熱線センサ付自動スイッチ
【課題】調光モードでの照明負荷の明るさをユーザの要望に応じて適宜調整する。
【解決手段】制御回路7は、周囲の照度が基準照度以下であるときに熱線センサ4が人体を検知すると照明負荷Lを全点灯させる通常モード、及び周囲の照度が基準以下であるときに熱線センサ4が人体を検知すると照明負荷Lを調光点灯させる調光モードを有し、照明負荷Lを点灯制御する。この制御回路7は、ユーザの調光時間設定部62への操作によって、調光モードを選択するとともに調光モードの選択時間を設定し、さらにユーザの調光レベル設定部63への操作によって、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを設定する。
【解決手段】制御回路7は、周囲の照度が基準照度以下であるときに熱線センサ4が人体を検知すると照明負荷Lを全点灯させる通常モード、及び周囲の照度が基準以下であるときに熱線センサ4が人体を検知すると照明負荷Lを調光点灯させる調光モードを有し、照明負荷Lを点灯制御する。この制御回路7は、ユーザの調光時間設定部62への操作によって、調光モードを選択するとともに調光モードの選択時間を設定し、さらにユーザの調光レベル設定部63への操作によって、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光制御する熱線センサ付自動スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明負荷を調光制御する従来の熱線センサ付自動スイッチとして、人体からの熱線を検知する熱線センサと、周囲の照度を検知する明るさセンサとを備え、図12(a)に示すように、明るさセンサが検知した照度が基準照度以下であって熱線センサが人体からの熱線を検知すると、照明負荷を動作保持時間Tが経過するまで全点灯させるもの(第1従来例の熱線センサ付自動スイッチ)がある。明るさセンサの基準照度及び照明負荷を全点灯させる動作保持時間Tは、図12(b)のような設定部で予め設定される。
【0003】
また、従来の熱線センサ付自動スイッチの他の例として、特許文献1には、人の存在を検出していないときの照明負荷の調光レベルを設定するためのつまみを備える熱線感知式自動スイッチ(第2従来例の熱線センサ付自動スイッチ)が開示されている。
【0004】
ところが、上記第1,2従来例の熱線センサ付自動スイッチには、熱線センサが熱線を検知すると照明負荷を全点灯させることから、例えば深夜などであっても照明負荷の明るさを調整することができず、必要以上の明るさとなってしまうという問題があった(図12(a)参照)。
【0005】
上記問題を解決する従来の熱線センサ付自動スイッチとして、特許文献2には、図13(a)に示すように熱線センサが人体からの熱線を検知すると照明負荷を全点灯ではなく、全点灯の20%で調光点灯させる深夜モード(調光モード)を有するもの(第3従来例の熱線センサ付自動スイッチ)が開示されている。深夜モードの設定は、図13(b)に示すような設定部で予め設定される。
【特許文献1】特開2000−286068号公報(段落0010及び図5)
【特許文献2】特開2005−183319号公報(段落0051及び図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第3従来例の熱線センサ付自動スイッチには、調光モードでの照明負荷の調光レベルが初期段階で既に固定されていることから、ユーザが明るすぎると感じたり、逆に暗すぎると感じたりしても、ユーザの要望に応じて調光レベルを調整することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的は、調光モードでの照明負荷の明るさをユーザの要望に応じて適宜調整することができる熱線センサ付自動スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、調光点灯可能な照明負荷及び電源と接続する熱線センサ付自動スイッチであって、人体からの熱線を検知する熱線センサと、前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を全点灯させる通常モード、及び前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させる調光モードを有する制御手段と、前記調光モードを選択するための調光モード選択手段と、前記調光モードでの前記照明負荷の調光レベルを設定するための調光レベル設定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、器体と、前記器体の前面の両側部のうち一方に枢支され他方で回動自在となる操作ハンドルと、前記器体の前面に露出する操作子を有し当該器体に収納される操作スイッチとを備え、前記制御手段が、前記調光モードのときに前記操作ハンドルで前記操作子が押されると、前記照明負荷を全点灯させ、前記照明負荷を全点灯させているときは前記調光モードに復帰させることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、人体からの熱線を検知する機能を有する子器と接続するための接続端子を備え、前記制御手段が、前記調光モードのときに前記子器が人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項の発明において、前記電源及び前記照明負荷の直列回路に挿入される半導体スイッチと、前記半導体スイッチと並列状態で前記直列回路に挿入される接点式リレーとを備え、前記制御手段が、前記調光モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御することによって前記照明負荷を調光点灯させる一方、前記通常モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記照明負荷の点灯開始時及び点灯終了時に前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御して前記照明負荷を調光点灯させる期間を設け、前記点灯開始時の期間経過後、前記接点式リレーをオンにし前記半導体スイッチをオフにすることによって前記照明負荷を全点灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、調光モードでの照明負荷の調光レベルをユーザが設定することができるので、調光モードでの照明負荷の明るさをユーザの要望に応じて適宜調整することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、ユーザによる操作ハンドルへの押操作によって、調光モードの設定を保持したままで照明負荷の点灯状態の一時的な切替を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、例えば廊下などで用いられる場合に子器を接続することによって、複数個所における人体検知に基づいて照明負荷を点灯制御することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、通常モードのときに照明負荷を全点灯させる場合に半導体スイッチではなく接点式リレーを用いることによって、照明負荷が高容量負荷であっても半導体スイッチの温度上昇を防止することができる。一方、照明負荷に対して、点灯開始時及び点灯終了時に接点式リレーをオフにし半導体スイッチを位相制御することによって、例えば連続的に調光レベルを高くして点灯させるソフト点灯や、点灯終了を知らせるために段階的に調光レベルを下げて点灯させるお知らせ消灯などを行うことができ、高級感を演出することができる。また、調光モードのときにおいても、接点式リレーをオフにし半導体スイッチを位相制御することによって、調光レベルを任意に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
まず、実施形態1の熱線センサ付自動スイッチの回路的構成について図1〜4を用いて説明する。この熱線センサ付自動スイッチAは、図1に示すように、調光点灯可能な照明負荷L、例えば商用電源などの交流電源AC及び子器Mと接続するものであり、それぞれが交流電源AC、照明負荷L及び子器Mと接続する複数の端子10,11,12を有する端子群1と、交流電源ACからの交流電力を用いて自己及び子器Mの駆動電源を生成する電源部2と、交流電源AC及び照明負荷Lの直列回路に挿入されるトライアック(半導体スイッチ)3と、人体からの熱線を検知する熱線センサ4と、周囲の照度を検知する明るさセンサ5と、ユーザの操作によって後述の内容が設定される設定部6と、照明負荷Lを点灯制御する制御回路7とを備えている。
【0017】
