説明

熱硬化性樹脂組成物

【課題】伸び性、耐折り曲げ性、耐屈曲性、低反り性を有しつつ硬度を備え、さらに弾性に優れた硬化物を得ることができる熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物、(C)ポリエーテルアミン、(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び(E)ブロックイソシアネートを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性に優れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、例えば、フレキシブル基板のソルダーレジストやカバーレイとして適用できる熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、硬化性樹脂組成物は、例えば、フレキシブル基板のソルダーレジスト膜として使用される場合がある。この場合、ソルダーレジスト膜には、可撓性や伸び性、また低反り性だけではなく、耐折り曲げ性や硬度等の機械的特性も要求される。
【0003】
また、硬化性樹脂組成物をカバーレイとして使用する場合には、補強材の観点から、上記した可撓性、伸び性、低反り性、耐折り曲げ性及び硬度に加えて、高い弾性率が要求される。
【0004】
そこで、ソルダーレジスト膜に優れた機械特性を付与するために、特許文献1に、硬化性樹脂100質量部に対して、無機フィラー10〜1200質量部と、弾性率(MPa)1〜2000かつ平均粒径0.01〜10μmの有機フィラー1〜100質量部とを、無機フィラーと有機フィラーとの含有質量比1〜41含有した硬化性樹脂組成物が開示されている。
【0005】
また、可撓性に優れる硬化塗膜を提供するために、特許文献2では、(A)1分子中に2個以上の不飽和二重結合と1個以上のカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)エポキシ化合物、(E)1分子中に1個以上の内部エポキシド基を有するポリブタジエン、及び(F)ポリウレタン微粒子を含有する組成物が提案されている。
【0006】
しかし、特許文献1では、耐クラック性や硬度といった機械的特性は有するものの、柔軟性や弾性率に優れた塗膜が得られないという問題があった。また、特許文献2では、所定の可撓性は得られるが、弾性が不十分であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−102623号公報
【特許文献2】特開2002−293882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、伸び性、耐折り曲げ性、耐屈曲性、低反り性を有しつつ硬度を備え、さらに弾性に優れた硬化物を得ることができる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、(A)エポキシ樹脂、(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物、(C)ポリエーテルアミン、(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び(E)ブロックイソシアネートを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。(D)成分である「液状ポリアルキレンカーボネートジオール」とは、常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるポリアルキレンカーボネートジオールを意味する。
【0010】
本発明の態様は、前記(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び前記(E)ブロックイソシアネートに代えて、(F)液状ウレタン樹脂を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。この態様では、(A)エポキシ樹脂、(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物、(C)ポリエーテルアミン、(F)液状ウレタン樹脂を含有する。(F)成分である「液状ウレタン樹脂」とは、常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるウレタン樹脂を意味する。
【0011】
本発明の態様は、さらに、(F)液状ウレタン樹脂を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。この態様では、(A)エポキシ樹脂、(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物、(C)ポリエーテルアミン、(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール、(E)ブロックイソシアネート、(F)液状ウレタン樹脂を含有する。
【0012】
本発明の態様は、前記(A)エポキシ樹脂が、液状であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。この態様では、(A)成分は液状エポキシ樹脂である。「液状エポキシ樹脂」とは、常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるエポキシ樹脂を意味する。
【0013】
本発明の態様は、前記(A)エポキシ樹脂が、4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
【0014】
本発明の態様は、前記(B)アスペクト比5.0以上の無機化合物を、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、5〜75質量部含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
【0015】
本発明の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。
【0016】
