説明

熱硬化性組成物、ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板

【課題】硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物を提供。
【解決手段】ベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性化合物と、下記式(1)で表されるホスファゼン化合物とを含有することを特徴とする熱硬化性組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の絶縁材料等に好適に用いられる熱硬化性組成物、前記熱硬化性組成物を含有するワニス、前記ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイス等の電子部品の高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している、各種電子機器に用いられるプリント配線板等の絶縁材料には、回路間の絶縁を確保するために、絶縁性が高いことが求められる。すなわち、電子部品の高集積化や配線の高密度化されたプリント配線板において、回路間の絶縁を確保するためには、プリント配線板の絶縁材料には、電気絶縁性が高いことが求められる。
【0003】
また、プリント配線板等の絶縁材料としては、高温等の環境下においても、搭載した半導体デバイス等の電子部品を好適に支持することができるように、耐熱性や難燃性等に優れていることも求められる。
【0004】
プリント配線板の絶縁材料としては、これらの要求を満たすために、ベンゾオキサジン化合物を用いることがあった。ベンゾオキサジン化合物を含む組成物を硬化させて得られた硬化物は、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れていることが知られている。
【0005】
そこで、ベンゾオキサジン化合物を含む組成物としては、具体的には、例えば、特許文献1に記載の混合物が挙げられる。
【0006】
特許文献1には、所定の構造単位からなるポリフェニレンエーテル100質量部に対して、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ、カルボキシル基等を有する、1種以上の官能化化合物0.01〜10.質量部添加した混合物が記載されている。そして、この混合物を、所定の条件で処理することにより得られる高分子ワニスが記載されており、この高分子ワニスに含有することができる架橋剤として、ベンゾオキサジン類が挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−277662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によれば、ポリフェニレンエーテルの成膜性を向上させ取り扱いを容易にし、加熱時の流動性を向上した高分子ワニスが得られることが開示されている。
【0009】
しかしながら、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性の全てが充分に優れたものを得ることは困難であった。
【0010】
一般的なポリフェニレンエーテルは、比較的高分子量であり、軟化点が高いため、粘度が高く、流動性が低い傾向がある。このため、例えば、多層プリント配線板を製造する際、ボイドが発生する等の成形性の問題が発生するおそれがあった。また、低分子量化させたポリフェニレンエーテルを単に用いた場合、硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性等が低下する傾向があった。
【0011】
また、プリント配線板等の絶縁材料として用いられる硬化性の組成物には、一般的に、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン含有エポキシ樹脂等のハロゲンを含有する化合物、及び鉛を含む難燃剤等が配合されていることが多かった。しかしながら、このようなハロゲンや鉛を含有する組成物の硬化物は、燃焼時にハロゲン化水素等の有害物質を生成するおそれ等があり、人体や自然環境に対し悪影響を及ぼすという欠点を有している。このような背景のもと、プリント配線板等の絶縁材料としても、ハロゲンや鉛を含まない、いわゆるハロゲンフリー化や鉛フリー化が求められている。
【0012】
また、特許文献1には、高分子ワニスに含有することができる架橋剤として、ベンゾオキサジン類が挙げられている。さらに、この高分子ワニスに含有することができる添加剤として、ビス(ヒドロキシフェニル)ホスファゼンが挙げられている。
【0013】
しかしながら、ポリフェニレンエーテルを主成分として含む高分子ワニスにおいて、添加剤として、ビス(ヒドロキシフェニル)ホスファゼンを添加させたとしても、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性の全てが充分に優れたものを得ることは困難な傾向があった。
【0014】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物を提供することを目的とする。また、前記熱硬化性組成物を含有するワニス、前記ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様に係る熱硬化性組成物は、ベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性化合物と、下記式(1)で表されるホスファゼン化合物とを含有することを特徴とするものである。
【0016】
【化1】


式(1)中、nは、1又は2を示し、Aは、互いに独立して、ヒドロキシフェニル基、フェニル基、ヒドロキシアルキルフェニル基、ヒドロキシナフチル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキル基、アミノ基、又は水素原子を示し、Aのうち少なくとも1つが、ヒドロキシフェニル基、又はヒドロキシアルキルフェニル基である。
【0017】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物が、分子内にフェノールフタレイン構造を有することが好ましい。
【0018】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計含有量が、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、70〜100質量部であることが好ましい。
【0019】
また、前記熱硬化性組成物において、前記熱硬化性化合物が、前記ベンゾオキサジン化合物及び前記ホスファゼン化合物と反応することができるエポキシ化合物を含むことが好ましい。
【0020】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物が、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0021】
【化2】


