説明

燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法

【課題】 温度センサを用いることなく燃料電池の温度を制御することができる燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池システム(100)は、酸化剤ガスと燃料ガスとで発電を行う燃料電池(60)と、燃料電池の電圧および電流に応じて燃料電池の電気抵抗を推定する推定手段(10)と、推定手段によって推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を上回る場合に燃料電池の温度を上昇させる制御を行い、推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を下回る場合に燃料電池の温度を低下させる制御を行う、温度制御手段(10)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を備える燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池を備える燃料電池システムは、一般的には水素および酸素を燃料として電気エネルギを得るシステムである。この燃料電池システムは、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。
【0003】
例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC)等の高温作動型燃料電池は、炭化水素系燃料を改質して得られた水素を含有する燃料ガスを利用して発電している。固体酸化物形燃料電池の作動温度は、例えば、600℃〜1000℃程度である。
【0004】
固体酸化物形燃料電池のように高温で動作する燃料電池の熱効率、耐久寿命等を考慮すると、燃料電池の温度を目標温度範囲内に精度よく制御することが好ましい。燃料電池の温度を制御するためには、燃料電池の温度を検出する必要がある。そこで、燃料ガス流量および酸化剤ガス流量と燃料電池の出力電力とに応じて、燃料電池の温度を推定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−332652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流量計が高価であることから、燃料電池システムのコストがかかってしまう。そこで、燃料電池の温度を温度センサを用いて検出する方法が考えられる。しかしながら、温度センサとしてサーミスタを用いた場合には、高い応答性が得られない。温度センサとして熱電対を用いることも考えられが、熱電対は耐久性が低いうえに、アンプ等の機器を必要とする。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、温度センサを用いることなく燃料電池の温度を制御することができる燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る燃料電池システムは、酸化剤ガスと燃料ガスとで発電を行う燃料電池と、燃料電池の電圧および電流に応じて燃料電池の電気抵抗を推定する推定手段と、推定手段によって推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を上回る場合に燃料電池の温度を上昇させる制御を行い、推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を下回る場合に燃料電池の温度を低下させる制御を行う、温度制御手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムにおいては、燃料電池の電圧と電流とに基づいて、燃料電池の温度と相関関係を有する電気抵抗を推定することができる。それにより、温度センサを用いることなく簡易に燃料電池の温度を制御することができる。
【0009】
温度制御手段は、推定された電気抵抗と目標電気抵抗範囲の上限との差分が大きいほど燃料電池の温度を大きく上昇させる制御を行い、推定された電気抵抗と目標電気抵抗範囲の下限との差分が大きいほど燃料電池の温度が大きく低下させる制御を行ってもよい。
【0010】
温度制御手段は、燃料電池の電流が大きいほど、燃料電池の温度を大きく上昇または低下させてもよい。推定手段は、燃料電池の電流−電圧特性の傾きに応じて電気抵抗を推定してもよい。推定手段は、燃料電池の電流に対する電圧値、または、燃料電池の電圧値に対する電流値、を電気抵抗として代用してもよい。推定手段は、燃料電池の開回路電圧値、または、開回路電圧を用いて求めた値、を電気抵抗として代用してもよい。
【0011】
温度制御手段は、燃料電池に供給される酸化剤ガスの供給量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。温度制御手段は、燃料電池の発電量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。温度制御手段は、燃料電池に供給される燃料ガスの供給量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。
【0012】
炭化水素系燃料から水素を含む燃料ガスを生成して燃料電池に燃料ガスを供給する改質器を備え、温度制御手段は、改質器に供給される炭化水素系燃料の供給量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。
