説明

燃料電池およびその運転制御方法

【課題】発電を停止した状態における燃料の劣化を防止するとともに、ON−OFF制御の応答性を向上することができる燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料液17を貯留する容器10と、容器10内に配置されたアノード12およびカソード11と、少なくともアノード12に対して燃料液17中への浸潤および燃料液17中からの取り出しを行うことにより発電を制御するアノード可動機構30とを備える燃料電池1を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池およびその運転制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メタノール等を燃料とする直接型燃料電池において、アノード・電解質膜・カソードからなる燃料電池本体と、燃料から毛管現象を利用して燃料を保持する液体燃料保持部材との間を離間することにより燃料の供給を遮断可能な構造を有する燃料電池が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、メタノールに代えて、安全で高性能な糖やエタノールを燃料とした直接型燃料電池が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4277257号公報
【特許文献2】特開2009−93948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている燃料電池は、燃料の劣化防止を目的としているものの、これを実現するための液体燃料保持部材の発明に重点を置いており、具体的な離間手段が提示されていない。また、離間手段以外に液体燃料保持部材が必要であることで、構成部品が増えてしまい、構造が複雑となっている。さらに、液体燃料保持部材に残留した燃料により発電が継続されるため、ON−OFF制御の応答性が悪いという不都合がある。
【0006】
特許文献2に開示されている燃料電池は、アノードに燃料を供給するという記載となっており、燃料供給後、燃料がなくなるまで発電してしまい、負荷に応じてON−OFFすることができない。また、たとえ燃料電池外部の回路にスイッチを設けても、アノードと燃料が接触していることで、その界面で酸化が進んで燃料を消費してしまうという不都合がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発電を停止した状態における燃料の劣化を防止するとともに、ON−OFF制御の応答性を向上することができる燃料電池およびその運転制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様は、燃料液を貯留する容器と、前記容器内に配置されたアノードおよびカソードと、少なくとも前記アノードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行うことにより発電を制御する運転制御手段とを備える燃料電池である。
【0009】
本発明に係る燃料電池によれば、運転制御手段によりアノードを容器内の燃料液中に浸潤させることで発電が行われる。具体的には、アノードが燃料液中に浸潤された状態において、容器内に貯留された燃料液は、アノードにおいて電子を放出するとともに、水素イオンを生成する(酸化)。アノードに放出された電子は、アノードとカソードとを電気的に接続する導線を通ってカソードに送られる。
【0010】
一方、カソード表面に供給された酸素と、アノードから導線を通って送られてきた電子と、容器内の水とが反応して、水酸化物イオンが生成される(還元)。
【0011】
このように生成された水酸化物イオンは、容器内の燃料液中を対流してアノード近傍に到達する。そして、アノード近傍では、アノードにおいて生成された水素イオンと、カソードから移動してきた水酸化物イオンとが反応して水が生成される。上記のように、アノードにおいて酸化が行われるともに、カソードにおいて還元が行われることで発電が行われる。
【0012】
一方、運転制御手段によりアノードを容器内の燃料液中から取り出すことで発電が停止される。すなわち、運転制御手段によりアノードに対して燃料液中への浸潤および燃料液中からの取り出しを行うことで、燃料電池のON−OFF制御が行われる。このように燃料電池のON−OFF制御を行うことで、その応答性を向上することができる。また、発電停止時(燃料電池をOFFした状態)には、アノードを燃料液中から取り出しているため、発電停止時における酸化反応を停止させることができ、燃料の劣化を防止することができる。
【0013】
上記態様において、前記容器内に配置され、前記容器内を前記カソードが配置されたカソード領域と前記アノードが配置されたアノード領域とに区画する電解質膜を備えることとしてもよい。
このように構成することで、カソードにおいて生成された水酸化物イオンは、カソード領域とアノード領域とを区画する電解質膜(例えばアニオン交換膜)を透過して、アノード領域に到達する。そして、アノード領域では、アノードにおいて生成された水素イオンと、カソード領域から移動してきた水酸化物イオンとが反応して水が生成される。上記のように、アノードにおいて酸化が行われるともに、カソードにおいて還元が行われることで、発電が行われる。
