説明

燃料フレキシブル燃焼システム用の燃焼器ノズル

燃焼器ノズルを提供する。本燃焼器ノズルは、燃焼室内に合成ガス燃料を導入して該燃焼室内で希薄予混合燃焼を可能にするように構成された第1の燃料システムと、燃焼室内に合成ガス燃料、又は炭化水素燃料、又は希釈剤、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で拡散燃焼を可能にするように構成された第2の燃料システムとを含む。

【発明の詳細な説明】
【連邦政府後援の研究開発に関する陳述】
【0001】
本発明は、米国エネルギー省によって授与された契約番号DE−FC26−03NT41776に基づき米国政府の支援を得て為されたものである。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、総括的には燃焼システムに関し、より具体的には、燃料フレキシブル燃焼システム及びそれを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なタイプの燃焼器が知られており、複合サイクル発電プラントにおけるようなシステムにおいて使用されている。一般的に、そのようなシステム用の燃焼器は、NOx及び一酸化炭素エミッションのようなエミッションを最少にするように設計されている。大半の天然ガス燃焼システムでは、燃焼器は、希薄予混合火炎を使用して作動される。これらのシステムでは、燃料は反応ゾーンの上流で空気と混合させて希薄状態で予混合火炎を形成するようにして、燃焼システムからのエミッションを低減する。そのような燃焼システムでは、作動可能範囲が非常に小さくなる欠点がある。さらに、NOxを低く保ちかつ火炎の希薄吹消えを避けながら、燃焼ダイナミックスを回避することが望ましい。設計は一般的に狭い燃料組成範囲に的が絞られており、このことにより、天然ガス用に設計されたシステムは、ガス化石炭又は合成ガス燃料を使用するように設計されたシステムとの間で互換性のないものになっている。
【0004】
一部のその他のシステムは、拡散燃焼を採用し、反応ゾーン内の希釈剤を増量することによってエミッションを最少にしている。例えば、統合石炭ガス化複合サイクル(IGCC)システムでは、希釈剤として蒸気又は窒素を使用して、燃焼を促進しかつ燃焼器からのエミッションを低減させることができる。一般的に、IGCCシステムの場合には、燃焼器は、石炭ガス化燃料を使用して拡散モードで作動するように設計され、また天然ガスを拡散モードで使用するバックアップ燃焼モードを有することができる。しかしながら、低エミッションを維持しながら、変動発熱量を有する石炭ガス化燃料で作動させることができる燃焼器を設計することは、容易ではない。現在のIGCC燃焼器は、拡散燃焼を採用しており、またガス化燃料原材料にその都度応じて設計される。その結果、エミッション要件を満たすために燃料フレキシビリティが限定された特定の燃焼システムが得られることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,438,961 B2号公報
【特許文献1】米国特許第6,786,047 B2号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】The University of Queensland; Division of Mechanical Engineering MECH4480, Computational Fluid Dynamics; "Major Project: Fluent Simulation of Turbulent Flow in a Coaxial Jet Combustor".
【非特許文献2】A. James Clark; University of Maryland; The Combustion Laboratory; "Non-premixed Co-Annular Swirl Burner"
【非特許文献3】A. James Clark; University of Maryland; The Combustion Laboratory; "Premix Co-Annular Swirl Burner"
【非特許文献4】A.L. Shihadeh, M.A. Toqan, J.M. Beer, P.F. Lewis, J.D. Teare, J.L. Jimenez, and L. Barta; "LOW NOx EMISSION FROM AERODYNAMICALLY STAGED OIL-AIR TURBULENT DIFFUSION FLAMES; ASME FACT-18", Combustion Modeling, Scaling and Air Toxins, 1994; (6 Pages).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、エミッションの低減を維持しながら多様な燃料で作動することになる燃焼システムに対する必要性が存在する。全発電プラント効率を維持しながらバックアップ燃料での低エミッション燃焼を可能にしかつ異なる発電プラント構成に適合可能である燃焼システムを提供することもまた有益と言える。
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡潔に言えば、1つの実施形態によると、燃焼器ノズルを提供する。本燃焼器ノズルは、燃焼室内に合成ガス燃料を導入して該燃焼室内で希薄予混合燃焼を可能にするように構成された第1の燃料システムと、燃焼室内に合成ガス燃料、又は炭化水素燃料、又は希釈剤、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で拡散燃焼を可能にするように構成された第2の燃料システムとを含む。
【0009】
