説明

熱硬化性組成物、固体撮像素子のハレーション防止膜およびその形成方法、ならびに固体撮像素子

【課題】カラーフィルターやマイクロレンズを形成する際の露光工程において、下地基板からの乱反射光を効果的に抑制でき、かつ高度の耐熱性を有し、ドライエッチングでも膜荒れが発生しないハレーション防止膜を形成するのに適した熱硬化性組成物、それを用いてハレーション防止膜を形成する方法およびその方法により形成されたハレーション防止膜、ならびにそのハレーション防止膜を有する固体撮像素子を提供すること
【解決手段】オキシラニル基またはオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物とそれ以外の重合性不飽和化合物の共重合体、および
2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの如き特定のベンゾフェノン系放射線吸収剤
を含有する熱硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性組成物、固体撮像素子のハレーション防止膜およびその形成方法、ならびに固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子には、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型、CCD(Charge Coupled Device)型などがあり、それぞれに一次元固体撮像素子および二次元固体撮像素子がある。前者の例としては例えばファクシミリ等が、後者の例としては例えばビデオカメラ等を挙げることができる。
このような固体撮像素子は近年、デジタル化が進み、ユーザーの高品位指向とも相俟ってさらに高画質が求められるようになって来つつある。デジタルカメラの画素数の増加などがその一例である。
固体撮像素子には白黒用およびカラー用があるが、そのうちカラー用固体撮像素子は、固体撮像素子が形成された基板上に3色のカラーフィルターを形成して製作される。固体撮像素子は、そのままでも使用されるが、さらに各固体撮像素子に対応した表面に凸型レンズ(マイクロレンズ)を備えて、感度(集光能力)を高めることが行われている(特許文献1参照)。
固体撮像素子にカラーフィルターおよび/またはマイクロレンズを装備するには、感光性材料を使用したリソグラフィー技術を用いて、微細パターンを形成して行われる。
【0003】
マイクロレンズの形成は、固体撮像素子が形成され、必要に応じてさらに、カラーフィルターが形成された基板上に、透明樹脂を塗布して表面を平坦化した後、感光性樹脂からなるマイクロレンズ材料を塗布し、レンズのパターンを露光し、現像、リンス処理し、残った透明樹脂ブロックを加熱して僅かに溶融し、収縮させて、各ブロックを凸レンズの形状にすることにより行われる。
上記カラーフィルターやマイクロレンズの形成工程において、感光性材料を露光・パターニングする際、下地基板からの乱反射光により、露光したくない部分まで感光され、実際のパターンサイズは目的のサイズとは違ったものになる、すなわち「ハレーション」が発生するという問題があった。
マイクロレンズの場合にこのような現象が発生すると、レンズの形状が不揃いになり、フリッカなどが生じて画質に悪影響を及ぼす。これは最近のように固体撮像素子のセルサイズが小さくなるにしたがって、一層重大な問題になっていった。
【0004】
この問題に関し、固体撮像素子基板上に、リソグラフィーに使用する放射線を吸収する反射防止膜を形成して反射を抑え、ハレーションを防止する方法が知られている。この例には、ポリグリシジルメタクリレートを主成分とし、硬化剤にトリメリット酸を用いたCCD用保護膜に、染料を配合したものがある(特許文献2参照)。しかしながら、このような反射防止膜は、塗布した材料を架橋して固めるために行うベーキング工程中に、染料の一部が反射防止膜中から昇華し、ハレーション防止効果が著しく低下したり、不揮発性の染料では、染料が保護膜上に浮き出てしまい、ハレーション防止膜上に形成するマイクロレンズが所望の形状に形成されなかったりする等の欠点があった。
また加えて、ハレーション防止膜を配線加工やレンズ加工用にドライエッチングするケースがあるが、これまでの材料はハレーション膜表層に膜荒れが発生し、膜荒れの影響でCCD、CMOS性能を落とす欠点もあった。
【0005】
また、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と、エポキシ基含有ラジカル重合性化合物と、モノおよび/またはジオレフィン系不飽和化合物との共重合体、ならびに放射線吸収性化合物を含有するハレーション防止膜の提案がなされている(特許文献3参照)。このハレーション防止膜は、形成後の温度履歴が150℃以下のプロセスを想定したものであり、150℃を超える温度における耐熱性については検証されていない。
しかしながら、カラー用固体撮像素子においては、従来染料基質を使用したカラーフィルター用材料が使用されていたためカラーフィルターは150℃程度と、比較的低温度で硬化することが可能であった。しかし近年の高精度化の要請に伴い、顔料系の材料が一般に使用されるようになってきたため、その形成工程において180℃以上の硬化温度が必要となってきている(特許文献4ないし6参照)。そのため、カラー用固体撮像素子において、カラーフィルターに先立って形成されるハレーション防止膜は、従来に増して高温に晒されることとなる。従来知られているハレーション防止膜用材料では、このような高温に晒されると、ハレーション防止膜として機能しなくなることが知られている。この現象は、150℃を超える高温度領域においては、ハレーション防止膜用材料中に配合された放射線吸収剤が昇華して散逸するために放射線吸収能力が著しく低下することによるものと推定される。
【特許文献1】特開平3−223702号公報
【特許文献2】特許第2956210号明細書
【特許文献3】特開平06−289201号公報
【特許文献4】特開平11−211911号公報
【特許文献5】特開平11−258415号公報
【特許文献6】特開2000−111722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような事情を鑑みなされたものであり、その目的は、固体撮像素子におけるカラーフィルターやマイクロレンズを形成する際の露光工程において、下地基板からの乱反射光を効果的に抑制でき、かつ高度の耐熱性を有し、ドライエッチングでも膜荒れが発生しないハレーション防止膜を形成するのに適した熱硬化性組成物、それを用いてハレーション防止膜を形成する方法およびその方法により形成されたハレーション防止膜、ならびにそのハレーション防止膜を有する固体撮像素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、本発明の上記課題は第一に、〔A〕(a1)オキシラニル基またはオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物と(a2)(a1)以外の重合性不飽和化合物の共重合体、および
〔B〕下記式(1)で表される放射線吸収剤
を含有することを特徴とする熱硬化性組成物。
【0008】
【化1】

【0009】
〔式(1)中のR〜Rは、同一または異なり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示す。〕によって達成される。
【0010】
また、本発明の上記課題は第二に、少なくとも以下の工程を含む、固体撮像素子のハレーション防止膜の形成方法によって達成される。
[1]基板上に上記の熱硬化性組成物の塗膜を形成する工程、および
[2]該塗膜を加熱処理する工程。
【0011】
