説明

熱音響機関

【課題】熱源から導かれた熱を有効に回収することができる熱音響機関を提供する。
【解決手段】熱音響機関10は、第1高温側熱交換器32に熱が導かれ、かつ第1低温側熱交換器33に冷却水が導かれることにより、発振体12が発振するとともに冷却水を熱で温水に加熱する。そして、加熱された温水が第2高温側熱交換器36に導かれるとともに第2低温側熱交換器37が冷却される。この状態で、発振した発振体12の振動が蓄熱体14に伝播されることにより第2高温側熱交換器36に導かれた温水が加熱される。この熱音響機関10は、第1低温側熱交換器33に冷却水を導く冷却水通路15を備え、冷却水通路15に冷却水の流量を調整する流量調整手段16を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1スタックに熱(排熱)を伝えることにより第1スタックを発振させ、第1スタックの振動をループ管内の気体を介して第2スタックに伝播して第2スタックを加熱する熱音響機関に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源の熱(排熱)を回収する装置として熱音響機関が知られている。この熱音響機関は、気体を封入した配管(ループ管)にスタックや蓄熱体が設けられている。
さらに、スタックの両端に高温側熱交換器および低温側熱交換器が設けられ、蓄熱体の両端に高温側熱交換器および低温側熱交換器が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この熱音響機関で熱源の熱を回収する際には、スタックに設けた高温側熱交換器を熱源の熱(排熱)で加熱するとともに、スタックに設けた低温側熱交換器を冷却し、蓄熱体の低温側熱交換器を冷却する。
スタックの高温側熱交換器を加熱するとともに低温側熱交換器を冷却することによりスタックに自励的に振動が発生する。
【0004】
スタックに発生した自励的な振動がループ管内の気体を介して蓄熱体側に伝播される。
ここで、蓄熱体の低温側熱交換器が冷却されている。これにより、スタックに発生した自励的な発振が蓄熱体側に伝播されることで高温側熱交換器を加熱して熱源の熱を回収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−88378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、熱音響機関に伝える熱源の熱(排熱)として、例えばエンジンの排熱やボイラーの排熱が考えられる。
よって、熱源の熱(排熱)は一様ではなく、様々な温度の熱が熱音響機関に伝えられる。このため、熱源から伝えられる様々な温度の熱(排熱)に対応させて、様々な温度の熱(排熱)を熱音響機関で有効に回収することは難しい。
【0007】
本発明は、熱源から導かれた熱を有効に回収することができる熱音響機関を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、ループ管に第1スタックおよび第2スタックが設けられ、前記第1スタックの一端に熱が導かれるとともに前記第1スタックの他端に冷却水が導かれることにより前記第1スタックが発振し、前記第1スタックが発振するとともに前記冷却水を前記熱で温水に加熱し、前記加熱された温水が前記第2スタックの一端に導かれるとともに前記第2スタックの他端が冷却され、前記発振した第1スタックの振動が前記第2スタックに伝播されることにより前記第2スタックの一端に導かれた温水が加熱され、前記加熱された温水の熱を回収する熱音響機関であって、前記第1スタックの他端に前記冷却水を導く冷却水通路に、前記冷却水の流量を調整する流量調整手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2は、前記発振した第1スタックの振動が前記第1スタックの一端から前記第2スタックの一端に伝播されるように、前記第1スタックおよび前記第2スタックが前記ループ管に設けられ、前記第1スタックで加熱された温水を前記第2スタックの一端に導く温水通路が前記冷却水通路に連通されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3は、前記第1スタックの一端の温度と前記第1スタックの他端の温度の比が、前記第2スタックの一端の温度と前記第2スタックの他端の温度との比と等しくなるように前記流量調整手段で前記冷却水の流量を調整することを特徴とする。
