説明

熱特性が改良されかつ混合物に基づくコポリカーボネート組成物

【課題】熱特性が改良された1以上のビスフェノール構造ブロックを含有する少なくとも1つのコポリカーボネートおよび1以上のさらなる特定の(コ)ポリカーボネートを含有する組成物を提供する。
【解決手段】相境界法または溶融エステル交換法を用いて製造される特定の置換基を有しても良いフェノール類により末端封止された(置換基を有しても良い)シクロヘキシリデン基で連結されたビスフェノール構造ブロック含有する少なくとも1つのコポリカーボネート(A)及び1以上のさらなる特定のビスフェノール構造を有する(コ)ポリカーボネート(B)を含有する組成物、さらには任意に添加剤を含有する組成物を用いて成形物品を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願請求の範囲は2009年12月12日に出願された欧州特許出願第09 015 398.2号の利益を享受し、すべての有用な目的のために、これをここにその全体を参照して挿入する。
【0002】
本発明は、1以上のビスフェノール構造ブロックを含有する少なくとも1つのコポリカーボネートおよび1以上のさらなる特定の(コ)ポリカーボネートを含有する組成物、さらには任意に添加剤を含有する組成物に関し、成形物品を製造するためのその使用、およびそこから得られる成形物品に関する。
【背景技術】
【0003】
コポリカーボネートは工業的熱可塑性プラスチックから成る群に属する。コポリカーボネートは、電気および電子分野では、照明のハウジング材料として、特に熱および機械特性が求められる用途、たとえば、ブロードライヤー、自動車分野での用途、プラスチックカバー、拡散スクリーンまたは導波管部品およびランプカバーまたはランプベゼルでは幅広い範囲の用途を有する。これらのコポリカーボネートをさらなる熱可塑性プラスチック用に混合物成分として使用することができる。
【0004】
これらの組成物の場合には、良好な熱および機械特性、たとえば、ビカー(Vicat)温度(加熱ひずみ耐性)およびガラス転移温度は、実際には常に不可欠である。高い加熱ひずみ耐性を達成するためには、特定のビスフェノールに依存する必要であり、これは合成するのが複雑であり、したがって高価でもある。
【0005】
ドイツ特許第DE102004020673号公報は、流動性が改良され、かつエーテルまたはチオエーテル結合を有するビスフェノールに基づくコポリカーボネートを記載している。
【0006】
ドイツ特許第DE3918406号公報は、光データ記憶用の、特定のポリカーボネートに基づくエラストマーまたは他の熱可塑性プラスチックとの混合物、光学的用途、特に光データ記憶でのその使用、たとえば、コンパクトディスクを開示している。
【0007】
ドイツ特許第DE102008023800号公報は、連続処理でのコポリカーボネートの調製において、不均一性U=(Mw/Mn)−1を減らすために、鎖重合停止剤としてアルキルフェノールを使用することを記載している。
【0008】
先行技術に従って公知の方法では、加熱ひずみ耐性は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)に基づく特定の構造ブロックをポリカーボネート骨格に導入することによって達成される。このいわゆる高−Tgポリカーボネートは高価で経済的要因に非常に影響する。
【0009】
しかし、先行技術は、特定/規定の加熱ひずみ耐性の場合に、如何にすれば、化合工程で調製されるPC混合物中の高価な高−Tgポリカーボネートの量を減らすことができるかに関して、当業者に全く情報を与えていない。特に、混合物全体の加熱ひずみ耐性に及ぼす混合物成分の影響、特に少なくとも1つのまたは2つの混合物成分中の鎖重合停止剤の影響に関する情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、同じ加熱ひずみ耐性を備えながら、高−Tgポリカーボネートの配合割合をより少なくした、芳香族ポリカーボネートを含有する組成物を提供することが目的であった。
【0011】
驚くべきことに、特定の(高−Tg)コポリカーボネート(成分A)と(コ)ポリカーボネート(成分B)とを含有する組成物では、同等の高い加熱ひずみ耐性を達成するために、特に置換鎖重合停止剤が成分Aまたは成分Bのいずれ中に、または両方の成分中に存在する場合には、常に特定の(高−Tg)コポリカーボネートの配合割合がより少なくてもよいことを見出した。特に置換鎖重合停止剤を用いて調製されたこれらの特定の(コ)ポリカーボネートを使用することで、相乗効果は高まる。
【0012】
このことは驚くべきことに、非常に大きい粘度とビカー範囲で混合物に当てはまる。
【0013】
記載の新規の特性の組み合わせは、射出成形または押出し成形される部品の機械的および熱的機能について、重要な基準を構成するものである。本発明によるコポリカーボネート組成物から製造される射出成形部品または押出し物は、熱特性(ビカー温度)が著しく改良される。
【0014】
本願の内容では、ポリカーボネート組成物(または混合物)は、2以上のポリカーボネートの混合物であって、任意に添加剤(成分C)を備えてもよいことを意味するものと理解される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施の形態は:
A)成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、5〜90重量部の、式(1)のジフェノール構造ブロックの化合物から誘導される1以上のモノマーユニットを含有するコポリカーボネート
【化1】

(ここで、
R1は水素またはC〜C−アルキルであり、
R2はC〜C−アルキルであり、かつ
nは0、1、2または3である)と、
B)成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、95〜10重量部の、式(2)の化合物の1以上のモノマーユニットを含有する(コ)ポリカーボネート
【化2】

(ここで、
R3はHまたは線形または分岐C〜C10−アルキルであり、
R4は線形または分岐C〜C10−アルキルである)と
を含有し、
ここで、成分AまたはBの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、式(3)の構造ユニット
【化3】

を末端基として含有するポリカーボネート組成物である。
【0016】
本発明の別の実施の形態は、R1が水素であり、R2がメチルであり、nが3である上記ポリカーボネート組成物である。
【0017】
本発明の別の実施の形態は、成分AまたはBの少なくとも1つがさらに、式(4)のジフェノールに基づくモノマーユニットを含有し、
【化4】

