熱電対
化学蒸着リアクタ中で処理されている基材に隣接する位置で温度を測定するための熱電対を提供する。熱電対は、測定先端部を有するシースを含む。熱電対はまた、シース内に配置される支持管も含む。熱電対はさらに、支持管によって支持される第1および第2のワイヤも含む。第1および第2のワイヤは、異なる金属で形成される。接合点が第1および第2のワイヤの間に形成され、接合点は、支持管の遠位端部に隣接して位置する。バネが支持管の一部分の周囲に配置される。バネは、支持管にバネ力を及ぼして、測定先端部に対して接合点を付勢し、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するように、圧縮される。バネ力は、接合点の有意な変形を防止するのに十分小さく、ならびに、1つの熱電対から別の熱電対へのバネ力または接合点位置の変動を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサに関し、より具体的には、半導体処理装置における温度制御の精度を高めるように構成される温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
処理チャンバ内で、低温(700℃未満)または高温(700℃超)において、かつ大気圧または減圧で、1つまたは複数の基材表面上に種々の材料層を堆積させるために、半導体処理チャンバが使用される。シリコンウエハ等の、1つ以上の基材または工作物が、処理チャンバ内の工作物支持材上に配置される。基材および工作物支持材の両方は、所望の温度まで加熱される。典型的な処理ステップでは、反応性ガスが加熱された基材の上方に通され、それにより、化学蒸着(「CVD」)反応が基材表面上に反応性材料の薄層を堆積させる。後続の処理を通して、これらの層は、集積回路、ならびに、基材のサイズおよび回路の複雑性に応じて、数十〜数千または数百万もの集積デバイスにされる。
【0003】
結果として生じる堆積層の高品質を確保するように、種々の処理パラメータが慎重に制御されなければならない。1つのそのような重要パラメータは、各処理ステップ中の基材の温度である。CVD中に、例えば、堆積ガスが特定の温度で反応して、基材上に薄層を堆積させる。温度が基材の表面にわたって大きく変動する場合は、堆積層が不均等である可能性があり、それは、完成した基材の表面上の使用不可能な領域をもたらす場合がある。したがって、反応性ガスが処理チャンバに導入される前に、基材温度が安定しており、所望の温度で均一であることが重要である。
【0004】
同様に、他の熱処理中の基材にわたる温度の不均一性または不安定性は、基材の表面上の結果として生じる構造の均一性に影響を及ぼし得る。温度制御が重要となり得る他の処理は、酸化、窒化物形成、ドーパント拡散、スパッタ堆積、フォトリソグラフィ、乾式エッチング、プラズマ法、および高温アニールを含むが、それらに限定されない。
【0005】
処理されている基材の付近にあり、および直接隣接する種々の場所で、温度を測定するための方法およびシステムが公知である。典型的には、熱電対が処理されている基材の付近の種々の場所に配置され、これらの熱電対は、基材の表面全体にわたってより均一な温度を提供するのを支援するように、制御器に動作可能に接続される。例えば、Van Bilsenに発行された特許文献1は、基材の前縁付近に配置される熱電対、後縁付近の別の熱電対、および基材の中心より下の別の熱電対を含む、基材を囲む種々の点で温度を測定する、複数の温度センサを教示している。
【0006】
しばしば、その代表的温度として、基材の中心の温度または基材の中心付近の温度を測定するために、熱電対等の温度センサが使用される。熱電対は、典型的には、それを通って熱電対のリード線が延在する、細長いセラミック支持部材を含み、リード線の間の接合点は、支持部材の端部に隣接して形成される。支持部材および接合点は、典型的には水晶で形成される、保護シース内に配置され、それは、処理チャンバ内でヒートシンクの役割を果たすことなく、シースを通した接合点への有意な熱伝達を可能にする。接合点は、典型的には、シースの先端部の内面と連続的に接触している。接合点とシースの内面との間の接触を維持するために、典型的には、シースの先端部に向かって支持部材および接合点を付勢するために、バネが使用される。
【0007】
しかしながら、半導体処理中に熱電対が暴露される温度により、シースの内面との接合点の接触が、接合点ビーズを変形させる。順に、このビーズの変形が、熱電対の後続の温度測定の偏差を引き起こす。特定の場所における相対温度の一貫した測定に依存する堆積過程では、温度測定の偏差が、処理されている後続基材上の全体的な堆積の変化をもたらす。したがって、複数サイクルにわたって温度測定の偏差を有する熱電対は、同じ数のサイクルにわたって温度測定の偏差が少ししかないか、または全くない熱電対よりも、短い寿命を有する。したがって、複数の処理サイクルにわたって温度測定の低減した量の偏差を有する、熱電対が必要とされる。加えて、後に製造された熱電対間の温度測定の偏差の量が最小である、熱電対を形成するための過程が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,121,061号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
シースの測定先端部内でのワイヤの接合点の変形に起因する、温度測定の偏差の量を低減する、熱電対の必要性が存在する。本発明の一局面では、化学気相リアクタ用の温度制御システムが提供される。制御システムは、リアクタに放射熱を提供するための少なくとも1つの発熱体を含む。制御システムはさらに、リアクタ内で処理されている基材に隣接する位置で、温度測定を提供するための少なくとも1つの温度センサを含む。温度センサは、測定先端部を有する、垂直に配向されているシースと、シース内に配置される支持管と、支持管内に配置される第1のワイヤおよび第2のワイヤと、第1および第2のワイヤの間に形成される接合点とを含む。接合点は、支持管の遠位端部に隣接して位置する。第1および第2のワイヤは、異なる金属で形成される。バネが支持管の一部分の周囲に配置される。バネは、支持管にバネ力を及ぼして、測定先端部に対して接合点を付勢する。バネ力は、重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要である、最小量の力の8倍未満である。温度制御システムはさらに、発熱体および温度センサに動作可能に接続される温度制御器を含む。温度制御器は、各温度センサから温度測定を受信するように構成され、発熱体に提供される電力を制御する。
【0010】
本発明の別の局面では、化学蒸着リアクタ中で処理されている基材に隣接する位置で、温度を測定するための熱電対が提供される。熱電対は、測定先端部を有するシースを含む。シースは、リアクタ内で実質的に垂直に配向される。熱電対はまた、シース内に配置される支持管も含む。熱電対はさらに、支持管によって支持される第1のワイヤおよび第2のワイヤを含む。第1および第2のワイヤは、異なる金属で形成される。接合点が第1および第2のワイヤの間に形成され、接合点は、支持管の遠位端部に隣接して位置する。バネが支持管の一部分の周囲に配置される。バネは、バネ力を及ぼして、測定先端部に対して接合点を付勢し、バネ力は、重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要である、最小量の力の8倍未満である。
【0011】
本発明のさらに別の局面では、化学蒸着リアクタ中で処理されている基材に隣接する位置で、温度を測定するための熱電対が提供される。熱電対は、第1のワイヤと、第2のワイヤとを含む。第1および第2のワイヤは、異種金属で形成される。第1のワイヤの一部分を第2のワイヤの一部分と融合することによって、接合点が形成される。支持管が、第1の遠位端部と、対向する第2の遠位端部とを有し、接合点が、支持管の第1の遠位端部に隣接して位置する。熱電対はまた、支持管を受容するように構成されるシースと、接合点と、その中の第1および第2のワイヤの一部分とを含む。シースは、測定先端部を有する。バネが、支持管の外面とシースの内面との間に配置される。バネは、シースがリアクタ内で垂直に配向されると、測定先端部と接触させるように接合点を付勢する、バネ力を有し、バネ力は、接合点の有意な変形を引き起こすことなく、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持する。熱電対はさらに、第1および第2のワイヤに動作可能に接続されるプラグを含み、プラグは、それから接合点における温度測定が判定される、データを提供するように構成される。
【0012】
本発明の利点は、例証として示され、説明されている、本発明の実施形態の以下の説明から、当業者にとってより明白となるであろう。認識されるように、本発明は、他の実施形態および異なる実施形態が可能であり、その詳細は、種々の点で修正が可能である。したがって、図面および説明は、本来、制限的ではなく例証的として見なされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、化学蒸着リアクタの実施形態の断面図である。
【図2】図2は、基材支持機構の実施形態の断面拡大図である。
【図3】図3は、温度制御システムの実施形態の概略図である。
【図4】図4は、本発明の熱電対の実施形態である。
【図5】図5は、図4の熱電対の一部分の分解図である。
【図6】図6は、図4の熱電対の分割断面図である。
【図7】図7は、図4の熱電対の測定先端部の拡大図である。
【図8】図8は、図4の熱電対の一部分の拡大図である。
【図9】図9は、シースの実施形態である。
【図10】図10は、支持管の実施形態である。
【図11】図11は、図10の支持管の端面図である。
【図12】図12は、接合点および支持管の等角図である。
【図13】図13は、図4の熱電対の一部分の拡大図である。
【図14】図14は、組み立てられたキャップの拡大図である。
【図15】図15は、キャップの実施形態の断面図である。
【図16】図16は、図4の熱電対の一部分の断面図である。
【図17】図17は、図4の熱電対の一部分の断面図である。
【図18】図18は、図4の熱電対の一部分の断面図である。
【図19】図19は、例示的バネの側面図である。
【図20】図20は、図19のバネの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、化学蒸着(「CVD」)リアクタ10の例示的実施形態が示されている。図示した実施形態は単一基材、水平流、冷水壁リアクタであるが、本明細書で説明される熱電対技術は、他の種類の半導体処理リアクタ、ならびに正確な温度センサを必要とする他の用途で使用されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。リアクタ10は、反応空間14を画定する反応チャンバ12と、反応チャンバ12の対向側に位置する発熱体16と、基材支持機構18とを含む。反応チャンバ12は、反応性ガスが反応空間14に流入することを可能にするための入口20と、それを通って反応性ガスおよび過程副生成物が反応空間14から退出する出口22とを有する、細長い部材である。実施形態では、反応チャンバ12は、透明な水晶で形成される。反応チャンバ12は、その内側の堆積過程に対して実質的に非反応性であるのに十分な任意の他の材料で形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0015】
発熱体16は、図1に示されるように、上バンクおよび下バンクを形成する。発熱体16は、同じバンク内で隣接する発熱体16に対して離間して配向される。実施形態では、上バンクの発熱体16は、下バンクの発熱体16に対して実質的に垂直に配向される。発熱体16は、反応チャンバ12の壁による感知できる吸収なしで、反応チャンバ12に放射エネルギーを提供する。発熱体16は、処理されている基材24ならびに基材支持機構18の複数部分によって吸収される波長の放射熱を提供するように構成される。実施形態では、複数のスポットランプ26が、ウエハ支持機構18の裏面に集中熱を提供して、反応チャンバ12の底壁を通って上向きに延在する低温支持構造によって引き起こされる、ヒートシンク効果を打ち消す。
【0016】
基材支持機構18は、図1〜2に示されるように、その上に基材24が配置されてもよい基材ホルダ28と、支持部材30とを含む。支持部材30は、中心体34から延在する複数のアーム32を通して、基材ホルダ28に支持を提供する。支持部材30は、反応チャンバ12の下壁に従属する管38を通って下向きに延在する、シャフト36に接続される。モータ(図示せず)がシャフト36を回転させるように構成され、それにより、スパイダ30、基材ホルダ28、および基材24を堆積過程中に同様に回転させる。基材ホルダ28は、その中に形成される陥凹部分40を含む。陥凹部分40は、熱電対42の先端部を直接囲む基材ホルダ28の局部温度を測定するための温度センサまたは熱電対42を受容するように構成される。
【0017】
複数の温度センサが、図3に示されるように、基材24付近の種々の場所で温度を測定するために、基材24および基材ホルダ28に隣接して位置する。図示した実施形態では、温度センサは、基材ホルダ28に形成される止まり穴の内側に配置される中央温度センサ44と、前縁温度センサ46と、後縁温度センサ48と、少なくとも1つの側縁温度センサ50とを含む。前縁および後縁温度センサ46、48は、反応空間14内の反応性ガスの流れの方向Aに対して基材24の前方および公報の縁に隣接して位置する。温度センサは、温度センサの先端部を直接囲む局部の温度を測定するように構成される。