さらに、本発明の上記課題は第三に上記の方法により形成された固体撮像素子のハレーション防止膜によって達成され、第四に上記ハレーション防止膜を有する固体撮像素子によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、固体撮像素子におけるカラーフィルターやマイクロレンズを形成する際の露光工程において、下地基板からの乱反射光を効果的に抑制できまた可視光線の透過率が高く、かつ高度の耐熱性を有するハレーション防止膜を形成するのに適した熱硬化性組成物、それを用いてハレーション防止膜を形成する方法およびその方により形成されたハレーション防止膜、ならびにそのハレーション防止膜を有する固体撮像素子が提供される。
【0013】
本発明のハレーション防止膜は、当該ハレーション防止膜の上にカラーフィルターやマイクロレンズを形成する際の露光工程において、下地基板からの乱反射光を効果的に抑制でき、かつ高度の耐熱性を有する。そのため本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜上に形成されたカラーフィルターやマイクロレンズは所望の形状、サイズのものとすることができる。
【0014】
さらに本発明の固体撮像素子は上記のハレーション防止膜を有するものであり、該ハレーション防止膜上に形成されたカラーフィルターやマイクロレンズは所望の形状、サイズのものであるため、本発明の固体撮像素子は信頼性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の熱硬化性組成物の各成分について詳述する。
【0016】
共重合体[A]
本発明における共重合体[A]は、(a1)オキシラニル基またはオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物と、(a2)(a1)以外の重合性不飽和化合物の共重合体である。
【0017】
重合性不飽和化合物(a1)としては、オキシラニル基またはオキセタニル基および重合性不飽和基を有する限り特に限定はないが、例えば、オキシラニル基含有の重合性不飽和化合物としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
オキセタニル基含有の重合性不飽和化合物としては、例えば3−メチル−3−(メタ)アクロイロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクロイロキシメチルオキセタン等が挙げられる。
これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが共重合反応性および得られる膜の耐熱性、表面硬度を高める点から好ましく用いられる。
【0018】
重合性不飽和化合物(a2)は、(a1)以外の重合性不飽和化合物であり、例えば重合性不飽和カルボン酸、重合性不飽和多価カルボン酸無水物、アセタール構造、ケタール構造および3級炭素アルコキシカルボニル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を含有する重合性不飽和化合物、ならびにカルボン酸基、無水カルボン酸基および上記構造のいずれも持たない重合性不飽和化合物を挙げることができる。
【0019】
本発明における好ましい重合体(A)としては、例えば、
(A1)(a1)重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(a1)」という。)と(a2)重合性不飽和カルボン酸および/または重合性不飽和多価カルボン酸無水物(以下、これらをまとめて「不飽和化合物(a2−1)」という。)と(a2)不飽和化合物(a1)および不飽和化合物(a2−1)以外の重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(a2−2)」という。)との共重合体(以下、「共重合体(A1)」という。);
(A2)不飽和化合物(a1)と、(a2)アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を含有する重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(a2−3)」という。)と、(a2)不飽和化合物(a1)および不飽和化合物(a2−3)以外の重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(a2−4)」という。)との共重合体(以下、「共重合体(A2)」という。);
(A3)不飽和化合物(a1)と、(a2)不飽和化合物(a1)以外の重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(a2−5)」という。)との共重合体であって、分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造のいずれをも持たない共重合体(以下、「共重合体(A3)」という。)
等を挙げることができる。
【0020】
なお、共重合体(A1)は、アセタール構造、ケタール構造あるいはt−ブトキシカルボニル構造をさらに含有することができ、重合体(A2)は、カルボキシル基あるいはカルボン酸無水物基をさらに含有することができる。
共重合体(A1)、重合体(A2)および共重合体(A3)において、不飽和化合物(a1)としては、前記した如き化合物を例示することができる。
前記不飽和化合物(a1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
共重合体(A1)において、不飽和化合物(a2−1)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−エチルアクリル酸、α−n−プロピルアクリル酸、α−n−ブチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸の如き不飽和カルボン酸;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物の如き不飽和多価カルボン酸無水物
等を挙げることができる。
これらの不飽和化合物(a2−1)のうち、不飽和カルボン酸としては、特に、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、不飽和多価カルボン酸無水物としては、特に、無水マレイン酸が好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(a2−1)は、共重合反応性が高く、また得られる膜の耐熱性や表面硬度を高めるのに有効である。
前記不飽和化合物(a2−1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
また、不飽和化合物(a2−2)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルの如き(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルの如き(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−8−イル(以下、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−8−イルを「ジシクロペンタニル」という。)、(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニルの如き(メタ)アクリル酸脂環式エステル;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルの如き(メタ)アクリル酸アリールエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルの如き不飽和ジカルボン酸ジエステル;
N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジル)マレイミドの如き不飽和ジカルボニルイミド誘導体;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンの如きシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドの如き不飽和アミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレンの如き芳香族ビニル化合物;
