説明

熱硬化性樹脂組成物

【課題】 良好な耐熱性と優れた保存安定性を保持しつつ、引張り強度、伸び特性を任意に調整可能な熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)カーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂、(C)多官能フェノール樹脂、(D)ポリエチレン樹脂、及び(E)アミン化合物を有する熱硬化性樹脂組成物。(B)成分が、下記一般式(I)で示される構造単位を有する樹脂であると好ましい。
【化1】


(一般式(I)中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18アルキレン基を示し、複数個のXはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基またはアリーレン基を示し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示し、Yは三価の有機基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは電子部材等の接着剤や保護膜として有用な耐熱性に優れる熱硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロニクスの分野では、次世代に向けたさらなる微細化や、基板回路の狭ピッチ化の要求により、これまでよりも耐熱動作保証温度が約30℃高く設定されつつある。次世代の仕様に準じた電子部品を検討する場合、これまで実用化されてきた樹脂組成物であっても耐熱性が不十分な問題が生じてきている。さらに1990年代以降の電子部品業界の再編によりグローバル化で生産拠点が世界各国に点在した結果、熱や湿度など過酷な環境での長期の輸送など保存安定性を十分考慮することも必要となってきている。
【0003】
こうした要求に対して、耐熱性、信頼性を向上させた特許文献1(特開2009−7551号公報)にあるようなフェノールアラルキル基を導入した樹脂組成物が提案されている。しかしながら、こうした樹脂組成物は剛直な骨格を有した構造をしているため積層用の基板や封止材料のような用途には向くが、柔軟性と接続信頼性を要求されるディスプレイ用途には不向きであり、こうした用途に合った柔軟性と耐熱性および保存安定性を備えた樹脂組成物の提案は少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−7551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題を踏まえ、良好な耐熱性と優れた保存安定性を保持しつつ、引張り強度、伸び特性を任意に調整可能な熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、(E)成分のアミン化合物に、潜在性硬化剤として生理活性作用を有するアミン化合物(ヘキサメチレンテトラミンは、膀胱炎、尿路感染症、腎盂腎炎の治療に用いられている)を用いることで上記課題を解決できることを見出し本発明に達した。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)カーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂、(C)多官能フェノール樹脂、(D)ポリエチレン樹脂、及び(E)アミン化合物を有する熱硬化性樹脂組成物。
(2)(B)成分のカーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂が、下記一般式(I)で示される構造単位を有する樹脂である上記(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0007】
【化1】

(一般式(I)中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18アルキレン基を示し、複数個のXはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基またはアリーレン基を示し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示し、Yは三価の有機基を示す。)
(3)(C)成分の多官能フェノール樹脂が、テルペン−ビスフェノール共重合体、ノボラックフェノール樹脂、ハイオルソ型ノボラックフェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール変性フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む上記(1)又は(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(4)(E)成分のアミノ化合物が、ヘキサメチレンテトラミンである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐熱性および保存安定性に優れ、接着剤や保護膜に有用な熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される(A)成分であるエポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有するものであれば制限なく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、アミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂などが挙げられ、市販されているものを用いることができる。これらは単独または2種類以上併用してもよい。
【0010】
(B)成分であるカーボネート骨格とウレタン結合(骨格)を分子鎖中に有する樹脂としては、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリイミド、それらの骨格を複数有する樹脂などが挙げられ、前記一般式(I)で示される構造単位を有する変性ポリアミドイミド樹脂が好ましいものとして挙げられる。変性ポリアミドイミド樹脂は、酸無水物基を有する3価以上のポリカルボン酸およびその誘導体、芳香族ポリイソシアネート類、下記一般式(II)で表されるジシアネートを非含窒素系極性溶媒を用いて反応させて得ることができる。
【0011】
【化2】