本発明の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有するフレキシブル基板である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の熱硬化性樹脂組成物の態様によれば、上記(A)成分〜(E)成分または上記(A)成分〜(F)成分を配合することにより、伸び性、耐折り曲げ性、低反り性を損なうことなく、弾性、硬度及び耐屈曲性を兼ね備えた硬化物を得ることができる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の態様によれば、液状ポリアルキレンカーボネートジオールとブロックイソシアネートに代えて、液状ウレタン樹脂を配合することで、伸び性、耐折り曲げ性、低反り性を損なうことなく、弾性、硬度及び耐屈曲性を兼ね備えた硬化物を得ることができる。
【0018】
本発明の熱硬化性樹脂組成物の態様によれば、液状のエポキシ樹脂を使用することで、熱硬化性樹脂組成物にアスペクト比5.0以上の無機化合物を容易に分散、配合させることができる。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物を簡易に調製できる。また、液状のエポキシ樹脂を使用することで溶剤の配合量を低減できるので、塗工した塗膜の厚さが熱硬化時に薄くなるのを防止し、厚い硬化塗膜を形成できる。
【0019】
本発明の熱硬化性樹脂組成物の態様によれば、(A)成分のエポキシ樹脂が4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂を含有することで、低反り性が向上する。本発明の熱硬化性樹脂組成物の態様によれば、アスペクト比5.0以上の無機化合物を、エポキシ樹脂100質量部に対して5〜75質量部配合することで、塗工性を損なうことなく弾性率と硬度がバランスよく向上する。
【0020】
本発明の態様によれば、伸び性、耐折り曲げ性、低反り性を損なうことなく、弾性、硬度及び耐屈曲性を兼ね備えた硬化物が得られる。また、本発明の態様によれば、伸び性、耐折り曲げ性、低反り性を損なうことなく、弾性、硬度及び耐屈曲性を兼ね備えた硬化塗膜を有するフレキシブル基板が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物について説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物、(C)ポリエーテルアミン、(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び(E)ブロックイソシアネートを含有するものであって、上記各成分は、以下の通りである。
【0022】
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0023】
これらのうち、硬化物のフレキシブル性の点からはシリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂が好ましく、硬化物の反りを防止して低反り性を得る点からはt‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂が好ましい。
【0024】
t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂には、例えば、下記一般式1に示す化合物
【0025】
【化1】

【0026】
(式中、R、R、R、R、R、R6、R7、Rは、それぞれ独立に、水素またはt‐ブチル基を表す。ただし、R、R、R、R、R、R6、R7、Rのうち少なくとも1つは、t‐ブチル基である。)を挙げることができる。このうち、4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0027】
エポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂組成物の製造容易性の点から、常温常圧(25℃、1気圧)にて液状が好ましく、25℃の粘度が90000mPa・S以下の液体が特に好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、50〜1000が好ましく、100〜500が特に好ましい。
【0028】
(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物
アスペクト比が5.0以上の無機化合物は針状または繊維状である。アスペクト比が5.0以上の無機化合物を含有することにより、硬化物に剛性と強度を与えて、弾性率が向上する。アスペクト比が5.0以上の無機化合物は特に限定されないが、例えば、繊維状珪灰石、繊維状珪酸カルシウム、ガラス繊維、含水珪酸マグネシウム、マイカ等を挙げることができ、また、チタン酸カリウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー等のウィスカーを挙げることができる。アスペクト比の下限値は5.0であれば弾性率が向上するが、弾性率に加えて硬化物の硬さを向上させる点からアスペクト比の下限値は7.0が好ましく、弾性率と硬さをより向上させる点からアスペクト比の下限値は8.0が特に好ましい。また、アスペクト比の上限値は特に限定されないが、硬化物の表面外観の点から30.0が好ましく、熱硬化性樹脂組成物の製造容易性の点から20.0が特に好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。アスペクト比が5.0以上の無機化合物の長径は、製造時における分散性の点から0.1〜100μmが好ましく、0.5〜50μmが特に好ましい。
【0029】
アスペクト比が5.0以上の無機化合物の配合量は、特に限定されない。例えば、アスペクト比が5.0以上の無機化合物の配合量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化物の弾性を確実に得る点から5質量部が好ましく、弾性に加えて硬度をも得る点から10質量部がより好ましく、弾性と硬度をバランスよく確実に向上させる点から15質量部が特に好ましい。また、アスペクト比が5.0以上の無機化合物の配合量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、熱硬化性樹脂組成物の塗工性の低下を防止する点から75質量部が好ましく、塗工性の低下を確実に防止する点から70質量部が特に好ましい。
【0030】
(C)ポリエーテルアミン