インデン、1−メチルインデンの如きインデン誘導体;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンの如き共役ジエン系化合物のほか、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル
等を挙げることができる。
【0023】
これらの不飽和化合物(a2−2)のうち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエン等が好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(a2−2)は、共重合反応性が高く、また得られる膜の耐熱性(但し、1,3−ブタジエンの場合を除く。)や表面硬度(但し、1,3−ブタジエンの場合を除く。)を高めるのに有効である。
前記不飽和化合物(a2−2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
共重合体(A1)の好ましい具体例としては、
アクリル酸グリシジル/アクリル酸/アクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/アクリル酸シクロヘキシル/p−メトキシスチレン共重合体、
アクリル酸グリシジル/アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/アクリル酸/無水マレイン酸/スチレン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸t−ブチル共重合体
等を挙げることができる。
【0025】
これらの共重合体(A1)のうち、さらに好ましくは、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体
等である。
【0026】
共重合体(A1)において、不飽和化合物(a1)に由来する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和多価カルボン酸無水物に由来する繰り返し単位の合計含有率は、全繰り返し単位に対して、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。他の重合性不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。
【0027】
不飽和化合物(a1)に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、保護膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。また、重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和多価カルボン酸無水物に由来する繰り返し単位の合計含有率が5重量%未満では、膜の耐熱性、表面硬度や耐薬品性が低下する傾向があり、一方40重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。また、他の重合性不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、組成物の保存安定性が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向がある。
【0028】
共重合体(A2)において、不飽和化合物(a2−3)としては、例えば、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を有するノルボルネン系化合物(以下、「特定ノルボルネン系化合物」という。);アセタール構造および/またはケタール構造を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(以下、「特定(メタ)アクリル酸エステル化合物」という。)や、(メタ)アクリル酸t−ブチル等を挙げることができる。
【0029】
特定ノルボルネン系化合物の具体例としては、
2,3−ジ(1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−t−ブトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−ベンジルオキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−メチル−1−i−ブトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ〔(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシカルボニル〕−5−ノルボルネン、
2,3−ジ〔(ベンジル)(エトキシ)メトキシカルボニル〕−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(t−ブトキシカルボニル)−5−ノルボルネン
等を挙げることができる。
【0030】
特定(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−n−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸1−n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−i−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−(シクロペンチルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸1−(1,1−ジメチルエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル等を挙げることができる。
【0031】
これらの不飽和化合物(a2−3)のうち、特定(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸t−ブチルが好ましく、特に、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−i−ブトキシエチル、メタクリル酸1−(シクロペンチルオキシ)エチル、メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル、メタクリル酸1−(1,1−ジメチルエトキシ)エチル、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル、メタクリル酸t−ブチル等がとりわけ好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(a2−3)は、共重合反応性が高く、また保存安定性および膜の平坦化能に優れた1液型硬化性組成物をもたらすとともに、得られる膜の耐熱性や表面硬度を高めるのに有効である。
前記不飽和化合物(a2−3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
また、不飽和化合物(a2−4)としては、例えば、前記不飽和化合物(a2−1)および不飽和化合物(a2−2)について例示した化合物と同様のものを挙げることができる。
これらの不飽和化合物(a2−4)のうち、メタクリル酸メチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエン等が好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(a2−4)は、共重合反応性が高く、また得られる膜の耐熱性(但し、1,3−ブタジエンの場合を除く。)や表面硬度(但し、1,3−ブタジエンの場合を除く。)を高めるのに有効である。
