説明

熱源システムおよびその制御方法

【課題】直列に配設される冷凍機が最大負荷で運転されないときの効率を向上できる熱源システムおよびその制御方法を提供することを課題とする。
【解決手段】冷却塔1で冷却される冷却水が循環する冷却水系統と、負荷側3を冷却する冷水が循環する冷水系統と、冷水系統に直列に配設されて冷水を冷却する高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bと、冷却塔1の冷却ファン6、高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、および冷水ポンプ5を制御対象とする制御装置71と、を備え、不負荷側3へは、冷水を貯留する蓄熱槽8を介して冷水が供給される熱源システム100とする。そして、制御装置71は、外気の状態と蓄熱槽8の蓄熱量と負荷側3の要求負荷のうちの少なくとも一つの変化に対応してエネルギ消費量を示す評価関数を最小とするように制御対象の制御目標値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍機によって冷水を製造し、この冷水によって負荷側(部屋や装置)を冷却する熱源システムは広く知られている。このような熱源システムに備わる冷凍機は、負荷側の負荷の増減に対応した容量で制御される。
また、冷却に使用する冷水の温度差を大きくして搬送動力が削減できるように、2台以上の冷凍機が直列に配置される熱源システムもある(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−225528号公報
【特許文献2】特開昭60−23760号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「蓄熱式空調システム」、社団法人 空気調和・衛生工学会編、82−85頁、1998年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に開示される熱源システムは、例えば、外気温度が高い地域など、負荷側に送水する冷水温度の往還における温度差(冷凍機の入口側と出口側の温度差)が大きくなる場合に、高温側に配置される冷凍機と低温側に配置される冷凍機を直列に配置して温度差を大きくすることによって、冷水のポンプ動力を削減できる。
しかしながら、冷凍機を直列に配置すると、冷凍機に冷水を送り込むポンプの流量が一定の場合、最大能力付近の負荷(最大負荷)に比べて冷却負荷が小さい部分負荷のときには効率が低下するため、冷却対象(負荷側)の負荷や外気状態の変化に応じて熱源システムの効率が低下するという問題がある。また、冷水を溜める蓄熱槽の蓄熱量を考慮して負荷の変化に対応する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、直列に配設される冷凍機が最大負荷で運転されないときの効率を向上できる熱源システムおよびその制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、冷却塔で冷却される第1の冷水が循環する第1冷水系統と、負荷側を冷却する第2の冷水が循環する第2冷水系統と、前記第2冷水系統に直列に配設され、前記負荷側を冷却した前記第2の冷水の熱を前記第1の冷水に移動して前記第2の冷水を冷却する複数の冷凍機と、少なくとも前記冷却塔に外気を送風する冷却ファン、前記第1の冷水を循環させる第1ポンプ、および前記第2の冷水を循環させる第2ポンプを制御対象として制御する制御装置と、を備え、前記負荷側へは、前記冷凍機で冷却された前記第2の冷水を貯留する蓄熱手段を介して前記第2の冷水が供給される熱源システムとする。そして、前記制御装置は、外気の状態と前記蓄熱手段の蓄熱量と前記負荷側の要求負荷のうちの少なくとも1つの変化に対応して、エネルギ消費量を示す評価関数を最小とするように前記制御対象の制御目標値を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、直列に配設される冷凍機が最大負荷で運転されないときの効率を向上できる熱源システムおよびその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る熱源システムの一構成例を示す図である。
【図2】(a)は、制御対象の制御目標値を一定にした場合の冷凍機の負荷率とCOPの関係を示すグラフ、(b)は、最適化演算に基づいて制御対象の制御目標値を設定した場合の冷凍機の負荷率とCOPの関係を示すグラフである。
【図3】蓄熱運転の手順を示すフローチャートである。
【図4】冷却量の変動の一例を示すグラフである。
【図5】負荷側の負荷に応じて蓄熱運転と冷却運転を実行する手順を示すフローチャートである。
【図6】外気の湿球温度と、冷凍機の負荷率と、冷却水ポンプの回転速度比と、の関係を示すデータテーブルの一例を示す図である。
【図7】冷却水系統に高温側冷凍機と低温側冷凍機が直列に配設される熱源システムの構成例を示す図である。
【図8】2つの冷却塔を備える熱源システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る熱源システム100は、図1に示すように、冷却塔1でのフリークーリングで冷却される第1の冷水(冷却水)が循環する第1冷水系統(冷却水系統)と、負荷側3を冷却する第2の冷水(冷水)が循環する第2冷水系統(冷水系統)が、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bで熱的に接続されて構成される。高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bは、例えばターボ冷凍機であり、冷水系統において直列に配置される。
そして、負荷側3を冷却して昇温した冷水の熱が高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bで冷却水に移動し、冷水が冷却されるように構成される。
なお、冷水系統における冷水の流れに対する上流に高温側冷凍機2aが配設され下流に低温側冷凍機2bが配設される。
【0011】
冷却水系統は、冷却塔1の出口側に接続される冷却水往管61aに高温側冷却水ポンプ4aと高温側冷凍機2aが配設され、冷却塔1で冷却された冷却水が高温側冷却水ポンプ4aによって高温側冷凍機2aに送り込まれる。高温側冷凍機2aの出口側は冷却水復管62aによって冷却塔1の入口側と接続され、高温側冷凍機2aから流出した冷却水が冷却塔1に流入するように構成される。
【0012】
また、冷却水往管61aには、冷却塔1の出口側と高温側冷却水ポンプ4aの間に分岐往管61bが接続される。分岐往管61bには低温側冷却水ポンプ4bと低温側冷凍機2bが配設され、冷却塔1で冷却された冷却水の一部が低温側冷却水ポンプ4bによって低温側冷凍機2bに送り込まれる。低温側冷凍機2bの出口側には分岐復管62bが接続され、分岐復管62bは、高温側冷凍機2aの出口側と冷却塔1の入口側の間で、冷却水復管62aに接続される。
