説明

燃料プール冷却浄化装置およびその方法

【課題】地震によって燃料プールのプール水にスロッシングが発生してプール水が溢水しても、燃料プール内のプール水を冷却する機能を確保可能な燃料プール冷却浄化装置を提供する。
【解決手段】スキマサージタンク水位計装13Aには、スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12と、スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13とが設定され、スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12とスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13との間には、燃料プール3のプール水2が溢水した場合に、燃料プール3からスキマサージタンク6へのプール水2の移送量低下に相当する燃料プールスロッシング時スキマサージタンクバッファ水位差ΔL14が確保される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料プールのプール水にスロッシングが発生してプール水が溢水しても、燃料プール内のプール水を冷却する機能を確保可能な燃料プール冷却浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型軽水炉を利用した原子力発電プラントでは、原子力発電プラントの運転に伴って使用済燃料が発生する。この使用済燃料は、原子力発電プラント内の燃料プールを含む貯蔵施設において一時貯蔵される。この燃料プールのプール水は、プール水中に貯蔵する使用済燃料の崩壊熱によって加熱される。燃料プールには、加熱されたプール水の水温を規定値以下に維持するとともにプール水の水質を維持するための燃料プール冷却浄化装置が設けられる。燃料プール冷却浄化装置は、燃料プールに満たされたプール水中の使用済燃料から発生した崩壊熱を除去する機能と、この使用済燃料によってプール水中に持ち込まれた腐食生成物、核分裂生成物、溶解性無機物質などを除去する機能とを有し、プール水の冷却と水質維持とを行う。
【0003】
図9は、従来の燃料プール冷却浄化装置の構成の一例を示す概略図である。
【0004】
図9に示すように、従来の燃料プール冷却浄化装置30は、プール水2が満たされた燃料プール3の上部に設けられたスキマ堰5と、スキマ堰5を介して燃料プール3と連通されたスキマサージタンク6と、スキマサージタンク6底部に設けられた燃料プール冷却浄化系吸込配管7と、燃料プール冷却浄化系吸込配管7により案内されたプール水2を加圧する燃料プール冷却浄化系ポンプ8と、燃料プール冷却浄化系ポンプ8により加圧されたプール水2を浄化する燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9と、この浄化されたプール水2を冷却する燃料プール冷却浄化系熱交換器10と、この冷却されたプール水2を燃料プール3底部へ案内する燃料プール冷却浄化系戻り配管11と、燃料プール冷却浄化系戻り配管11に案内されたプール水2を燃料プール3内へ流入させる燃料プールディフューザ12とから構成される。なお、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9と燃料プール冷却浄化系熱交換器10との順番を入れ替えた燃料プール冷却浄化装置30もある。
【0005】
スキマサージタンク6には、このタンク内の水位を検出するスキマサージタンク水位計装13が設けられる。スキマサージタンク水位計装13は、複数の水位センサを備えた1系統または複数の系統の計装系により構成される。また、スキマサージタンク6には補給水系14が設けられる。
【0006】
燃料プール3内の使用済燃料4から発生した崩壊熱は、燃料プール3に満たされたプール水2を温める。この温められたプール水2は、燃料プール3の上部へ対流する。燃料プール3上部のプール水2は、スキマ堰5を介してスキマサージタンク6へ流入する。スキマサージタンク6へ流入したプール水2は、燃料プール冷却浄化系吸込配管7を通って燃料プール冷却浄化系ポンプ8により加圧される。この加圧されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9に送り込まれて浄化される。この浄化されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系熱交換器10により冷却(熱交換)される。この浄化および冷却されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系戻り配管11を経由して燃料プールディフューザ12から燃料プール3底部へ戻される。
【0007】
図10は、従来の燃料プール冷却浄化装置を構成するスキマサージタンクの水位設定の構成の一例を示す概略図である。
【0008】
図10に示すように、原子力発電プラントが通常運転される際のスキマサージタンク6の水位は、スキマ堰5からのプール水2の移送量および補給水系14による自動または手動の補給量調整と、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の取水量とのバランスにより通常運用時水位L0に保たれる。このスキマサージタンク6の通常運用時水位L0は、スキマサージタンク水位高警報水位L2とスキマサージタンク水位低警報水位L3との間に保たれる。
【0009】
燃料プール3に使用済燃料4であるキャスクを搬入すると、使用済燃料4の容積分のプール水2が一時的に余剰な水量となる。この燃料プール3内の貯蔵容量増加による一時的な余剰プール水2は、スキマサージタンク6へ受け入れられる。したがって、燃料プール通常水位L1とスキマサージタンク水位高警報水位L2との水位差には、この余剰プール水2を吸収可能な通常時機器搬入時増容量水位差ΔL5が加味される。
