説明

熱線反射膜及びその積層体ならびに熱線反射層形成用塗布液

【課題】高い熱線反射性を有するとともに、可視光線吸収と可視光線反射を相対的に抑制し、熱安定性に優れた熱線反射膜を一層で提供し得るとともに、環境耐久性が高く、建物や自動車用窓材として好適な熱線反射積層体を提供する。
【解決手段】透明基材と熱線反射層を含む積層体であって、該熱線反射層を含む側から測定された日射反射率が15%以上であり、該熱線反射層が、N−ピロリドニル基を除く親水基を含むバインダー樹脂、及び金属を含み、かつ該熱線反射層の膜厚が100nm以下であることを特徴とする熱線反射積層体。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材と熱線反射層を含む積層体であって、
該熱線反射層を含む側から測定された日射反射率が15%以上であり、
該熱線反射層が、N−ピロリドニル基を除く親水基を含むバインダー樹脂、及び金属を含み、
かつ該熱線反射層の膜厚が100nm以下であることを特徴とする熱線反射積層体。
【請求項2】
前記親水性基は、以下の測定条件で求めた脱離温度のピークが290℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱線反射積層体。
(測定条件)
親水性基−CH(親水基とメチル基を結合させた化合物)と粒子径1〜5μmの銀粒子を混合し、TPD−MSで、銀からの親水基−CHの脱離温度のピークを測定する。
【請求項3】
前記親水基が、水酸基、カルボキシル基、及びオキシエチレン基からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱線反射積層体。
【請求項4】
前記バインダー樹脂が、疎水基を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱線反射積層体。
【請求項5】
前記疎水基が、アルキル基、アセチル基、及び置換基を有してもよいフェニル基からなる群より選ばれることを特徴とする請求項4に記載の熱線反射積層体。
【請求項6】
前記バインダー樹脂が、硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の熱線反射積層体。
【請求項7】
前記熱線反射層が、金属に対し配位結合を形成可能な複素環化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の熱線反射積層体。
【請求項8】
前記熱線反射層上に樹脂層が積層された熱線反射積層体であって、前記樹脂層が、側鎖に炭素数8以上のアルキル基を有するポリマーを含有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の熱線反射積層体。
【請求項9】
前記側鎖に炭素数8以上のアルキル基を有するポリマーが、紫外線吸収基を含むことを特徴とする請求項8に記載の熱線反射積層体。
【請求項10】
前記樹脂層が、炭素数8以上のアルキル基を有するポリマーとは別に、紫外線吸収基を有するポリマーを含有することを特徴とする請求項8又は9に記載の熱線反射積層体。
【請求項11】
前記熱線反射層において、膜面から観察された空孔の面積重み付き平均面積が20〜5000nmであり、該熱線反射層の膜表面の面積に対する総空孔面積の割合が3〜40%であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の熱線反射積層体。
【請求項12】
透明基材と熱線反射層を含む積層体であって、
該熱線反射層を含む側から測定された日射反射率が15%以上であり、
該熱線反射層が、親水基及び疎水基を含むバインダー樹脂、及び金属を含み、
かつ該熱線反射層の膜厚が100nm以下であることを特徴とする熱線反射積層体。
【請求項13】
非金属バインダーを含有する膜厚が12〜80nmの多孔的金属膜よりなる熱線反射用金属膜であって、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算された可視光線反射率が10%以上であり、且つ可視光線吸収率が45%以下であり、且つ、四探針法で求められた表面抵抗率が80Ω/□以下であることを特徴とする熱線反射用金属膜。
【請求項14】
前記多孔的金属膜において、膜面から観察された空孔の面積重み付き平均面積が20〜5000nmであり、該金属膜表面の面積に対する総空孔面積の割合が3〜40%であることを特徴とする請求項13に記載の熱線反射用金属膜。
【請求項15】
透明基材の少なくとも片面に熱線反射層と樹脂層が順次直接積層された熱線反射積層体において、該熱線反射層が請求項14に記載の熱線反射用金属膜から成ることを特徴とする熱線反射積層体。
【請求項16】
透明基材の少なくとも片面に熱線反射層と樹脂層が順次直接積層された熱線反射積層体において、該熱線反射積層体の日射を受光する面の硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算された可視光線反射率が10〜50%であり、且つ、該熱線反射層が非金属バインダーを含有する膜厚12〜80nmの多孔的金属膜からなることを特徴とする熱線反射積層体。
【請求項17】
次式で定義される可視光線吸収率が45%以下であり、且つ硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算された可視光線反射率が10%以上である熱線反射膜において、バインダー樹脂を含有しており、膜厚が15nm以上であることを特徴とする熱線反射膜。
可視光線吸収率(%)=100−可視光線透過率(%)−可視光線反射率(%)
(ここで、可視光線透過率は、波長380nm〜2500nmにおける最低透過率が87%以上のガラス基材上に該熱線反射膜が形成された積層体の可視光線透過率であり、JIS R3106記載の方法に従って計算され、可視光線反射率は、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算される。)
【請求項18】
