説明

熱間成形技術を用いた被覆部品の製造方法

本発明は、熱間成形技術を用いた、機械的特性が極めて高い被覆部品の製造方法に関する。本発明による方法は、1−鋼帯を用意する工程と、2−鋼帯を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、3−被覆鋼を300℃〜該鋼のAc1温度の温度に加熱する工程と、4−被覆鋼を冷却する工程と、5−工程1、2、3または4の後に鋼帯からブランクを切り取る工程と、6−ブランクを鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、7−ブランクを部品に熱間成形する工程と、8−熱間成形した部品を硬化させる工程とを含む。本発明は工程4無しで行うこともできる。本発明は間接的な熱間成形方法においても使用可能である。本発明は、被覆鋼帯の製造方法、被覆鋼帯、ブランクまたは部品、ならびに熱間成形された部品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間成形技術を用いた被覆部品の製造方法に関するものである。また、本発明は、被覆鋼帯の製造方法、被覆鋼帯、ブランクまたは部品、ならびに熱間成形された部品にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品を成形するための熱間成形技術の使用は、特に自動車の用途で、よく知られている。熱間成形技術は、容易に成形可能な板から出発し、極めて高い機械的特性、例えば1200MPaを超える引張強さ、を有する成形された部品を提供する。
【0003】
通常、熱間成形は、ブランクを用意し、該ブランクを900℃〜1000℃の間の温度に加熱し、加熱されたブランクを熱間成形装置の中に配置し、該熱間成形装置においてブランクを部品に成形し、そして熱間成形された部品を硬化させることにより行われる。
【0004】
被覆されていない鋼を使用する場合には、鋼の酸化および脱炭を防ぐために熱間成形が保護雰囲気下で行われることができ、熱間成形後に熱間成形部品はスケール除去されなければならない。これらの欠点を克服するために、ここ10年間、被覆鋼板を用い、該板をAc1温度を超える温度に加熱することが提案されてきている。この加熱中に、被膜および鋼板の熱処理によって拡散層が形成され、熱間成形に用いられる高温においても、酸化に対する保護および被膜の鋼板への良好な接着性を与える。
【0005】
被覆鋼板を用いる場合、保護雰囲気はもはや必要ではないが、公知の方法にはいくつかの欠点がある。主な問題の一つは、被覆鋼板の加熱速度が重要であると判明したことである。これは全工程をより制御しにくくする。結果として、熱間成形装置での熱間成形およびこれに続く硬化は1分未満で行うことができる一方、鋼板の加熱にはかなりの時間、例えば5分、が掛かることにもなる。熱間成形装置によって可能となった高い生産速度での製造は、多数の被覆鋼板を炉内で加熱することにより行われることができる。しかし、熱間成形装置において遅延があると、被覆鋼板が炉内に長く留まり過ぎることとなり、その鋼板をスクラップにしなければならないことになる。これは熱間成形のコストにかなりの影響を及ぼす。その上、炉は非常に長くなければならない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、よりフレキシブルかつ堅牢な方式でプロセスの制御を可能にする、熱間成形技術を用いた被覆部品の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、また、熱間成形部品を容易かつ効率的に製造することを可能にする、熱間成形技術を用いた被覆部品の製造方法を提供することにもある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、公知の方法よりもよりコスト効率の良い、熱間成形技術を用いた被覆部品の製造方法を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明の目的は、本発明による方法において使用可能な、被覆鋼帯、被覆鋼板およびこれらの製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明によれば、これらの目的の一つ以上は、極めて高い機械的特性を有する被覆部品を熱間成形技術を用いて製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、300℃と該鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−前記被覆鋼を冷却する工程と、
5−工程1、2、3または4の後に前記鋼帯からブランクを切り取る工程と、