前記不飽和化合物(a2−4)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0033】
共重合体(A2)の好ましい具体例としては、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/アクリル酸シクロヘキシル/p−メトキシスチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/アクリル酸シクロヘキシル/p−メトキシスチレン共重合体、
アクリル酸グリシジル/メタクリル酸t−ブチル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸t−ブチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸t−ブチル/無水マレイン酸共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸t−ブチル/無水マレイン酸共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸t−ブチル/無水マレイン酸/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体
等を挙げることができる。
【0034】
これらの共重合体(A2)のうち、さらに好ましくは、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸t−ブチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体
等である。
【0035】
共重合体(A2)において、不飽和化合物(a1)に由来する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。不飽和化合物(a1)に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
また、不飽和化合物(a2−3)に由来する繰り返し単位の含有率は、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。不飽和化合物(a2−3)に由来する繰り返し単位の含有率をこの範囲内とすることにより、保護膜の良好な耐熱性および表面硬度を実現することができる。
【0036】
また、不飽和化合物(a2−4)に由来する繰り返し単位の含有率は、不飽和化合物(a1)および不飽和化合物(a2−3)に由来する繰り返し単位の合計含有率を100重量%から減じた量となるが、不飽和化合物(a2−4)として不飽和カルボン酸類や不飽和多価カルボン酸無水物類を用いる場合は、これらに由来する繰り返し単位の合計含有率が40重量%を超えると、組成物の保存安定性が損なわれるおそれがあるため、この値を超えないことが好ましい。
【0037】
次に、共重合体(A3)において、不飽和化合物(a2−5)としては、例えば、前記不飽和化合物(a2−2)について例示した化合物と同様のものを挙げることができる。
これらの不飽和化合物(a2−5)のうち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエン等が好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(a2−5)は、共重合反応性が高く、また得られる保護膜の耐熱性(但し、1,3−ブタジエンの場合を除く。)や表面硬度(但し、1,3−ブタジエンの場合を除く。)を高めるのに有効である。
前記不飽和化合物(a2−5)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0038】
共重合体(A3)の好ましい具体例としては、
アクリル酸グリシジル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/スチレン共重合体、
アクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体
等を挙げることができる。
【0039】
これらの共重合体(A3)のうち、さらに好ましくは、メタクリル酸グリシジル/スチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体等である。
共重合体(A3)において、不飽和化合物(a1)に由来する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、好ましくは1〜90重量%、特に好ましくは40〜90重量%である。
不飽和化合物(a1)に由来する繰り返し単位の含有率が1重量%未満では、保護膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向があり、一方90重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
共重合体(A1)、共重合体(A2)および共重合体(A3)は、各不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下ラジカル重合することによって合成することができる。
【0040】
本発明で用いられる共重合体[A]は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)が、通常、2×10〜5×10、好ましくは5×10〜1×10であることが望ましい。Mwが2×10未満であると、得られる膜は、耐熱性、表面硬度が不十分となる場合がある。一方5×10を超えると、膜表面の平坦性が不十分となる場合がある。
本発明で用いられる共重合体[A]は上記化合物(a1)および化合物(a2)を含有する単量体を、好ましくは溶媒中で重合開始剤の存在下にラジカル重合することにより合成することができる。
共重合体[A]の製造に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
【0041】
これらの具体例としては、例えばアルコール類としてメタノール、エタノールなど;
エーテル類としてテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテル類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類としてメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなど;
ジエチレングリコール類としてジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテル類としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類としてプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素類としてトルエン、キシレンなど;
ケトン類としてメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
エステル類として酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類をそれぞれ挙げることができる。
【0042】
これらのうち、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましく、特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートが好ましい。
【0043】
共重合体[A]の製造に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0044】
共重合体[A]の製造においては、分子量を調整するために分子量調整剤を使用することができる。その具体例としては、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
【0045】
放射線吸収剤[B]
本発明で使用される放射線吸収剤は、下記式(1)