ここで、
R5およびR6は互いに独立して、水素、C〜C18−アルキル、C〜C18−アルコキシ、ハロゲンおよび任意に置換されたアリールまたはアラルキルであり、
Xは、単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンであり、ここで前記C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンは任意にC〜C−アルキルで置換され、またはC〜C12−アリーレンであり、これはヘテロ原子を含有するさらなる芳香族環と任意に縮合する
上記ポリカーボネート組成物である。
【0018】
本発明の別の実施の形態は、前記ポリカーボネート組成物が、各場合、成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、10〜80重量部の成分Aおよび90〜20重量部の成分Bを含有する上記ポリカーボネート組成物である。
【0019】
本発明の別の実施の形態は、前記ポリカーボネートが、使用されるジフェノールに基づくモノマーユニットのモル合計に基づいて、0.1〜88mol%の式(1)のモノマーユニットの配合割合を有するコポリカーボネートである上記ポリカーボネート組成物である。
【0020】
本発明の別の実施の形態は、成分Aが、式(1b)および(4b)の化合物から誘導されるモノマーユニット
【化5】

を含有する上記ポリカーボネート組成物である。
【0021】
本発明の別の実施の形態は、さらに、成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、0〜5重量部の添加剤を成分Cとして含有する上記ポリカーボネート組成物である。
【0022】
本発明のまた別の実施の形態は、上記ポリカーボネート組成物から得られる成形物品、押出し物、フィルムまたはフィルムラミネートである。
【0023】
本発明のまた別の実施の形態は、上記ポリカーボネート組成物から得られる共押出し層を含む成形物品、押出し物、またはフィルムである。
【0024】
本発明の別の実施の形態は、前記成形物品、押出し物、フィルムまたはフィルムラミネートは、電気または電子装置のキーパッド、レンズ、スクリーン/ディスプレイカバーまたはLED用途である上記成形物品、押出し物、フィルムまたはフィルムラミネートである。
【0025】
本発明のまた別の実施の形態は、相境界法または溶融エステル交換法を介してポリカーボネートを化合する工程を包含する上記ポリカーボネート組成物調製方法であって、前記ポリカーボネートは式(1)のモノマーユニットまたは式(2)または(4)のジフェノールに基づくモノマーユニットを含有する方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
したがって、本発明は、成分として、
A)(成分A+Bの重量部の合計に基づいて、)5〜90重量部、好ましくは10〜80重量部の、式(1)のジフェノール構造ブロックの化合物から誘導される1以上のモノマーユニットを含有するコポリカーボネート
【化6】

(ここで、
R1は水素またはC〜C−アルキル、好ましくは水素を表し、
R2はC〜C−アルキル、好ましくはメチルを表し、
nは0、1、2または3、好ましくは3を表す)と、
成分として、
B)(成分A+Bの重量部の合計に基づいて、)95〜10重量部、好ましくは90〜20重量部の、一般式(2)の化合物の1以上のモノマーユニットを含有する(コ)ポリカーボネート
【化7】

(ここで、
R3はH、線形または分岐C〜C10−アルキル、好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、特に好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、非常に特に好ましくはHまたはC−アルキル(メチル)を表し、
R4は線形または分岐C〜C10−アルキル、好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、特に好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、非常に特に好ましくはC−アルキル(メチル)を表し、
成分AまたはBの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、式(3)の構造ユニット
【化8】

を末端基として含有する)と、
C)任意に、(各場合、成分A+Bの重量部の合計に基づいて、)0〜5重量部、好ましくは0〜2重量部、特に好ましくは0〜1重量部の添加剤と
を含有するコポリカーボネート組成物に関する。
【0027】
(成分A)
モノマーユニットは一般式(1)の1以上の対応するジフェノールを介して誘導され:
【化9】

ここで、
R1は水素またはC〜C−アルキル、好ましくは水素を表し、
R2はC〜C−アルキル、好ましくはメチルを表し、
nは0、1、2または3、好ましくは3を表す。
【0028】
式(1a)のジフェノール
【化10】

(ここで、R1、R2およびnは上記意味を有する)
は本発明に従って使用され、ホモポリカーボネートでこれを使用することは文献に一部開示されている(ドイツ特許第DE3918406号公報)。
【0029】
式(1b)を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)
【化11】

は特に好ましい。
【0030】
式(1)の1以上のジフェノール以外では、式(4)の化合物の群から選択される1以上のジフェノールが、さらなるモノマーユニットとして存在してもよく:
【化12】

ここで、
R5およびR6は互いに独立して、水素、C〜C18−アルキル、C〜C18−アルコキシ、ハロゲンたとえば、ClまたはBrを表し、または各場合、任意に置換されたアリールまたはアラルキルを表し、好ましくはHまたはC〜C12−アルキル、特に好ましくはHまたはC〜C−アルキルおよび非常に特に好ましくはHまたはメチルを表し、かつ
Xは、単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンを表し、これらはC〜C−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルで置換されてもよく、さらに、C〜C12−アリーレンを表し、これはヘテロ原子を含有するさらなる芳香族環と任意に縮合してもよい。
【0031】
好ましくは、Xは単結合、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデン、C〜C−シクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO−または式
【化13】

の基の1つを表し、
ここで、
R7およびR8はX毎に独立して選択可能であり、互いに独立して水素、C〜C−アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルを示し、
は炭素を示し、
mは4〜7、好ましくは4または5の整数を示し、但しR7およびR8は少なくとも1つの原子X上では同じアルキルである。
【0032】
ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシビフェニール、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α,α’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼンおよびその核上をアルキレート化したおよびその核上をハロゲン化したその化合物およびまたα,ω−ビス(ヒドロキシフェニル)ポリシロキサンを、式(4)のジフェノールの例として記載し、これを本発明による式(1)のジフェノール以外に使用することができる。
【0033】
式(4)の好ましいジフェノールはたとえば、4,4’−ジヒドロキシビフェニール(DOD)、4,4’−ジヒドロキシビフェニールエーテル(DODエーテル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-シクロヘキサン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ-フェニル)プロパンである。
【0034】
特に好ましいジフェノールはたとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシビフェニール(DOD)、4,4’−ジヒドロキシビフェニールエーテル(DODエーテル)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0035】
一般式(4a)の化合物
【化14】