【0011】
ここで、熱源から導かれた熱を有効に回収するためには、第1スタックの一端の温度(T)と他端の温度(T)の第1温度比(T/T)を、第2スタックの一端の温度(T)と他端の温度(T)との第2温度比(T/T)と等しくすることが好ましい。
すなわち、T/T=T/Tの関係が成立することが好ましい。
【0012】
そこで、請求項3において、流量調整手段で冷却水の流量を調整して、第1スタックの一端の温度(T)と他端の温度(T)の第1温度比(T/T)を、第2スタックの一端(T)の温度と他端の温度(T)との第2温度比(T/T)と等しくするようにした。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、第1スタックの他端に冷却水を導く冷却水通路に冷却水の流量を調整する流量調整手段を備えた。
よって、流量調整手段を調整することにより、第1スタックの一端に導かれる熱に応じて冷却水の流量を好適に調整することができる。
これにより、第1スタックの一端側の温度に対応させて第1スタックの他端側の温度や第2スタックの一端の温度を好適に調整することが可能になり、熱源から導かれた熱を有効に回収することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、第1スタックの温水を第2スタックの一端に導く温水通路を冷却水通路に連通させた。
これにより、冷却水通路の流量調整手段を利用して、温水通路の温水を第2スタックの一端に円滑に導くことができ、構成の簡素化を図ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、流量調整手段で冷却水の流量を調整して、第1スタックの一端の温度(T)と他端の温度(T)の第1温度比(T/T)を、第2スタックの一端の温度(T)と他端の温度(T)との第2温度比(T/T)と等しくするようにした。
これにより、冷却水通路に流量調整手段を設けるだけの簡単な構成で、第1スタックの第1温度比(T/T)を第2スタックの第2温度比(T/T)と等しくして熱源から導かれた熱を有効に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る熱音響機関を示す断面図である。
【図2】図1の熱音響機関で熱を回収する例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0018】
実施例1に係る熱音響機関10について説明する。
図1に示すように、熱音響機関10は、無端状に形成されたループ管11と、ループ管11内に収納されて外部から熱が供給される発振体(第1スタック)12と、発振体12の振動(音波)がループ管11内の気体13を介して伝播される蓄熱体(第2スタック)14と、発振体12に冷却水を導く冷却水通路15と、冷却水通路15に設けられた流量調整手段16とを備えたループ管型熱音響機関である。
【0019】
ループ管11は、ステンレス鋼からなる円形断面の管であり、一対の縦管25,26および一対の横管27,28で略矩形枠状に形成されている。
このループ管11には、窒素、ヘリウム、アルゴンやヘリウムおよびアルゴンの混合ガスなどの気体(不活性ガス)13が封入されている。
【0020】
発振体12は、一対の縦管25,26のうち左側の縦管25内に収納されている。
この発振体12は、左側の縦管25内に収納された第1スタック単体31と、第1スタック単体31の一端に設けられた第1高温側熱交換器(発振体12の一端)32と、第1スタック単体31の他端に設けられた第1低温側熱交換器(発振体12の他端)33とを備えている。
【0021】
第1スタック単体31は、左側の縦管25内に多数枚の薄板が格子状やハニカム状などに微少間隔で設けられることにより、左側の縦管25内に対して平行に多数の微少通路が形成されている。
多数の薄板は、ステンレス鋼やセラミックスで形成された板材である。
【0022】
第1高温側熱交換器32は、多数枚の薄肉金属板が微少間隔で配設されたもので、内燃機関などの熱源17に連結されている。
この第1高温側熱交換器32は、熱源17の熱(排熱)で温度(平均温度)Tに加熱されている。
【0023】
第1低温側熱交換器33は、第1高温側熱交換器32と同様に、多数枚の薄肉金属板が微少間隔で配設されたもので、冷却水通路15を介して冷却水供給源18に連結されている。
冷却水通路15の途中に流量調整手段16が設けられている。