6−前記ブランクを、前記鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、
7−前記ブランクを部品に熱間成形する工程と、
8−前記熱間成形した部品を硬化させる工程と、
を含んでなる、方法を提供することによって達成される。本発明者らは、拡散層の形成が本方法の工程3において行われ、その際、被覆鋼が300℃と鋼のAc1温度の間の温度に加熱されるという大きな利点を本方法が有するとの知見を得た。この工程3では拡散層が形成されるため、Ac1温度を超える温度への被覆鋼板の加熱が熱間成形装置での加熱された鋼板の熱間成形に要する時間と同等もしくはそれよりも短い時間間隔内で行われるように、熱間成形装置における熱間成形直前の加熱工程は極めて高い生産速度で行われることができる。したがって、鋼のAc1温度を超える温度に耐えうる保護膜の鋼板上への形成は、工程6における鋼のオーステナイト化に必要な熱処理とは分離されている。この分離により、拡散プロセスが分離して制御可能となるため、熱間成形プロセス自体の重要な工程群の前の段階で保護膜の形成を制御することができる。その上、拡散層を備えた鋼板は、工程6における鋼のオーステナイト化に、より良好に適することができる。したがって、全体のプロセスは、装置の使用を最適化することで、より制御しやすく、かつ、よりコスト効率が良くなる。
【0011】
本発明による方法は、上述のとおり、工程4が無くても、すなわち被覆鋼の中間冷却無しでも、行うこともできる。このことは、拡散層を形成するための加熱工程の直後にオーステナイト化工程が行われることを意味する。
【0012】
本発明は、極めて高い機械的特性を有する被覆部品を熱間成形技術を用いて製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、300℃と該鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−前記被覆鋼を冷却する工程と、
5−工程1、2、3または4の後に前記鋼帯からブランクを切り取り、該ブランクを部品に成形する工程と、
6−前記部品を、前記鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、
7−前記部品を硬化させる工程と、
を含んでなる、方法による、間接的な熱間成形プロセスにおいて使用されることもできる。ここでも、亜鉛または亜鉛合金の層を拡散する工程はオーステナイト化工程から分離されており、上述の利点を備えている。通常、硬化工程の間、成形部品はスプリングバックを防ぐためにプレスまたは他の装置の中に保持される。
【0013】
間接的な熱間成形プロセスも、工程4無しで行うことができる。これにより直接的な成形プロセスにおける場合と同様の結果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい態様によれば、被覆鋼が工程3において、440℃と鋼のAc1温度との間、好ましくは440℃〜800℃の間、の温度に加熱される。これらの温度であると亜鉛または亜鉛合金の拡散層を提供することが可能であり、特に440℃〜800℃の間の温度間隔ではリーズナブルな短期間でそれを提供することが可能となる。
【0015】
好ましくは、被覆鋼が440℃〜600℃の間、より好ましくは460℃〜560℃の間、の温度に加熱される。これらは比較的低い温度であり、既存の製造ラインを使用することが可能である。
【0016】
被覆鋼を、600℃〜700℃の間、好ましくは625℃〜675℃の間、の温度に加熱することも可能である。これらの温度ではより速い拡散が可能である。
【0017】
その上、被覆鋼を、700℃とAc1温度との間、好ましくは700℃〜800℃の間、の温度に加熱することが可能である。そのような高温は特定の設備を必要とするが、拡散工程に高い生産速度をもたらす。
【0018】
好ましい態様によれば、鋼は、重量百分率で、以下の組成:
0.15<C<0.5
0.5<Mn<3.0
0.1<Si<0.5
Cr<1.0
Ti<0.2
Al<0.1
P<0.1
S<0.05
0.0005<B<0.08
所望により、
Nb<0.1
V<0.1
不可避不純物
残部鉄
を有する。他の金属組成も可能であるが、上述の鋼組成が大抵の場合に非常に良い結果をもたらすことになることが分かった。
【0019】
好ましくは、熱間成形工程の直前に、ブランクが鋼のAc1温度と1000℃の間、より好ましくは900℃〜1000℃の間、の温度に加熱される。これらの温度は、被覆鋼板が熱間成形装置において成形される際に、最良の結果をもたらす。
【0020】