子器Mは、人体からの熱線を検知する熱線センサ(図示せず)と、周囲の明るさを検知する明るさセンサ(図示せず)とを備え、自己の熱線センサ及び明るさセンサの検知内容を含む検知信号を熱線センサ付自動スイッチAに出力する。
【0018】
電源部2は、交流電源ACからの交流電力を電源回路20で直流電力に変換し、この直流力を18〜24V電源回路21で変圧する。変圧された直流電力は子器M及び後述のトライアック制御回路30に供給される。また、制御回路7の電力は制御部電源回路22で生成される。
【0019】
トライアック3は、トライアック制御回路30を通じて制御回路7による位相制御によって、両端間が電気的にオンする時間を変動する。これにより、交流電源ACから照明負荷Lへの電力供給時間が変動するので、照明負荷Lは全点灯したり調光点灯したりすることができる。
【0020】
熱線センサ4は例えば焦電素子などのセンサ素子を備え、人体の熱線の変化を検知信号(電気信号)に変換して制御回路7に出力する。一方、明るさセンサ5は例えばCdSやフォトICなどであり、検知信号を制御回路7に出力する。
【0021】
設定部6は、明るさセンサ5の明るさ検知レベル(基準照度)を設定するための明るさセンサ設定部60と、照明負荷Lの動作保持時間(点灯時間)を設定するための動作保持時間設定部61と、後述の調光モードを選択するとともに調光モードの選択時間を設定するための調光時間設定部(調光モード選択手段)62と、調光モードでの照明負荷Lの調光レベルを設定するための調光レベル設定部63と、照明負荷Lの点灯と消灯を手動で切り替えるためのスライド式の手動スイッチ64とを備えている。
【0022】
明るさセンサ設定部60は、図4(b)に示すように、カバー82の前面820に露出する操作部600へのユーザの操作によって明るさセンサ5の基準照度を「暗め」(例えば5Lx以下)から「明るめ」(例えば100Lx以上)までの範囲で設定可能とするものである。また、「切」に設定すると明るさセンサ5の機能を停止させる。操作部600への操作によって、周囲が明るいときに照明負荷Lを点灯させることを防止することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
【0023】
動作保持時間設定部61は、カバー82の前面820に露出する操作部610へのユーザの操作によって照明負荷Lの動作保持時間を設定するものである。動作保持時間は10秒から30分までの範囲で設定可能である。これにより、照明負荷Lの動作保持時間の最適化を図ることができる。
【0024】
調光時間設定部62は、カバー82の前面820に露出する操作部620へのユーザの操作によって調光モードを最大8時間設定可能である。また、「連続入」に設定すると常に調光モードを選択するようになる。
【0025】
調光レベル設定部63は、カバー82の前面820に露出する操作部630へのユーザの操作によって、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを、全点灯(100%点灯)に対して0.2%点灯から50%点灯までの範囲で設定可能とするものである。
【0026】
手動スイッチ64は、スライド釦640によって「切」、「自動」、「連続入」の各状態に切り替えるものである。ユーザがスライド釦640を「切」に合わせると、照明負荷Lを強制的に消灯させ、スライド釦640を他に合わせない限り、消灯状態を継続させる。スライド釦640を「自動」に合わせると、熱線センサ4及び明るさセンサ5の検知に基づいて照明負荷Lを点灯させたり、消灯させたりすることができる。一方、スライド釦640を「連続入」に合わせると、スライド釦640を他に合わせない限り、照明負荷Lを強制的に連続点灯させる。これにより、照明負荷Lを手動で強制点灯させたり強制消灯させたりすることができる。
【0027】
図1に示す制御回路7はマイクロコンピュータなどを備え、熱線センサ4が人体からの熱線を検知すると照明負荷Lを全点灯させる通常モード、及び熱線センサ4が人体からの熱線を検知すると照明負荷Lを調光点灯させる調光モードを有する。ただし、明るさセンサ5が基準照度より高い照度を検知した場合、制御回路7は、熱線センサ4が人体からの熱線を検知しても、照明負荷Lを点灯させない。
【0028】
制御回路7は、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、熱線センサ4及び明るさセンサ5から検知信号を取得し、取得した検知信号をA/D変換する。そして、制御回路7は、ゼロクロス回路70からゼロクロス信号を取得し、トライアック3を位相制御するためにトライアック制御回路30を制御して照明負荷Lを点灯させる。また、制御回路7は、調光時間設定部62で設定された調光モード選択時では、調光レベル設定部63で設定された調光レベルで照明負荷Lを調光点灯させる。
【0029】
また、制御回路7は、子器Mから検知信号を受信する子器回路71と接続し、子器Mからの検知信号に基づいて照明負荷Lの点灯と消灯を切り替える。例えば、制御回路7は、調光モードのときに子器Mが人体を検知すると照明負荷Lを調光点灯させる。
【0030】
次に、この熱線センサ付自動スイッチAの機構的構成について説明する。この熱線センサ付自動スイッチAは、図2に示すような外観であり、例えば住宅の壁面に取付可能な構造を有しており、図3に示すように、ボディ81とカバー82とから構成される器体80と、カバー82の前面820に取り付けられる化粧カバー83と、化粧カバー83に回動自在に枢着される扉84と、照明負荷L(図1参照)の点灯と消灯を制御するための部品が実装された実装部85とを備えている。
【0031】
器体80は直方体状であって、前面開口した合成樹脂製のボディ81と、後面開口した合成樹脂製のカバー82とから構成され、JISで規格化された単位モジュール寸法(1個モジュール寸法)の埋込型配線器具3個分に相当する寸法に形成された1連用モジュールである。このような形状の器体80は端子群1及び実装部85を収納する。
【0032】
ボディ81は、上面810及び下面811のそれぞれに1対ずつ設けられた組立突起812,812を備えている。
【0033】
一方、カバー82の上面821及び下面822のそれぞれには、組立孔823,・・・が1対ずつ形成されている。このカバー82は、各組立孔823にボディ81の組立突起812が係合することによって、ボディ81と互いの開口を合わせて結合する。また、カバー82の左右方向(図3のY軸方向)の各側壁には、取付枠9に固定されるための取付爪824が設けられている。
【0034】
取付枠9は、JISで規格化された単位モジュール寸法の埋込型配線器具を長手方向(図3のZ軸方向)に3個並べて取付可能なものである。この取付枠9には、配線器具を取り付けるための器具取付孔90,・・・が両側に3対ずつ形成されている。器具取付孔90にカバー82の取付爪824が係合することによって、器体80が取付枠9に固定される。また、取付枠9には、ボックス螺子910,910を挿通するための長孔91,91が形成されている。各長孔91に挿通されたボックス螺子910が、例えば壁面などの造営面に埋設された埋込ボックスのねじ部(図示せず)に螺合されることによって、取付枠9が造営材(図示せず)に固定される。
【0035】
カバー82の前面820には窓孔860,・・・が4つ形成され、各窓孔860を各操作部600,610,620,630が挿通する。また、カバー82の前面820には開口窓861が形成され、この開口窓861を手動スイッチ64のスライド釦640が挿通する。さらに、カバー82の下方には開口窓862が形成されている。
【0036】
化粧カバー83は薄肉部830を有し、この薄肉部830におけるカバー82の各窓孔860に対応する部位には、各操作部600,610,620,630を露出させるために、窓孔831,・・・が4つ形成されている。また、化粧カバー83には、カバー82の開口窓861に対向する位置に開口窓833が形成され、開口窓862に対向する位置に開口窓834が形成されている。
【0037】
扉84には、化粧カバー83の左側面に設けられた枢支部832,832に枢支される軸部840が設けられている。化粧カバー83の枢支部832,832に扉84の軸部840を軸支させることで、扉84は、各操作部600,610,620,630を覆う位置(図2(a)参照)と、各操作部600,610,620,630を露出させる位置(図2(b)参照)とを選択自在として化粧カバー83の前面に回動自在に取着される。
【0038】
図3に示す実装部85は、例えばプリント配線板などの回路基板850,851と、2枚の回路基板850,851の間に設けられた放熱板852と、熱線センサ4及び明るさセンサ5の前面側を覆うセンサカバー853とを備え、器体80に収納される。回路基板850には、熱線センサ4及び明るさセンサ5と、明るさセンサ設定部60と、動作保持時間設定部61と、調光時間設定部62と、調光レベル設定部63と、手動スイッチ64とが実装されている。