【0046】
【化2】

【0047】
ここで、R〜Rは、同一もしくは異なり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である、
で表される。
式(1)中、炭素数1〜8のアルキル基および炭素数1〜8のアルコキシル基(炭素数1〜4のアルコキシル基を含む)は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。また、置換基としての炭素数1〜4のアルコキシル基は炭素数1〜8のアルキル基の末端あるいは側鎖に置換することができる。
【0048】
本発明で使用される[B]放射線吸収剤としては、例えば、
2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3−メチル−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、5−メチル−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、6−メチル−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、5,5’−ジメチル−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、6,6’−ジメチル−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3−メトキシ−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメトキシ−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3−エトキシ−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、6−エトキシ−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、5,5’−ジエトキシ−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、6,6’−ジエトキシ−2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上一緒に用いることができる。
放射線吸収剤[B]は、共重合体[A]100重量部に対し、好ましくは2〜200重量部、さらに好ましくは5〜100重量部、最も好ましくは10〜150重量部で用いることができる。
【0049】
<その他の成分>
本発明の硬化性組成物には、上述した共重合体[A]および[B]成分を必須成分とするものであるが、必要に応じて、その他の成分を含有することができる。このようなその他の成分としては、例えば硬化剤[C]、カチオン重合性化合物[D]、接着助剤[E]、界面活性剤[F]、酸化防止剤、老化防止剤等を挙げることができる。
〔硬化剤〕
硬化剤[C]としては、多価カルボン酸類および多価カルボン酸無水物が好ましく用いられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸類、脂環族多価カルボン酸類、芳香族多価カルボン酸類を挙げることができる。
【0050】
これらの具体例としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸類としてコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等;
脂環族多価カルボン酸類としてヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等;
芳香族多価カルボン酸類としてフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等をそれぞれ挙げることができる。これらの中では、形成される膜の耐熱性等の観点から、芳香族多価カルボン酸が好適であり、特にトリメリット酸は耐熱性の高い膜が得られる点で好ましい。
【0051】
上記多価カルボン酸無水物としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸無水物、脂環族多価カルボン酸二無水物、芳香族多価カルボン酸無水物およびエステル基含有酸無水物、ならびに不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を挙げることができる。
これらの具体例としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸無水物として無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸等;
脂環族多価カルボン酸二無水物として1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等;
芳香族多価カルボン酸無水物として無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等;
エステル基含有酸無水物としてエチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテート等をそれぞれ挙げることができる。
【0052】
これらのうち、芳香族多価カルボン酸無水物が好ましく、特に無水トリメリット酸は耐熱性の高い膜が得られる点で好ましい。
上記不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を合成するために用いられる不飽和多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸、シス1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物等の群からなる不飽和多価カルボン酸無水物の少なくとも1種類以上が挙げられる。
また、不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を合成するために用いられるオレフィン系不飽和化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、フェニルマレイミド、シクロヘキシル等の群からなるオレフィン系不飽和化合物の少なくとも1種類以上が挙げられる。
【0053】
不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体中に含有される不飽和多価カルボン酸無水物から誘導される構成単位の量は、好ましくは1〜80重量%、さらに好ましくは10〜60重量%である。
また、不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体中のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは500〜10,000である。
不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物は、上記した共重合体[A]と同様の方法により合成することができる。
【0054】
[C]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは3〜30重量部、より好ましくは3〜15重量部である。[C]成分の割合が3重量部未満である場合には、得られる膜の各種耐性が不十分となる場合がある。一方、[C]成分の割合が30重量部を超える場合には、得られる膜の基板に対する密着性が不十分となる場合がある。
【0055】
カチオン重合性化合物〔D〕
カチオン重合性化合物〔D〕は、分子内に2個以上のオキシラニル基またはオキセタニル基を有する化合物(ただし前述の共重合体〔A〕を除く。)である。上記分子内に2個以上のオキシラニル基またはオキセタニル基を有する化合物としては、例えば、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する化合物が挙げられる。
