説明

熱転写プリンタ

【課題】プラテンに対するサーマルヘッドの位置を高精度で容易に調整可能な熱転写プリンタを提供する。
【解決手段】サーマルヘッド2とプラテン4との間でインクリボンと共に転写紙を挟み込みサーマルヘッド2の発熱素子に電流を印加し、インクリボンのインクに熱量を加えることによって、インクの画像が転写紙に転写される熱転写ユニット10を備えた熱転写プリンタPにおいて、サーマルヘッド2及びプラテン4が相対するように固定される基台20を備え、サーマルヘッド2は、移動機構部30を介して基台20に取り付けられ、移動機構部30は、サーマルヘッド2を鉛直方向に移動可能な第1の移動機構部と、第1の移動機構部の移動量に応じてプラテン4に対するサーマルヘッド2の押圧力を調整する押圧力調整機構部と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色インクを転写して画像を形成する熱転写プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から所定の色インクを転写して画像を形成する熱転写プリンタが知られている。この種の熱転写プリンタでは、例えば、インクリボンと共に転写紙をサーマルヘッドとプラテンとで挟み当該インクリボンに所定の熱量を加えることによって、インクが転写紙に転写され画像が形成される。
【0003】
このような熱転写プリンタにおいて、印画品質を向上させるため、発熱素子の配列方向を記録紙の搬送方向と直交して配置するとともに、発熱素子の位置を記録紙の幅方向に揃える必要があり、このような要求に対応すべくプラテンに対するサーマルヘッドの角度又は位置調整手段を備えた熱転写プリンタが従来から知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−188934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の熱転写プリンタにおいて、近年、印刷精度に関する要求が高まっており、特に高精度の網点印刷を行うためには、プラテンに対するサーマルヘッド(発熱素子)の位置精度を高める必要性があるものの、従来の機構では十分な位置精度を得られていない。
【0006】
本発明は、このような問題の解消を課題の一つとし、プラテンに対するサーマルヘッドの位置を高精度で容易に調整可能な熱転写プリンタを提供しようというものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。なお、本発明の理解を容易にするため括弧付きの符号を付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
請求項1に係る熱転写プリンタは、サーマルヘッド(2)とプラテン(4)との間でインクリボン(6)と共に転写紙(8)を挟み込み前記サーマルヘッドの発熱素子に電流を印加し、インクリボンのインクに熱量を加えることによって、当該インクの画像が転写紙に転写される熱転写ユニット(10)を備えた熱転写プリンタにおいて、前記サーマルヘッド及びプラテンが相対するように固定される基台(20)を備え、前記サーマルヘッドは、移動機構部(30)を介して前記基台に取り付けられ、前記移動機構部は、前記サーマルヘッドを鉛直方向に移動可能な第1の移動機構部(31)と、当該第1の移動機構部の移動量に応じて前記プラテンに対するサーマルヘッドの押圧力を調整する押圧力調整機構部(36)と、を具備していることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の熱転写プリンタは、請求項1に記載の熱転写プリンタにおいて、前記移動機構部は、前記サーマルヘッドを前記転写紙の搬送方向に移動可能な第2の移動機構部(41)を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の熱転写プリンタは、請求項1、又は2に記載の熱転写プリンタにおいて、前記移動機構部は、前記サーマルヘッドを前記転写紙の幅方向に移動するための第3の移動機構部(48、49)を更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サーマルヘッドをプラテンに対して精度良く位置調整することが可能であり、プラテンに対するサーマルヘッドの印圧を容易且つ適切に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】熱転写プリンタの概要を示す簡略図である。