次式で定義される可視光線吸収率が45%以下であり、且つ硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算された可視光線反射率が10%以上である熱線反射膜において、バインダー樹脂を含有しており、膜厚が15nm以上であることを特徴とする熱線反射膜。
可視光線吸収率(%)=100−可視光線透過率(%)−可視光線反射率(%)
(ここで、可視光線透過率は、基材上に該熱線反射膜が形成された積層体の分光透過率を、該基材の分光透過率で除して得られる値であり、JIS R3106記載の方法に従って計算され、可視光線反射率は、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算される。)
【請求項19】
該熱線反射膜が金属を含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の熱線反射膜。
【請求項20】
下記式で算出される赤外線の選択反射性が1.05以上であることを特徴とする請求項17ないし19のいずれかに記載の熱線反射膜。
赤外線の選択反射性=赤外線反射率/可視光線反射率
(ここで赤外線反射率は、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率とし、JIS R3106の日射反射率を算出する際の波長範囲を780〜1300nmとして算出され、可視光線反射率は、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算される。)
【請求項21】
請求項17ないし20のいずれかに記載の熱線反射膜と透明基材とを含むことを特徴とする積層体。
【請求項22】
硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算された日射反射率が15%以上であり、且つ硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算された可視光線反射率が10%以上かつ下記式で算出される赤外線の選択反射性が1.05以上であることを特徴とする請求項21に記載の積層体。
赤外線の選択反射性=赤外線反射率/可視光線反射率
(ここで赤外線反射率は、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率とし、JIS R3106の日射反射率を算出する際の波長範囲を780〜1300nmとして算出され、可視光線反射率は、硫酸バリウム又は酸化アルミニウムを参照とした拡散反射率を分光反射率として、JIS R3106記載の方法に従って計算される。)
【請求項23】
透明基材上に、金属を含む熱線反射層と、樹脂層とが順次積層された透明熱線反射積層体であって、該樹脂層が、側鎖に炭素数8以上のアルキル基を有するポリマーを含有することを特徴とする透明熱線反射積層体。
【請求項24】
該側鎖に炭素数8以上のアルキル基を有するポリマーが、紫外線吸収基を含むことを特徴とする請求項23に記載の透明熱線反射積層体。
【請求項25】
請求項1ないし12、請求項15、請求項16、及び請求項21ないし24のいずれかに記載の積層体、或いは、請求項13又は14に記載の金属膜、或いは請求項17ないし20のいずれかに記載の熱線反射膜を含む自動車用窓材。
【請求項26】
請求項25に記載の窓材を有する自動車。
【請求項27】
金属粒子、非金属化合物、及び溶媒を含み、固形分に対する該非金属化合物の割合が0.1〜40重量%である組成物を基材上に湿式製膜して前駆体層を形成する膜化工程と、該前駆体層を熱処理する変換工程とを備える熱線反射層の製造方法であって、該変換工程において、前記前駆体層を表面抵抗率100Ω/□以下の熱線反射層に変換し、該熱線反射層の膜厚が80nm以下であることを特徴とする熱線反射層の製造方法。
【請求項28】
平均粒子径が100nm以下である金属微粒子と、N−ピロリドニル基を除く親水基を含むバインダー樹脂と、極性溶媒を含むことを特徴とする熱線反射層形成用塗布液。
【請求項29】
前記親水性基は、以下の測定条件で求めた脱離温度のピークが290℃以下であることを特徴とする請求項28に記載の熱線反射層形成用塗布液。
(測定条件)
親水性基−CH(親水基とメチル基を結合させた化合物)と粒子径1〜5μmの銀粒子を混合し、TPD−MSで、銀からの親水基−CHの脱離温度のピークを測定する。
【請求項30】
前記親水基が、水酸基、カルボキシル基、及びオキシエチレン基からなる群より選ばれることを特徴とする請求項28又は29に記載の熱線反射層形成用塗布液。
【請求項31】
前記バインダー樹脂が、疎水基を含むことを特徴とする請求項28ないし30のいずれかに記載の熱線反射層形成用塗布液。
【請求項32】
前記疎水基が、アルキル基、アセチル基、及び置換基を有してもよいフェニル基からなる群より選ばれることを特徴とする請求項31に記載の熱線反射層形成用塗布液。
【請求項33】
前記バインダー樹脂が、硬化性樹脂であることを特徴とする請求項28ないし32のいずれかに記載の熱線反射層形成用塗布液。
【請求項34】
金属に対し配位結合を形成可能な複素環化合物を含有することを特徴とする請求項28ないし33のいずれかに記載の熱線反射層形成用塗布液。
【請求項35】
前記極性溶媒が、水と水以外の極性溶媒との混合溶媒であり、該水以外の極性溶媒の沸点が、60〜170℃であることを特徴とする請求項28ないし34のいずれかに記載の熱線反射層形成用塗布液。
【請求項36】
平均粒子径100nm以下の金属微粒子、極性溶媒、金属に対し配位結合を形成可能な複素環化合物、及びバインダーを含有する熱線反射膜用塗布液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−31601(P2011−31601A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244120(P2009−244120)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】