【0014】
この場合において、電解質膜により容器内をカソード領域とアノード領域とに区画することで、アノード領域に収容されている燃料液を酸性または中性とすることができる。アノード領域に収容されている燃料液を酸性または中性とすることで、カソード領域において生成された水酸化物イオンのアノード領域への移動抵抗を小さくすることができる。これにより、水酸化物イオンのカソード領域からアノード領域への移動を円滑に行うことができ、燃料電池の出力を向上することができる。
【0015】
また、燃料として単糖類のグルコースを利用した場合は、アルカリ性の中ではフルクトースへの異性化が進みやすくなる。このフルクトースは還元性を有さないため、グルコースが異性化してフルクトースに変化すると、糖酸化による発電が行えなくなる。そこで、アノード領域を酸性または中性とすることで、グルコースのフルクトースへの異性化を防止することができ、燃料の劣化を防止することができる。
【0016】
また、電解質膜により容器内をカソード領域とアノード領域とに区画することで、カソード領域にアルカリ性の電解質溶液を収容することができる。このようにすることで、カソード領域における還元反応を促進するとともに、発電開始時における、カソード領域から電解質膜を透過してアノード領域に移動する水酸化物イオンの量を増加させることができ、燃料電池の起動速度を速めることができる。
【0017】
上記態様において、前記運転制御手段が、前記アノードを前記容器に対して相対移動させるアノード可動機構を備えることとしてもよい。
このように構成することで、アノード可動機構によりアノードを容器に対して相対移動させることによって、容易にアノードを燃料液中への浸潤および取り出しを行うことができ、燃料電池のON−OFF制御を行うことができる。また、その際の応答性を向上することができる。
【0018】
上記態様において、前記アノード可動機構が、前記アノードを保持するアノード保持部材と、前記アノード保持部材を前記容器に対して相対移動させる移動機構と、前記容器と前記アノード保持部材との摺動部に配置され、前記容器内の燃料液の漏れを防止するシール部材とを備えることとしてもよい。
このように構成することで、容易にアノードを可動させてアノードを燃料液中への浸潤および取り出しを行うことができるとともに、その際の容器からの燃料液の漏れをシール部材により防止することができる。
【0019】
上記態様において、前記アノード可動機構が、前記アノードを燃料液に浸潤させた状態および/または前記アノードを燃料液から取り出した状態で保持する保持手段を備えることとしてもよい。
このように構成することで、保持手段によりアノードを燃料液に浸潤させた状態および/または取り出した状態で保持することができ、燃料電池のON−OFF状態を確実に維持することができる。
【0020】
上記態様において、前記運転制御手段が、前記容器と連通され、燃料液を貯留する貯留槽と、前記貯留槽内の液量を調節する液量調節機構と備えることとしてもよい。
このように構成することで、液量調節機構により貯留槽内の液量を減少させることによって、該貯留槽に連通した容器内の液量を増加させ、該容器内のアノードを燃料液中に浸潤させて発電を行うことができる。一方、液量調節機構により貯留槽内の液量を増加させることによって、容器内の液量を減少させ、該容器内のアノードを燃料液中から取り出して発電を停止させることができる。すなわち、液量調節機構を動作させることで、燃料電池のON−OFF制御を行うことができる。また、その際の応答性を向上することができる。
【0021】
上記態様において、前記液量調節機構が、前記容器内の液量を調整することにより、前記アノードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行うこととしてもよい。
このように構成することで、容易に燃料電池のON−OFF制御を行うことができ、また、その際の応答性を向上することができる。
【0022】
上記態様において、前記液量調節機構が、前記容器内の液量を調整することにより、前記アノードおよび前記カソードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行うこととしてもよい。
このように構成することで、容易かつ確実に燃料電池のON−OFF制御を行うことができ、また、その際の応答性を向上することができる。
【0023】
上記態様において、前記液量調節機構が、前記貯留槽の容積を可変とするシリンジ機構を有することとしてもよい。
このように構成することで、容易に容器内および貯留槽内の液量を調整して、アノードに対して燃料液中への浸潤および燃料液中からの取り出しを行うことができ、燃料電池のON−OFF制御を行うことができる。
【0024】