【図2】熱転写プリンタの構成を説明するための縦断面図である。
【図3】図2の左部分の拡大図である。
【図4】サーマルヘッド交換時の動作状態を説明するための図である。
【図5】図3のA部分を示す拡大図である。
【図6】図3のB部分を示す平面図である。
【図7】図6のI−I断面図である。
【図8】サーマルヘッドのY軸方向の調整例を説明するための平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の熱転写プリンタについて説明する。なお、以下の説明において、理解し易くするために、転写紙8の紙面に対して鉛直方向をZ軸方向と称し、転写紙8の長さ(送り)方向をY軸方向と称し、転写紙8の幅方向をX軸方向と称して説明することとする。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の熱転写プリンタPは、サーマルヘッド2とプラテン4との間でインクリボン6と共に転写紙8を挟み込み前記サーマルヘッド2の発熱素子2aに電流を印加することによってインクリボン6のインクに所定の熱量を加え、当該インクが当該転写紙8に転写される熱転写ユニット10を備えている。
【0015】
インクリボン6は、供給ローラ6aによって繰り出され、巻き取りローラ6bによって巻き取られる。転写紙8も、インクリボン6と同様に、供給ローラ8aによって繰り出され、巻き取りローラ8bによって巻き取られる。転写紙8は、その上下面が挟持されるニップローラ15aや所定の経路に導くガイドローラ15bによってガイドされ、所定位置においてガイドローラ15bを介して上方向に迂回される。このガイドローラ15bの上方には、迂回される転写紙8をガイドするためのプラテン4が配置され、当該プラテン4の上方には、サーマルヘッド2と当該プラテン4とが転写紙8やインクリボン6を挟んで相対するように配置される。また、プラテン4とサーマルヘッド2の間には、ガイドローラ16によってガイドされるインクリボン6が配置される。
【0016】
また、図2に示すように、熱転写プリンタPは、サーマルヘッド2やプラテン4を含む熱転写ユニット10を取り付けるための基台20を備えている。当該基台20は、転写紙8の搬送方向両側に設けられた一対の縦フレーム21、21と、当該縦フレーム21間に掛け渡される上下横フレーム22、23と、を備え、サーマルヘッド2とプラテン4は、一対の縦フレーム21、21間に架け渡されて取り付けられる。
【0017】
プラテン4は、図2に示すように、支持部材5を介して基台20に固定されて取り付けられる一方で、サーマルヘッド2は基台20に移動機構部30を介してZ軸方向及びY軸方向に移動可能に取り付けられる。
【0018】
図3及び図4に示すように、移動機構部30は、サーマルヘッド2をプラテン4の上側に近接又は離反させるようにZ軸方向に移動させるZ軸方向移動用機構部31(本願の第1の移動機構部)と、バネなどの弾性体による付勢力によって、サーマルヘッド2をプラテン4に所定の押圧力で押し付けるための押圧力調整機構部36と、サーマルヘッド2をY軸方向に移動させるY軸方向移動用機構部41(本願の第2の移動機構部)と、を備える。
【0019】
Z軸方向移動用機構部31は、縦フレーム21に沿ってZ軸方向に移動可能な第1の移動体33と、当該第1の移動体33を移動させる駆動部34と、を備える。
【0020】
駆動部34は、軸35aを伸縮可能なアクチュエータ本体35を備え、当該アクチュエータ本体35は基台20の上フレーム22に固定して取り付けられ、そのアクチュエータ本体35から軸35aがZ軸方向に伸縮可能となっている。一方、この軸35aが取り付けられる第1の移動体33は、縦フレーム21から内側X軸方向に突出する突起部21aと嵌合する凹部33aを有し、当該アクチュエータ35による軸35aの伸縮駆動によって第1の移動体33をZ軸方向に往復運動させる。
【0021】
すなわち、印刷時には、図3に示すように、駆動部34を駆動し、第1の移動体33を下げて、プラテン4に対してサーマルヘッド2を密着させる一方で、サーマルヘッド2の交換時には、図4に示すように、駆動部34を駆動し、第1の移動体33を上げて、プラテン4からサーマルヘッド2を離反させる。
【0022】