式(2)中、R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。
【0022】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ホスファゼン化合物に含まれるリン原子が、前記熱硬化性組成物100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。
【0023】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ホスファゼン化合物が、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0024】
【化3】


また、本発明の他の一態様に係るワニスは、前記熱硬化性組成物と溶媒とを含有するワニスである。
【0025】
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とするプリプレグである。
【0026】
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする金属張積層板である。
【0027】
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたことを特徴とするプリント配線板である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物を提供することができる。また、前記熱硬化性組成物を含有するワニス、前記ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態に係る熱硬化性組成物は、ベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性化合物と、式(1)で表されるホスファゼン化合物とを含有するものである。
【0030】
式(1)中、nは、1又は2を示し、Aは、互いに独立して、ヒドロキシフェニル基、フェニル基、ヒドロキシアルキルフェニル基、ヒドロキシナフチル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキル基、アミノ基、又は水素原子を示し、Aのうち少なくとも1つが、ヒドロキシフェニル基、又はヒドロキシアルキルフェニル基である。
【0031】
このような熱硬化性組成物は、その硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物である。
【0032】
このことは、以下のことによると考えられる。
【0033】
まず、ベンゾオキサジン化合物とホスファゼン化合物とを含有するので、硬化物の電気絶縁性を高めることができると考えられる。また、ホスファゼン化合物には、式(1)に示すように、分子中に、難燃成分になりうるリン原子を含むので、難燃性を高めることができると考えられる。また、ベンゾオキサジン化合物と、式(1)に示すように、分子中にフェノール性水酸基を含むホスファゼン化合物とを硬化反応させることにより、好適な架橋が形成され、硬化物の耐熱性を高めることができると考えられる。これらのことから、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物になると考えられる。
【0034】
以下、本実施形態に係る熱硬化性組成物の各成分について説明する。
【0035】
本実施形態で用いる熱硬化性化合物は、ベンゾオキサジン化合物を含んでいればよく、他の熱硬化性化合物を含んでいてもよい。すなわち、熱硬化性化合物は、ベンゾオキサジン化合物のみであってもよいし、ベンゾオキサジン化合物と、ベンゾオキサジン化合物以外の熱硬化性化合物との混合物であってもよい。
【0036】
また、本実施形態で用いるベンゾオキサジン化合物は、分子内にベンゾオキサジン環を有する化合物であれば、特に限定されない。具体的には、分子内にベンゾオキサジン環を有する化合物であれば、ベンゾオキサジン樹脂等であってもよい。
【0037】
ベンゾオキサジン化合物は、具体的には、例えば、分子内にフェノールフタレイン構造を有するベンゾオキサジン化合物、すなわち、式(2)で表される化合物(フェノールフタレイン型ベンゾオキサジン化合物)、式(4)で表される化合物(ビスフェノールF型ベンゾオキサジン化合物)、及び式(5)で表される化合物(ジアミノジフェニルメタン(DDM)型ベンゾオキサジン化合物)等が挙げられる。
【0038】
式(2)中、R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示し、R及びRは、ともにフェニル基であることが好ましい。
【0039】
【化4】