本発明の第2の態様は、燃料液を貯留する容器と、前記容器内に配置されたアノードおよびカソードとを備えた燃料電池の運転制御方法であって、少なくとも前記アノードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行うことにより発電を制御する燃料電池の運転制御方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、発電を停止した状態における燃料の劣化を防止するとともに、ON−OFF制御の応答性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】発電停止時における燃料の劣化を説明するグラフである。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図8】本発明の第1の変形例に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図9】本発明の第1の変形例に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図12】本発明の第2の変形例に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図13】本発明の第2の変形例に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【図16】本発明の第3の変形例に係る燃料電池の概略構成図である(発電時)。
【図17】本発明の第3の変形例に係る燃料電池の概略構成図である(発電停止時)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池1について図面を参照して説明する。
ここでは、まず、発電停止時における燃料の劣化について図1を用いて説明する。
図1は、燃料電池の燃料液であるサンプルA,B,Cに含有される各物質(グルコン酸、グリコール酸、乳酸、ギ酸、酢酸)の量を測定した結果である。図1における各サンプルの条件は以下の通りである。
サンプルA:グルコース0.4M、KOH2.0Mを混合した燃料液
サンプルB:サンプルAを入れた容器にアノードを浸潤させた燃料液(発電未実施)
サンプルC:サンプルAを燃料電池に供給して発電させた燃料液(発電実施済み)
【0028】
図1におけるサンプルA,B,Cを比較すると、発電を実施していないサンプルB、発電を実施したサンプルC共に、グルコースの酸化物であるグルコン酸が、燃料電池に供給する前のサンプルAに比べて増加していることがわかる。
以上の測定結果より、電極と燃料が接触していれば、発電の有無を問わず、燃料の酸化(劣化)が進むことが示された。
【0029】
次に、本実施形態に係る燃料電池1の構成について図2を用いて説明する。
本実施形態に係る燃料電池1は、図2に示すように、燃料液17を貯留する容器10と、容器10内に配置されたアノード12と、容器10内に配置されて一部が容器10の外部に連通されたカソード11と、アノード12を容器10に対して相対移動させるアノード可動機構30とを備えている。
【0030】
容器10は、例えば樹脂等の電気絶縁性を有する材料で構成された密閉容器であり、その内部には燃料液17が収容されている。
燃料液17は、例えばエタノールやグルコース水溶液であり、電解質として硫酸や過塩素酸などの酸性電解質または水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性電解質が加えられている。
【0031】
アノード12は、糖の酸化反応を司る金属触媒粒子と、この金属触媒粒子を担持する担持体とから構成されている。金属触媒粒子は、触媒として機能し、燃料液17中のグルコース等の燃料を酸化するようになっている。金属触媒粒子としては、例えば、金、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属である。
【0032】
担持体としては、分極性が高く、導電性を兼ね備えた素材が好ましい。具体的には、カーボン、グラファイト、チタンといった素材が適している。また、担持体を多孔質材料とすることで、アノード12の表面積を増加させ、反応効率を高めることができる。また、触媒粒子として活用する金属を、基材用の金属として利用することも可能である。
アノード12には、容器10の外部まで延びる導線19が電気的に接続されており、導線19の他端は外部機器20に接続されている。
【0033】
カソード11は、一部が容器10の壁面から露出して設けられており、容器10の外部の酸素を還元して、水酸化物イオンを生成するようになっている。また、カソード11には、導線18が電気的に接続されており、導線18の他端は外部機器20に接続されている。なお、カソード11は、容器10の外部に露出させずに、容器10の壁面の一部として設けられた通気防水材料(図示略)を介して容器10の外部と連通していてもよい。
【0034】
カソード11は、アノード12と同様に、金属触媒粒子と、該金属触媒粒子を担持する担持体とから構成されている。金属触媒粒子としては、例えば、金、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属が好適である。担持体もカーボン、グラファイト、チタンといった素材や多孔質材料が適しており、触媒粒子として活用する金属を、基材用の金属として利用することも可能である。また、カソード11として、既存の空気亜鉛電池の空気極(二酸化マンガンを触媒とする電極)を用いることとしてもよい。
【0035】
アノード可動機構30は、アノード12を容器10に対して相対移動させ、アノード12を容器10内の燃料液17中へ浸潤させるとともに、アノード12を容器10内の燃料液17中から取り出すようになっている。これにより、アノード可動機構30は、アノード12に対して燃料液17への浸潤および燃料液17からの取り出しを行うことにより、発電の制御(すなわち、燃料電池のON−OFF制御)を行う運転制御手段としての機能を有している。
