説明

燃料電池システム

【課題】電圧センサが故障した場合であっても、それに伴って電圧変換装置の昇圧率が急激に変動することを防止し、要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することのできる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】この燃料電池システム1は、電圧センサV1により測定された燃料電池2の出力端子間電圧Vfと、電圧センサV2により測定されたFC用コンバータ3の入力端子間電圧Viとの偏差が所定値以上となった場合には、当該偏差が所定値以上となるよりも前において測定されたFC用コンバータ3の入力端子間電圧Viに基づいて、FC用コンバータ3の昇圧率を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、燃料電池が発電した直流電力を、電圧変換装置によってその電圧を昇圧してから電力消費装置に供給する燃料電池システムが記載されている。かかる構成の燃料電池システムでは、電圧変換装置における出力電圧と入力電圧との比率、すなわち昇圧率が所定の値を維持するように電圧変換装置を制御しながら、電力消費装置への電力の供給が行われる。
【0003】
下記特許文献1に記載の燃料電池システムにおいては、燃料電池の出力電圧VL(電圧変換装置の入力電圧)を測定するための電圧センサと、インバータの入力電圧VH(電圧変換装置の出力電圧)を測定するためのセンサを備え、これらの測定値に基づき、下記数式によって電圧変換装置であるコンバータのデューティー比Dsを算出している。
【0004】
Ds=(VH−VL)/VH
【0005】
更に、このように算出されるデューティー比Dsが所定の目標値となるようにコンバータの動作を制御することによって、上記昇圧率を所定の値に維持している。すなわち、コンバータの入力側と出力側に設けられた二つの電圧センサの測定値に基づいて、コンバータの昇圧率が所定の目標値を維持するように制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−124615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の燃料電池システムでは、コンバータの入力電圧を測定する電圧センサ、及び、コンバータの出力電圧を測定する電圧センサの一方が故障し、正確な電圧値が測定できなくなると、コンバータの昇圧率を所定の目標値に維持することができなくなる。その結果、コンバータの昇圧率が所定の目標値を超え、電力消費装置に対して要求電力を超えた過大な電力が供給される場合が生じ得る。逆に、コンバータの昇圧率が所定の目標値を下回り、要求電力に満たない電力しか電力消費装置に共有されない場合も生じ得る。
【0008】
また、上記特許文献1に記載の燃料電池システムは、コンバータの出力側に蓄電装置が並列に接続されている。このような構成の燃料電池システムにおいて上記のようなコンバータの昇圧率の変動が生じると、それに伴って蓄電装置の放電量もしくは充電量が急激に変動してしまい、電気系統の損傷や保護回路の動作等によって燃料電池システムの動作が停止してしまう恐れもある。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電圧センサが故障した場合であっても、それに伴って電圧変換装置の昇圧率が急激に変動することを防止し、要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することのできる燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスおよび酸化ガスの供給を受けて、当該燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池が発電した電力を消費する電力消費装置と、前記燃料電池と前記電力消費装置との間に配置され、前記燃料電池から入力された電力を、その電圧を昇圧して前記電力消費装置に出力する電圧変換装置と、前記燃料電池から前記電圧変換装置に入力される電力の電圧を測定する入力電圧センサと、前記電圧変換装置から前記電力消費装置に向けて出力される電力の電圧を測定する出力電圧センサと、前記入力電圧センサにより測定された電圧値と、前記出力電圧センサにより測定された電圧値とに基づいて、前記電圧変換装置による電圧の昇圧率を制御する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記入力電圧センサ及び前記出力電圧センサのいずれか一方に対して並列に接続された、検証用電圧センサを更に備えており、前記制御装置は、前記入力電圧センサ及び前記出力電圧センサのうち、前記検証用電圧センサが並列に接続された方において測定された第一電圧値と、前記検証用電圧センサにおいて測定された第二電圧値との偏差が所定値以上となった場合には、前記偏差が前記所定値以上となるよりも前において測定された前記第一電圧値に基づいて、前記昇圧率を制御することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池から電圧変換装置に入力される電力の電圧を測定する入力電圧センサと、電圧変換装置から電力消費装置に出力される電力の電圧を測定する出力電圧センサと、これら入力電圧センサ及び出力電圧センサのいずれか一方に対して並列に接続された検証用電圧センサとを備えている。