(ここで、R5はH、線形または分岐C〜C10−アルキル、好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、特に好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、非常に特に好ましくはHまたはC−アルキル(メチル)を表し、
R6は線形または分岐C〜C10−アルキル、好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、特に好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、非常に特に好ましくはC−アルキル(メチル)を表す)
が非常に特に好ましい。
【0036】
特にジフェノール(4b)はここでは非常に特に好ましい。
【化15】

【0037】
一般式(4)のジフェノールを、単独でも使用しても、互いの混合物として使用しても共によい。ジフェノールは文献から公知であり、文献から公知の方法によって調製されてもよい(たとえば、H.J.バイシュ(Buysch)ら,ウルマンズ・エンサイクロペディア・オブ・インダストリアル・ケミストリー(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry),VCH,ニューヨーク1991,第5版,Vol.19,P.348参照)。
【0038】
コポリカーボネート中の式(1)のジフェノールの配合割合は、(使用されるジフェノールのモル合計に基づいて、)0.1〜88mol%、好ましくは1〜86mol%、特に好ましくは5〜84mol%および非常に特に好ましくは10〜82mol%である。
【0039】
好ましい実施の形態では、ポリカーボネート組成物は、(成分A+Bの重量部の合計に基づいて、)5〜90重量部、好ましくは10〜80重量部、特に好ましくは51〜80重量部の成分Aを含有する。
【0040】
成分Aによるコポリカーボネートの好ましいジフェノレートユニットは、上記式(1)および(4)の一般構造を有するモノマーから誘導される。
【0041】
ポリカーボネート組成物のコポリカーボネート成分は、ブロックおよびランダムコポリカーボネートとして存在してもよい。ランダムコポリカーボネートは特に好ましい。
【0042】
コポリカーボネート中のジフェノレートモノマーユニットの頻度比は使用されるジフェノールのモル比から得られる。
【0043】
(成分B)
ポリカーボネート組成物の成分Bは式(2)の1以上のジフェノールユニットから誘導され:
【化16】

ここで、
R3はH、線形または分岐C〜C10−アルキル、好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、特に好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、非常に特に好ましくはHまたはC−アルキル(メチル)を表し、
R4は線形または分岐C〜C10−アルキル、好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、特に好ましくは線形または分岐C〜C−アルキル、非常に特に好ましくはC−アルキル(メチル)を表す。
【0044】
特に、ジフェノール(4b)はここでは非常に特に好ましい。
【化17】

