熱源位置角度検出方法
【課題】熱源の大きさが赤外線カメラ1画素の検出範囲よりはるかに小さな場合であっても、赤外線カメラの画素数を増やすことなくカメラから熱源までの位置角度を精度良く求める。
【解決手段】検出範囲の最も赤外線カメラから遠くにあり、1画素の検出範囲よりもはるかに小さな熱源であっても、赤外線カメラのレンズの焦点をずらし、3画素に赤外線が入射させ3画素が出力するデータの大小を比較することにより精度の高い熱源の角度検出を行う。
【解決手段】検出範囲の最も赤外線カメラから遠くにあり、1画素の検出範囲よりもはるかに小さな熱源であっても、赤外線カメラのレンズの焦点をずらし、3画素に赤外線が入射させ3画素が出力するデータの大小を比較することにより精度の高い熱源の角度検出を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤外線カメラから得られるデータを元にカメラ視野中心から熱源中心までの位置角度を求める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の赤外線カメラから得られるデータを用い熱源位置を求める方法では特開平10−241077公報の実施例に見られるように、赤外線カメラから得られる数画素データを元に熱源位置を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−241077
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の方法で熱源の位置を求めるためには少なくとも求める熱源の大きさに対し数画素以上の画素で熱源を検出する必要があり、赤外線カメラの有効画素数によって検出できる距離、検出できる熱源の大きさに制約があり、より、広範囲な条件で小さな熱源中心までの角度を精度良く検出するためには、より多くの画素を持った高価な赤外線カメラが必要になり、検出システムが高価になってしまう問題がある。もし数画素データではなく1画素データで検出を行おうとすると、1画素の検出範囲よりはるかに検出熱源が小さくなる場合、熱源が画素のどの位置にあるかわからないため、この場合でも検出角度精度が画素密度で決定されてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために本発明の熱源位置角度検出方法は、赤外線カメラの出力データよりカメラの視野中心から熱源中心までの位置角度を検出する方法であって、熱源の大きさが赤外線カメラの1画素の検出範囲より小さくなるような条件であっても、熱源から放射される赤外線が連続した横方向、縦方向各3の赤外線検出画素に入射するよう光学系を設定し3画素が出力する出力データの大小を比較し、カメラの視野中心から熱源中心までの角度を精度良く求める。精度よく求められない位置に熱源があると判断した場合、検出画素に対し精度良く角度が得られる位置に熱源から放射する赤外線が入射するように回転台でカメラを回転し、カメラの視野中心から熱源中心までの角度を精度良く求める。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱源の大きさが赤外線カメラ1画素の検出範囲よりはるかに小さな場合であっても、赤外線カメラの画素数を増やすことなくカメラから熱源までの位置角度を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1に係る熱源位置角度検出方法の実施形態を示す図である。
【図2】熱源が画素の検出範囲よりはるかに小さな状態を表している図である。
【図3】熱源が検出画素の検出範囲よりはるかに小さな場合、熱源の検出角度に誤差が生じてしまうことを表した図である。
【図4】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素の中心に位置する場合を表した図である。
【図5】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の左2画素の間に位置する場合を表した図である。
【図6】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の右2画素の間に位置する場合を表した図である。
【図7】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より左に位置する場合を表した図である。
【図8】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より右に位置する場合を表した図である。
【図9】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素の中心に位置した場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図10】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の左2画素の間に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図11】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の右2画素の間に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図12】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より右に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図13】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より左に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図14】64×64画素を持ち、中心水平方100度の検出範囲を持つ向赤外線カメラで50mはなれた25Cm角火皿を計測し、出力データを画像化した図である。