ポリエーテルアミンを含有することにより、熱硬化を促進するとともに、硬化物に耐屈曲性と低反り性が付与される。ポリエーテルアミンは、ポリエーテル骨格に一級アミンが結合したものであれば特に限定されず、例えば、直鎖状のポリエーテル骨格の両末端に一級アミンが結合したポリオキシアルキレンジアミン、分岐状のポリエーテル骨格の3つの末端に一級アミンが結合したポリオキシアルキレントリアミン等を挙げることができる。ポリエーテル骨格としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等を挙げることができる。これらのうち、硬化物の耐屈曲性をより向上させる点からポリオキシアルキレントリアミンが好ましく、ポリエーテル骨格がポリプロピレンオキシドであるポリオキシアルキレントリアミンが特に好ましい。
【0031】
ポリエーテルアミンの配合量は、特に限定されない。例えば、ポリエーテルアミンの配合量は、エポキシ樹脂の当量に対して、硬化物に弾性と耐屈曲性と低反り性を付与する点からポリエーテルアミンの活性アミン水素当量が0.05〜1.0の比率が好ましく、さらに熱硬化性を向上させる点からエポキシ樹脂の当量に対して、ポリエーテルアミンの活性アミン水素当量が0.2〜0.8の比率が特に好ましい。
【0032】
(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール
液状ポリアルキレンカーボネートジオールを含有することにより、硬化物の耐屈曲性、低反り性、硬度が向上する。また、液状ポリアルキレンカーボネートジオールは、(A)成分であるエポキシ樹脂との相溶性に優れている。液状ポリアルキレンカーボネートジオールは、常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるポリアルキレンカーボネートジオールであれば特に限定されず、いずれも使用可能である。ポリアルキレンカーボネートジオールは、例えば、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応によって製造することができる。アルキレングリコールの例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール及び1,10−デカンジオールなどの直鎖アルキレングリコール、並びにネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコールなどが挙げられる。また、エステル交換反応に用いられる炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、並びにジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
【0033】
上記した液状のポリアルキレンカーボネートジオールのうち、エポキシ樹脂との相溶性の点から、数平均分子量500〜2500であって、融点が−5℃以下のものが好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物の製造容易性の点から、25℃の粘度が90000mPa・S以下の液体のポリアルキレンカーボネートジオールが好ましい。なお、固形のポリアルキレンカーボネートジオールを用いると、液状のポリアルキレンカーボネートジオールと比較してエポキシ樹脂との相溶性が低下して、熱硬化性樹脂組成物中に均一に分散させることができず、塗工性、印刷性が劣ってしまう。
【0034】
単独のアルキレングリコールと単独または2種以上の炭酸エステルから得られるポリアルキレンカーボネートジオールを使用してもよく、単独の炭酸エステルと2種以上のアルキレングリコールから得られるポリアルキレンカーボネートジオールを使用してもよい。また、2種類以上のアルキレングリコールと2種類以上の炭酸エステルから得られるポリアルキレンカーボネートジオールを使用してもよい。さらに、上記ポリアルキレンカーボネートジオールは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0035】
液状のポリアルキレンカーボネートジオールの配合量は、特に限定されない。例えば、液状のポリアルキレンカーボネートジオールの配合量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度を向上させる点で1.0質量部であり、5.0質量部が好ましく、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度をよりバランスよく向上させる点から7.0質量部が特に好ましい。また、液状のポリアルキレンカーボネートジオールの配合量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化物の弾性の低下を防止する点から60質量部であり、50質量部が好ましく、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度をよりバランスよく向上させる点から45質量部が特に好ましい。
【0036】
(E)ブロックイソシアネート
ブロックイソシアネートを配合することで、イソシアネート基が常温で熱硬化性樹脂組成物の他の成分と反応するのを抑えることができるため長期間の保存が可能となるうえ、硬化物の耐屈曲性、低反り性、硬度を向上させることができる。ブロックイソシアネートとは、イソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基にブロック剤を付加反応させて得られる反応生成物である。従って、ブロックイソシアネートは、イソシアネート基がブロック剤により保護されて不活性化されたものである。このブロックイソシアネートを所定温度にて加熱処理することにより、このブロック剤がイソシアネート基から解離、すなわち脱ブロックして、活性なイソシアネート基が再生される。
【0037】
イソシアネ−ト化合物としては、1分子内に2個以上のイソシアネ−ト基を有するイソシアネ−トを挙げることができる。具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト及び4,4′‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト及び4,4−ジフェニルジイソシアネ−トなどの芳香族イソシアネート、並びにジシクロヘプタントリイソシアネートなどの脂環式イソシアネートなどが挙げられる。
【0038】
上記イソシアネートのうち、低反り性の点から、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体が好ましい。
【0039】