【0036】
具体的な構成として、アノード可動機構30は、アノード12を保持するアノード保持部材31と、アノード保持部材31を容器10に対して相対移動させる移動機構(図示略)と、容器10とアノード保持部材31との摺動部に配置されたシール部材33と、アノード保持部材31に設けられ、容器10の内部と外部とを連通する連通部に設けられた通気防水材(例えばゴアテックス)32とを備えている。
【0037】
アノード保持部材31は、上面が開口した容器10の上蓋であり、容器10の内面に嵌合するようになっている。
シール部材33は、例えば、アノード保持部材31の外面または容器10の内面に配置されたOリングであり、アノード保持部材31を容器10に対して相対移動させた際に、容器10内の燃料液17の漏れを防止するようになっている。
【0038】
上記構成を有することで、アノード可動機構30は、図2に示すように、アノード保持部材31を容器10に押し付けることで、アノード12が容器10内の燃料液17に浸潤されて発電を開始する。また、図3に示すように、アノード保持部材31を容器10に対して引き上げることで、アノード12が容器10内の燃料液17から取り出されて発電が停止される。また、容器10とアノード保持部材31との摺動部にシール部材33を設けることで、アノード保持部材31を容器10に対して引き上げた際の、容器10からの燃料液17の漏れをシール部材33により防止することができる。
【0039】
なお、アノード保持部材31を容器10に対して引き上げた際に、アノード保持部材31が容器10から完全に抜けてしまうことを防止するために、アノード12を燃料液17から取り出した状態で保持する保持手段(例えばラッチ機構等)を備えることとしてもよい。同様に、アノード12を燃料液17に浸潤させた状態で保持する保持手段(例えばラッチ機構等)を備えることとしてもよい。
【0040】
このように構成することで、保持手段によりアノード12を、燃料液17に浸潤させた状態および/または取り出した状態で保持することができ、燃料電池のON−OFF状態を確実に維持することができる。
【0041】
ここで、通気防水材32は、アノード保持部材31を容器10に対して動作させた際に、容器10内に外部からの空気を供給または容器10内の空気を排出するためのものである。つまり、アノード保持部材31を容器10に押し付けた際には、容器10内の空気は、通気防水材32を介して容器10の外部に排出される。一方、アノード保持部材31を容器10に対して引き上げた際には、通気防水材32を介して容器10の内部に外部からの空気が供給される。
なお、本実施形態においては通気防水材32を設けた例を説明するが、カソード11を通して通気可能である場合は、このような通気防水材32を備える必要はない。
【0042】
上記構成を有する燃料電池1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る燃料電池1によれば、図2に示すように、アノード可動機構30によりアノード12を容器10内の燃料液17中に浸潤させることで発電が行われる。具体的には、アノード12が燃料液17中に浸潤された状態において、容器10内に貯留された燃料液17が、アノード12に電子を放出するともに、水素イオンを生成する(酸化)。アノード12に放出された電子は、アノード12とカソード11とを電気的に接続する導線18,19および外部機器20を通ってカソード11に送られる。
【0043】
一方、カソード11では、カソード11の一部が容器10の外部に連通されているため、容器10の外部から酸素が供給される。そして、カソード11表面において、容器10の外部から供給された酸素と、アノード12から導線18,19および外部機器20を通って送られてきた電子と、容器10内の水とが反応して、水酸化物イオンが生成される(還元)。
【0044】
このように生成された水酸化物イオンは、容器10内の燃料液17中を対流してアノード12近傍に到達する。そして、アノード12近傍では、アノード12において生成された水素イオンと、カソード11から移動してきた水酸化物イオンとが反応して水が生成される。上記のように、アノード12において酸化が行われるともに、カソード11において還元が行われることで発電が行われる。
【0045】
一方、図3に示すように、アノード可動機構30によりアノード12を容器10内の燃料液17中から取り出すことで発電が停止される。
以上のように、本実施形態に係る燃料電池1によれば、アノード可動機構30によりアノード12に対して燃料液17中への浸潤および燃料液17からの取り出しを行うことで、燃料電池のON−OFF制御が行われる。このように燃料電池のON−OFF制御を行うことで、その応答性を向上することができる。また、発電停止時(燃料電池をOFFした状態)には、アノード12を燃料液17から取り出しているため、発電停止時における酸化反応を停止させることができ、燃料の劣化を防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態において、特にアノード12に供給される燃料液17は、エタノールやメタノールなどのアルコールに、グルコースやガラクトースなどの糖またはホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒド基をもつ物質やアルデヒドの特性を持つギ酸を含むこととしてもよい。