【図15】熱源水平方向64画素のデータをグラフ化した図である。
【図16】熱源水平方向64画素のデータをグラフ化した図である。
【図17】赤外線カメラの画素数での角度分解能を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図2は検出熱源位置における検出画素の範囲を連続して横方向に並ぶ3画素A(検知範囲201)、B(検知範囲202)、C(検知範囲203)で表した図である。図2は画素Bの検出範囲202より熱源205がはるかに小さい場合を示している。例えば、水平方向の検出角度100度、赤外線カメラのコストを下げるため、水平方向の画素数を64画素とし、検出距離を50mとした場合、A,B,C画素の検出範囲の各1辺の長さは約186Cmとなる。この時、33Cm各のノルマルヘプタンの火炎を熱源とすれば炎の高さを60Cmとして、熱源の大きさは33×60Cmの大きさとなり、この熱源に対し光学系で焦点を合わせてしまえば1画素の検出範囲186×186Cmよりはるかに小さな熱源となってしまう。そして、このような赤外線カメラが出力するデータでは図3、図17で示すような検出角度の誤差約1.59度が発生する。
図3に於いて、画素A,B,Cについて表示している検出範囲面は角度平面に対し垂直であるが理解しやすいようにこのような表現としている。
【0009】
本発明では図1で示すように赤外線カメラから遠くに位置する小さな熱源で、検出画素1画素の検出範囲より熱源の大きさが小さくなる場合でも、連続する検出画素縦、横各3画素に対して赤外線が入射するように光学系を調整する、具体的には光学系の焦点をずらし、熱源を光学的に膨張させる。実際に光学系の焦点を合わせた場合は図2で示すように検出画素Bの検出範囲202より熱源ははるかに小さくなっている。しかし、光学系の焦点をずらすことにより赤外線が入射する範囲が図2の205から図1の204のように広がり、画素A,Bにも赤外線が入射する。
【0010】
図4から図8に赤外線検出画素A,B,Cの検知範囲に対する熱源位置の違いによる熱源中心位置の例を示していて図中十字で示している部分が熱源中心である。図4は検出画素Bの検出範囲の中心に熱源の中心がある場合。検出画素Bの中心にあることさえわかれば熱源中心の赤外線カメラ視野中心からの角度はカメラの視野角及び画素数より計算で求めることができる。
図5は検出画素Bと検出画素Aの検出範囲の間に熱源の中心がある場合。検出画素Bと検出画素Aとの間にあることさえわかれば熱源中心の赤外線カメラ視野中心からの角度はカメラの視野角及び画素数より計算で求めることができる。
同様に図6は検出画素Bと検出画素Cの検出範囲の間に熱源の中心がある場合。検出画素Bと検出画素Cとの間にあることさえわかれば熱源中心の赤外線カメラ視野中心からの角度はカメラの視野角及び画素数より計算で求めることができる。
【0011】
図7は画素Bの検出範囲の中心より左側に検出熱源の中心がある場合で、この場合、左側にあることがわかっても正確な角度を計算で求めることができない。同様に図8のように画素Bの検出範囲の中心より右側に検出熱源の中心がある場合も正確な角度を計算で求めることができない。この場合後に説明する方法で正確な角度を求めることができる。
【0012】
以下に赤外線カメラの画素の検出範囲と熱源の中心との関係を求める方法について説明する。図9は検出画素Bの検出範囲の中心に熱源中心がある場合を示している。図9右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素Bが出力するデータは熱源が中心にあるため最も高い値を出力する。左右の検出画素A、Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線の一部が均等に画素A,Cに入射するため、画素Bからの出力よりは低い値で B>(A≒C)の関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素Bの検出範囲の中心に位置していると判断でき、例えば、水平方向の検出角度100度、水平方向の画素数を64画素とし、図17で示すように視野中心から検出画素中心が約1.59度ごとに配置してある場合で、検出画素Bが視野中心から10番目の画素であるならば、熱源の位置角度101は視野中心から水平方向9*1.59+0.8≒15.1度の角度に位置していると計算できる。
【0013】
図10は検出画素Bと検出画素Aの検出範囲の間に熱源中心がある場合を示している。図10右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素A,Bが出力するデータは熱源中心が検出画素A,Bの間にあるため高い値を出力しながらA≒Bの関係があり。検出画素Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線がほとんど入射しないため、画素A,Bからの出力よりは低い値で(A≒B)>>Cの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素A、Bの検出範囲の間に位置していると判断でき、例えば、水平方向の検出角度100度、水平方向の画素数を64画素とし、視野中心から検出画素中心が1.59度ごとに配置してある場合で、検出画素Bが視野中心から10番目の画素であるならば、熱源の位置角度102は視野中心から水平方向15.1+0.8≒15.9度の角度に位置していると計算できる。
【0014】
図11は検出画素Bと検出画素Cの検出範囲の間に熱源中心がある場合を示している。図11右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素B,Cが出力するデータは熱源中心が検出画素A,Bの間にあるため高い値を出力しながらB≒Cの関係があり。検出画素Aからの出力は光学系で膨張させた赤外線がほとんど入射しないため、画素B、Cからの出力よりは低い値で(B≒C)>>Aの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素B、Cの検出範囲の間に位置していると判断でき、例えば、水平方向の検出角度100度、水平方向の画素数を64画素とし、視野中心から検出画素中心が1.59度ごとに配置してある場合で、検出画素Bが視野中心から10番目の画素であるならば、熱源の位置角度103は視野中心から水平方向15.1−0.8≒14.3度の角度に位置していると計算できる。