押圧力調整機構部36は、第1の移動体33から内側X軸方向に突出する突起部33bと嵌合する凹部37aを有し、当該第1の移動体33の移動方向(Z軸方向)に移動可能な第2の移動体37と、当該第1の移動体33からX軸方向内側に延出するようにして前記第2の移動体37の上方に取り付けられる延出体38と、その延出体38に取り付けられるバネ機構部39と、前記延出体38から略鉛直方向下側に延び、その端部が前記第2の移動体37が下方に所定量移動したときに前記第2の移動体37と係合し当該第2の移動体37の下方への移動量を規制する規制体40と、を備える。
【0023】
バネ機構部39は、図5に示すように、第2の移動体37の上部に配置されるバネ等の弾性部材71と、前記弾性部材71を前記第2の移動体37との間で保持する保持体73と、前記保持体73と連結される軸74を有する回転部材75と、を備えている。また、回転部材75は、前記延出体38の上部に配置され、軸74には、中央部にネジ溝74aが形成されており、このネジ溝74aが延出体38に形成されるネジ溝38aと螺合して取り付けられている。そして、当該回転部材75による回転力を垂直運動に変えて延出体38の下方に延びる軸74を伸縮させることによって、弾性部材59の付勢力が調整されて、この付勢力が第2の移動体37に加えられるようになっている。
【0024】
したがって、この押圧力調整機構部36によれば、第2の移動体37が下方から上方へ移動するにつれて、バネが縮むためその抵抗力が徐々に増し、この抵抗力が付勢力となって第2の移動体37に加えられ、プラテン4に対してサーマルヘッド2が最適な押圧力で密着する。
【0025】
また、回転部材75の回転量によって第2の移動体37の上方への移動量が規制されるとサーマルヘッド2がプラテン4に接触した後の第2の移動体37のサーマルヘッド2への押圧力が変化するので、この移動量の規制によって第2の移動体37の下方への押圧力を調整することができる。
【0026】
Y軸方向移動用機構部41は、図6及び図7に示すように、第2の移動体37の下端面からZ軸方向下側に突出する突出体42と、その突出体42が収容される凹部43aを有する保持体43と、を備え、図7に示すように、当該突出体42は保持体43の下端面と摺動して図中矢印に示すようにY軸方向に移動可能に保持される。
【0027】
Y軸方向移動用機構部41は、Y軸方向において、凹部43aにおける当該突出体42の一端面と保持体43の側面との間にはバネなどの弾性部材45が配置され、当該突出体42の他端面と保持体43の側面との間には、当該突出体42をY軸方向に移動させるための駆動部46の軸46aが配置される。具体的に、駆動部46は、例えば、マイクロゲージが用いられる。マイクロゲージは、軸46aと、この軸46aと歯車群(図示しない)を介して連結される回転部材46bと、を備え、当該回転部材46bによる回転力を水平運動に変えて軸46aを伸縮させる。軸46aは保持体43の一側面を貫通して設けられ、回転部材46bが当該保持体43の側面外部に配置される。
【0028】
この回転部材46bの正回転により、例えば、この軸46aが延びると、突出体42は弾性部材45の有する付勢力に抗して転写紙8の搬送方向に移動する。なお、回転部材46bの逆回転により軸46aは縮み、突出体42は逆方向へと移動する。
【0029】
このようなY軸方向移動用機構部41によれば、図8に示すように、マイクロゲージを用いてサーマルヘッド2の両端部のY軸方向の高精度の調整が可能である。
【0030】
また、図3に示すように、保持体43は、X軸方向内側に延出して形成されており、この保持体43の下端面には、サーマルヘッド2がネジなどの固定部材48によって着脱可能に取り付けられる。
【0031】
また、本実施形態のサーマルヘッド2には、その幅方向に、固定部材48の軸48aが羅合して取り付けられるネジ溝を有する孔部49が複数形成されており、サーマルヘッド2を保持体43に固定する際に当該孔部49の位置を適宜変更して固定部材48により取り付けることで、X軸方向におけるサーマルヘッド2の位置を容易に変更することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、サーマルヘッド2側に孔部49を複数形成するようにしているが、保持体43側に複数の孔部を形成するようにしても構わない。また、当該孔部49と固定部材48は、本願の第3の移動機構部として機能する。
【0033】