【0013】
目標電気抵抗範囲を設定する設定手段をさらに備え、設定手段は、燃料電池の電流が小さいほど目標電気抵抗範囲を高い値に設定してもよい。燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であってもよい。
【0014】
本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、燃料電池の電圧および電流に応じて燃料電池の電気抵抗を推定する推定ステップと、推定ステップにおいて推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を上回る場合に燃料電池の温度を上昇させる制御を行い、推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を下回る場合に燃料電池の温度を低下させる制御を行う、温度制御ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、燃料電池の電圧と電流とに基づいて、燃料電池の温度と相関関係を有する電気抵抗を推定することができる。それにより、温度センサを用いることなく簡易に燃料電池の温度を制御することができる。
【0015】
温度制御ステップにおいて、推定された電気抵抗と目標電気抵抗範囲の上限との差分が大きいほど燃料電池の温度を大きく上昇させる制御を行い、推定された電気抵抗と目標電気抵抗範囲の下限との差分が大きいほど燃料電池の温度を大きく低下させる制御を行ってもよい。
【0016】
温度制御ステップにおいて、燃料電池の電流が大きいほど、燃料電池の温度を大きく上昇または低下させてもよい。推定ステップにおいて、燃料電池の電流−電圧特性の傾きに応じて電気抵抗を推定してもよい。推定ステップにおいて、燃料電池の電流に対する電圧値、または、燃料電池の電圧値に対する電流値、を電気抵抗として代用してもよい。推定ステップにおいて、燃料電池の開回路電圧値、または、開回路電圧を用いて求めた値、を電気抵抗として代用してもよい。
【0017】
温度制御ステップにおいて、燃料電池に供給される酸化剤ガスの供給量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。温度制御ステップにおいて、燃料電池の発電量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。温度制御ステップにおいて、燃料電池に供給される燃料ガスの供給量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。
【0018】
温度制御ステップにおいて、炭化水素系燃料から水素を含む燃料ガスを生成して燃料電池に燃料ガスを供給する改質器に供給される炭化水素系燃料の供給量を増減させることによって、燃料電池の温度を上昇または低下させてもよい。目標電気抵抗範囲を設定する設定ステップをさらに含み、設定ステップにおいて、燃料電池の電流が小さいほど目標電気抵抗範囲を高い値に設定してもよい。燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、温度センサを用いることなく燃料電池の温度を制御することができる燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】例1に係る燃料電池システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】燃料電池の温度と電気抵抗との関係について説明するための図である。
【図3】発電中の燃料電池の温度制御の際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【図4】発電中の燃料電池の温度制御の際に実行されるフローチャートの他の例を示す図である。
【図5】発電中の燃料電池の温度制御の際に実行されるフローチャートのさらに他の例を示す図である。
【図6】燃料電池の温度と開回路電圧OCVとの関係について説明するための図である。
【図7】(a)は例2に係る燃料電池スタック装置と酸化剤ガス導入部材を示す斜視図であり、(b)は酸化剤ガス導入部材の構成を示す斜視図である。
【図8】燃料電池セルの断面を含む部分斜視図である。
【図9】燃料電池スタックにおける温度分布を説明するための図である。
【図10】電圧計の配置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0022】
図1は、例1に係る燃料電池システム100の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、制御部10、原燃料供給部20、改質水供給部30、酸化剤ガス供給部40、改質器50、燃料電池60、電流計71、電圧計72、熱交換器80、および発電量制御装置90を備える。
【0023】
制御部10は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される。原燃料供給部20は、炭化水素等の原燃料を改質器50に供給するための燃料ポンプ等を含む。改質水供給部30は、改質器50における水蒸気改質反応に必要な改質水を貯蔵する改質水タンク31、改質水タンク31に貯蔵された改質水を改質器50に供給するための改質水ポンプ32等を含む。