【0012】
制御装置は、入力電圧センサ及び出力電圧センサのうち、検証用電圧センサが並列に接続された方において測定された第一電圧値と、検証用電圧センサにおいて測定された第二電圧値との偏差が所定値以上となった場合には、当該偏差が所定値以上となるよりも前において測定された第一電圧値に基づいて、昇圧率を制御する。
【0013】
入力電圧センサ及び出力電圧センサのうち、検証用電圧センサが並列に接続された方において測定された第一電圧値と、検証用電圧センサにより測定された第二電圧値とは、両方の電圧センサが正常であれば、ほぼ同じ電圧値となるはずである。従って、両電圧値間の偏差が所定値以上となった場合にはいずれかの電圧センサに異常が発生しており、入力電圧センサ及び出力電圧センサのうち、検証用電圧センサが並列に接続された方において測定された電圧値が不正確なものである可能性がある。本発明ではこのような場合において、制御装置は、不正確な可能性がある電圧値に基づくのではなく、偏差が所定値以上となるよりも前において測定された電圧値に基づいて、昇圧率の制御を行う。
【0014】
すなわち、第一電圧値と第二電圧値との偏差が所定値以上となった場合、制御装置は、入力電圧センサ及び出力電圧センサのうち、検証用電圧センサが並列に接続された方によりその時点で測定された第一電圧値、すなわち不正確な可能性がある電圧値を用いず、偏差が所定値以上となる直前において測定された第一電圧値を固定的に用いて、これに基づき昇圧率の制御を行う。その結果、正確な電圧値に近いと推定される電圧値に基づいて昇圧率の制御が行われるため、電圧センサの故障に伴って電圧変換装置の昇圧率が急激に変動することを防止し、要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することができる。
【0015】
また本発明に係る燃料電池システムでは、前記入力電圧センサは、前記電圧変換装置の入力端子間電圧を測定する電圧センサであって、前記検証用電圧センサは、前記燃料電池の出力端子間電圧を測定する電圧センサであることも好ましい。
【0016】
燃料電池システムにおいては一般に、燃料電池の出力端子間の電圧を測定する電圧センサと、電圧変換装置の入力端子間電圧を測定する電圧センサを備えている。燃料電池と電圧変換装置が接続された状態においては、これら二つの電圧センサは、いずれも、燃料電池から電圧変換装置に入力される電力の電圧を測定することができる。
【0017】
この好ましい態様では、上記のように既存の電圧センサを入力電圧センサ及び検証用電圧センサとして用い、燃料電池から電圧変換装置に入力される電力の電圧を測定することができる。このため、新たに電圧センサを追加することなく、昇圧率の急激な変動を防止する上記制御を行うことができる。
【0018】
また本発明に係る燃料電池システムでは、前記電圧変換装置と前記電力消費装置との間に配置され、前記電圧変換装置から入力された直流電力を交流電力に変換して前記電力消費装置に出力する電力変換装置を更に備え、前記出力電圧センサは、前記電圧変換装置の出力端子間電圧を測定する電圧センサであって、前記検証用電圧センサは、前記電力変換装置の入力端子間電圧を測定する電圧センサであることも好ましい。
【0019】
電圧変換装置と電力消費装置との間に、電圧変換装置から入力された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置(インバータ)を備えた構成の燃料電池システムにおいては、一般に、電圧変換装置の出力端子間の電圧を測定する電圧センサと、電力変換装置の入力端子間電圧を測定する電圧センサを備えている。電圧変換装置と電力変換装置が接続された状態においては、これら二つの電圧センサは、いずれも、電圧変換装置から電力消費装置に向けて出力される電力の電圧を測定することができる。
【0020】
この好ましい態様では、上記のように既存の電圧センサを出力電圧センサ及び検証用電圧センサとして用い、電圧変換装置から電力消費装置に向けて出力される電力の電圧を測定することができる。このため、新たに電圧センサを追加することなく、昇圧率の急激な変動を防止する上記制御を行うことができる。
【0021】
また本発明に係る燃料電池システムでは、前記電圧変換装置の出力側において前記電力消費装置に対して並列に接続され、電力の充電及び放電を行う蓄電装置をさらに備え、前記偏差が所定値以上となった際に、前記蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値を超えなかった場合には、前記制御装置は、前記入力電圧センサによりその時点において測定された前記第一電圧値に基づく前記昇圧率の制御を再開することも好ましい。
【0022】