【0018】
図3に図示されるように、CVDリアクタ10用の温度制御システム52は、処理されている基材24に隣接して位置する、複数の温度センサ44、46、48、50を含む。温度センサ44、46、48、50は、基材に隣接する各場所における温度データを温度制御器54に提供するために、温度制御器54に動作可能に接続される。温度制御器54は、CVDリアクタ10内に位置する発熱体16(図1)およびスポットランプ26(図1)に動作可能に接続される。温度制御器54は、温度センサ44、46、48、50によって提供されるデータに応じて、発熱体16およびスポットランプ26から放出されるエネルギーの量を選択的に調整して、処理されている基材24の表面全体にわたって実質的に均一な温度分布を維持するように構成される。温度制御システム52は、温度制御器54にデータを提供するために、異なる場所に配置される任意の数の温度センサを含んでもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0019】
実施形態では、中央温度センサ44(図3)は、図1〜2および4〜11に示されるような熱電対42である。他の温度センサ46、48、50は、光高温計、熱電対、またはそれらの任意の組み合わせとして形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、図4〜8に示されるような熱電対42は、シース56と、支持管58と、第1の保持器60と、第1のワイヤ62と、第2のワイヤ64と、バネ66と、第2の保持器68と、プラグ70とを含む。図示した実施形態の熱電対42の本体は、実質的に線形である。別の実施形態では、熱電対42の本体は、非線形である。熱電対42は、熱電対の測定先端部が所望の場所に配置されることを確実にするのに十分である、任意の形状またはサイズで形成できることが、当業者によって理解されるべきである。熱電対42は、CVDリアクタ10内で実質的に垂直に配置されるように構成され、熱電対42の測定先端部72は、図1に示されるように、上向きに方向付けられ、基材ホルダ28の陥凹部分40内に位置する。別の実施形態では、熱電対42は、CVDリアクタ10内で実質的に垂直に配置されるように構成され、熱電対42の測定先端部72は、下向きに方向付けられる。別の実施形態では、熱電対42は、CVDリアクタ10内で実質的に水平に配置されるように構成され、測定先端部72は、反応チャンバ12内で処理されている基材の側縁に隣接して位置する。熱電対42は、任意の他の配向で使用できることが、当業者によって理解されるべきであるが、本明細書で提供される説明は、測定先端部72が上向きに方向付けられる、実質的に垂直に配向されている熱電対を対象とする。
【0020】
実施形態では、シース56は、図1〜2および9に示されるように、概して細長く、実質的に線形の部材である。シース56は、実質的に中空であり、略円形断面を有するが、シース56の断面は、その中に配置される支持管58の断面に対応してもよいことが、当業者によって理解されるべきである。測定先端部72は、シース56の第1の遠位端部を形成し、開口部74は、シース56の対向遠位端部で形成される。実施形態では、開口部74に隣接するシース56の直径は、測定先端部72に隣接するシース56の直径よりも大きい。シース56は、シース56の直径が変化する、測定先端部72と開口部74との間に位置する遷移部分76を有する。遷移部分76は、シース56の2つの異なる部分を提供し、各部分は異なる直径を有する。遷移部分76と測定先端部72との間に延在するシース56の第1の部分78は、遷移部分76と開口部74との間に延在するシース56の第2の部分80の直径よりも小さい直径を有する。第2の部分80は、支持管58を囲むが、それにもかかわらず、支持管58の外面とシース56の内面との間に付加的な間隙を提供して、バネ66がシース56の第2の部分80内で支持管58の外側の周辺に配置されることを可能にする。バネ66は、シース56の第2の部分80内のみに配置されるため、シース56の第1の部分78は、シース56の第1の部分78内で支持管58の有意な側向または半径方向運動を防止するように、より小さい直径を有する。代替実施形態では、シース56の直径は、開口部74と測定先端部72との間のシース56の全長に沿って実質的に同じである。
【0021】
実施形態では、シース56は水晶で形成される。別の実施形態では、シース56は炭化ケイ素で形成される。シース56は、温度の範囲ならびに熱電対42が受ける周期的温度および圧力変化に耐えることが可能な任意の材料で形成されるべきであることが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、シース56は、水晶で形成され、測定先端部72は、窒化ケイ素(SiN)またはシース56の寿命を延長させるようにそれに適用される任意の他の表面処理で被覆される。さらに別の実施形態では、周期環境と、シース56内に配置される支持管58内に位置するワイヤ62、64との間により良好な熱伝達を提供するように、炭化ケイ素(SiC)キャップ等のキャップ(図示せず)がシースの測定先端部72において適用される。
【0022】
実施形態では、熱電対42の支持管58は、図10に図示されるように、縦軸Bを有する、概して細長い円筒形部材である。熱電対42が非線形である別の実施形態では、支持管58は概して、支持管58が配置されるシース56と同じ形状として形成される。支持管58は、第1の遠位端部82と、対向する第2の遠位端部84とを含む。組み立てられると、支持管58の第1の遠位端部82は、シース56の測定先端部72に隣接し、支持管58の第2の遠位端部84は、シース56の開口部74に位置する。実施形態では、支持管58は、第1および第2の遠位端部82、84の間で支持管58の全長に沿って延在する、略円形断面を有する。支持管58の断面形状は、任意の形状として形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、支持管58はセラミックで形成される。支持管58は、周期的温度変動ならびに熱電対42が暴露される温度および圧力の範囲に耐えるのに十分な任意の材料で形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0023】
実施形態では、支持管58は、図7および11〜12に示されるように、第1の穴86と、第2の穴88とを含む。第1および第2の穴86、88は、支持管58を通して形成され、支持管58の縦軸Bに対して実質的に平行に、第1の遠位端部82と第2の遠位端部84との間でその全長に延在する。第1の穴86は、第1のワイヤ62を受容するように構成され、第2の穴88は、第2のワイヤ64を受容するように構成される。付加的なワイヤを受容するため、熱電対42を通した付加的な空気循環を可能にするため、またはそれらの任意の組み合わせのために、付加的な穴が支持管58の全長に沿って形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0024】
第1および第2のワイヤ62、64は、第1および第2の穴86、88の内側に配置され、支持管58の全長に延在し、第1および第2のワイヤ62、64はまた、図6および12に示されるように、支持管58の第1および第2の遠位端部82、84の両方を越えて延在する。実施形態では、支持管58の第1の遠位端部82を越えて延在する第1および第2のワイヤ62、64の部分は、図7および12に示されるように、接合点90を形成するように、支持管58の第1の遠位端部82に隣接して、動作可能に接続されるか、または融合される。第1および第2のワイヤ62、64の端部は、端部を共に融解させてビーズを形成することによって、相互に動作可能に有号される。支持管58の第1の遠位端部82を越えて延在する第1および第2のワイヤ62、64の端部は、第1および第2のワイヤ62、64がその間で電気接続を形成することを可能にする任意の他の方法で、融合または接続できることが、当業者によって理解されるべきである。支持管58の第2の遠位端部84における穴86、88から延在する、接合点90の反対側の第1および第2のワイヤ62、64の自由端部は、プラグ70(図4)に動作可能に接続される。第1および第2のワイヤ62、64は、その間で電気接続を形成するように、異種金属で形成される。実施形態では、第1のワイヤ62は、白金で形成され、第2のワイヤ64は、13%ロジウムを有する白金合金で形成される。第1および第2のワイヤ62、64は、その間で熱電対を形成するのに十分な任意の異種金属で形成できることが、当業者によって理解されるべきである。熱電対42が組み立てられると、図7に図示されるように、第1および第2のワイヤ62、64の接合点90は、シース56の測定先端部72に直接隣接して位置する。好ましい実施形態では、接合点90は、測定先端部72においてシース56の内面と接触している。別の実施形態では、接合点90は、測定先端部72においてシース56の内面から離間している。
【0025】
実施形態では、第1および第2のワイヤ62、64のそれぞれの直径は、約0.010インチである。別の実施形態では、第1および第2のワイヤ62、64のそれぞれの直径は、約0.014インチである。第1および第2のワイヤ62、64は、任意の直径で形成できることが、当業者によって理解されるべきである。第1および第2のワイヤ62、64の直径は、異なってもよいことが、当業者によって理解されるべきである。第1および第2の穴86、88は、それぞれ第1および第2のワイヤ62、64を受容するようにサイズ決定および成形される。第1および第2の穴86、88は、第1および第2のワイヤ62、64が、その内側で半径方向および軸方向に自由に熱膨張することが可能になるように、サイズ決定される。したがって、第1および第2の穴86、88は、対応するワイヤ62、64の断面積よりもわずかに大きい断面積を有する。
【0026】
図4および6に示されるように、第1の保持器60は、支持管58の第2の遠位端部84から離間した距離を置いて、支持管58の外面に動作可能に接続される。実施形態では、第1の保持器60は、支持管58とは別に形成され、後で支持管58に固定して取り付けられる。実施形態では、第1の保持器60は、Rulon(登録商標)で形成され、支持管58の外面に焼嵌めされ、それにより、支持管58に第1の保持器60を固定して取り付ける。第1の保持器60は、温度の範囲ならびに熱電対42が受ける周期的温度および圧力変化に耐えるのに十分な任意の材料で形成できることが、当業者によって理解されるべきである。別の実施形態では、支持管58および第1の保持器60は、単一部材として形成される。実施形態では、第1の保持器60は、シース56の内面に接触して、支持管58がシース56内で固定されることを確実にし、それにより、シース56内で支持管58の大幅な側向または半径方向運動を防止する。別の実施形態では、第1の保持器60は、シース56の内面から離間している。
【0027】
実施形態では、図5および8に示されるような第2の保持器68は、シース56の開口部74内に配置される。第2の保持器68は、リング92と、本体94と、リング92および本体94を通って縦方向に延在する開口96とを含む。第2の保持器68は、シース56の端部に隣接して配置され、開口96内で支持管58を受容するように構成される。実施形態では、第2の保持器68は、締まり嵌めまたは摩擦嵌合によって、シース56の開口部74内で固定され、本体94がシース56の中へ延在する一方で、リング92は、そこへの開口部74を直接囲むシース56の表面と噛合接触している。第2の保持器68は、摩擦嵌合、またはシース56との可撤性であるが実質的に固定された関係で第2の保持器68を維持するのに十分な任意の他の手段によって、シース56に固定されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。第2の保持器68を通る開口96の直径は、支持管58を受容するほど大きいが、それにもかかわらず、シース56に体する支持管58の有意な側向または半径方向運動を防止する一方で、支持管58が、シース56に対して開口78の内側で半径方向および軸方向に自由に熱膨張することを可能にする。
【0028】
図6および8を参照すると、バネ66は、第1の保持器60と第2の保持器68との間に延在する、支持管58の外面の周囲に位置する。バネ66の一方の端部は、第2の保持器68に接触し、バネ66の他方の端部は、第1の保持器60に接触する。第2の保持器68は、実質的固定位置にとどまり、第1の保持器60は、第2の保持器68に対して移動可能であり、バネ66は、シース56の測定先端部72に向かって、第1の保持器60、支持管58、および接合点90を付勢する。バネ66は、シース56の測定先端部72と接触した、または直接隣接した接合点90を維持するように構成される。接合点90が測定先端部72に接触することから離れて位置する距離が大きいほど、温度測定があまり正確ではなくなる。バネ66によって適用される付勢力は、測定先端部72において接合点90とシース56の内面との間の連続的な接触を維持するほどの大きさとなるべきである。
【0029】