【0039】
センサカバー853には、熱線センサ4及び明るさセンサ5を露出させる検知窓854が形成されている。この検知窓854を通して、熱線センサ4は人体からの熱線を外部から検知し、明るさセンサ5は周囲の明るさを検知する。また、センサカバー853と化粧カバー83の間には1対のシャッター855,855が設けられている。各シャッター855は左右方向(図3のY軸方向)に可動自在であり、検知窓854の一部を覆う。つまり、ユーザによる各シャッター855への操作によって可動し、検知窓854の開閉具合が調整される。これにより、熱線センサ4及び明るさセンサ5の検知エリアを調整することができる。
【0040】
次に、本実施形態の動作について図4を用いて説明する。通常時では通常モードが選択されている。つまり、通常時では、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、図4(a)に示すように、制御回路7はトライアック3を位相制御して、照明負荷Lの調光レベルを全点灯になるまで徐々に上げていくソフト点灯を行う。その後、制御回路7は照明負荷Lを全点灯させる。その後、動作保持時間Tが経過する6秒前に、制御回路7は照明負荷Lの調光レベルを全点灯の50%にして調光点灯させ、ユーザに消灯間近であることを知らせる。調光点灯を開始してから6秒後に、制御回路7は照明負荷Lを消灯させる。
【0041】
ここで、ユーザは調光モード(深夜モード)を選択したい場合、図4(b)に示す調光時間設定部62の操作部620を操作して、調光モード及び調光モードの継続時間を設定する。続いて、調光レベル設定部63の操作部630を操作して、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを設定する。これらの設定が行われた後、図4(a)に示すように、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、制御回路7はトライアック3を位相制御して、照明負荷Lの調光レベルを、設定された調光レベルになるまで徐々に上げていくソフト点灯を行う。その後、制御回路7は照明負荷Lを、設定された調光レベルで調光点灯させる。その後、動作保持時間Tが経過する6秒前に、制御回路7は照明負荷Lの調光レベルを、設定された調光レベルの50%にして調光点灯させ、ユーザに消灯間近であることを知らせる。設定された調光レベルの50%とした調光点灯から6秒後に、制御回路7は照明負荷Lを消灯させる。調光モードの継続時間が経過すると、調光モードから通常モードに切り替わる。
【0042】
一方、通常モード及び調光モードに関わらず、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度より高いときに、熱線センサ4が熱線を検知しても、制御回路7は照明負荷Lを点灯させることはなく、消灯状態を継続させる。なお、これらの動作は、子器Mから検知信号を受信した場合も同様である。
【0043】
以上、実施形態1によれば、調光モードでの照明負荷Lの調光レベルをユーザが設定することができるので、調光モードでの照明負荷Lの明るさをユーザの要望に応じて適宜調整することができる。
【0044】
また、例えば廊下などで用いられる場合に子器Mを接続することによって、複数個所における人体検知に基づいて照明負荷Lを点灯制御することができる。
【0045】
(実施形態2)
実施形態2の熱線センサ付自動スイッチBは、図7に示すように、器体80aを構成するカバー82aの前面820aの左方に枢支され右方で回動自在となる操作ハンドル87を化粧カバー83(図3参照)に代えて備える点、及びカバー82aの前面820aに露出する操作子650を有し器体80aに収納される操作スイッチ65を備える点で、実施形態1と相違している。また、図5に示す制御回路7aの機能も実施形態1の制御回路7(図1参照)と相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
まず、この熱線センサ付自動スイッチBの機構的構成について図7を用いて説明する。カバー82aの前面820aには4つの窓孔860,・・・の他に、回路基板850aに実装された液晶モニタ66を挿通するための四角形の窓孔863が1つ、操作子650を挿通するための窓孔864が1つ形成されている。また、カバー82aは、操作ハンドル87を枢着するために、前面820aの左側端部から前方に突出して一体に設けられた1対の軸部865,865を備えている。
【0047】
操作ハンドル87は合成樹脂で矩形板状に形成されたものであり、左側部870の背面に設けられた軸受部(図示せず)がカバー82aの軸部865,865に回動自在に枢支されることによって、カバー82aの前面820aに回動自在に枢支される。
【0048】
また、操作ハンドル87は、カバー82aの前面820aに露出する操作子650と対向する部位に設けられた押突起871を裏面に備えている。操作ハンドル87の右側部872が押操作されると、操作ハンドル87が軸部865,865を支点にして回動し、操作ハンドル87の押突起871によって操作子650が押され、操作スイッチ65のオンオフが切り替わる。一方、押圧する力が操作ハンドル87からなくなると、操作ハンドル87が操作子650の反力などを受けて復帰位置に戻る。
【0049】
また、本実施形態では、操作ハンドル87がカバー82aの上側に取り付けられるのに対し、カバー82aの下側には化粧カバー83aが取り付けられる。化粧カバー83aには、カバー82aの開口窓861に対向する位置に開口窓833が形成され、開口窓862に対向する位置に開口窓834が形成されている。
【0050】
本実施形態の回路基板850aの前面には、明るさセンサ設定部60と、動作保持時間設定部61と、調光時間設定部62と、調光レベル設定部63と、手動スイッチ64とが実施形態1と同様に実装されているとともに、操作スイッチ65が実装されている。この操作スイッチ65の操作子650は、カバー82aの前面820aに露出し、操作ハンドル87で押駆動されるものである。
【0051】
次に、熱線センサ付自動スイッチBの回路的構成について図5を用いて説明する。本実施形態の制御回路7aは、実施形態1と同様の機能を有するとともに、調光モードのときに操作ハンドル87で操作スイッチ65の操作子650が押されると、照明負荷Lを全点灯させ、照明負荷Lを全点灯させているときは調光モードに復帰させる。
【0052】
次に、本実施形態の動作について説明する。実施形態1と同様に通常時では、通常モードが選択され、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、制御回路7は照明負荷Lを動作保持時間Tが経過するまで全点灯させる。
【0053】
ここで、ユーザは調光モード(深夜モード)を選択したい場合、実施形態1と同様に調光時間設定部62の操作部620を操作して、調光モード及び調光モードの継続時間を設定する。続いて、調光レベル設定部63の操作部630を操作して、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを設定する。これらの設定が行われた後、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、制御回路7はトライアック3を位相制御して照明負荷Lを動作保持時間Tが経過するまで、設定された調光レベルで調光点灯させる。このとき、操作ハンドル87を押すと、制御回路7aはトライアック3を位相制御して照明負荷Lの点灯状態を調光点灯から全点灯に切り替える。さらに、操作ハンドル87を押すと、制御回路7aは照明負荷Lの点灯状態を全点灯から調光点灯に戻す。つまり、調光モードに復帰させる。その後、調光モードの継続時間が経過すると、実施形態1と同様に調光モードから通常モードに切り替わる。なお、他の動作は実施形態1と同様である。
【0054】
以上、本実施形態によれば、ユーザによる操作ハンドル87への押操作によって、調光モードの設定を保持したままで照明負荷Lの点灯状態の一時的な切替を容易に行うことができる。
【0055】
なお、実施形態2において、図7に示す扉84aには、操作ハンドル87に設けられた軸部873に枢支される軸部841,841が設けられている。このように操作ハンドル87の軸部873に軸部841,841を軸支させることで、扉84aは、各操作部600,610,620,630及び液晶モニタ66を覆う位置(図6(a)参照)と、各操作部600,610,620,630及び液晶モニタ66を露出させる位置(図6(b)参照)とを選択自在として操作ハンドル87の前面に回動自在に取着される。
【0056】
(実施形態3)