つまり、高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bは、冷却水系統において並列に配設される。そして、本実施形態において、高温側冷却水ポンプ4aと低温側冷却水ポンプ4bを合わせて第1ポンプとする。
【0013】
冷却塔1にはインバータ51で駆動する冷却ファン6が備わり、冷却塔1に流入した冷却水は、冷却ファン6で送風される外気によって冷却される。この冷却ファン6はインバータ51に入力される周波数が制御されることによって回転速度が制御される。
つまり、インバータ51に入力される周波数が制御されることによって、冷却塔1への送風量が制御される。
【0014】
また、高温側冷却水ポンプ4aはインバータ52aによって駆動され、低温側冷却水ポンプ4bはインバータ52bによって駆動される。そして、冷却塔1における冷却水の出口温度(冷却塔出口冷却水温度)を計測する冷却塔出口温度センサ31が、冷却塔1の出口側に配設される。
高温側冷却水ポンプ4aおよび低温側冷却水ポンプ4bは、それぞれインバータ52a、52bに入力される周波数が制御されることによって回転速度が制御される。
つまり、インバータ52a、52bに入力される周波数が制御されることによって冷却水系統における冷却水の流量が制御される。
【0015】
冷水系統は、蓄熱槽8の出口側と高温側冷凍機2aの入口側が、冷水ポンプ5が配設される冷水復管64で接続され、さらに、高温側冷凍機2aの出口側と低温側冷凍機2bの入口側が冷凍機接続管65で接続される。また、低温側冷凍機2bの出口側は冷水往管63で蓄熱槽8の入口側と接続される。冷水ポンプ5はインバータ53によって駆動される。
冷水ポンプ5は、インバータ53に入力される周波数が制御されることによって回転速度が制御される。つまり、インバータ53に入力される周波数が制御されることによって冷水系統における冷水の流量が制御される。本実施形態において、冷水ポンプ5を第2ポンプとする。
【0016】
冷水系統には、高温側冷凍機2aにおける冷水の出口温度(高温冷凍機出口冷水温度)を計測する高温側冷凍機出口温度センサ34aと、低温側冷凍機2bにおける冷水の出口温度(低温冷凍機出口冷水温度)を計測する低温側冷凍機出口温度センサ34bと、蓄熱槽8における冷水の温度(蓄熱槽温度)を計測する蓄熱槽温度センサ8aと、が配設される。なお、蓄熱槽温度センサ8aはなくてもよい。
【0017】
また、熱源システム100は、蓄熱槽8と負荷側3を含んで構成される二次側冷水系統を備える。
二次側冷水系統は、蓄熱槽8の二次出口側と負荷側3の入口側が二次冷水ポンプ5aを有する二次冷却往管66で接続され、負荷側3の出口側と蓄熱槽8の二次入口側が二次冷却復管67で接続される。この構成によって、負荷側3には蓄熱槽8を介して冷水が供給される。
また、二次冷水ポンプ5aはインバータ53aによって駆動される。
そして、蓄熱槽8における冷水の二次出口温度(蓄熱槽二次出口冷水温度)を計測する蓄熱槽二次出口温度センサ81と、蓄熱槽8における冷水の二次入口温度(蓄熱槽二次入口冷水温度)を計測する蓄熱槽二次入口温度センサ82と、二次側冷水系統における冷水の流量を計測する流量計83と、が備わっている。
【0018】
蓄熱槽8は、例えば冷水を貯留する水槽であり、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bで冷却された冷水を貯留することによって冷熱を蓄熱する蓄熱手段である。また、負荷側3は、蓄熱槽8が供給する熱量で冷却されるように構成され、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bは、蓄熱槽8に貯留する冷水を冷却することで、蓄熱槽8に蓄熱する。
蓄熱槽8は、例えば、冷水往管63の近傍に二次冷却往管66が接続されるとともに、二次冷却復管67の近傍に冷水復管64が接続される構成とする。そして、冷水ポンプ5と二次冷水ポンプ5aが駆動しているときは、冷水往管63を流通して蓄熱槽8に流れ込んだ冷水が二次冷却往管66に流れ込み、二次冷却復管67を流通して蓄熱槽8に流れ込んだ冷水が冷水復管64に流れ込む構成が好ましい。
また、冷水ポンプ5が駆動して二次冷水ポンプ5aが停止しているときには、冷水往管63を流通して蓄熱槽8に流れ込んだ冷水が冷水往管63の側から貯留される構成が好ましく、冷水ポンプ5が停止して二次冷水ポンプ5aが駆動しているときには、冷水往管63の近傍に貯留される冷水が二次冷却往管66に流れ込み、二次冷却復管67を流通して蓄熱槽8に流れ込んだ冷水が二次冷却復管67の近傍に貯留する構成が好ましい。
【0019】
この構成によると、冷水ポンプ5と二次冷水ポンプ5aが駆動しているとき蓄熱槽8は管路として機能し、冷水ポンプ5が駆動して二次冷水ポンプ5aが停止しているときに蓄熱槽8はバッファとして機能し冷水が貯留される(冷熱が蓄熱される)。また、冷水ポンプ5が停止して二次冷水ポンプ5aが駆動しているとき蓄熱槽8は負荷側3に冷水を供給(蓄熱した熱量を供給)するバッファとして機能する。
さらに、冷水ポンプ5の流量が二次冷水ポンプ5aの流量より大きいとき、蓄熱槽8には、流量の差分に相等する熱量が蓄熱され、冷水ポンプ5の流量が二次冷水ポンプ5aの流量より小さいとき、蓄熱槽8からは、流量の差分に相等する熱量が負荷側3に供給される。
【0020】
さらに熱源システム100には、外気温度を計測する外気温度計37と、外気の湿度を計測する外気湿度計38が備わっている。
【0021】
このように、本実施形態に係る熱源システム100は、冷却水系統、冷水系統および二次側冷水系統を含んで構成され、冷却水系統を循環する冷却水と冷水系統を循環する冷水が高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bで熱交換して冷水が冷却される。
そして、冷却された冷水が蓄熱槽8を介して負荷側3(部屋や装置)に供給されて負荷側3を冷却する。このように負荷側3を冷却するための熱源システム100の運転を冷却運転と称する。
【0022】
さらに、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bで冷却された冷水が蓄熱槽8に貯留されることによって蓄熱槽8に熱量が蓄熱される。蓄熱槽8に蓄熱する運転を蓄熱運転と称する。
そして、このような構成の熱源システム100に配設される冷却ファン6、高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、冷水ポンプ5および二次冷水ポンプ5aは制御装置71で制御される。以下、本実施形態においては、高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bを含めて冷凍機とする。
【0023】
なお、図1には2台の冷凍機(高温側冷凍機2a、低温側冷凍機2b)が備わる構成が図示されているが、3台以上の冷凍機が冷水系統に直列に配設される構成であってもよい。また、図示は省略しているが、直列に配置した冷凍機の組合せが、複数列並列に配置される構成であってもよい。
【0024】