【0045】
式(2)の1以上のジフェノール以外では、式(4)の化合物の群から選択される1以上のジフェノールが、成分Aについてすでに記載したように、さらなるモノマーユニットとして存在してもよい。
【0046】
好ましい実施の形態では、ポリカーボネート組成物は、(成分A+Bの重量部の合計に基づいて、)95〜10重量部、好ましくは90〜20重量部、特に好ましくは80〜49重量部の成分Bを含有する。
【0047】
成分AおよびBが特定の比のときに、本発明によるポリカーボネート組成物はより低い溶融粘度を有し、よって得られたコポリカーボネート組成物の射出成形時の処理能力が改良される。
【0048】
このことは、成分Bが50重量%以上の濃度で存在し、成分B中にアルキル基を含有する鎖重合停止剤を含む場合の組成物に、当てはまる。
【0049】
成分Aおよび/またはBによるポリカーボネートまたはコポリカーボネートはまた、分岐されてもよい。この目的のために、使用されるジフェノールのモルに基づいて、ある少量の、好ましくは0.05〜5mol%、特に好ましくは0.1〜3mol%、非常に特に好ましくは0.1〜2mol%の量の3官能性化合物、たとえば、イサチンビスクレゾール(IBK)またはフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプト−2−エン;4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE);トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]-プロパン;2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール;2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン;ヘキサ(4−(4−ヒドロキシフェニル-イソプロピル)フェニル)オルトテレフタル酸エステル;テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン;テトラ(4−(4−ヒドロキシ-フェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン; α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;2,4−ジヒドロキシ安息香酸;トリメシン酸;塩化シアヌル酸;3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール;1,4−ビス(4’,4”−ジヒドロキシトリフェニル)メチル)ベンゼンおよび特に1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE)およびビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールを、いわゆる分岐剤として使用する。イサチンビスクレゾールおよび1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン(THPE)およびビス−(3−メチル−4−ヒドロキシ-フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールを分岐剤として好ましく使用する。
【0050】
これらの分岐剤を使用することによって、分岐構造となる。得られた長鎖分岐は一般的に、得られたポリカーボネートの流動性につながり、その流動性自身は線形タイプと比べた構造粘性に表れる。
【0051】
界面法によって高分子量のポリカーボネートを得るために、ジフェノールのアルカリ金属塩をホスゲンと2相混合物中で反応させる。分子量はモノフェノールの量によって制御することができ、モノフェノールは鎖重合停止剤として機能するものであって、たとえば、フェノール、tert−ブチルフェノールまたはクミルフェノール、特に好ましくはフェノール、tert−ブチルフェノールがある。実際には独占的に線形ポリマーがこれらの反応では形成する。このことは末端基分析によって検出することができる。いわゆる分岐剤をターゲット使用することによって、一般的にポリヒドロキシレート化化合物、分岐ポリカーボネートも得られる。
【0052】
使用される鎖重合停止剤の量は、各場合、使用されるジフェノールのモルに基づいて、0.5mol%〜10mol%、好ましくは1mol%〜8mol%、特に好ましくは2mol%〜6mol%である。鎖重合停止剤を、ホスゲン化の前、ホスゲン化時またはホスゲン化後に、好ましくは塩化メチレンとクロロベンゼン(8〜15重量%)を含有する溶媒混合物中で溶液として添加することができる。
【0053】
本発明の成分AおよびBによるポリカーボネートを、界面法によって製造することができる。式(1)および(2)のジフェノールと可能なら分岐剤とをアルカリ水溶液に溶解し、任意に溶媒に溶解させたカーボネート源、たとえば、ホスゲンと、アルカリ水溶液、有機溶媒および触媒、好ましくはアミン化合物を含有する2相混合物中で反応させる。反応手順はまた多段階法で構成されてもよい。
【0054】
ポリカーボネートを調製するためのこのような方法は、原理的には2相界面法として、たとえば、H.シュネル(Schnell),ポリカーボネートの化学と物理,ポリマー・レビューズ(Polymer Reviews),Vol.9,インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers),ニューヨーク1964,ページ33、およびポリマー・レビューズ(Polymer Reviews),Vol.10,「界面法および溶液法による縮合ポリマー」,ポール(Paul)W.モーガン(Morgan),インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers),ニューヨーク1965,第VIII章,ページ325から公知であり、基本的条件はしたがって、当業者に常套的である。
【0055】
アルカリ水溶液中のジフェノールの濃度は、2〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは2〜18重量%および非常に特に好ましくは3〜15重量%である。アルカリ水溶液は、水中にアルカリ金属またはアルカリ土金属の水酸化物が溶解してなる。水酸化ナトリウムおよびカリウムが好ましい。
【0056】
カーボネート源としてホスゲンを使用する場合、アルカリ水溶液の有機溶媒に対する体積比は5:95〜95:5、好ましくは20:80〜80:20、特に好ましくは30:70〜70:30および非常に特に好ましくは40:60〜60:40である。ジフェノールのホスゲンに対するモル比は1:10以下、好ましくは1:6以下、特に好ましくは1:4以下および非常に特に好ましくは1:3以下である。有機相中の本発明による分岐ポリカーボネートとコポリカーボネートの濃度は、1.0〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは2〜18重量%および非常に特に好ましくは3〜15重量%である。
【0057】
アミン化合物の濃度は、使用されるジフェノールの量に基づいて、0.1〜10mol%、好ましくは0.2〜8mol%、特に好ましくは0.3〜6mol%および非常に特に好ましくは0.4〜5mol%である。
【0058】
ジフェノールは、上記化合物から選択され、上記分岐剤を配合したジフェノール混合物を意味するものと理解される。カーボネート源はホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲン、好ましくはホスゲンである。ホスゲンを使用する場合には、溶媒を用いて任意に分散させてもよく、ホスゲンを直接反応混合物に投入してもよい。
【0059】
3級アミン、たとえば、トリエチルアミンまたはN−アルキルピペリジンを触媒として用いてもよい。好適な触媒はトリアルキルアミンおよび4−(ジメチルアミノ)ピリジンである。トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジンおよびN−プロピルピペリジンは特に好適である。
【0060】
ハロゲン化炭化水素、たとえば、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンまたはその混合物、または芳香族炭化水素、たとえば、トルエンまたはキシレンは、有機溶媒として好適である。反応温度は、−5℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃、特に好ましくは10℃〜70℃および非常に特に好ましくは10℃〜60℃であってもよい。
【0061】
溶融エステル交換法によって成分Aおよび/またはBによるポリカーボネートを調製することも可能であり、この方法では、ジフェノールをジアリールカーボネート、一般的にはジフェニルカーボネートと、触媒、たとえば、アルカリ金属塩、アンモニウムまたはホスホニウム化合物の存在中で、溶融状態で反応させる。
【0062】
溶融エステル交換法は、たとえば、エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス(Encyclopedia of Polymer Science),Vol.10(1969)、ポリカーボネートの化学と物理,ポリマー・レビューズ(Polymer Reviews),H.シュネル(Schnell),Vol.9,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons),Inc.(1964)およびドイツ特許第DE−C1031512号公報に記載される。
【0063】
エステル交換法では、相境界法の場合にすでに記載した芳香族ジヒドロキシ化合物を、炭酸ジエステルと、好適な触媒および任意にさらなる添加剤の助けを得て、溶融状態で、エステル交換する。
【0064】
本発明の内容では、炭酸ジエステルは式(5)および(6)のものであり、
【化18】

ここで、R、R’およびR”は互いに独立して、H、任意に分岐したC〜C34
−アルキル/シクロアルキル、C〜C34−アラルキルまたはC〜C34−アリール、
たとえば、
ジフェニルカーボネート、ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジブチルフェニルカーボネート、イソブチルフェニルフェニルカーボネート、ジイソブチルフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチル-フェニルカーボネート、n−ペンチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(n−ペンチルフェニル)カーボネート、n−ヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(n−ヘキシルフェニル)カーボネート、シクロヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジシクロ-ヘキシルフェニルカーボネート、フェニルフェノール フェニルカーボネート、ジフェニルフェノールカーボネート、イソオクチルフェニルフェニルカーボネート、ジイソオクチルフェニルカーボネート、n−ノニルフェニルフェニルカーボネート、ジ(n−ノニルフェニル)カーボネート、クミルフェニルフェニルカーボネート、ジクミルフェニルカーボネート、ナフチル-フェニルフェニルカーボネート、ジナフチルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(ジ−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ジクミルフェニルフェニルカーボネート、ジ(ジクミルフェニル)カーボネート、4−フェノキシフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−フェノキシフェニル)カーボネート、3−ペンタデシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(3−ペンタデシルフェニル)カーボネート、トリチルフェニルフェニルカーボネート、ジトリチルフェニルカーボネート、
好ましくは、ジフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルカーボネート、フェニルフェノールフェニルカーボネート、ジフェニルフェノールカーボネート、クミルフェニルフェニルカーボネート、ジクミルフェニルカーボネート、特に好ましくはジフェニルカーボネート
を表してもよい。
【0065】
前記炭酸ジエステルの混合物を使用することもできる。
【0066】
炭酸エステルの配合割合は、ジヒドロキシ化合物に基づいて、100〜130mol%、好ましくは103〜120mol%、特に好ましくは103〜109mol%である。
【0067】
本発明の内容では、塩基性触媒、たとえば、アルカリ金属およびアルカリ土金属の水酸化物および酸化物だけでなく、アンモニウム塩またはホスホニウム塩(以後オニウム塩と呼ぶ)を、上述の文献に記載されるように、溶融エステル交換法では触媒として使用する。好ましくはオニウム塩、特に好ましくはホスホニウム塩を使用する。本発明の内容ではホスホニウム塩は以下の一般式(7)のものであり、
【化19】