別の実施形態では、燃料フレキシブル燃焼システムを提供する。本燃料フレキシブル燃焼システムは、該燃焼システム内に燃料ストリームを導入するように構成された燃焼器ノズルと、燃料ストリームの燃料タイプに基づいて選択した燃焼モードにより該燃料ストリーム及び空気を燃焼させるように構成された燃焼室とを含む。燃焼器ノズルは、燃焼室内に炭化水素燃料、又は合成ガス燃料、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で予混合燃焼モードを可能にするように構成された第1の燃料システムと、燃焼室内に合成ガス燃料、又は窒素、蒸気、二酸化炭素、又は炭化水素燃料、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で拡散燃焼モードを可能にするように構成された第2の燃料システムとを含む。
【0010】
さらに別の実施形態では、統合石炭ガス化複合サイクル(IGCC)システムを提供する。本IGCCシステムは、石炭から合成ガス燃料を生成するように構成されたガス化装置と、ガス化装置から合成ガス燃料を受けかつ燃焼システム内で該合成ガス燃料及び空気を燃焼させて電気エネルギーを生成するように構成されたガスタービンとを含む。燃焼システムは、予混合及び拡散作動モードのためにその中に合成ガスを導入するようになった第1及び第2の燃料システムを有する燃焼器ノズルと、予混合及び拡散燃焼モードにより合成ガス燃料及び空気を燃焼させるように構成された燃焼室とを含む。
【0011】
さらに別の実施形態では、燃料フレキシブル燃焼システムを作動させる方法を提供する。本方法は、燃焼器ノズルを介して燃焼システム内に燃料ストリームを導入するステップと、低エミッション燃焼モードで炭化水素燃料ストリームを燃焼させまた第2の燃焼モードで合成ガス燃料を燃焼させるステップとを含む。本方法はまた、合成ガスの発熱量に基づいて第2の燃焼モードを切り換えるステップと、低エミッション燃焼モード、又は第2の燃焼モード、又はそれらの組合せにより燃料ストリーム及び空気を燃焼させるステップとを含む。
【0012】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点は、その全体を通して同じ参照符号が同様な部分を表している添付図面を参照して以下の詳細な説明を読む時に、一層よく理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本技術の態様による燃料フレキシブル燃焼システムを有する統合石炭ガス化複合サイクル(IGCC)システムの概略図。
【図2】本技術の態様による、図1のIGCCシステムで使用するガスタービンの概略図。
【図3】本技術の態様による、合成ガス燃料での予混合及び拡散作動能力を有する図2の燃焼器ノズルの例示的な構成の概略図。
【図4】本技術の態様による、スウォズル燃料噴射ポイントを有する図3の燃焼器ノズルの例示的な構成の概略図。
【図5】本技術の態様による、スウォズル燃料噴射ポイントに燃料を供給するようになった個々の燃料プレナムを有する図4の燃焼器ノズルの例示的な構成の断面図。
【図6】本技術の態様による、炭化水素及び合成ガス燃料での予混合作動能力を有する図2の燃焼器ノズルの別の例示的な構成の概略図。
【図7】本技術の態様による、スウォズル及び中央本体燃料噴射ポイントを有する図6の燃焼器ノズルの例示的な構成の概略図。
【図8】本技術の態様による、スウォズル及び中央本体燃料噴射ポイントに燃料を供給するようになった個々の燃料プレナムを有する図7の燃焼器ノズルの例示的な構成の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に詳細に説明するように、本技術の実施形態は、エミッションを低減させながら多様な燃料で作動することになる燃料フレキシブル燃焼システムを構成するように機能する。具体的には、本技術は、例えば燃料原材料の所望の又は必要な体積流量に基づいて希薄予混合燃焼モード及び拡散燃焼モード間で切り換えることによって、天然ガス及び広範な合成ガス燃料で作動する燃焼器ノズルを使用している。次に図面に移りまた最初に図1を参照すると、統合石炭ガス化複合サイクル(IGCC)システム10を示している。本IGCCシステム10は、ガス化装置12と該ガス化装置12に結合されたガスタービン14とを含む。さらに、ガスタービン14は、ガス化装置12からの燃料ストリームを燃焼させて電気エネルギーを生成するように構成された燃料フレキシブル燃焼システム16を含む。加えて、本IGCCシステム10は、ガスタービン14に結合されかつ該ガスタービン14からの排気ガスの熱を利用することによって電気エネルギーを発生するように構成された蒸気タービン18を含む。
【0015】
作動中に、ガス化装置12は、一般的に設備内の空気分離ユニット(図示せず)で生成された酸素22と共に燃料原材料20を受ける。この図示した実施形態では、燃料原材料20は、石炭を含む。他の実施形態では、燃料原材料20は、例えば石炭、バイオマス、廃棄物、オイルサンド、都市ごみ、コークス及び同様のもののようなあらゆる低価格燃料(LVF)を含むことができる。燃料原材料20及び酸素22は、ガス化装置12内で反応して、一酸化炭素(CO)及び水素(H)が濃化された合成ガス(シンガス)24を生成する。さらに、原材料鉱物類は、道床、埋立て補填材及びその他の用途で利用することができるスラグ生成物26に転換される。
【0016】
ガス化装置12で生成された合成ガス24は、ガス冷却及び浄化ユニット28に導かれ、そこで、合成ガス24は冷却されまた混入物質30が除去されて、清浄合成ガス32が生成される。この図示した実施形態では、混入物質30として、例えば硫黄、水銀又は二酸化炭素が含まれる。さらに、清浄合成ガス32は、ガスタービン14内で燃焼されて電気エネルギーを生成する。この例示的な実施形態では、流入空気流34は圧縮機36によって加圧され、加圧空気は、燃焼システム16に導かれて、ガス化装置12からの合成ガス32を燃焼させるようになる。さらに、燃焼システム16からの燃焼ガスストリームは、タービン38を通って膨張して、発電機40を駆動して電気エネルギー発生させるようになり、この電気エネルギーは、更なる使用のために電力網44に導くことができる。一部の実施形態では、燃料フレキシブル燃焼システム16は、一般的にバックアップ作動モードとしての希薄予混合燃焼のために天然ガス46を利用する。