(一般式(II)中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18アルキレン基を示し、複数個のXはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基またはアリーレン基を示し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す)。
(B)成分の配合量は前記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、粘弾性の観点から30〜500質量部使用することが好ましく、160〜350質量部使用することがより好ましい。
【0012】
(C)成分である多官能フェノール樹脂は、主にフェノール類とアルデヒド類を反応させて合成する高分子化合物でノボラック型フェノール樹脂、ハイオルソ型ノボラックフェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール変性フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、テルペン−ビスフェノール共重合体、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂等が挙げられる。この群より選択される少なくとも1種類以上が(C)成分中1〜80質量%含有されることが好ましい。1質量%未満では耐熱性の効果が充分に得られず、80質量%を超えると溶解性に問題が生じる傾向がある。
(C)成分の配合量は前記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、機械強度、耐熱性、可とう性の観点から1〜80質量部使用することが好ましく、5〜30質量部使用することがより好ましい。
【0013】
(D)成分のポリエチレン樹脂として、高密度ポリエチレン(HDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)が挙げられる。(D)成分の配合量はエポキシ樹脂100質量部に対して、3〜50質量部使用することが好ましい。3重量部未満では引っ張り強度に効果が見られず、50質量部を超えると柔軟性が低下する問題がある。
【0014】
(E)成分であるアミン化合物としては、ヘキサメチレンテトラミン(ウロトロピン)が添加効果が高く好ましい。そのほかのアミン化合物としては、エピネフリン(アドレナリン、4−[1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル]ベンゼン−1,2−ジオール))、プロピルヘキセドリン(N−メチル−3−シクロヘキシルプロパン−2−アミン)、アンフェタミン(フェニルアミノプロパン)、メスカリン(3,4,5−トリメトキシフェネチラミン)、2−フェニルエタンアミン、アルカノイド類としてリゼルギン酸ジエチルアミド、ペニシリン、キニン、カフェイン、ストリキニーネ、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンなどが挙げられる。
(E)成分として前記ヘキサメチレンテトラミン(ウロトロピン)を必須成分として1種類又は2以上併用することが好ましい様態である。経済性を考慮するとヘキサメチレンテトラミン(ウロトロピン)がもっとも望ましい。
(E)成分の配合量は、前記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、活性作用、安定性等の観点から0.1〜50質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
【0015】
本発明の熱硬化性樹脂組成物にはその取扱い、耐熱性、熱伝導率、チクソ性の向上を目的に無機フィラーを添加することもできる。無機フィラーとしては特に制限はなく、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、タルク、層状複水酸化物などを用いることができる。無機フィラーの使用量は、熱硬化性樹脂組成物100体積部に対して1〜25体積部が望ましい。1体積部未満では凝集しやすく、25体積部を超えると分散性が低下する傾向がある。
【0016】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記各成分を混合攪拌することにより製造することができる。混合方法には特に制限はなく、固体のまま混合する粉砕混合法(ロールクラッシャー、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、振動ミル等)や固体を溶媒に溶解、分散させて混合する方法が挙げられ、混合温度は樹脂の反応性を考慮すると室温(20〜25℃)近傍が好ましい。混合に際しては有機溶媒を使用することができる。有機溶媒としては特に制限はなく、硬化時の揮発性や塗膜性向上の観点からメチルエチルケトン、アセトン、メタノール、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、γ―ブチロラクトン、イソブタンなどが好ましいものとして挙げられる。これらは熱硬化性樹脂組成物の固形分(即ち有機溶媒以外の成分)が30〜70質量%となるように使用することが好ましい。
【0017】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、半導体チップ、SoC実装基板、液状封止材、配線板、ビルドアップ基板、フレキシブル配線板、液晶パネル基板、偏光板、車載用パワーモジュール基板、SiC基板等の電子部材の接着剤や保護膜形成材料として有用である。特に、電子部品用オーバーコート材、層間絶縁膜、表面保護膜、ソルダレジスト膜用として好適である。
【実施例】
【0018】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、各種分析結果は下記の方法により計測された値である。
【0019】
(1)ゲルタイム
JIS C2161に準じゲルタイマ(日本フェンオール株式会社製 ゲル化試験器)を用いて、試料を熱板上120℃で攪拌し流動性がなくなるまでの時間を計測した。流動性がなくなるまでの時間が長い方が、保存安定性に優れる。
【0020】
(2)引張り強度および破断時の伸び率
試料をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布厚0.04mmで塗布し、120℃熱板上で10分間加熱しγ−ブチロラクトンを揮発させ0.020mm厚フィルムを得た。試料は幅10mm、厚み0.020mm、長さ150mmに切断し試験片とした。測定はJIS K7127に準じオートグラフ(株式会社島津製作所製、IM−100型)を用いて支点間距離50mm、引張り速度100mm/分で引張り荷重を加え、破断時までの最大強度[N]、および破断時伸びを計測した。引張り強度[MPa]は、最大強度/(試験片厚み×幅)で算出し、破断時伸び[%]は(破断時の支点間距離―支点間距離)/支点間距離×100で算出した。
【0021】
(3)熱時質量減少率
試料をアルミ皿に秤量し熱板上で250℃、1時間加熱した。試験前後の質量を計測し、減少率[%]は(試験前質量−試験後質量)/試験前の質量×100により算出した。
【0022】
(4)保存安定性
試料をガラス製の保存ビンに入れ、乾燥機中で100℃、12時間加熱させ、加熱前後の粘度を測定した。
粘度の測定はR型粘度計(東機産業株式会社製、RE−80U型、ロータ3°×R9.7)を用い、回転数10rpm、測定温度25℃とした。
【0023】
(合成例1)
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた1リットルの四つ口フラスコに、カーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂とするため、PLACCEL CD−220PL(ダイセル化学工業株式会社製、ポリカーボネートジオール、商品名)200gおよび4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート50gとγ−ブチロラクトン167gを仕込み、140℃、5時間反応させた。その後、無水トリメリット酸58g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート25gおよびγ−ブチロラクトン272gを仕込み160℃、6時間反応させ、前記一般式(I)で示される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂ワニス(PAI−1)を得た。
【0024】
(比較例1)
(A)成分のエポキシ樹脂としてビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(YD−8125、東都化成製、エポキシ当量175)3質量部、(B)成分のカーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂として、上記合成例1で得られたポリアミドイミド樹脂(PAI−1)樹脂分80質量部、(C)成分の多官能フェノール樹脂としてYSポリスター K125(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペン−ビスフェノール共重合体 商品名、分子量650、軟化点125℃)20質量部、溶剤にγ−ブチロラクトン100質量部を加え攪拌混合し試料とした。
【0025】
(比較例2)
(A)成分にビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(YD−8125、東都化成株式会社製、エポキシ当量175)3質量部、(B)成分に合成例1で得られたポリアミドイミド樹脂(PAI−1)樹脂分79質量部、(C)成分にYSポリスター K125(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペン−ビスフェノール共重合体、商品名、分子量650、軟化点125℃)20質量部、(E)成分にヘキサメチレンテトラミンを1質量部、溶剤にγ−ブチロラクトン100質量部を加え攪拌混合し試料とした。
【0026】
(実施例1)
(A)成分にビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(YD−8125、東都化成株式会社製、エポキシ当量175)3質量部、(B)成分に合成例1で得られたポリアミドイミド樹脂(PAI−1)樹脂分69質量部、(C)成分にYSポリスター K125(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペン−ビスフェノール共重合体、商品名、分子量650、軟化点125℃)20質量部、(D)成分のポリエチレン樹脂に ノバテックLD ZF33(日本ポリエチレン株式会社製 商品名、高圧法低密度ポリエチレン、密度0.920g/cm)10質量部、(E)成分にヘキサミンを1質量部、溶剤にγ−ブチロラクトン100質量部を加え攪拌混合し試料とした。
【0027】
(実施例2)
(A)成分にビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(YD−8125、東都化成株式会社製、エポキシ当量175)3質量部、(B)成分に合成例1で得られたポリアミドイミド樹脂(PAI−1)樹脂分69質量部、(C)成分にYSポリスター K125(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペン−ビスフェノール共重合体、商品名、分子量650、軟化点125℃)20質量部、(D)成分に ノバテックHD HE−122R(日本ポリエチレン株式会社製 商品名、高密度ポリエチレン、密度0.938g/cm)10質量部、(E)成分にヘキサメチレンテトラミンを1質量部、溶剤にγ−ブチロラクトン100質量部を加え攪拌混合し試料とした。
【0028】
(比較例3)
(A)成分にビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(YD−8125、東都化成株式会社製、エポキシ当量175)3質量部、(B)成分に合成例1で得られたポリアミドイミド樹脂(PAI−1)樹脂100質量部、溶剤にγ−ブチロラクトン100質量部を加え攪拌混合し試料とした。
【0029】
(比較例4)
(A)成分にビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(YD−8125、東都化成株式会社製、エポキシ当量175)3質量部、(B)成分に合成例1で得られたポリアミドイミド樹脂(PAI−1)樹脂99質量部、(D)成分に硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(和光純薬工業株式会社、試薬)1質量部、溶剤にγ−ブチロラクトン100質量部を加え攪拌混合し試料とした。
表1に実施例、比較例の配合と測定した物性をまとめて示した。
【0030】
【表1】