【0024】
酸化剤ガス供給部40は、燃料電池60のカソード61にエア等の酸化剤ガスを供給するためのエアポンプ等を含む。改質器50は、改質水を気化させるための気化部51および水蒸気改質反応によって燃料ガスを生成するための改質部52を含む。燃料電池60は、カソード61とアノード62とによって電解質63が挟持された構造を有する燃料電池である。電流計71は、燃料電池60の発電電流を検知するための電流計である。電圧計72は、燃料電池60の陰極と陽極との間の電圧を検知するための電圧計である。発電量制御装置90は、燃料電池60の発電量を制御可能な装置である。発電量制御装置90は、例えば、パワーコンディショナ等である。
【0025】
続いて、燃料電池システム100の動作の概要を説明する。原燃料供給部20は、制御部10の指示に従って必要量の燃料ガスを改質器50に供給する。改質水ポンプ32は、制御部10の指示に従って必要量の改質水を改質器50に供給する。改質器50の改質部52は、燃焼室53で発生する熱を利用した改質反応によって燃料ガスと改質水とから水素を含む燃料ガスを生成する。生成された燃料ガスは、燃料電池60のアノード62に供給される。
【0026】
酸化剤ガス供給部40は、制御部10の指示に従って必要量の酸化剤ガスを燃料電池60のカソード61に供給する。それにより、燃料電池60において発電が行われる。カソード61から排出された酸化剤オフガスおよびアノード62から排出された燃料オフガスは、燃焼室53に流入する。燃焼室53においては、燃料オフガスが酸化剤オフガス中の酸素によって燃焼する。燃焼によって得られた熱は、改質器50および燃料電池60に与えられる。このように、燃料電池システム100においては、燃料オフガス中に含まれる水素、一酸化炭素等の可燃成分を燃焼室53において燃焼させることができる。
【0027】
熱交換器80は、燃焼室53から排出された排気ガスと熱交換器80内を流れる水道水との間で熱交換する。熱交換によって排気ガスから得られた凝縮水は、改質水タンク31に貯蔵される。電流計71は、燃料電池60の発電電流を検知し、その結果を制御部10に与える。電圧計72は、燃料電池60の電圧を検知し、その結果を制御部10に与える。発電量制御装置90は、制御部10の指示に従って、燃料電池60の発電量を増減させる。制御部10は、電流計71および電圧計72の結果に応じて、原燃料供給部20、改質水供給部30、酸化剤ガス供給部40、および発電量制御装置90の少なくともいずれか1つを制御する。
【0028】
本例においては、温度センサを用いずに、燃料電池60の温度制御を行う。ここで、燃料電池60の温度を決定する主因子について説明する。燃料電池60の温度を決定する主因子として、(1)燃料電池60の電気抵抗損失に起因する発熱、(2)燃料電池60における内部改質に起因する吸熱、(3)燃焼室53等の周辺機器との輻射を媒介とする熱授受、等があげられる。なお、内部改質とは、改質部52における改質反応に用いられなかった炭化水素等がアノード62の触媒を介して起こす改質反応のことである。
【0029】
(1)の因子は、燃料電池60の電流の二乗に比例するため、他の因子に比較して燃料電池60の温度に大きく影響する。したがって、燃料電池60の電気抵抗を取得することによって、燃料電池60の温度を推定することができる。
【0030】
図2は、燃料電池60の温度と電気抵抗率との関係について説明するための図である。図2において、横軸は燃料電池60の温度を示し、縦軸は電気抵抗率を示す。また、燃料電池60の電解質として、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)を用いた。
【0031】
図2に示すように、燃料電池60の温度上昇に伴って、電気抵抗率は低下する。これは、温度上昇に伴って電解質の抵抗が低下するからである。このように、電気抵抗率を取得することによって、燃料電池60の温度を推定することができる。そこで、本例においては、図2の関係に基づいて、燃料電池60の温度を制御する。
【0032】
例えば、燃料電池60の電気抵抗が目標電気抵抗範囲を上回る場合に燃料電池60の温度上昇制御を行い、電気抵抗が目標電気抵抗範囲を下回る場合に燃料電池60の温度低下制御を行うことによって、燃料電池60の温度を所定範囲に制御することができる。燃料電池60の温度変化に応じて電気抵抗は大きく変化することから、電気抵抗を取得することによって燃料電池60の温度変化を精度よく推定することができる。なお、目標電気抵抗範囲は、所定の幅を有していることが好ましい。なお、目標電気抵抗を単一の値とすることもできる。
【0033】
具体的には、燃料電池60の開回路電圧をOCV(V)とし、燃料電池60の発電中の任意時刻における瞬時電圧をV_tとし、燃料電池60の発電中のV_t検出時刻と同等とみなす時刻における瞬時電流をI_tとした場合に、燃料電池60の推定電気抵抗R(Ω)は、下記式(1)のように表すことができる。
R=(OCV−V_t)/I_t (1)
【0034】
なお、開回路電圧OCVは、燃料電池60の発電電流がゼロである場合に電圧計72によって検出される電圧である。瞬時電圧V_tは、燃料電池60が発電を行っている場合に電圧計72によって検出される電圧である。瞬時電流I_tは、燃料電池60が発電を行っている場合に電流計71によって検出される電流である。
【0035】