【0017】
この図示した実施形態では、ガスタービン14からの排気ガス48は、熱回収蒸気発生器50に導かれ、水を沸騰させて蒸気タービン18のための蒸気52を発生させるように利用される。さらに、一部の実施形態では、蒸気タービンからの熱54は、熱回収蒸気発生器50に結合して、該熱回収蒸気発生器50の効率を高めるようにすることができる。加えて、熱回収蒸気発生器50からの蒸気56の一部分は、ガス化装置12に導入して、該ガス化装置12からの発生合成ガス24のH対COの割合を制御するようにすることができる。蒸気タービン18は、発電機58を駆動して電気エネルギー42を発生させるようになり、この電気エネルギー42も同様に、更なる使用のために電力網44に導かれる。
【0018】
上記のIGCCシステム10で使用する燃料フレキシブル燃焼システム16は、希薄予混合又は拡散燃焼モードで作動させることができる。具体的には、燃焼システム16は、例えば該燃焼システム16内に天然ガス又は合成ガス燃料を導入するようになった個々の燃焼システムを有する燃焼器ノズルを含み、また燃焼モードは、燃料原材料20の燃料タイプ及び燃料発熱量に基づいて選択される。燃焼システム16内で使用する燃焼器ノズルについては、図2〜図8を参照して以下に詳細に説明する。
【0019】
図2は、図1のIGCCシステム10で使用するガスタービン14の例示的な構成60の概略図である。ガスタービン60は、圧縮機62及び該圧縮機62と流れ連通状態になった燃料フレキシブル燃焼システム64を含む。さらに、ガスタービン60はまた、燃焼システム64の下流に配置されたタービン66を含む。作動中に、圧縮機62は、流入空気流68を加圧して、燃焼システム64に導かれる加圧空気70を発生させる。
【0020】
この例示的な実施形態では、燃焼システム64は、該燃焼システム64内に燃料ストリームを導入するように構成された燃焼器ノズル72を含む。具体的には、燃焼器ノズル72は、第1の燃料システム74と第2の燃料システム76とを含む。さらに、燃焼システム64は、第1及び第2の燃料システム74及び76からの燃料ストリームを燃焼させるようになった燃焼室78を含む。この図示した実施形態では、第1の燃料システム74は、燃焼室78内に合成ガス燃料を導入して該燃焼室内で希薄予混合燃焼を可能にするように構成される。さらに、第2の燃料システム76は、燃焼室内に合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤を導入して燃焼室78内での拡散燃焼を可能にするように構成される。一部の実施形態では、第1の燃料システム74は、燃焼室78内に炭化水素燃料を導入して希薄予混合燃焼を可能にするように使用される。一部の実施形態では、燃焼システム64は、第1及び第2の燃料システム74及び76の同時作動により共燃焼させることができる。この例示的な実施形態では、制御装置80が、第1及び第2の燃料システム74及び76に結合され、かつ燃料ストリームの燃料タイプ又は燃料発熱量の少なくとも1つに基づいて燃焼モードを選択するように構成される。燃焼システム64で使用する第1及び第2の燃料システム74及び76については、後に図3〜図5において以下に詳細に説明する。
【0021】
図3は、本技術の態様による、合成ガス燃料での予混合及び拡散作動能力を有する図2の燃焼器ノズルの例示的な構成90の概略図である。この図示した実施形態では、燃焼器ノズル72の周りには、バーナ管92が配置される。希薄予混合作動モードのために炭化水素燃料又は合成ガス燃料を導入するようになった第1の燃料システム74は、バーナ管92上に配置された複数の噴射オリフィス94を含む。加えて、第1の燃料システムは、複数のスウォズルベーン(図示せず)上に配置されて燃焼器ノズル72内に炭化水素燃料又は合成ガス燃料を導入するようになった複数の噴射オリフィス96を含む。作動中に、複数のスウォズルベーンは、流入空気に旋回運動を与えかつ合成ガス又は炭化水素での予混合モードのために燃焼器ノズル内に合成ガス燃料又は炭化水素燃料を導入するように構成される。スウォズルベーンについては、図4を参照して以下により詳細に説明する。
【0022】
この実施形態では、燃焼器ノズル90はまた、バーナ管92上に配置されて予混合合成ガス作動モードのためにノズル72内に合成ガス燃料を導入するようになった付加的なオリフィス98の組を含む。付加的なオリフィス98の組は、予混合合成ガス作動モードに必要な体積流量の合成ガス燃料を供給するために設けられることに注目されたい。ノズル72内への合成ガス燃料の導入を可能にするために、オリフィス98の複数のパターンが考えられる。オリフィスのパターン及び形状は、ベーンセクタ区域の各四分円内へのジェット貫入を最大にし、それによって燃料−空気均質性を増大させるように選択される。一部の実施形態では、オリフィス98は、ベーンセクタ全体にわたって均等に間隔を置いて配置されかつベーンセクタの各半分内への質量流量をバランスせるような寸法にされる。
【0023】