実施形態3の熱線センサ付自動スイッチCは、図8に示すように、トライアック3と並列状態で、照明負荷L及び交流電源ACの直列回路に挿入される接点式リレー3aを備える点で、実施形態1と相違している。また、制御回路7bの機能も実施形態1の制御回路7(図1参照)と相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施形態の制御回路7bは、調光モードのときに熱線センサ4が人体を検知したときは、図10(a)に示すように、実施形態1と同様にトライアック3を位相制御することによって(図10(a)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、照明負荷Lをソフト点灯させ、その後、設定された調光レベルで調光点灯させる。調光点灯を終了するときも、図10(b)に示すように、消灯間近であることを知らせるために、設定された調光レベルの50%にして調光点灯させ、その後、照明負荷Lを消灯させる。このとき、接点式リレー3aはオフ状態である。
【0058】
これに対して、通常モードのときに熱線センサ4が人体を検知すると、制御回路7bは、まず、図9(a)に示すように、照明負荷Lの点灯開始時では、調光モードのときと同様に接点式リレー3aをオフにしたまま、トライアック3を位相制御し、照明負荷Lをソフト点灯(調光点灯)させる。点灯開始時の一定期間経過後つまりソフト点灯終了後、制御回路7bは、まずトライアック3を位相制御して(図9(a)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、照明負荷Lを全点灯させる。トライアック3を位相制御した後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7bは接点式リレー3aにセット信号を出力して接点式リレー3aをオンにする。その後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7bはトライアック3をオフ状態にする。上記より、制御回路7bは照明負荷Lの点灯状態を調光点灯から全点灯にさせることができる。
【0059】
一方、全点灯を終了するときは、図9(b)に示すように、制御回路7bは、トライアック3を位相制御するとともに(図9(b)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、接点式リレー3aにリセット信号を出力する(図9(b)の「ハイブリッドリレー(RSET)動作」参照)。このとき、照明負荷Lは全点灯したままである。その後(例えば100ミリ秒後)、制御回路7bはトライアック3を位相制御して照明負荷Lの点灯状態を全点灯から調光点灯にして、消灯間近であることを知らせてから照明負荷Lを消灯にする。
【0060】
以上、本実施形態によれば、通常モードのときに照明負荷Lを全点灯させる場合にトライアック3ではなく接点式リレー3aを用いることによって、照明負荷Lが高容量負荷であってもトライアック3の温度上昇を防止することができる。一方、照明負荷Lに対して、点灯開始時及び点灯終了時に接点式リレー3aをオフにしトライアック3を位相制御することによって、例えば連続的に調光レベルを高くして点灯させるソフト点灯や、点灯終了を知らせるために段階的に調光レベルを下げて点灯させるお知らせ消灯などを行うことができ、高級感を演出することができる。また、調光モードのときにおいても、接点式リレー3aをオフにしトライアック3を位相制御することによって、調光レベルを任意に調整することができる。
【0061】
なお、実施形態3の変形例として、実施形態3の接点式リレー3aを実施形態2に用いてもよい。このような構成にした場合、図11(a)に示すように、調光モードのときにユーザによって操作ハンドル87(図7参照)が押されると、制御回路7a(図5参照)は、まずトライアック3を位相制御して(図11(a)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、照明負荷Lを全点灯させる。トライアック3を位相制御した後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7aは接点式リレー3aにセット信号を出力して接点式リレー3aをオンにする。その後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7aはトライアック3をオフ状態にする。上記より、制御回路7aは照明負荷Lの点灯状態を調光点灯から全点灯にさせることができる。
【0062】
その後、ユーザによって操作ハンドル87が押されると、図11(b)に示すように、制御回路7aは、トライアック3を位相制御するとともに(図11(b)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、接点式リレー3aにリセット信号を出力する(図11(b)の「ハイブリッドリレー(RSET)動作」参照)。このとき、照明負荷Lは全点灯したままである。その後(例えば100ミリ秒後)、制御回路7aはトライアック3を位相制御して照明負荷Lの点灯状態を全点灯から調光点灯にする。
【0063】
また、実施形態1〜3の変形例として、トライアック3に代えて、例えばサイリスタなど他の半導体スイッチを備えてもよい。このような構成においても、実施形態1〜3と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態1の回路ブロック図である。
【図2】同上を示し、(a)は扉が閉まった状態の外観斜視図、(b)は扉が開いた状態の外観斜視図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】同上の動作を説明する説明図である。
【図5】実施形態2の回路ブロック図である。
【図6】同上を示し、(a)は扉が閉まった状態の外観斜視図、(b)は扉が開いた状態の外観斜視図である。
【図7】同上の分解斜視図である。
【図8】実施形態3の回路ブロック図である。
【図9】同上の動作を説明する説明図である。
【図10】同上の動作を説明する説明図である。
【図11】実施形態3の変形例の動作を説明する説明図である。
【図12】従来例の動作を説明する説明図である。
【図13】同上の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0065】
A〜C 熱線センサ付自動スイッチ
3 トライアック
3a 接点式リレー
4 熱線センサ
62 調光時間設定部
63 調光レベル設定部
65 操作スイッチ
650 操作子
7 制御回路
80 器体
87 操作ハンドル
M 子器
AC 交流電源
L 照明負荷
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光制御する熱線センサ付自動スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明負荷を調光制御する従来の熱線センサ付自動スイッチとして、人体からの熱線を検知する熱線センサと、周囲の照度を検知する明るさセンサとを備え、図12(a)に示すように、明るさセンサが検知した照度が基準照度以下であって熱線センサが人体からの熱線を検知すると、照明負荷を動作保持時間Tが経過するまで全点灯させるもの(第1従来例の熱線センサ付自動スイッチ)がある。明るさセンサの基準照度及び照明負荷を全点灯させる動作保持時間Tは、図12(b)のような設定部で予め設定される。
【0003】
また、従来の熱線センサ付自動スイッチの他の例として、特許文献1には、人の存在を検出していないときの照明負荷の調光レベルを設定するためのつまみを備える熱線感知式自動スイッチ(第2従来例の熱線センサ付自動スイッチ)が開示されている。
【0004】
ところが、上記第1,2従来例の熱線センサ付自動スイッチには、熱線センサが熱線を検知すると照明負荷を全点灯させることから、例えば深夜などであっても照明負荷の明るさを調整することができず、必要以上の明るさとなってしまうという問題があった(図12(a)参照)。
【0005】
上記問題を解決する従来の熱線センサ付自動スイッチとして、特許文献2には、図13(a)に示すように熱線センサが人体からの熱線を検知すると照明負荷を全点灯ではなく、全点灯の20%で調光点灯させる深夜モード(調光モード)を有するもの(第3従来例の熱線センサ付自動スイッチ)が開示されている。深夜モードの設定は、図13(b)に示すような設定部で予め設定される。
【特許文献1】特開2000−286068号公報(段落0010及び図5)