第1低温側熱交換器33は、冷却水供給源18から供給された冷却水の水温で温度(平均温度)Tに冷却されている。
【0024】
流量調整手段16は、冷却水通路15内を流れる(導かれる)冷却水の流量を調整する手段である。
流量調整手段16で冷却水の流量を調整することで、第1高温側熱交換器32の温度Tと第1低温側熱交換器33の温度Tの第1温度比(T/T)を、第2高温側熱交換器36の温度(平均温度)Tと第2低温側熱交換器37の温度(平均温度)Tとの第2温度比(T/T)と等しくできる。
すなわち、温度T〜Tは、T/T=T/Tの関係が成立する。
加えて、温度T〜Tは、T>T≧T>Tの関係が成立する。
【0025】
発振体12は、第1高温側熱交換器32が熱源17の熱で温度Tに加熱されるとともに、第1低温側熱交換器33が冷却水で温度Tに冷却されることで、第1スタック単体31が発振するものである。
第1スタック単体31が発振することにより、第1スタック単体31の振動がループ管11内の気体を介して蓄熱体14に伝播される。
【0026】
蓄熱体14は、一対の縦管25,26のうち右側の縦管26内に収納されている。
この蓄熱体14は、右側の縦管26内に収納された第2スタック単体35と、第2スタック単体35の一端に設けられた第2高温側熱交換器(蓄熱体14の一端)36と、第2スタック単体35の他端に設けられた第2低温側熱交換器(蓄熱体14の他端)37とを備えている。
【0027】
第2スタック単体35は、右側の縦管26内に多数枚の薄板が格子状やハニカム状などに微少間隔で設けられることにより、右側の縦管26内に対して平行に多数の微少通路が形成されている。
多数の薄板は、ステンレス鋼やセラミックスで形成された板材である。
【0028】
第2高温側熱交換器36は、多数枚の薄肉金属板が微少間隔で配設されたもので、第1温水通路(温水通路)21を介して第1低温側熱交換器33に連通され、第2温水通路22を介して貯湯槽23に連通されている。
第1温水通路21は、第1低温側熱交換器33を介して冷却水通路15に連通されている。
これにより、冷却水通路15の流量調整手段16を利用して、第1温水通路21の温水を第2高温側熱交換器36に円滑に導くことができ、構成の簡素化を図ることができる。
【0029】
この貯湯槽23は、熱音響機関10で加熱された温水を貯えることにより、熱源17の熱(排熱)を回収する槽である。
【0030】
よって、冷却水通路15から第1低温側熱交換器33に冷却水が導かれ、第1低温側熱交換器33で加熱された冷却水(温水)が第1温水通路21を経て第2高温側熱交換器36に導かれる。第2高温側熱交換器36に導かれた温水は第2高温側熱交換器36で加熱され、第2温水通路22を経て貯湯槽23に導かれる。
【0031】
第2低温側熱交換器37は、第2高温側熱交換器36と同様に、多数枚の薄肉金属板が微少間隔で配設されたもので、冷却用のフィン38が設けられている。
冷却用のフィン38を用いて第2低温側熱交換器37の熱を外気と熱交換することにより第2低温側熱交換器37を温度Tに冷却する。
【0032】
蓄熱体14は、第2低温側熱交換器37が冷却用のフィン38で温度Tに冷却された状態で、発振体12から振動(音波)が伝播されることにより、伝播された振動(音波)に基づいて第2スタック単体35が振動して第2高温側熱交換器36を温度Tに加熱するものである。
【0033】
この熱音響機関10は、発振体12で発振した振動(音波)が第1高温側熱交換器32からループ管11内の気体13を介して蓄熱体14の第2高温側熱交換器36に伝播するように発振体12および蓄熱体14がループ管11内に収納されている。
【0034】
つぎに、熱音響機関10で熱源17の熱(排熱)を貯える例を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、発振体12の第1高温側熱交換器32に熱源17の熱Qinを導き、導いた熱Qinで第1高温側熱交換器32を温度Tに加熱する。
同時に、発振体12の第1低温側熱交換器33に冷却水供給源18の冷却水を冷却水通路15を経て矢印Aの如く導く。導いた冷却水で第1低温側熱交換器33を温度Tに冷却する。
【0035】
第1高温側熱交換器32を温度Tに加熱するとともに、第1低温側熱交換器33を温度Tに冷却することで、発振体12の第1スタック単体31が発振する。
発振した振動(音波)が第1高温側熱交換器32からループ管11内の気体13を介して蓄熱体14の第2高温側熱交換器36に矢印Bの如く伝播する。