加えて、ノズル90は、燃焼室78内に合成ガス燃料及び/又は炭化水素燃料及び希釈剤を導入して、燃焼室78内での合成ガス燃料の拡散燃焼を可能にするようになった第2の燃料システム76を含む。この図示した実施形態では、第2の燃料システム76は、燃焼室78内に合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤を導入するようになった内側、外側及び中間同心環状通路106、108及び110を形成した噴射オリフィス100、102及び104を備えた拡散ノズル先端を含む。この実施形態では、希釈剤として、蒸気、窒素及び二酸化炭素を含む。しかしながら、希釈剤として、一部のその他の不活性ガスを使用することができる。燃焼器ノズル90はまた、第1及び第2の燃料システム74、76に結合されて、燃料ストリームの燃料タイプ又は燃料発熱量に基づいて燃焼モードを選択するようになった制御装置80(図2参照)を含む。さらに、制御装置は、合成ガス燃料の必要な体積流量に基づいて第2の燃料システム76の噴射オリフィス100、102及び104を通る流れを制御するように構成される。
【0024】
図4は、本技術の態様による、スウォズル燃料噴射ポイントを有する図3の燃焼器ノズル90の例示的な構成120の概略図である。燃焼器ノズル120は、流入空気に旋回運動を与えるように構成されたスウォズルベーン122を含む。さらに、スウォズルベーン122は、スウォズル燃料噴射ポイント124を通してノズル120内に炭化水素燃料及び合成ガス燃料を導入するように構成される。一般的に、スウォズルベーン122は、燃料−空気混合を最大にして、火炎保持及び低エミッションのような性能要件を満たすように設計される。図示した実施形態では、炭化水素燃料としては、天然ガスが含まれる。作動中に、スウォズルベーン122を通して導入された天然ガス又は合成ガスは、燃焼室78(図2参照)の上流の位置において空気と混合されて、低エミッションを実現する希薄状態での予混合火炎を発生する。
【0025】
一部の実施形態では、複数の噴射オリフィス96を通しての炭化水素燃料又は合成ガス燃料の噴射は、各スウォズルベーン122の側面毎に1つの位置において行われる。さらに、複数の噴射オリフィス96を通しての炭化水素燃料又は合成ガス燃料の噴射は、スワーラベーン毎に1つ又はそれ以上の噴射ポイントにおいて行われる。噴射ポイントは、異なる半径方向位置においてベーンの一側面又は両側面上に設置することができ、また異なる直径を有することができる。この例示的な実施形態では、噴射ポイントは、ベーンの両側面上に設置される。一部のその他の実施形態では、噴射ポイントは、後縁に設置することができる。噴射オリフィス94及び96を通してのそのような燃料噴射は、各ベーンセクタの各四分円内への燃料ジェットの貫入を増強し、それによって燃焼器ノズル120内での混合を可能にする利点がある。スウォズルベーン122上の噴射ポイント96並びにバーナ管92上の噴射ポイント94及び98は、個々の燃料供給システムに結合され、それによってシステム内における燃焼ダイナミックスの制御を可能にすることに注目されたい。
【0026】
当業者には分かるように、燃焼システム64は、石炭ガス化合成ガス燃料の供給が中断されるか又は別の発電プラントでの使用が必要とされる場合には、天然ガスでの予混合形態で燃焼される。それに代えて、燃焼システム64は、燃料が第1又は第2の燃料システム74又は76を通してノズル120内に導入される場合には、合成ガス燃料での予混合又は拡散モードで燃焼される。一部の実施形態では、燃焼システムは、第2の燃料システム76内の天然ガスで始動させることができる。
【0027】
この例示的な実施形態では、拡散ノズル先端は、スウォズルベーン122の設計に基づいて性能を最大にするように設計される。具体的には、ノズル120の先端ジオメトリは、スウォズルベーン122によって発生される空気流パターンに合せて最適化することができる。さらに、噴射オリフィス100、102及び104は、低エミッション性能に合せて広範な合成ガス燃料及びそれらに伴う希釈剤を取り扱うように設計される。噴射オリフィス100、102及び104を通る合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤の流れは、合成ガス燃料の所望の体積流量に基づいて制御することができることに注目されたい。例えば、この図示した実施形態では、第1の通路106は、燃焼器の燃焼室78内に蒸気を導入するように構成される。さらに、第1の通路106の周りに配置された第2の通路108は、合成ガス燃料を導入するように構成され、また第1及び第2の通路106及び108の周りに配置された第3の通路110は、燃焼システムの燃焼室内に窒素を導入するように構成される。当業者には分かるように、第1、第2及び第3の通路106、108及び110での複数の作動モードは、合成ガス燃料の燃料発熱量に基づいて考えることができる。
【0028】
第1、第2及び第3の通路106、108及び110は、酸素増強ガス化装置又は従来型のガス化装置と共に燃焼器ノズル120を使用することができるように設計される。当業者には分かるように、従来型のガス化装置では、ガス化装置からの蒸気は、燃焼を可能にする希釈剤として利用することができる。しかしながら、酸素増強ガス化装置では、空気分離ユニットからの窒素を全プラント効率を高めるための付加的な希釈剤として使用することができる。
【0029】
本実施形態では、第1、第2及び第3の通路106、108及び110は、石炭ガス化装置で生成された燃料の発熱量の所望の範囲に基づいて設計される。この実施形態では、合成ガス燃料の燃料発熱量は、約310BTU/scfよりも小さい。1つの実施形態では、合成ガス燃料の燃料発熱量は、約100BTU/scf〜約230BTU/scfである。例えば、合成ガス燃料を流すための通路は、大きな体積流量を必要とする低発熱量燃料を導入するのに対処するように設計することができる。同様に、希釈剤を流すための通路は、所望の性能レベルを満たすために比較的大きな希釈剤流量を必要とする一層高い発熱量燃料に従って設計することができる。
【0030】