制御装置は、電圧変換装置による電圧の昇圧率の制御を、入力電圧センサにより測定された電圧値と、出力電圧センサにより測定された電圧値とに基づいて行っている。このため、もし、入力電圧センサの測定値(第一電圧値)と検証用電圧センサの測定値(第二電圧値)との偏差が所定値以上となった原因が入力電圧センサの故障であった場合には、当該偏差が所定値以上となる直前において入力電圧センサが出力する電圧値が乱れてしまい、昇圧率が一時的にその影響を受けて変動する。その結果、それに伴って蓄電装置の放電量もしくは充電量も急激に変動することとなる。
【0023】
この好ましい態様では、燃料電池から電圧変換装置に入力される電力の電圧を、入力電圧センサと検証用電圧センサとによって測定している状況において、これら二つの電圧センサにより測定された電圧値間の偏差が所定値以上となった際には、制御装置は、蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値以下であるかどうかを確認する。
【0024】
蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値以下であった場合には、電圧変換装置において昇圧率の一時的な変動が発生しなかったということであるため、第一電圧値と第二電圧値との偏差が所定値以上となった原因は入力電圧センサの故障ではなく、検証用電圧センサの故障であると推定することができる。
【0025】
従って、この場合には入力電圧センサにより測定された電圧値は正常であるため、これに基づく昇圧率の制御が可能と判断される。制御装置は、上記偏差が所定値以上となるよりも前において入力電圧センサにより測定された電圧値ではなく、入力電圧センサによりその時点において測定された電圧値に基づく昇圧率の制御を再開する。すなわち、この好ましい態様によれば、入力電圧センサが故障しているかどうかを判断することができる。入力電圧センサが正常な場合には、現時点で入力電圧センサにより測定された正確な電圧値に基づいて、電圧変換装置の昇圧率を制御する。その結果、より正確に要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することができる。
【0026】
また本発明に係る燃料電池システムでは、前記電圧変換装置の出力側において前記電力消費装置に対して並列に接続され、電力の充電及び放電を行う蓄電装置をさらに備え、前記偏差が所定値以上となった際に、前記蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値を超えなかった場合には、前記制御装置は、前記出力電圧センサによりその時点において測定された前記第一電圧値に基づく前記昇圧率の制御を再開することも好ましい。
【0027】
制御装置は、電圧変換装置による電圧の昇圧率の制御を、入力電圧センサにより測定された電圧値と、出力電圧センサにより測定された電圧値とに基づいて行っている。このため、もし、出力電圧センサの測定値(第一電圧値)と検証用電圧センサの測定値(第二電圧値)との偏差が所定値以上となった原因が出力電圧センサの故障であった場合には、当該偏差が所定値以上となる直前において出力電圧センサが出力する電圧値が乱れてしまい、昇圧率が一時的にその影響を受けて変動する。その結果、それに伴って蓄電装置の放電量もしくは充電量も急激に変動することとなる。
【0028】
この好ましい態様では、電圧変換装置から電力消費装置に向けて出力される電力の電圧を、出力電圧センサと検証用電圧センサとによって測定している状況において、これら二つの電圧センサにより測定された電圧値間の偏差が所定値以上となった際には、制御装置は、蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値以下であるかどうかを確認する。
【0029】
蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値以下であった場合には、電圧変換装置において昇圧率の一時的な変動が発生しなかったということであるため、第一電圧値と第二電圧値との偏差が所定値以上となった原因は出力電圧センサの故障ではなく、検証用電圧センサの故障であると推定することができる。
【0030】
従って、この場合には出力電圧センサにより測定された電圧値は正常であるため、これに基づく昇圧率の制御が可能と判断される。制御装置は、上記偏差が所定値以上となるよりも前において出力電圧センサにより測定された電圧値ではなく、入力電圧センサによりその時点において測定された電圧値に基づく昇圧率の制御を再開する。すなわち、この好ましい態様によれば、出力電圧センサが故障しているかどうかを判断することができ、現時点で出力電圧センサにより測定された正確な電圧値に基づいて、電圧変換装置の昇圧率を制御する。