【0015】
図12は検出画素Bの検出範囲の中心より左に熱源中心がある場合を示している。図12右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素Bが出力するデータは熱源中心がBの検出範囲内にあるため最も高い値を出力する。左右の検出画素A、Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線の一部がA>Cの関係で入射するため、画素Bからの出力よりは低い値で B>A>Cの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素Bの検出範囲の中心より左に位置していると判断できるが中心からどの程度離れているかはわからない。そこでカメラを固定している回転台を熱源中心が画素Bの検出範囲の中心になるように左方向に回転させる。検出範囲の中心に来たかどうかは各画素A,B,Cからの出力が図9のようにB>>(A≒C)の関係になったかどうかで判断できる。回転角度が水平方向0.5度であったとするならば、視野中心からの水平角度104は15.6度と求めることができる。
【0016】
図13は検出画素Bの検出範囲の中心より右に熱源中心がある場合を示している。図13右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素Bが出力するデータは熱源中心が検出範囲内にあるため最も高い値を出力する。左右の検出画素A、Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線の一部がA<Cの関係で入射するため、画素Bからの出力よりは低い値で B>C>Aの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素Bの検出範囲の中心より右に位置していると判断できるが中心からどの程度離れているかはわからない。そこでカメラを固定している回転台を熱源中心が画素Bの検出範囲の中心になるように右方向に回転させる。検出範囲の中心に来たかどうかは各画素A,B,Cからの出力が図9のようにB>>(A≒C)の関係になったかどうかで判断できる。回転角度が水平右方向0.5度であったとするならば、視野中心からの水平角度105は14.6度と求めることができる。
【0017】
図14は本発明の実施例1で説明した64×64画素を持ち、中心部の水平方向の検知角度100度の赤外線カメラを使用し、50m離れた位置で25Cm角の火皿から放射される赤外線データを取得し、データを画像化したものである。
図15はこのデータのうち水平方向64画素分のデータをグラフ化したものである。このデータにおいて中心部から左方向25番目の画素データが最も高く実施例説明のBの画素に相当する。このデータではB>C>Aの関係があり図13で示した場合に相当する。
Bの画素の角度は24*1.59*0.8≒39度でその位置から0.8度の範囲に熱源があると推定できる。そこで、出力データが図16で示す関係になるまで回転台を右方向に最大で0.8度回転し、その回転角度を39度から減算すると正確な熱源の角度を求めることができる。
説明では水平方向のみについて説明したが垂直方向の視野中心からの角度も同様の方法で求めることができる。
また、光学系の歪等の影響で計算値よりずれる場合は各画素に対する角度補正値を実測で求め記憶しておいても良い。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によれば赤外線カメラの画素数の少ない低価格な赤外線カメラを使用した場合でも、遠距離にある熱源、火炎の位置角度を回転台と組み合わせることによりわずかな回転台の回転角度で早く精度良く求めることができ、いち早く消化装置に正確な位置角度情報を提供できるようになる。
【符号の説明】
【0019】
101 熱源中心が検出画素Bの検出範囲の中心にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
102 熱源中心が検出画素A,Bの検出範囲の間にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
103 熱源中心が検出画素B,Cの検出範囲の間にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
104 熱源中心が検出画素Bの検出範囲中心より左にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
105 熱源中心が検出画素Bの検出範囲中心より右にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
201 検出画素Aの検出範囲
202 検出画素Bの検出範囲
203 検出画素Cの検出範囲
205 検出熱源
【技術分野】
【0001】
本発明は赤外線カメラから得られるデータを元にカメラ視野中心から熱源中心までの位置角度を求める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の赤外線カメラから得られるデータを用い熱源位置を求める方法では特開平10−241077公報の実施例に見られるように、赤外線カメラから得られる数画素データを元に熱源位置を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−241077