【0056】
上記分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等を挙げることができる。
【0057】
上記分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(ジャパンエポキシレジン(株)製)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、184(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ERL−4234、4299、4221、4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ(株)製)、エピコート871、同872(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとしてエポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
【0058】
上記分子内に2個以上の3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0059】
耐熱性やドライエッチング耐性を向上させるために、このようなカチオン重合性化合物〔D〕のうち、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびポリフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
カチオン重合性化合物〔D〕の使用量は、重合体〔A〕100重量部あたり、好ましくは3〜200重量部、さらに好ましくは5〜100重量部、特に10〜50重量部である。カチオン重合性化合物〔D〕の使用量が200重量部より多いと、組成物の塗布性に問題が生ずる場合があり、一方、3重量部未満であると、得られる膜の硬度が不足する場合がある。
【0060】
〔接着助剤〕
上記接着助剤[E]は、形成される膜と基板との密着性を向上させるために添加することができる。
このような接着助剤としては、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
接着助剤の使用割合は、好ましくは、成分[A]100重量部に対して30重量部以下、より好ましくは0.1〜25重量部、特に好ましくは1〜20重量部である。接着助剤の使用割合が100重量部を超えると、得られる膜の耐熱性が不充分となることがある。
【0061】
〔界面活性剤〕
上記界面活性剤[F]は、組成物の塗布性を向上するために添加することができる。
このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類などが挙げられる。
【0062】
これらの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレンアリールエーテル類としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられ、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類としては、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等が挙げられる。
【0063】
このような界面活性剤の市販品としては、フッ素系界面活性剤として、BM CHIMIE社製 商品名:BM−1000、BM−1100、大日本インキ化学工業(株)社製 商品名:メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、住友スリーエム(株)社製 商品名:フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、旭硝子(株)社製 商品名:サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106等、(株)ネオス社製 商品名:DFX−16、DFX−18、DFX−20等;
シリコーン系界面活性剤として、東レシリコーン(株)社製 商品名:SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190、信越化学工業(株)社製 商品名:KP341、新秋田化成(株)社製 商品名:エフトップEF301、同EF303、同EF352等;
ノニオン系界面活性剤としては、共栄社化学(株)社製 商品名:(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.90、同No.95等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0064】
界面活性剤の使用割合は、その種類や硬化性組成物を構成する各成分の種類や割合等によっても異なるが、好ましくは、共重合体[A]100重量部に対して5重量部以下、より好ましくは0.0001〜2重量部、さらに好ましくは0.001〜0.5重量部以下の範囲で使用される。
【0065】
熱硬化性組成物の調製
本発明の熱硬化性組成物は、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば共重合体[A]および成分[B]、ならびに必要に応じて添加されるその他の成分を、所定の割合で混合することにより、溶液状態の熱硬化性組成物を調製することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、各成分を、好ましくは適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。使用される溶媒としては、組成物の各成分を溶解または分散し、各成分と反応しないものが用いられる。
このような溶媒としては、前述の共重合体[A]を製造する際に使用される溶媒として例示したものと同様のものを使用することができる。溶媒の使用量としては、本発明の熱硬化性組成物中の全固形分(共重合体[A]および成分[B]、ならびに必要に応じて添加されるその他の成分の合計量)の含有量が、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部となるような範囲である。
【0066】
また、前記の溶媒とともに高沸点溶媒を併用することができる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
【0067】
高沸点溶媒を併用する際の使用量としては、全溶媒量に対して好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。
上記のようにして調製された熱硬化性組成物の溶液は、孔径0.2〜3.0μm、好ましくは孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
【0068】
固体撮像素子のハレーション防止膜の形成方法
次に、本発明の熱硬化性組成物を用いて本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜を形成する方法について説明する。
本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜の形成方法は少なくとも以下の工程を含むものである。
[1]基板上に上位の熱硬化性組成物の塗膜を形成する工程
[2]該塗膜を加熱処理する工程
【0069】
以下、順に説明する。
[1]基板上に上位の熱硬化性組成物の塗膜を形成する工程
本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜を形成方法においては、まず基板上に本発明の熱硬化性組成物の塗膜を形成する工程に付される。基板上への塗膜の形成は、基板上に本発明の熱硬化性組成物を塗布することにより行われる。
