】12Cr鋼の疲労強度を示す。
【図9】本システムの機能を示す概念図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手段と、基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手段と、その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手段と、予め記憶している疲労強度データと実際の起動停止回数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手段と、その許容熱応力算出手段が算出した許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手段とを備えた熱流体機器の運転条件算出装置。
【請求項2】
前記の熱伝達条件決定手段が算出した熱伝達条件に基づいて起動パターンを算出する起動パターン算出手段と、その起動パターン算出手段が算出した起動パターンを出力する出力手段とを備えた請求項1に記載の熱流体機器の運転条件算出装置。
【請求項3】
基本モデル記憶手段には、複数の基本モデルに関するモデルデータを記憶しており、
基礎データ受信手段は、複数の基本モデルから選択された一のモデルと、そのモデルに関する基礎データとを受信することとした請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱流体機器の運転条件算出装置。
【請求項4】
熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手順と、基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手順と、
その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手段と、 予め記憶している疲労強度データと実際の起動停止回数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手段と、その許容熱応力算出手段が算出した許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手段とを備えた熱流体機器の運転条件算出方法。
【請求項5】
熱流体機器の運転条件算出プログラムであって、そのプログラムは、熱流体機器に関する基本モデルに関するモデルデータを予め記憶している基本モデル記憶手順と、基本モデルに関する基礎データの入力を受信する基礎データ受信手順と、その基礎データ受信手段が受信した基礎データに基づいて所定の無次元化応力演算を行う無次元化応力解析手段と、 予め記憶している疲労強度データと実際の起動停止回数とを用いて許容熱応力とビオ数を算出する許容熱応力算出手段と、その許容熱応力算出手段が算出した許容熱応力とビオ数を用いて熱伝達条件を決定する熱伝達条件決定手段とを備えた熱流体機器の運転条件 を算出するためのコンピュータに実現させることとしたコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−291725(P2006−291725A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109253(P2005−109253)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】