ブロック剤としては、例えば、アセト酢酸エチル等の活性メチレン系ブロック剤、フェノール、クレゾール及びキシレノール等のフェノール系ブロック剤、ジメチルピラゾール等のピラゾール系ブロック剤、メタノール、エタノール、マロン酸ジエチル、乳酸メチル及び乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤、メチルエチルケトンオキシム、ジアセチルモノオキシム及びシクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤、ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン及びチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤、コハク酸イミド等のイミド系ブロック剤、アニリン及びブチルアミン等のアミン系ブロック剤、イミダゾール及び2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤、並びにメチレンイミン及びプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
【0040】
上記ブロック剤のうち、低温硬化性の点から、ジメチルピラゾール、マロン酸ジエチルが好ましい。
【0041】
ブロックイソシアネートは市販のものであっても使用可能であり、例えば、MF−K60B、SBN‐70D、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80B、E402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ社製、商品名)、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(日本ポリウレタン工業社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(三井武田ケミカル社製、商品名)、BI7986、BI7951、BI7982、BI7960(バクセンデン社製、商品名)、カレンズMOI‐BM、カレンズMOI‐BP(昭和電工社製、商品名)等が挙げられる。これらのブロックイソシアネートは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0042】
ブロックイソシアネートの配合量は、特に限定されない。例えば、ブロックイソシアネートの配合量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度を向上させる点から1.0質量部であり、3.0質量部が好ましく、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度をよりバランスよく向上させる点から5.0質量部が特に好ましい。また、例えば、ブロックイソシアネートの配合量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、弾性の低下を防止する点から60質量部であり、50質量部が好ましく、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度をよりバランスよく向上させる点から45質量部が特に好ましい。
【0043】
(F)液状ウレタン樹脂
本発明では、上記した(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び(E)ブロックイソシアネートの代わりに、または(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び(E)ブロックイソシアネートとともに、液状ウレタン樹脂を配合してもよい。液状ウレタン樹脂を含有することで、硬化物の耐屈曲性、低反り性、硬度を向上させることができる。液状ウレタン樹脂は、常温常圧(25℃、1気圧)下にて液体であるウレタン樹脂であれば特に限定されず、いずれも使用可能である。ウレタン樹脂は、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物を反応させて得られるものである。
【0044】
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0045】
1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどのC2−C22アルカンジオールや、2−ブテン−1,4−ジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどのアルケンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール等の脂肪族トリオール;テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール等の水酸基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0046】
熱硬化性樹脂組成物の製造容易性の点から、25℃の粘度が90000mPa・S以下の液体のウレタン樹脂が好ましい。
【0047】
液状ウレタン樹脂の配合量は、特に限定されない。例えば、液状ウレタン樹脂の配合量の下限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度を向上させる点から2.0質量部であり、6.0質量部が好ましく、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度をよりバランスよく向上させる点から10質量部が特に好ましい。また、例えば、液状ポリウレタン樹脂の配合量の上限値は、エポキシ樹脂100質量部に対して、弾性の低下を防止する点から120質量部であり、100質量部が好ましく、硬化物の耐屈曲性、低反り性及び硬度をよりバランスよく向上させる点から90質量部が特に好ましい。
【0048】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記した各成分の他に、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、消泡剤、着色剤、有機溶剤、各種添加剤などを含有させることができる。
【0049】