【0047】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池2について、図4および図5を参照して説明する。なお、以降では、各実施形態に係る燃料電池について、前述の実施形態に係る燃料電池と共通する点については同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0048】
本実施形態に係る燃料電池2は、図4に示すように、前述の第1の実施形態に係る燃料電池1の構成(図2参照)に加えて、容器10内を2つの領域に区画するアニオン交換膜(電解質膜)13を備えている。
【0049】
アニオン交換膜13は、容器10内を、カソード11が配置されたカソード領域(図4において符号17bに示す領域)と、アノード12が配置されたアノード領域(図4において符号17aに示す領域)とに区画するように配置されている。
【0050】
ここで、アニオン交換膜とは、膜内に陰イオン交換基を有し、陰イオンを移動・伝達させることができる高分子の膜である。陰イオン交換基としては、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、ホスホニウム基、スルホニウム基があり、これらのいずれかの官能基を有する単量体を基材として構成する高分子化合物で構成されている。このような構成を有することで、アニオン交換膜13は、カソード領域内で生成された水酸化物イオン、あるいはカソード領域に蓄えたアルカリ性溶液内の水酸化物イオンを、アノード領域へ透過させるようになっている。
【0051】
本実施形態では、アノード領域の燃料液17aを中性または酸性のエタノール水溶液、カソード領域の燃料液17bをアルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液とする。なお、アニオン交換膜13は、アノード12と近接させるとアノード領域の燃料液17aの容量を確保できないため、カソード11と近接させることが好ましい。
【0052】
上記構成を有する燃料電池2の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る燃料電池2によれば、図4に示すように、アノード可動機構30によりアノード12を容器10内の燃料液17に浸潤させることで発電が行われる。具体的には、アノード領域において、アノード12が燃料液17中に浸潤する。この時、容器10内のアノード領域に貯留された燃料液17aが、アノード12に電子を放出するともに、水素イオンを生成する(酸化)。アノード12に放出された電子は、アノード12とカソード11とを電気的に接続する導線18,19および外部機器20を通ってカソード11に送られる。
【0053】
一方、カソード領域では、カソード11の一部が容器10の外部に連通されているため、容器10の外部から酸素が供給される。そして、カソード11表面において、容器10の外部から供給された酸素と、アノード12から導線18,19および外部機器20を通って送られてきた電子と、容器10内の水とが反応して、水酸化物イオンが生成される(還元)。
【0054】
このように生成された水酸化物イオンは、カソード領域とアノード領域とを区画するアニオン交換膜13を透過して、アノード領域に到達する。そして、アノード領域では、アノード12において生成された水素イオンと、カソード領域からアニオン交換膜13を透過して移動してきた水酸化物イオンと、が反応して水が生成される。上記のように、アノード12において酸化が行われるともに、カソード11において還元が行われることで発電が行われる。
【0055】
この場合において、アノード領域に収容されている燃料液17aは、酸性または中性であるため、カソード領域において生成された水酸化物イオンのアノード領域への移動抵抗を小さくすることができる。これにより、水酸化物イオンのカソード領域からアノード領域への移動を円滑に行うことができ、燃料電池2の出力を向上することができる。
【0056】
一方、図5に示すように、アノード可動機構30によりアノード12を容器10内の燃料液17aから取り出すことで発電が停止される。すなわち、アノード可動機構30によりアノード12に対して燃料液17への浸潤および燃料液17aからの取り出しを行うことで、燃料電池のON−OFF制御が行われる。このように燃料電池のON−OFF制御を行うことで、その応答性を向上することができる。また、発電停止時(燃料電池をOFFした状態)には、アノード12を燃料液17aから取り出しているため、発電停止時における酸化反応を停止させることができ、燃料の劣化を防止することができる。
【0057】
また、燃料液17aとして利用される単糖類のグルコースは、アルカリ性の中ではフルクトースへの異性化が進みやすくなる。このフルクトースは還元性を有さないため、グルコースが異性化してフルクトースに変化すると、糖酸化による発電が行えなくなる。そこで、アノード領域の燃料液17aを酸性または中性とすることで、グルコースのフルクトースへの異性化を防止することができ、燃料液17aの劣化を防止することができる。
【0058】