本実施形態に係る制御装置71は、外気温度計37が計測する外気温度と外気湿度計38が計測する外気の湿度から外気の湿球温度を算出し、さらに、二次側冷水系統における冷水の流量と、蓄熱槽二次入口冷水温度と、蓄熱槽二次出口冷水温度と、に基づいて負荷側3が要求する負荷を算出する。そして、負荷側3が要求する負荷に応じた吐出圧力一定制御や末端圧力一定制御によって、二次冷水ポンプ5aの回転速度を制御する。つまり、二次側冷水系統における冷水の流量を制御する。この吐出圧力一定制御や末端圧力一定制御は公知の技術を利用できる。以下、負荷側3が要求する負荷を要求負荷と称する。
なお、外気温度計37と外気湿度計38に替えて、図示しない湿球温度計が備わる構成であってもよい。
【0025】
負荷側3の要求負荷は、負荷側3が冷水によって冷却されるときの負荷であり、負荷側3の状態、例えば、部屋の室温や装置の温度等によって決定される値である。
そして、負荷側3の要求負荷は、二次側冷水系統における冷水流量、蓄熱槽二次入口冷水温度、蓄熱槽二次出口冷水温度に基づいて演算される。なお、蓄熱槽二次出口温度センサ81を備えない構成とし、蓄熱槽二次出口冷水温度の設定値を負荷側3の要求負荷としてもよい。この構成によると、蓄熱槽二次出口温度センサ81が不要となり、より簡素な構成の熱源システム100とすることができる。
【0026】
また、制御装置71は、高温側冷凍機2aにおける冷水の出口温度が目標値となり、低温側冷凍機2bにおける冷水の出口温度が別の目標値となるように、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bをそれぞれ制御する。または、冷凍機(高温側冷凍機2a、低温側冷凍機2b)が冷水の出口温度(高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度)を一定に維持する制御機能を有し、制御装置71から通知される冷水の出口温度の目標値を維持するように、冷凍機自体がそれぞれ機器単体で制御する構成としてもよい。
さらに、制御装置71は、冷却塔出口冷却水温度が目標値になるように、冷却ファン6の回転速度(冷却塔1への送風量)を制御する。
【0027】
そして、本実施形態に係る制御装置71は、逐次変動する外気の状態(特に湿球温度)や負荷側3の要求負荷と、熱源システム100を構成する機器の特性値(構成機器や配管における冷却水および冷水の抵抗等)と、に基づいて予測されるエネルギ消費量が最小になるように、冷水および冷却水の水温と流量の最適化演算を実施する。そして最適化演算の演算結果に基づいて、冷却水の温度(冷却塔出口冷却水温度)、冷水の温度(高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度)、冷却水の流量(冷却水の流量比または冷却水ポンプ4a、4bの回転速度)、冷水の流量(冷水の流量比または冷水ポンプ5の回転速度)の各目標値を変更する。
なお、冷却水の流量比は冷却水ポンプ4a、4bが定格運転されるときの冷却水の流量に対する比であり、冷水の流量比は冷水ポンプ5が定格運転されるときの冷水の流量に対する比である。
【0028】
このような構成とするため、本実施形態において、制御装置71は、高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、冷水ポンプ5、冷却ファン6を制御対象とし、最適化演算によって制御対象の制御目標値を設定して熱源システム100を制御する。
【0029】
例えば、冷水で負荷側3を冷却する冷却運転の場合、制御装置71は、負荷側3の要求負荷を、冷凍機が処理する負荷(以下、冷凍機負荷と称する)に設定する。
そして、制御装置71は、冷凍機負荷、外気の湿球温度、冷却塔出口冷却水温度、高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度、冷却水の流量、および冷水の流量をパラメータとし、高温側冷凍機2aと、低温側冷凍機2bと、冷水ポンプ5と、の冷水に対する抵抗(流路抵抗)、および、高温側冷凍機2aと、低温側冷凍機2bと、高温側冷却水ポンプ4aと、低温側冷却水ポンプ4bと、冷却塔1と、の冷却水に対する抵抗(流路抵抗)に基づいて、制御対象(高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、冷水ポンプ5、冷却ファン6)におけるエネルギ消費量の合計値をシミュレートする。
【0030】
制御装置71は、配管(冷却水往管61a、分岐往管61b、冷却水復管62a、分岐復管62b、冷水往管63、冷水復管64、冷凍機接続管65)における冷却水や冷水の流量に対する圧力損失の関係を予測または実測した結果を元に各ポンプ(高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、冷水ポンプ5)のポンプ揚程を算出し、流量とポンプ揚程の関係から各ポンプ動力を算出する。そして、制御装置71は、算出した各ポンプ動力から各ポンプのエネルギ消費量を算出する。
【0031】
また、制御装置71は、一般的なエンタルピ基準総括容積伝達係数と冷却塔性能近似式を用いて冷却塔1の性能から、外気条件、冷却水の流量、冷却水の温度(冷却塔出口冷却水温度、冷却塔入口冷却水温度)に対応する冷却ファン6の風量比を求めて、冷却塔1の消費電力を予測する。
なお、冷却ファン6の風量比は冷却ファン6が定格運転されるときの風量に対する比である。
また、冷凍機のエネルギ消費量は、冷凍機が冷凍機負荷で運転される場合のエネルギ消費量として予測される。
さらに制御装置71は、熱源システム100のエネルギ消費量の合計値を評価関数W、冷凍機の運転台数、冷水と冷却水の流量(各ポンプの回転速度)、および冷水と冷却水の温度を最適化変数として、次式(1)で示される評価関数Wが最小となるように最適化変数を探索し、探索された最適化変数に基づいて制御対象の制御目標値を決定する。
W=Eref1+Eref2+Ecp+Ecwp1+Ecwp2+Ect・・・(1)
但し、
Eref1:高温側冷凍機のエネルギ消費量[kW]
Eref2:低温側冷凍機のエネルギ消費量[kW]
Ecp:冷水ポンプのエネルギ消費量[kW]
Ecwp1:高温側冷却水ポンプのエネルギ消費量[kW]
Ecwp2:低温側冷却水ポンプのエネルギ消費量[kW]
Ect:冷却塔のエネルギ消費量[kW]
【0032】
つまり制御装置71は、式(1)に示される評価関数Wが最小となるように、冷却水の流量、冷水の流量、高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度、冷却塔出口冷却水温度の目標値を設定する。
【0033】
具体的に制御装置71は、高温側冷凍機2aのエネルギ消費量(Eref1)、低温側冷凍機2aのエネルギ消費量(Eref2)、冷水ポンプ5のエネルギ消費量(Ecp)、高温側冷却水ポンプ4aのエネルギ消費量(Ecwp1)、低温側冷却水ポンプ4bのエネルギ消費量(Ecwp2)、冷却塔1のエネルギ消費量(Ect)、の各値を、評価関数Wが最小となる値に設定し、そのときの冷却水の流量、冷水の流量、高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度、冷却塔出口冷却水温度をそれぞれの目標値とする。