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の方法で熱源の位置を求めるためには少なくとも求める熱源の大きさに対し数画素以上の画素で熱源を検出する必要があり、赤外線カメラの有効画素数によって検出できる距離、検出できる熱源の大きさに制約があり、より、広範囲な条件で小さな熱源中心までの角度を精度良く検出するためには、より多くの画素を持った高価な赤外線カメラが必要になり、検出システムが高価になってしまう問題がある。もし数画素データではなく1画素データで検出を行おうとすると、1画素の検出範囲よりはるかに検出熱源が小さくなる場合、熱源が画素のどの位置にあるかわからないため、この場合でも検出角度精度が画素密度で決定されてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために本発明の熱源位置角度検出方法は、赤外線カメラの出力データよりカメラの視野中心から熱源中心までの位置角度を検出する方法であって、熱源の大きさが赤外線カメラの1画素の検出範囲より小さくなるような条件であっても、熱源から放射される赤外線が連続した横方向、縦方向各3の赤外線検出画素に入射するよう光学系を設定し3画素が出力する出力データの大小を比較し、カメラの視野中心から熱源中心までの角度を精度良く求める。精度よく求められない位置に熱源があると判断した場合、検出画素に対し精度良く角度が得られる位置に熱源から放射する赤外線が入射するように回転台でカメラを回転し、カメラの視野中心から熱源中心までの角度を精度良く求める。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱源の大きさが赤外線カメラ1画素の検出範囲よりはるかに小さな場合であっても、赤外線カメラの画素数を増やすことなくカメラから熱源までの位置角度を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1に係る熱源位置角度検出方法の実施形態を示す図である。
【図2】熱源が画素の検出範囲よりはるかに小さな状態を表している図である。
【図3】熱源が検出画素の検出範囲よりはるかに小さな場合、熱源の検出角度に誤差が生じてしまうことを表した図である。
【図4】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素の中心に位置する場合を表した図である。
【図5】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の左2画素の間に位置する場合を表した図である。
【図6】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の右2画素の間に位置する場合を表した図である。
【図7】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より左に位置する場合を表した図である。
【図8】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より右に位置する場合を表した図である。
【図9】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素の中心に位置した場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図10】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の左2画素の間に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図11】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の右2画素の間に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図12】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より右に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図13】光学系で熱源を膨張させ連続した3画素に赤外線が入射するように設定し、熱源中心が3画素の中心画素にあり、画素中心より左に位置する場合の3画素の出力の大きさと、検出角度を表した図である。
【図14】64×64画素を持ち、中心水平方100度の検出範囲を持つ向赤外線カメラで50mはなれた25Cm角火皿を計測し、出力データを画像化した図である。
【図15】熱源水平方向64画素のデータをグラフ化した図である。
【図16】熱源水平方向64画素のデータをグラフ化した図である。
【図17】赤外線カメラの画素数での角度分解能を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図2は検出熱源位置における検出画素の範囲を連続して横方向に並ぶ3画素A(検知範囲201)、B(検知範囲202)、C(検知範囲203)で表した図である。図2は画素Bの検出範囲202より熱源205がはるかに小さい場合を示している。例えば、水平方向の検出角度100度、赤外線カメラのコストを下げるため、水平方向の画素数を64画素とし、検出距離を50mとした場合、A,B,C画素の検出範囲の各1辺の長さは約186Cmとなる。この時、33Cm各のノルマルヘプタンの火炎を熱源とすれば炎の高さを60Cmとして、熱源の大きさは33×60Cmの大きさとなり、この熱源に対し光学系で焦点を合わせてしまえば1画素の検出範囲186×186Cmよりはるかに小さな熱源となってしまう。そして、このような赤外線カメラが出力するデータでは図3、図17で示すような検出角度の誤差約1.59度が発生する。
図3に於いて、画素A,B,Cについて表示している検出範囲面は角度平面に対し垂直であるが理解しやすいようにこのような表現としている。
【0009】
本発明では図1で示すように赤外線カメラから遠くに位置する小さな熱源で、検出画素1画素の検出範囲より熱源の大きさが小さくなる場合でも、連続する検出画素縦、横各3画素に対して赤外線が入射するように光学系を調整する、具体的には光学系の焦点をずらし、熱源を光学的に膨張させる。実際に光学系の焦点を合わせた場合は図2で示すように検出画素Bの検出範囲202より熱源ははるかに小さくなっている。しかし、光学系の焦点をずらすことにより赤外線が入射する範囲が図2の205から図1の204のように広がり、画素A,Bにも赤外線が入射する。