【0040】
【化5】


ベンゾオキサジン化合物は、上述したように、特に限定されないが、分子内にフェノールフタレイン構造を有するベンゾオキサジン化合物(フェノールフタレイン型ベンゾオキサジン化合物)が好ましい。すなわち、具体的には、式(2)で表される化合物が好ましい。このようなベンゾオキサジン化合物を用いることによって、硬化物の耐熱性をより高めることができる。
【0041】
また、本発明で用いるホスファゼン化合物は、上述したように、式(1)で表される化合物であれば、特に限定されない。すなわち、ホスファゼン化合物は、分子中にフェノール性水酸基を含み、下記式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物であればよい。
【0042】
式(1)中、nは、1又は2であり、1であることが好ましい。また、Aは、互いに独立している。すなわち、各Aが、同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、Aは、ヒドロキシフェニル基、フェニル基、ヒドロキシアルキルフェニル基、ヒドロキシナフチル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキル基、アミノ基、又は水素原子を示し、Aのうち少なくとも1つが、ヒドロキシフェニル基、又はヒドロキシアルキルフェニル基である。また、Aは、フェニル基と、ヒドロキシフェニル基又はヒドロキシアルキルフェニル基とであることが好ましい。
【0043】
また、前記ヒドロキシアルキルフェニル基のアルキル基としては、特に限定されない。具体的には、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、メチル基が好ましい。よって、前記ヒドロキシアルキルフェニル基としては、ヒドロキシメチルフェニル基が好ましい。
【0044】
また、前記アルキルフェニル基のアルキル基としては、特に限定されない。具体的には、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、メチル基が好ましい。よって、前記アルキルフェニル基としては、メチルフェニル基が好ましい。
【0045】
また、ホスファゼン化合物は、具体的には、式(3)で表される化合物が好ましい。このようなホスファゼン化合物を用いることによって、硬化物の、優れた電気絶縁性や耐熱性を維持しつつ、難燃性をより高めることができる。
【0046】
また、ホスファゼン化合物は、そのホスファゼン化合物中のリン濃度が、5〜25質量%であるホスファゼン化合物が好ましく、5〜20質量%であるホスファゼン化合物がより好ましく、10〜15質量%であるホスファゼン化合物がさらに好ましい。リン濃度が、このような範囲内のホスファゼン化合物を用いることによって、得られた熱硬化性組成物が、ホスファゼン化合物の有する優れた電気絶縁性だけではなく、より優れた難燃性をも発揮できる。
【0047】
また、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の合計含有量、すなわち、ベンゾオキサジン化合物の含有量とホスファゼン化合物の含有量との合計が、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、70〜100質量部であることが好ましく、75〜100質量部であることがより好ましく、80〜100質量部であることがさらに好ましい。ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の合計含有量が、このような範囲内であれば、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性により優れた熱硬化性組成物になる。
【0048】
また、本実施形態に係る熱硬化性組成物は、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の含有量が、このような範囲内であればよく、ベンゾオキサジン化合物とホスファゼン化合物とからなる熱硬化性組成物であっても、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物以外の成分を含む熱硬化性組成物であってもよい。
【0049】
また、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の各含有量は、ベンゾオキサジン化合物及びフェノール樹脂の合計含有量が、上記範囲内となるような含有量であることが好ましい。具体的には、以下の範囲であることがより好ましい。ベンゾオキサジン化合物の含有量が、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましく、30〜90質量部であることがより好ましく、50〜90質量部であることがさらに好ましい。また、ホスファゼン化合物の含有量が、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、5〜55質量部であることが好ましく、10〜45質量部であることがより好ましく、15〜40質量部であることがさらに好ましい。また、ベンゾオキサジン化合物とホスファゼン化合物との含有比は、質量比で、9:1〜2:8であることが好ましく、9:1〜3:7であることがより好ましく、9:1〜4:6であることがさらに好ましい。
【0050】
また、ホスファゼン化合物に含まれるリン原子の含有量が、熱硬化性組成物100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましく、1〜4.5質量部であることがより好ましく、1.5〜4質量部であることがさらに好ましい。熱硬化性組成物中の、ホスファゼン化合物由来のリン原子の含有割合が、このような範囲であれば、優れた、電気絶縁性及び耐熱性を維持しつつ、難燃性を充分に高めることができる。また、熱硬化性組成物中に、ホスファゼン化合物に含まれるリン原子以外のリン原子を含む場合であっても、リン原子の含有量が、熱硬化性組成物100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましく、1〜4.5質量部であることがより好ましく、1.5〜4質量部であることがさらに好ましい。
【0051】
また、本実施形態に係る熱硬化性組成物は、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の含有量が、上記のような範囲内であればよく、ベンゾオキサジン化合物とホスファゼン化合物とからなる熱硬化性組成物であっても、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物以外の成分を含む熱硬化性組成物であってもよい。また、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物以外の成分は、ベンゾオキサジン化合物以外の熱硬化性化合物や、無機充填材、難燃剤、及び添加剤等が挙げられる。
【0052】
ベンゾオキサジン化合物以外の熱硬化性化合物は、ベンゾオキサジン化合物とホスファゼン化合物との硬化反応を阻害するものでなければ、特に限定されない。具体的には、例えば、エポキシ樹脂等のエポキシ化合物やフェノール樹脂等が挙げられる。また、ベンゾオキサジン化合物以外の熱硬化性化合物としては、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物と反応可能なエポキシ化合物であることが好ましい。そうすることによって、硬化物の耐熱性のより高いものが得られる。このことは、ベンゾオキサジン化合物とホスファゼン化合物との硬化反応だけではなく、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物とエポキシ化合物との硬化反応も作用することによると考えられる。
【0053】
また、ベンゾオキサジン化合物以外の熱硬化性化合物、例えば、エポキシ化合物の含有量は、含有していなくてもよいが、含有するのであれば、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。すなわち、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、0〜30質量部であることが好ましい。
【0054】
また、本実施形態に係る熱硬化性組成物には、上述したように、無機充填材を含有してもよい。無機充填材は、熱硬化性組成物の硬化物の、耐熱性や難燃性を高めるために添加するもの等が挙げられ、特に限定されない。無機充填材を含有させることによって、耐熱性や難燃性等を高めることができる。また、無機充填材を含有させることによって、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性や難燃性に優れ、ワニス状にしたときの粘度の上昇を抑制したまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。無機充填材としては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、無機充填材としては、そのまま用いてもよいが、エポキシシランタイプ、又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものが、特に好ましい。このようなシランカップリング剤で表面処理された無機充填材が配合された熱硬化性組成物を用いて得られる金属張積層板は、吸湿時における耐熱性が高く、また、層間ピール強度も高くなる傾向がある。
【0055】