図13〜14に示されるように、支持管58の第2の遠位端部84は、第2の保持器68を通り、シース56の開口部74を越えて延在する。キャップ100は、キャップ100が支持管58に対して回転できないように、実質的に固定して支持管58の第2の遠位端部84に動作可能に取り付けられる。実施形態では、キャップ100は、Delrin(登録商標)プラスチックで形成される。別の実施形態では、キャップ100は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成される。さらに別の実施形態では、キャップ100は、ポリエーテルイミド(PEI)で形成される。高温用途については、PEEKおよびPEIは、さらに優れた耐久性を提供する。キャップ100は、広い温度範囲に耐え、ならびにねじれ運動に抵抗するのに十分な任意の材料で形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、図15に図示されるように、キャップ100は、本体102と、第1の端部104と、第2の端部106とを有する、細長い1部品の円筒形部材である。別の実施形態では、キャップ100の本体102は、正方形の断面形状を有する。キャップ100の本体102は、任意の断面形状を有してもよいことが、当業者によって理解されるべきである。第1の端部104において、第1の穴108が本体102に形成される。第1の穴108は、本体102の縦の長さの少なくとも一部分を通って、第1の端部104から延在する。実施形態では、第1の穴108は円形である。第1の穴108は、支持管58の第2の遠位端部84を受容するように構成される。したがって、第1の穴108は、その中に受容される支持管58の外面と実質的に同じサイズおよび形状である。第2の穴110が、本体102の第2の端部106に形成される。実施形態では、第2の穴110は、キャップ100の縦の長さの少なくとも一部分を通って、第2の端部106から延在する。第2の穴110の断面形状は、円形、楕円形、正方形または第1および第2のワイヤ62、64を包むのに十分な任意の他の形状であってもよい。実施形態では、第2の穴110の断面形状は、第1の穴108と同じである。別の実施形態では、第2の穴110の断面形状は、第1の穴108とは異なる。
【0030】
実施形態では、第1および第2の穴110は、図15に示されるように、実質的に同じ距離で、それぞれ第1および第2の端部104、106から延在する。第1および第2の穴108、110の深さは同じであってもよく、第1の穴108は第2の穴110より長くてもよく、または第2の穴110は第1の穴108より長くてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、第1および第2の穴108、110のサイズおよび形状は、両方の穴が支持管58の第2の遠位端部84を受容し、それにより、第2の遠位端部84がいずれかの穴108、110の中に正しく受容されることを確実にしてもよいように、実質的に同じである。別の実施形態では、第1および第2の穴106、108のサイズおよび形状は、第1の穴108が支持管58の第2の遠位端部84を受容することが可能な唯一の穴となるように、異なる。
【0031】
図15に示されるように、第1および第2の穴108、110は、ウェブ112によって分離される。ウェブ112は、キャップ100の両方の穴108、110の基部を形成する。第1の穴108の基部におけるウェブ112の表面は、第2の遠位端部84がウェブ112の対応する表面と隣接する関係で配置されるように、支持管58の第2の遠位端部84の端面と実質的に同じ形状である。第1の開口114および第2の開口116が、ウェブ112を通して形成される。第1の開口114は、支持管58の第2の遠位端部84から延在する第1のワイヤ62を受容するように構成され、第2の開口116は、同様に支持管58の第2の遠位端部84から延在する第2のワイヤ64を受容するように構成される。第1および第2の開口114、116の直径は、ワイヤ62、64が熱膨張または収縮を受ける時に、ワイヤ62、64が第1および第2の開口114、116を通って摺動または平行移動することを可能にするように、その中で受容される、対応するワイヤ62、64の直径よりもわずかに大きい。実施形態では、第1および第2の開口114、116の直径は、約0.010インチである。別の実施形態では、第1および第2の開口114、116の直径は、約0.014インチである。実施形態では、第1の開口114の直径は、第2の開口116の直径と実質的に同じである。別の実施形態では、第1の開口114の直径は、第2の開口116の直径とは異なる。
【0032】
組立中に、第1および第2のワイヤ62、64が、図14に示されるように、支持管58の第2の遠位端部84から、略直線的にキャップ100のウェブ112を通って延在するように、第1および第2の開口114、116は、支持管58の穴86、88と整列される。ウェブ112の開口114、116を支持管58の穴86、88と整列させることによって、支持管58に対する非整列キャップ100に起因する潜在的な剪断応力を大いに低減または排除することができる。加えて、適正に整列したキャップ100も、ワイヤ62、64が離間したままであることを確実にし、それにより、ワイヤ62、64の潜在的な短絡を回避する。ワイヤ62、64が、支持管58の穴86、88を通り、かつキャップ100のウェブ112の開口114、116を通って延在する際に、ワイヤは、保護カバーなしで分離および露出されたままである。離間した穴および開口は、離間し、分離した関係で、ワイヤ62、64を安全に維持する。
【0033】
キャップ100の開口114、116を通って延在する第1および第2のワイヤ62、64は、図14に示されるように、ワイヤが相互に接触することをさらに防止するようにTeflon(登録商標)管118で覆われる。ワイヤ62、64のそれぞれは、管の端部がキャップ100の第2の穴110の内側に位置するように、管118に挿入される。実施形態では、ワイヤ62、64を覆う両方の管118の端部は、熱電対42が工具に設置される前に、ウェブ112と隣接した関係にある。管118は、キャップ100と、第1および第2のワイヤ62、64が取り付けられるプラグ70との間で、ワイヤ62、64のそれぞれを覆う。
【0034】
図16〜18は、熱電対42を組み立てるための例示的な組立過程を図示する。図16は、キャップ100の第1の穴108に挿入される支持管58を示し、図中、第1および第2のワイヤ62、64が実質的直線状に整列され、離間した関係のままであるように、キャップ100のウェブ112を通る第1および第2の開口114、116は、支持管58の穴86、88と整列される。キャップ100の第1および第2の開口114、116から延在する第1および第2のワイヤ62、64は、Teflon(登録商標)管118によって覆われる。第1および第2のワイヤ62、64は、キャップ100の第2の穴110から延在するループ120を形成するように適合される。実施形態では、ループ120の曲率半径は、約1mmから12mmである。別の実施形態では、ループ120の曲率半径は、約3mmから7mmである。さらなる実施形態では、ループ120の曲率半径は、約5mmである。
【0035】
図16はさらに、収縮スリーブ122がキャップ100の第1の端部104の周囲に配置され、支持管58の一部分がキャップ100の第1の遠位端部104に隣接して配置される、実施形態を図示する。収縮スリーブ122は、キャップ100のウェブ112の第1および第2の開口114、116との、支持管58の第1および第2の穴86、88の間の整列を維持するように適合される。収縮スリーブ122はまた、支持管58に対するキャップ100の回転を防止するようにも構成される。別の実施形態では、キャップ100は、指標付け戻り止め(図示せず)を含み、支持管58は、指標付け戻り止めに受容されて、支持管58に対してキャップ100を確実に位置付けるように、かつ支持管58に対するキャップ100の回転を防止するように適合される、指標付け突出(図示せず)を含む。収縮スリーブ122が接続された後、保護スリーブ124が、図17に示されるように、キャップ100および支持管58の周囲に配置される。図18は、保護スリーブ124にループ120の一部分を固定するように、バンド126が保護スリーブ124の周囲に動作可能に接続されることを図示する。バンド126は、ループ120の一部分を固定して、ループ120の所定の曲率半径を維持する。次いで、組み立てられた熱電対42は、温度センサを必要とする機械または工具に組み込まれる。
【0036】
図2に示されるように、熱電対42が垂直にCVDリアクタ10に設置され、測定先端部72が上向きに方向付けられると、測定先端部72は、基材ホルダ28の陥凹部分40内に配置される。熱電対42はまた、水平に整列されるか、または任意の他の配向で整列されてもよいことを理解されたい。測定先端部72と基材24に最も近い陥凹部分40の表面との間の距離は、熱電対42の温度測定の精度および一貫性に関して重要な距離である。要するに、熱電対42の接合点90と測定先端部72におけるシース56の内面との間の距離も同様に重要ということである。したがって、接合点90は、測定先端部72におけるシース56の内面と常に接触したままであることが好ましい。バネ66の付勢またはバネ力は、第1の保持器60に作用して、測定先端部72に向かって支持管58および接合点90を付勢する。測定先端部72が上向きに方向付けられるように、熱電対42が実質的に垂直に設置されると、重力が支持管58および接合点90を測定先端部72から分離させる傾向がある。したがって、バネ66のバネ力は、熱電対42が図2に図示されるように垂直に配向されると、重力を克服して接合点90と測定先端部72との間の連続的な接触を確保するのに十分でなければならない。
【0037】
熱電対42の寿命にわたって、熱電対42は、設置時の室温と、反応チャンバ12内のCVDまたは他の半導体製造過程中の約1200℃以上との間の温度の範囲にさらされる。加えて、熱電対42は、典型的には、多数の処理サイクルにわたって周期的温度変化を受ける。CVDリアクタ10内の温度の反復循環は、熱電対42の温度測定の精度の劣化または偏差につながり、それにより、熱電対42の故障につながる場合がある。バネが測定先端部に向かってワイヤの接合点を付勢する、従来技術の熱電対では、バネ力は、シースの測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要とされる最小力よりも複数倍大きかった。繰り返される高温周期サイクルの結果として、接合点は、測定先端部におけるシースの内面の輪郭に合うように変形する。熱電対42がCVDリアクタ10に設置されると、温度制御システム52は、新たに設置された熱電対42を使用して較正され、較正は、少なくとも部分的には、新たに設置された熱電対42に基づく。接合点が変形し、測定先端部の輪郭に一致するにつれて、さらなる熱がワイヤを通して接合点に伝導される。接合点とシースとの間の増加した接触は、熱電対によって測定される温度を上昇させ、反応空間内の温度を低下させる、発熱体への電力を減少させる温度制御システムをもたらす。接合点の変形により接合点に伝導されているさらなる熱に起因する、測定温度の変化は、システムが熱電対の未変形接合点に基づいて較正されると、全体的なCVD処理条件の変化を引き起こす。処理条件のそのような変化はまた、基材上への堆積率の変化ももたらす。
【0038】
その例示的実施形態が図4〜18に図示されている、本発明の熱電対42は、故障までのサイクルの増加、および測定先端部72における接合点90の変形の量の減少を含むがそれに限定されない、従来技術に比べた改良を提供し、それにより、測定温度の偏差の量を低減する。第1および第2の保持器60、68の間に延在するバネ66は、熱電対42の第1の保持器60に最小量のバネ力を提供し、測定先端部72に向かって接合点90を付勢して、接合点90と測定先端部72におけるシース56の内面との間に連続的な接触を提供する。支持管58に伝達される、第1の保持器60に適用されるバネ力は、接合点が測定先端部72におけるシース56の内面に接触すると、接合点90に対する応力およびひずみの量を低減するように最小限化される。バネ66のバネ力は、バネ定数、バネ長さ、およびバネが圧縮される距離の関数である。実施形態では、圧縮されていないバネ66の長さは、約2分の1〜9インチ(0.5〜9インチ)である。別の実施形態では、圧縮されていないバネ66の長さは、約1〜5インチ(1〜5インチ)である。別の実施形態では、圧縮されていないバネ66の長さは、約3と2分の1〜4と2分の1インチ(3.5〜4.5インチ)である。しかしながら、圧縮されていないバネは、接合点90とシース56の測定先端部72との間の連続的な接触を維持するために必要な最小量のバネ力を提供するのに十分である、任意の長さを有することができることが、当業者によって理解されるべきである。各連続熱電対42を製造する際に使用されるバネ66の長さの反復性は、バネ66が所定の距離で圧縮される時、特に、バネ66のバネ定数が各バネ66に対して実質的に同じままである時に、より反復可能なバネ力を提供することが、当業者によって理解されるべきである。
【0039】