その結果、より正確に要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、電圧センサが故障した場合であっても、それに伴って電圧変換装置の昇圧率が急激に変動することを防止し、要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することのできる燃料電池システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態である燃料電池システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示した燃料電池システムにおいて行われる制御の流れを説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示した燃料電池システムにおいて行われる制御の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。以下では、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして用いた場合について説明する。
【0034】
まず、図1を参照して、本実施形態における燃料電池システムの構成について説明する。図1は、本実施形態における燃料電池システムの構成を模式的に示した図である。
【0035】
図1に示すように、燃料電池システム1は、反応ガスである酸化ガスと燃料ガスの電気化学反応により電力を発生する燃料電池2、燃料電池用のDC/DCコンバータ3(以下「FC用コンバータ」という)、二次電池としてのバッテリ4(蓄電装置)、バッテリ用のDC/DCコンバータ5(以下「Bat用コンバータ」という)、負荷としてのトラクションインバータ6およびトラクションモータ7(電力消費装置)、システム全体を統括制御する制御装置8(制御手段)とを有する。燃料電池2およびFC用コンバータ3の組と、バッテリ4およびBat用コンバータ5の組は、トラクションインバータ6およびトラクションモータ7に対して並列に接続されている。
【0036】
燃料電池2は、例えば、高分子電解質型燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極および燃料極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス通路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス通路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。燃料電池2の出力端子間には、燃料電池2が出力する電力の電圧を測定する電圧センサV1が設けられている。
【0037】
FC用コンバータ3は、直流の電圧変換装置であり、燃料電池2から入力された直流電力の電圧を昇圧して電力消費装置側であるトラクションインバータ6に出力する機能を有する。このFC用コンバータ3によって燃料電池2の出力電圧が制御される。FC用コンバータ3の入力端子間には、燃料電池2から入力される電力の電圧を測定する電圧センサV2が設けられ、FC用コンバータ3の出力端子間には、FC用コンバータ3からトラクションインバータ6に向けて出力される電力の電圧を検出する電圧センサV3が設けられている。
【0038】
FC用コンバータ3は、例えば、燃料電池2から入力された直流電圧を平滑化するコンデンサC1と、直流電圧を昇圧するためのコイルL1およびメインスイッチS1と、共振回路を構成するコンデンサC2およびコイルL2と、共振回路をON/OFFするための共振スイッチS2と、FC用コンバータ3の出力電圧を平滑化するコンデンサC3とを含んで構成される。
【0039】
バッテリ4は、バッテリセルが積層されて一定の高電圧を端子電圧とし、図示しないバッテリコンピュータの制御によって燃料電池2の余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。
【0040】
Bat用コンバータ5は、直流の電圧変換装置であり、バッテリ4から入力された直流電力の電圧を昇圧して電力消費装置側であるトラクションインバータ6に出力する機能と、燃料電池2またはトラクションモータ7から入力された直流電力の電圧を降圧してバッテリ4に出力する機能と、を有する。このようなBat用コンバータ5の機能により、バッテリ4の充放電が実現される。
【0041】
トラクションインバータ6は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ7に供給する。トラクションインバータ6の入力端子間には、トラクションインバータ6に入力される電力の電圧を測定する電圧センサV4が設けられている。トラクションモータ7は、例えば三相交流モータであり、燃料電池システム1が搭載される燃料電池車両の主動力源を構成する。
【0042】
制御装置8は、燃料電池車両に設けられた加速操作部材(例えば、アクセル)の操作量を検出し、加速要求値(例えば、トラクションモータ7等の電力消費装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、電力消費装置には、トラクションモータ7の他に、例えば、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等が含まれる。
【0043】