また、本実施形態に係る熱硬化性組成物には、上述したように、難燃剤を含有してもよい。そうすることによって、熱硬化性組成物の硬化物の難燃性をさらに高めることができる。難燃剤としては、特に限定されない。具体的には、例えば、リン系難燃剤やハロゲン系難燃剤等が挙げられる。リン系難燃剤の具体例としては、例えば、縮合リン酸エステル、環状リン酸エステル等のリン酸エステル、環状ホスファゼン化合物等のホスファゼン化合物、ジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩等のホスフィン酸金属塩等のホスフィン酸塩系難燃剤、リン酸メラミン、及びポリリン酸メラミン等のメラミン系難燃剤等が挙げられる。また、ハロゲン系難燃剤としては、臭素系難燃剤等が挙げられる。また、ハロゲンフリーの観点から、リン系難燃剤が好ましく用いられる。難燃剤としては、例示した各難燃剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
また、本実施形態に係る熱硬化性組成物には、上述したように、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、及びアクリル酸エステル系消泡剤等の消泡剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤、湿潤分散剤等の分散剤等が挙げられる。
【0057】
本実施形態に係る熱硬化性組成物は、プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材(繊維質基材)に含浸する目的でワニス状に調製して用いられることが多い。すなわち、本実施形態に係る熱硬化性組成物は、通常、ワニス状に調製されたもの(ワニス)であることが多い。このようなワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
【0058】
まず、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられ、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の熱硬化性組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、メチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。
【0059】
得られたワニスを用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られたワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
【0060】
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.04〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
【0061】
ワニスの繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数のワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び含浸量に調整することも可能である。
【0062】
ワニスが含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
【0063】
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの熱硬化性組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜210℃、圧力を1.5〜4.0MPa、時間を60〜150分間とすることができる。
【0064】
本実施形態に係る熱硬化性組成物は、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物である。このため、前記熱硬化性組成物を用いて得られたプリプレグを用いた金属張積層板は、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性が優れたプリント配線板を製造することができる。
【0065】
そして、作製された積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができるものである。このように得られるプリント配線板は、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れたものである。
【0066】
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0067】
<実施例1〜13、比較例1〜4>
[熱硬化性組成物の調製]
本実施例において、熱硬化性組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。
【0068】
(ベンゾオキサジン化合物)
フェノールフタレイン型ベンゾオキサジン化合物:式(2)で表され、R及びRは、ともにフェニル基である化合物(ハンツマン社製)
ビスフェノールF型ベンゾオキサジン化合物:式(4)で表される化合物(ハンツマン社製)
DDM型ベンゾオキサジン化合物:式(5)で表される化合物(四国化成工業株式会社製)
(ホスファゼン化合物)
フェノール性水酸基含有ホスファゼン化合物:式(3)で表されるホスファゼン化合物(大塚化学株式会社製のSPH100、リン濃度12質量%)
フェノール性水酸基不含有ホスファゼン化合物:式(1)で表されるホスファゼン化合物であって、Aが全てフェニル基である化合物(大塚化学株式会社製のSPB100)
(ベンゾオキサジン化合物以外の熱硬化性化合物)
エポキシ樹脂:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN690)
フェノールノボラック樹脂:DIC株式会社製のTD−2090
(難燃剤)
難燃剤:芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製のPX200)
[調製方法]
まず、各成分を表1及び表2に記載の配合割合で、固形分濃度が60質量%となるように、メチルエチルケトン(MEK)に添加し、混合させた。その混合物を、70℃になるまで加熱し、70℃のままで30分間攪拌することによって、ワニス状の熱硬化性組成物(ワニス)が得られた。
【0069】
次に、得られたワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯2116タイプ、WEA116E、Eガラス)に含浸させた後、150℃で約3〜8分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。その際、ベンゾオキサジン化合物、及びホスファゼン化合物等の、硬化後、樹脂を構成する成分の含有量(レジンコンテント)が約50質量%となるように調整した。
【0070】
そして、得られた各プリプレグを所定枚数重ねて積層し、温度200℃、2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、所定の厚みの評価基板を得た。
【0071】
具体的には、例えば、得られた各プリプレグを6枚重ねて積層することによって、厚み約0.8mmの評価基板を得た。
【0072】
上記のように調製された各プリプレグ及び評価基板を、以下に示す方法により評価を行った。
【0073】
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ株式会社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いて、評価基板のTgを測定した。このとき、曲げモジュールで周波数を10Hzとして動的粘弾性測定(DMA)を行い、昇温速度5℃/分の条件で室温から280℃まで昇温した際のtanδが極大を示す温度をTgとした。
【0074】
[半田耐熱性]
半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠の方法で測定した。具体的には、評価基板を、121℃、2気圧(0.2MPa)、2時間のプレッシャークッカーテスト(PCT)を行い、各サンプルで行い、サンプル数5個で、260℃の半田槽中に20秒間浸漬し、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、260℃の半田槽の代わりに、288℃の半田槽を用いて、同様の評価を行った。
【0075】
[難燃性]
評価基板から、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースについてUnderwriters Laboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94”に準じて行い、評価した。
【0076】
上記各評価における結果は、表1及び表2に示す。
【0077】
[絶縁信頼性]
まず、評価基板に、直径300μmのスルーホールの壁間間隔が300μmとなるようなスルーホール対を、50対形成させた。その際、スルーホール対は、対をなす方向に垂直な方向に、それぞれのスルーホール対が離間して並ぶように50対形成させた。
【0078】
次に、厚さ25μmのスルーホールめっきを施した。そして、スルーホール対を構成する一方のスルーホールがそれぞれ電気的に連結されるように第1電気回路を形成し、他方のスルーホールがそれぞれ電気的に連結されるように第2電気回路を形成した。その際、前記第1電気回路と前記第2電気回路とは、電気的に連結されないように形成させた。
【0079】
そして、各電気回路に電線を半田付けして、電線を介して電気回路を電源に接続し、121℃、85%RHの恒温恒湿槽内で、スルーホールの壁間に、50Vの直流電圧を300時間連続して印加した。その際、絶縁抵抗値を測定することによって、スルーホールの壁間に短絡が発生したか否かを判断した。短絡が発生していなければ、「○」と評価し、短絡が発生していれば、「×」と評価した。
【0080】
上記各評価における結果は、表1及び表2に示す。なお、表中、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の含有量とは、熱硬化性化合物とホスファゼン化合物との合計100質量部に対する含有量を示す。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】