本発明において、基板として使用できるものとしては、例えばガラス、石英、シリコン、樹脂等の基板を挙げることができる。樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ならびに環状オレフィンの開環重合体およびその水素添加物の如き樹脂を挙げることができる。
塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法などの適宜の方法を採用することができる。
【0070】
その後、溶媒を除去することにより基板上に塗膜を形成することができる。本発明においては溶媒除去工程を特に独立して設ける必要はなく、プロセス中に溶媒が自然に散逸するような態様でもよく、また、溶媒除去工程を次の「[2]塗膜を加熱処理する工程」と一体として行ってもよい。なお、別途の溶媒除去工程を採用することを妨げることではない。溶媒除去工程を別途に実施するときは、室温〜150℃程度の温度で適宜の時間保持することにより実施することができる。
ここで塗膜の厚さとしては、好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μmである。なお、この値は溶媒除去後の膜厚として理解されるべきである。
【0071】
[2]塗膜を加熱処理する工程
上記のようにして基板上に形成された塗膜は、次いで加熱処理工程を実施することにより、本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜とすることができる。
加熱温度は、好ましくは150〜220℃である。加熱時間は使用する加熱機器の種類等により適宜に設定することができるが、加熱機器として例えばホットプレートを使用する際には3〜15分間程度、クリーンオーブンを使用する場合には15〜30分間程度とすることができる。
この加熱処理工程は一段階で行ってもよく、また、2段階以上の工程の組み合わせで行うこともできる。
【0072】
固体撮像素子のハレーション防止膜
上記のようにして形成された本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜は、当該ハレーション防止膜の上にカラーフィルターやマイクロレンズを形成する際の露光工程において、下地基板からの乱反射光を効果的に抑制でき、かつ高度の耐熱性を有する。そのため本発明の固体撮像素子のハレーション防止膜上に形成されたカラーフィルターやマイクロレンズは所望の形状、サイズのものとすることができる。
なお、固体撮像素子のハレーション防止膜の厚さは、好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μmである。
この値が0.1μm未満のときは下地基板からの乱反射光を抑制する効果が不十分となる場合があり、一方、5μmを超えて厚くする必要はない。
【0073】
固体撮像素子
本発明の固体撮像素子は、上記のハレーション防止膜を有する。
該ハレーション防止膜上に形成されたカラーフィルターやマイクロレンズは所望の形状、サイズのものであるため、本発明の固体撮像素子は信頼性に優れる。
【実施例】
【0074】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0075】
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン(ST)18重量部、メタクリル酸グリシジル(GMA)76重量部およびシクロヘキシルマレイミド(CHMI)6重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.8%であり、共重合体[A−1]のポリスチレン換算重量平均分子量は8,600であった。
【0076】
合成例2
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続き、スチレン35重量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(DCM)15重量部、メタクリル酸(MA)10重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は32.9%であり、共重合体[A−2]のポリスチレン換算重量平均分子量は20,000であった。
【0077】
合成例3
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル30重量部、メタクリル酸10重量部、メタクリル酸メチルグリシジル(M−GMA)40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、共重合体[A−3]のポリスチレン換算重量平均分子量は10,000であった。
【0078】
合成例4
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル30重量部、メタクリル酸10重量部、メタクリル酸、3−エチルオキセタンメタクリレート(O−MA)40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−4]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、共重合体[A−4]のポリスチレン換算重量平均分子量は10,000であった。
【0079】
合成例5
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、シクロヘキシルマレイミド20重量部、テトラヒドロピラニルメタクリレート(M−THP)20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−5]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、共重合体[A−5]のポリスチレン換算重量平均分子量は10,000であった。
【0080】
合成例6
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、シクロヘキシルマレイミド20重量部、t−ブトキシメタクリレート(t−BuOM)20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−6]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、共重合体[A−6]のポリスチレン換算重量平均分子量は8,700であった。
合成例7
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル30重量部、2−エチルシクロペンチルメタクリレート(ECPMA)10重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[A−7]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、共重合体[A−7]のポリスチレン換算重量平均分子量は10,000であった。
【0081】
比較合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、シクロヘキシルマレイミド20重量部、メタクリル酸メチル(MMA)60重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を3時間保持し、共重合体[a−1]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は32.8%であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は10,000であった。
【0082】
実施例1
上記合成例1で合成した共重合体[A−1]を含む重合体溶液の共重合体[A−1]100重量部(固形分)に相当する量に対し、[B]成分として2,4,2’,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン 10重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルエトキシシラン5重量部および、界面活性剤としてSH28PA(シリコン系界面活性剤、トーレシリコーン(株)製)0.075重量部添加し、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート[S−1]を添加し、固形分濃度が20%となるように調整した。