このように、発振体12の第1スタック単体31が発振することで、熱源17の熱量Qinのうち所定量の熱量が音波(エネルギー)Wに変換される。
W=[(T−T)/T]×Qin ………(1)
【0036】
一方、音波に変換されない残りの熱量Qは冷却水に伝えられ、冷却水が残りの熱量Qで温水に加熱される。
=(T/T)×Qin ………(2)
第1低温側熱交換器33で生成された温水は、第1温水通路21を経て蓄熱体14の第2高温側熱交換器36に導かれる。
すなわち、残りの熱量Qが蓄熱体14の第2高温側熱交換器36に矢印Cの如く導かれる。
【0037】
ところで、蓄熱体14の第2低温側熱交換器37は冷却用のフィン38で温度Tに冷却されている。
よって、発振体12の第1スタック単体31から伝播された振動(音波)に基づいて蓄熱体14の第2スタック単体35が振動する。
【0038】
蓄熱体14の第2スタック単体35が振動することにより、第2高温側熱交換器36を温度Tに加熱することができる。
第2高温側熱交換器36を温度Tに加熱することで、第1温水通路21を経て第2高温側熱交換器36に導かれた温水が加熱される。
【0039】
ここで、蓄熱体14で温水に伝えられる熱量Qは、
=[T/(T−T)]×W ………(3)
よって、熱音響機関10で冷却水が受け取る熱量Qallは、式(1)〜式(3)から、
all
=Q+Q
={T/T+[T/(T−T)]×[(T−T)/T]}×Qin…(4)
となる。
そして、第2高温側熱交換器36で加熱された温水を、第2温水通路22を経て矢印Dの如く貯湯槽23に導く。導いた温水を貯湯槽23に貯えることで熱源17の熱(排熱)を回収することができる。
【0040】
式(4)において、T=0℃に設定すると、T/(T−T)=1の関係が成立する。
よって、熱音響機関10で冷却水が受け取る熱量Qallは、
all
={T/T+1×[(T−T)/T]}×Qin
={T/T+1×[(T−T)/T]}×Qin
=Qin
となる。
【0041】
一方、式(4)において、T>0℃に設定すると、T/(T−T)>1の関係が成立する。
よって、熱音響機関10で冷却水が受け取る熱量Qallは、
all>Qin
となる。
【0042】
具体的には、例えば、T=200℃、T=85℃、T=88℃、T=37℃のとき、
/T=200/85=2.35
/T=88/37=2.38
よって、T/T≒T/T
の関係が成立する。
【0043】
そして、熱音響機関10で冷却水が受け取る熱量Qallは、
all
={85/200+[88/(88−37)]×[(200−85)/200]}×Qin
=1.4×Qin
となり、排熱Qinに対して1.4倍の熱量Qallを貯湯槽23に貯湯することができる。
【0044】
つぎに、流量調整手段16で第1温度比T/Tおよび第2温度比T/Tを等しく調整する例を図2に基づいて説明する。
ここで、熱源17から導かれた熱(排熱)を有効に回収するためには、第1高温側熱交換器32の温度(T)と第1低温側熱交換器33の温度(T)の第1温度比(T/T)を、第2高温側熱交換器36の温度(T)と第2低温側熱交換器37の温度(T)との第2温度比(T/T)と等しくすることが好ましい。
すなわち、T/T=T/Tの関係が成立することが好ましい。
【0045】
しかし、第1高温側熱交換器32に導かれる熱源17の熱(排熱)が変化した場合、熱(排熱)の変化に応じてT/T=T/Tの関係が保ち難くなる。
具体的には、熱源17の熱(排熱)が変化することにより、温度比がT/T>T/Tや、T/T<T/Tに変化することが考えられる。
そこで、冷却水通路15に流量調整手段16を設け、流量調整手段16でT/T=T/Tに調整するようにした。
【0046】
まず、熱源17の熱(排熱)に応じて温度比がT/T>T/Tに変化した場合にT/T=T/Tに調整する例について説明する。
/T>T/Tの場合、流量調整手段16で冷却水の流量を減らすことにより、第1低温側熱交換器33の温度Tが上昇するとともに、第2高温側熱交換器36の温度Tが上昇する。
よって、T/Tが小さくなるとともに、T/Tが大きくなる。
これにより、T/T>T/T状態からT/T=T/Tに近づけることができる。
【0047】
つぎに、熱源17の熱(排熱)に応じて温度比がT/T<T/Tに変化した場合にT/T=T/Tに調整する例について説明する。
/T<T/Tの場合、流量調整手段16で冷却水の流量を増やすことにより、第1低温側熱交換器33の温度Tが下降するとともに、第2高温側熱交換器36の温度Tが下降する。
よって、T/Tが大きくなるとともに、T/Tが小さくなる。