【特許文献2】特開2005−183319号公報(段落0051及び図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第3従来例の熱線センサ付自動スイッチには、調光モードでの照明負荷の調光レベルが初期段階で既に固定されていることから、ユーザが明るすぎると感じたり、逆に暗すぎると感じたりしても、ユーザの要望に応じて調光レベルを調整することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的は、調光モードでの照明負荷の明るさをユーザの要望に応じて適宜調整することができる熱線センサ付自動スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、調光点灯可能な照明負荷及び電源と接続する熱線センサ付自動スイッチであって、人体からの熱線を検知する熱線センサと、前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を全点灯させる通常モード、及び前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させる調光モードを有する制御手段と、前記調光モードを選択するための調光モード選択手段と、前記調光モードでの前記照明負荷の調光レベルを設定するための調光レベル設定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、器体と、前記器体の前面の両側部のうち一方に枢支され他方で回動自在となる操作ハンドルと、前記器体の前面に露出する操作子を有し当該器体に収納される操作スイッチとを備え、前記制御手段が、前記調光モードのときに前記操作ハンドルで前記操作子が押されると、前記照明負荷を全点灯させ、前記照明負荷を全点灯させているときは前記調光モードに復帰させることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、人体からの熱線を検知する機能を有する子器と接続するための接続端子を備え、前記制御手段が、前記調光モードのときに前記子器が人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項の発明において、前記電源及び前記照明負荷の直列回路に挿入される半導体スイッチと、前記半導体スイッチと並列状態で前記直列回路に挿入される接点式リレーとを備え、前記制御手段が、前記調光モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御することによって前記照明負荷を調光点灯させる一方、前記通常モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記照明負荷の点灯開始時及び点灯終了時に前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御して前記照明負荷を調光点灯させる期間を設け、前記点灯開始時の期間経過後、前記接点式リレーをオンにし前記半導体スイッチをオフにすることによって前記照明負荷を全点灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、調光モードでの照明負荷の調光レベルをユーザが設定することができるので、調光モードでの照明負荷の明るさをユーザの要望に応じて適宜調整することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、ユーザによる操作ハンドルへの押操作によって、調光モードの設定を保持したままで照明負荷の点灯状態の一時的な切替を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、例えば廊下などで用いられる場合に子器を接続することによって、複数個所における人体検知に基づいて照明負荷を点灯制御することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、通常モードのときに照明負荷を全点灯させる場合に半導体スイッチではなく接点式リレーを用いることによって、照明負荷が高容量負荷であっても半導体スイッチの温度上昇を防止することができる。一方、照明負荷に対して、点灯開始時及び点灯終了時に接点式リレーをオフにし半導体スイッチを位相制御することによって、例えば連続的に調光レベルを高くして点灯させるソフト点灯や、点灯終了を知らせるために段階的に調光レベルを下げて点灯させるお知らせ消灯などを行うことができ、高級感を演出することができる。また、調光モードのときにおいても、接点式リレーをオフにし半導体スイッチを位相制御することによって、調光レベルを任意に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
まず、実施形態1の熱線センサ付自動スイッチの回路的構成について図1〜4を用いて説明する。この熱線センサ付自動スイッチAは、図1に示すように、調光点灯可能な照明負荷L、例えば商用電源などの交流電源AC及び子器Mと接続するものであり、それぞれが交流電源AC、照明負荷L及び子器Mと接続する複数の端子10,11,12を有する端子群1と、交流電源ACからの交流電力を用いて自己及び子器Mの駆動電源を生成する電源部2と、交流電源AC及び照明負荷Lの直列回路に挿入されるトライアック(半導体スイッチ)3と、人体からの熱線を検知する熱線センサ4と、周囲の照度を検知する明るさセンサ5と、ユーザの操作によって後述の内容が設定される設定部6と、照明負荷Lを点灯制御する制御回路7とを備えている。
【0017】
子器Mは、人体からの熱線を検知する熱線センサ(図示せず)と、周囲の明るさを検知する明るさセンサ(図示せず)とを備え、自己の熱線センサ及び明るさセンサの検知内容を含む検知信号を熱線センサ付自動スイッチAに出力する。
【0018】
電源部2は、交流電源ACからの交流電力を電源回路20で直流電力に変換し、この直流力を18〜24V電源回路21で変圧する。変圧された直流電力は子器M及び後述のトライアック制御回路30に供給される。また、制御回路7の電力は制御部電源回路22で生成される。
【0019】
トライアック3は、トライアック制御回路30を通じて制御回路7による位相制御によって、両端間が電気的にオンする時間を変動する。これにより、交流電源ACから照明負荷Lへの電力供給時間が変動するので、照明負荷Lは全点灯したり調光点灯したりすることができる。
【0020】
熱線センサ4は例えば焦電素子などのセンサ素子を備え、人体の熱線の変化を検知信号(電気信号)に変換して制御回路7に出力する。一方、明るさセンサ5は例えばCdSやフォトICなどであり、検知信号を制御回路7に出力する。
【0021】
設定部6は、明るさセンサ5の明るさ検知レベル(基準照度)を設定するための明るさセンサ設定部60と、照明負荷Lの動作保持時間(点灯時間)を設定するための動作保持時間設定部61と、後述の調光モードを選択するとともに調光モードの選択時間を設定するための調光時間設定部(調光モード選択手段)62と、調光モードでの照明負荷Lの調光レベルを設定するための調光レベル設定部63と、照明負荷Lの点灯と消灯を手動で切り替えるためのスライド式の手動スイッチ64とを備えている。
【0022】
明るさセンサ設定部60は、図4(b)に示すように、カバー82の前面820に露出する操作部600へのユーザの操作によって明るさセンサ5の基準照度を「暗め」(例えば5Lx以下)から「明るめ」(例えば100Lx以上)までの範囲で設定可能とするものである。また、「切」に設定すると明るさセンサ5の機能を停止させる。操作部600への操作によって、周囲が明るいときに照明負荷Lを点灯させることを防止することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
【0023】
動作保持時間設定部61は、カバー82の前面820に露出する操作部610へのユーザの操作によって照明負荷Lの動作保持時間を設定するものである。動作保持時間は10秒から30分までの範囲で設定可能である。これにより、照明負荷Lの動作保持時間の最適化を図ることができる。
【0024】
調光時間設定部62は、カバー82の前面820に露出する操作部620へのユーザの操作によって調光モードを最大8時間設定可能である。また、「連続入」に設定すると常に調光モードを選択するようになる。
【0025】
調光レベル設定部63は、カバー82の前面820に露出する操作部630へのユーザの操作によって、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを、全点灯(100%点灯)に対して0.2%点灯から50%点灯までの範囲で設定可能とするものである。
【0026】