実施形態では、バネ66は、図19〜20に示されるように、約0.125インチの外径124と、約0.105インチの内径126と、1インチあたり約0.08ポンド(lb/インチ)のバネ定数とを有する、つる巻きバネである。バネ66の内径126は、支持管58の外面の周囲に合うほど大きくサイズ決定され、バネ66の外径124は、シース56の第2の部分80内に合うほど小さくサイズ決定される。バネ66の内径および外径126、124は、熱電対42が組み立てられた時に、バネ66が支持管58の外面とシース56の内面との間に位置することが可能となるように、サイズ決定されるべきであることが、当業者によって理解されるべきである。別の実施形態では、バネ66のバネ定数は、1インチあたり約0.01〜6ポンド(lb/インチ)である。実施形態では、バネ66はステンレス鋼で形成される。別の実施形態では、バネ66はプラスチック材料で形成される。さらなる実施形態では、バネ66は、黄銅、チタン、クロムバナジウム、ベリリウム銅、リン青銅、または、バネ66の圧縮率の有意な減少なしで熱電対42が暴露される周期的温度に耐えるのに十分な任意の他の金属で形成される。
【0040】
測定先端部72が上向きに方向付けられるように垂直に整列される、熱電対42の実施形態では、バネ66によって支持される熱電対の部材の重量は、約5.62グラムから約5.57グラムである。実施形態では、バネ66は、1インチあたり約44.624グラム(g/インチ)、または1インチあたり約0.08ポンド(lb/インチ)のバネ率を有する。熱電対構成要素の許容公差を考慮すると、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要とされる力は、約3.45グラムである。100%安全域で、必要とされるバネ力は、約18.14グラムである。0.08lb/インチのバネ定数を有するバネ66により、第1および第2の保持器60、68は、0.5インチだけバネを圧縮するように距離を置いて離間される。測定先端部72と連続的に接触した接合点90を維持するために必要な最小量の力を提供するのに十分である、バネ定数および圧縮距離を有するバネ66は、接合点90の変形の量を最小限化し、それにより、実質的により大きいバネ力を有するバネに対する測定温度の偏差の量を低減する。上記で提供される重量、距離、およびバネ力は例示的にすぎないことが、当業者によって理解されるべきである。バネ定数および対応する圧縮距離は、異なるバネ構成の間で異なることが、当業者によって理解されるべきであるが、組み立てられた熱電対は、測定先端部におけるシースの内面と連続的に接触した接合点を維持して、測定温度偏差相対の量を低減するために必要な最小量のバネ力を提供する、バネ定数および圧縮距離を有する、バネを含むべきである。
【0041】
測定先端部72が上向きに方向付けられる、垂直に整列した熱電対42の実施形態では、バネ66は、第1の保持器60上にバネ力を提供し、それは、垂直に配向した熱電対42の構成要素に作用する重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要な最小量のバネ力(の9倍未満)である。別の実施形態では、バネ66は、垂直に配向した熱電対42の構成要素に作用する重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要な最小量のバネ力の約1〜8倍である、第1の保持器60に対するバネ力を提供する。さらに別の実施形態では、バネ66は、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要な最小量のバネ力の約2倍である、第1の保持器60に対するバネ力を提供する。実施形態では、バネ66は、約10グラム(10g)から約300グラム(300g)の間のバネ力を第1の保持器60に及ぼす。別の実施形態では、バネ66は、約20グラム(20g)から約100グラム(100g)の間のバネ力を支持管58に及ぼす。さらなる実施形態では、バネ66は、約18グラム(18g)から約20グラム(20g)の間のバネ力を支持管58に及ぼす。しかしながら、接合点90と測定先端部72との間の連続的な接触を確保するように熱電対が垂直に整列される時に、バネ力が適用される構成要素の相対重量に応じて、接合点とシースの測定先端部との間の連続的な接触を維持するために必要なバネ力が変動することが、当業者によって理解されるべきである。
【0042】
測定先端部72が下向きに方向付けられる、垂直に整列した熱電対42の実施形態では、バネ66は、付勢力を提供して、熱電対構成要素に対する重力効果に対向し、そうでなければ、強制的に接合点90をシース56の測定先端部72と接触させる。接合点90と測定先端部72との間の接触が所望されるものの、支持管58等の熱電対構成要素の重量は、接合点90上に力を提供してもよく、それが反応チャンバ12内の反復サイクル後に接合点90を変形させる。バネ66は、抵抗力を提供するように第1の保持器60に動作可能に接続され、それにより、測定先端部から離して接合点90を付勢する。バネ66によって第1の保持器60に適用されるバネ力は、接合点に適用される重力に対抗するのに十分である一方で、接合点90が変形されないように、接合点90とシース56の測定先端部72との間の連続的な接触を確保する。
【0043】
水平に整列した熱電対42の実施形態では、バネ66は、第1の保持器60に適用されるバネ力を提供して、シース56の測定先端部72と連続的に接触するように接合点90を付勢する。水平に整列した熱電対42におけるバネ66は、重力を克服または対抗するために付勢力を提供する必要がない一方で、バネ66は、最小バネ力を提供して接合点90を付勢し、接合点90を変形させることなく、シース56との連続的な接触を確保するように構成される。
【0044】
過剰な付勢力による、測定先端部72と接触するように付勢されている接合点90の有意な変形は、CVDリアクタの複数の処理サイクルにわたって、熱電対42の温度測定の片流を引き起こすため、バネ66のバネ力は、接合点90の変形の量を低減するように最小化され、それにより、熱電対42の温度測定の全体的偏差を低減するべきである。熱電対42が最初に設置および較正された時に確立された基準に対して、測定される温度の偏差が摂氏1度よりも大きい(>1℃)時に、接合点90の優位な変形が生じる。したがって、測定先端部72と連続的に接触するよう接合点90を付勢するように、バネによって適用されるバネ力は、接合点90の有意な変形を引き起こすべきではない。実施形態では、バネ66によって適用されるバネ力は、摂氏1度未満(<1℃)の熱電対42によって測定される温度の偏差をもたらす。別の実施形態では、バネ66によって適用されるバネ力は、摂氏2分の1度未満(<0.5℃)の熱電対42によって測定される温度の偏差をもたらす。さらなる実施形態では、バネ66によって適用されるバネ力は、摂氏約0度(0℃)から摂氏2分の1度(0.5℃)の間の熱電対42によって測定される温度の偏差を生じる。接合点90の変形は、測定先端部72と接触した接合点90を維持するように適用されるバネ力の量、リアクタ10の任意の数の処理サイクルを受けている熱電対、またはそれらの組み合わせに起因し得ることが、当業者によって理解されるべきである。
【0045】
本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明がそのように限定されず、本発明から逸脱することなく修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、文字通りに、または均等に、請求項の意義の範囲内となる、全てのデバイス、過程、および方法は、その中に包含されることを目的としている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサに関し、より具体的には、半導体処理装置における温度制御の精度を高めるように構成される温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
処理チャンバ内で、低温(700℃未満)または高温(700℃超)において、かつ大気圧または減圧で、1つまたは複数の基材表面上に種々の材料層を堆積させるために、半導体処理チャンバが使用される。シリコンウエハ等の、1つ以上の基材または工作物が、処理チャンバ内の工作物支持材上に配置される。基材および工作物支持材の両方は、所望の温度まで加熱される。典型的な処理ステップでは、反応性ガスが加熱された基材の上方に通され、それにより、化学蒸着(「CVD」)反応が基材表面上に反応性材料の薄層を堆積させる。後続の処理を通して、これらの層は、集積回路、ならびに、基材のサイズおよび回路の複雑性に応じて、数十〜数千または数百万もの集積デバイスにされる。
【0003】
結果として生じる堆積層の高品質を確保するように、種々の処理パラメータが慎重に制御されなければならない。1つのそのような重要パラメータは、各処理ステップ中の基材の温度である。CVD中に、例えば、堆積ガスが特定の温度で反応して、基材上に薄層を堆積させる。温度が基材の表面にわたって大きく変動する場合は、堆積層が不均等である可能性があり、それは、完成した基材の表面上の使用不可能な領域をもたらす場合がある。したがって、反応性ガスが処理チャンバに導入される前に、基材温度が安定しており、所望の温度で均一であることが重要である。
【0004】
同様に、他の熱処理中の基材にわたる温度の不均一性または不安定性は、基材の表面上の結果として生じる構造の均一性に影響を及ぼし得る。温度制御が重要となり得る他の処理は、酸化、窒化物形成、ドーパント拡散、スパッタ堆積、フォトリソグラフィ、乾式エッチング、プラズマ法、および高温アニールを含むが、それらに限定されない。
【0005】
処理されている基材の付近にあり、および直接隣接する種々の場所で、温度を測定するための方法およびシステムが公知である。典型的には、熱電対が処理されている基材の付近の種々の場所に配置され、これらの熱電対は、基材の表面全体にわたってより均一な温度を提供するのを支援するように、制御器に動作可能に接続される。例えば、Van Bilsenに発行された特許文献1は、基材の前縁付近に配置される熱電対、後縁付近の別の熱電対、および基材の中心より下の別の熱電対を含む、基材を囲む種々の点で温度を測定する、複数の温度センサを教示している。
【0006】
しばしば、その代表的温度として、基材の中心の温度または基材の中心付近の温度を測定するために、熱電対等の温度センサが使用される。熱電対は、典型的には、それを通って熱電対のリード線が延在する、細長いセラミック支持部材を含み、リード線の間の接合点は、支持部材の端部に隣接して形成される。支持部材および接合点は、典型的には水晶で形成される、保護シース内に配置され、それは、処理チャンバ内でヒートシンクの役割を果たすことなく、シースを通した接合点への有意な熱伝達を可能にする。接合点は、典型的には、シースの先端部の内面と連続的に接触している。接合点とシースの内面との間の接触を維持するために、典型的には、シースの先端部に向かって支持部材および接合点を付勢するために、バネが使用される。
【0007】
しかしながら、半導体処理中に熱電対が暴露される温度により、シースの内面との接合点の接触が、接合点ビーズを変形させる。順に、このビーズの変形が、熱電対の後続の温度測定の偏差を引き起こす。特定の場所における相対温度の一貫した測定に依存する堆積過程では、温度測定の偏差が、処理されている後続基材上の全体的な堆積の変化をもたらす。したがって、複数サイクルにわたって温度測定の偏差を有する熱電対は、同じ数のサイクルにわたって温度測定の偏差が少ししかないか、または全くない熱電対よりも、短い寿命を有する。したがって、複数の処理サイクルにわたって温度測定の低減した量の偏差を有する、熱電対が必要とされる。加えて、後に製造された熱電対間の温度測定の偏差の量が最小である、熱電対を形成するための過程が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,121,061号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
シースの測定先端部内でのワイヤの接合点の変形に起因する、温度測定の偏差の量を低減する、熱電対の必要性が存在する。本発明の一局面では、化学気相リアクタ用の温度制御システムが提供される。制御システムは、リアクタに放射熱を提供するための少なくとも1つの発熱体を含む。制御システムはさらに、リアクタ内で処理されている基材に隣接する位置で、温度測定を提供するための少なくとも1つの温度センサを含む。温度センサは、測定先端部を有する、垂直に配向されているシースと、シース内に配置される支持管と、支持管内に配置される第1のワイヤおよび第2のワイヤと、第1および第2のワイヤの間に形成される接合点とを含む。接合点は、支持管の遠位端部に隣接して位置する。第1および第2のワイヤは、異なる金属で形成される。バネが支持管の一部分の周囲に配置される。バネは、支持管にバネ力を及ぼして、測定先端部に対して接合点を付勢する。バネ力は、重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要である、最小量の力の8倍未満である。温度制御システムはさらに、発熱体および温度センサに動作可能に接続される温度制御器を含む。温度制御器は、各温度センサから温度測定を受信するように構成され、発熱体に提供される電力を制御する。
【0010】