これにより、T/T<T/Tの状態からT/T=T/Tに近づけることができる。
【0048】
以上説明したように、流量調整手段16で冷却水の流量を調整することにより、第1高温側熱交換器32に導かれる熱源17の熱(排熱)に応じて冷却水の流量を好適に調整することができる。
これにより、第1低温側熱交換器33に伝えられる熱源の熱(排熱)に対応させて第1低温側熱交換器33の温度Tや、第2高温側熱交換器36の温度Tを好適に調整することが可能になり、熱源17から導かれた熱(排熱)を有効に回収することができる。
【0049】
加えて、流量調整手段16で冷却水の流量を調整して、第1高温側熱交換器32の温度(T)と第1低温側熱交換器33の温度(T)の第1温度比(T/T)を、第2高温側熱交換器36の温度(T)と第2低温側熱交換器37の温度(T)との第2温度比(T/T)と等しくするようにした。
これにより、冷却水通路15に流量調整手段16を設けるだけの簡単な構成で、第1温度比(T/T)を第2温度比(T/T)と等しくして熱源17から導かれた熱(排熱)を有効に回収することができる。
【0050】
なお、本発明に係る熱音響機関10は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例で示した熱音響機関10、ループ管11、発振体12、蓄熱体14、冷却水通路15、流量調整手段16、第1温水通路21、第1スタック単体31、第1高温側熱交換器32、第1低温側熱交換器33、第2スタック単体35、第2高温側熱交換器36および第2低温側熱交換器37などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、第1スタックに熱を伝えて第1スタックを発振させ、第1スタックの振動を第2スタックに伝播して第2スタックを加熱する熱音響機関への適用に好適である。
【符号の説明】
【0052】
10…熱音響機関、11…ループ管、12…発振体(第1スタック)、14…蓄熱体(第2スタック)、15…冷却水通路、16…流量調整手段、21…第1温水通路(温水通路)、31…第1スタック単体、32…第1高温側熱交換器(発振体の一端)、33…第1低温側熱交換器(発振体の他端)、35…第2スタック単体、36…第2高温側熱交換器(蓄熱体の一端)、37…第2低温側熱交換器(蓄熱体の他端)、T…第1高温側熱交換器の温度、T…第1低温側熱交換器の温度、T…第2高温側熱交換器の温度、T…第2低温側熱交換器の温度、T/T…第1温度比、T/T…第2温度比。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ管に第1スタックおよび第2スタックが設けられ、
前記第1スタックの一端に熱が導かれるとともに前記第1スタックの他端に冷却水が導かれることにより前記第1スタックが発振し、前記第1スタックが発振するとともに前記冷却水を前記熱で温水に加熱し、
前記加熱された温水が前記第2スタックの一端に導かれるとともに前記第2スタックの他端が冷却され、前記発振した第1スタックの振動が前記第2スタックに伝播されることにより前記第2スタックの一端に導かれた温水が加熱され、
前記加熱された温水の熱を回収する熱音響機関であって、
前記第1スタックの他端に前記冷却水を導く冷却水通路に、前記冷却水の流量を調整する流量調整手段を備えたことを特徴とする熱音響機関。
【請求項2】
前記発振した第1スタックの振動が前記第1スタックの一端から前記第2スタックの一端に伝播されるように、前記第1スタックおよび前記第2スタックが前記ループ管に設けられ、
前記第1スタックで加熱された温水を前記第2スタックの一端に導く温水通路が前記冷却水通路に連通されたことを特徴とする請求項1記載の熱音響機関。
【請求項3】
前記第1スタックの一端の温度と前記第1スタックの他端の温度の比が、
前記第2スタックの一端の温度と前記第2スタックの他端の温度との比と等しくなるように前記流量調整手段で前記冷却水の流量を調整することを特徴とする請求項1記載の熱音響機関。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−231941(P2011−231941A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99892(P2010−99892)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)