ここで、
1〜4は同じまたは異なるC〜C10−アルキル、C〜C10−アリール、C〜C10
−アラルキルまたはC〜C−シクロアルキル、好ましくはメチルまたはC〜C14−アリール、特に好ましくはメチルまたはフェニルであってもよく、
は陰イオン、たとえば、ヒドロキシド、スルフェート、ヒドロゲンスルフェート、ビカーボネート、カーボネート、ハライド、好ましくはクロライド、または式ORのアルコレートであってもよく、ここでRはC〜C14−アリールまたはC〜C12−アラルキル、好ましくはフェニルであってもよい。
【0068】
好ましい触媒は、
テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムフェノレート、特に好ましくはテトラフェニルホスホニウムフェノレートである。
【0069】
触媒を好ましくは、ジフェノール1モルに基づいて、10−8〜10−3molの量で、特に好ましくは10−7〜10−4molの量で使用する。
【0070】
重合速度を上げるために、さらなる触媒を単独で使用しても、または任意にオニウム塩に加えて使用してもよい。これらには、アルカリ金属およびアルカリ土金属の塩、たとえば、リチウム、ナトリウムおよびカリウムのヒドロキシド、アルコキシドおよびアリールオキシド、好ましくはナトリウムのヒドロキシド、アルコキシドまたはアリールオキシド塩がある。水酸化ナトリウムおよびナトリウムフェノレートは最も好ましい。共触媒の量は、各場合、ナトリウムとして計算して、1〜200ppb、好ましくは5〜150ppbおよび最も好ましくは10〜125ppbの範囲であってもよい。
【0071】
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融状態でのエステル交換反応は好ましくは、2段階で行われる。第1段階では、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの溶融を、80〜250℃、好ましくは100〜230℃、特に好ましくは120〜190℃の温度で、大気圧下で、0〜5時間、好ましくは0.25〜3時間行う。触媒を添加した後に、オリゴカーボネートが、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとから、真空(2mmHgまで)を施し温度を(260℃まで)上げ、モノフェノールを蒸留除去することによって、調製される。大量の蒸気がここではこの処理から生じる。したがって、調製されたオリゴカーボネートは、2000g/mol〜18000g/mol、好ましくは4000g/mol〜15000g/molの範囲の重量平均分子量Mw(ジクロロメタン中でのまたは重量で等量のフェノール/o−ジクロロベンゼンの混合物中での相対溶液粘度の測定によって決定され、光散乱によってキャリブレーションされる)を有する。
【0072】
第2段階では、さらに温度を250〜320℃、好ましくは270〜295℃に上げることによって、<2mmHgの圧力で、ポリカーボネートを重縮合で調製する。
【0073】
触媒は互いに(2以上を)組み合わせて使用してもよい。
【0074】
アルカリ金属/アルカリ土金属触媒を使用する場合には、アルカリ金属/アルカリ土金属触媒を後で(たとえば、オリゴカーボネート合成後、第2段階の重縮合の際に)添加することが有益な場合がある。
【0075】
本発明による方法では、ポリカーボネートを得るための芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応は、たとえば、攪拌容器、薄膜型蒸発器、流下薄膜型蒸発器、攪拌容器カスケード、押出し成形機、混練器、単純ディスク反応器および高粘度ディスク反応器中で、バッチ形式で行われても好ましくは連続的に行われてもよい。
【0076】
界面法と同様に、分岐ポリ−またはコポリカーボネートを、多官能性化合物を用いて調製してもよい。
【0077】
好ましい実施の形態では、成分Bを溶融エステル交換法によって調製する。
【0078】
使用されるコポリカーボネートの、DIN51562に従って決定される相対溶液粘度は好ましくは=1.15〜1.35の範囲である。
【0079】
成分Bまたは成分AとBは、少なくとも部分的に式(3)の構造ユニットを末端基として含有するポリカーボネート組成物が特に好ましい。
【0080】
(成分C)
さらに、本発明は、式(3)のアルキルフェノールを末端基として備える上記コポリカーボネートと、これらの熱可塑性プラスチックでは常套的な添加剤、たとえば、充填剤、カーボンブラック、UV安定剤、IR安定剤、熱安定剤、帯電防止剤および顔料、着色剤から成る群から選択される任意の少なくとも1つの添加剤とを、常套的な量で含有する組成物に関し;任意にモールド取り外し機能、流動機能および/または耐炎性を、表層剥離剤、流動性改良剤および/または難燃剤、たとえば、スルホン酸塩、PTFEポリマーまたはPTFEコポリマー、臭素化オリゴカーボネートまたはオリゴホスフェートおよびホスファゼン(たとえば、アルキルおよびアリールホスフィトおよびホスフェート、アルキルおよびアリールホスファン、低分子量カルボン酸エステル、ハロゲン化合物、塩、チョーク、石英粉末、ガラスおよびカーボンファイバ、顔料およびその組み合わせ)の添加によって改良することもできる。このような化合物はたとえば、国際特許第WO99/55772号公報,ページ15−25および「プラスチック添加剤」,R.ガクター(Gachter)およびH.ミュラー(Muller),ハンサー・パブリッシャーズ(Hanser Publishers)1983に記載される。
【0081】
組成物は一般的に、(全組成物に基づいて)0〜5、好ましくは0〜2.5、特に好ましくは0〜1.6重量%、非常に特に好ましくは0.04〜1.0重量%、特に非常に特に好ましくは0.04〜0.8重量%の添加剤を含有する。
【0082】
本発明による組成物に任意に添加される剥離剤は、好ましくはペンタエリスリチルテトラステアレート、グリセリルモノステアレート、長鎖脂肪酸エステル、たとえば、ステアリルステアレートおよびプロパンジオール、およびその混合物からなる群から選択される。剥離剤は、成形材料に基づいて、0.05重量%〜2.00重量%の量で、好ましくは成形材料に基づいて、0.1重量%〜1.0重量%の量で、特に好ましくは0.15重量%〜0.60重量%の量でおよび非常に特に好ましくは0.2重量%〜0.5重量%の量で使用される。
【0083】
好適な添加剤はたとえば、「プラスチック用添加剤ハンドブック,ジョン・マーフィ(John Murphy),エルセビア(Elsevier),オックスフォード1999」、「プラスチック添加剤ハンドブック,ハンス・ザイフェル(Hans Zweifel),ハンサー(Hanser),ムニッヒ(Munich),2001」に記載される。
【0084】
好適な酸化防止剤または熱安定剤の例は:
アルキレート化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノンおよびアルキレート化ヒドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシレート化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジレート化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、アシルアミノフェノール、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、好適なチオ相乗剤、二次酸化防止剤、ホスフィトおよびホスフィニト、ベンゾフラノンおよびインド−リノンである。
【0085】
好ましくは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィト(イルガフォス(Irgafos)168)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホニト、トリイソオクチルホスフェート(TOF)、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス(Irganox)1076)、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト(ドベルホス(Doverphos)S−9228−PC)、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト(ADK STAB PEP−36)またはトリフェニルホスフィン(TPP)が熱安定剤として好適である。これらは単独で、または混合物として使用される(たとえば、イルガノックスB900、またはドベルホスS−9228−PCとイルガノックスB900、またはイルガノックス1076、またはトリフェニルホスフィン(TPP)とトリイソオクチルホスフィン(TOF))。
【0086】
重金属用およびアルカリの痕跡を中和するために好適な錯化剤は、o/m−リン酸、完全にまたは部分的にエステル化されたホスフェートまたはホスフィトである。
【0087】
好適な光安定剤(UV吸収剤)は、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、置換または非置換安息香酸のエステル、アクリレート、立体障害アミン、オキサミドおよび2−(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは置換ヒドロキシアルコキシフェニル−1,3,5−トリアゾール;置換ベンゾトリアゾール、たとえば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドエチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールおよび2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましい。
【0088】
さらに、好適なUV安定剤はベンゾトリアゾール(たとえば、チヌビンズ(Tinuvins)、BASFから)、トリアジン(CGX−06、BASFから)、ベンゾフェノン(ウビナルス(Uvinuls)、BASFから)、シアノアクリレート(ウビナルス、BASFから)、けい皮酸エステルおよびオキサルアニリドおよびこれらのUV安定剤の混合物からなる群から選択される。
【0089】
好適なUV吸収剤の例は次のものである:
a)式(I)のマロン酸エステル:
【化20】