図3は、発電中の燃料電池60の温度制御の際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。なお、図3のフローチャートは、周期的に実行される。また、図3のフローチャートにおいて、目標電気抵抗範囲は所定の幅を有している場合を示している。図3に示すように、制御部10は、電流計71から瞬時電流I_tを取得するとともに、電圧計72から瞬時電圧V_tを取得する(ステップS1)。次に、制御部10は、上記式(1)に基づいて推定電気抵抗Rを算出する(ステップS2)。
【0036】
次に、制御部10は、推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回るか否かを判定する(ステップS3)。第1しきい値Xは、例えば、目標電気抵抗範囲の上限値である。ステップS3において推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回ると判定された場合、制御部10は、カソード61への酸化剤ガス供給量が減少するように、酸化剤ガス供給部40を制御する(ステップS4)。この場合、酸化剤ガスによる燃料電池60の冷却が抑制されるため、燃料電池60の温度を上昇させることができる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0037】
ステップS3において推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回ると判定されなかった場合、制御部10は、推定電気抵抗Rが第2しきい値Y(<第1しきい値X)未満であるか否かを判定する(ステップS5)。第2しきい値Yは、例えば、目標電気抵抗範囲の下限値である。ステップS5において推定電気抵抗Rが第2しきい値Y未満であると判定された場合、制御部10は、カソード61への酸化剤ガス供給量が増加するように、酸化剤ガス供給部40を制御する(ステップS6)。この場合、燃料電池60の冷却が促進されることから、燃料電池60の温度を低下させることができる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0038】
図3のフローチャートによれば、推定電気抵抗Rに応じて燃料電池60の温度を推定することができる。また、推定電気抵抗Rが所定範囲内に入るように酸化剤ガスの供給量を増減させることによって、燃料電池60の温度を所定範囲に制御することができる。なお、ステップS4において、制御部10は、推定電気抵抗Rと第1しきい値Xとの差分が大きいほど酸化剤ガス供給量がより少なくなるように、酸化剤ガス供給部40を制御してもよい。また、ステップS6において、制御部10は、推定電気抵抗Rと第2しきい値Yとの差分が大きいほど酸化剤ガス供給量がより多くなるように、酸化剤ガス供給部40を制御してもよい。この場合、燃料電池60の温度制御に要する時間を短縮化することができる。
【0039】
図4は、発電中の燃料電池60の温度制御の際に実行されるフローチャートの他の例を示す図である。なお、図4のフローチャートは、周期的に実行される。また、図4のフローチャートにおいて、目標電気抵抗範囲は所定の幅を有している場合を示している。図4に示すように、制御部10は、電流計71から瞬時電流I_tを取得するとともに、電圧計72から瞬時電圧V_tを取得する(ステップS11)。次に、制御部10は、上記式(1)に基づいて推定電気抵抗Rを算出する(ステップS12)。
【0040】
次に、制御部10は、推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回るか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回ると判定された場合、制御部10は、改質器50への原燃料供給量が増加するように、原燃料供給部20を制御する(ステップS14)。この場合、燃料オフガス中の水素量が増加するため、燃焼室53における燃焼熱量が増加する。それにより、燃料電池60の温度を上昇させることができる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0041】
ステップS13において推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回ると判定されなかった場合、制御部10は、推定電気抵抗Rが第2しきい値Y(<第1しきい値X)未満であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において推定電気抵抗Rが第2しきい値Y未満であると判定された場合、制御部10は、改質器50への原燃料供給量が減少するように、原燃料供給部20を制御する(ステップS16)。この場合、燃料オフガス中の水素量が減少するため、燃焼室53における燃焼熱量が減少する。それにより、燃料電池60の温度を低下させることができる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0042】
図4のフローチャートによれば、推定電気抵抗Rに応じて燃料電池60の温度を推定することができる。また、推定電気抵抗Rが所定範囲内に入るように燃料ガス供給量を増減させることによって、燃料電池60の温度を所定範囲に制御することができる。なお、ステップS14において、制御部10は、推定電気抵抗Rと第1しきい値Xとの差分が大きいほど燃料ガス供給量がより多くなるように、原燃料供給部20を制御してもよい。また、ステップS16において、制御部10は、推定電気抵抗Rと第2しきい値Yとの差分が大きいほど燃料ガス供給量がより少なくなるように、原燃料供給部20を制御してもよい。この場合、燃料電池60の温度制御に要する時間を短縮化することができる。