本発明の別の局面では、化学蒸着リアクタ中で処理されている基材に隣接する位置で、温度を測定するための熱電対が提供される。熱電対は、測定先端部を有するシースを含む。シースは、リアクタ内で実質的に垂直に配向される。熱電対はまた、シース内に配置される支持管も含む。熱電対はさらに、支持管によって支持される第1のワイヤおよび第2のワイヤを含む。第1および第2のワイヤは、異なる金属で形成される。接合点が第1および第2のワイヤの間に形成され、接合点は、支持管の遠位端部に隣接して位置する。バネが支持管の一部分の周囲に配置される。バネは、バネ力を及ぼして、測定先端部に対して接合点を付勢し、バネ力は、重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要である、最小量の力の8倍未満である。
【0011】
本発明のさらに別の局面では、化学蒸着リアクタ中で処理されている基材に隣接する位置で、温度を測定するための熱電対が提供される。熱電対は、第1のワイヤと、第2のワイヤとを含む。第1および第2のワイヤは、異種金属で形成される。第1のワイヤの一部分を第2のワイヤの一部分と融合することによって、接合点が形成される。支持管が、第1の遠位端部と、対向する第2の遠位端部とを有し、接合点が、支持管の第1の遠位端部に隣接して位置する。熱電対はまた、支持管を受容するように構成されるシースと、接合点と、その中の第1および第2のワイヤの一部分とを含む。シースは、測定先端部を有する。バネが、支持管の外面とシースの内面との間に配置される。バネは、シースがリアクタ内で垂直に配向されると、測定先端部と接触させるように接合点を付勢する、バネ力を有し、バネ力は、接合点の有意な変形を引き起こすことなく、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持する。熱電対はさらに、第1および第2のワイヤに動作可能に接続されるプラグを含み、プラグは、それから接合点における温度測定が判定される、データを提供するように構成される。
【0012】
本発明の利点は、例証として示され、説明されている、本発明の実施形態の以下の説明から、当業者にとってより明白となるであろう。認識されるように、本発明は、他の実施形態および異なる実施形態が可能であり、その詳細は、種々の点で修正が可能である。したがって、図面および説明は、本来、制限的ではなく例証的として見なされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、化学蒸着リアクタの実施形態の断面図である。
【図2】図2は、基材支持機構の実施形態の断面拡大図である。
【図3】図3は、温度制御システムの実施形態の概略図である。
【図4】図4は、本発明の熱電対の実施形態である。
【図5】図5は、図4の熱電対の一部分の分解図である。
【図6】図6は、図4の熱電対の分割断面図である。
【図7】図7は、図4の熱電対の測定先端部の拡大図である。
【図8】図8は、図4の熱電対の一部分の拡大図である。
【図9】図9は、シースの実施形態である。
【図10】図10は、支持管の実施形態である。
【図11】図11は、図10の支持管の端面図である。
【図12】図12は、接合点および支持管の等角図である。
【図13】図13は、図4の熱電対の一部分の拡大図である。
【図14】図14は、組み立てられたキャップの拡大図である。
【図15】図15は、キャップの実施形態の断面図である。
【図16】図16は、図4の熱電対の一部分の断面図である。
【図17】図17は、図4の熱電対の一部分の断面図である。
【図18】図18は、図4の熱電対の一部分の断面図である。
【図19】図19は、例示的バネの側面図である。
【図20】図20は、図19のバネの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、化学蒸着(「CVD」)リアクタ10の例示的実施形態が示されている。図示した実施形態は単一基材、水平流、冷水壁リアクタであるが、本明細書で説明される熱電対技術は、他の種類の半導体処理リアクタ、ならびに正確な温度センサを必要とする他の用途で使用されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。リアクタ10は、反応空間14を画定する反応チャンバ12と、反応チャンバ12の対向側に位置する発熱体16と、基材支持機構18とを含む。反応チャンバ12は、反応性ガスが反応空間14に流入することを可能にするための入口20と、それを通って反応性ガスおよび過程副生成物が反応空間14から退出する出口22とを有する、細長い部材である。実施形態では、反応チャンバ12は、透明な水晶で形成される。反応チャンバ12は、その内側の堆積過程に対して実質的に非反応性であるのに十分な任意の他の材料で形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0015】
発熱体16は、図1に示されるように、上バンクおよび下バンクを形成する。発熱体16は、同じバンク内で隣接する発熱体16に対して離間して配向される。実施形態では、上バンクの発熱体16は、下バンクの発熱体16に対して実質的に垂直に配向される。発熱体16は、反応チャンバ12の壁による感知できる吸収なしで、反応チャンバ12に放射エネルギーを提供する。発熱体16は、処理されている基材24ならびに基材支持機構18の複数部分によって吸収される波長の放射熱を提供するように構成される。実施形態では、複数のスポットランプ26が、ウエハ支持機構18の裏面に集中熱を提供して、反応チャンバ12の底壁を通って上向きに延在する低温支持構造によって引き起こされる、ヒートシンク効果を打ち消す。
【0016】
基材支持機構18は、図1〜2に示されるように、その上に基材24が配置されてもよい基材ホルダ28と、支持部材30とを含む。支持部材30は、中心体34から延在する複数のアーム32を通して、基材ホルダ28に支持を提供する。支持部材30は、反応チャンバ12の下壁に従属する管38を通って下向きに延在する、シャフト36に接続される。モータ(図示せず)がシャフト36を回転させるように構成され、それにより、スパイダ30、基材ホルダ28、および基材24を堆積過程中に同様に回転させる。基材ホルダ28は、その中に形成される陥凹部分40を含む。陥凹部分40は、熱電対42の先端部を直接囲む基材ホルダ28の局部温度を測定するための温度センサまたは熱電対42を受容するように構成される。
【0017】
複数の温度センサが、図3に示されるように、基材24付近の種々の場所で温度を測定するために、基材24および基材ホルダ28に隣接して位置する。図示した実施形態では、温度センサは、基材ホルダ28に形成される止まり穴の内側に配置される中央温度センサ44と、前縁温度センサ46と、後縁温度センサ48と、少なくとも1つの側縁温度センサ50とを含む。前縁および後縁温度センサ46、48は、反応空間14内の反応性ガスの流れの方向Aに対して基材24の前方および公報の縁に隣接して位置する。温度センサは、温度センサの先端部を直接囲む局部の温度を測定するように構成される。
【0018】
図3に図示されるように、CVDリアクタ10用の温度制御システム52は、処理されている基材24に隣接して位置する、複数の温度センサ44、46、48、50を含む。温度センサ44、46、48、50は、基材に隣接する各場所における温度データを温度制御器54に提供するために、温度制御器54に動作可能に接続される。温度制御器54は、CVDリアクタ10内に位置する発熱体16(図1)およびスポットランプ26(図1)に動作可能に接続される。温度制御器54は、温度センサ44、46、48、50によって提供されるデータに応じて、発熱体16およびスポットランプ26から放出されるエネルギーの量を選択的に調整して、処理されている基材24の表面全体にわたって実質的に均一な温度分布を維持するように構成される。温度制御システム52は、温度制御器54にデータを提供するために、異なる場所に配置される任意の数の温度センサを含んでもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0019】
実施形態では、中央温度センサ44(図3)は、図1〜2および4〜11に示されるような熱電対42である。他の温度センサ46、48、50は、光高温計、熱電対、またはそれらの任意の組み合わせとして形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、図4〜8に示されるような熱電対42は、シース56と、支持管58と、第1の保持器60と、第1のワイヤ62と、第2のワイヤ64と、バネ66と、第2の保持器68と、プラグ70とを含む。図示した実施形態の熱電対42の本体は、実質的に線形である。別の実施形態では、熱電対42の本体は、非線形である。熱電対42は、熱電対の測定先端部が所望の場所に配置されることを確実にするのに十分である、任意の形状またはサイズで形成できることが、当業者によって理解されるべきである。熱電対42は、CVDリアクタ10内で実質的に垂直に配置されるように構成され、熱電対42の測定先端部72は、図1に示されるように、上向きに方向付けられ、基材ホルダ28の陥凹部分40内に位置する。別の実施形態では、熱電対42は、CVDリアクタ10内で実質的に垂直に配置されるように構成され、熱電対42の測定先端部72は、下向きに方向付けられる。別の実施形態では、熱電対42は、CVDリアクタ10内で実質的に水平に配置されるように構成され、測定先端部72は、反応チャンバ12内で処理されている基材の側縁に隣接して位置する。熱電対42は、任意の他の配向で使用できることが、当業者によって理解されるべきであるが、本明細書で提供される説明は、測定先端部72が上向きに方向付けられる、実質的に垂直に配向されている熱電対を対象とする。
【0020】
実施形態では、シース56は、図1〜2および9に示されるように、概して細長く、実質的に線形の部材である。シース56は、実質的に中空であり、略円形断面を有するが、シース56の断面は、その中に配置される支持管58の断面に対応してもよいことが、当業者によって理解されるべきである。測定先端部72は、シース56の第1の遠位端部を形成し、開口部74は、シース56の対向遠位端部で形成される。実施形態では、開口部74に隣接するシース56の直径は、測定先端部72に隣接するシース56の直径よりも大きい。シース56は、シース56の直径が変化する、測定先端部72と開口部74との間に位置する遷移部分76を有する。遷移部分76は、シース56の2つの異なる部分を提供し、各部分は異なる直径を有する。遷移部分76と測定先端部72との間に延在するシース56の第1の部分78は、遷移部分76と開口部74との間に延在するシース56の第2の部分80の直径よりも小さい直径を有する。第2の部分80は、支持管58を囲むが、それにもかかわらず、支持管58の外面とシース56の内面との間に付加的な間隙を提供して、バネ66がシース56の第2の部分80内で支持管58の外側の周辺に配置されることを可能にする。バネ66は、シース56の第2の部分80内のみに配置されるため、シース56の第1の部分78は、シース56の第1の部分78内で支持管58の有意な側向または半径方向運動を防止するように、より小さい直径を有する。代替実施形態では、シース56の直径は、開口部74と測定先端部72との間のシース56の全長に沿って実質的に同じである。
【0021】
実施形態では、シース56は水晶で形成される。別の実施形態では、シース56は炭化ケイ素で形成される。シース56は、温度の範囲ならびに熱電対42が受ける周期的温度および圧力変化に耐えることが可能な任意の材料で形成されるべきであることが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、シース56は、水晶で形成され、測定先端部72は、窒化ケイ素(SiN)またはシース56の寿命を延長させるようにそれに適用される任意の他の表面処理で被覆される。さらに別の実施形態では、周期環境と、シース56内に配置される支持管58内に位置するワイヤ62、64との間により良好な熱伝達を提供するように、炭化ケイ素(SiC)キャップ等のキャップ(図示せず)がシースの測定先端部72において適用される。
【0022】
実施形態では、熱電対42の支持管58は、図10に図示されるように、縦軸Bを有する、概して細長い円筒形部材である。熱電対42が非線形である別の実施形態では、支持管58は概して、支持管58が配置されるシース56と同じ形状として形成される。支持管58は、第1の遠位端部82と、対向する第2の遠位端部84とを含む。組み立てられると、支持管58の第1の遠位端部82は、シース56の測定先端部72に隣接し、支持管58の第2の遠位端部84は、シース56の開口部74に位置する。実施形態では、支持管58は、第1および第2の遠位端部82、84の間で支持管58の全長に沿って延在する、略円形断面を有する。支持管58の断面形状は、任意の形状として形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、支持管58はセラミックで形成される。支持管58は、周期的温度変動ならびに熱電対42が暴露される温度および圧力の範囲に耐えるのに十分な任意の材料で形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0023】