【0034】
そして、制御装置71は、冷却水の流量(高温側冷凍機2aにおける冷却水の流量、低温側冷凍機2bにおける冷却水の流量)、冷水の流量、高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度、冷却塔出口冷却水温度が、それぞれ設定した目標値となるように、制御対象(高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、冷水ポンプ5、冷却ファン6)の制御目標値を設定する。
【0035】
具体的に制御装置71は、高温側冷凍機2aにおける冷却水の流量が設定した目標値になるように高温側冷却水ポンプ4aの回転速度の制御目標値を決定し、低温側冷凍機2bにおける冷却水の流量が設定した目標値になるように低温側冷却水ポンプ4bの回転速度の制御目標値を決定し、冷水の流量が設定した目標値になるように冷水ポンプ5の回転速度の制御目標値を決定し、さらに、冷却塔出口冷却水温度が設定した目標値となるように冷却ファン6の回転速度の制御目標値を決定する。
冷却塔出口冷却水温度は、冷却塔出口温度センサ31の計測値が一定となるような、冷却ファン6のON/OFFや回転速度のフィードバック制御によって、設定した目標値に維持される構成であってもよい。この構成によって、例えば外気状態が変動した場合であっても、冷却塔出口冷却水温度を設定した目標値に高い精度で維持できる。
そして制御装置71は、制御目標値に基づいて制御対象を制御する。
また、制御装置71は、負荷側3の要求負荷を運転負荷として、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bを運転する。具体的に、高温側冷凍機2aの運転負荷と低温側冷凍機2bの運転負荷の合計が負荷側3の要求負荷となるように、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bを部分負荷運転する。
このとき、要求負荷を冷凍機1台あたりの運転負荷で除した値が、運転される冷凍機の台数となるような構成であってもよい。
また、例えば、高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bの負荷が均等になるように運転負荷が配分される構成であってもよい。
【0036】
この構成によって、冷凍機(高温側冷凍機2a、低温側冷凍機2b)を最大負荷で運転できない場合であっても、熱源システム100のCOP(Coefficient Of Performance)を高く維持して冷凍機を部分負荷運転することができ、省エネルギを図ることができる。
【0037】
そして、制御装置71は、制御目標値の設定変更を、外気の状態(湿球温度)および負荷側3の要求負荷の変化に追従するように、所定の時間間隔(例えば10分間隔)で実行するように構成されることが好ましい。この構成によって熱源システム100は、外気の湿球温度および負荷側3の負荷が変化した場合であってもCOPを高く維持できる。
【0038】
なお、最適化演算において、運転する高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bの負荷配分を固定値とし、例えば熱源システム100の管理者等が任意に冷水の出口温度(高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度)を設定可能な構成としてもよい。この構成によると、例えば故障時やメンテナンス時に、冷凍機(高温側冷凍機2a、低温側冷凍機2b)の冷水の出口温度の設定変更ができない場合も対応可能となる。
また、例えば、高温側冷凍機2aまたは低温側冷凍機2bのうちの1台を運転する場合の省エネルギを図ることができる。
【0039】
図2の(a)に、制御対象(高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4b、冷水ポンプ5、冷却ファン6)の制御目標値を一定とした場合のCOPの変化を示し、図2の(b)に、最適化演算に基づいて制御目標値を設定した場合のCOPの変化を示す。
図2の(a)、(b)は、高温側冷凍機2a(図1参照)と低温側冷凍機2b(図1参照)がともに100%の負荷率で運転される場合の負荷率を200%としている。
ここでいう負荷率は、冷凍機の最大負荷に対する運転負荷の比とする。
【0040】
一定の回転速度で運転されるターボ冷凍機は定格負荷近傍のときに最大効率となるため、所定の温度差のときに効率がよくなる。また、高温冷凍機出口冷水温度と低温冷凍機出口冷水温度は、熱源システム100(図1参照)の設計値として設定される。したがって、冷水系統では、定格負荷において、予め設定されている高温冷凍機入口温度と低温冷凍機出口冷水温度の温度差のときに高温側冷凍機2a、低温側冷凍機2bがそれぞれ効率よく運転されるように各冷凍機の最大負荷が決定される。
【0041】
しかしながら、外気の湿球温度や負荷側3の要求負荷の変化に応じて高温冷凍機入口冷水温度が変化し、高温側冷凍機2aの温度差(高温冷凍機入口冷水温度と高温冷凍機出口冷水温度の差)が小さくなる場合がある。このとき、高温側冷凍機2aは最大負荷で運転されず効率が低下する。
【0042】
図2の(a)はこの状態を示した図であり、制御対象の制御目標値を一定にした場合、冷凍機の負荷率の低下にともなって熱源システム100(図1参照)のCOPが低下することを示す。
【0043】
これに対し、本実施形態に係る制御装置71(図1参照)は、外気の湿球温度や負荷側3(図1参照)の負荷が変化したとき、熱源システム100(図1参照)のエネルギ消費量の合計値を示す評価関数Wが最小になるように最適化演算する。そして、最適化演算に基づいて制御対象の制御目標値を設定し制御対象を制御する。さらに、高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bを部分負荷で運転する。
図2の(b)はこの状態を示した図であり、外気の湿球温度や負荷側3の負荷が変化して高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bが部分負荷で運転される状態であっても、熱源システム100のCOPが高く維持されることを示す。
【0044】
このように本実施形態に係る熱源システム100(図1参照)は、外気の湿球温度や負荷側3(図1参照)の負荷が変化した場合に、制御装置71(図1参照)が最適化演算を実行して制御対象の制御目標値を設定し、運転時のCOPを高く維持するように構成される。
【0045】
つまり、本実施形態に係る熱源システム100(図1参照)は、冷水系統に直列に配設される高温側冷凍機2a(図1参照)と低温側冷凍機2b(図1参照)の負荷配分を好適に変更して、運転時のCOPを高く維持することができる。そして、省エネルギを図ることができる。
【0046】