【0043】
図5は、発電中の燃料電池60の温度制御の際に実行されるフローチャートの他の例を示す図である。なお、図5のフローチャートは、周期的に実行される。また、図5のフローチャートにおいて、目標電気抵抗範囲は所定の幅を有している場合を示している。図5に示すように、制御部10は、電流計71から瞬時電流I_tを取得するとともに、電圧計72から瞬時電圧V_tを取得する(ステップS21)。次に、制御部10は、上記式(1)に基づいて推定電気抵抗Rを算出する(ステップS22)。
【0044】
次に、制御部10は、推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回るか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23において推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回ると判定された場合、制御部10は、燃料電池60の発電量が増加するように発電量制御装置90を制御する(ステップS24)。この場合、燃料電池60の発電電流が増加するため、燃料電池60の温度を上昇させることができる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0045】
ステップS23において推定電気抵抗Rが第1しきい値Xを上回ると判定されなかった場合、制御部10は、推定電気抵抗Rが第2しきい値Y(<第1しきい値X)未満であるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25において推定電気抵抗Rが第2しきい値Y未満であると判定された場合、制御部10は、燃料電池60の発電量が減少するように、発電量制御装置90を制御する(ステップS26)。この場合、燃料電池60の発電電流が減少することから、燃料電池60の温度を低下させることができる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0046】
図5のフローチャートによれば、推定電気抵抗Rに応じて燃料電池60の温度を推定することができる。また、推定電気抵抗Rが所定範囲内に入るように発電量制御装置90の要求負荷を増減させることによって、燃料電池60の温度を所定範囲に制御することができる。なお、ステップS24において、制御部10は、推定電気抵抗Rと第1しきい値Xとの差分が大きいほど要求負荷がより増加するように、発電量制御装置90を制御してもよい。また、ステップS26において、制御部10は、推定電気抵抗Rと第2しきい値Yとの差分が大きいほど要求負荷がより減少するように、発電量制御装置90を制御してもよい。この場合、燃料電池60の温度制御に要する時間を短縮化することができる。
【0047】
なお、図3〜図5のフローチャートにおいて、燃料電池60の瞬時電流I_tが大きいほど、各制御パラメータ(酸化剤ガス供給量、燃料ガス供給量、および発電量)の変動幅を大きくしてもよい。瞬時電流I_tが大きいほど推定電気抵抗Rが小さいため、わずかな電気抵抗変化が生じた場合に燃料電池60の温度変化が大きくなるためである。
【0048】
また、上記式(1)以外の方法で燃料電池60の電気抵抗を推定してもよい。例えば、燃料電池60の発電電流に対する電圧値、または、燃料電池60の発電電圧値に対する電流値、を推定電気抵抗Rとして代用してもよい。また、燃料電池60の電流−電圧特性の傾きに基づいて推定電気抵抗Rを算出してもよい。例えば、電流または電圧を意図的に変化させる、または負荷変動前後での変化量ΔV/ΔIの絶対値を推定電気抵抗Rとする。
【0049】
また、燃料電池60の発電電流がゼロである場合の電圧(開回路電圧OCV)から電気抵抗を推定してもよい。図6は、燃料電池60の温度と開回路電圧OCVとの関係について説明するための図である。図6においては、右側の縦軸が開回路電圧を示す。
【0050】
図6の実線に示すように、燃料電池60の温度上昇に伴って、開回路電圧OCVも、破線に示す燃料電池の電気抵抗率と同様に低下する。したがって、開回路電圧OCVを検出することによって、燃料電池60の温度を推定することができる。
【0051】
なお、燃料電池60は、1個の燃料電池セルから構成される単位セルであってもよく、複数個の燃料電池セルが集電部材を介して積層されてなる燃料電池スタックであってもよい。燃料電池スタックの場合、燃料電池60の電圧は、いずれか1個の燃料電池セルの電圧を検出してもよく、複数個の燃料電池セルそれぞれの電圧を検出してもよく、複数個の燃料電池セルからなる積層体の電圧を検出してもよく、燃料電池スタック全体の電圧を検出してもよい。さらに、本例においては電気量として発電電流を採用しているが、発電電圧または発電電力を採用してもよい。
【0052】
また、制御部10は、電流計71によって検出された電流が小さいほど、目標電気抵抗範囲を高い電気抵抗範囲(低い温度範囲)に設定してもよい。この場合、低負荷での運転が長時間継続される場合に、燃料電池60の耐久性が向上するからである。
【0053】
