説明

燃料反応性成層を介したエンジンの燃焼制御

圧縮点火エンジンは、2または3以上の反応性を有する2または3以上の燃料混合気を使用し、燃焼のタイミングおよび期間を制御する。好適実施例では、低反応性燃料混合気が注入され、あるいは燃焼チャンバに導入され、これは、後続の注入が成される前、好ましくは十分初期に、チャンバ内で少なくとも実質的に均一に分布される。次に、高反応性燃料混合気による1または2以上の後続の注入が行われ、これらは、低反応性チャンバ空間内に、高反応性で分布することが好ましい。これにより、高反応性領域で燃焼が開始され、その後、低反応性領域がこれに継続する。混合気の反応性、その相対的な量、およびタイミングを適切に選定することにより、燃焼が調整され、制御された温度(および制御されたNOx)で、制御された平衡比(および制御されたスート)で、最適なパワーアウトプット(および燃料効率)が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の機関によって認められた米国政府のサポートの下、なされたものである:
米国エネルギー庁(DOE)No.DE-FC26-06NT42628
米国エネルギー庁(DOE)No.DE-AC04-94AL85000。米国政府は、本発明についてのある権利を有する。
【0002】
本願は、全般に圧縮点火(ディーゼル)エンジンに関する発明に関し、特にディーゼルエンジンの燃焼最適化法に関する発明に関する。
【背景技術】
【0003】
ディーゼル(燃焼点火)エンジンは、最もエネルギー効率の良いエンジンであり、単位燃料消費当たり極めて高いパワー出力を有する。残念ながら、ディーゼルエンジンは、最も「ダーティ」なエンジンでもあり、(本願出願時の段階で)一般的なディーゼルエンジンは、多くの窒素酸化物(通常NOxで表される)を生成する傾向にある。これは、スモッグや酸性雨、さらには時折、車両を停止状態から加速させた際に、ディーゼル車両から放出される真っ黒なスモークとして視認されるパティキュレート(しばしば単に「スート」と呼ばれる)のような悪影響につながる。
【0004】
これらの環境放出の影響のため、米国および他の多くの国では、車両のディーゼルエンジンの使用に関して、厳しい放出規制を課しており、ディーゼル放出を抑制するための多くの技術が開発されている。例えば、NOxは、通常、高温エンジン条件に関連し、従って、排気ガスリサイクル(EGR)などの対策の適用により、抑制することができる。EGRでは、エンジンインテーク空気は、比較的不活性な排気ガス(通常、排気ガスを冷却した後)で希釈され、これにより、燃焼チャンバ内の酸素が低減され、最大燃焼温度が抑制される。別の例では、通常、スートは不完全燃焼に関連するため、燃焼温度を高めることによりこれを抑制し、あるいはより多くの酸素を提供することにより、スート粒子の酸化を促進させる。残念ながら、エンジンにおいてNOxを抑制する対策は、スートの生成を促進する傾向にあり、エンジンにおいてスートの生成を抑制する対策は、NOx生成を助長する傾向にある。この影響は、しばしば、「スート−NOxトレードオフ」と称される。
【0005】
また、NOxおよびスートは、これらがエンジンから放出された後(例えば排気ストリーム内で)、処理することができるが、そのような「後処理」方法は、導入および維持にコストがかかる傾向にある。例えば、排ガスストリームは、触媒、および/または尿素もしくは他の還元/反応剤の注入により処理されることにより、NOx放出を抑制することができる。これに代えてまたはこれに加えて、排ガスストリーム中に、燃料が周期的に注入され、点火され、「パティュレートトラップ」に捕集されたスートがバーンオフされる。これらの方法は、相当なコストがかかる上、煩雑であり、パティキュレートトラップの場合、これらは、車両の燃費を低下させる傾向にある。
【0006】
他の技術は、燃焼プロセスからのNOxとスートの両方の発生をいかに抑制するかという、より根本的なことに着目しており、これにより、より清浄な「エンジンからの放出」が得られる(すなわち、直接エンジン放出、排気前の後処理または同様の方法)。これらの方法は、燃焼温度を制御した状態(すなわちNOxを制御した状態)で、燃料注入混合気のタイミング、速度、および/もしくは形状を変更すること、燃焼チャンバ形状を変更すること、ならびに/または他の因子を変更し、全燃料の完全燃焼(および低スート)を達成することを含む。これらの技術の多くは、改善された放出につながるものの、特に、一般的なディーゼル車両エンジンを作動させるための速度範囲および負荷の全体にわたって、これを実施し制御することは難しい。また、これらの技術の多くには、未だ排気後処理のような対策が必要であり、放出目標を達成しようとすると、コストおよび燃費に関する前述の問題が発生する。
【0007】
放出規制を順守し、さらに、消費者の求める燃料効率、コスト、および特性を提供することの困難性のため、多くの自動車メーカは、単純に、ディーゼルエンジンからガソリンエンジンの使用に、焦点を切り替えている。ガソリンエンジンは、残念ながら、エネルギー効率が低く、これらの放出も、懸念対象である。(内部燃焼エンジンにあまり精通していない読者のために説明すると、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの間の主な差異は、燃焼が始まる方法である。ガソリンエンジン−一般にスパーク点火、または「SI」と称されるエンジンでは、エンジンシリンダに、比較的燃料リッチな空気と燃料の混合物が提供され、次にスパークにより、混合物が着火し、ピストンがシリンダから外方に駆動され、仕事が発生する。ディーゼルエンジン−圧縮点火エンジンとしても知られる−では、ピストンが空気を圧縮する際に、燃料がエンジンシリンダに導入され、次に圧縮高圧状態/高温条件において、燃料が着火し、ピストンがシリンダから外方に駆動され、仕事が発生する。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
燃料/エネルギー供給、およびエンジン放出の環境へのインパクトに関する現在の懸念事項のため、現在の放出基準に合致し、あるいはこれを凌駕するディーゼル効率(またはそれ以上の効率)を提供するエンジンに対して、大きな要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特許請求の範囲に記載された本発明は、エンジンおよびエンジン燃焼方法に関し、これらは、前述の問題の少なくとも一部を解決する。本発明の好適実施例の特徴のいくつかの基本的事項は、以下の本発明に関する簡略的な記載から理解することができる。より詳しい説明は、本願の別の箇所に記載されている。読者の理解をサポートするため、以下の記載では、図面を参照する(図面は、「図面の簡単な説明」の欄に簡略的に示されている)。
【0010】
ディーゼル(燃焼点火)エンジンでは、インテークおよび/または圧縮ストロークの間、第1の反応性を有する初期燃料混合気(fuel charge)が燃焼チャンバに供給される。圧縮ストロークの主要部分の間、初期燃料混合気は、燃焼チャンバ内で空気と予備混合される。通常、「反応性」と言う用語は、セタン価に対応するが、これについては、本願の他の箇所でより詳しく説明する。次に、燃焼チャンバ内に燃料反応性の成層分布が生じるようにして、燃焼チャンバに、反応性の異なる1または2以上の後続の燃料混合気が供給され、燃料反応性がより高い領域、およびより低い領域の異なる領域が得られる。より具体的には、後者の異なる反応性混合気は、時間制御され、それ以外は、異なる反応性混合気を分布するように設計される。これは、空気と第1の反応性燃料の予備混合「マトリクス」に導入されることが好ましい。燃焼チャンバ内の反応性勾配によって、(1)所望の燃焼開始時間およびレートが提供され(時間/レートにより、制御された熱放出が行われ、ピストンに優れた仕事インプットが得られる)、(2)急激な圧力上昇および高温化が抑制され(これはNOx生成を加速し、燃料効率を低下する)、(3)燃焼チャンバ内で燃料が完全に(あるいはほぼ完全に)燃焼し、未燃焼炭化水素が低減される。
【0011】
燃焼は、反応性が最も高い1または2以上の領域で開始される傾向にあり(これらの領域は、高反応性材料の導入により発生する)、ここから、全ての混合気からの全ての燃料が消費されるまで、容積エネルギーの放出を介して、および/またはフレーム伝播により広がる。従って、燃焼チャンバ内での反応性分布の調整により、燃焼プロセスの特性を調節することができる。反応性の成層化(stratification)/勾配が大きくなると、燃焼速度が低下する傾向にある。逆に、反応性の成層化/勾配が小さくなると(燃焼チャンバ内での反応性の均一性が高まると)、燃焼速度は大きくなる傾向にある。チャンバ内の各配置は、最初ほぼ等しい着火の機会を有し、最初の着火が生じなかったところでは、これらの隣接部により、迅速に着火が生じるためである。
【0012】
異なる反応性を有する異なる燃料混合気は、別個の従来のタンクからエンジンに供給される従来の燃料であっても良く、例えばあるタンクからのディーゼル燃料(高い反応性を有する)、および別のタンクからのガソリン(低い反応性を有する)であっても良い。これに代えてまたはこれに加えて、適当な反応性改質剤の添加により、単一のタンクからの燃料が、高レベルと低レベルの間で改質された反応性を有しても良い。例えば、初期の低反応性混合気は、単にガソリンまたはディーゼル燃料のみを含み、後続の高反応性燃料混合気は、ガソリンまたはディーゼル燃料と、少量のジ第3ブチルパーオキサイド(Di−Tertiary Butyl Peroxide)(DTBP)、2-エチルヘキシルナイトレート、または他のセタン改良剤を有しても良い。この特性の利用は、有益である。多くの反応性改質剤は、極めて希釈された量でのみ必要となり、反応性改質剤を収容する少量のタンクは、従来の燃料タンク配置とともに車両に提供することができるからである。また、妥当なタイミングで、所望の量の反応性改質剤を燃料ライン(または低反応性燃料ラインとは分離した高反応性燃料ライン)に混合する、計量設備を提供しても良い。例えば、DTBPを収容する補助的な1-2クオートのタンクを有する従来のディーゼル車両は、3000-6000マイル毎に補給すれば良く、これは、大凡オイル交換の推奨頻度である。従って、反応性改質剤タンクは、車両のオイル交換時に補給することができる。
【0013】
反応性成層をより詳しく説明すると、上死点(TDC)の前に、燃焼チャンバに、初期の第1の反応性燃料混合気が十分に供給され、後続の注入が行われる前に、燃焼チャンバ内で初期燃料混合気が少なくとも部分的に予備混合される(均一分散)。初期の混合気は、シリンダへの(好ましくは低圧)直接噴射により、および/または燃焼チャンバのインテークポートを介してそれを提供することにより、燃焼チャンバに導入される。そうでなければ、インテークマニホルド、および/またはそこから延びるインテークランナーに、混合気が導入される。後続の燃料混合気は、下死点(BDCまたはTDC前180゜)とTDC前10゜の間の直接噴射により、燃焼チャンバに供給されることが好ましい。特に、このクランク角度範囲の間、異なる時間で、2または3以上の後続の燃料混合気が燃焼チャンバに供給される。図1A〜1Dには、初期低反応性混合気および複数の後続の高反応性混合気を用いた好適配置の一例を概略的に示す。まず、図1Aには、第1の低反応性燃料混合気が(例えばインテークポートを介して)導入された後であって、インテークポートが閉止した時間での、BDC近傍の燃焼チャンバを示す。低反応性燃料は、この時間において、チャンバ内で十分に予備混合されることが好ましい。ただし、予備混合のそのようなレベルは、この時間で必ずしも完了する必要はなく、後まで行われなくても良い(通常、圧縮ストロークの半分以内、すなわち最大で、TDC前90゜)。
【0014】
次に、圧縮ストロークの最初のほぼ半分の間、燃焼チャンバに、第1の後続の高反応性燃料混合気が供給される。この時間は、インテークポートが閉止される時間とTDC前約40゜の間であることが好ましい。特に、図1A-1Dに示すような中央ボウルを有するピストン面によって部分的に区画された、通常の燃焼チャンバの場合、第1の後続の燃料混合気は、該第1の後続の燃料混合気の少なくとも主要な部分が、ピストン面の外径またはその近傍に配置された外側(圧搾)領域に向かって誘導されるような時間(およびそのような圧力)で導入されることが好ましい。特に、第1の後続の燃料混合気は、ピストン面の直径の外側1/3の外側に配置された領域に向かって誘導される。これは、図1Bに示されており、図には、TDC前約60゜における燃焼チャンバが示されている。注入は、インジェクタにより、圧搾領域に向かうように誘導される。しかしながら、全ての例において、注入は、燃焼チャンバの表面への混合気の衝突が回避され、または最小限に抑制されるような圧力で、提供されることが好ましい。そのような衝突は、スートの生成を助長するためである。
【0015】
次に第1の後続の燃料混合気の後、第2の後続の高反応性燃料混合気が燃焼チャンバに供給される。図1Cには、TDC後約30゜で、そのような注入が行われた状態を示す。注入の少なくとも主要な部分は、ピストン面の外径から内方に離間された内側(ボウル)領域に向かって誘導される。特に、第2の後続の燃料混合気の少なくとも主要な部分は、ピストン面の外径の外側1/4の内側に配置された領域に向かって注入されることが好ましい(すなわち、ボア径の内側75%によって定められる領域に向かって注入される)。その間、第1の後続の燃料混合気は、圧搾領域から拡散し始め、初期燃料混合気からの低反応性燃料と混合し、圧搾領域またはその近傍に、中間反応性の領域を形成する。
【0016】
次に、図1Dには、TDC前約15゜での図1Bの燃焼チャンバを示す。チャンバ内の燃料は、ボウルでの高反応性領域から、チャンバの外径およびボウルのクラウンでの低反応性領域までの範囲の、反応性勾配を有する。燃焼は、この時間近傍において、高反応性領域で開始され、その後、時間とともに低反応性領域に伝播する。
【0017】
図1A−1Dの混合気の反応性が反転された場合、すなわち、1または2以上の初期の高反応性混合気の後に、1または2以上の後続の低反応性混合気が続いた場合も、基本的に同じ燃焼機構が得られる:点火は、高反応性領域で始まり、低反応性領域に伝播する。燃焼の開始および継続は、燃料混合気のタイミングおよび量によって制御され、これは、得られる成層化の度合いに影響を及ぼす。最適な仕事アウトプットのため、燃料混合気は、上死点(TDC)またはその後にピークシリンダ圧力が得られるように、燃焼チャンバに供給されることが望ましい。これは、TDCとATDC(TDC後)20゜の間であることがより好ましく、ATDC5゜と15゜の間であることがさらに好ましい。同様の観点から、ATDC約0゜と10゜の間で、CA50(すなわち、全燃料燃焼質量の50%)が生じることが好ましい。また、圧力上昇速度が、クランク回転角度当たり10bar以下となるように、燃料混合気を供給することが有益である。大きな圧力上昇は、好ましくない騒音の発生および急激なエンジン摩耗につながり、高温化が助長されるからである(さらには、熱輸送のロスによる燃費の上昇、およびNOx生成につながる)。
【0018】
前述の方法の使用により、燃焼プロセスの制御向上により、従来のディーゼルエンジンに比べてより低い、40%以下のピーク燃焼温度が得られるようになる。これにより、NOx形成が抑制されるとともに、エンジン効率が向上する。熱輸送によるエンジンからのエネルギーロスが少なくなるからである。また、燃料混合気の反応性、量、およびタイミングは、燃焼が最適になるよう適合され、膨脹ストロークの終わりの時点で残留する未燃焼燃料(および排気によるロス)が少なくなり、エンジン効率がよりいっそう向上し、スートの発生がより抑制される。
【0019】
ディーゼルおよびガソリン燃料による作動の本発明の実験の結果、現在知られている大部分の燃料効率内部燃焼エンジンにおいて、排ガス後処理を必要とせずに、政府のスート放出限界、NOx放出限界、および2010年の燃料消費限界を満たすことができることがわかった。放出に関しては、エンジンは、EPA(US環境保護団体)基準(2010年1月に米国連邦規制コードのタイトル40の1065部分に定められた)を容易に達成する。この基準は、重要トランジエント連邦試験手順(FIP)のEPAの放出基準(例えば、1.0g/kW・h未満のNOx放出、および0.1g/kW・h未満のスート放出)を含む。排気後処理のような対策を実施した場合、放出の更なる抑制も可能である。燃料効率の指標として、指示熱効率を見ると(指示熱効率は、エンジンによって出力パワーに変換された燃料量の指標であり、この反対は、熱輸送、排気または他の変数によって損失した部分である)、エンジンは、正味の熱効率が最大53%であり、総熱効率は、約56%であることが実証された。(正味の熱効率は、エンジンの全サイクルにわたる仕事アウトプットを考慮したものであり、総熱効率は、膨脹および圧縮ストロークのみを考慮したものであり、2つ指標の間の差は、通常、約3%である。)一方、本願の出願時においては、平均的な従来のディーゼルエンジンは、約42%の熱効率を有し、平均的なガソリンエンジンは、約25〜30%の熱効率を有する。従って、本発明では、煩雑で高コストなエンジン変更ならびに/またはスートおよび/もしくはNOx抑制のための後処理システムをする必要なく、約20%の燃費の効果的な抑制が可能となり、(少なくとも2010年度の)米国放出基準を満たすことができる。本発明は、圧縮点火(すなわちディーゼル作動原理)を使用した作動に関するものであるが、ディーゼル燃料よりもガソリンを多く使用した場合に、良好な効率が得られることは興味深い:ガソリンは、エンジンに提供される燃料全量の約75%〜90%を占める(高負荷時)が、ガソリンの割合は、低負荷では約50%に低下する。従って、ディーゼルエンジンでは、主として非ディーゼル燃料を用いた特性を超える特性が得られる。一般に、本発明に使用される最も一般的なエンジンは、高反応性燃料に比べて、低反応性燃料の割合をより大きくして使用することが期待される。
【0020】
本発明のさらなる利点、特徴、および目的は、添付図面を参照した、本願の以下の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】ディーゼル(圧縮点火)エンジンの燃焼チャンバの断面を概略的に示した図である。ピストンは、下死点またはその近傍位置(図1A)から、上死点(図1D)またはその近傍位置まで移動する。図には、本発明の一例としてのエンジン燃焼方法が示されており、第1の低反応性燃料混合気は、予め、チャンバ内に少なくとも実質的に均一に分散されている。
【図1B】ディーゼル(圧縮点火)エンジンの燃焼チャンバの断面を概略的に示した図である。ピストンは、下死点またはその近傍位置(図1A)から、上死点(図1D)またはその近傍位置まで移動する。図には、本発明の一例としてのエンジン燃焼方法が示されており、第1の後続の高反応性燃料混合気がチャンバ内に噴射される。
【図1C】ディーゼル(圧縮点火)エンジンの燃焼チャンバの断面を概略的に示した図である。ピストンは、下死点またはその近傍位置(図1A)から、上死点(図1D)またはその近傍位置まで移動する。図には、本発明の一例としてのエンジン燃焼方法が示されており、第2の後続の高反応性燃料混合気がチャンバに噴射される。
【図2】本発明の一実施例の作動パラメータと作動結果の一例を示した図である。作動条件:5.5barの指示平均有効圧力(IMEP)、2300RPM、初期ガソリン燃料混合気、および単一後続ディーゼル燃料混合気(全燃料は、体積比で80%ガソリンおよび20%ディーゼル燃料である)、EGRなし。図2には、未燃焼炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)放出と、後続のディーゼル燃料混合気の噴射開始(SOI)が設定される各種クランク角度の関係、ならびにこれらの噴射用の噴射浸透設定(すなわち噴射圧)が示されている。
【図3】本発明の一実施例の作動パラメータと作動結果の一例を示した図である。作動条件:5.5barの指示平均有効圧力(IMEP)、2300RPM、初期ガソリン燃料混合気、および単一後続ディーゼル燃料混合気(全燃料は、体積比で80%ガソリンおよび20%ディーゼル燃料である)、EGRなし。図3には、後続のディーゼル燃料混合気の点火開始(SOI)用の図2のクランク角度で得られた、正味の指示化特定燃費(ISFC)が示されている。
【図4】本発明の一実施例の作動パラメータと作動結果の一例を示した図である。作動条件:5.5barの指示平均有効圧力(IMEP)、2300RPM、初期ガソリン燃料混合気、および単一後続ディーゼル燃料混合気(全燃料は、体積比で80%ガソリンおよび20%ディーゼル燃料である)、EGRなし。図4には、後続のディーゼル燃料混合気の点火開始(SOI)用の図2のクランク角度の2つに対する、ガソリンとディーゼル燃料の間の成層が概略的に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、本発明について説明する前に、「反応性」の概念を詳しく説明することが有益である。本願において、「反応性」と言う用語は、通常、物質のセタン価に対応し、および/または物質のオクタン価の逆数に対応する。セタン価は、ディーゼル作動条件下、すなわち高圧高温条件下で、燃料(または他の物質)が自己発火(自発的燃焼)し始める速度で表される。ディーゼルエンジンでは、高反応性の(すなわちセタン価の高い)燃料は、低反応性の燃料に比べて、より迅速に着火する。一方、ディーゼル燃料ではなくガソリンエンジン燃料に使用される指標のオクタン価は、通常、自己発火に対する物質の抵抗の指標である。通常、ディーゼル燃料は、高い反応性(高セタン価/低オクタン価)を有し、ガソリンは、低い反応性(低セタン価/高オクタン価)を有する。
【0023】
前述のように、本発明は、高反応性と低反応性の燃料混合気を調節し、熱放出の開始および速度を制御し(燃焼の開始および継続)、より大きな仕事アウトプットを得るように構成される。より大きな燃費およびより低い放出が生じるように設計された現在のほとんどのディーゼルエンジンでは、燃焼は、圧縮ストロークの間に開始し、迅速に拡大し(燃焼チャンバ全体でほぼ同時に起こる燃焼のため)、上死点(TDC)近傍でピークに達し、その後消滅する。その結果、燃焼中に膨脹燃焼ガスがピストンに対して仕事をするという負の仕事、急激な圧力上昇による高いエンジンノイズ、および燃費の増加が生じる。ここで、燃焼チャンバ内に成層燃料反応性分布を提供すること、すなわち、高燃料反応性と低燃料反応性の明確な2領域を提供することが目的であり、これは、より良い仕事アウトプットが得られる噴射時間および燃焼速度を有する。TDCの少し前(またはTDC直後)の点火開始がより好ましい。その後、制御された速度で燃焼が生じ、ピストンがシリンダ内で外方に大きく動く前に、大きな仕事アウトプットが提供される。
【0024】
異なるエンジン速度/負荷条件には、異なる燃焼タイミング/期間が必要となる。異なる速度/負荷条件の場合、ピーク燃焼熱放出のタイミング(およびピストンへのピーク仕事インプット)は、適当なタイミング、および異なる反応性混合気の量の割合によって、適当な時間で計画され、これは、通常、上死点またはその直後である。これにより、熱放出の所望の開始時間および継続が得られる。一般に、熱放出の時間は、高反応性混合気から生じる高反応性領域の点火性により制御され、この継続は、高反応性および低反応性燃料の割合、ならびに燃焼チャンバ内でのそれらの分布により制御される(大きな成層は、より遅い熱放出につながる)。極めて遅く熱放出が生じる場合、高反応性材料の割合は、低反応性材料に比べて多くしても良い。極めて迅速に熱放出が生じる場合、反対の手法を用いても良い。速度/負荷条件が変化すると、高反応性と低反応性の混合気の割合(および噴射圧力等のパラメータ)、タイミング、数、および正味の量は、エンジンセンサ測定結果を収集し、実験結果またはシミュレーションから得られた保管値のルックアップ表を参照することにより;式からの誘導値、またはオンザフライコンピュータエンジンシミュレーション、および/または他の手段により;自動制御システム/コンピュータを用いて適正に設定される。ニューラルネットワークまたは他の専門/学習システムを使用して、特定の速度、負荷、および他の条件の最適値を学習し、これらの値を必要なときに適用しても良い。
【0025】
図2〜4には、一例として、大学(University of Wisconsin-Madison Engine Reserch Center)での、ジェネラルモーターズの軽自動車ディーゼルエンジンから得られた結果を示す。初期の低反応性(ガソリン)燃料混合気、および単一の後続の高反応性(ディーゼル燃料)混合気を使用する燃料混合および噴射の方式は、まず、コンピュータ計算エンジンモデルの使用により開発され、これは、対象のエンジンの特性をシミュレートする。エンジン特性用の最適変数を配置するように追求される「遺伝的」アルゴリズム(特に、完全燃焼が得られ、最大の仕事アウトプットが提供されるように追求される)が実施され、提案された燃料混合気量、噴射タイミング、および圧力が提供される。次に、これらが実行され、エンジンに対して微調整がなされる。次に、図2および3には、炭化水素(HC)、および一酸化炭素(CO)放出に及ぼす噴射開始(SOI)タイミングの影響(これらは、不完全燃焼の指標となる)、ならびに注入の端部での噴射浸透(ボア直径の割合として表示)
を示す。興味深いことに、BTDC約40゜のSOIにおいて、HCおよびISFCのピーク、ならびに(ほぼ)プラトーなCOが認められる。大凡図1に示すような形状の燃焼チャンバを有する対象エンジンの場合、これは、ボア径の63%の噴射先端浸透に対応し、この値は、ピストンのボウルの端部に近い。BTDC40゜以降の噴射タイミングでは、燃焼は、サイクルの極めて初期に生じ、CA50(50%の熱放出)はTDC前に生じ、これにより、燃料消費およびNOx放出が上昇する(高温では、HCの酸化が促進されるものの)。しかしながら、噴射タイミングは、BTDC40゜を超えて進んでいるため、エンジンが新たな燃焼領域に入った際に、HC、CO、およびISFCの大きな抑制が観察される。高反応性および低反応性領域の間の成層によって、より最適に調整された燃焼が得られる(噴射先端浸透がボア径の約70%よりも大きい場合に生じ、これにより、燃焼チャンバの外側の約1/3に、自己点火高反応性領域が生じる)。図4には、別の詳細を示す。図には、ガソリンおよびディーゼル燃料の(計算)分布が示されている。高反応性燃料混合気は、40゜BTDCと60゜BTDCで注入される。評価試験に使用される作動条件の場合、計算結果から、完全燃焼は、局部的な燃料混合が約90%ガソリン未満のときにのみ得られることが示されている。BTDC40゜のSOIでは、ディーゼル燃料は、燃焼チャンバの外側領域に浸透せず、従って、ボウルの端部上に高反応性領域が得られ、ここで、点火が開始される(およびより中央配置の点火により、チャンバの残りの部分に、より迅速に伝播すると考えられる)。しかしながら、噴射タイミングがBTDC60゜に前進すると、燃焼チャンバの外側領域に、より反応性の燃料が導入され、ここに点火サイトが形成され、より最適なHC、CO、およびISFCを与える燃焼タイミングおよび継続が得られる。更なる研究では、BTDC40゜という極めて前進した噴射タイミング、すなわち、非一般的な初期時間での少なくとも第1の高反応性混合気の噴射では、概して優れた結果が得られることが示されている。
【0026】
前述の本発明の実施例は、単なる一例であって、本発明は、各種態様に変更し得ることが強調される。例えば、低反応性および高反応性燃料混合気は、ガソリンおよびディーゼルの使用、あるいは反応性改質添加剤を有するガソリンまたはディーゼルの使用に限定されず、代わりに、各種他の燃料(添加剤を含むまたは含まない)を使用しても良い。例えば、エタノールは、ガソリンよりも反応性が低い低反応性の燃料(または添加剤)であり(すなわち、ガソリンよりも低セタン価および高オクタン価である)、ディーゼル燃料またはガソリンの高反応性燃料混合気とともに、低反応性燃料混合気として使用しても良い。また、これらのいかなる燃料も、他の燃料用の反応性改質添加剤として使用できる(例えば、ガソリン、エタノール、またはガソリン/エタノール混合物に、ディーゼル燃料を添加し、その反応性を高めるなど)。
【0027】
また、燃料の反応性は、添加剤の添加以外の他の手段によって改質されても良く、例えば、燃料の組成を代えることにより、および/または燃料を低反応性成分と高反応性成分とに分離することにより、および/またはクラッキング、加熱、希釈用の車両に積載された装置を使用することにより、および/または車両の燃料ラインに沿って触媒を使用することにより、改質され得る。通常、寸法、重量、および価格因子は、車両に搭載されるそのような装置の使用の実用度に依存する。一つの小型で比較的低コストのオプションは、Denesらの米国特許第7510632号に記載されているようなプラズマリアクタを、燃料ラインに沿って使用することである。また、反応性は、EGR(排気ガス再循環)または同様の手段の使用により、有効に改質させることができる。再循環排気ガスは、燃焼を起こり難くするからである。
【0028】
別の改質の一例として、本発明では、単に、2または3つの燃料混合気の使用に限定されず、例えば4または5以上の混合気を使用しても良い。また、本発明は、示されたような2つのレベルの反応性のみの使用に限定されず、3または4以上の燃料混合気の各々が、他とは異なる反応性を有するようにしても良い。また、燃料は、液体の形態である必要はなく、気体燃料(メタン/天然ガスなど)を使用しても良い。また、本発明に使用される反応性成層方式は、エンジンのサイクルからサイクルまで使用される必要はなく、例えば、エンジンは、従来のディーゼル作動と、前述の改変された作動との間を切り替えても良い。
【0029】
また、本発明は、前述のようなEGR(排気ガス再循環)、排気後処理、および他の燃焼操作および放出抑制方式と互換性がある。これらの方式は、放出をよりいっそう抑制し、
本発明で得られる放出は、従来のシステムに比べて低減されるため、方式の実施に使用される機器は、作動寿命が長く、および/またはより低コストで変更することができる。
【0030】
まとめると、本発明は、前述のような本発明の好適実施例に限定されるものではなく、むしろ下記の請求項によって限定されることを意図するものである。従って、本発明は、これらの請求項に記載の範囲および均等の範囲に属する、全ての異なる態様を網羅する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部燃焼エンジン用の圧縮点火燃焼方法であって、
当該方法は、
a 内部燃焼エンジンの燃焼チャンバに、エンジンサイクル中に、初期燃料混合気を供給するステップと、
b その後、前記エンジンサイクル中に、前記燃焼チャンバに後続の燃料混合気を供給するステップであって、前記後続の燃料混合気は、前記第1の燃料混合気とは異なる反応性を有するステップと、
を有し、
(1)前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気の一方は、第1の燃料を有し、
(2)前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気の他方は、前記第1の燃料と、該第1の燃料の反応性を変える添加剤との混合物を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
a 前記後続の燃料混合気は、前記燃焼チャンバに供給され、該燃焼チャンバ内に燃料反応性の成層分布が得られ、最も高い燃料反応性の領域は、最も低い燃料反応性の領域と分離され、
b 前記領域は、燃料燃焼の開始および継続が、
(1)NOx放出が1.0g/kW・h未満となり、
(2)スート放出が0.1g/kW・h未満となるように、前記燃焼チャンバ内に分布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a 前記後続の燃料混合気は、前記燃焼チャンバに供給され、前記燃焼チャンバ内に燃料反応性の成層分布が得られ、最も高い燃料反応性の領域は、最も低い燃料反応性の領域と分離され、
b 前記領域は、燃料燃焼の開始および継続によって、
(1)48%を超えるエンジンの正味の指示熱効率、および
(2)51%を超えるエンジンの指示総熱効率
の1または2以上が提供されるように、前記燃焼チャンバ内に分布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
a 前記後続の燃料混合気は、前記燃焼チャンバに供給され、該燃焼チャンバ内に、最も燃料反応性の低い領域から分離された、最も高い燃料反応性の領域が得られ、
b 前記領域は、前記燃焼チャンバ内に分布され、
(1)1.0g/kW・h未満のNOx放出、
(2)0.1g/kW・h未満のスート放出、および
(3)51%を超えるエンジンの指示総熱効率
が提供されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記燃料混合気が供給され、燃焼し、上死点(TDC)で、または上死点後に、ピークシリンダ圧力が得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料混合気が供給され、燃焼され、上死点(TDC)とTDC後20゜の間に、ピークシリンダ圧力が得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記燃料混合気が供給され、燃焼され、上死点(TDC)後約5゜から15゜の間に、ピークシリンダ圧力が得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記燃料混合気が供給され、燃焼され、上死点(TDC)後約0゜から10゜の間に、CA50が得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記初期燃料混合気は、上死点(TDC)前に、十分、前記燃焼チャンバに供給され、
圧縮ストロークが半分完遂した際に、前記初期燃料混合気は、前記燃焼チャンバ内に少なくとも実質的に均一に分散されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記後続の燃料混合気は、圧縮ストローク中、前記燃焼チャンバに供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記後続の燃料混合気は、上死点(TDC)前180゜から10゜の間で、前記燃焼チャンバ内に供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記後続の燃料混合気は、上死点(TDC)前40゜またはより大きな角度で、前記燃焼チャンバ内に供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
a 前記初期燃料混合気は、インテークポートを介して前記燃焼チャンバに供給され、
b 前記後続の燃料混合気は、直接噴射により、前記燃焼チャンバに供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記燃焼チャンバには、異なる時間で、2または3以上の後続の燃料混合気が供給され、
前記後続の燃料混合気は、
a 前記燃焼チャンバに
(1)前記燃焼チャンバのインテークポート開口の閉止、および
(2)上死点前約40゜
の間で、噴射された第1の後続の燃料混合気と、
b 前記第1の後続の燃料混合気の後、前記燃焼チャンバに噴射された第2の後続の燃料混合気と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記燃焼チャンバに、異なる時間で、2または3以上の後続の燃料混合気が供給され、
前記後続の燃料混合気は、
a 第1の後続の燃料混合気であって、少なくとも主要な部分は、前記燃焼チャンバを部分的に区画するピストン面の外径または外径近傍に配置された外側領域に向かって噴射される、第1の後続の燃料混合気と、
b 前記第1の燃料混合気の後、前記燃焼チャンバに供給される、第2の後続の燃料混合気であって、少なくとも主要な部分は、前記ピストン面の外径から内側に離間した内側領域に向かって噴射される、第2の後続の燃料混合気と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記燃焼チャンバに、異なる時間で、2または3以上の後続の燃料混合気が供給され、
前記後続の燃料混合気は、
a 第1の後続の燃料混合気であって、少なくとも主要な部分は、前記燃焼チャンバを部分的に区画するピストン面の直径の外側1/3の外側に配置された領域に向かって噴射される、第1の後続の燃料混合気と、
b 前記第1の燃料混合気の後、前記燃焼チャンバに供給される、第2の後続の燃料混合気であって、少なくとも主要な部分は、前記ピストン面の直径の外側1/4の内側に配置された領域に向かって噴射される、第2の後続の燃料混合気と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
内部燃焼エンジン用の圧縮点火燃焼方法であって、
当該方法は、
a 内部燃焼エンジンの燃焼チャンバに、初期燃料混合気を供給するステップと、
b その後、前記燃焼チャンバに、後続の燃料混合気を供給するステップと、
を有し、
(1)前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気は、同じエンジンサイクル中に、前記燃焼チャンバに供給され、
(2)前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気の一方は、第1のタンクから供給され、
(3)前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気の他方は、前記第1のタンクおよび第2のタンクの両方から供給されることを特徴とする方法。
【請求項18】
前記第1のタンクおよび第2のタンクは、反応性の異なる流体を収容することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
内部燃焼エンジン用の圧縮点火燃焼方法であって、
当該方法は、同じエンジンサイクル内で、
a エンジンサイクル中、内部燃焼エンジンの燃焼チャンバに、初期燃料混合気を供給するステップと、
b その後、前記エンジンサイクル中、前記燃焼チャンバに、後続の燃料混合気を供給するステップであって、前記後続の燃料混合気は、
(1)前記初期燃料混合気よりも低い反応性を有し、
(2)前記燃焼チャンバ内に、燃料反応性の成層分布を発生し、最も高い燃料反応性の領域は、最も低い燃料混合気の領域から分離されるステップと、
を実施することを特徴とする方法。
【請求項20】
a 前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気の一方は、第1の燃料を含み、
b 前記初期燃料混合気および前記後続の燃料混合気の他方は、前記第1の燃料と、該第1の燃料の反応性を変える添加物との混合物を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2013−519821(P2013−519821A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552862(P2012−552862)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/060194
【国際公開番号】WO2011/100027
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(506097988)ウィスコンシン アルムニ リサーチ ファンデイション (14)
【Fターム(参考)】