手動スイッチ64は、スライド釦640によって「切」、「自動」、「連続入」の各状態に切り替えるものである。ユーザがスライド釦640を「切」に合わせると、照明負荷Lを強制的に消灯させ、スライド釦640を他に合わせない限り、消灯状態を継続させる。スライド釦640を「自動」に合わせると、熱線センサ4及び明るさセンサ5の検知に基づいて照明負荷Lを点灯させたり、消灯させたりすることができる。一方、スライド釦640を「連続入」に合わせると、スライド釦640を他に合わせない限り、照明負荷Lを強制的に連続点灯させる。これにより、照明負荷Lを手動で強制点灯させたり強制消灯させたりすることができる。
【0027】
図1に示す制御回路7はマイクロコンピュータなどを備え、熱線センサ4が人体からの熱線を検知すると照明負荷Lを全点灯させる通常モード、及び熱線センサ4が人体からの熱線を検知すると照明負荷Lを調光点灯させる調光モードを有する。ただし、明るさセンサ5が基準照度より高い照度を検知した場合、制御回路7は、熱線センサ4が人体からの熱線を検知しても、照明負荷Lを点灯させない。
【0028】
制御回路7は、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、熱線センサ4及び明るさセンサ5から検知信号を取得し、取得した検知信号をA/D変換する。そして、制御回路7は、ゼロクロス回路70からゼロクロス信号を取得し、トライアック3を位相制御するためにトライアック制御回路30を制御して照明負荷Lを点灯させる。また、制御回路7は、調光時間設定部62で設定された調光モード選択時では、調光レベル設定部63で設定された調光レベルで照明負荷Lを調光点灯させる。
【0029】
また、制御回路7は、子器Mから検知信号を受信する子器回路71と接続し、子器Mからの検知信号に基づいて照明負荷Lの点灯と消灯を切り替える。例えば、制御回路7は、調光モードのときに子器Mが人体を検知すると照明負荷Lを調光点灯させる。
【0030】
次に、この熱線センサ付自動スイッチAの機構的構成について説明する。この熱線センサ付自動スイッチAは、図2に示すような外観であり、例えば住宅の壁面に取付可能な構造を有しており、図3に示すように、ボディ81とカバー82とから構成される器体80と、カバー82の前面820に取り付けられる化粧カバー83と、化粧カバー83に回動自在に枢着される扉84と、照明負荷L(図1参照)の点灯と消灯を制御するための部品が実装された実装部85とを備えている。
【0031】
器体80は直方体状であって、前面開口した合成樹脂製のボディ81と、後面開口した合成樹脂製のカバー82とから構成され、JISで規格化された単位モジュール寸法(1個モジュール寸法)の埋込型配線器具3個分に相当する寸法に形成された1連用モジュールである。このような形状の器体80は端子群1及び実装部85を収納する。
【0032】
ボディ81は、上面810及び下面811のそれぞれに1対ずつ設けられた組立突起812,812を備えている。
【0033】
一方、カバー82の上面821及び下面822のそれぞれには、組立孔823,・・・が1対ずつ形成されている。このカバー82は、各組立孔823にボディ81の組立突起812が係合することによって、ボディ81と互いの開口を合わせて結合する。また、カバー82の左右方向(図3のY軸方向)の各側壁には、取付枠9に固定されるための取付爪824が設けられている。
【0034】
取付枠9は、JISで規格化された単位モジュール寸法の埋込型配線器具を長手方向(図3のZ軸方向)に3個並べて取付可能なものである。この取付枠9には、配線器具を取り付けるための器具取付孔90,・・・が両側に3対ずつ形成されている。器具取付孔90にカバー82の取付爪824が係合することによって、器体80が取付枠9に固定される。また、取付枠9には、ボックス螺子910,910を挿通するための長孔91,91が形成されている。各長孔91に挿通されたボックス螺子910が、例えば壁面などの造営面に埋設された埋込ボックスのねじ部(図示せず)に螺合されることによって、取付枠9が造営材(図示せず)に固定される。
【0035】
カバー82の前面820には窓孔860,・・・が4つ形成され、各窓孔860を各操作部600,610,620,630が挿通する。また、カバー82の前面820には開口窓861が形成され、この開口窓861を手動スイッチ64のスライド釦640が挿通する。さらに、カバー82の下方には開口窓862が形成されている。
【0036】
化粧カバー83は薄肉部830を有し、この薄肉部830におけるカバー82の各窓孔860に対応する部位には、各操作部600,610,620,630を露出させるために、窓孔831,・・・が4つ形成されている。また、化粧カバー83には、カバー82の開口窓861に対向する位置に開口窓833が形成され、開口窓862に対向する位置に開口窓834が形成されている。
【0037】
扉84には、化粧カバー83の左側面に設けられた枢支部832,832に枢支される軸部840が設けられている。化粧カバー83の枢支部832,832に扉84の軸部840を軸支させることで、扉84は、各操作部600,610,620,630を覆う位置(図2(a)参照)と、各操作部600,610,620,630を露出させる位置(図2(b)参照)とを選択自在として化粧カバー83の前面に回動自在に取着される。
【0038】
図3に示す実装部85は、例えばプリント配線板などの回路基板850,851と、2枚の回路基板850,851の間に設けられた放熱板852と、熱線センサ4及び明るさセンサ5の前面側を覆うセンサカバー853とを備え、器体80に収納される。回路基板850には、熱線センサ4及び明るさセンサ5と、明るさセンサ設定部60と、動作保持時間設定部61と、調光時間設定部62と、調光レベル設定部63と、手動スイッチ64とが実装されている。
【0039】
センサカバー853には、熱線センサ4及び明るさセンサ5を露出させる検知窓854が形成されている。この検知窓854を通して、熱線センサ4は人体からの熱線を外部から検知し、明るさセンサ5は周囲の明るさを検知する。また、センサカバー853と化粧カバー83の間には1対のシャッター855,855が設けられている。各シャッター855は左右方向(図3のY軸方向)に可動自在であり、検知窓854の一部を覆う。つまり、ユーザによる各シャッター855への操作によって可動し、検知窓854の開閉具合が調整される。これにより、熱線センサ4及び明るさセンサ5の検知エリアを調整することができる。
【0040】
次に、本実施形態の動作について図4を用いて説明する。通常時では通常モードが選択されている。つまり、通常時では、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、図4(a)に示すように、制御回路7はトライアック3を位相制御して、照明負荷Lの調光レベルを全点灯になるまで徐々に上げていくソフト点灯を行う。その後、制御回路7は照明負荷Lを全点灯させる。その後、動作保持時間Tが経過する6秒前に、制御回路7は照明負荷Lの調光レベルを全点灯の50%にして調光点灯させ、ユーザに消灯間近であることを知らせる。調光点灯を開始してから6秒後に、制御回路7は照明負荷Lを消灯させる。
【0041】
ここで、ユーザは調光モード(深夜モード)を選択したい場合、図4(b)に示す調光時間設定部62の操作部620を操作して、調光モード及び調光モードの継続時間を設定する。続いて、調光レベル設定部63の操作部630を操作して、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを設定する。これらの設定が行われた後、図4(a)に示すように、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、制御回路7はトライアック3を位相制御して、照明負荷Lの調光レベルを、設定された調光レベルになるまで徐々に上げていくソフト点灯を行う。その後、制御回路7は照明負荷Lを、設定された調光レベルで調光点灯させる。その後、動作保持時間Tが経過する6秒前に、制御回路7は照明負荷Lの調光レベルを、設定された調光レベルの50%にして調光点灯させ、ユーザに消灯間近であることを知らせる。設定された調光レベルの50%とした調光点灯から6秒後に、制御回路7は照明負荷Lを消灯させる。調光モードの継続時間が経過すると、調光モードから通常モードに切り替わる。
【0042】
一方、通常モード及び調光モードに関わらず、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度より高いときに、熱線センサ4が熱線を検知しても、制御回路7は照明負荷Lを点灯させることはなく、消灯状態を継続させる。なお、これらの動作は、子器Mから検知信号を受信した場合も同様である。
【0043】
以上、実施形態1によれば、調光モードでの照明負荷Lの調光レベルをユーザが設定することができるので、調光モードでの照明負荷Lの明るさをユーザの要望に応じて適宜調整することができる。
【0044】
また、例えば廊下などで用いられる場合に子器Mを接続することによって、複数個所における人体検知に基づいて照明負荷Lを点灯制御することができる。