なお、制御装置71(図1参照)が、外気の湿球温度の変化や負荷側3(図1参照)の要求負荷の変化に応じて最適化演算を実行する構成ではなく、外気の湿球温度と、負荷側3の要求負荷と、評価関数を最小とする制御目標値と、の対応を示すマップ形式のデータテーブルを予め設定しておく構成であってもよい。
このような構成の場合、制御装置71は、外気の湿球温度と負荷側3の要求負荷に基づいて当該データテーブルを参照することによって、最適化演算を実行することなく、制御対象の制御目標値を、前記した評価関数を最小にするように設定できる。したがって、制御装置71の演算負荷を軽減できる。
【0047】
このようなデータテーブルは、例えば、熱源システム100(図1参照)をモデル化したシミュレータに外気の湿球温度と負荷側3(図1参照)の負荷を適宜入力して前記した最適化演算を実行し、入力された湿球温度と負荷に対応する制御対象の制御目標値を設定することによって作成できる。
このように作成されるデータテーブルを、制御装置71(図1参照)の図示しない記憶部に記憶しておくことによって、制御装置71は、外気の湿球温度と負荷側3の要求負荷に応じて当該データテーブルを参照し、制御対象の制御目標値を設定できる。
【0048】
また、本実施形態に係る熱源システム100(図1参照)を、予め決定されるタイムスケジュールに基づいて、所定の蓄熱時間帯に実行される蓄熱運転で蓄熱槽8に蓄熱する構成とすることもできる。そして蓄熱運転時、制御装置71(図1参照)は、高いCOPとなる負荷率に対応する負荷を冷凍機負荷として最適化演算することによって、熱源システム100のCOPを高く維持することが可能となる。
【0049】
熱源システム100(図1参照)が蓄熱運転するタイムスケジュールは、例えば年間の外気変動のパターン等に基づいて、エネルギ消費量を最小にできる時間帯に蓄熱運転するように、所定の期間(月間や週間など)ごとに設定されることが好ましい。
さらに、例えば制御装置71(図1参照)がカレンダ機能を有し、蓄熱運転する日付に合わせたタイムスケジュールで蓄熱運転することによって、熱源システム100の蓄熱運転におけるエネルギ消費量を抑制できる。この構成によって、蓄熱運転における省エネルギを図ることができる。
また、蓄熱運転中の負荷率が、例えば過去における年間の負荷パターンと外気条件から予め予測されたデータとして図示しない記憶部等に記憶され、蓄熱運転時には制御装置71が当該記憶部から当該データを読み出して負荷率を設定する構成が好ましい。この構成によると、制御装置71は、熱源システム100が高いCOPとなる負荷率で蓄熱運転されたときに蓄熱時間で蓄熱槽8の蓄熱量が最大にならない場合を予測して負荷率を設定できる。そして、蓄熱時間に亘る蓄熱運転で蓄熱槽8の蓄熱量が最大にならないことを回避できる。
【0050】
図3を参照して、制御装置71(図1参照)が蓄熱運転するときの手順を説明する(適宜図1,2参照)。
例えば、午後8時(20時)から明朝の午前8時までが蓄熱運転時間として設定されるタイムスケジュールの場合、制御装置71は、20時になると、蓄熱槽8に蓄熱する熱量と外気の湿球温度を算出する(ステップS100)。
具体的に制御装置71は、蓄熱槽8の蓄熱量が所定の蓄熱量(定格蓄熱量)に対して不足している熱量を蓄熱する熱量とする。
例えば制御装置71は、蓄熱槽8の蓄熱槽温度が、予め設定される所定の温度まで低下するのに必要な熱量を蓄熱する熱量(冷却量)とする。
【0051】
また制御装置71は、予め設定されている負荷を冷凍機負荷とする。つまり制御装置71は、冷凍機負荷を設定する(ステップS101)。
例えば、図2の(b)で示されるCOPが最大の負荷率に対応した負荷が設定されている場合、蓄熱運転時に、熱源システム100のCOPを最大に維持することができる。
【0052】
そして制御装置71は、冷凍機負荷、外気の湿球温度、冷却塔出口冷却水温度、高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度、冷却水の流量、および冷水の流量をパラメータとし、前記したように、式(1)で示される評価関数Wが最小となるように最適化演算を実行する(ステップS102)。
【0053】
さらに、制御装置71は、最適化演算に基づいて設定される制御目標値で制御対象を制御する(ステップS103)。
【0054】
制御装置71は、所定の単位時間(例えば、10分)間隔でステップS100〜S103の手順を繰り返し実行することにより、最大のCOPとなる冷凍機負荷で冷凍機を運転して蓄熱運転できる。
【0055】
従来、図4の(a)に示すように、熱源システム100は、蓄熱時間帯である午後8時(20時)から明朝の午前8時まで、冷却量が100%になるような冷凍機負荷で冷凍機が運転されて蓄熱運転される。なお、図4の(a)、(b)は、負荷率が200%のときの冷却量を100%としている。
しかしながら、例えば図2の(b)に示すように、負荷率が200%のときに熱源システム100のCOPが最大にならない場合、負荷率が200%となる冷凍機負荷での冷凍機の運転より、熱源システム100のCOPが最大となる負荷率(例えば、150%)で冷凍機を運転したほうがエネルギ消費量を抑えることができる。
【0056】
この場合、図4の(b)に示すように、例えば1時間ごとの冷却量は100%以下になるため、蓄熱運転する時間(冷凍機の駆動時間)は長くなるが、エネルギの消費量は少なくなる。
つまり、図4の(b)に示される棒グラフの総面積(網掛けで示される部分の面積)は、図4の(a)に示される棒グラフの総面積(網掛けで示される部分の面)より小さくなる。
【0057】
このように、本実施形態に係る熱源システム100(図1参照)は、蓄熱運転時に、熱源システム100のCOPが最大となる負荷率で冷凍機(高温側冷凍機2a(図1参照)、低温側冷凍機2b(図1参照))を運転することができ、蓄熱運転における省エネルギを図ることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る熱源システム100(図1参照)は、冷却運転時に負荷側3(図1参照)の要求負荷に対し、最大のCOPに対応する負荷率となる負荷を運転負荷として冷凍機を部分負荷運転し、冷凍機の運転負荷と負荷側3の要求負荷の差分を蓄熱槽8(図1参照)の蓄熱量で調節する構成とすることも可能である。
例えば、負荷側3の要求負荷に対応する冷凍機の負荷率が200%のとき、図2の(b)に示すように、最大のCOPに対応する負荷率が200%より低い負荷率(例えば、150%)にある場合には、最大のCOPに対応した負荷率となる負荷を運転負荷として冷凍機を運転し、要求負荷に対する不足を蓄熱槽8の蓄熱の消費で充当する構成としてもよい。
【0059】
この場合、蓄熱槽8(図1参照)の熱容量が大きいときは、負荷側3(図1参照)の要求負荷の変動を蓄熱槽8の蓄熱量で吸収することができ、冷凍機が蓄熱槽8に蓄熱するための負荷を一定にできる。したがって、最大のCOPに対応する負荷率で冷凍機を運転できる。
これに対して蓄熱槽8の熱容量が小さいとき、蓄熱槽8の蓄熱量が消費されると負荷側3の要求負荷が蓄熱槽8の蓄熱量を超える場合がある。この場合、負荷側3の要求負荷を蓄熱槽8の蓄熱で充当できなくなり、負荷側3の要求負荷に対応する負荷率となるように冷凍機を運転する構成が好ましい。