【0010】
図4から図8に赤外線検出画素A,B,Cの検知範囲に対する熱源位置の違いによる熱源中心位置の例を示していて図中十字で示している部分が熱源中心である。図4は検出画素Bの検出範囲の中心に熱源の中心がある場合。検出画素Bの中心にあることさえわかれば熱源中心の赤外線カメラ視野中心からの角度はカメラの視野角及び画素数より計算で求めることができる。
図5は検出画素Bと検出画素Aの検出範囲の間に熱源の中心がある場合。検出画素Bと検出画素Aとの間にあることさえわかれば熱源中心の赤外線カメラ視野中心からの角度はカメラの視野角及び画素数より計算で求めることができる。
同様に図6は検出画素Bと検出画素Cの検出範囲の間に熱源の中心がある場合。検出画素Bと検出画素Cとの間にあることさえわかれば熱源中心の赤外線カメラ視野中心からの角度はカメラの視野角及び画素数より計算で求めることができる。
【0011】
図7は画素Bの検出範囲の中心より左側に検出熱源の中心がある場合で、この場合、左側にあることがわかっても正確な角度を計算で求めることができない。同様に図8のように画素Bの検出範囲の中心より右側に検出熱源の中心がある場合も正確な角度を計算で求めることができない。この場合後に説明する方法で正確な角度を求めることができる。
【0012】
以下に赤外線カメラの画素の検出範囲と熱源の中心との関係を求める方法について説明する。図9は検出画素Bの検出範囲の中心に熱源中心がある場合を示している。図9右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素Bが出力するデータは熱源が中心にあるため最も高い値を出力する。左右の検出画素A、Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線の一部が均等に画素A,Cに入射するため、画素Bからの出力よりは低い値で B>(A≒C)の関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素Bの検出範囲の中心に位置していると判断でき、例えば、水平方向の検出角度100度、水平方向の画素数を64画素とし、図17で示すように視野中心から検出画素中心が約1.59度ごとに配置してある場合で、検出画素Bが視野中心から10番目の画素であるならば、熱源の位置角度101は視野中心から水平方向9*1.59+0.8≒15.1度の角度に位置していると計算できる。
【0013】
図10は検出画素Bと検出画素Aの検出範囲の間に熱源中心がある場合を示している。図10右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素A,Bが出力するデータは熱源中心が検出画素A,Bの間にあるため高い値を出力しながらA≒Bの関係があり。検出画素Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線がほとんど入射しないため、画素A,Bからの出力よりは低い値で(A≒B)>>Cの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素A、Bの検出範囲の間に位置していると判断でき、例えば、水平方向の検出角度100度、水平方向の画素数を64画素とし、視野中心から検出画素中心が1.59度ごとに配置してある場合で、検出画素Bが視野中心から10番目の画素であるならば、熱源の位置角度102は視野中心から水平方向15.1+0.8≒15.9度の角度に位置していると計算できる。
【0014】
図11は検出画素Bと検出画素Cの検出範囲の間に熱源中心がある場合を示している。図11右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素B,Cが出力するデータは熱源中心が検出画素A,Bの間にあるため高い値を出力しながらB≒Cの関係があり。検出画素Aからの出力は光学系で膨張させた赤外線がほとんど入射しないため、画素B、Cからの出力よりは低い値で(B≒C)>>Aの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素B、Cの検出範囲の間に位置していると判断でき、例えば、水平方向の検出角度100度、水平方向の画素数を64画素とし、視野中心から検出画素中心が1.59度ごとに配置してある場合で、検出画素Bが視野中心から10番目の画素であるならば、熱源の位置角度103は視野中心から水平方向15.1−0.8≒14.3度の角度に位置していると計算できる。
【0015】
図12は検出画素Bの検出範囲の中心より左に熱源中心がある場合を示している。図12右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素Bが出力するデータは熱源中心がBの検出範囲内にあるため最も高い値を出力する。左右の検出画素A、Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線の一部がA>Cの関係で入射するため、画素Bからの出力よりは低い値で B>A>Cの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素Bの検出範囲の中心より左に位置していると判断できるが中心からどの程度離れているかはわからない。そこでカメラを固定している回転台を熱源中心が画素Bの検出範囲の中心になるように左方向に回転させる。検出範囲の中心に来たかどうかは各画素A,B,Cからの出力が図9のようにB>>(A≒C)の関係になったかどうかで判断できる。回転角度が水平方向0.5度であったとするならば、視野中心からの水平角度104は15.6度と求めることができる。
【0016】