制御装置8は、FC用コンバータ3の昇圧率が所定の目標値(目標昇圧率)となるように制御している。昇圧率とは、電圧センサV3によって測定されるFC用コンバータ3の出力電圧Vo(以下「コンバータ出力電圧」という)と、電圧センサV2によって測定されるFC用コンバータ3の入力端子間電圧Vi(以下「コンバータ入力電圧」という)との比をいう。すなわち、コンバータ入力電圧Viが同じであれば、昇圧率が大きくなる程コンバータ出力電圧Voは大きくなり、昇圧率が小さくなる程コンバータ出力電圧Voは小さくなる。
【0044】
具体的には、制御装置8は、電圧センサV3によって測定されたコンバータ出力電圧Voと、電圧センサV2によって測定されたコンバータ入力電圧Viとの入力を受け、これらの比から昇圧率の実測値(実測昇圧率)を常に把握している。実測昇圧率と、要求負荷などによって決定される目標昇圧率との間に偏差が生じた場合には、制御装置8は、FC用コンバータ3のメインスイッチS1、共振スイッチS2の開閉周期を調整することにより、実測昇圧率が目標昇圧率に一致するように制御する。すなわち、FC用コンバータ3の入力側と出力側に設けられた電圧センサV2、電圧センサV3の測定値に基づいて、FC用コンバータ3の昇圧率が目標昇圧率となるように制御している。
【0045】
図1から明らかなように、電圧センサV1と電圧センサV2とは、いずれも燃料電池2からFC用コンバータ3に入力される電力の電圧を測定している。また、電圧センサV3と電圧センサV4とは、いずれもFC用コンバータ3からトラクションモータ7に向けて出力される電力の電圧を測定している。本実施形態にかかる燃料電池システム1ではこの構成を利用し、電圧センサV2によって測定された電圧値が正しいことを、電圧センサV1を検証用電圧センサとして用いることで確認している。同様に、電圧センサV3によって測定された電圧値が正しいことを、電圧センサV4を検証用電圧センサとして用いることで確認している。
【0046】
その具体的な制御の流れを、図2を参照しながら説明する。図2は、燃料電池システム1において行われる制御の流れを説明するためのフローチャートである。具体的には、電圧センサV1及び電圧センサV2が正常に動作しているかどうかを判断するための、故障判定処理の流れを示している。図2に示した一連の処理は、燃料電池システム1の運転中において、所定時間が経過するごとに制御装置8によって繰り返し実行されるものである。
【0047】
先ずステップS10では、電圧センサV1によって測定された燃料電池2の出力端子間電圧Vf(以下「スタック電圧」という)と、電圧センサV2によって測定されたコンバータ入力電圧Viとの偏差が、所定の閾値Vth1以上であるかどうかを判断する。スタック電圧Vfの値とコンバータ入力電圧Viの値は、通常は測定誤差の範囲内でほぼ同じ値となるが、電圧センサV1と電圧センサV2のいずれかが故障した場合には異なる値となる。閾値Vth1は、このような故障が生じた場合に生じ得るスタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差の最低値として、予め実験などにより設定される値である。
【0048】
ステップS10において、スタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差が閾値Vth1よりも小さければ、制御装置8は、電圧センサV1と電圧センサV2とがいずれも正常に動作していると判断し、図2の故障判定処理を終了する。
【0049】
スタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差が閾値Vth1よりも大きければ、ステップS11に移行する。ステップS11において、制御装置8は、電圧センサV1と電圧センサV2とのいずれか一方が故障しており、異常な測定値を出力していると判断している。すなわち、昇圧率を算出するために用いている電圧センサV2の測定値(コンバータ入力電圧Vi)が正確でない可能性があり、この値によって昇圧率を算出すると、昇圧率が急激に変動する等の不具合を生じる可能性がある。
【0050】
このため、ステップS11において制御装置8は、電圧センサV2によって直近に測定されたコンバータ入力電圧Viを用いて実測昇圧率を算出することを中断し、代わりに、図2に示した故障判定処理が前回実行された際において電圧センサV2により測定されたコンバータ入力電圧Viを用いて、実測昇圧率を算出することを開始する。すなわち、実測昇圧率を算出するために用いるコンバータ入力電圧Viを、現時点で測定された電圧値ではなく、スタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差が閾値Vth1よりも小さかった期間のうち直近において測定されていた電圧値に固定して、以降の実測昇圧率を算出する。
【0051】
その結果、正確な電圧値に近いと推定される電圧値に基づいて昇圧率の制御が行われるため、電圧センサV2の故障に伴ってFC用コンバータ3の昇圧率が急激に変動することを防止し、要求電力に応じた電力を電力消費装置に対して継続して供給することが可能となっている。