【0060】
図5を参照して、制御装置71(図1参照)が蓄熱槽8(図1参照)へ蓄熱しながら、熱源システム100(図1参照)が最大のCOPとなる負荷率で冷凍機を運転する手順を説明する(適宜、図1,2参照)。
【0061】
最初に制御装置71は、冷水が負荷側3を冷却する負荷(負荷側3の要求負荷)および外気の湿球温度を算出する(ステップS1)。
負荷側3の要求負荷は、前記したように二次側冷水系統における冷水流量、蓄熱槽二次入口冷水温度、蓄熱槽二次出口冷水温度に基づいて演算できる。
【0062】
さらに制御装置71は、駆動している高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bの運転負荷と負荷側3の負荷とに基づいて、蓄熱槽8の蓄熱量を算出する(ステップS2)。具体的に、制御装置71は、冷凍機の運転負荷と負荷側3の負荷の差に基づいて蓄熱槽8に蓄熱可能な熱量を算出し、算出した熱量の、冷却システム100の運転中の積分値を蓄熱槽8の蓄熱量とする。
【0063】
制御装置71は、算出した蓄熱量が下限値より低い場合(ステップS3→Yes)、負荷側3の要求負荷と、冷凍機の現在の運転負荷を比較する(ステップS4)。そして、要求負荷が運転負荷よりも小さいとき(ステップS4→Yes)、制御装置71は、蓄熱運転するときの負荷として予め設定されている負荷を冷凍機負荷に設定(ステップS5)し、要求負荷が運転負荷以上のときは(ステップS4→No)、負荷側3の要求負荷を冷凍機負荷に設定する(ステップS6)。
蓄熱運転するときの負荷として予め設定されている負荷は、例えば前記したように、熱源システム100のCOPが最大の負荷率に対応する負荷であることが好ましい。
また蓄熱量の下限値は、蓄熱槽8の設計値として予め設定されていることが好ましい。
【0064】
なお、蓄熱槽8の蓄熱量を下限値と比較する場合、例えば、蓄熱槽温度センサ8aが計測する蓄熱槽温度が予め設定される閾値より高いときに、制御装置71が、蓄熱槽8の蓄熱量が下限値より低いと判定する構成であってもよい。この場合、蓄熱量の下限値は閾値となる温度として設定されていることが好ましい。
【0065】
そして、制御装置71は、冷凍機負荷、外気の湿球温度、冷却塔出口冷却水温度または冷却ファン6の回転速度比、高温冷凍機出口冷水温度、低温冷凍機出口冷水温度、高温側冷却水ポンプ4aと低温側冷却水ポンプ4bの回転速度比または冷却水の流量比、および冷水ポンプ5の回転速度比または冷水の流量比をパラメータとし、前記したように、式(1)で示される評価関数Wが最小となるように最適化演算を実行し(ステップS7)、制御対象の制御目標値を設定する。
そして制御装置71は、制御目標値に基づいて制御対象を制御する(ステップS8)。
なお、冷却ファン6の回転速度比、高温側冷却水ポンプ4a、低温側冷却水ポンプ4bの回転速度比、冷水ポンプ5の回転速度比は、それぞれ定格回転速度に対する比である。
【0066】
一方、ステップS3において、算出した蓄熱量が予め設定される蓄熱量の下限値以上の場合(ステップS3→No)、制御装置71は、当該蓄熱量と蓄熱量の上限値を比較する(ステップS9)。そして、当該蓄熱量が上限値より小さいとき(ステップS9→Yes)、制御装置71は手順をステップS5に進める。
つまり、制御装置71は、蓄熱運転するときの負荷を冷凍機負荷に設定する。
また、当該蓄熱量が蓄熱量の上限値以上のとき(ステップS9→No)、制御装置71は、蓄熱槽8の蓄熱で負荷側3を冷却できると判定して冷凍機を停止する(ステップS10)。
なお蓄熱量の上限値は、蓄熱槽8の設計値として予め設定されていることが好ましい。
また、蓄熱量の下限値との比較と同様に、蓄熱槽温度センサ8aが計測する蓄熱槽温度が予め設定される閾値より低いときに、制御装置71が、蓄熱槽8の蓄熱量が上限値より高いと判定する構成であってもよい。この場合、蓄熱量の上限値は閾値となる温度として設定されていることが好ましい。
【0067】
そして、制御装置71は、負荷側3を冷却する間、前記したように、例えば10分間隔などの所定の時間間隔でステップS1〜S10の手順を繰り返し実行することにより、外気の湿球温度や負荷側3の要求負荷が変化した場合であっても熱源システム100のCOPを最大に維持することができる。
【0068】
この構成によると、蓄熱槽8(図1参照)の蓄熱量(冷却量)が下限値以上で上限値より小さい場合、熱源システム100のCOPが最大になる負荷率で冷凍機が部分負荷運転されて蓄熱槽8に蓄熱できる。そして、熱源システム100のCOPを最大にすることができ、冷却運転時の省エネルギを図ることができる。
また、蓄熱槽8の蓄熱量(冷却量)が下限値より小さい場合に、負荷側3の要求負荷が冷凍機の運転負荷より小さいときも熱源システム100のCOPが最大になる負荷率で冷凍機が運転されて蓄熱槽8に蓄熱できる。つまり、負荷側3の要求負荷が小さくなった場合であっても熱源システム100のCOPを最大に維持できる。
【0069】
また、蓄熱槽8(図1参照)の蓄熱量が所定の下限値より小さい場合に、負荷側3の要求負荷が冷凍機の運転負荷以上のときは、冷凍機を負荷側3の要求負荷で部分負荷運転し、さらに、エネルギ消費量が最小になるように最適化演算することによって熱源システム100のCOPを高く維持することができ、省エネルギを図ることができる。
さらに蓄熱槽8の蓄熱量が所定の上限値以上の場合は、冷凍機を停止することができるため、この場合も省エネルギを図ることができる。
以上のように制御装置71(図1参照)は、冷却運転時に熱源システム100(図1参照)のCOPを高く維持して冷凍機を部分負荷運転することができ、省エネルギを図ることができる。
例えば、蓄熱槽8の熱容量が小さい場合でも、蓄熱槽8を熱バッファとして利用して運転時のCOPを高く維持することができる。そして、省エネルギを図ることができる。
【0070】
さらに、外気の湿球温度、負荷側3(図1参照)の要求負荷、蓄熱槽8(図1参照)の蓄熱量、の少なくとも1つが変化した場合であっても、制御装置71(図1参照)は、最適化演算を実行して、その変化に対応した制御目標値を設定することができ、熱源システム100(図1参照)のCOPを高く維持することができる。
【0071】
なお、ステップS7で最適化演算する構成に替えて、前記したように制御装置71(図1参照)が、外気の湿球温度と、負荷側3(図1参照)の要求負荷と、蓄熱槽8(図1参照)の蓄熱量と、に基づいて、予め設定されるデータテーブルを参照して制御対象の制御目標値を設定する構成としてもよい。
つまり、ステップS7で最適化演算することなく、予め設定されるデータテーブルに基づいて、制御装置71が制御対象の制御目標値を設定する構成としてもよい。
この場合のデータテーブルは、例えば図6に示すように、外気の湿球温度と、負荷側3の要求負荷と蓄熱槽8の蓄熱量とから判定される冷凍機の負荷率と、評価関数を最小とする制御目標値と、の対応を示すマップ形式のデータテーブルであることが好ましい。