ここで、Rはアルキルを示す。Rは好ましくはC〜C−アルキル、特にC〜C−アルキルおよび特に好ましくはエチルを表す。
【0090】
b)式(II)によるベンゾトリアゾール誘導体:
【化21】

式(II)で、Rは存在しXと同じまたは異なり、Hまたはアルキルまたはアルキルアリールを示す。
【0091】
チヌビン(登録商標)329(X=1,1,3,3−テトラメチルブチルおよびR=Hの場合)、チヌビン(登録商標)350(X=tert−ブチルおよびR=2−ブチルの場合)およびチヌビン(登録商標)234(XおよびR=1,1−ジメチル−1−フェニルの場合)が好ましい。
【0092】
c)式(III)による二量性ベンゾトリアゾール誘導体:
【化22】

式(III)で、R1およびR2は同じまたは異なり、H、ハロゲン、C〜C10−アルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C13−アラルキル、C〜C14−アリール、−OR5−または−(CO)−O−R5(ここでR5=HまたはC1〜C4−アルキル)を示す。
【0093】
式(III)で、R3およびR4は同様に、同じまたは異なり、H、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、ベンジル、C〜C14−アリールを示す。
【0094】
式(III)で、mは1、2または3を示し、nは1、2、3または4を示す。
【0095】
チヌビン(登録商標)360(R1=R3=R4=H;n=4;R2=1,1,3,3−テトラメチルブチル;m=1の場合)が好ましい。
【0096】
d)式(IV)による二量性ベンゾトリアゾール誘導体:
【化23】

ここで、「bridge」は
【化24】

を示し、
R、R、mおよびnは式(III)について記載した意味を有し、pは0〜3の整数であり、qは1〜10の整数であり、Yは−CH−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、または−CH(CH)−CH−であり、R3およびR4は、式(III)について記載した意味を有する。
【0097】
チヌビン(登録商標)840(R1=H;n=4;R2=tert−ブチル;m=1;R2はOH基に対してオルト位置に取り付けられる;R3=R4=H;p=2;Y=−(CH−;q=1の場合)が好ましい。
【0098】
e)式(V)によるトリアジン誘導体:
【化25】

ここで、R1、R2、R3、R4は同じまたは異なり、H、アルキル、アリール、CNまたはハロゲンであり、Xはアルキル、好ましくはイソオクチルである。
【0099】
チヌビン(登録商標)1577(R1=R2=R3=R4=H;X=ヘキシルの場合)およびシアブソーブ(Cyasorb)(登録商標)UV−1 164(R1=R2=R3=R4=メチル;X=オクチルの場合)が好ましい。
【0100】
f)次の式(Va)のトリアジン誘導体:
【化26】