例示的な実施形態では、第1、第2及び第3の通路106、108及び110は、約0°〜約75°の接線方向噴射角と、約0°〜約75°の半径方向噴射角とを有する。1つの実施形態では、第2及び第3の通路108及び110は、約40°の接線方向噴射角を有し、また第1及び第2の通路106及び108は、約45°の半径方向噴射角を有する。さらに、1つの実施形態では、第2及び第3の通路108及び110内の合成ガス燃料及び窒素の流れは、ベーン122によって発生した空気旋回に対して逆旋回させて、混合の強化、火炎長さの減少、エミッションの低減及び火炎前面パターン要素の増大を可能にする。さらに、上記したように、制御装置80(図2参照)は、合成ガス燃料の燃料発熱量に基づいて、通路106、108及び110内の合成ガス燃料、炭化水素燃料、蒸気並びに窒素及びCOの流れを制御するように第1、第2及び第3の通路106、108及び110に結合することができる。上記したように、個々の燃料プレナムは、予混合及び拡散作動モードの間に合成ガス又は炭化水素燃料を供給するように、第1及び第2の燃料システム74及び76に結合することができる。
【0031】
図5は、本技術の態様による、スウォズル燃料噴射ポイント及びバーナ管燃料噴射ポイントに燃料を供給するようになった個々の燃料プレナムを有する図4の燃焼器ノズル120の例示的な構成130の断面図である。前記したように、燃焼器ノズル130は、バーナ管92上に配置されてノズル130に合成ガス又は炭化水素燃料を導入するようになった第1のオリフィス94の組を含む。さらに、燃焼器ノズル130は、スウォズルベーン122(図4参照)上に配置されてノズル130内に合成ガス又は炭化水素燃料を導入するようになった第2のオリフィス96の組を含む。加えて、燃焼器ノズル130は、バーナ管92上に配置されて、ノズル130内に合成ガス燃料を導入して予混合作動モードに必要な合成ガス燃料の付加的な体積流量に対処するようになった第3のオリフィス98の組を含む。
【0032】
この図示した実施形態では、燃焼器ノズル130は、バーナ管92上に配置された第1のオリフィス94の組に炭化水素燃料又は合成ガス燃料を供給するように構成された第1の燃料プレナム132と、スウォズルベーン122上に配置された第2のオリフィス96の組に炭化水素燃料又は合成ガス燃料を供給するように構成された第2の燃料プレナム134とを含む。加えて、燃焼器ノズル130は、バーナ管92上に配置された第3のオリフィス98の組に炭化水素燃料又は合成ガス燃料を供給するように構成された第3の燃料プレナム136を含む。第1、第2及び第3の燃料プレナム132、134及び136は、制御装置80(図2参照)に結合して、燃焼器ノズル130内への燃料の供給を制御するようにすることができる。この例示的な実施形態では、炭化水素燃料での予混合作動モードは、第1及び第2のオリフィス94及び96の組を使用して、ノズル130内に炭化水素燃料を導入するようにする。さらに、合成ガス燃料での予混合作動モードの場合には、第3のオリフィス98の組を利用して、ノズル130内に合成ガス燃料を導入するようにする。
【0033】
一部の実施形態では、燃焼器ノズル130は、予混合作動モードにおいて独立型構成として作動する。この例示的な実施形態では、合成ガス作動モードは、燃料の発熱量に基づいて制御される。例えば、第1及び第2のオリフィス94及び96の組は、常に使用状態にあることになるが、第3のオリフィス98の組は、燃料の発熱量に基づいて使用されることになる。上記したように、燃焼器ノズル130は、予混合炭化水素及び合成ガス作動モードで作動すると共に、合成ガスでの拡散作動モードで作動することができる。それに代えて、燃焼器ノズル130は、図6を参照して以下に説明するように合成ガスでの拡散作動モードがない状態で作動させることができる。
【0034】
図6は、本技術の態様による、炭化水素及び合成ガス燃料での予混合作動能力を有する図2の燃焼器ノズル72の別の例示的な構成140の概略図である。図示するように、燃焼器ノズル140は、予混合作動モードのために燃焼器ノズル140内に炭化水素又は合成ガス燃料を導入するようになった第1、第2及び第3のオリフィス94、96及び98の組を含む。加えて、ノズル先端は、着火状態時に拡散モードのために炭化水素燃料を導入するようになったオリフィス142の組を含む。
【0035】
図7は、本技術の態様による、スウォズル及び中央本体燃料噴射ポイントを有する図6の燃焼器ノズル140の例示的な構成150の概略図である。この例示的な実施形態では、燃焼器ノズル150は、スウォズル燃料噴射ポイント96を含む。加えて、ノズル150は、中央本体上に配置されて予混合作動モードのためにノズル150内に炭化水素又は合成ガス燃料を導入するようになった第1のオリフィス152の組を含む。加えて、本ノズルは、合成ガス燃料を導入して予混合合成ガス作動モードの間に必要なあらゆる付加的な体積流量に対処するようになった第2のオリフィス154の組を含む。この場合も同様に、第1及び第2のオリフィス152及び154の組は、図8を参照して以下に説明するように、個々の燃料プレナムに結合することができる。この作動モードは、燃料の発熱量に応じてより多くの又はより少ない噴射ポイントを燃料噴射のために使用することができるので、より大きな作動フレキシビリティをもたらす利点がある。さらに、多数の噴射ポイントは、広範な合成ガス燃料において起こる大きな流量変動に対処することによって、燃焼器の一層大きな燃料フレキシビリティを可能にする。
【0036】