【0045】
(実施形態2)
実施形態2の熱線センサ付自動スイッチBは、図7に示すように、器体80aを構成するカバー82aの前面820aの左方に枢支され右方で回動自在となる操作ハンドル87を化粧カバー83(図3参照)に代えて備える点、及びカバー82aの前面820aに露出する操作子650を有し器体80aに収納される操作スイッチ65を備える点で、実施形態1と相違している。また、図5に示す制御回路7aの機能も実施形態1の制御回路7(図1参照)と相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
まず、この熱線センサ付自動スイッチBの機構的構成について図7を用いて説明する。カバー82aの前面820aには4つの窓孔860,・・・の他に、回路基板850aに実装された液晶モニタ66を挿通するための四角形の窓孔863が1つ、操作子650を挿通するための窓孔864が1つ形成されている。また、カバー82aは、操作ハンドル87を枢着するために、前面820aの左側端部から前方に突出して一体に設けられた1対の軸部865,865を備えている。
【0047】
操作ハンドル87は合成樹脂で矩形板状に形成されたものであり、左側部870の背面に設けられた軸受部(図示せず)がカバー82aの軸部865,865に回動自在に枢支されることによって、カバー82aの前面820aに回動自在に枢支される。
【0048】
また、操作ハンドル87は、カバー82aの前面820aに露出する操作子650と対向する部位に設けられた押突起871を裏面に備えている。操作ハンドル87の右側部872が押操作されると、操作ハンドル87が軸部865,865を支点にして回動し、操作ハンドル87の押突起871によって操作子650が押され、操作スイッチ65のオンオフが切り替わる。一方、押圧する力が操作ハンドル87からなくなると、操作ハンドル87が操作子650の反力などを受けて復帰位置に戻る。
【0049】
また、本実施形態では、操作ハンドル87がカバー82aの上側に取り付けられるのに対し、カバー82aの下側には化粧カバー83aが取り付けられる。化粧カバー83aには、カバー82aの開口窓861に対向する位置に開口窓833が形成され、開口窓862に対向する位置に開口窓834が形成されている。
【0050】
本実施形態の回路基板850aの前面には、明るさセンサ設定部60と、動作保持時間設定部61と、調光時間設定部62と、調光レベル設定部63と、手動スイッチ64とが実施形態1と同様に実装されているとともに、操作スイッチ65が実装されている。この操作スイッチ65の操作子650は、カバー82aの前面820aに露出し、操作ハンドル87で押駆動されるものである。
【0051】
次に、熱線センサ付自動スイッチBの回路的構成について図5を用いて説明する。本実施形態の制御回路7aは、実施形態1と同様の機能を有するとともに、調光モードのときに操作ハンドル87で操作スイッチ65の操作子650が押されると、照明負荷Lを全点灯させ、照明負荷Lを全点灯させているときは調光モードに復帰させる。
【0052】
次に、本実施形態の動作について説明する。実施形態1と同様に通常時では、通常モードが選択され、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、制御回路7は照明負荷Lを動作保持時間Tが経過するまで全点灯させる。
【0053】
ここで、ユーザは調光モード(深夜モード)を選択したい場合、実施形態1と同様に調光時間設定部62の操作部620を操作して、調光モード及び調光モードの継続時間を設定する。続いて、調光レベル設定部63の操作部630を操作して、調光モード選択時の照明負荷Lの調光レベルを設定する。これらの設定が行われた後、明るさセンサ5が検知した照度が基準照度以下であるときに、熱線センサ4が熱線を検知すると、制御回路7はトライアック3を位相制御して照明負荷Lを動作保持時間Tが経過するまで、設定された調光レベルで調光点灯させる。このとき、操作ハンドル87を押すと、制御回路7aはトライアック3を位相制御して照明負荷Lの点灯状態を調光点灯から全点灯に切り替える。さらに、操作ハンドル87を押すと、制御回路7aは照明負荷Lの点灯状態を全点灯から調光点灯に戻す。つまり、調光モードに復帰させる。その後、調光モードの継続時間が経過すると、実施形態1と同様に調光モードから通常モードに切り替わる。なお、他の動作は実施形態1と同様である。
【0054】
以上、本実施形態によれば、ユーザによる操作ハンドル87への押操作によって、調光モードの設定を保持したままで照明負荷Lの点灯状態の一時的な切替を容易に行うことができる。
【0055】
なお、実施形態2において、図7に示す扉84aには、操作ハンドル87に設けられた軸部873に枢支される軸部841,841が設けられている。このように操作ハンドル87の軸部873に軸部841,841を軸支させることで、扉84aは、各操作部600,610,620,630及び液晶モニタ66を覆う位置(図6(a)参照)と、各操作部600,610,620,630及び液晶モニタ66を露出させる位置(図6(b)参照)とを選択自在として操作ハンドル87の前面に回動自在に取着される。
【0056】
(実施形態3)
実施形態3の熱線センサ付自動スイッチCは、図8に示すように、トライアック3と並列状態で、照明負荷L及び交流電源ACの直列回路に挿入される接点式リレー3aを備える点で、実施形態1と相違している。また、制御回路7bの機能も実施形態1の制御回路7(図1参照)と相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施形態の制御回路7bは、調光モードのときに熱線センサ4が人体を検知したときは、図10(a)に示すように、実施形態1と同様にトライアック3を位相制御することによって(図10(a)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、照明負荷Lをソフト点灯させ、その後、設定された調光レベルで調光点灯させる。調光点灯を終了するときも、図10(b)に示すように、消灯間近であることを知らせるために、設定された調光レベルの50%にして調光点灯させ、その後、照明負荷Lを消灯させる。このとき、接点式リレー3aはオフ状態である。
【0058】
これに対して、通常モードのときに熱線センサ4が人体を検知すると、制御回路7bは、まず、図9(a)に示すように、照明負荷Lの点灯開始時では、調光モードのときと同様に接点式リレー3aをオフにしたまま、トライアック3を位相制御し、照明負荷Lをソフト点灯(調光点灯)させる。点灯開始時の一定期間経過後つまりソフト点灯終了後、制御回路7bは、まずトライアック3を位相制御して(図9(a)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、照明負荷Lを全点灯させる。トライアック3を位相制御した後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7bは接点式リレー3aにセット信号を出力して接点式リレー3aをオンにする。その後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7bはトライアック3をオフ状態にする。上記より、制御回路7bは照明負荷Lの点灯状態を調光点灯から全点灯にさせることができる。
【0059】
一方、全点灯を終了するときは、図9(b)に示すように、制御回路7bは、トライアック3を位相制御するとともに(図9(b)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、接点式リレー3aにリセット信号を出力する(図9(b)の「ハイブリッドリレー(RSET)動作」参照)。このとき、照明負荷Lは全点灯したままである。その後(例えば100ミリ秒後)、制御回路7bはトライアック3を位相制御して照明負荷Lの点灯状態を全点灯から調光点灯にして、消灯間近であることを知らせてから照明負荷Lを消灯にする。
【0060】
以上、本実施形態によれば、通常モードのときに照明負荷Lを全点灯させる場合にトライアック3ではなく接点式リレー3aを用いることによって、照明負荷Lが高容量負荷であってもトライアック3の温度上昇を防止することができる。一方、照明負荷Lに対して、点灯開始時及び点灯終了時に接点式リレー3aをオフにしトライアック3を位相制御することによって、例えば連続的に調光レベルを高くして点灯させるソフト点灯や、点灯終了を知らせるために段階的に調光レベルを下げて点灯させるお知らせ消灯などを行うことができ、高級感を演出することができる。また、調光モードのときにおいても、接点式リレー3aをオフにしトライアック3を位相制御することによって、調光レベルを任意に調整することができる。