ここで、R1はC〜C17−アルキルを示し、R2はHまたはC〜C−アルキルを示しnは0〜20である。
【0101】
g)式(VI)の二量性トリアジン誘導体:
【化27】

ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は同じまたは異なってもよく、H、アルキル、CNまたはハロゲンを示し、Xはアルキリデン、好ましくはメチリデンまたは−(CH−CH−O−)−C(=O)−であり、nは1〜10、好ましくは1〜5、特に1〜3を表す。
【0102】
h)式(VII)のジアリールシアノアクリレート:
【化28】

ここで、R〜R40は同じまたは異なってもよく、H、アルキル、CNまたはハロゲンを示す。
【0103】
ウビナル(Uvinul)(登録商標)3030(R1〜R40=Hの場合)が好ましい。
【0104】
本発明による成形材料用に特に好ましいUV安定剤は、ベンゾトリアゾール(b)および二量性ベンゾトリアゾール(cおよびd)、マロン酸エステル(a)およびシアノアクリレート(h)およびこれらの化合物の混合物からなる群からの化合物である。
【0105】
UV安定剤は、成形材料に基づいて、0.01重量%〜2.0重量%の量で、好ましくは全組成物に基づいて、0.05重量%〜1.00重量%の量で、特に好ましくは0.08重量%〜0.5重量%の量でおよび非常に特に好ましくは0.1重量%〜0.4重量%の量で使用される。
【0106】
ポリプロピレングリコールを単独で、またはたとえば、安定剤としてスルホンまたはスルホンアミドと組み合わせて使用して、ガンマ線によるダメージを防止することができる。
【0107】
これらおよび他の安定剤を単独でまたは組み合わせて使用してもよく、前記形態でポリマーに添加する。
【0108】
好適な難燃添加剤はホスフェートエステル、すなわち、トリフェニルホスフェート、レゾルシノール二リン酸エステル、臭素含有化合物、たとえば、臭素化リン酸エステル、臭素化オリゴカーボネートおよびポリカーボネート、好ましくはフッ素化有機スルホン酸の塩である。
【0109】
好適な強靭剤は、スチレン−アクリロニトリルまたはメチルメタクリレートがグラフトされたブタジエンゴム、マレイン酸無水物がグラフトされたエチレン−プロピレンゴム、メチルメタクリレートまたはスチレン−アクリロニトリルがグラフトされたエチルおよびブチルアクリレートゴム、メチルメタクリレートまたはスチレン−アクリロニトリルがグラフトされた相互貫入シロキサンおよびアクリレートネットワークである。
【0110】
さらに、着色剤、たとえば、有機染料または顔料または無機顔料、カーボンブラック、IR吸収剤を、個別に、混合物として、または安定剤、ガラスファイバ、(中空)ガラス球、無機充填剤、たとえば、二酸化チタンまたは硫酸バリウムと組み合わせて添加してもよい。
【0111】
本発明によるポリカーボネートおよびポリカーボネート組成物を、常套的方法で常套的装置、たとえば、押出し成形機または射出成形装置で処理して、いずれの所望の成形物または成形物品を得てもよく、またはフィルムまたはシートまたはボトルを得てもよい。
【0112】
本発明によるポリカーボネート組成物を、任意に他の熱可塑性プラスチックおよび/または常套的添加剤との混合物として処理して、いずれの所望の成形物/押出し物を得てもよく、公知のポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびポリエステルがすでに使用されているところなら何処で使用されてもよい:
1.建物、自動車および飛行機の多くの領域で必要とされることが公知の安全パン、およびヘルメットの識別プレートとして
2.フィルムおよびフィルムラミネートの製品
3.自動車のヘッドランプ、ベゼル、インジケータ、リフレクタ
4.照明目的でガラスファイバ内容物を有する半透明プラスチックとして、硫酸バリウム、二酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウム内容物を有する半透明プラスチックまたは
5.精密射出成形部品、たとえば、レンズ、コリメータ、レンズホルダ、導波管部品およびLED用途の製造用
6.導電体用およびプラグハウジングおよびコネクタ用電気絶縁性材料として
7.電気装置用ハウジング
8.安全ゴーグル、バイザー
9.医療用途、医療装置、たとえば、酸素供給器、透析装置(中空ファイバ透析装置)、3方向バルブ、チューブコネクタ、血液濾過器、注射システム、呼吸器、アンプル用
10.押出し成形物、たとえば、シートおよびフィルム
11.LED用途(ベース、リフレクタ、加熱シンク)。
【0113】
本発明によるポリマー組成物を含有する成形物、押出し物、フィルムおよびフィルムラミネートは同様に本願の主題であり、本発明によるポリマー組成物を含有する共押出し層を含む成形物品、押出し成形物およびフィルムも同様に本願の主題である。
【0114】
以下の実施例は、本発明を例示することを意図するものであって、これを限定するものではない。
【0115】
上記参照文献は全て、全ての有用な目的のためにその全体を参照して挿入する。
【0116】
本発明を具現化するある特定の構造が示され記載されるが、当業者には、その一部の各種変更および再編成を、基本的発明の概念の精神および範囲から逸脱することなく行うことができ、ここで示され記載される特定の形態に限定されないことは明らかである。
【実施例】
【0117】
(使用される原材料)
PC1は、12.5cm/10分(300℃/1.2kg)の溶融体積流量(MVR)を有する、ビスフェノールAと鎖重合停止剤としてp−tert−ブチルフェノールに基づくポリカーボネートである。
【0118】
PC2は、12.5cm/10分(300℃/1.2kg)のMVRを有する、ビスフェノールAと鎖重合停止剤としてフェノールに基づくポリカーボネートである。
【0119】
PC3は、9.5cm/10分(300℃/1.2kg)のMVRを有する、ビスフェノールAと鎖重合停止剤としてp−tert−ブチルフェノールに基づくポリカーボネートである。
【0120】
PC4は、9.5cm/10分(300℃/1.2kg)のMVRを有する、ビスフェノールAと鎖重合停止剤としてフェノールに基づくポリカーボネートである。
【0121】
CoPC1は、17cm/10分(330℃/2.16kg)のMVRを有する、ビスフェノールAおよびビスフェノールTMCと、鎖重合停止剤としてフェノールに基づくコポリカーボネートである(Apec 1745、ベイヤー・マテリアルサイエンス(Bayer MaterialScience)AGから)。
【0122】
CoPC2は、18cm/10分(330℃/2.16kg)のMVRを有する、ビスフェノールAおよびビスフェノールTMCと、鎖重合停止剤としてフェノールに基づくコポリカーボネートである。
【0123】
CoPC3は、18cm/10分(330℃/2.16kg)のMVRを有する、ビスフェノールAおよびビスフェノールTMCと、鎖重合停止剤としてp−tert−ブチルフェノールに基づくコポリカーボネートである。
【0124】
原材料PC1〜PC4およびCoPC1(Apec1745)に基づくポリカーボネート組成物を、二軸性押出し成形機で、300℃で、表1および2に挙げる配合で混合する。この方法で化合することによって得られたポリマー組成物をペレット化し、ポリマーの物性による特徴付けに利用することができる。
【0125】
(本発明による成形材料の特徴付け(試験方法))
溶融体積流量(MVR)を、300℃で1.2kgの負荷、または330℃で2.16kgの負荷で、ISO1133に従って溶融流動指数試験機を用いて決定する。
【0126】
20分間連続的に熱的負荷を行った後のみに、I−MVRを上記方法(ISO1133)と同様に決定する。
【0127】
ビカー温度VST B50を、DIN ISO 306、方法Bに従って、50K/hの熱負荷で決定する。
【0128】
【表1】