表1及び表2からわかるように、ベンゾオキサジン化合物と、式(1)で表されるホスファゼン化合物[式(3)で表されるホスファゼン化合物]とを含有する熱硬化性組成物を用いた場合(実施例1〜13)は、他の熱硬化性組成物を用いた場合(比較例1〜4)と比較して、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた硬化物が得られる。よって、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた金属張積層板やプリント配線板が得られる。
【0083】
また、実施例1と実施例2,3との比較等から、ベンゾオキサジン化合物として、フェノールフタレイン型のものが、Tgの点から好ましいことがわかる。
【0084】
また、実施例4〜7から、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の含有量が多いほうが、Tgが高く、耐熱性が高いことがわかる。また、このことから、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の合計含有量が、熱硬化性化合物及びホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、70〜100質量部であることが、耐熱性の点から好ましいことがわかる。
【0085】
また、実施例1と実施例4との比較から、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物と反応することができるエポキシ化合物を含むことが好ましいことがわかる。このことは、ベンゾオキサジン化合物及びホスファゼン化合物の合計含有量が、実施例1より低いが、エポキシ樹脂を含む実施例4が、実施例1より耐熱性が高いことからわかる。
【0086】
また、実施例5及び実施例8〜13から、リンの含有量が少なくなると、難燃性が低下する傾向があることがわかる。また、リンの含有量が多くなると、Tgが低下し、耐熱性が低下する傾向があることがわかる。これらのことから、リン原子の含有量が、前記熱硬化性組成物100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが、難燃性と耐熱性との両立の点から好ましいことがわかる。
【0087】
本明細書は、上述したように、様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0088】
本発明の一態様に係る熱硬化性組成物は、ベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性化合物と、式(1)で表されるホスファゼン化合物とを含有することを特徴とするものである。
【0089】
このような構成によれば、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた熱硬化性組成物を提供することができる。
【0090】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物が、分子内にフェノールフタレイン構造を有することが好ましい。
【0091】
このような構成によれば、硬化物の耐熱性のより高めることができ、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性により優れた樹脂組成物が得られる。
【0092】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計含有量が、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、70〜100質量部であることが好ましい。
【0093】
このような構成によれば、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性により優れた熱硬化性組成物を得ることできる。
【0094】
また、前記熱硬化性組成物において、前記熱硬化性化合物が、前記ベンゾオキサジン化合物及び前記ホスファゼン化合物と反応することができるエポキシ化合物を含むことが好ましい。
【0095】
このような構成によれば、硬化物の耐熱性のより高めることができ、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性により優れた熱硬化性組成物が得られる。
【0096】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物が、式(2)で表される化合物であることが好ましい。式(2)中、R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。
【0097】
このような構成によれば、硬化物の耐熱性のより高めることができ、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性により優れた熱硬化性組成物が得られる。
【0098】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ホスファゼン化合物に含まれるリン原子が、前記熱硬化性組成物100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。
【0099】
このような構成によれば、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性により優れた熱硬化性組成物が得られる。
【0100】
また、前記熱硬化性組成物において、前記ホスファゼン化合物が、式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0101】
このような構成によれば、硬化物の、優れた電気絶縁性や耐熱性を維持しつつ、難燃性をより高めることができる。
【0102】
また、本発明の他の一態様に係るワニスは、前記熱硬化性組成物と溶媒とを含有するワニスである。
【0103】
このような構成によれば、硬化物の、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた、熱硬化性のワニスが得られる。
【0104】
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とするプリプレグである。
【0105】
このような構成によれば、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた金属張積層板やプリント配線板を製造するのに好適なプリプレグが得られる。
【0106】
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする金属張積層板である。
【0107】
このような構成によれば、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れた金属張積層板が得られる。また、得られた金属張積層板は、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れたプリント配線板を好適に製造することができる。
【0108】
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたことを特徴とするプリント配線板である。
【0109】
このような構成によれば、電気絶縁性、耐熱性、及び難燃性に優れたプリント配線板が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性化合物と、
下記式(1)で表されるホスファゼン化合物とを含有することを特徴とする熱硬化性組成物。
【化1】