また、カソード領域に、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性の燃料液17bを収容することで、カソード領域における還元反応を促進するとともに、発電開始時における、カソード領域からアニオン交換膜13を透過してアノード領域に移動する水酸化物イオンの量を増加させることができ、燃料電池2の起動速度を速めることができる。
【0059】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池3について、図6および図7を参照して説明する。
本実施形態に係る燃料電池3は、図6に示すように、前述の第1の実施形態に係る燃料電池1の構成(図2参照)において、アノード可動機構30のアノード保持部材31が、容器10の上面に設けられた開口部に嵌合する形状とされている。
【0060】
本実施形態において、アノード可動機構30は、アノード12に接続されたアノード保持部材31と、アノード保持部材31を容器10に対して相対移動させる移動機構(図示略)と、容器10の上面に設けられた開口部に配置されたシール部材33とを備えている。
【0061】
アノード保持部材31は、アノード12に接続された棒状の部材であり、容器10の上面に設けられた開口部に挿入されている。
シール部材33は、例えば、容器10の上面の開口部に配置されたOリングであり、アノード保持部材31と容器10の開口部との隙間をシールして、アノード保持部材31を容器10に対して相対移動させた際に、容器10内の燃料液17の漏れを防止するようになっている。
【0062】
上記構成を有することで、アノード可動機構30は、図6に示すように、アノード保持部材31を容器10内に挿入することで、アノード12が容器10内の燃料液17に浸潤されて発電を開始する。また、図7に示すように、アノード保持部材31を容器10に対して引き上げることで、アノード12が容器10内の燃料液17から取り出されて発電が停止される。また、アノード保持部材31と容器10の開口部との隙間にシール部材33を設けることで、アノード保持部材31を容器10に対して引き上げた際の、容器10からの燃料液17の漏れをシール部材33により防止することができる。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る燃料電池3によれば、アノード可動機構30によりアノード12に対して燃料液17中への浸潤および燃料液17中からの取り出しを行うことで、燃料電池のON−OFF制御が行われる。このように燃料電池のON−OFF制御を行うことで、その応答性を向上することができる。また、発電停止時(燃料電池をOFFした状態)には、アノード12を燃料液17中から取り出しているため、発電停止時における酸化反応を停止させることができ、燃料の劣化を防止することができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る燃料電池3によれば、アノード可動機構30によりアノード12に対して燃料液17中への浸潤および燃料液17中からの取り出しを行う際に、容器10内の体積変化をなくすことができるため、第1の実施形態の燃料電池1における通気防水材32を不要とすることができる。
【0065】
[第1の変形例]
次に、本実施形態に係る燃料電池3の変形例について以下に説明する。
本変形例に係る燃料電池4は、図8および図9に示すように、前述の第2の実施形態に係る燃料電池2の構成(図4参照)において、アノード可動機構30のアノード保持部材31が、容器10の上面に設けられた開口部に嵌合する形状とされている。
本変形例において、アノード可動機構30の構成は前述の第3の実施形態に係る燃料電池3と同様であり、その他の構成は前述の第2の実施形態に係る燃料電池2と同様である。
【0066】
上記構成を有する本変形例に係る燃料電池4によれば、第2の実施形態の燃料電池2と同様の効果に加えて、アノード可動機構30によりアノード12に対して燃料液17への浸潤および燃料液17からの取り出しを行う際に、容器10内の体積変化をなくすことができるため、第2の実施形態の燃料電池2における通気防水材32を不要とすることができる。
【0067】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池5について、図10および図11を参照して説明する。
本実施形態に係る燃料電池5は、図10に示すように、前述の第1の実施形態に係る燃料電池1の構成(図2参照)において、アノード可動機構30に代えて、容器10内の燃料液17の液量を調節する液量調節機構40を備えている。
【0068】
液量調節機構40は、容器10内の燃料液17の液量を調節することで、容器10内に配置されたアノード12を燃料液17へ浸潤させるとともに、アノード12を容器10内の燃料液17から取り出すようになっている。このように、液量調節機構40は、アノード12に対して燃料液17への浸潤および燃料液17からの取り出しを行うことにより、発電の制御(すなわち、燃料電池のON−OFF制御)を行う運転制御手段としての機能を有している。
【0069】
具体的な構成として、液量調節機構40は、容器10と連通され、燃料液17を貯留する貯留槽41と、該貯留槽41の内面に嵌合し、貯留槽41に対して移動可能に設けられた内筒部42とを備えている。すなわち、液量調節機構40は、貯留槽41を外筒(シリンジ)、内筒部42を押子(プランジャ)とするシリンジ構造を有している。