冷却工程が行なわれるプロセスの好ましい態様によれば、鋼が工程4において少なくとも50℃冷却され、好ましくは鋼が工程4において100℃未満の温度に冷却され、より好ましくは鋼が室温に冷却される。この冷却工程は拡散を著しく減速させるように意図されている。複数の小規模な冷却工程も可能ではあるが、工程4において低温、好ましくは室温、に冷却することで、拡散層を形成するように被覆鋼が処理されることができ、その後、熱間成形処理が行なわれて熱間成形部品を提供する前に、保管および/または輸送されることができる。従って、拡散層を備えた被膜の鋼帯または鋼板上での形成は、熱間成形プロセスそのものから場所および時間において分離される。このことには、熱間成形部品の製造業者が高い生産速度で生産することができ、さらに拡散層を備えた被覆鋼帯または板の製造に携わらなくてもよいという利点がある。
【0021】
好ましい実施態様によれば、工程2の後、または冷却工程が行なわれる場合には工程4の後に、被覆鋼には、腐食に対する保護を与える追加の被覆層が設けられる。この追加の層は、特に保管および輸送中のみならず、しばしば熱間成形プロセス中においても、腐食に対して追加の保護を与える。追加の層は、油もしくは潤滑油または他の一般的に使用される保護層であることができるが、必要な保護特性を得るために硬化されるべき、亜鉛粒子のような金属粒子を含む有機結合剤のような特別な目的の層であってもよい。好ましくは、この特別の目的の層が被覆鋼帯上に設けられる。
【0022】
本発明の第二の側面によると、部品の熱間成形における使用のための被覆鋼帯を製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、600℃とAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−前記被覆鋼を冷却する工程と、
を含んでなる、方法が提供される。この被覆鋼帯を製造する方法は、熱間成形プロセスそのものからは独立して行なわれる。600℃とAc1温度の間の高拡散温度を選択することは、拡散層の形成のための比較的短い製造時間が得られることを意味する。
【0023】
好ましくは、その方法において、鋼帯を切り取って鋼帯からブランクを形成し、所望により工程1、2、3または4の後にブランクから部品が成形される。ブランクは熱間成形プロセスで使用されるため、熱間成形プロセスで直接使用可能なブランクを保管および輸送することが好ましい。間接的な成形プロセスにおいては、鋼帯からブランクが切り取られた後に、ブランクから部品が成形されることができる。
【0024】
本発明の第一の側面による方法の更なる特徴は、本発明の第二の側面による方法においても使用可能である。
【0025】
本発明の第三の側面によれば、被覆鋼帯、ブランクまたは部品には、亜鉛または亜鉛合金の被膜が設けられ、被膜の外側層が3μmの深さにわたって、平均で5重量%を超えるFeを含む。そのような被膜を設けられた被覆鋼は、熱間成形プロセスそのものにおいて使用可能である。
【0026】
好ましくは、被膜の外側層が3μmの深さにわたって、平均で、10重量%を超えるFeを、より好ましくは20重量%を超えるFeを、さらに好ましくは30重量%を超えるFeを、さらに一層好ましくは40重量%を超えるFeを含む。被膜の外側層におけるより多くの量のFeは、被膜と鋼からのFeがより良好に拡散したことを意味する。
【0027】
好ましい実施態様によれば、被覆鋼帯、ブランクまたは部品の鋼は、本発明の第一の側面において特定された組成を有する。
【0028】
他の好ましい態様によれば、本発明の第一の側面において説明されたように、被覆鋼には腐食に対する保護を与える追加の被覆層が設けられた。
【0029】
本発明によると、本発明の第一の側面による方法を用いて製造される、熱間成形された被覆部品が提供される。
【0030】
いくらかの背景情報および複数の実験を参照しつつ、本発明を以下に説明する。
【0031】
純亜鉛の低い融点(420℃)および低い蒸発温度(907℃)に起因して、熱間成形に亜鉛被覆材料を用いることは困難を伴う。本発明者らは、溶融亜鉛の存在によって基材が液体金属助長亀裂(LMAC)を被りやすくし、酸素含有雰囲気中のガス状亜鉛が非常に速く酸化して毒性のZnOダストをもたらすことを見出した。本発明者らの今般の解釈によれば、亜鉛被覆鋼の加熱中、被膜が基材からの鉄原子と合金化される。被膜中により多くの鉄が存在するにつれて、成形時の液体の量が最小限に抑えられ、Znの蒸発に対する影響の受けやすさがより小さくなる。従って、より多くの鉄が亜鉛被膜中に存在する場合、より少ない液体亜鉛が鋼基材上に存在するため、亜鉛被覆鋼ブランクはより速く加熱されることができ、LMACおよびZnの蒸発は減少される、というのが本発明者らの見解である。
【実施例】
【0032】
熱間成形には、通常、ボロン型鋼が使用される。下記の実験においては、鋼基材が22MnB5であり、この鋼は約720℃のAc1温度を有する。使用された22MnB5鋼は、以下の組成:
C=0.21重量%
Mn=1.17重量%
Si=0.18重量%
Cr=0.25重量%
Ti=0.033重量%
B=0.0026重量%
不可避不純物(Al、PおよびSを含む)
残部鉄
を有する。
【0033】
実験は、22MnB5鋼基材を片面当たり65g/mの被膜重量で合金化溶融亜鉛めっきして行った。被覆基材を加熱し、最高温度T1でt1秒間保持し、その後基材を室温に冷却した。
【表1】

【0034】
実験1〜3は、熱間成形温度で被膜中の液体亜鉛の量を有意に減らす被膜中のFe含有量をもたらすために、片面当たり65g/mの合金化溶融亜鉛めっきされた亜鉛層に対しては、比較的高い温度T1および比較的長い保持時間が選択されるべきことを示す。
【0035】
更なる実験において、片面当たり65g/mの被膜重量を有する合金化溶融亜鉛めっきされたブランクを、まず加熱し、最高温度T1でt1秒間保持し、その後室温に冷却する。これらのブランクをその後再加熱し、熱間成形温度T2で10秒間保持し、その後熱間成形して急冷する。
【表2】

【0036】
実験4〜6は、870℃の熱間成形温度に加熱され、次いで熱間プレスにおいて熱間成形された実験3のブランクは酸化亜鉛の証拠である白色粉末を示さず、しかも微小クラックも示さないことを示す。
【0037】
さらに、中間冷却工程を用いない実験を行なった。片面当たり65g/mの被膜重量を有する合金化溶融亜鉛めっきされたブランクを用いる。1つの実験においては、温度が一定にt1秒間保持される最高温度T1を使用せず、第2の実験においてはその温度を650℃で1000秒間一定に保持する。
【表3】

【0038】
実験7および8は、合金化溶融亜鉛めっきされたブランクを基材のAc1温度未満の温度に比較的長い時間保持して、白色粉末および微小クラックの形成を防ぐことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極めて高い機械的特性を有する被覆部品を熱間成形技術を用いて製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、300℃と該鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−前記被覆鋼を冷却する工程と、
5−工程1、2、3または4の後に前記鋼帯からブランクを切り取る工程と、
6−前記ブランクを、前記鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、
7−前記ブランクを部品に熱間成形する工程と、
8−前記熱間成形した部品を硬化させる工程と、
を含んでなる、方法。
【請求項2】
極めて高い機械的特性を有する被覆部品を熱間成形技術を用いて製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、300℃と該鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−工程1、2または3の後に前記鋼帯からブランクを切り取る工程と、
5−前記ブランクを、前記鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、
6−前記ブランクを部品に熱間成形する工程と、
7−前記熱間成形した部品を硬化させる工程と、
を含んでなる、方法。
【請求項3】
極めて高い機械的特性を有する被覆部品を熱間成形技術を用いて製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、300℃と該鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−前記被覆鋼を冷却する工程と、
5−工程1、2、3または4の後に前記鋼帯からブランクを切り取り、該ブランクを部品に成形する工程と、
6−前記部品を、前記鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、
7−前記部品を硬化させる工程と、
を含んでなる、方法。
【請求項4】
極めて高い機械的特性を有する被覆部品を熱間成形技術を用いて製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、300℃と該鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−工程1、2または3の後に前記鋼帯からブランクを切り取り、該ブランクを部品に成形する工程と、
5−前記部品を前記鋼のAc1温度を超える温度に加熱する工程と、
6−前記部品を硬化させる工程と、
を含んでなる、方法。
【請求項5】