本例によれば、温度センサを用いなくても、電流計および電圧計のような簡易な機器を用いて電気抵抗を推定することによって、燃料電池60の温度を制御することができる。それにより、コストの低下を図ることができる。また、温度センサのように狭い領域の温度を検出するのではなく、燃料電池60全体(燃料電池60が複数個の燃料電池セルの積層体からなる燃料電池スタックの場合には、燃料電池スタックの一部の積層体全体、または燃料電池スタック全体)の温度を推定可能であることから、局所的な温度変化の影響を回避することができる。
【0054】
なお、本例においては、制御部10が推定手段および設定手段として機能する。また、制御部10および原燃料供給部20、制御部10および酸化剤ガス供給部40、または、制御部10および発電量制御装置90が、温度制御手段として機能する。
【0055】
例2においては、複数個の燃料電池セルが集電部材を介して積層されてなる燃料電池スタック(燃料電池)を備える燃料電池スタック装置における温度制御について説明する。以下、図7〜図10を参照して、例2に係る燃料電池スタック装置200について説明する。図7(a)は、例2に係る燃料電池スタック装置200と、燃料電池スタック装置200に酸化剤ガスを導入するための酸化剤ガス導入部材140を示す斜視図であり、図7(b)は酸化剤ガス導入部材140を抜粋して示す斜視図である。図7(a)に示すように、燃料電池スタック装置200においては、マニホールド110の上に、2組の燃料電池スタック120(燃料電池60)が、互いの積層方向が略並行になるように並列配置されている。燃料電池スタック120は、固体酸化物形の燃料電池セル60aが複数枚積層された構造を有する。
【0056】
図8は、燃料電池セル60aの断面を含む部分斜視図である。図8に示すように、燃料電池セル60aは、平板柱状の全体形状を有する。ガス透過性を有する導電性支持体11の内部に、軸方向(長手方向)に沿って貫通する複数の燃料ガス通路12が形成されている。導電性支持体11の外周面における一方の平面上に、燃料極13、固体電解質14、および酸素極15が順に積層されている。酸素極15に対向する他方の平面上には、接合層16を介してインターコネクタ17が設けられ、その上に接触抵抗低減用のP型半導体層18が設けられている。
【0057】
燃料ガス通路12に水素を含む改質ガスが供給されることによって、燃料極13に水素が供給される。一方、燃料電池セル60aの周囲に酸素を含む酸化剤ガスが供給されることによって、酸素極15に酸素が供給される。それにより、酸素極15及び燃料極13において下記の電極反応が生じることによって発電が行われる。発電反応は、例えば、600℃〜1000℃で行われる。
酸素極:1/2O+2e→O2−(固体電解質)
燃料極:O2−(固体電解質)+H→HO+2e
【0058】
酸素極15の材料は、耐酸化性を有し、気相酸素が固体電解質14との界面に到達できるように多孔性を有している。固体電解質14は、酸素極15から燃料極13へ酸素イオンO2−を移動させる機能を有する。固体電解質14は、酸素イオン導電性酸化物によって構成される。また、固体電解質14は、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するため、酸化/還元雰囲気中において安定でありかつ緻密性を有する。燃料極13は、還元雰囲気中で安定でありかつ水素との親和性を有する材料によって構成される。インターコネクタ17は、燃料電池セル60a同士を電気的に直列に接続するために設けられており、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するために緻密性を有する。
【0059】
例えば、酸素極15は、電子およびイオンの双方の導電性が高いランタンコバルタイト系のペロブスカイト型複合酸化物等から形成される。固体電解質14は、イオン導電性の高いYを含有するZrO(YSZ)等によって形成される。燃料極13は、電子導電性の高いNiとYを含有するZrO(YSZ)との混合物等によって形成される。インターコネクタ17は、電子導電性の高い、アルカリ土類酸化物を固溶したLaCrO等によって形成される。これらの材料は、それぞれの熱膨張率が近いものが好適である。
【0060】
図7(a)のマニホールド110には、各燃料電池セル60aの燃料ガス通路12に連通する孔が形成されている。それにより、マニホールド110を流動する燃料ガスが燃料ガス通路12に流入する。燃料電池スタック120のマニホールド110と反対側には、改質器130が配置されている。例えば、改質器130は、一方の燃料電池スタック120の積層方向に延び、一端側で折り返し、他方の燃料電池スタック120の積層方向に延びる構造を有する。
【0061】
また、図7(b)に示すように、燃料電池スタック120同士の間には、酸化剤ガス導入部材140が配置されている。酸化剤ガス導入部材140には、酸化剤ガスが流動するための空間が形成されている。酸化剤ガス導入部材140のマニホールド110側端部には、孔が形成されている。それにより、各燃料電池セル60aの外側を酸化剤ガスが流動する。燃料電池セル60aの燃料ガス通路12を燃料ガスが流動しかつ燃料電池セル60aの外側を酸化剤ガスが流動することによって、燃料電池セル60aにおいて発電が行われる。
【0062】