消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。着色剤には、公知のものを使用でき、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系、アントラキノン系及びジオキサジン系の青色着色剤、並びにアントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系及びイソインドリノン系等の黄色着色剤などを挙げることができる。
【0050】
有機溶剤は、熱硬化性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために使用するものである。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。有機溶媒を用いる場合の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、40〜500質量部が好ましい。
【0051】
各種添加剤には、例えば、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤といった分散剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、イミダゾリウム塩並びにトリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤を挙げることができる。
【0052】
上記した本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
【0053】
次に、上記した本発明の熱硬化性樹脂組成物の使用方法について説明する。ここでは、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル基板上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗工して、ソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル基板上に、上記のように製造した熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の方法を用いて所望の厚さに塗布し、熱硬化性樹脂組成物中の有機溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、熱硬化性樹脂組成物から有機溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、フレキシブル基板上に目的とするソルダーレジスト膜を形成させることができる。
【0054】
このようにして得られたソルダーレジスト膜にて被覆されたフレキシブル基板に、噴流はんだ付け方法、リフローはんだ付け方法等により電子部品がはんだ付けされることで、電子回路ユニットが形成される。
【実施例】
【0055】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0056】
実施例1〜12、比較例1〜3
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜12及び比較例1〜3にて使用する、熱硬化性樹脂組成物を調製した。下記表1中の配合の数字は質量部を示す。
【0057】
【表1】

【0058】
表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)エポキシ樹脂
・TSR‐960:DIC社製、無溶剤ゴム変性型エポキシ樹脂(常温常圧で液状)、エポキシ当量=240
・エピクロンHP‐820:DIC社製、4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂(常温常圧で液状)、エポキシ当量=230
(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物
・SH‐1800:キンセイマテック(株)製、繊維状珪灰石、アスペクト比8、平均粒径(短径)3.5μm
・ミルコンSP‐2:昭和KDE(株)製、含水珪酸マグネシウム、アスペクト比5.0以上
・パナテトラWZ‐05F1:(株)アムテック製、酸化亜鉛、アスペクト比10、平均粒径(短径)0.2〜3.0μm
(C)ポリエーテルアミン
・T403:三井化学ファインケミカル(株)製、ポリエーテル骨格がポリプロピレンオキシドであるポリオキシアルキレントリアミン、25℃における粘度70〜382mPa・s、活性アミン水素当量=160
(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール
・DURANOL T5652:旭化成ケミカルズ(株)製、HO[(CHm1OC(=O)O](CHm2OH(式中、m1=5または6、m2=5または6、n=10〜20の整数を示す。)であって、数平均分子量約2000
(E)ブロックイソシアネート
・BI7982:バクセンデン(株)製、イソシアネートタイプはヘキサメチレンジイソシアネートtrimer、ブロック剤はジメチルピラゾール
・E402−B80B:旭化成ケミカル社製、ブロック剤はメチルエチルケトンオキシム
(F)液状ウレタン樹脂
・BI7770:バクセンデン(株)製、25℃における粘度80000±20000mPa・s
【0059】
その他の成分について
・C.I.Pigment Orange 5:チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製、クロモフタルDPPオレンジTR
・Pigment Blue 15:東洋インキ(株)製、リオノールブルーFG7351
・BYK310:BYKケミー(株)製、溶剤型用消泡剤
・R−974:日本アエロジル(株)製のチキソ性付与剤
・C11Z:四国化成(株)製、エポキシ硬化剤
【0060】
なお、ビスアニリンMは芳香族アミンであり、三井化学ファインケミカル(株)製、1,3‐ビス[1‐(4‐アミノフェニル)‐1‐メチルエチル]ベンゼン、活性アミン水素当量=86である。
【0061】
試験片作成工程1
弾性率、伸び率を評価するための試験片作成工程であり、上記のように調製した熱硬化性樹脂組成物を、PETフィルムに厚さ50μm±10μmになるようにバーコーターを用いて均一に塗布した後、BOX炉内にて、80℃、20分(BOX炉内25分)の予備乾燥を行った。予備乾燥後、BOX炉内にて、150℃、60分(BOX炉内70分)のポストキュアを行って熱硬化させることにより硬化塗膜を得、弾性率、伸び率を評価するための試験片を作成した。
【0062】
試験片作成工程2