【0052】
尚、ステップS11の処理を行っている時点では、電圧センサV1と電圧センサV2とのどちらが故障しているのかは判別できていない。従って制御装置8は、ステップS12以降において、バッテリ4の充電量及び放電量の変化速度(例えば、バッテリ4に入出力される電流の変化速度)によって、故障した電圧センサの判別を行う。
【0053】
バッテリ4の充電量及び放電量の変化速度によって故障した電圧センサの判別を行うことができるのは、以下の理由による。制御装置8は、FC用コンバータ3の昇圧率の制御を、電圧センサV2により測定された電圧値と、電圧センサV3により測定された電圧値とに基づいて行っている。このため、もし、電圧センサV2が故障していた場合には、スタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差が閾値Vth1以上となる直前において電圧センサV2が出力する電圧値が乱れてしまい、昇圧率が一時的にその影響を受けて変動する。その結果、バッテリ4の充電率が単位時間当たりに変化する量である充電変化率ΔSOCは、一時的に大きくなる。
【0054】
一方、電圧センサV2は故障しておらず、電圧センサV1が故障していた場合には、スタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差が閾値Vth1以上となる前後において、電圧センサV2により測定される電圧値は変化しない。このため、かかる電圧値に基づいて算出される昇圧率は変動することがなく、バッテリ4の充電変化率ΔSOCも変動しない。このように、電圧センサV1と電圧センサV2のいずれが故障したかに応じて、バッテリ4の充電変化率ΔSOCの挙動が異なるものとなる。本実施形態に係る燃料電池システム1はこれを利用し、故障した電圧センサの判別を行う。
【0055】
具体的には、ステップS12において制御装置8は、バッテリ4の充電率が単位時間当たりに変化する量である充電変化率ΔSOCが、所定の閾値Sth以上であるかどうかを判断する。閾値Sthは、電圧センサV2の故障が生じた場合において充電変化率ΔSOCが変化し得る範囲の下限値として、予め実験などにより設定される値である。
【0056】
ステップS12において、充電変化率ΔSOCが閾値Sth以上である場合には、上で述べた理由により、制御装置8は電圧センサV2が故障していると判断する(ステップS13)。以降においては、実測昇圧率を算出するために用いるコンバータ入力電圧Viを、スタック電圧Vfとコンバータ入力電圧Viとの偏差が閾値Vth1よりも小さかった期間のうち直近において測定されていた電圧値に固定した状態のまま、燃料電池システム1の運転が継続される。又は、燃料電池システム1の運転を停止する処理に移行してもよい。
【0057】
ステップS12において、充電変化率ΔSOCが閾値Sthよりも小さい場合には、上で述べた理由により、制御装置8は電圧センサV1が故障しており、電圧センサV2は正常に動作していると判断する(ステップS14)。このため、以降においてはコンバータ入力電圧Viを固定しておく必要はなく、制御装置8は、電圧センサV2によりその時点において測定された電圧値に基づく昇圧率の制御を再開する(ステップS15)。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、電圧センサV2が故障しているかどうかを判断することができる。電圧センサV2が正常な場合には、現時点で電圧センサV2により測定された正確な電圧値に基づいて、FC用コンバータ3の昇圧率を制御する。その結果、より正確に要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することができる。
【0059】
続いて、図3を参照しながら、電圧センサV3によって測定された電圧値が正しいことを、電圧センサV4を検証用電圧センサとして用いることで確認する処理の流れを説明する。図3は、燃料電池システム1において行われる制御の流れを説明するためのフローチャートである。具体的には、電圧センサV3及び電圧センサV4が正常に動作しているかどうかを判断するための、故障判定処理の流れを示している。図3に示した一連の処理は、燃料電池システム1の運転中において、所定時間が経過するごとに制御装置8によって繰り返し実行されるものである。
【0060】
先ずステップS20では、電圧センサV3によって測定されたコンバータ出力電圧Voと、電圧センサV4によって測定されたトラクションインバータ6の入力端子間電圧Vm(以下「インバータ入力電圧」という)との偏差が、所定の閾値Vth2以上であるかどうかを判断する。コンバータ出力電圧Voの値とインバータ入力電圧Vmの値は、通常は測定誤差の範囲内でほぼ同じ値となるが、電圧センサV3と電圧センサV4のいずれかが故障した場合には異なる値となる。閾値Vth2は、このような故障が生じた場合に生じ得るコンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差の最低値として、予め実験などにより設定される値である。
【0061】