このように構成された熱転写プリンタPは、Z軸方向用移動機構部31によりサーマルヘッド2をプラテン4から容易に離反させることが可能となりサーマルヘッド2の交換等を容易にできる。
【0034】
また、熱転写プリンタPは、第1の移動体33を下方へと移動し、プラテン4に対してサーマルヘッド2を接触させた後、さらに第1の移動体33を下方へと移動することで、プラテン4に対するサーマルヘッド2の押圧力を調整する。すなわち、第1の移動体33の移動量によってバネ機構部39の弾性部材71による付勢力が増減することで、プラテン4に対するサーマルヘッド2の押圧力(印圧)を調整するようになっており、プラテン4に対するサーマルヘッド2の押圧力を容易且つ適切に調整することができる。
【0035】
また、マイクロゲージを用いたY軸方向移動用機構部41によりサーマルヘッド2をY軸方向で調整することで、プラテン4に対するサーマルヘッド2のY軸方向での高精度の調整を容易に行えるようになっており、例えば、サーマルヘッド発熱素子のY軸方向位置の個体差などに対応可能である。
【0036】
以上に説明したように、本実施形態の熱転写プリンタPは、サーマルヘッド2をプラテン4に対して精度良く位置調整することが可能であり、プラテン4に対するサーマルヘッド2の印圧を容易且つ適切に調整することができる。よって、転写紙8に良好な印字を行うことができる。
【0037】
また、本実施形態の熱転写プリンタPは、図2に示すように、サーマルヘッド2を加温する加温手段80を備えている。本実施形態の加温手段80は、サーマルヘッド2の上部に接触して配置される管体81と、この管体81の内部に図示しない温水排出口から排出される温水を循環させる循環パイプ82と、を備え、印刷前にサーマルヘッド2が所定の温度(連続印刷時の飽和温度)まで加温制御される。好適には、サーマルヘッド2周辺の温度とプラテン4周辺の温度とがほぼ一定に保たれるように制御される。なお、管体812の接触面は、効率良く熱を伝達させるために、サーマルヘッド2の形状に応じて形成されていることが好ましい。なお、このようなサーマルヘッド2を加温する加温手段は、従来から公知の他の加温手段を適用することができる。
【0038】
また、一般にサーマルヘッドはフラットヘッド型の方が発熱素子部の平坦度が高いため、幅広の印刷機に適している。しかしフラットヘッド型はプラテン側に突起物が存在しているため、対向するプラテン径を一定以上の大きさにすることができず、特に転写紙の幅が広くなると、十分な剛性を得られる径を確保することができなくなる。このようなプラテン4を用いる熱転写プリンタPでは、剛性が足りないために転写紙8の張力でプラテン4に撓みが発生し、特に中央部でのサーマルヘッド2との密着性が低くなる。
【0039】
そこで、本実施形態の熱転写プリンタPでは、図2に示すように、プラテン4のフィルム通過側と逆面(本実施形態では下端面)に、当該プラテン4と接触するようにして配置されるバックアップロール65を設けている。このバックアップロール65は、下方から上方に延びる支持体66を介して基台20の下方横フレーム23に固定して取り付けられる。
【0040】
当該バックアップロール65は、プラテン4の幅とほぼ同一の幅を有しており、プラテン4の全幅において密着して配置されている。
【0041】
本実施形態の熱転写プリンタPは、簡単な構造ながら、このバックアップロール65により容易にプラテン4の真直性を高めることが可能となり、上述したサーマルヘッド2に対するプラテン4の密着性の低下等を防止できる。
【0042】
また、転写紙8と対向するサーマルヘッド2の面形状がその幅方向において凹凸状に形成されていると、幅方向の印圧が不均一となり、印刷不良が発生する。
【0043】
そこで、本実施形態の熱転写プリンタPでは、図2に示すように、サーマルヘッド2の両端部が支持された構成を有する熱転写プリンタPにおいて、プラテン4に対してサーマルヘッド2を所定の押圧力で押し付けるためのサーマルヘッド用押圧力調整機構部50を2つ設けている。このサーマルヘッド用押圧力調整機構部50は、サーマルヘッド2の幅方向に均等に2つ設けられているが、この数に限定されるものではなく、例えば、中央部に1つであっても構わない。重要な点は、均等にプラテン4に対してサーマルヘッド2を押し付けることにある。
【0044】