実施形態では、支持管58は、図7および11〜12に示されるように、第1の穴86と、第2の穴88とを含む。第1および第2の穴86、88は、支持管58を通して形成され、支持管58の縦軸Bに対して実質的に平行に、第1の遠位端部82と第2の遠位端部84との間でその全長に延在する。第1の穴86は、第1のワイヤ62を受容するように構成され、第2の穴88は、第2のワイヤ64を受容するように構成される。付加的なワイヤを受容するため、熱電対42を通した付加的な空気循環を可能にするため、またはそれらの任意の組み合わせのために、付加的な穴が支持管58の全長に沿って形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。
【0024】
第1および第2のワイヤ62、64は、第1および第2の穴86、88の内側に配置され、支持管58の全長に延在し、第1および第2のワイヤ62、64はまた、図6および12に示されるように、支持管58の第1および第2の遠位端部82、84の両方を越えて延在する。実施形態では、支持管58の第1の遠位端部82を越えて延在する第1および第2のワイヤ62、64の部分は、図7および12に示されるように、接合点90を形成するように、支持管58の第1の遠位端部82に隣接して、動作可能に接続されるか、または融合される。第1および第2のワイヤ62、64の端部は、端部を共に融解させてビーズを形成することによって、相互に動作可能に有号される。支持管58の第1の遠位端部82を越えて延在する第1および第2のワイヤ62、64の端部は、第1および第2のワイヤ62、64がその間で電気接続を形成することを可能にする任意の他の方法で、融合または接続できることが、当業者によって理解されるべきである。支持管58の第2の遠位端部84における穴86、88から延在する、接合点90の反対側の第1および第2のワイヤ62、64の自由端部は、プラグ70(図4)に動作可能に接続される。第1および第2のワイヤ62、64は、その間で電気接続を形成するように、異種金属で形成される。実施形態では、第1のワイヤ62は、白金で形成され、第2のワイヤ64は、13%ロジウムを有する白金合金で形成される。第1および第2のワイヤ62、64は、その間で熱電対を形成するのに十分な任意の異種金属で形成できることが、当業者によって理解されるべきである。熱電対42が組み立てられると、図7に図示されるように、第1および第2のワイヤ62、64の接合点90は、シース56の測定先端部72に直接隣接して位置する。好ましい実施形態では、接合点90は、測定先端部72においてシース56の内面と接触している。別の実施形態では、接合点90は、測定先端部72においてシース56の内面から離間している。
【0025】
実施形態では、第1および第2のワイヤ62、64のそれぞれの直径は、約0.010インチである。別の実施形態では、第1および第2のワイヤ62、64のそれぞれの直径は、約0.014インチである。第1および第2のワイヤ62、64は、任意の直径で形成できることが、当業者によって理解されるべきである。第1および第2のワイヤ62、64の直径は、異なってもよいことが、当業者によって理解されるべきである。第1および第2の穴86、88は、それぞれ第1および第2のワイヤ62、64を受容するようにサイズ決定および成形される。第1および第2の穴86、88は、第1および第2のワイヤ62、64が、その内側で半径方向および軸方向に自由に熱膨張することが可能になるように、サイズ決定される。したがって、第1および第2の穴86、88は、対応するワイヤ62、64の断面積よりもわずかに大きい断面積を有する。
【0026】
図4および6に示されるように、第1の保持器60は、支持管58の第2の遠位端部84から離間した距離を置いて、支持管58の外面に動作可能に接続される。実施形態では、第1の保持器60は、支持管58とは別に形成され、後で支持管58に固定して取り付けられる。実施形態では、第1の保持器60は、Rulon(登録商標)で形成され、支持管58の外面に焼嵌めされ、それにより、支持管58に第1の保持器60を固定して取り付ける。第1の保持器60は、温度の範囲ならびに熱電対42が受ける周期的温度および圧力変化に耐えるのに十分な任意の材料で形成できることが、当業者によって理解されるべきである。別の実施形態では、支持管58および第1の保持器60は、単一部材として形成される。実施形態では、第1の保持器60は、シース56の内面に接触して、支持管58がシース56内で固定されることを確実にし、それにより、シース56内で支持管58の大幅な側向または半径方向運動を防止する。別の実施形態では、第1の保持器60は、シース56の内面から離間している。
【0027】
実施形態では、図5および8に示されるような第2の保持器68は、シース56の開口部74内に配置される。第2の保持器68は、リング92と、本体94と、リング92および本体94を通って縦方向に延在する開口96とを含む。第2の保持器68は、シース56の端部に隣接して配置され、開口96内で支持管58を受容するように構成される。実施形態では、第2の保持器68は、締まり嵌めまたは摩擦嵌合によって、シース56の開口部74内で固定され、本体94がシース56の中へ延在する一方で、リング92は、そこへの開口部74を直接囲むシース56の表面と噛合接触している。第2の保持器68は、摩擦嵌合、またはシース56との可撤性であるが実質的に固定された関係で第2の保持器68を維持するのに十分な任意の他の手段によって、シース56に固定されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。第2の保持器68を通る開口96の直径は、支持管58を受容するほど大きいが、それにもかかわらず、シース56に体する支持管58の有意な側向または半径方向運動を防止する一方で、支持管58が、シース56に対して開口78の内側で半径方向および軸方向に自由に熱膨張することを可能にする。
【0028】
図6および8を参照すると、バネ66は、第1の保持器60と第2の保持器68との間に延在する、支持管58の外面の周囲に位置する。バネ66の一方の端部は、第2の保持器68に接触し、バネ66の他方の端部は、第1の保持器60に接触する。第2の保持器68は、実質的固定位置にとどまり、第1の保持器60は、第2の保持器68に対して移動可能であり、バネ66は、シース56の測定先端部72に向かって、第1の保持器60、支持管58、および接合点90を付勢する。バネ66は、シース56の測定先端部72と接触した、または直接隣接した接合点90を維持するように構成される。接合点90が測定先端部72に接触することから離れて位置する距離が大きいほど、温度測定があまり正確ではなくなる。バネ66によって適用される付勢力は、測定先端部72において接合点90とシース56の内面との間の連続的な接触を維持するほどの大きさとなるべきである。
【0029】
図13〜14に示されるように、支持管58の第2の遠位端部84は、第2の保持器68を通り、シース56の開口部74を越えて延在する。キャップ100は、キャップ100が支持管58に対して回転できないように、実質的に固定して支持管58の第2の遠位端部84に動作可能に取り付けられる。実施形態では、キャップ100は、Delrin(登録商標)プラスチックで形成される。別の実施形態では、キャップ100は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成される。さらに別の実施形態では、キャップ100は、ポリエーテルイミド(PEI)で形成される。高温用途については、PEEKおよびPEIは、さらに優れた耐久性を提供する。キャップ100は、広い温度範囲に耐え、ならびにねじれ運動に抵抗するのに十分な任意の材料で形成されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、図15に図示されるように、キャップ100は、本体102と、第1の端部104と、第2の端部106とを有する、細長い1部品の円筒形部材である。別の実施形態では、キャップ100の本体102は、正方形の断面形状を有する。キャップ100の本体102は、任意の断面形状を有してもよいことが、当業者によって理解されるべきである。第1の端部104において、第1の穴108が本体102に形成される。第1の穴108は、本体102の縦の長さの少なくとも一部分を通って、第1の端部104から延在する。実施形態では、第1の穴108は円形である。第1の穴108は、支持管58の第2の遠位端部84を受容するように構成される。したがって、第1の穴108は、その中に受容される支持管58の外面と実質的に同じサイズおよび形状である。第2の穴110が、本体102の第2の端部106に形成される。実施形態では、第2の穴110は、キャップ100の縦の長さの少なくとも一部分を通って、第2の端部106から延在する。第2の穴110の断面形状は、円形、楕円形、正方形または第1および第2のワイヤ62、64を包むのに十分な任意の他の形状であってもよい。実施形態では、第2の穴110の断面形状は、第1の穴108と同じである。別の実施形態では、第2の穴110の断面形状は、第1の穴108とは異なる。
【0030】
実施形態では、第1および第2の穴110は、図15に示されるように、実質的に同じ距離で、それぞれ第1および第2の端部104、106から延在する。第1および第2の穴108、110の深さは同じであってもよく、第1の穴108は第2の穴110より長くてもよく、または第2の穴110は第1の穴108より長くてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。実施形態では、第1および第2の穴108、110のサイズおよび形状は、両方の穴が支持管58の第2の遠位端部84を受容し、それにより、第2の遠位端部84がいずれかの穴108、110の中に正しく受容されることを確実にしてもよいように、実質的に同じである。別の実施形態では、第1および第2の穴106、108のサイズおよび形状は、第1の穴108が支持管58の第2の遠位端部84を受容することが可能な唯一の穴となるように、異なる。
【0031】
図15に示されるように、第1および第2の穴108、110は、ウェブ112によって分離される。ウェブ112は、キャップ100の両方の穴108、110の基部を形成する。第1の穴108の基部におけるウェブ112の表面は、第2の遠位端部84がウェブ112の対応する表面と隣接する関係で配置されるように、支持管58の第2の遠位端部84の端面と実質的に同じ形状である。第1の開口114および第2の開口116が、ウェブ112を通して形成される。第1の開口114は、支持管58の第2の遠位端部84から延在する第1のワイヤ62を受容するように構成され、第2の開口116は、同様に支持管58の第2の遠位端部84から延在する第2のワイヤ64を受容するように構成される。第1および第2の開口114、116の直径は、ワイヤ62、64が熱膨張または収縮を受ける時に、ワイヤ62、64が第1および第2の開口114、116を通って摺動または平行移動することを可能にするように、その中で受容される、対応するワイヤ62、64の直径よりもわずかに大きい。実施形態では、第1および第2の開口114、116の直径は、約0.010インチである。別の実施形態では、第1および第2の開口114、116の直径は、約0.014インチである。実施形態では、第1の開口114の直径は、第2の開口116の直径と実質的に同じである。別の実施形態では、第1の開口114の直径は、第2の開口116の直径とは異なる。
【0032】
組立中に、第1および第2のワイヤ62、64が、図14に示されるように、支持管58の第2の遠位端部84から、略直線的にキャップ100のウェブ112を通って延在するように、第1および第2の開口114、116は、支持管58の穴86、88と整列される。ウェブ112の開口114、116を支持管58の穴86、88と整列させることによって、支持管58に対する非整列キャップ100に起因する潜在的な剪断応力を大いに低減または排除することができる。加えて、適正に整列したキャップ100も、ワイヤ62、64が離間したままであることを確実にし、それにより、ワイヤ62、64の潜在的な短絡を回避する。ワイヤ62、64が、支持管58の穴86、88を通り、かつキャップ100のウェブ112の開口114、116を通って延在する際に、ワイヤは、保護カバーなしで分離および露出されたままである。離間した穴および開口は、離間し、分離した関係で、ワイヤ62、64を安全に維持する。
【0033】
キャップ100の開口114、116を通って延在する第1および第2のワイヤ62、64は、図14に示されるように、ワイヤが相互に接触することをさらに防止するようにTeflon(登録商標)管118で覆われる。ワイヤ62、64のそれぞれは、管の端部がキャップ100の第2の穴110の内側に位置するように、管118に挿入される。実施形態では、ワイヤ62、64を覆う両方の管118の端部は、熱電対42が工具に設置される前に、ウェブ112と隣接した関係にある。管118は、キャップ100と、第1および第2のワイヤ62、64が取り付けられるプラグ70との間で、ワイヤ62、64のそれぞれを覆う。
【0034】
図16〜18は、熱電対42を組み立てるための例示的な組立過程を図示する。図16は、キャップ100の第1の穴108に挿入される支持管58を示し、図中、第1および第2のワイヤ62、64が実質的直線状に整列され、離間した関係のままであるように、キャップ100のウェブ112を通る第1および第2の開口114、116は、支持管58の穴86、88と整列される。キャップ100の第1および第2の開口114、116から延在する第1および第2のワイヤ62、64は、Teflon(登録商標)管118によって覆われる。第1および第2のワイヤ62、64は、キャップ100の第2の穴110から延在するループ120を形成するように適合される。実施形態では、ループ120の曲率半径は、約1mmから12mmである。別の実施形態では、ループ120の曲率半径は、約3mmから7mmである。さらなる実施形態では、ループ120の曲率半径は、約5mmである。