【0010】
また、スキマサージタンク6内の水量低下によって燃料プール冷却浄化系ポンプ8に吸い込まれるプール水2が不足した場合のポンプ保護の観点から、スキマサージタンク水位低警報水位L3より低い、スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4にスキマサージタンク6内の水量が低下すると燃料プール冷却浄化系ポンプ8がトリップされる。
【0011】
原子力発電プラントが設置された地域に地震が発生すると、燃料プール3内のプール水2が揺れて(スロッシング)溢水する恐れがある。燃料プール3内のプール水2が溢水した場合、燃料プール3の水位が低下し、スキマサージタンク6に移動されるプール水2の水量が低下または途絶し、スキマサージタンク6内の水位が低下する。
【0012】
特許文献1および2には、燃料プール3にカバーや移動壁を設置するなどのプール水2の溢水対策が開示されている。
【特許文献1】特開2006−329799号公報
【特許文献2】特開平8−101296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の燃料プール冷却浄化装置30では、地震により燃料プール3のスロッシングが大規模に発生した場合は、スキマサージタンク6の水位が低下して燃料プール冷却浄化系ポンプ8がトリップし、燃料プール3内のプール水2を冷却する機能が一時的に喪失する課題があった。
【0014】
燃料プール冷却浄化装置30がプール水2の冷却機能を喪失すると、使用済燃料4から発生した崩壊熱により燃料プール3内のプール水2の水温が上昇して、使用済燃料4から除熱できなくなる恐れがある。したがって、地震時であっても燃料プール冷却浄化装置30の燃料プール3内のプール水2を冷却する機能は維持される必要がある。
【0015】
また、スキマサージタンク6の水位が低下して燃料プール冷却浄化系ポンプ8がトリップすると、燃料プール3内のプール水2を冷却する機能を回復するために燃料プール冷却浄化装置30の復旧作業を必要とする。この、燃料プール冷却浄化装置30の復旧作業は、地震の発生時に原子力発電プラントの安全停止を最優先している運転員の操作負担となる。
【0016】
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、地震によって燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生してプール水2が溢水しても、燃料プール3内のプール水2を冷却する機能を確保可能な燃料プール冷却浄化装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の課題を解決するため本発明では、原子力発電プラントの使用済燃料を貯蔵する燃料プールと、前記燃料プールからオーバフローしたプール水が流れ込むスキマサージタンクと、前記燃料プールと前記スキマサージタンクとを連通する流路内に設けられ、前記燃料プールから前記スキマサージタンクへ流れ込むプール水の水量を調整するスキマ堰と、前記スキマサージタンクからプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプと、スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位とスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位とを設定したスキマサージタンク水位計装とを備え、前記燃料プールのプール水がスロッシングにより溢水しても、前記ポンプの運転が継続可能な水量を、前記スキマサージタンク内に前記スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位と前記スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位との水位差として確保したことを特徴とする燃料プール冷却浄化装置を提供する。
【0018】
また、本発明では、原子力発電プラントの使用済燃料を貯蔵する燃料プールと、前記燃料プールからオーバフローしたプール水が流れ込むスキマサージタンクと、前記燃料プールと前記スキマサージタンクとを連通する流路内に設けられ、前記燃料プールから前記スキマサージタンクへ流れ込むプール水の水量を調整するスキマ堰と、前記スキマサージタンクからプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプと、地震の発生を検出する地震発生検出装置と、前記地震発生検出装置から出力される信号によりスキマ堰の動作を制御するスキマ堰制御装置と、前記スキマ堰制御装置の制御信号によってスキマ堰を駆動させるスキマ堰駆動装置とを備えたことを特徴とする燃料プール冷却浄化装置を提供する。
【0019】
さらに、本発明では、スキマサージタンク内のプール水の水位が低下して、スキマサージタンク水位計装がスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位を検出した際に、前記スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位の検出が所要の時間継続した場合に、前記スキマサージタンク内のプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプをトリップすることを特徴とする燃料プール冷却浄化方法を提供する。
【0020】
さらにまた、本発明では、スキマサージタンク内のプール水の水位が低下して、スキマサージタンク水位計装がスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位を検出した際に、前記スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位の検出が所要の時間継続した場合に、前記スキマサージタンク内のプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプをトリップすることを特徴とする燃料プール冷却浄化方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、地震によって燃料プールのプール水にスロッシングが発生してプール水が溢水しても、燃料プール内のプール水を冷却する機能を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施形態]
本発明に係る燃料プール冷却浄化装置の第1実施形態について、図1から図2を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図である。
【0024】
図1に示すように、燃料プール冷却浄化装置1は、プール水2に満たされて使用済燃料4が貯蔵される燃料プール3の上部に設けられたスキマ堰5と、スキマ堰5を介して燃料プール3と連通されたスキマサージタンク6と、スキマサージタンク6底部に設けられた燃料プール冷却浄化系吸込配管7と、燃料プール冷却浄化系吸込配管7によって案内されたプール水2を加圧する燃料プール冷却浄化系ポンプ8と、燃料プール冷却浄化系ポンプ8により加圧されたプール水2を浄化する燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9と、この浄化されたプール水2を冷却する燃料プール冷却浄化系熱交換器10と、この冷却されたプール水2を燃料プール3底部へ案内する燃料プール冷却浄化系戻り配管11と、燃料プール冷却浄化系戻り配管11に案内されたプール水2を燃料プール3内へ流入させる燃料プールディフューザ12とから構成される。なお、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9と燃料プール冷却浄化系熱交換器10との順番は入れ替えることができる。
【0025】
スキマサージタンク6には、燃料プール2の上部に設けられたスキマ堰5からオーバフローしたプール水2が流れ込む。スキマ堰5は、燃料プール3とスキマサージタンク6とを連通する流路内に設けられ、燃料プール3からスキマサージタンク6へ流れ込むプール水2の水量を調整する。また、スキマサージタンク6には、このタンク内の水位を検出するスキマサージタンク水位計装13Aが設けられる。スキマサージタンク水位計装13Aは、複数の水位センサを備えた1系統または複数の系統の計装系により構成される。また、スキマサージタンク6には補給水系14が設けられる。
【0026】
燃料プール3内の使用済燃料4から発生した崩壊熱は、燃料プール3に満たされたプール水2を温める。この温められたプール水2は、燃料プール3の上部へ対流する。燃料プール3上部のプール水2は、スキマ堰5を介してスキマサージタンク6へ流入する。スキマサージタンク6へ流入したプール水2は、燃料プール冷却浄化系吸込配管7を通って燃料プール冷却浄化系ポンプ8により加圧される。この加圧されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9に送り込まれて浄化される。この浄化されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系熱交換器10により冷却(熱交換)される。この浄化および冷却されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系戻り配管11を経由して燃料プールディフューザ12から燃料プール3底部へ戻される。
【0027】
図2は、本発明の第1実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置を構成するスキマサージタンクの水位設定の構成を示す概略図である。
【0028】
図2に示すように、スキマサージタンク水位計装13Aには、地震により燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生した場合に、スキマサージタンク6内の水位低下による燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避可能とするため、スロッシング時スキマサージタンク水位高警報水位L11と、スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12と、スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13とが設定される。
【0029】
原子力発電プラントが通常運転される際のスキマサージタンク6の水位は、スキマ堰5からのプール水2の移送量および補給水系14による自動または手動の補給量調整と、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の取水量とのバランスにより通常運用時水位L10に保たれる。このスキマサージタンク6の通常運用時水位L10は、スロッシング時スキマサージタンク水位高警報水位L11とスロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12との間に保たれる。
【0030】
また、スキマサージタンク6内の水量低下によって燃料プール冷却浄化系ポンプ8に吸い込まれるプール水2が不足した場合のポンプ保護の観点から、スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12より低い、スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13において、燃料プール冷却浄化系ポンプ8がトリップされる。
【0031】
スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12とスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13との間には、地震により燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生して燃料プール3からプール水2が溢水した場合に、燃料プール3からスキマサージタンク6へのプール水2の移送量低下に相当する燃料プールスロッシング時スキマサージタンクバッファ水位差ΔL14が確保される。
【0032】
すなわち、燃料プール3のプール水2がスロッシングにより溢水しても、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の運転が継続可能な水量を、スキマサージタンク6内にスロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12とスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13との水位差として、燃料プールスロッシング時スキマサージタンクバッファ水位差ΔL14が設定される。
【0033】
このように構成された本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1では、地震により燃料プール3のスロッシングが大規模に発生してプール水が溢水した場合でも、燃料プール3からスキマサージタンク6へのプール水移送量低下に相当する燃料プールスロッシング時スキマサージタンクバッファ水位差ΔL14が確保されているので、スキマサージタンク6の水位がスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13まで低下することはなく、燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できる。すなわち、燃料プール3内のプール水2を冷却する機能が喪失されることはない。
【0034】
本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1によれば、地震によって燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生してプール水2が溢水しても、燃料プール3内のプール水2を冷却する機能を確保することができる。
【0035】
また、燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できることから、燃料プール冷却浄化装置1の復旧作業を必要とすることはなく、地震の発生時に原子力発電プラントの安全停止を最優先している運転員の操作を軽減することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
本発明に係る燃料プール冷却浄化装置の第2実施形態について、図3から図4を参照して説明する。
【0037】
図3は、本発明の第2実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図である。
【0038】
この燃料プール冷却浄化装置1Aにおいて第1実施形態の燃料プール冷却浄化装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
図3に示すように、燃料プール冷却浄化装置1Aを構成するスキマサージタンク6には、このタンク内の水位を検出するスキマサージタンク水位計装13Bが設けられる。スキマサージタンク水位計装13Bは、複数の水位センサを備えた1系統または複数の系統の計装系により構成される。
【0040】
また、燃料プール冷却浄化装置1Aは、燃料プール3に使用済燃料4であるキャスクを搬入する際に、その許否を切り替えてスキマサージタンク水位計装13Bの水位設定を変更する機器搬入可否切替装置17をさらに備える。
【0041】
図4(A)と(B)は、本発明の第2実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置を構成するスキマサージタンクの水位設定の構成を示す概略図である。
【0042】
図4(A)に示すように、スキマサージタンク水位計装13Bには、地震により燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生した場合に、スキマサージタンク6内の水位低下による燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避可能とするため、スロッシング時スキマサージタンク水位高警報水位L11と、スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12と、スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13とを有する燃料プールスロッシング時スキマサージタンク水位設定P1が設定される。
【0043】
スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位L12とスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13との水位差には、地震により燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生して燃料プール3からプール水2が溢水した場合に、燃料プール3からスキマサージタンク6へのプール水2の移送量低下に相当する燃料プールスロッシング時スキマサージタンクバッファ水位差ΔL14が確保される。
【0044】
また、図4(B)に示すように、スキマサージタンク水位計装13Bには、燃料プール3に使用済燃料4であるキャスクを搬入する場合に、使用済燃料4の容積分のプール水2が一時的に余剰な水量となるので、燃料プール3内の貯蔵容量増加による一時的な余剰プール水2をスキマサージタンク6へ吸収可能とするため、スキマサージタンク水位高警報水位L2と、スキマサージタンク水位低警報水位L3と、スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4とを有する機器搬入時スキマサージタンク水位設定P2が設定される。
【0045】
燃料プール通常水位L1とスキマサージタンク水位高警報水位L2との水位差には、燃料プール3に使用済燃料4であるキャスクを搬入する際に、使用済燃料4の容積分のプール水2が一時的に余剰な水量となるため、この余剰プール水2を吸収可能な通常時機器搬入時増容量水位差ΔL5が確保される。
【0046】
スキマサージタンク水位計装13Bは、燃料プール3に使用済燃料4であるキャスクを搬入する場合に、機器搬入可否切替装置17から出力される機器搬入許可信号によって、燃料プールスロッシング時スキマサージタンク水位設定P1と機器搬入時スキマサージタンク水位設定P2とが選択的に設定される。なお、スキマサージタンク水位計装13Bの設定を機器搬入時スキマサージタンク水位設定P2から燃料プールスロッシング時スキマサージタンク水位設定P1に戻した場合は、補給水系14から所要のプール水2が自動補給される。
【0047】
このように構成された本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1Aでは、地震の発生時には燃料プール3のプール水2の冷却機能を確保可能であるとともに、通常運転時に使用済燃料4であるキャスク搬入などによって燃料プール3のプール水2が一時的に余剰な水量となる際にはプール水2をスキマサージタンク6へ受け入れることが可能となる。
【0048】
[第3の実施形態]
本発明に係る燃料プール冷却浄化装置の第3実施形態について、図5を参照して説明する。
【0049】
図5は、本発明の第3実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図である。
【0050】
図5に示すように、燃料プール冷却浄化装置1Bは、プール水2に満たされて使用済燃料4が貯蔵される燃料プール3の上部に設けられたスキマ堰5と、スキマ堰5を介して燃料プール3と連通されたスキマサージタンク6と、スキマサージタンク6底部に設けられた燃料プール冷却浄化系吸込配管7と、燃料プール冷却浄化系吸込配管7によって案内されたプール水2を加圧する燃料プール冷却浄化系ポンプ8と、燃料プール冷却浄化系ポンプ8により加圧されたプール水2を浄化する燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9と、この浄化されたプール水2を冷却する燃料プール冷却浄化系熱交換器10と、この冷却されたプール水2を燃料プール3底部へ案内する燃料プール冷却浄化系戻り配管11と、燃料プール冷却浄化系戻り配管11に案内されたプール水2を燃料プール3内へ流入させる燃料プールディフューザ12とから構成される。なお、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9と燃料プール冷却浄化系熱交換器10との順番は入れ替えることができる。
【0051】
スキマサージタンク6には、燃料プール2の上部に設けられたスキマ堰5からオーバフローしたプール水2が流れ込む。スキマ堰5は、燃料プール3とスキマサージタンク6とを連通する流路内に設けられ、燃料プール3からスキマサージタンク6へ流れ込むプール水2の水量を調整する。また、スキマサージタンク6には、このタンク内の水位を検出するスキマサージタンク水位計装13が設けられる。スキマサージタンク水位計装13は、複数の水位センサを備えた1系統または複数の系統の計装系により構成される。また、スキマサージタンク6には補給水系14が設けられる。
【0052】
また、燃料プール冷却浄化装置1Bは、地震計や加速度計などから構成されて地震の発生を検出して地震が所定の大きさ以上である際に地震発生検出信号を出力する地震発生検出装置18と、所定の大きさの地震が発生した場合に地震発生検出装置18から出力される地震発生検出信号に基づいてスキマ堰5の駆動を制御するスキマ堰制御装置19と、スキマ堰制御装置19に制御されてスキマ堰5を駆動させるスキマ堰駆動装置20とをさらに備える。
【0053】
燃料プール3内の使用済燃料4から発生した崩壊熱は、燃料プール3に満たされたプール水2を温める。この温められたプール水2は、燃料プール3の上部へ対流する。燃料プール3上部のプール水2は、スキマ堰5を介してスキマサージタンク6へ流入する。スキマサージタンク6へ流入したプール水2は、燃料プール冷却浄化系吸込配管7を通って燃料プール冷却浄化系ポンプ8により加圧される。この加圧されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置9に送り込まれて浄化される。この浄化されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系熱交換器10により冷却(熱交換)される。この浄化および冷却されたプール水2は、燃料プール冷却浄化系戻り配管11を経由して燃料プールディフューザ12から燃料プール3底部へ戻される。
【0054】
原子力発電プラントが設置された地域に地震が発生し、この地震の大きさが所定以上の大きさである場合には、地震発生検出装置18からスキマ堰制御装置19に地震発生検出信号が出力される。地震発生検出信号が入力されたスキマ堰制御装置19は、スキマ堰駆動装置20を制御してスキマ堰5を駆動させる。スキマ堰5は、スキマ堰駆動装置20によって下方へ駆動される。スキマ堰5が下方に駆動されると、燃料プール3のプール水2は、スキマサージタンク6に流入される。そうすると、スキマサージタンク6の水位は上昇する。
【0055】
このように構成された本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1Bでは、地震により燃料プール3のスロッシングが大規模に発生してプール水2が溢水した場合でも、スキマ堰5を下方に移動させることで、プール水2をスキマサージタンク6に移送して、スキマサージタンク6内の水位が確保可能となることから、燃料プール3のスロッシング発生時に燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できる。
【0056】
本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1Bによれば、地震によって燃料プール3のプール水2にスロッシングが発生してプール水2が溢水しても、燃料プール3内のプール水2を冷却する機能を確保することができる。
【0057】
また、燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できることから、燃料プール冷却浄化装置1の復旧作業を必要とすることはなく、地震の発生時に原子力発電プラントの安全停止を最優先している運転員の操作を軽減することができる。
【0058】
なお、本実施形態は、地震時に燃料プール3のプール水2のスロッシングが大きい場合には、第1実施形態の燃料プール冷却浄化装置1または第2実施形態の燃料プール冷却浄化装置1Aと組み合わせることが有効である。
【0059】
[第4の実施形態]
本発明に係る燃料プール冷却浄化装置の第4実施形態について、図6から図8を参照して説明する。
【0060】
図6は、本発明の第4実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置およびその方法の構成を示す概略図である。
【0061】
この燃料プール冷却浄化装置1Cにおいて第1実施形態の燃料プール冷却浄化装置1または第3実施形態の燃料プール冷却浄化装置1Bと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0062】
図6に示すように、燃料プール冷却浄化装置1Cは、スキマサージタンク6内の水位であるスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13がスキマサージタンク水位計装13、13Aによって検出された際に、この検出信号が所要の時間継続した場合は燃料プール冷却浄化系ポンプ8にトリップ信号を出力するポンプトリップ判定装置21をさらに備える。
【0063】
このように構成された本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1Cでは、地震が発生した際にスキマサージタンク6内でプール水2が過渡的にスロッシングして、スキマサージタンク水位計装13、13Aによってスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が検知された際に、検出された信号が所要の時間継続しない場合には、燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できる。また、スキマサージタンク6内のプール水2が静定した状態でスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が検出されて、検出された信号が所要の時間継続した場合には、すなわち燃料プール冷却浄化系ポンプ8に吸い込まれるスキマサージタンク6内のプール水2が不足した場合には、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の保護の観点からポンプがトリップされる。
【0064】
図7は、本発明の第4実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の他の構成を示す概略図である。
【0065】
この燃料プール冷却浄化装置1Dにおいて第1実施形態の燃料プール冷却浄化装置1または第3実施形態の燃料プール冷却浄化装置1Bと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0066】
図7に示すように、燃料プール冷却浄化装置1Dは、スキマサージタンク6内の水位であるスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13がスキマサージタンク水位計装13、13Aによって検出された際に、この検出信号が所要の時間継続した場合は燃料プール冷却浄化系ポンプ8にトリップ信号を出力するポンプトリップ判定装置21をさらに備え、ポンプトリップ判定装置21から出力されたトリップ信号と、地震による揺れによって地震発生検出装置18から出力された地震発生検出信号とが入力された場合にはポンプがトリップする燃料プール冷却浄化系ポンプ8Aを備える。
【0067】
このように構成された本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1Dでは、地震が発生した際にスキマサージタンク6内でプール水2が過渡的にスロッシングして、スキマサージタンク水位計装13、13Aによってスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が検知された際に、検出された信号が所要の時間継続しない場合には、燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できる。また、スキマサージタンク6内のプール水2が静定した状態でスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が検出され、検出された信号が所要の時間継続した場合であって、かつ、地震による揺れが地震発生検出装置18によって検出された場合には、すなわち燃料プール冷却浄化系ポンプ8に吸い込まれるスキマサージタンク6内のプール水2が不足した場合には、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の保護の観点からポンプがトリップされる。
【0068】
図8は、本発明の第4実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の他の構成を示す概略図である。
【0069】
この燃料プール冷却浄化装置1Eにおいて第1実施形態の燃料プール冷却浄化装置1または第3実施形態の燃料プール冷却浄化装置1Bと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0070】
図8に示すように、燃料プール冷却浄化装置1Eは、スキマサージタンク6内の水位であるスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13がスキマサージタンク水位計装13、13Aによって検出され、また、地震による揺れが地震発生検出装置18によって検出された際に、これら検出信号が所要の時間継続した場合は燃料プール冷却浄化系ポンプ8にトリップ信号を出力するポンプトリップ判定装置21Aをさらに備える。
【0071】
このように構成された本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1Eでは、地震が発生した際にスキマサージタンク6内でプール水2が過渡的にスロッシングして、スキマサージタンク水位計装13、13Aによってスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が検知され、かつ、地震による揺れが地震発生検出装置18によって検出された際に、検出された信号が所要の時間継続しない場合には、燃料プール冷却浄化系ポンプ8のトリップを回避できる。また、スキマサージタンク6内のプール水2が静定した状態でスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が検出され、かつ、地震による揺れが地震発生検出装置18によって検出された際に、検出された信号が所要の時間継続した場合には、すなわち燃料プール冷却浄化系ポンプ8に吸い込まれるスキマサージタンク6内のプール水2が不足した場合には、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の保護の観点からポンプがトリップされる。
【0072】
本実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置1C、1D、1Eによれば、地震が発生した際にスキマサージタンク6内のプール水2の過渡的なスロッシングによってスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L4またはスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位L13が一時的に検知された場合に、燃料プール冷却浄化系ポンプ8の不必要なトリップを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置を構成するスキマサージタンクの水位設定の構成を示す概略図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図。
【図4】(A)と(B)は、本発明の第2実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置を構成するスキマサージタンクの水位設定の構成を示す概略図。
【図5】本発明の第3実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図。
【図6】本発明の第4実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の構成を示す概略図。
【図7】本発明の第4実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の他の構成を示す概略図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る燃料プール冷却浄化装置の他の構成を示す概略図。
【図9】従来の燃料プール冷却浄化装置の構成の一例を示す概略図。
【図10】従来の燃料プール冷却浄化装置を構成するスキマサージタンクの水位設定の構成の一例を示す概略図。
【符号の説明】
【0074】
1、1A、1B、1C、1D、1E 燃料プール冷却浄化装置
2 プール水
3 燃料プール
4 使用済燃料
5 スキマ堰
6 スキマサージタンク
7 燃料プール冷却浄化系吸込配管
8、8A 燃料プール冷却浄化系ポンプ
9 燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置
10 燃料プール冷却浄化系熱交換器
11 燃料プール冷却浄化系戻り配管
12 燃料プールディフューザ
13、13A スキマサージタンク水位計装
14 補給水系
17 機器搬入可否切替装置
18 地震発生検出装置
19 スキマ堰制御装置
20 スキマ堰駆動装置
21、21A ポンプトリップ判定装置
30 従来の燃料プール冷却浄化装置
L0、L10 通常時運用水位
L1 燃料プール通常水位
L2 スキマサージタンク水位高警報水位
L3 スキマサージタンク水位低警報水位
L4 スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位
ΔL5 通常時機器搬入時増容量水位差
L11 スロッシング時スキマサージタンク水位高警報水位
L12 スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位
L13 スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位
ΔL14 燃料プールスロッシング時スキマサージタンクバッファ水位差
P1 機器搬入時スキマサージタンク水位設定パターン
P2 燃料プールスロッシング時スキマサージタンク水位設定パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力発電プラントの使用済燃料を貯蔵する燃料プールと、
前記燃料プールからオーバフローしたプール水が流れ込むスキマサージタンクと、
前記燃料プールと前記スキマサージタンクとを連通する流路内に設けられ、前記燃料プールから前記スキマサージタンクへ流れ込むプール水の水量を調整するスキマ堰と、
前記スキマサージタンクからプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプと、
スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位とスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位とを設定したスキマサージタンク水位計装とを備え、
前記燃料プールのプール水がスロッシングにより溢水しても、前記ポンプの運転が継続可能な水量を、前記スキマサージタンク内に前記スロッシング時スキマサージタンク水位低警報水位と前記スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位との水位差として確保したことを特徴とする燃料プール冷却浄化装置。
【請求項2】
前記スキマサージタンク水位計装は、
スキマサージタンク水位高警報水位が設定され、
前記使用済燃料を前記燃料プールに搬入する際に余剰となる水量を、前記スキマサージタンク内に前記燃料プールの通常運転時の水位と前記スキマサージタンク水位高警報水位との水位差として確保したことを特徴とする請求項1に記載の燃料プール冷却浄化装置。
【請求項3】
原子力発電プラントの使用済燃料を貯蔵する燃料プールと、
前記燃料プールからオーバフローしたプール水が流れ込むスキマサージタンクと、
前記燃料プールと前記スキマサージタンクとを連通する流路内に設けられ、前記燃料プールから前記スキマサージタンクへ流れ込むプール水の水量を調整するスキマ堰と、
前記スキマサージタンクからプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプと、
地震の発生を検出する地震発生検出装置と、
前記地震発生検出装置から出力される信号によりスキマ堰の動作を制御するスキマ堰制御装置と、
前記スキマ堰制御装置の制御信号によってスキマ堰を駆動させるスキマ堰駆動装置とを備えたことを特徴とする燃料プール冷却浄化装置。
【請求項4】
前記スキマサージタンク内のプール水の水位が低下して、前記スキマサージタンク水位計装が前記スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位を検出した際に、前記スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位の検出が所要の時間継続した場合に、前記ポンプをトリップさせるポンプトリップ判定装置を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料プール冷却浄化装置。
【請求項5】
前記スキマサージタンク水位計装は、
スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位が設定され、
前記スキマサージタンク内のプール水の水位が低下して、前記スキマサージタンク水位計装が前記スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位を検出した際に、前記スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位の検出が所要の時間継続した場合に、前記ポンプをトリップさせるポンプトリップ判定装置を備えたことを特徴とする請求項3に記載の燃料プール冷却浄化装置。
【請求項6】
スキマサージタンク内のプール水の水位が低下して、スキマサージタンク水位計装がスロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位を検出した際に、前記スロッシング時スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位の検出が所要の時間継続した場合に、前記スキマサージタンク内のプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプをトリップすることを特徴とする燃料プール冷却浄化方法。
【請求項7】
スキマサージタンク内のプール水の水位が低下して、スキマサージタンク水位計装がスキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位を検出した際に、前記スキマサージタンク水位低低ポンプトリップ水位の検出が所要の時間継続した場合に、前記スキマサージタンク内のプール水をろ過脱塩装置と熱交換器とを通して燃料プールへ循環させるポンプをトリップすることを特徴とする燃料プール冷却浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−85752(P2009−85752A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255320(P2007−255320)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)