ステップS20において、コンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差が閾値Vth2よりも小さければ、制御装置8は、電圧センサV3と電圧センサV4とがいずれも正常に動作していると判断し、図3の故障判定処理を終了する。
【0062】
コンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差が閾値Vth2よりも大きければ、ステップS21に移行する。ステップS21において、制御装置8は、電圧センサV3と電圧センサV4とのいずれか一方が故障しており、異常な測定値を出力していると判断している。すなわち、昇圧率を算出するために用いている電圧センサV3の測定値(コンバータ出力電圧Vo)が正確でない可能性があり、この値によって昇圧率を算出すると、昇圧率が急激に変動する等の不具合を生じる可能性がある。
【0063】
このため、ステップS21において制御装置8は、電圧センサV3によって直近に測定されたコンバータ出力電圧Voを用いて実測昇圧率を算出することを中断し、代わりに、図3に示した故障判定処理が前回実行された際において電圧センサV3により測定されたコンバータ出力電圧Voを用いて、実測昇圧率を算出することを開始する。すなわち、実測昇圧率を算出するために用いるコンバータ出力電圧Voを、現時点で測定された電圧値ではなく、コンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差が閾値Vth2よりも小さかった期間のうち直近において測定されていた電圧値に固定して、以降の実測昇圧率を算出する。
【0064】
その結果、正確な電圧値に近いと推定される電圧値に基づいて昇圧率の制御が行われるため、電圧センサV3の故障に伴ってFC用コンバータ3の昇圧率が急激に変動することを防止し、要求電力に応じた電力を電力消費装置に対して継続して供給することが可能となっている。
【0065】
尚、ステップS21の処理を行っている時点では、電圧センサV3と電圧センサV4とのどちらが故障しているのかは判別できていない。従って制御装置8は、ステップS22以降において、バッテリ4の充電量及び放電量の変化速度(例えば、バッテリ4に入出力される電流の変化速度)によって、故障した電圧センサの判別を行う。
【0066】
バッテリ4の充電量及び放電量の変化速度によって故障した電圧センサの判別を行うことができるのは、以下の理由による。制御装置8は、FC用コンバータ3の昇圧率の制御を、電圧センサV2により測定された電圧値と、電圧センサV3により測定された電圧値とに基づいて行っている。このため、もし、電圧センサV3が故障していた場合には、コンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差が閾値Vth2以上となる直前において電圧センサV3が出力する電圧値が乱れてしまい、昇圧率が一時的にその影響を受けて変動する。その結果、バッテリ4の充電率が単位時間当たりに変化する量である充電変化率ΔSOCは、一時的に大きくなる。
【0067】
一方、電圧センサV3は故障しておらず、電圧センサV4が故障していた場合には、コンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差が閾値Vth2以上となる前後において、電圧センサV3により測定される電圧値は変化しない。このため、かかる電圧値に基づいて算出される昇圧率は変動することがなく、バッテリ4の充電変化率ΔSOCも変動しない。このように、電圧センサV3と電圧センサV4のいずれが故障したかに応じて、バッテリ4の充電変化率ΔSOCの挙動が異なるものとなる。本実施形態に係る燃料電池システム1はこれを利用し、故障した電圧センサの判別を行う。
【0068】
具体的には、ステップS22において制御装置8は、バッテリ4の充電率が単位時間当たりに変化する量である充電変化率ΔSOCが、所定の閾値Sth以上であるかどうかを判断する。閾値Sthは、電圧センサV3の故障が生じた場合において充電変化率ΔSOCが変化し得る範囲の下限値として、予め実験などにより設定される値である。
【0069】
ステップS22において、充電変化率ΔSOCが閾値Sth以上である場合には、上で述べた理由により、制御装置8は電圧センサV3が故障していると判断する(ステップS23)。以降においては、実測昇圧率を算出するために用いるインバータ入力電圧Vmを、コンバータ出力電圧Voとインバータ入力電圧Vmとの偏差が閾値Vth2よりも小さかった期間のうち直近において測定されていた電圧値に固定した状態のまま、燃料電池システム1の運転が継続される。又は、燃料電池システム1の運転を停止する処理に移行してもよい。
【0070】
ステップS22において、充電変化率ΔSOCが閾値Sthよりも小さい場合には、上で述べた理由により、制御装置8は電圧センサV4が故障しており、電圧センサV3は正常に動作していると判断する(ステップS24)。このため、以降においてはコンバータ出力電圧Voを固定しておく必要はなく、制御装置8は、電圧センサV3によりその時点において測定された電圧値に基づく昇圧率の制御を再開する(ステップS25)。