図8は、本技術の態様による、スウォズル及び中央本体燃料噴射ポイントに燃料を供給するようになった個々の燃料プレナムを有する図7の燃焼器ノズル150の例示的な構成160の断面図である。図示するように、燃焼器ノズル160は、予混合作動モードの間に該ノズル160内に炭化水素又は合成ガス燃料を導入するようになった第1、第2及び第3のオリフィス94、96及び98の組を含む。加えて、ノズル160は、中央本体上に配置されて、予混合作動モードのために該ノズル160内に炭化水素又は合成ガス燃料を導入するようになったオリフィス152及び154を含む。前記したように、第1、第2及び第3のオリフィスの組は、燃料を供給するようになった燃料プレナム132、134及び136に結合される。この例示的な実施形態では、ノズル160はまた、それぞれオリフィス152及び154に炭化水素又は合成ガス燃料を供給するように構成された燃料プレナム162及び164を含む。この場合も同様に、燃料プレナム162及び164の各々は、制御装置80(図2参照)に結合して、オリフィス152及び154への燃料の供給を制御するようにすることができる。
【0037】
上記に説明した方法の様々な態様は、IGCCシステム内で使用する燃焼システムのような異なる用途における有用性を有する。上述したように、本燃料フレキシブル燃焼システムは、エミッションを低減させながら多様な燃料で作動する。さらに、本燃焼システムは、全発電プラント効率を維持しながらバックアップ燃料での低エミッション燃焼を可能にしかつ異なる発電プラント構成に適合可能である。具体的には、本技術は、燃料原材料の所望の体積流量に基づいて希薄予混合燃焼モード及び拡散燃焼モード間で切り換えることによって、天然ガス及び広範な合成ガス燃料で作動する燃焼器ノズルを使用する。
【0038】
予混合燃焼モードは、エミッション要件を満たすのに希釈剤を必要とせずに燃料システムを作動させ、それによって該燃料システムの燃料消費量を減少させるのを可能にする利点がある。さらに、予混合燃焼モードは、酸素増強ガス化装置のための空気分離ユニットの副生成物及び蒸気タービンからの蒸気が、化学製品製造、後処理、複合サイクル発電などのようなその他のプラント行程において一層効率的に利用されるのを可能にする。従って、本燃焼システムは、エミッションの低減を維持しながら燃料フレキシビリティを大幅に高め、かつ全発電プラント効率を維持しながら異なる発電プラント構成で作動させることができる。
【0039】
本明細書では、本発明の一部の特徴のみを例示しかつ説明してきたが、当業者には多くの修正及び変更形態が想起されるであろう。従って、特許請求の範囲は、全てのそのような修正及び変更形態を本発明の技術思想の範囲内に属するものとして保護することを意図していることを理解されたい。
【符号の説明】
【0040】
10 統合石炭ガス化複合サイクル(IGCC)システム
12 ガス化装置
14 ガスタービン
16 燃料フレキシブル燃焼システム
18 蒸気タービン
20 燃料原材料
22 酸素
24 合成ガス
26 スラグ生成物
28 ガス冷却及び浄化ユニット
30 混入物質
32 浄化合成ガス
34 流入空気
36 圧縮機
38 タービン
40 発電機
42 電気エネルギー
44 電力網
46 天然ガス
48 排気ガス
50 熱回収蒸気発生器
52 蒸気タービンのための蒸気
54 蒸気タービンからの熱
56 熱回収蒸気発生器からの蒸気
58 発電機
60 ガスタービン
62 圧縮機
64 燃料フレキシブル燃焼システム
66 タービン
68 流入空気
70 加圧空気
72 燃焼器ノズル
74 第1の燃料システム
76 第2の燃料システム
78 燃焼室
80 制御装置
90 燃焼器ノズル
92 バーナ管
94 バーナ管上の噴射オリフィス、
96 スウォズルベーン上の噴射オリフィス
100 噴射オリフィス
102 噴射オリフィス
104 噴射オリフィス
106 内側同心環状通路
108 外側同心環状通路
110 中間同心環状通路
120 燃焼器ノズル
122 スウォズルベーン
124 スウォズル燃料噴射ポイント
130 燃焼器ノズル
132 第1の燃料プレナム
134 第2の燃料プレナム
136 第3の燃料プレナム
140 燃焼器ノズル
142 ノズル先端上のオリフィスの組
150 燃焼器ノズル
152 第1のオリフィスの組
154 第2のオリフィスの組
160 燃焼器ノズル
162 燃料プレナム
164 燃料プレナム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室内に合成ガス燃料を導入して該燃焼室内で希薄予混合燃焼を可能にするように構成された第1の燃料システムと、
前記燃焼室内に前記合成ガス燃料、又は炭化水素燃料、又は希釈剤、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で拡散燃焼を可能にするように構成された第2の燃料システムと、
を含む燃焼器ノズル。
【請求項2】
前記第1の燃料システムが、前記燃焼室内に炭化水素燃料を導入して希薄予混合燃焼を可能にするようにさらに構成される、請求項1記載の燃焼器ノズル。
【請求項3】
前記第1及び第2の燃料システムに結合された制御装置をさらに含み、
前記制御装置が、燃料ストリームの燃料タイプ又は燃料発熱量の少なくとも1つに基づいて燃焼モードを選択するように構成される、
請求項1又は2に記載の燃焼器ノズル。
【請求項4】
前記第1の燃料システムが、流入空気に旋回運動を与えかつその各々上に配置された複数の噴射オリフィスを通して前記合成ガス燃料及び炭化水素燃料を導入するように構成された複数のスウォズルベーンを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃焼器ノズル。
【請求項5】
前記第1の燃料システムが、バーナ管、又はスウォズルベーン、又はバーナ中央本体、又はそれらの組合せ上に配置されて該ノズル内に前記炭化水素燃料及び合成ガス燃料を導入するようになった複数の噴射オリフィスをさらに含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃焼器ノズル。
【請求項6】
前記第1の燃料システムが、前記バーナ管及びベーン上に配置されて予混合炭化水素又は合成ガス作動モードのために該ノズル内に前記炭化水素燃料及び合成ガス燃料を導入するようになった第1及び第2の噴射オリフィスの組を含む、請求項5記載の燃焼器ノズル。