【0083】
ハレーション防止膜の形成
ガラス基板上に、上記で調製した硬化性組成物を、スピンコータを用いて塗布し、ホットプレートにより180℃、3分間の加熱処理し、膜厚1.62μmのハレーション防止膜を形成した。
【0084】
ハレーション防止膜の評価
(1)光線透過率
上記のようにして形成したハレーション防止膜を有する基板について、分光光度計150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製)を用いて365nmおよび400nmの透過率を測定した。次いで、ホットプレートにて185℃、20分間の追加加熱を行った後、同様に365nmおよび400nmの透過率を測定した。これらの値を表1に示した。365nmの透過率が70%以下のとき、ハレーション防止性能、すなわちカラーフィルターやマイクロレンズを形成する際の露光工程における下地基板からの乱反射光を抑制する効果が優れているといえる。また、400nmの透過率が95%以上のとき、可視光線の透過率が良好であるといえる。
実施例1で形成したハレーション防止膜についてみると、追加加熱前および追加加熱後の双方において、ハレーション防止性能および可視光線透過率に優れていることが分かる。
【0085】
(2)耐湿熱性
上記のようにして形成したハレーション防止膜を有する基板について、恒温恒湿槽にて85℃−85%RHで7日間処理した前後の膜厚の変化を測定した。下記式にしたがって算出した耐湿熱性を表1に示した。
耐湿熱性=(処理後の膜厚−処理前の膜厚)/(処理前の膜厚)×100(%)
【0086】
(3)マイクロレンズ材料のパターニング
上記のようにして形成したハレーション防止膜を有する基板上に、スピンナーを用いて、マイクロレンズ材料(ジェイエスアール(株)製、商品名「MFR−380」)を塗布した後、100℃にて90秒間ホットプレート上でプレベークして膜厚2.5μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に4.0μmドット・2.0μmスペ−スパタ−ンを有するパターンマスクを介してニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)で2,200J/mの露光量にて露光を行い、1重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて23℃、1分間揺動浸漬法にて現像した。次いで23℃にて超純水で30秒間流水リンスし、乾燥して基板上のハレーション防止膜上にパターンを形成した。
【0087】
ここで形成されたマイクロレンズパターンを走査型電子顕微鏡((株)日立計測器サービス製、形式「S−4200」)を使用して観察した。パターンの形状を表1に示した。このとき、ハレーション防止膜のハレーション防止性能(下地基板からの乱反射光を抑制する性能)が十分であれば、図1(a)のようにパターン側面が平面上に形成される。しかし、ハレーション防止性能が不十分であれば、露光時にハレーションによる定在波が影響し、パターン側面は図1(b)のように波状に形成される。
また、上記のようにして形成したハレーション防止膜を有する基板を、さらにホットプレートにて185℃、20分間の追加加熱を行った後、当該追加加熱処理したハレーション防止膜上に、上記と同様にしてマイクロレンズパターンを形成した。同様に電子顕微鏡によるパターン形状の観察結果を表1に示した。
【0088】
(4)表面硬度の測定
上記のようにして形成したハレーション防止膜を有する基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により保護膜の表面硬度を測定した。この値を表1に示す。この値がHB以上が必要であり。さらに好ましくはH以上である。
【0089】
(5)ドライエッチング耐性
上記のようにして形成したハレーション防止膜をガスエッチングし、表面を SEMにて観察した。ガスエッチングの条件は以下の通り。アルゴンガス1.5sccm、真空度8×10−4torr、マイクロ電力60W、イオン電流80mm/cm、加速電圧500V、試料温度25℃。1,000倍率で表面荒れが観測されたものを×、観測されなかったものを△、5,000倍率まで表面荒れが観測できなかったものを○、50,000倍率でも表面荒れが観測できなかったものを◎とした。
【0090】
実施例2〜35および比較例1、2
表1に記載した各成分を用いて、実施例1と同様にして組成物を調製し、且つ評価を行った。
評価結果は表1に示した。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】マイクロレンズパターンの形状を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
〔A〕(a1)オキシラニル基またはオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物と(a2)(a1)以外の重合性不飽和化合物の共重合体、および
〔B〕下記式(1)で表される放射線吸収剤
を含有することを特徴とする熱硬化性組成物。
【化1】

〔式(1)中のR〜Rは、同一または異なり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示す。〕
【請求項2】
重合性不飽和化合物(a2)が重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和多価カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項3】
重合性不飽和化合物(a2)が、アセタール構造、ケタール構造および3級炭素アルコキシカルボニル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を含有する重合性不飽和化合物である請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項4】
重合性不飽和化合物(a2)がカルボキシル基、無水カルボン酸基、アセタール構造、ケタール構造および3級炭素アルコキシカルボニル構造のいずれも持たない重合性不飽和化合物である請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項5】
さらに〔C〕硬化剤を含有する、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の〔B〕放射線吸収剤が下記式(2)で表される請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【化2】

【請求項7】
固体撮像素子のハレーション防止膜の形成用である請求項1または2に記載の熱硬化性組成物。
【請求項8】
少なくとも以下の工程[1]および[2]を含むことを特徴とする、固体撮像素子のハレーション防止膜の形成方法。
[1]基板上に請求項1に記載の組成物の塗膜を形成する工程、および
[2]該塗膜を加熱処理する工程、
【請求項9】
請求項8に記載の方法により形成された固体撮像素子のハレーション防止膜。
【請求項10】
請求項9に記載のハレーション防止膜を有する固体撮像素子。

【図1】
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【公開番号】特開2007−99943(P2007−99943A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292702(P2005−292702)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】