【0071】
以上に説明したように、本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、電圧センサV3が故障しているかどうかを判断することができる。電圧センサV3が正常な場合には、現時点で電圧センサV3により測定された正確な電圧値に基づいて、FC用コンバータ3の昇圧率を制御する。その結果、より正確に要求電力に応じた電力を、電力消費装置に対して継続して供給することができる。
【0072】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0073】
1:燃料電池システム
2:燃料電池
3:FC用コンバータ
4:バッテリ
5:Bat用コンバータ
6:トラクションインバータ
7:トラクションモータ
8:制御装置
C1,C2,C3:コンデンサ
L1,L2:コイル
S1:メインスイッチ
S2:共振スイッチ
V1,V2,V3,V4:電圧センサ
Vf:スタック電圧
Vi:コンバータ入力電圧
Vm:インバータ入力電圧
Vo:コンバータ出力電圧
Vth1,Vth2:閾値
ΔSOC:充電変化率
Sth:閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスおよび酸化ガスの供給を受けて、当該燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
前記燃料電池が発電した電力を消費する電力消費装置と、
前記燃料電池と前記電力消費装置との間に配置され、前記燃料電池から入力された電力を、その電圧を昇圧して前記電力消費装置に出力する電圧変換装置と、
前記燃料電池から前記電圧変換装置に入力される電力の電圧を測定する入力電圧センサと、
前記電圧変換装置から前記電力消費装置に向けて出力される電力の電圧を測定する出力電圧センサと、
前記入力電圧センサにより測定された電圧値と、前記出力電圧センサにより測定された電圧値とに基づいて、前記電圧変換装置による電圧の昇圧率を制御する制御装置と、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記入力電圧センサ及び前記出力電圧センサのいずれか一方に対して並列に接続された、検証用電圧センサを更に備えており、
前記制御装置は、
前記入力電圧センサ及び前記出力電圧センサのうち、前記検証用電圧センサが並列に接続された方において測定された第一電圧値と、前記検証用電圧センサにおいて測定された第二電圧値との偏差が所定値以上となった場合には、前記偏差が前記所定値以上となるよりも前において測定された前記第一電圧値に基づいて、前記昇圧率を制御することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記入力電圧センサは、前記電圧変換装置の入力端子間電圧を測定する電圧センサであって、前記検証用電圧センサは、前記燃料電池の出力端子間電圧を測定する電圧センサであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記電圧変換装置と前記電力消費装置との間に配置され、前記電圧変換装置から入力された直流電力を交流電力に変換して前記電力消費装置に出力する電力変換装置を更に備え、
前記出力電圧センサは、前記電圧変換装置の出力端子間電圧を測定する電圧センサであって、前記検証用電圧センサは、前記電力変換装置の入力端子間電圧を測定する電圧センサであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記電圧変換装置の出力側において前記電力消費装置に対して並列に接続され、電力の充電及び放電を行う蓄電装置をさらに備え、
前記偏差が所定値以上となった際に、前記蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値を超えなかった場合には、
前記制御装置は、
前記入力電圧センサによりその時点において測定された前記第一電圧値に基づく前記昇圧率の制御を再開することを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記電圧変換装置の出力側において前記電力消費装置に対して並列に接続され、電力の充電及び放電を行う蓄電装置をさらに備え、
前記偏差が所定値以上となった際に、前記蓄電装置の充電量及び放電量の変化速度が所定の閾値を超えなかった場合には、
前記制御装置は、
前記出力電圧センサによりその時点において測定された前記第一電圧値に基づく前記昇圧率の制御を再開することを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−110793(P2013−110793A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251902(P2011−251902)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】