【0035】
図16はさらに、収縮スリーブ122がキャップ100の第1の端部104の周囲に配置され、支持管58の一部分がキャップ100の第1の遠位端部104に隣接して配置される、実施形態を図示する。収縮スリーブ122は、キャップ100のウェブ112の第1および第2の開口114、116との、支持管58の第1および第2の穴86、88の間の整列を維持するように適合される。収縮スリーブ122はまた、支持管58に対するキャップ100の回転を防止するようにも構成される。別の実施形態では、キャップ100は、指標付け戻り止め(図示せず)を含み、支持管58は、指標付け戻り止めに受容されて、支持管58に対してキャップ100を確実に位置付けるように、かつ支持管58に対するキャップ100の回転を防止するように適合される、指標付け突出(図示せず)を含む。収縮スリーブ122が接続された後、保護スリーブ124が、図17に示されるように、キャップ100および支持管58の周囲に配置される。図18は、保護スリーブ124にループ120の一部分を固定するように、バンド126が保護スリーブ124の周囲に動作可能に接続されることを図示する。バンド126は、ループ120の一部分を固定して、ループ120の所定の曲率半径を維持する。次いで、組み立てられた熱電対42は、温度センサを必要とする機械または工具に組み込まれる。
【0036】
図2に示されるように、熱電対42が垂直にCVDリアクタ10に設置され、測定先端部72が上向きに方向付けられると、測定先端部72は、基材ホルダ28の陥凹部分40内に配置される。熱電対42はまた、水平に整列されるか、または任意の他の配向で整列されてもよいことを理解されたい。測定先端部72と基材24に最も近い陥凹部分40の表面との間の距離は、熱電対42の温度測定の精度および一貫性に関して重要な距離である。要するに、熱電対42の接合点90と測定先端部72におけるシース56の内面との間の距離も同様に重要ということである。したがって、接合点90は、測定先端部72におけるシース56の内面と常に接触したままであることが好ましい。バネ66の付勢またはバネ力は、第1の保持器60に作用して、測定先端部72に向かって支持管58および接合点90を付勢する。測定先端部72が上向きに方向付けられるように、熱電対42が実質的に垂直に設置されると、重力が支持管58および接合点90を測定先端部72から分離させる傾向がある。したがって、バネ66のバネ力は、熱電対42が図2に図示されるように垂直に配向されると、重力を克服して接合点90と測定先端部72との間の連続的な接触を確保するのに十分でなければならない。
【0037】
熱電対42の寿命にわたって、熱電対42は、設置時の室温と、反応チャンバ12内のCVDまたは他の半導体製造過程中の約1200℃以上との間の温度の範囲にさらされる。加えて、熱電対42は、典型的には、多数の処理サイクルにわたって周期的温度変化を受ける。CVDリアクタ10内の温度の反復循環は、熱電対42の温度測定の精度の劣化または偏差につながり、それにより、熱電対42の故障につながる場合がある。バネが測定先端部に向かってワイヤの接合点を付勢する、従来技術の熱電対では、バネ力は、シースの測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要とされる最小力よりも複数倍大きかった。繰り返される高温周期サイクルの結果として、接合点は、測定先端部におけるシースの内面の輪郭に合うように変形する。熱電対42がCVDリアクタ10に設置されると、温度制御システム52は、新たに設置された熱電対42を使用して較正され、較正は、少なくとも部分的には、新たに設置された熱電対42に基づく。接合点が変形し、測定先端部の輪郭に一致するにつれて、さらなる熱がワイヤを通して接合点に伝導される。接合点とシースとの間の増加した接触は、熱電対によって測定される温度を上昇させ、反応空間内の温度を低下させる、発熱体への電力を減少させる温度制御システムをもたらす。接合点の変形により接合点に伝導されているさらなる熱に起因する、測定温度の変化は、システムが熱電対の未変形接合点に基づいて較正されると、全体的なCVD処理条件の変化を引き起こす。処理条件のそのような変化はまた、基材上への堆積率の変化ももたらす。
【0038】
その例示的実施形態が図4〜18に図示されている、本発明の熱電対42は、故障までのサイクルの増加、および測定先端部72における接合点90の変形の量の減少を含むがそれに限定されない、従来技術に比べた改良を提供し、それにより、測定温度の偏差の量を低減する。第1および第2の保持器60、68の間に延在するバネ66は、熱電対42の第1の保持器60に最小量のバネ力を提供し、測定先端部72に向かって接合点90を付勢して、接合点90と測定先端部72におけるシース56の内面との間に連続的な接触を提供する。支持管58に伝達される、第1の保持器60に適用されるバネ力は、接合点が測定先端部72におけるシース56の内面に接触すると、接合点90に対する応力およびひずみの量を低減するように最小限化される。バネ66のバネ力は、バネ定数、バネ長さ、およびバネが圧縮される距離の関数である。実施形態では、圧縮されていないバネ66の長さは、約2分の1〜9インチ(0.5〜9インチ)である。別の実施形態では、圧縮されていないバネ66の長さは、約1〜5インチ(1〜5インチ)である。別の実施形態では、圧縮されていないバネ66の長さは、約3と2分の1〜4と2分の1インチ(3.5〜4.5インチ)である。しかしながら、圧縮されていないバネは、接合点90とシース56の測定先端部72との間の連続的な接触を維持するために必要な最小量のバネ力を提供するのに十分である、任意の長さを有することができることが、当業者によって理解されるべきである。各連続熱電対42を製造する際に使用されるバネ66の長さの反復性は、バネ66が所定の距離で圧縮される時、特に、バネ66のバネ定数が各バネ66に対して実質的に同じままである時に、より反復可能なバネ力を提供することが、当業者によって理解されるべきである。
【0039】
実施形態では、バネ66は、図19〜20に示されるように、約0.125インチの外径124と、約0.105インチの内径126と、1インチあたり約0.08ポンド(lb/インチ)のバネ定数とを有する、つる巻きバネである。バネ66の内径126は、支持管58の外面の周囲に合うほど大きくサイズ決定され、バネ66の外径124は、シース56の第2の部分80内に合うほど小さくサイズ決定される。バネ66の内径および外径126、124は、熱電対42が組み立てられた時に、バネ66が支持管58の外面とシース56の内面との間に位置することが可能となるように、サイズ決定されるべきであることが、当業者によって理解されるべきである。別の実施形態では、バネ66のバネ定数は、1インチあたり約0.01〜6ポンド(lb/インチ)である。実施形態では、バネ66はステンレス鋼で形成される。別の実施形態では、バネ66はプラスチック材料で形成される。さらなる実施形態では、バネ66は、黄銅、チタン、クロムバナジウム、ベリリウム銅、リン青銅、または、バネ66の圧縮率の有意な減少なしで熱電対42が暴露される周期的温度に耐えるのに十分な任意の他の金属で形成される。
【0040】
測定先端部72が上向きに方向付けられるように垂直に整列される、熱電対42の実施形態では、バネ66によって支持される熱電対の部材の重量は、約5.62グラムから約5.57グラムである。実施形態では、バネ66は、1インチあたり約44.624グラム(g/インチ)、または1インチあたり約0.08ポンド(lb/インチ)のバネ率を有する。熱電対構成要素の許容公差を考慮すると、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要とされる力は、約3.45グラムである。100%安全域で、必要とされるバネ力は、約18.14グラムである。0.08lb/インチのバネ定数を有するバネ66により、第1および第2の保持器60、68は、0.5インチだけバネを圧縮するように距離を置いて離間される。測定先端部72と連続的に接触した接合点90を維持するために必要な最小量の力を提供するのに十分である、バネ定数および圧縮距離を有するバネ66は、接合点90の変形の量を最小限化し、それにより、実質的により大きいバネ力を有するバネに対する測定温度の偏差の量を低減する。上記で提供される重量、距離、およびバネ力は例示的にすぎないことが、当業者によって理解されるべきである。バネ定数および対応する圧縮距離は、異なるバネ構成の間で異なることが、当業者によって理解されるべきであるが、組み立てられた熱電対は、測定先端部におけるシースの内面と連続的に接触した接合点を維持して、測定温度偏差相対の量を低減するために必要な最小量のバネ力を提供する、バネ定数および圧縮距離を有する、バネを含むべきである。
【0041】
測定先端部72が上向きに方向付けられる、垂直に整列した熱電対42の実施形態では、バネ66は、第1の保持器60上にバネ力を提供し、それは、垂直に配向した熱電対42の構成要素に作用する重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要な最小量のバネ力(の9倍未満)である。別の実施形態では、バネ66は、垂直に配向した熱電対42の構成要素に作用する重力を克服して、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要な最小量のバネ力の約1〜8倍である、第1の保持器60に対するバネ力を提供する。さらに別の実施形態では、バネ66は、測定先端部と連続的に接触した接合点を維持するために必要な最小量のバネ力の約2倍である、第1の保持器60に対するバネ力を提供する。実施形態では、バネ66は、約10グラム(10g)から約300グラム(300g)の間のバネ力を第1の保持器60に及ぼす。別の実施形態では、バネ66は、約20グラム(20g)から約100グラム(100g)の間のバネ力を支持管58に及ぼす。さらなる実施形態では、バネ66は、約18グラム(18g)から約20グラム(20g)の間のバネ力を支持管58に及ぼす。しかしながら、接合点90と測定先端部72との間の連続的な接触を確保するように熱電対が垂直に整列される時に、バネ力が適用される構成要素の相対重量に応じて、接合点とシースの測定先端部との間の連続的な接触を維持するために必要なバネ力が変動することが、当業者によって理解されるべきである。
【0042】
測定先端部72が下向きに方向付けられる、垂直に整列した熱電対42の実施形態では、バネ66は、付勢力を提供して、熱電対構成要素に対する重力効果に対向し、そうでなければ、強制的に接合点90をシース56の測定先端部72と接触させる。接合点90と測定先端部72との間の接触が所望されるものの、支持管58等の熱電対構成要素の重量は、接合点90上に力を提供してもよく、それが反応チャンバ12内の反復サイクル後に接合点90を変形させる。バネ66は、抵抗力を提供するように第1の保持器60に動作可能に接続され、それにより、測定先端部から離して接合点90を付勢する。バネ66によって第1の保持器60に適用されるバネ力は、接合点に適用される重力に対抗するのに十分である一方で、接合点90が変形されないように、接合点90とシース56の測定先端部72との間の連続的な接触を確保する。
【0043】
水平に整列した熱電対42の実施形態では、バネ66は、第1の保持器60に適用されるバネ力を提供して、シース56の測定先端部72と連続的に接触するように接合点90を付勢する。水平に整列した熱電対42におけるバネ66は、重力を克服または対抗するために付勢力を提供する必要がない一方で、バネ66は、最小バネ力を提供して接合点90を付勢し、接合点90を変形させることなく、シース56との連続的な接触を確保するように構成される。
【0044】
過剰な付勢力による、測定先端部72と接触するように付勢されている接合点90の有意な変形は、CVDリアクタの複数の処理サイクルにわたって、熱電対42の温度測定の片流を引き起こすため、バネ66のバネ力は、接合点90の変形の量を低減するように最小化され、それにより、熱電対42の温度測定の全体的偏差を低減するべきである。熱電対42が最初に設置および較正された時に確立された基準に対して、測定される温度の偏差が摂氏1度よりも大きい(>1℃)時に、接合点90の優位な変形が生じる。したがって、測定先端部72と連続的に接触するよう接合点90を付勢するように、バネによって適用されるバネ力は、接合点90の有意な変形を引き起こすべきではない。実施形態では、バネ66によって適用されるバネ力は、摂氏1度未満(<1℃)の熱電対42によって測定される温度の偏差をもたらす。別の実施形態では、バネ66によって適用されるバネ力は、摂氏2分の1度未満(<0.5℃)の熱電対42によって測定される温度の偏差をもたらす。さらなる実施形態では、バネ66によって適用されるバネ力は、摂氏約0度(0℃)から摂氏2分の1度(0.5℃)の間の熱電対42によって測定される温度の偏差を生じる。接合点90の変形は、測定先端部72と接触した接合点90を維持するように適用されるバネ力の量、リアクタ10の任意の数の処理サイクルを受けている熱電対、またはそれらの組み合わせに起因し得ることが、当業者によって理解されるべきである。