前記被覆鋼が、工程3において440℃と前記鋼のAc1温度との間、好ましくは440℃〜800℃の間、の温度に加熱される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記被覆鋼が、440℃〜600℃の間、好ましくは460℃〜560℃の間、の温度に加熱される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記被覆鋼が、600℃〜700℃の間、好ましくは625℃〜675℃の間、の温度に加熱される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記被覆鋼が、700℃と前記Ac1温度との間、好ましくは700℃〜800℃の間、の温度に加熱される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記鋼が、重量百分率で、以下の組成:
0.15<C<0.5
0.5<Mn<3.0
0.1<Si<0.5
Cr<1.0
Ti<0.2
Al<0.1
P<0.1
S<0.05
0.0005<B<0.08
所望により、
Nb<0.1
V<0.1
不可避不純物
残部鉄
を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ブランクが、請求項2もしくは4の工程5において又は請求項1もしくは3の工程6において、前記鋼のAc1温度と1000℃との間の温度、好ましくは900℃〜1000℃の間の温度に加熱される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記鋼が、工程4において少なくとも50℃冷却され、好ましくは前記鋼が100℃未満の温度に冷却され、より好ましくは前記鋼が室温に冷却される、請求項1、3および5〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記被覆鋼に、工程2または4の後で追加の被覆層が設けられ、該追加の被覆層が腐食に対する保護を与える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
部品の熱間成形における使用のための被覆鋼帯を製造する方法であって、
1−鋼帯を用意する工程と、
2−前記鋼を亜鉛または亜鉛合金の層で被覆する工程と、
3−前記被覆鋼を、600℃と前記鋼のAc1温度との間の温度に加熱する工程と、
4−前記被覆鋼を冷却する工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
前記鋼帯が切断されて前記鋼帯からブランクが形成され、所望により、工程1、2、3または4の後に該ブランクから部品が形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項5、7、8、9、10、11および/または12の特徴が適用される、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
亜鉛または亜鉛合金の被膜を備え、前記被膜の外側層が3μmの深さにわたって、平均で5重量%を超えるFeを含む、被覆鋼帯、ブランクまたは部品。
【請求項17】
前記被膜の外側層が、3μmの深さにわたって、平均で、10重量%を超えるFeを、好ましくは20重量%を超えるFeを、より好ましくは30重量%を超えるFeを、さらに好ましくは40重量%を超えるFeを含む、請求項16に記載の被覆鋼帯、ブランクまたは部品。
【請求項18】
前記鋼が請求項9において特定された組成を有する、請求項16または17に記載の被覆鋼帯、ブランクまたは部品。
【請求項19】
前記被覆鋼に、腐食に対する保護を与える追加の被覆層が設けられた、請求項16、17または18のいずれか一項に記載の被覆鋼帯、ブランクまたは部品。
【請求項20】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法を行うことにより得られる部品。

【公表番号】特表2012−512747(P2012−512747A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541222(P2011−541222)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009128
【国際公開番号】WO2010/069588
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(500252006)タタ、スティール、アイモイデン、ベスローテン、フェンノートシャップ (16)
【氏名又は名称原語表記】TATA STEEL IJMUIDEN BV
【Fターム(参考)】