耐折り曲げ性、耐屈曲性、反り性、塗膜硬度を評価するための試験片作成工程であり、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、「カプトン100H」)に銅箔の回路パターンを設けたフレキシブル基板について、3%硫酸水溶液で表面処理後、上記のように調製した熱硬化性樹脂組成物を、DRY膜厚が20〜23μmとなるようスクリーン印刷法にて塗布し、BOX炉内にて、150℃、60分(BOX炉内70分)のキュアを行って熱硬化させることにより硬化塗膜を得、耐折り曲げ性、耐屈曲性、反り性、塗膜硬度を評価するための試験片を作成した。
【0063】
評価
(1)弾性率(GPa)
試験片作成工程1にて作成した試験片について、硬化塗膜をPETフィルムから剥がして所定の大きさに切断したものついて、オートグラフ(SHIMAZU社製)を使用し、引っ張り速度5mm/minの条件で弾性率を測定した。
(2)伸び率(%)
上記弾性率測定の際に作成した試料と同一の試料を、オートグラフ(SHIMAZU社製)を使用し、引っ張り速度5mm/minの条件で伸び率を測定した。
(3)耐折り曲げ性
試験片作成工程2にて作成した試験片について、ハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、180°折り曲げの際の硬化塗膜のクラック発生状況を目視及び×200の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生しなかった回数を測定した。
(4)耐屈曲性
試験片作成工程2にて作成した試験片のキュア後の硬化塗膜について、円筒形マンドレル法により、硬化塗膜の耐屈曲性を目視観察及び×200の光学顕微鏡観察から評価したものであり、◎:直径1〜2mmで異常なし、○:直径3mmで異常なしだが、直径2mmでクラック、剥離等の異常あり、△:直径5mmで異常なしだが、直径3mmでクラック、剥離等の異常あり、×:直径5mmでクラック、剥離等の異常あり、の4段階で評価した。
(5)反り性
試験片作成工程2にて作成した試験片を3cm×3cmに切り出した後、水平な台上に上が凹になるように静かに試験片を置き、特に外力を加えないようにして、試験片の4か所の角と台との間の垂直な隔たりを直尺で1mmの単位まで測定し、その最大値を反り量とした。測定結果については、1mm以下の反り量を「◎」、1mm超3mm以下の反り量を「○」、3mm超5mm以下の反り量を「△」、5mm超の反り量を「×」、の4段階で評価した。
(6)塗膜硬度
JIS K‐5600‐5‐4の試験方法に従い、銅箔上の硬化塗膜に、芯の先が平らになるように研がれたBから9Hの鉛筆を約45°の角度で押しつけて、硬化塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
【0064】
評価結果を表2に示す。
【0065】
【表2】

【0066】
上記表2に示すように、アスペクト比が5.0以上の無機化合物とポリエーテルアミンを含有する実施例1〜12では、弾性率1.5GPa以上、反り性が○以上であり、耐折り曲げ性と耐屈曲性も有していた。従って、実施例1〜12では、弾性と低反り性に優れかつ柔軟性を有する硬化塗膜を得ることができた。また、実施例1〜12では、塗膜硬度がH以上、伸び率が2.0%以上であり、塗膜硬度と伸び性が損なわれることはなかった。また、実施例1、2と実施例11から、エポキシ樹脂として4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂を含ませることで、弾性率、耐屈曲性、低反り性がより向上した。また、実施例1〜11と実施例12から、アスペクト比が5.0以上の無機化合物をエポキシ樹脂100質量部に対して5質量部超配合すると、弾性率がより向上した。また、実施例9より、液状ポリアルキレンカーボネートジオールとブロックイソシアネートの代わりに、液状ウレタン樹脂を配合しても、同等の特性を有する硬化塗膜が得られた。
【0067】
一方で、アスペクト比が5.0以上の無機化合物またはポリエーテルアミンを含有しない比較例1、2では、弾性に劣り、ポリエーテルアミンの代わりに芳香族アミンを配合した実施例3では、柔軟性と低反り性に劣った。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、伸び性、耐折り曲げ性、耐屈曲性、低反り性を有しつつ硬度を備え、さらに弾性に優れた硬化物を得ることができるので、例えば、プリント配線板やフレキシブル配線板のソルダーレジスト膜、カバーレイとして利用価値が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エポキシ樹脂、(B)アスペクト比が5.0以上の無機化合物、(C)ポリエーテルアミン、(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び(E)ブロックイソシアネートを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(D)液状ポリアルキレンカーボネートジオール及び前記(E)ブロックイソシアネートに代えて、(F)液状ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、(F)液状ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)エポキシ樹脂が、液状であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)エポキシ樹脂が、4‐t‐ブチルカテコール型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1または4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(B)アスペクト比5.0以上の無機化合物を、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、5〜75質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有するフレキシブル基板。

【公開番号】特開2013−49781(P2013−49781A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188173(P2011−188173)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】