なお、図6には、外気の湿球温度と、冷凍機の負荷率と、高温側冷却水ポンプ4aの回転速度比と、の関係を示すデータテーブルが一例として示されている。このようなデータテーブルを、他の制御対象の制御目標値ごとに設定すれば、制御装置71は、外気の湿球温度と、冷凍機の負荷率と、に基づいて制御対象の制御目標値を設定できる。
また、蓄熱槽8の蓄熱量は、負荷側3の負荷と冷凍機(高温側冷凍機2a、低温側冷凍機2b)の負荷率から演算可能である。
また、図6に示すようなデータテーブルを作成するための制御目標値の最適化演算は、例えば、冷水系統の負荷率をパラメータとすることが好ましい。
【0072】
以上のように、本実施形態に係る熱源システム100(図1参照)は、冷却運転時や蓄熱運転時に、外気の湿球温度の変化および負荷側3(図1参照)の負荷の変化に応じた最適化演算に基づいて制御対象(高温側冷却水ポンプ4a(図1参照)、低温側冷却水ポンプ4b(図1参照)、冷水ポンプ5(図1参照)、冷却ファン6(図1参照))の制御目標値を設定することができる。そして、熱源システム100のCOPを高く維持することができ、省エネルギを図ることができる。
【0073】
なお、本実施形態は、冷却水系統の構成が異なる熱源システムに適用することも可能である。例えば、図1に示す熱源システム100は、冷却水系統において高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bが並列に配置されているが、図7に示すように、冷却水系統において高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bが直列に配置されている熱源システム101に、本実施形態を適用することも可能である。
【0074】
図7に示す熱源システム101は、冷却塔1の出口側に接続される冷却水往管61aに高温側冷却水ポンプ4aと高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bが直列に配設され、冷却塔1で冷却された冷却水が高温側冷却水ポンプ4aによって高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bに順に送り込まれる。そして、低温側冷凍機2bの出口側は冷却水復管62aによって冷却塔1の入口側と接続され、低温側冷凍機2bから流出した冷却水が冷却塔1に流入するように構成される。その他の構成は、図1に示す熱源システム100と同等である。
この構成の場合、冷却水系統における冷却水の流量は、高温側冷却水ポンプ4aの回転速度によって決定される。
【0075】
図7に示す熱源システム101は、冷却水系統に1つの高温側冷却水ポンプ4aが配設される構成であり、図1に示す熱源システム100に比べて、ポンプの数を削減できる。したがって、図1に示す熱源システム100に比べて低コストで構成できる。
【0076】
また、図8に示すように、高温側冷却水系統と低温側冷却水系統の2つの冷却水系統を有し、高温側冷却水系統に高温側冷却塔1aを備え、低温側冷却水系統に低温側冷却塔1bを備える熱源システム102に本実施形態を適用することもできる。
高温側冷却塔1aには、インバータ51aで駆動する冷却ファン6aが備わり、高温側冷却塔1aに流入した冷却水は、冷却ファン6aによって送風される外気によって冷却される。冷却ファン6aはインバータ51aに入力される周波数が制御されることによって回転速度が制御される。
また、低温側冷却塔1bには、インバータ51bで駆動する冷却ファン6bが備わり、低温側冷却塔1bに流入した冷却水は、冷却ファン6bによって送風される外気によって冷却される。冷却ファン6bはインバータ51bに入力される周波数が制御されることによって回転速度が制御される。
つまり、インバータ51a、51bに入力される周波数が制御されることによって、高温側冷却塔1a、低温側冷却塔1bへの送風量が制御される。
【0077】
高温側冷却水系統は、高温側冷却塔1aの出口側に接続される冷却水往管610aに高温側冷却水ポンプ4aと高温側冷凍機2aが配設され、高温側冷却塔1aで冷却された冷却水が高温側冷却水ポンプ4aによって高温側冷凍機2aに送り込まれる。高温側冷凍機2aの出口側は冷却水復管620aによって高温側冷却塔1aの入口側と接続され、高温側冷凍機2aから流出した冷却水が高温側冷却塔1aに流入するように構成される。
低温側冷却水系統は、低温側冷却塔1bの出口側に接続される冷却水往管610bに低温側冷却水ポンプ4bと低温側冷凍機2bが配設され、低温側冷却塔1bで冷却された冷却水が低温側冷却水ポンプ4bによって低温側冷凍機2bに送り込まれる。低温側冷凍機2bの出口側は冷却水復管620bによって低温側冷却塔1bの入口側と接続され、低温側冷凍機2bから流出した冷却水が低温側冷却塔1bに流入するように構成される。
【0078】
図1に示す熱源システム100と同様、高温側冷却水ポンプ4aはインバータ52aによって駆動され、低温側冷却水ポンプ4bはインバータ52bによって駆動される。
そして、高温側冷却水ポンプ4aおよび低温側冷却水ポンプ4bは、それぞれインバータ52a、52bに入力される周波数が制御されることによって回転速度が制御される。
つまり、インバータ52aに入力される周波数が制御されることによって高温側冷却水系統における冷却水の流量が制御され、インバータ52bに入力される周波数が制御されることによって低温側冷却水系統における冷却水の流量が制御される。
【0079】
また、高温側冷却水系統の高温側冷却塔1aにおける冷却水の出口温度(高温側冷却塔出口冷却水温度)を計測する高温側冷却塔出口温度センサ31aが、高温側冷却塔1aの出口側に配設され、低温側冷却水系統の低温側冷却塔1bにおける冷却水の出口温度(低温側冷却塔出口冷却水温度)を計測する低温側冷却塔出口温度センサ31bが、低温側冷却塔1bの出口側に配設される。
その他の構成は、図1に示す熱源システム100と同等である。
【0080】
この構成の場合、高温側冷却水系統における冷却水の流量は高温側冷却水ポンプ4aの回転速度によって決定され、低温側冷却水系統における冷却水の流量は低温側冷却水ポンプ4bの回転速度によって決定される。
また、制御装置71は、冷凍機負荷、外気の湿球温度、高温側冷却塔出口冷却水温度、低温側冷却塔出口冷却水温度、高温冷凍機出口冷水温度または冷却ファン6aの風量比、低温冷凍機出口冷水温度または冷却ファン6bの風量比、高温側冷却水ポンプ4aと低温側冷却水ポンプ4bの回転速度比または冷却水の流量比、および冷水ポンプ5の回転速度比または冷水の流量比をパラメータとし、前記したように、式(1)で示される評価関数Wが最小となるように最適化演算を実行する。
【0081】
このように、2つの冷却塔(高温側冷却塔1a、低温側冷却塔1b)を備える熱源システム102に本実施形態を適用することもできる。つまり、冷却水系統における高温側冷凍機2aおよび低温側冷凍機2bの配置、および冷却塔の配置、を限定することなく本実施形態を適用可能であり、本実施形態の適用範囲を広くすることができる。
【0082】
また、図示はしないが、蓄熱槽8(図1参照)を備えない熱源システムに本実施形態を適用することも可能である。この場合、冷却運転時に負荷側3(図1参照)における冷水の流量は、冷水ポンプ5(図1参照)によって調節される。