【0045】
本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明がそのように限定されず、本発明から逸脱することなく修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、文字通りに、または均等に、請求項の意義の範囲内となる、全てのデバイス、過程、および方法は、その中に包含されることを目的としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学蒸着リアクタ内の温度を制御するための温度制御システムであって、
少なくとも1つの発熱体と、
該リアクタ内の温度測定を提供するための少なくとも1つの温度センサであって、該温度センサは、
測定先端部を有するシースと、
少なくとも部分的に該シース内に配置される支持管と、
該支持管内に配置される第1のワイヤおよび第2のワイヤであって、該第1のワイヤおよび該第2のワイヤは、異なる金属で形成される、第1のワイヤおよび第2のワイヤと、
該第1のワイヤおよび該第2のワイヤの両方の端部の間に形成される接合点であって、該接合点は、該支持管の遠位端部に隣接して位置する、接合点と、
該支持管の一部分の周囲に配置されるバネであって、該バネは、該支持管に最小バネ力を及ぼして、該測定先端部と接触させるように該接合点を付勢し、該接合点の変形を引き起こすことなく、該接合点と該測定先端部との間の連続的な接触を提供する、バネと
を備えている、温度センサと、
該リアクタ内の該温度を制御するように、該少なくとも1つの発熱体および該少なくとも1つの温度センサに動作可能に接続される、温度制御器と
を備えている、温度制御システム。
【請求項2】
前記バネ力は、前記測定先端部と連続的に接触する前記接合点を維持するために必要な前記最小量の力の1倍〜5倍である、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項3】
前記バネ力は、前記測定先端部と連続的に接触する前記接合点を維持するために必要な前記最小量の力の1倍〜2倍である、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項4】
前記バネ力は、前記接合点と前記測定先端部との間の連続的な接触を提供しながら、該測定先端部から離れるように該接合点を付勢する抵抗力である、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記リアクタ内で水平に整列している、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記測定先端部が上向きに方向付けられるように、垂直に整列している、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記測定先端部が下向きに方向付けられるように、垂直に整列している、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項8】
化学蒸着リアクタ内の温度を測定するための熱電対であって、該熱電対は、
測定先端部を有するシースであって、該シースは、該リアクタ内で実質的に垂直に配向されている、シースと、
該シース内に配置される支持管と、
該支持管によって支持される第1のワイヤおよび第2のワイヤであって、該第1のワイヤおよび該第2のワイヤは、異なる金属で形成される、第1のワイヤおよび第2のワイヤと、
該第1のワイヤと該第2のワイヤとの間に形成される接合点であって、該支持管の遠位端部に隣接して位置する接合点と、
該支持管の一部分の周囲に配置されるバネであって、該バネは、バネ力を及ぼして、該測定先端部に対して該接合点を付勢するように圧縮され、該バネ力は、重力を克服して、該接合点の変形を引き起こすことなく、該測定先端部と連続的に接触した該接合点を維持するために必要である、少なくとも最小量の力である、バネと
を備えている、熱電対。
【請求項9】
前記バネは、ステンレス鋼で形成される、請求項8に記載の熱電対。
【請求項10】
前記バネによって適用される前記バネ力は、約10グラム(10g)から約300グラム(300g)の間である、請求項8に記載の熱電対。
【請求項11】
前記バネによって適用される前記バネ力は、約18グラム(18g)から約20グラム(20g)の間である、請求項8に記載の熱電対。
【請求項12】
前記バネは、1インチあたり約0.1ポンド(0.1lb/インチ)から1インチあたり約6ポンド(6lb/インチ)の間のバネ定数を有する、請求項8に記載の熱電対。
【請求項13】
前記バネは、1インチあたり約0.08ポンド(0.08lb/インチ)のバネ定数を有する、請求項8に記載の熱電対。
【請求項14】
化学蒸着リアクタ内の温度を測定するための熱電対であって、該熱電対は、
第1のワイヤおよび第2のワイヤであって、該第1のワイヤおよび該第2のワイヤは、異なる金属で形成される、第1のワイヤおよび第2のワイヤと、
該第1のワイヤの一部分を該第2のワイヤの一部分と融合することによって形成される接合点と、
第1の遠位端部と、対向する第2の遠位端部とを有する、支持管であって、該接合点は、該支持管の該第1の遠位端部に隣接して位置する、支持管と、
該支持管の一部分を囲むように構成されるシースであって、測定先端部を有する、シースと、
該支持管の外面と該シースの内面との間に配置されるバネであって、バネ定数を有し、該支持管にバネ力を適用する、バネと
を備え、該バネ定数は、該接合点の変形を引き起こすことなく、該測定先端部と連続的に接触した該接合点を維持するように該支持管に適用されている最小バネ力をもたらす最小バネ定数である、熱電対。
【請求項15】
前記バネ定数は、約0.8lb/インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項16】
前記バネ定数は、0.1lb/インチ〜6lb/インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項17】
前記バネの前記長さは、約0.5インチ〜9インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項18】
前記バネの前記長さは、約1〜5インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項1】
化学蒸着リアクタ内の温度を制御するための温度制御システムであって、
少なくとも1つの発熱体と、
該リアクタ内の温度測定を提供するための少なくとも1つの温度センサであって、該温度センサは、
測定先端部を有するシースと、
少なくとも部分的に該シース内に配置される支持管と、
該支持管内に配置される第1のワイヤおよび第2のワイヤであって、該第1のワイヤおよび該第2のワイヤは、異なる金属で形成される、第1のワイヤおよび第2のワイヤと、
該第1のワイヤおよび該第2のワイヤの両方の端部の間に形成される接合点であって、該接合点は、該支持管の遠位端部に隣接して位置する、接合点と、
該支持管の一部分の周囲に配置されるバネであって、該バネは、該支持管に最小バネ力を及ぼして、該測定先端部と接触させるように該接合点を付勢し、該接合点の変形を引き起こすことなく、該接合点と該測定先端部との間の連続的な接触を提供する、バネと
を備えている、温度センサと、
該リアクタ内の該温度を制御するように、該少なくとも1つの発熱体および該少なくとも1つの温度センサに動作可能に接続される、温度制御器と
を備えている、温度制御システム。
【請求項2】
前記バネ力は、前記測定先端部と連続的に接触する前記接合点を維持するために必要な前記最小量の力の1倍〜5倍である、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項3】
前記バネ力は、前記測定先端部と連続的に接触する前記接合点を維持するために必要な前記最小量の力の1倍〜2倍である、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項4】
前記バネ力は、前記接合点と前記測定先端部との間の連続的な接触を提供しながら、該測定先端部から離れるように該接合点を付勢する抵抗力である、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記リアクタ内で水平に整列している、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記測定先端部が上向きに方向付けられるように、垂直に整列している、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの温度センサは、前記測定先端部が下向きに方向付けられるように、垂直に整列している、請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項8】
化学蒸着リアクタ内の温度を測定するための熱電対であって、該熱電対は、
測定先端部を有するシースであって、該シースは、該リアクタ内で実質的に垂直に配向されている、シースと、
該シース内に配置される支持管と、
該支持管によって支持される第1のワイヤおよび第2のワイヤであって、該第1のワイヤおよび該第2のワイヤは、異なる金属で形成される、第1のワイヤおよび第2のワイヤと、
該第1のワイヤと該第2のワイヤとの間に形成される接合点であって、該支持管の遠位端部に隣接して位置する接合点と、
該支持管の一部分の周囲に配置されるバネであって、該バネは、バネ力を及ぼして、該測定先端部に対して該接合点を付勢するように圧縮され、該バネ力は、重力を克服して、該接合点の変形を引き起こすことなく、該測定先端部と連続的に接触した該接合点を維持するために必要である、少なくとも最小量の力である、バネと
を備えている、熱電対。
【請求項9】
前記バネは、ステンレス鋼で形成される、請求項8に記載の熱電対。
【請求項10】
前記バネによって適用される前記バネ力は、約10グラム(10g)から約300グラム(300g)の間である、請求項8に記載の熱電対。
【請求項11】
前記バネによって適用される前記バネ力は、約18グラム(18g)から約20グラム(20g)の間である、請求項8に記載の熱電対。
【請求項12】
前記バネは、1インチあたり約0.1ポンド(0.1lb/インチ)から1インチあたり約6ポンド(6lb/インチ)の間のバネ定数を有する、請求項8に記載の熱電対。
【請求項13】
前記バネは、1インチあたり約0.08ポンド(0.08lb/インチ)のバネ定数を有する、請求項8に記載の熱電対。
【請求項14】
化学蒸着リアクタ内の温度を測定するための熱電対であって、該熱電対は、
第1のワイヤおよび第2のワイヤであって、該第1のワイヤおよび該第2のワイヤは、異なる金属で形成される、第1のワイヤおよび第2のワイヤと、
該第1のワイヤの一部分を該第2のワイヤの一部分と融合することによって形成される接合点と、
第1の遠位端部と、対向する第2の遠位端部とを有する、支持管であって、該接合点は、該支持管の該第1の遠位端部に隣接して位置する、支持管と、
該支持管の一部分を囲むように構成されるシースであって、測定先端部を有する、シースと、
該支持管の外面と該シースの内面との間に配置されるバネであって、バネ定数を有し、該支持管にバネ力を適用する、バネと
を備え、該バネ定数は、該接合点の変形を引き起こすことなく、該測定先端部と連続的に接触した該接合点を維持するように該支持管に適用されている最小バネ力をもたらす最小バネ定数である、熱電対。
【請求項15】
前記バネ定数は、約0.8lb/インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項16】
前記バネ定数は、0.1lb/インチ〜6lb/インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項17】
前記バネの前記長さは、約0.5インチ〜9インチである、請求項14に記載の熱電対。
【請求項18】
前記バネの前記長さは、約1〜5インチである、請求項14に記載の熱電対。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2010−537202(P2010−537202A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522075(P2010−522075)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/074063
【国際公開番号】WO2009/029532
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500019890)エーエスエム アメリカ インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/074063
【国際公開番号】WO2009/029532
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500019890)エーエスエム アメリカ インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】
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