燃料電池セル60aにおいて発電に供された後の燃料ガス(燃料オフガス)と発電に供された後の酸化剤ガス(酸化剤オフガス)とは、各燃料電池セル60aのマニホールド110と反対側の端部において合流する。燃料オフガスには未燃の水素等の可燃物が含まれていることから、燃料オフガスは、酸化剤オフガスに含まれる酸素を利用して燃焼する。本例においては、燃料電池セル60a(燃料電池スタック120)の上端と改質器130との間において燃料オフガスが燃焼する部位を燃焼部150と称する。燃焼部150の燃焼熱は、改質器130および燃料電池スタック120に供給される。
【0063】
改質器130は、上流側から下流側にかけて、蒸発/混合部と改質部として機能する。図9(a)に示すように、改質器130に炭化水素等の原燃料および改質水が供給されると、蒸発/混合部においては、改質水を蒸発して水蒸気が発生し、発生した水蒸気と炭化水素等の原燃料とが混合される。改質部においては、触媒を介して水蒸気と炭化水素等の原燃料とが水蒸気改質反応を起こして燃料ガスが生成される。
【0064】
改質水は蒸発する際に吸熱する。また、水蒸気改質反応は、吸熱反応である。したがって、改質器130においては温度差が大きくなりやすい。その結果、燃料電池スタック120においても温度差が大きくなりやすくなる。例えば、図9(b)に示すように、一方の燃料電池スタック120と他方の燃料電池スタック120との間に温度差が生じるとともに、各燃料電池スタック120においても燃料電池セル60aの積層方向において温度差が大きくなる。このように、燃料電池スタック120と改質器130とが隣接する場合には、燃料電池スタック120に温度差が大きくなりやすい。なお、図9(b)において、横軸は燃料電池スタック120を構成する各燃料電池セル60aの積層方向の位置を示し、縦軸は温度を示す。
【0065】
本例においては、図10に示すように、複数の電圧計72a〜72fを設ける。なお、図10は、燃料電池スタック120を改質器130側からみた図である。電圧計72a〜72fのそれぞれは、複数個の燃料電池セル60aからなる積層体それぞれの電圧を検出する。また、例1で説明した電流計を用いて燃料電池スタック120の発電電流を検出する。この場合、積層体ごとに電気抵抗を推定することができる。それにより、積層体ごとに温度を推定することができる。
【0066】
例えば、燃料電池スタック120の中央部側を構成する積層体の電圧を検出することによって、燃料電池スタック120の高温部の温度を推定することができる。また、燃料電池スタック120の端部側を構成する積層体の電圧を検出することによって、燃料電池スタック120の低温部の温度を推定することができる。したがって、温度制御を優先させたい箇所の推定温度に基づいて、燃料電池スタック120の温度を制御することができる。なお、例1で説明したように、改質器130への原燃料量、燃料電池スタック120への酸化剤ガス量、または、燃料電池スタック120の負荷を増減させることによって、燃料電池スタック120の温度を制御することができる。
【0067】
なお、上記各例は、固体高分子形、固体酸化物形、炭酸溶融塩形等のいずれのタイプの燃料電池にも適用可能である。ただし、固体酸化物形のような高温型においては温度検出が困難であるため、特に効果が得られる。
【符号の説明】
【0068】
10 制御部
20 原燃料供給部
30 改質水供給部
31 改質水タンク
32 改質水ポンプ
40 酸化剤ガス供給部
50 改質器
51 気化部
52 改質部
53 燃焼室
60 燃料電池
61 カソード
62 アノード
63 電解質
71 電流計
72 電圧計
80 熱交換器
90 発電量制御装置
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤ガスと燃料ガスとで発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池の電圧および電流に応じて前記燃料電池の電気抵抗を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を上回る場合に前記燃料電池の温度を上昇させる制御を行い、前記推定された電気抵抗が前記目標電気抵抗範囲を下回る場合に前記燃料電池の温度を低下させる制御を行う、温度制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記温度制御手段は、前記推定された電気抵抗と前記目標電気抵抗範囲の上限との差分が大きいほど前記燃料電池の温度を大きく上昇させる制御を行い、前記推定された電気抵抗と前記目標電気抵抗範囲の下限との差分が大きいほど前記燃料電池の温度が大きく低下させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記温度制御手段は、前記燃料電池の電流が大きいほど、前記燃料電池の温度を大きく上昇または低下させることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記推定手段は、前記燃料電池の電流−電圧特性の傾きに応じて前記電気抵抗を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記推定手段は、前記燃料電池の電流に対する電圧値、または、前記燃料電池の電圧値に対する電流値、を前記電気抵抗として代用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記推定手段は、前記燃料電池の開回路電圧値、または、前記開回路電圧を用いて求めた値、を前記電気抵抗として代用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記温度制御手段は、前記燃料電池に供給される酸化剤ガスの供給量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記温度制御手段は、前記燃料電池の発電量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記温度制御手段は、前記燃料電池に供給される燃料ガスの供給量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