【請求項7】
前記第1の燃料システムが、前記バーナ管上に配置されて前記予混合合成ガス作動モードのために該ノズル内に前記合成ガス燃料を導入するようになった第3の噴射オリフィスの組をさらに含む、請求項6記載の燃焼器ノズル。
【請求項8】
前記バーナ管、ベーン及び中央本体上に配置された前記複数の噴射オリフィスに前記炭化水素及び合成ガス燃料を供給するようになったそれぞれの燃料プレナムを含む、請求項5記載の燃焼器ノズル。
【請求項9】
前記複数の噴射オリフィスのパターン及び形状が、ベーンセクタ区域の各それぞれのゾーン内への燃料ジェット貫入を実質的に最大にするように選択される、請求項5記載の燃焼器ノズル。
【請求項10】
前記第2の燃料システムが、前記燃焼室内に前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤を導入するように構成された内側、中間及び外側同心環状通路並びにオリフィスを含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の燃焼器ノズル。
【請求項11】
前記制御装置が、前記燃料ストリームの燃料発熱量に基づいて、前記内側、中間及び外側通路の各々内における前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤の流れを制御するように構成される、請求項10に記載の燃焼器ノズル。
【請求項12】
前記内側、中間及び外側通路が、前記合成ガス燃料の燃料発熱量の所望の範囲に基づいて設計される、請求項10または11に記載の燃焼器ノズル。
【請求項13】
前記第2及び第3の通路内における前記合成ガス燃料及び希釈剤の流れが、空気旋回に対して逆旋回して、混合を高めるのを可能にする、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の燃焼器ノズル。
【請求項14】
前記内側、中間、及び外側通路が、0°〜75°の接線方向噴射角及び0°〜75°の半径方向噴射角を有する、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の燃焼器ノズル。
【請求項15】
空気が、該空気よりも比較的低い酸素含量を有する再循環排気ガスと混合される、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の燃焼器ノズル。
【請求項16】
燃料フレキシブル燃焼システムであって、
該燃焼システム内に燃料ストリームを導入するように構成された燃焼器ノズルと、
前記燃料ストリームの燃料タイプに基づいて選択した燃焼モードにより該燃料ストリーム及び空気を燃焼させるように構成された燃焼室と、
を含み、前記燃焼器ノズルが、
前記燃焼室内に炭化水素燃料、又は合成ガス燃料、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で予混合燃焼モードを可能にするように構成された第1の燃料システムと、
前記燃焼室内に前記合成ガス燃料、又は窒素、蒸気、二酸化炭素、又は炭化水素燃料、又はそれらの組合せを導入して該燃焼室内で拡散燃焼モードを可能にするように構成された第2の燃料システムと、を含む、
燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項17】
前記第1及び第2の燃料システムに結合された制御装置をさらに含み、
前記制御装置が、燃料ストリームの燃料タイプ又は燃料発熱量の少なくとも1つに基づいて燃焼モードを選択するように構成される、
請求項16記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項18】
前記第1の燃料システムが、流入空気に旋回運動を与えかつその各々上に配置された複数の噴射オリフィスを通して前記合成ガス燃料及び炭化水素燃料を導入するように構成された複数のスウォズルベーンを含む、請求項16または17記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項19】
前記第1の燃料システムが、バーナ管、又はベーン、又はバーナ中央本体、又はそれらの組合せ上に配置されて前記燃焼ノズル内に前記炭化水素燃料及び合成ガス燃料を導入するようになった複数の噴射オリフィスをさらに含む、請求項18記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項20】
前記第1の燃料システムが、前記バーナ管及びスウォズルベーン上に配置されて前記ノズル内に前記炭化水素燃料及び合成ガス燃料を導入するようになった第1及び第2の噴射オリフィスの組を含む、請求項19記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項21】
前記第1の燃料システムが、前記バーナ管上に配置されて前記予混合合成ガス作動のために前記ノズル内に前記合成ガス燃料を導入するようになった第3の噴射オリフィスの組をさらに含む、請求項20記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項22】
前記バーナ管、ベーン及び中央本体上に配置された前記複数の噴射オリフィスに前記炭化水素及び合成ガス燃料を供給するようになったそれぞれの燃料プレナムを含む、請求項19記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項23】
前記第2の燃料システムが、前記燃焼室内に前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤を導入するように構成された内側、中間及び外側同心環状通路並びにオリフィスを含む、請求項16乃至22のいずれか1項に記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項24】