具体的に、サーマルヘッド用押圧力調整機構部50は、図2に示すように、プラテン4に対してサーマルヘッド2を押圧する押圧体51と、この押圧体51に付勢力を付与するバネ機構部55と、を備える。
【0045】
バネ機構部55は、図3に示すように、中央部にネジ溝が形成された軸56を有する回転部材57と、当該軸56の先端部と連結され、前記押圧体51の上端部を保持する保持体58と、前記保持体58と前記押圧体51の間に配置されるバネ等の弾性部材59と、を備え、当該回転部材57による回転力を垂直運動に変えて軸56を伸縮させることによって、弾性部材59の付勢力が調整されて、この付勢力が押圧体51に加えられる。軸56には、中央部にネジ溝が形成されており、このネジ溝がサーマルヘッド2の上方において左右の延出体38間に架け渡されるようにして配置される連結体53に形成されるネジ溝と螺合して取り付けられている。なお、回転部材57は、当該連結体53の上部に配置され、当該回転部材57による回転力を垂直運動に変えて連結体53の下方に延びる軸56を伸縮させることによって、弾性部材59の付勢力が調整されて、この付勢力が押圧体51を介してサーマルヘッド2に加えられるようになっている。
【0046】
押圧体51は、下端面がサーマルヘッド2上に配置される管体81に接触して設けられており、バネ機構部55の作用により、当該押圧体51が、サーマルヘッド2をプラテン4に対して所定の押圧力で押し付けるようになっている。
【0047】
このように構成されたサーマルヘッド用押圧力調整機構部50によれば、例えば、回転部材57を正方向に回転し、ネジを締めつけることで弾性部材59を縮めて押圧力を高める一方で、回転部材57を反時計方向に回転し、ネジを緩めることで弾性部材59を延ばして押圧力を引くし、押圧体51及び管体81を介してサーマルヘッド2に加えられる付勢力が調整される。これにより、サーマルヘッド2には、均等に所定の押圧力でプラテン2に対して押圧されるので、プラテン4に密着してサーマルヘッド2が配置されることとなり、幅方向において均等に印圧がかかり、良好な印字が行われる。
【0048】
なお、本実施形態は一形態であって、この形態に限定されるものではない。例えば、必要がなければY軸方向移動用機構部41を取り除いて、移動機構部30を構成しても構わない。また、サーマルヘッド2を加温する加温手段や、バックアップロール65、又はサーマルヘッド用押圧力調整機構部50は、必要に応じて適宜設けることができ、省略しても構わない。
【符号の説明】
【0049】
P…熱転写ユニット
2…サーマルヘッド
4…プラテン
6…インクリボン
8…転写紙
10…熱転写ユニット
20…基台
30…移動機構部
31…第1の移動機構部
36…押圧力調整機構部
41…第2の移動機構部
48…固定部材
49…孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルヘッドとプラテンとの間でインクリボンと共に転写紙を挟み込み前記サーマルヘッドの発熱素子に電流を印加し、インクリボンのインクに熱量を加えることによって、当該色インクの画像が転写紙に転写される熱転写ユニットを備えた熱転写プリンタにおいて、
前記サーマルヘッド及びプラテンが相対するように固定される基台を備え、
前記サーマルヘッドは、移動機構部を介して前記基台に取り付けられ、
前記移動機構部は、
前記サーマルヘッドを鉛直方向に移動可能な第1の移動機構部と、
当該第1の移動機構部の移動量に応じて前記プラテンに対するサーマルヘッドの押圧力を調整する押圧力調整機構部と、
を具備していることを特徴とする熱転写プリンタ。
【請求項2】
前記移動機構部は、前記サーマルヘッドを前記転写紙の搬送方向に移動可能な第2の移動機構部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の熱転写プリンタ。
【請求項3】
前記移動機構部は、前記サーマルヘッドを前記転写紙の幅方向に移動するための第3の移動機構部を更に備えたことを特徴とする請求項1、又は2に記載の熱転写プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−201098(P2012−201098A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70914(P2011−70914)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】