【0070】
上記構成を有することで、液量調節機構40は、図10に示すように、貯留槽41に対して内筒部42を押し込むことで、容器10内の燃料液17の液量を増加させる。これにより、アノード12が、容器10内の燃料液17に浸潤されて発電が開始される。また、図11に示すように、貯留槽41に対して内筒部42を引き抜くことで、容器10内の燃料液17を貯留槽41に流入させて、容器10内の燃料液17の液量を減少させる。これにより、アノード12が、容器10内の燃料液17から取り出されて発電が停止される。
【0071】
なお、貯留槽41の内周面または内筒部42の外周面にOリング等のシール部材(図示略)を設けることで、貯留槽41に対して内筒部42を動作させた際の、貯留槽41からの燃料液17の漏れを防止することができる。
【0072】
また、図示しないが、容器10の上面には、容器10内に外部からの空気を供給または容器10内の空気を排出するために、通気防水材を設けることが望ましい。これにより、貯留槽41に対して内筒部42を押し込んだ際には、容器10および貯留槽41内の空気は、通気防水材を介して容器10の外部に排出される。一方、貯留槽41に対して内筒部42を引き抜く際には、通気防水材を介して容器10の内部に外部からの空気が供給される。
【0073】
上記構成を有する本実施形態に係る燃料電池5によれば、液量調節機構40により貯留槽41内の液量を減少させることによって、貯留槽41に連通した容器10内の液量を増加させ、容器10内のアノード12を燃料液17に浸潤させて発電を行うことができる。一方、液量調節機構40により貯留槽41内の液量を増加させることによって、容器10内の液量を減少させ、容器10内のアノード12を燃料液17から取り出して発電を停止させることができる。すなわち、液量調節機構40を動作させることで、燃料電池のON−OFF制御を行うことができる。また、その際の応答性を向上することができる。
【0074】
また、前述の各実施形態と同様に、発電停止時(燃料電池をOFFした状態)には、アノード12を燃料液17から取り出しているため、発電停止時における酸化反応を停止させることができ、燃料の劣化を防止することができる。
【0075】
[第2の変形例]
次に、第4の実施形態に係る燃料電池5の変形例について以下に説明する。
本変形例に係る燃料電池6は、図12および図13に示すように、第4の実施形態に係る燃料電池5において、前述の第2の実施形態において説明した容器10内を2つの領域に区画するアニオン交換膜(電解質膜)13を備えている。
本変形例において、アニオン交換膜13の構成は第2の実施形態の燃料電池2と同様であり、液量調節機構40を含めたその他の構成は前述の第4の実施形態に係る燃料電池5と同様である。
【0076】
上記構成を有する本変形例に係る燃料電池6によれば、第2の実施形態の燃料電池2と同様の効果に加えて、液量調節機構40を動作させることで、燃料電池のON−OFF制御を行うことができ、その際の応答性を向上することができる。
【0077】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池7について、図14および図15を参照して説明する。
本実施形態に係る燃料電池7は、図14および図15に示すように、前述の第4の実施形態に係る燃料電池5の構成(図10参照)において、カソード11とアノード12とが同一水平面に配置されている。その他の構成は、前述の第4の実施形態に係る燃料電池5と同様である。
【0078】
上記構成を有することで、液量調節機構40は、図14に示すように、貯留槽41に対して内筒部42を押し込むことで、容器10内の燃料液17の液量を増加させる。これにより、カソード11およびアノード12が、容器10内の燃料液17に浸潤されて発電が開始される。また、図15に示すように、貯留槽41に対して内筒部42を引き抜くことで、容器10内の燃料液17を貯留槽41に流入させて、容器10内の燃料液17の液量を減少させる。これにより、カソード11およびアノード12が、容器10内の燃料液17から取り出されて発電が停止される。
【0079】
上記構成を有する本実施形態に係る燃料電池7によれば、前述の第4の実施形態に係る燃料電池5と同様の効果に加えて、発電停止時にカソード11およびアノード12を燃料液17から取り出すことで、容易かつ確実に燃料電池のON−OFF制御を行うことができ、また、その際の応答性を向上することができる。
【0080】
[第3の変形例]
次に、第5の実施形態に係る燃料電池7の変形例について以下に説明する。
本変形例に係る燃料電池8は、図16および図17に示すように、第5の実施形態に係る燃料電池7において、前述の第2の実施形態において説明した容器10内を2つの領域に区画するアニオン交換膜(電解質膜)13を備えている。
本変形例において、アニオン交換膜13の構成は第2の実施形態の燃料電池2と同様であり、液量調節機構40を含めたその他の構成は前述の第5の実施形態に係る燃料電池7と同様である。
【0081】