前記制御装置が、前記燃料ストリームの燃料発熱量に基づいて、前記内側、中間及び外側通路の各々内における前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤の流れを制御するように構成される、請求項16乃至23のいずれか1項に記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項25】
前記空気の温度が、500°F〜1400°Fである、請求項16乃至14のいずれか1項に記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項26】
前記空気が、該空気よりも比較的低い酸素含量を有する再循環排気ガスと混合される、請求項16乃至25のいずれか1項に記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項27】
前記燃焼器ノズルの予混合滞留時間が、0.1ms〜10msである、請求項16乃至26のいずれか1項に記載の燃料フレキシブル燃焼システム。
【請求項28】
石炭から合成ガス燃料を生成するように構成されたガス化装置と、
前記ガス化装置から前記合成ガス燃料を受けかつ燃焼システム内で前記合成ガス燃料及び空気を燃焼させて電気エネルギーを生成するように構成されたガスタービンと、
を含み、前記燃焼システムが、
予混合及び拡散作動モードのためにその中に合成ガスを導入するようになった第1及び第2の燃料システムを有する燃焼器ノズルと、
予混合及び拡散燃焼モードにより前記合成ガス燃料及び空気を燃焼させるように構成された燃焼室と、を含む、
統合石炭ガス化複合サイクル(IGCC)システム。
【請求項29】
前記第1の燃料システムが、空気に旋回運動を与えかつ希薄予混合燃焼のために前記燃焼システム内に前記合成ガス燃料を導入するように構成された複数のスウォズルベーンを含む、請求項28記載のIGCCシステム。
【請求項30】
前記第1の燃料システムが、前記複数のスウォズルベーンを通して前記燃焼システム内に炭化水素燃料を導入するように構成される、請求項29記載のIGCCシステム。
【請求項31】
前記炭化水素燃料及び合成ガス燃料が、前記スウォズルベーン、又はバーナ管、又はバーナ中央本体、又はそれらの組合せ上に配置された複数の噴射オリフィスを通して前記燃焼システム内に導入される、請求項30記載のIGCCシステム。
【請求項32】
前記第2の燃料システムが、前記燃焼室内に前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤を導入するように構成された内側、中間及び外側同心環状通路並びにオリフィスを含む、請求項28乃至31のいずれか1項に記載のIGCCシステム。
【請求項33】
前記希釈剤が、蒸気、又は窒素、又は二酸化炭素、又はそれらの組合せを含む、請求項32記載のIGCCシステム。
【請求項34】
燃料フレキシブル燃焼システムを作動させる方法であって、
燃焼器ノズルを介して前記燃焼システム内に燃料ストリームを導入するステップと、
低エミッション燃焼モードで炭化水素燃料ストリームを燃焼させまた第2の燃焼モードで合成ガス燃料を燃焼させるステップと、
前記合成ガスの発熱量に基づいて前記第2の燃焼モードを変更するステップと、
前記低エミッション燃焼モード、又は第2の燃焼モード、又はそれらの組合せにより前記燃料ストリーム及び空気を燃焼させるステップと、を含む、
方法。
【請求項35】
前記燃料ストリーム及び空気を燃焼させるステップが、前記炭化水素燃料に対しては希薄予混合モードでまた前記合成ガス燃料に対しては予混合又は拡散モードで前記燃焼システムを作動させるステップを含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記希薄予混合モードで前記燃焼システムを作動させるステップが、前記燃焼室の上流に配置された複数のスウォズルベーンを通して、又はバーナ中央本体を通して、又はバーナ管を通して、又はそれらの組合せを通して前記燃焼システム内に前記炭化水素燃料及び合成ガス燃料を導入するステップを含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記拡散モードで前記燃焼システムを作動させるステップが、内側、中間及び外側同心環状通路を介して前記燃焼システム内に前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤を導入するステップを含む、請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記合成ガス燃料の燃料発熱量並びにベーン、バーナ管及びバーナ中央本体内の前記炭化水素燃料の流れに基づいて、前記同心環状通路の各々内の前記合成ガス燃料、炭化水素燃料及び希釈剤の体積流量を制御して前記燃焼器ノズルを共燃焼作動させるようにするステップをさらに含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
より低い酸素含量を有する再循環排気ガスの流れが、前記燃焼システムに流入する空気に導入される、請求項37記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−506131(P2010−506131A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531619(P2009−531619)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/080519
【国際公開番号】WO2008/057685
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY