説明

燃料系統熱便益を備えたエンジンのオーバースラスト防止用として用いられる、二押退け容積が設定される可変容積ポンプ

燃料送出装置10は、燃料加圧用可変容積ポンプ20を備える。可変容積ポンプは、燃料の第1所望質量流量のための個別の第1ポンプ押退け容積の設定と、燃料の第2所望質量流量のための個別の第2ポンプ押退け容積の設定とを有する。可変容積ポンプは、第1および第2ポンプ押退け容積の設定の一方のみの状態で稼動する。可変容積ポンプの下流にある調量弁を有する燃料制御器22は、燃料送出を選択的に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年3月29日に出願された米国仮特許出願第60/557,429号からの優先権を主張している。
本発明は、燃料送出装置に関する。燃料送出装置は、現代のジェット航空機タービンエンジンと関連づけられた格別の用途、制御系統故障中の格別な用途を見いだされた。本明細書では、この格別な用途に関連させて本発明を説明する。しかし、本発明の代表的な実施例は他の用途に対しても適用できることを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
公知の燃料送出装置は、さまざまな状況において所望の燃料流を与えるものとして、今日まで有効であることを証明されている。現代のジェット航空機エンジンは、制御系統の故障中に制御不能エンジンのオーバースラストの希な発生さえも防止することを現在要求されている。著しいオーバースラスト・エンジンの事例は、相当な非対称スラストのために航空機制御を喪失するに至ったいくつかの場合において生じた。従って、連邦航空局(FAA)は、エンジンのオーバースラスト状況を防止する制御系統設計を指令する新規な航空に適する規則を考慮しつつある。
【0003】
エンジンのオーバースラスト状況は、一般的には、エンジン燃焼器へ送り出されるべき最大限燃料ポンプ流を生じさせるような、制御機能の大きな損失によって発生される。エンジン燃焼器へ送り出される制御流、およびエンジン・スラストに関して、ポンプ送出流がエンジン燃焼器をバイパスするような多くの方法が考慮されつつある。これらのシステムは、正常な制御手段から独立した追加のハードウエア機構を要求する。
【0004】
さらに、ジェット航空機エンジンの燃料効率がより向上するに従って、現代のエンジンは、燃料系統加熱を管理するという、常に困難さが増大する任務を請け負うことになる。ファン速度が減少されることによって、エンジン燃料ポンプを大容量にさせることになり、従って、放散されるべき大量の熱を発生する。これが加熱管理任務に加わることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、改善された燃料系統熱便益を伴った、オーバースラスト防止機能を与える改善された燃料送出装置の要請がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ジェット航空機タービンエンジン用の新規で改良された燃料送出装置が、提供される。
本発明の一観点によれば、燃料送出装置は、2つの個別のポンプ押退け容積の設定のみを有する装置を備えている。燃料送出装置は、好ましくは燃料を加圧する可変容積ポンプとする。可変容積ポンプは、燃料の第1所望質量流量のための個別の第1ポンプ押退け容積の設定と、燃料の第2所望質量流量のための個別の第2ポンプ押退け容積の設定とを有する。可変容積ポンプは、第1および第2ポンプ押退け容積の設定の一方のみの状態で稼動する。可変容積ポンプの下流にある調量弁は、燃料送出を選択的に調整する。
【0007】
第1位置において、可変容積ポンプは、始動および離陸等の場合のように、大量流を要求されるときは、第1の所定の多い質量流量である燃料押退け容積の設定で燃料を送り出すように位置決めされる。ポンプは、高い高度での巡航または降下などの場合に要求される、減少した流れが求められる場合に、第2の所定の少ない質量流量である燃料押退け容積の設定状態で稼動する。可変容積ポンプの下流にある調量弁は、燃料送出を選択的に調整する。制御装置は、第1および第2の燃料押退け容積の設定の一方のみの状態にポンプを位置決めする。制御装置が故障の場合に第2の燃料押退け容積の設定状態で稼動するようにポンプを位置決めすることにより、エンジンのオーバースラストを防止する。二押退け容積設定ポンピングシステムは、主要な制御系統故障の際に、エンジンをフルパワーで加速できる量の流れをポンプが発生しないように、第2の少ない流れである押退け容積の設定にポンプが位置決めされることにより、エンジンのオーバースラストを防止する手段を与える。
【0008】
本発明のさらに別の観点によれば、ジェット航空機タービンエンジン用燃料を送出する方法が提供される。燃料は、可変容積ポンプによって加圧される。ポンプは、燃料の第1および第2の所定質量流量のための第1および第2の変動しない押退け容積の設定を有し、第1および第2ポンプ押退け容積の設定の一方のみに設定される。燃料は、エンジンの燃料ノズルへの供給用調量弁を介して調量される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の利点は、可変容積ポンプの使用を通じてエンジンのオーバースラストを防止する能力にある。
本発明の別の利点は、少ない流量である押退け容積の設定にされている間、ポンプは燃料系統をあまり加熱しないので、ポンプによる加熱を最少にすることにある。一方、システムがどのような流れを要求するかにかかわらず、ほぼすべての条件の下でポンプが多い流量の押退け容積の設定になるようにポンプに指令を与えることによって、冷間稼動条件で燃料系統が着氷するのを回避するように、燃料系統を加熱することを許す。
【0010】
本発明のその他の利点および観点は、以下の好適実施例の詳細な記載を読みかつ理解することから明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ここにおける説明および図面は単なる例示であり、様々な修正および変更が本発明の精神から逸脱せずに開示された構造において為されうることを理解されたい。同様な番号は、いくつかの図面を通じて同様な部品を参照している。
【0012】
図1に概略的に示すように、本発明の燃料送出装置10は、高圧可変容積ポンプ20、燃料制御器22、制御装置24、ジェット航空機タービンエンジン28等のエンジンを含む。一般に、燃料は遠心ブースト段(図示せず)に入り、最初に加圧され、そしてポンプ20に入力される前に燃料/油熱交換機(図示せず)およびフィルタ(図示せず)を通過する。図2および3に示すように、また、2002年3月27日に出願されたPCT/US02/09298に基づく2003年10月3日に出願された出願中の米国特許出願第10/474,225(公告20040136853)に詳細に記載されているように、好適可変容積ポンプ20は、ロータ40を含む。ロータ40は、そこから延びる多数のベーン42を有する。ロータおよびベーンを取り囲むカムリング44は、ベーン42に関して自由に回転できる。したがって、代表的なベーンポンプにおいて用いられるようなベーンの外側先端と静止カムリングとの間の相当な損失に、本発明は遭遇しない。カムリング44は、押し出された燃料によって規定される連続流体軸受46内に支持される。スペーサリング50はロータ40の周りに受けられる。スペーサリングは、平坦または平面カム転動面52を有し、ピン54を受ける。ピンはカムスリーブ56と協同する。カムスリーブ56は、ロータおよびベーンを所望のポンピング位置に再位置決めするようにロータ40の周りで受けられる。
【0013】
第1および第2突起または作動面58、60が、通常はピンと反対位置においてスリーブ56に設けられる。突起は第1および第2作動組立体64、66と協同して、カムスリーブ56の位置を変更する手段を画定する。この変更手段は、当該技術においては周知の仕方でポンプの行程または押退け容積を選択的に変える。この可変容積ポンプは好ましいものであるが、しかしその他のポンプも本発明の範囲内で用いられてもよい。
【0014】
本発明に基づいて、可変容積ポンプ20は、燃料の第1所望質量流量のための個別の所定第1ポンプ押退け容積の設定状態(図2)と、燃料の第2所望質量流量のための個別の所定第2ポンプ押退け容積の設定状態(図3)とを有する。使用の際には、ポンプ20は第1および第2のポンプ押退け容積の設定の一方のみの状態で稼動する。第1のポンプ押退け容積の設定は、多い質量流量の押退け容積の設定であり、第2のポンプ押退け容積の設定は、少ない質量流量の押退け容積の設定である。
【0015】
図2を参照すると、作動組立体64、66は、カムスリーブ56がポンプ20の行程を変えるために位置決めされるように、作動される。すなわち、カムスリーブ56は、密接した間隙が図2に示すようにポンプの左四分円に沿ってカムスリーブ56とスペーサリング50との間に画定されるように、位置決めされる。この位置において、ポンプ20はその第1押退け容積の設定、すなわち質量流量の多い押退け容積の設定状態に固定される。この流れ設定は、大流量が始動および離陸等の稼動中に要求される場合に、最大限燃料流が装置に与えられるように、稼動中に選択される。
【0016】
図3を参照すれば、作動組立体64、66の位置が、図2と比較したとき、変更されているのが分かる。カムスリーブ56が動かされてベーンポンプの行程を第2の押退け容積の設定、すなわち少ない質量流量の押退け容積の設定に変更する。この位置は、減少された流れが要求される場合、例えば高い高度での巡航または降下等の、少ない流量条件時間中に用いられる。
【0017】
従って、図2および3に示すように、ポンプ20は、個別の第1ストップおよび個別の第2ストップを含む。第1および第2ストップは、ポンプの行程距離の第1および第2位置を規定する。ポンプの行程距離の第1および第2位置は、各第1および第2押退け容積の設定(すなわち、ポンプの行程距離についての操作パラメータ)を規定する。本発明によれば、これらはポンプの2つの安定した被指令稼動位置に他ならない。ポンプは、第1もしくは少ない流量条件または第2もしくは多い流量条件のいずれかで稼動する。ポンプは、第1および第2の押退け容積の設定間の中間位置を通って移行することが認識されるが、しかし、ポンプが2つの個別の位置のみの一方の状態で稼動するために指令または指示されるように、アクチュエータおよびポンプ制御器が作動する。すなわち、ポンプが第1の押退け容積位置にありかつ第2の押退け容積位置へ行くことを指令されたならば、ポンプは任意の中間位置において安定して停止および稼動することなしに、第2位置まで移行を続行する。
【0018】
ポンプ20は、制御信号に応答して燃料流の制御可能量を送り出す。図1に示すように、ポンプからの出力流は、燃料制御器22を通る流路を移動する。燃料制御器22は調量弁(図示せず)を含み、燃料がタービンエンジン28に向けられかつ動力を発生するように燃焼される。燃料制御器22は、ポンプ20の下流にあってエンジンへの燃料送出を選択的に調整する。バイパス80は、バイパス流をポンプ入口に戻すように燃料制御器22に設けられる。バイパス流は、燃焼の目的で用いられない、可変容積ポンプ20の出力流の残り部分である。バイパス流は、別の燃料/油熱交換器(図示せず)を通過した後、バイパス弁(図示せず)を通りポンプ20の入口までほぼ戻される。この装置においては、燃料制御器22の調量弁の位置を調節することによって、調量された流れが達成されて、所望の質量流量が獲得される。燃料制御器22の調量弁の位置は、制御装置24によって設定される。
【0019】
上述したように、従来の燃料制御装置は、制御系統が故障した場合に、エンジン速度を制御することに関して不十分であった。例えば、エンジン速度を制限するために油圧機械式過剰速度調速機の機能を組み込むことが、エンジンを制御不能にすることもある制御系統故障の場合の1つの解決策として用いられてきた。しかし、過剰速度調速機の組込みは一般的に、正常な流れ調整に応答可能な燃料制御器の特徴を利用することになり、また、実際には制御不能の事態等の原因となる。図1の本装置は可変容積ポンプ20を用いて、最大流量を減少させ、それによってエンジン28への送出調量燃料流を制限し、ひいては全体のオーバースラスト状況の発生を防止する。
【0020】
図1を続けて参照すると、制御装置24は、第1ポンプ押退け容積の設定(図2)および第2ポンプ押退け容積の設定(図3)の一方の状態にポンプ20を位置決めする。制御装置24は、例えば、ソレノイド弁に関連づけられてもよい。ソレノイド弁は、電子制御信号に応答してポンプ20を第1および第2ポンプ押退け容積の設定の一方のみに作動する。このようにして、ソレノイド弁は、制御装置24によって指令され、ポンプ20をその第1および第2稼動モードの一方に位置決めする。エンジン28をオーバースラストにすることもある制御系統故障の場合には、制御装置24はポンプ20を位置決めして第2燃料押退け容積の設定状態で稼動し、それによりエンジンへのポンプ流が制限される。
【0021】
動作において、燃料は、燃料の第1および第2所定質量流量のための第1および第2の変動しない押退け容積の設定を有するポンプ20によって加圧される。燃料は、エンジン28の燃料ノズルに供給するための調量弁を有する燃料制御器22を介して調量される。ポンプ20は、第1および第2押退け設定(図2および3)の一方のみに設定される。
【0022】
上記稼動によって、燃料系統温度は、可変容積ポンプ20を、質量流量の多い、変動しない押退け容積の設定(そして冷間稼動条件において燃料系統が着氷するのを回避する)、または質量流量の少ない、変動しない押退け容積の設定(そしてそれによって過剰加熱を減少する)のいずれかの状態で稼動するように制御される。燃料制御器22を出る燃料は、燃料の一部をポンプ20に再循環するようにバイパスされる。
【0023】
要約すれば、本装置はポンプの行程距離の物理的ストップを有する可変容積ポンプ20を使用し、それによって2つの個別のポンプ押退け容積の設定を設定する。大量の押出し流を必要とする正常条件(始動および離陸等)の下では、ポンプ20は多い流量の押退け容積の設定(図2)まで行程を許されて、必要なエンジン稼動を全範囲で行わせる。必要とされる流れが減少するに従って(高い高度での巡航または降下等の条件において)、ポンプ20はその少ない流量の押退け容積の設定(図1)に置かれる。少ない流量の押退け容積の設定によって、ポンプ20は燃料系統に、より少ない熱を与えることになる。制御装置24によって指令されるソレノイド弁等の制御手段が、ポンプ20を各押退け容積の設定状態に位置決めする。
【0024】
ポンプ加熱を最少にすることに加えて、提案された装置の構造は、燃料系統加熱が冷間稼動条件において燃料系統に着氷することを回避させる。燃料系統加熱は、系統の流れの条件いかんにかかわらず、すべての条件の下で多い流量の押退け容積の設定をポンプ20に指令することによって達成される。
【0025】
エンジンの熱管理の観点からの利点を与えることに加えて、ポンプ20が二押退け容積の設定を有することにより、エンジンのオーバースラストを防止する手段が与えられる。主要制御系統が故障してエンジン28に最大限のポンプ流量が送り出される場合には、ポンプ20は少ない流量の押退け容積の設定に設定されるであろう。この少ない流量の設定においては、ポンプ20は、エンジン28を最大限のパワーまで加速できる流量を生じさせない。エンジン速度(従ってまた、スラスト・レベル)は、少ない流量の設定として選択された押退け容積に基づくレベルで、平衡を保たれる。このようにして、エンジンのオーバースラスト防止が、制御ハードウエアを燃料送出装置に追加することなく与えられる。
【0026】
その他の形式のポンプ、すなわち、2つの押退け容積モードに設定されうる任意の形式のポンプが用いられてもよいことが理解されるであろう。それは2段歯車ポンプでもよい。そのようなポンプにおいて、一方の段が直接に流れをバイパスさせ、他方の段がポンピングを行う。しかしながら、ここに図示しかつ説明された可変ポンプが、より好適である。
【0027】
さらに、その他の解決策も考慮されたが、これらの代案解決策は、追加の構成部品を装置に加え、それによって費用、複雑性、および/またはその他の構成部品が故障する可能性を増すようなものである。
【0028】
図4に示す一例においては、第1位置は100%流容量であり、第2位置はポンプ流容量の約33%である。しかし、これらの値は例示するだけであり、上述した利点を達成すべき条件として構成されてはいない。
【0029】
本発明は、好適実施例を参照して説明された。しかしながら、上述の詳細な説明を読みかつ理解したならば、修正および変更が可能であることが理解されよう。代表的実施例は、修正および変更が添付特許請求の範囲またはその均等物内に入る限り、それらのすべてが包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例に基づく燃料送出装置の簡略化された概略構成図である。
【図2】図1の燃料送出装置に用いられる第1押退け容積の設定状態にある好適可変容積ポンプの断面図である。
【図3】第2押退け容積の設定状態にある可変容積ポンプの断面図である。
【図4】第1または第2押退け容積の設定のいずれかの状態で稼動する可変容積ポンプの速度対燃料流を表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御系統故障中のジェット航空機タービンエンジン用燃料送出装置であって、
燃料を加圧するポンプと、該ポンプの下流にあって燃料送出を選択的に調整する調量弁とを備え、
前記ポンプは、燃料の第1所望質量流量のための個別の第1ポンプ押退け容積の設定と、および燃料の第2所望質量流量のための個別の第2ポンプ押退け容積の設定とを有し、前記ポンプは第1および第2ポンプ押退け容積の設定の一方だけの状態で稼動するようになされている、
燃料送出装置。
【請求項2】
前記第1ポンプ押退け容積の設定は、質量流量が多い場合の押退け容積の設定である、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項3】
前記第2ポンプ押退け容積の設定は、質量流量が少ない場合の押退け容積の設定である、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項4】
前記ポンプは、制御系統故障に応答して前記第2ポンプ押退け容積の設定の状態になるように作動される、請求項3に記載の燃料送出装置。
【請求項5】
制御系統故障に応答して前記第2ポンプ押退け容積の設定状態に前記ポンプを位置決めするように、該ポンプに動作上関連づけられたエンジンのオーバースラストを防止する手段をさらに備え、それにより該エンジンへのポンプ流が制限されてオーバースラストを防止する、請求項3に記載の燃料送出装置。
【請求項6】