上記構成を有する本変形例に係る燃料電池8によれば、第2の実施形態の燃料電池2と同様の効果に加えて、液量調節機構40を動作させることで、発電停止時にカソード11およびアノード12を燃料液17から取り出すことができ、容易かつ確実に燃料電池のON−OFF制御を行うことができる。また、その際の応答性を向上することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態および変形例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態および各変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
【0083】
また、各実施形態において、容器10内の燃料液17の液量を検知するセンサを設けることとしてもよい。これにより、アノード12が燃料液17に浸潤している状態と、アノード12が燃料液17から取り出された状態とを検知することができる。すなわち、センサにより、燃料電池のON−OFFを確実に検知することができる。
また、導線18,19の途中位置に電流計を設けることとしてもよい。これにより、燃料電池のON−OFFを電流計により確実に検知することができる。
【0084】
また、各実施形態においては、アニオン移動型の燃料電池を記載してきたが、本発明はこれに限るものではなく、プロトン移動型の燃料電池においても用いることができる。この場合、電解質膜としてアニオン交換膜ではなくプロトン交換膜を用いる。具体的にはスルホン酸基などの正の電荷をもつ高分子膜(例えばNafion(Dupont製))を用いることとし、アノード側燃料にはメタノールやギ酸、電解質として硫酸や過塩素酸を用いることとする。また、カソード側は、電解質として硫酸や過塩素酸を用いてもよいし、電解質膜とカソード電極を密着させるだけでもよい。
【符号の説明】
【0085】
1,2,3,4,5,6,7,8 燃料電池
10 容器
11 カソード
12 アノード
13 アニオン交換膜(電解質膜)
17,17a,17b 燃料液
18,19 導線
20 外部機器
30 アノード可動機構(運転制御手段)
31 アノード保持部材
32 通気防水材
33 シール部材
40 液量調節機構(運転制御手段)
41 貯留槽
42 内筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料液を貯留する容器と、
前記容器内に配置されたアノードおよびカソードと、
前記アノードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行うことにより発電を制御する運転制御手段とを備える燃料電池。
【請求項2】
前記容器内に配置され、前記容器内を前記カソードが配置されたカソード領域と前記アノードが配置されたアノード領域とに区画する電解質膜を備える請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記運転制御手段が、前記アノードを前記容器に対して相対移動させるアノード可動機構を備える請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記アノード可動機構が、
前記アノードを保持するアノード保持部材と、
前記アノード保持部材を前記容器に対して相対移動させる移動機構と、
前記容器と前記アノード保持部材との摺動部に配置され、前記容器内の燃料液の漏れを防止するシール部材とを備える請求項3に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記アノード可動機構が、前記アノードを燃料液に浸潤させた状態および/または前記アノードを燃料液から取り出した状態で保持する保持手段を備える請求項3または4に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記運転制御手段が、
前記容器と連通され、燃料液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽内の液量を調節する液量調節機構と備える請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記液量調節機構が、前記容器内の液量を調整することにより、前記アノードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行う請求項6に記載の燃料電池。
【請求項8】
前記液量調節機構が、前記容器内の液量を調整することにより、前記アノードおよび前記カソードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行う請求項6に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記液量調節機構が、前記貯留槽の容積を可変とするシリンジ機構を有する請求項6から8のいずれかに記載の燃料電池。
【請求項10】
燃料液を貯留する容器と、前記容器内に配置されたアノードおよびカソードとを備えた燃料電池の運転制御方法であって、
少なくとも前記アノードに対して前記燃料液中への浸潤および前記燃料液中からの取り出しを行うことにより発電を制御する燃料電池の運転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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