【0083】
また本発明は、以下のような設計変更例も考えられる。
例えば、最適化演算において、冷却水の流量および温度を一定値(固定値)としてもよい。この場合、高温側冷却水ポンプ4a(図1参照)、低温側冷却水ポンプ4b(図1参照)の回転速度の制御が簡略化できるため、例えば、高温側冷却水ポンプ4aに備わるインバータ52a(図1参照)や低温側冷却水ポンプ4bに備わるインバータ52b(図1参照)に要求される性能が低くてもよく、コスト削減することができる。
【0084】
また、冷凍機(高温側冷凍機2a(図1参照)、低温側冷凍機2b(図1参照))は、空冷式のヒートポンプ冷凍機であってもよい。この場合、冷水ポンプ5(図1参照)の回転速度と冷凍機における冷水の出口温度の目標値を最適化して高温側冷凍機2aのCOP特性を利用し、省エネルギを図ることができる。その他、冷凍機は、圧縮機の回転速度をインバータ制御するインバータ冷凍機であってもよい。インバータ冷凍機を使用することによって、部分負荷運転時の効率を向上できる。なお、冷凍機の組合せ(高温側冷凍機2aと低温側冷凍機2bの組合せ)は、吸収冷凍機や圧縮式冷凍機を組み合わせたものであってもよい。
また、冷水を温水とし、冷凍機を暖房用熱源(例えば、冷温水発生機、ヒートポンプ)として、暖房運転時の負荷で最適化演算を実行し、この最適化演算の結果を制御目標値として制御する構成であってもよい。この構成によると、暖房運転時における省エネルギを図ることができる。
また、冷却塔1(図1参照)は、開放式冷却塔であっても密閉式冷却塔であってもよく、冷却塔1は種類が限定されない。
【0085】
また、タイムスケジュールに基づいて蓄熱運転する場合、冷凍機を部分負荷運転するときの冷凍機負荷を、翌日の負荷の予測値と外気の湿球温度の予測値に基づいて設定する構成とすることも可能である。
【0086】
以上のように本発明は、多様に設計変更可能であり、適用範囲を広げることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 冷却塔
2a 高温側冷凍機(冷凍機)
2b 低温側冷凍機(冷凍機)
3 負荷側
4a 高温側冷却水ポンプ(第1ポンプ、制御対象)
4b 低温側冷却水ポンプ(第1ポンプ、制御対象)
5 冷水ポンプ(第2ポンプ、制御対象)
6 冷却ファン(制御対象)
8 蓄熱槽(蓄熱手段)
71 制御装置
100 熱源システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却塔で冷却される第1の冷水が循環する第1冷水系統と、
負荷側を冷却する第2の冷水が循環する第2冷水系統と、
前記第2冷水系統に直列に配設され、前記負荷側を冷却した前記第2の冷水の熱を前記第1の冷水に移動して前記第2の冷水を冷却する複数の冷凍機と、
少なくとも前記冷却塔に外気を送風する冷却ファン、前記第1の冷水を循環させる第1ポンプ、および前記第2の冷水を循環させる第2ポンプを制御対象として制御する制御装置と、を備え、
前記負荷側へは、前記冷凍機で冷却された前記第2の冷水を貯留する蓄熱手段を介して前記第2の冷水が供給される熱源システムであって、
前記制御装置は、
外気の状態と前記蓄熱手段の蓄熱量と前記負荷側の要求負荷のうちの少なくとも1つの変化に対応して、エネルギ消費量を示す評価関数を最小とするように前記制御対象の制御目標値を設定することを特徴とする熱源システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記負荷側を冷却する冷却運転時に、前記負荷側の要求負荷を前記冷凍機が処理する負荷として前記制御目標値を設定することを特徴とする請求項1に記載の熱源システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第2の冷水を冷却して前記蓄熱手段に貯留する蓄熱運転時に、予め設定されている負荷を前記冷凍機が処理する負荷として前記制御目標値を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱源システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記負荷側を冷却する冷却運転時に、
前記蓄熱量が所定の下限値より小さい場合に前記要求負荷が前記冷凍機の運転負荷以上のときには前記要求負荷を前記冷凍機が処理する負荷として前記制御目標値を設定し、
前記蓄熱量が前記下限値より小さい場合に前記要求負荷が前記冷凍機の運転負荷より小さいとき、または、前記蓄熱量が前記下限値以上で所定の上限値より小さい場合には、予め設定されている負荷を前記冷凍機が処理する負荷として前記制御目標値を設定することを特徴とする請求項1に記載の熱源システム。
【請求項5】
前記評価関数を最小とする前記制御目標値と、前記外気の状態と、前記冷凍機の運転負荷と、の対応を示すデータを有すること、を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱源システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
外気の状態と前記蓄熱量と前記要求負荷のうちの少なくとも1つの変化に対応して、前記データに基づいて前記制御目標値を設定することを特徴とする請求項5に記載の熱源システム。
【請求項7】
冷却塔で冷却される第1の冷水が循環する第1冷水系統と、
負荷側を冷却する第2の冷水が循環する第2冷水系統と、
前記第2冷水系統に直列に配設され、前記負荷側を冷却した前記第2の冷水の熱を前記第1の冷水に移動して前記第2の冷水を冷却する複数の冷凍機と、
少なくとも前記冷却塔に外気を送風する冷却ファン、前記第1の冷水を循環させる第1ポンプ、および前記第2の冷水を循環させる第2ポンプを制御対象として制御する制御装置と、を備え、
前記負荷側へは、前記冷凍機で冷却された前記第2の冷水を貯留する蓄熱手段を介して前記第2の冷水が供給される熱源システムの制御方法であって、
外気の状態と前記蓄熱手段の蓄熱量と前記負荷側の要求負荷のうちの少なくとも1つの変化に対応して、エネルギ消費量を示す評価関数を最小とするように前記制御対象の制御目標値を設定するステップと、
前記制御目標値に基づいて前記制御対象を制御するステップと、を備えることを特徴とする熱源システムの制御方法。
【請求項8】
前記評価関数を最小とする前記制御目標値と、前記外気の状態と、前記冷凍機の運転負荷と、の対応を示すデータに基づいて前記制御目標値を設定するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の熱源システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−2757(P2013−2757A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135446(P2011−135446)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】