【0061】
なお、実施形態3の変形例として、実施形態3の接点式リレー3aを実施形態2に用いてもよい。このような構成にした場合、図11(a)に示すように、調光モードのときにユーザによって操作ハンドル87(図7参照)が押されると、制御回路7a(図5参照)は、まずトライアック3を位相制御して(図11(a)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、照明負荷Lを全点灯させる。トライアック3を位相制御した後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7aは接点式リレー3aにセット信号を出力して接点式リレー3aをオンにする。その後(例えば40ミリ秒後)、制御回路7aはトライアック3をオフ状態にする。上記より、制御回路7aは照明負荷Lの点灯状態を調光点灯から全点灯にさせることができる。
【0062】
その後、ユーザによって操作ハンドル87が押されると、図11(b)に示すように、制御回路7aは、トライアック3を位相制御するとともに(図11(b)の「ハイブリッドトライアック動作」参照)、接点式リレー3aにリセット信号を出力する(図11(b)の「ハイブリッドリレー(RSET)動作」参照)。このとき、照明負荷Lは全点灯したままである。その後(例えば100ミリ秒後)、制御回路7aはトライアック3を位相制御して照明負荷Lの点灯状態を全点灯から調光点灯にする。
【0063】
また、実施形態1〜3の変形例として、トライアック3に代えて、例えばサイリスタなど他の半導体スイッチを備えてもよい。このような構成においても、実施形態1〜3と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態1の回路ブロック図である。
【図2】同上を示し、(a)は扉が閉まった状態の外観斜視図、(b)は扉が開いた状態の外観斜視図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】同上の動作を説明する説明図である。
【図5】実施形態2の回路ブロック図である。
【図6】同上を示し、(a)は扉が閉まった状態の外観斜視図、(b)は扉が開いた状態の外観斜視図である。
【図7】同上の分解斜視図である。
【図8】実施形態3の回路ブロック図である。
【図9】同上の動作を説明する説明図である。
【図10】同上の動作を説明する説明図である。
【図11】実施形態3の変形例の動作を説明する説明図である。
【図12】従来例の動作を説明する説明図である。
【図13】同上の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0065】
A〜C 熱線センサ付自動スイッチ
3 トライアック
3a 接点式リレー
4 熱線センサ
62 調光時間設定部
63 調光レベル設定部
65 操作スイッチ
650 操作子
7 制御回路
80 器体
87 操作ハンドル
M 子器
AC 交流電源
L 照明負荷
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調光点灯可能な照明負荷及び電源と接続する熱線センサ付自動スイッチであって、
人体からの熱線を検知する熱線センサと、
前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を全点灯させる通常モード、及び前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させる調光モードを有する制御手段と、
前記調光モードを選択するための調光モード選択手段と、
前記調光モードでの前記照明負荷の調光レベルを設定するための調光レベル設定手段と
を備えることを特徴とする熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項2】
器体と、
前記器体の前面の両側部のうち一方に枢支され他方で回動自在となる操作ハンドルと、
前記器体の前面に露出する操作子を有し当該器体に収納される操作スイッチとを備え、
前記制御手段が、前記調光モードのときに前記操作ハンドルで前記操作子が押されると、前記照明負荷を全点灯させ、前記照明負荷を全点灯させているときは前記調光モードに復帰させる
ことを特徴とする請求項1記載の熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項3】
人体からの熱線を検知する機能を有する子器と接続するための接続端子を備え、
前記制御手段が、前記調光モードのときに前記子器が人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項4】
前記電源及び前記照明負荷の直列回路に挿入される半導体スイッチと、
前記半導体スイッチと並列状態で前記直列回路に挿入される接点式リレーとを備え、
前記制御手段が、前記調光モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御することによって前記照明負荷を調光点灯させる一方、前記通常モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記照明負荷の点灯開始時及び点灯終了時に前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御して前記照明負荷を調光点灯させる期間を設け、前記点灯開始時の期間経過後、前記接点式リレーをオンにし前記半導体スイッチをオフにすることによって前記照明負荷を全点灯させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項1】
調光点灯可能な照明負荷及び電源と接続する熱線センサ付自動スイッチであって、
人体からの熱線を検知する熱線センサと、
前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を全点灯させる通常モード、及び前記熱線センサが人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させる調光モードを有する制御手段と、
前記調光モードを選択するための調光モード選択手段と、
前記調光モードでの前記照明負荷の調光レベルを設定するための調光レベル設定手段と
を備えることを特徴とする熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項2】
器体と、
前記器体の前面の両側部のうち一方に枢支され他方で回動自在となる操作ハンドルと、
前記器体の前面に露出する操作子を有し当該器体に収納される操作スイッチとを備え、
前記制御手段が、前記調光モードのときに前記操作ハンドルで前記操作子が押されると、前記照明負荷を全点灯させ、前記照明負荷を全点灯させているときは前記調光モードに復帰させる
ことを特徴とする請求項1記載の熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項3】
人体からの熱線を検知する機能を有する子器と接続するための接続端子を備え、
前記制御手段が、前記調光モードのときに前記子器が人体を検知すると前記照明負荷を調光点灯させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の熱線センサ付自動スイッチ。
【請求項4】
前記電源及び前記照明負荷の直列回路に挿入される半導体スイッチと、
前記半導体スイッチと並列状態で前記直列回路に挿入される接点式リレーとを備え、
前記制御手段が、前記調光モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御することによって前記照明負荷を調光点灯させる一方、前記通常モードのときに前記熱線センサが人体を検知すると、前記照明負荷の点灯開始時及び点灯終了時に前記接点式リレーをオフにし前記半導体スイッチを位相制御して前記照明負荷を調光点灯させる期間を設け、前記点灯開始時の期間経過後、前記接点式リレーをオンにし前記半導体スイッチをオフにすることによって前記照明負荷を全点灯させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱線センサ付自動スイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−270103(P2008−270103A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114718(P2007−114718)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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