【0129】
【表2】

【0130】
表1および2から明らかに証明されるように、本発明による組成物1〜5および11〜15はそれぞれ、比較例のポリカーボネート組成物6〜10および16〜19より、高いビカー温度を実質的に有する。
【0131】
表1および2の実施例では、したがって、本発明による混合物化合工程によって調製されるコポリカーボネート組成物の調製が、より高い加熱ひずみ耐性につながることを示していた。
【0132】
したがって、相応の加熱ひずみ耐性(ビカー温度)を有する化合物は少量の高−Tgポリカーボネートしか必要でない。
【0133】
【表3】

【0134】
表3から明らかに証明されるように、本発明による組成物20〜22はそれぞれ、比較例のポリカーボネート組成物23〜25より、高いビカー温度を実質的に有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、5〜90重量部の、式(1)のジフェノール構造ブロックの化合物から誘導される1以上のモノマーユニットを含有するコポリカーボネート
【化1】

(ここで、
R1は水素またはC〜C−アルキルであり、
R2はC〜C−アルキルであり、かつ
nは0、1、2または3である)と、
B)成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、95〜10重量部の、式(2)の化合物の1以上のモノマーユニットを含有する(コ)ポリカーボネート
【化2】

(ここで、
R3はHまたは線形または分岐C〜C10−アルキルであり、
R4は線形または分岐C〜C10−アルキルである)と
を含有し、
ここで、成分AまたはBの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、式(3)の構造ユニット
【化3】

を末端基として含有するポリカーボネート組成物。
【請求項2】
Rは水素であり、Rはメチルであり、nは3である請求項1のポリカーボネート組成物。
【請求項3】
成分AまたはBの少なくとも1つがさらに、式(4)のジフェノールに基づくモノマーユニットを含有し、
【化4】

ここで、
R5およびR6は互いに独立して、水素、C〜C18−アルキル、C〜C18−アルコキシ、ハロゲンおよび任意に置換されたアリールまたはアラルキルであり、
Xは、単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンであり、ここで前記C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンは任意にC〜C−アルキルで置換され、またはC〜C12−アリーレンであり、これはヘテロ原子を含有するさらなる芳香族環と任意に縮合する
請求項1のポリカーボネート組成物。
【請求項4】
前記ポリカーボネート組成物が、各場合、成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、10〜80重量部の成分Aおよび90〜20重量部の成分Bを含有する請求項1のポリカーボネート組成物。
【請求項5】
前記ポリカーボネートが、使用されるジフェノールに基づくモノマーユニットのモル合計に基づいて、0.1〜88mol%の式(1)のモノマーユニットの配合割合を有するコポリカーボネートである請求項1のポリカーボネート組成物。
【請求項6】
成分Aが、式(1b)および(4b)の化合物から誘導されるモノマーユニット
【化5】

を含有する請求項1のポリカーボネート組成物。
【請求項7】
さらに、成分AおよびBの重量部の合計に基づいて、0〜5重量部の添加剤を成分Cとして含有する請求項1のポリカーボネート組成物。
【請求項8】
請求項1のポリカーボネート組成物から得られる成形物品、押出し物、フィルムまたはフィルムラミネート。
【請求項9】
請求項1のポリカーボネート組成物から得られる共押出し層を含む成形物品、押出し物またはフィルム。
【請求項10】
前記成形物品、押出し物、フィルムまたはフィルムラミネートは、電気または電子装置のキーパッド、レンズ、スクリーン/ディスプレイカバーまたはLED用途である請求項8の成形物品、押出し物、フィルムまたはフィルムラミネート。
【請求項11】
相境界法または溶融エステル交換法を介してポリカーボネートを化合する工程を包含する請求項1によるポリカーボネート組成物調製方法であって、前記ポリカーボネートは式(1)のモノマーユニットまたは式(2)または(4)のジフェノールに基づくモノマーユニットを含有する方法。

【公開番号】特開2011−137153(P2011−137153A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−276985(P2010−276985)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】