炭化水素系燃料から水素を含む燃料ガスを生成して前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する改質器を備え、
前記温度制御手段は、前記改質器に供給される炭化水素系燃料の供給量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記目標電気抵抗範囲を設定する設定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記燃料電池の電流が小さいほど前記目標電気抵抗範囲を高い値に設定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項13】
燃料電池の電圧および電流に応じて前記燃料電池の電気抵抗を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定された電気抵抗が目標電気抵抗範囲を上回る場合に前記燃料電池の温度を上昇させる制御を行い、前記推定された電気抵抗が前記目標電気抵抗範囲を下回る場合に前記燃料電池の温度を低下させる制御を行う、温度制御ステップと、を含むことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
【請求項14】
前記温度制御ステップにおいて、前記推定された電気抵抗と前記目標電気抵抗範囲の上限との差分が大きいほど前記燃料電池の温度を大きく上昇させる制御を行い、前記推定された電気抵抗と前記目標電気抵抗範囲の下限との差分が大きいほど前記燃料電池の温度を大きく低下させる制御を行うことを特徴とする請求項13記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項15】
前記温度制御ステップにおいて、前記燃料電池の電流が大きいほど、前記燃料電池の温度を大きく上昇または低下させることを特徴とする請求項13または14記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項16】
前記推定ステップにおいて、前記燃料電池の電流−電圧特性の傾きに応じて前記電気抵抗を推定することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項17】
前記推定ステップにおいて、前記燃料電池の電流に対する電圧値、または、前記燃料電池の電圧値に対する電流値、を前記電気抵抗として代用することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項18】
前記推定ステップにおいて、前記燃料電池の開回路電圧値、または、前記開回路電圧を用いて求めた値、を前記電気抵抗として代用することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項19】
前記温度制御ステップにおいて、前記燃料電池に供給される酸化剤ガスの供給量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項20】
前記温度制御ステップにおいて、前記燃料電池の発電量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項21】
前記温度制御ステップにおいて、前記燃料電池に供給される燃料ガスの供給量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項22】
前記温度制御ステップにおいて、炭化水素系燃料から水素を含む燃料ガスを生成して前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する改質器に供給される炭化水素系燃料の供給量を増減させることによって、前記燃料電池の温度を上昇または低下させることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項23】
前記目標電気抵抗範囲を設定する設定ステップをさらに含み、
前記設定ステップにおいて、前記燃料電池の電流が小さいほど前記目標電気抵抗範囲を高い値に設定することを特徴とする請求項13〜22のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。
【請求項24】
前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする請求項13〜23のいずれか一項に記載の燃料電池システムの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−44290(P2011−44290A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190641(P2009−190641)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】