[式(1)中、nは、1又は2を示し、Aは、互いに独立して、ヒドロキシフェニル基、フェニル基、ヒドロキシアルキルフェニル基、ヒドロキシナフチル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキル基、アミノ基、又は水素原子を示し、Aのうち少なくとも1つが、ヒドロキシフェニル基、又はヒドロキシアルキルフェニル基である。]
【請求項2】
前記ベンゾオキサジン化合物が、分子内にフェノールフタレイン構造を有する請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項3】
前記ベンゾオキサジン化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計含有量が、前記熱硬化性化合物及び前記ホスファゼン化合物の合計100質量部に対して、70〜100質量部である請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性組成物。
【請求項4】
前記熱硬化性化合物が、前記ベンゾオキサジン化合物及び前記ホスファゼン化合物と反応することができるエポキシ化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
【請求項5】
前記ベンゾオキサジン化合物が、下記式(2)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
【化2】


[式(2)中、R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。]
【請求項6】
前記ホスファゼン化合物に含まれるリン原子の含有量が、前記熱硬化性組成物100質量部に対して、0.5〜5質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
【請求項7】
前記ホスファゼン化合物が、下記式(3)で表される化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
【化3】

【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物と溶媒とを含有するワニス。
【請求項9】
請求項8に記載のワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とするプリプレグ。
【請求項10】
請求項9に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする金属張積層板。
【請求項11】
請求項9に記載のプリプレグを用いて製造されたことを特徴とするプリント配線板。

【公開番号】特開2013−49796(P2013−49796A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188950(P2011−188950)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】