前記ポンプに動作上関連づけられたエンジンのオーバースラストを防止するための手段であって、制御系統故障に応答して前記第2ポンプ押退け容積の設定状態に前記ポンプを位置決めし、それにより該エンジンへのポンプ流を制限してオーバースラストを防止するようになされた手段をさらに含む、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項7】
前記ポンプは、ポンプの行程距離についての操作パラメータを規定する個別の第1および第2ストップを含む、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項8】
前記第1および第2ポンプ押退け容積の設定のうちの一方の状態になるように前記ポンプを位置決めする制御装置をさらに備えた、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記第1および第2ポンプ押退け容積の設定のうちの一方のみの状態で前記ポンプを作動させる電子制御信号に応答するソレノイド弁である、請求項8に記載の燃料送出装置。
【請求項10】
前記ポンプの下流にあって過剰流をポンプ入口に戻すバイパス通路をさらに備えた、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項11】
ソレノイド弁をさらに備え、該ソレノイド弁は前記第1および第2稼動モードの一方に前記ポンプを位置決めする電子制御によって指令される、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項12】
前記第2ポンプ押退け容積の設定は、前記燃料系統へのより少ない加熱に寄与するようになされている、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項13】
前記第1ポンプ押退け容積の設定は、冷間稼動条件において燃料系統の着氷を回避するために燃料系統を加熱することを許すようになされている、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項14】
前記ポンプは可変容積ポンプである、請求項1に記載の燃料送出装置。
【請求項15】
ジェット航空機タービンエンジン用燃料を送出する方法であって、
燃料の第1および第2所定質量流量のための第1および第2の変動しない押退け容積の設定を有するポンプを介して燃料を加圧する段階と、
燃料ノズルへの供給用調量弁を介して燃料を調量する段階と、ならびに
第1および第2押退け容積の設定の一方のみの状態に前記ポンプを設定する段階と、
を含むジェット航空機タービンエンジン用燃料送出方法。
【請求項16】
前記ポンプを、質量流量の多い、変動しない押退け容積の設定状態で稼動することによって、燃料系統温度を制御する段階をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ポンプへ燃料の一部を再循環させるように前記調量弁から出る燃料を側路する段階をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ジェット航空機タービンエンジンに対するエンジンのオーバースラストを防止する燃料送出装置であって、
第1の所定の、質量流量の多い、燃料押退け容積の設定、または、第2の所定の、質量流量の少ない、燃料押退け容積の設定のいずれかの状態で稼動するようになされた、燃料を加圧するための可変容積ポンプと、
前記可変容積ポンプの下流にあって燃料送出を選択的に調整する調量弁と、
前記第1および第2の燃料押退け容積の設定の一方のみの状態に前記ポンプを選択的に位置決めし、かつ、制御装置の故障の場合に第2の燃料押退け容積の設定状態に前記ポンプを位置決めし、それによってエンジンのオーバースラストを防止するようになされた制御装置と、
を備えた燃料送出装置。
【請求項19】
前記ポンプは、ポンプの行程距離の第1および第2極限に第1および第2ストップを含む、請求項18に記載の燃料送出装置。
【請求項20】
前記ポンプの行程距離の第1および第2極限は、各第1および第2押退け容積の設定を規定する、請求項19に記載の燃料送出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−530873(P2007−530873A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506441(P2007−506441)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/010364
【国際公開番号】WO2005/104678
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(503366221)アーゴ−テック・コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】