図13は検出画素Bの検出範囲の中心より右に熱源中心がある場合を示している。図13右の図は各検出素子A,B,Cから出力する検出データの大きさを示している。検出画素Bが出力するデータは熱源中心が検出範囲内にあるため最も高い値を出力する。左右の検出画素A、Cからの出力は光学系で膨張させた赤外線の一部がA<Cの関係で入射するため、画素Bからの出力よりは低い値で B>C>Aの関係になる。このような関係がある場合熱源中心は検出画素Bの検出範囲の中心より右に位置していると判断できるが中心からどの程度離れているかはわからない。そこでカメラを固定している回転台を熱源中心が画素Bの検出範囲の中心になるように右方向に回転させる。検出範囲の中心に来たかどうかは各画素A,B,Cからの出力が図9のようにB>>(A≒C)の関係になったかどうかで判断できる。回転角度が水平右方向0.5度であったとするならば、視野中心からの水平角度105は14.6度と求めることができる。
【0017】
図14は本発明の実施例1で説明した64×64画素を持ち、中心部の水平方向の検知角度100度の赤外線カメラを使用し、50m離れた位置で25Cm角の火皿から放射される赤外線データを取得し、データを画像化したものである。
図15はこのデータのうち水平方向64画素分のデータをグラフ化したものである。このデータにおいて中心部から左方向25番目の画素データが最も高く実施例説明のBの画素に相当する。このデータではB>C>Aの関係があり図13で示した場合に相当する。
Bの画素の角度は24*1.59*0.8≒39度でその位置から0.8度の範囲に熱源があると推定できる。そこで、出力データが図16で示す関係になるまで回転台を右方向に最大で0.8度回転し、その回転角度を39度から減算すると正確な熱源の角度を求めることができる。
説明では水平方向のみについて説明したが垂直方向の視野中心からの角度も同様の方法で求めることができる。
また、光学系の歪等の影響で計算値よりずれる場合は各画素に対する角度補正値を実測で求め記憶しておいても良い。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によれば赤外線カメラの画素数の少ない低価格な赤外線カメラを使用した場合でも、遠距離にある熱源、火炎の位置角度を回転台と組み合わせることによりわずかな回転台の回転角度で早く精度良く求めることができ、いち早く消化装置に正確な位置角度情報を提供できるようになる。
【符号の説明】
【0019】
101 熱源中心が検出画素Bの検出範囲の中心にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
102 熱源中心が検出画素A,Bの検出範囲の間にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
103 熱源中心が検出画素B,Cの検出範囲の間にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
104 熱源中心が検出画素Bの検出範囲中心より左にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
105 熱源中心が検出画素Bの検出範囲中心より右にある場合に於ける視野中心からの水平角度。
201 検出画素Aの検出範囲
202 検出画素Bの検出範囲
203 検出画素Cの検出範囲
205 検出熱源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線カメラからの出力データを用い熱源方向を検出する方法に於いて、連続する横方向各3画素の出力データの大小関係を調べることでカメラ中心から熱源中心までの横方向角度を求め、連続する縦方向各3画素の出力データの大小関係を調べることでカメラ中心から熱源中心までの縦方向角度を求めることを特徴とする熱源位置角度検出方法。
【請求項2】
検出したい熱源の大きさが赤外線カメラ検出画素1画素の検出面積より小さな場合、連続する横方向、縦方向各3画素に検出熱源から放射される赤外線が入射するように、光学系を設定することを特徴とする熱源位置角度検出方法。
【請求項3】
赤外線カメラを左右及び上下に回転させる回転台を備え、連続する横方向3画素、縦方向3画素の検出画素の関係が設定条件となるまで、カメラを回転させ、その回転角度で正確な赤外線カメラ中心と熱源との角度を求めたことを特徴とする熱源位置角度検出方法。
【請求項1】
赤外線カメラからの出力データを用い熱源方向を検出する方法に於いて、連続する横方向各3画素の出力データの大小関係を調べることでカメラ中心から熱源中心までの横方向角度を求め、連続する縦方向各3画素の出力データの大小関係を調べることでカメラ中心から熱源中心までの縦方向角度を求めることを特徴とする熱源位置角度検出方法。
【請求項2】
検出したい熱源の大きさが赤外線カメラ検出画素1画素の検出面積より小さな場合、連続する横方向、縦方向各3画素に検出熱源から放射される赤外線が入射するように、光学系を設定することを特徴とする熱源位置角度検出方法。
【請求項3】
赤外線カメラを左右及び上下に回転させる回転台を備え、連続する横方向3画素、縦方向3画素の検出画素の関係が設定条件となるまで、カメラを回転させ、その回転角度で正確な赤外線カメラ中心と熱源との角度を求めたことを特徴とする熱源位置角度検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−92431(P2013−92431A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234130(P2011−234130)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000229081)日本セラミック株式会社 (129)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000229081)日本セラミック株式会社 (129)
【Fターム(参考)】
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