【0031】
表1から本発明の熱硬化性樹脂組成物はA〜E成分をすべて含んだ状態では、比較例1,2に比べ保存安定性が格段に良好となった。また、添加するD成分のポリエチレン樹脂を選択することにより、保存安定性を低下させることなく、引張り強度を13.5〜19.9MPa、破断伸びを179〜291%のように、C成分の多官能フェノール樹脂の添加の有無による比較例1〜4の引張り強度17.2〜18.0MPa、破断伸び240〜266%に比べ任意に設計可能であることがわかる。
【0032】
以上説明したとおり、本発明により耐熱性、保存安定性を低下させることなく、柔軟性に関係する引張り強度、破断伸び特性を容易に設計できる熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エポキシ樹脂、(B)カーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂、(C)多官能フェノール樹脂、(D)ポリエチレン樹脂、及び(E)アミン化合物を含有する熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
(B)成分のカーボネート骨格とウレタン結合を分子鎖中に有する樹脂が、下記一般式(I)で示される構造単位を有する樹脂である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【化1】

(一般式(I)中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18アルキレン基を示し、複数個のXはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基またはアリーレン基を示し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数を示し、Yは三価の有機基を示す。)
【請求項3】
(C)成分の多官能フェノール樹脂が、テルペン−ビスフェノール共重合体、ノボラックフェノール樹脂、ハイオルソ型ノボラックフェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール変性フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含む、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
(E)成分のアミノ化合物が、ヘキサメチレンテトラミンである、請求項1〜3のいずかに記載の熱硬化性樹脂組成物。

【公開番号】特開2012−197398(P2012−197398A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64085(P2011−64085)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】