説明

燃料電池スタックおよび燃料電池スタックを製造するための方法

本発明は、燃料電池(12)を支持するベースプレート(14)と、互いに重ねて積層された燃料電池(12)を部分的に覆うキャップ(16)であって、互いに重ねて積層された燃料電池(12)を電気的に絶縁するために電気絶縁材料、特にセラミックからなるキャップ(16)とを備える燃料電池スタック(10)に関する。本発明によれば、カソードガスを案内するために提供される金属キャップ(18)が、ベースプレート(14)と共に、燃料電池(12)を含むキャップ(16)を覆い、金属キャップ(18)が、封止状態でベースプレート(14)に取り付けられることが企図される。さらに、本発明は、燃料電池スタック(10)を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を支持するベースプレートと、互いに重ねて積層された燃料電池を部分的に覆うキャップであって互いに重ねて積層された燃料電池を電気的に絶縁するために電気絶縁材料、特にセラミックから形成されるキャップと、を備える燃料電池スタックに関する。
【0002】
さらに、本発明は燃料電池スタックを製造するための方法に関し、燃料電池スタックは、燃料電池を支持するベースプレートと、互いに重ねて積層された燃料電池を部分的に覆うキャップであって互いに上に重ねて積層された燃料電池を電気的に絶縁するための電気絶縁材料、特にセラミックから形成されるキャップと、カソードガスを案内するために設けられ、かつベースプレートと共に、燃料電池を含むキャップを覆金属キャップであって、封止状態でベースプレートに取り付けられる金属キャップと、を備える。
【背景技術】
【0003】
電力を発生するための燃料電池技術は、化学的なエネルギーを電力に直接変換することにより、理論的には、電力を発生するための従来の方法、例えば内燃機関や、接続された発電機を含むガスタービンよりもかなり効率が良い。現在、最先端のものの中に、いわゆるSOFC燃料電池があり、SOFC燃料電池は、それらの設計上、650℃〜約1000℃の動作温度を有するので、高温燃料電池のクラスに属している。SOFC燃料電池システムの高い動作温度は、それらの構成に使用可能な材料を限定し、さらに、例えば、異なる材料から製造される構成要素の接続点で、異なる熱膨張係数により、材料に対して作用する高い応力が生じる。
【0004】
すべての燃料電池の基本原理は、2つの異なるプロセスガス、例えば水素リッチ燃料ガスと、酸化剤として働く酸素リッチガスとが別々に活性層を通るように案内され、反応が生じることで、前記層に垂直に約0.7Vの電圧が生じ、有用な電流を発生することができるということに基づいている。単一の燃料電池によって発生させることができる電圧は比較的小さいく、通常、多くの個別の燃料電池が直列に結合されるので、燃料電池スタックとして互いに上に重なる個別の燃料電池の積層が有用であると分かっている。しかし、個別の燃料電池の積層により、アノードガスおよびカソードガスとも呼ばれる異なるプロセスガスの供給は、カソードガス空間に対するアノードガス空間を封止するという点で、より難しくなっている。しかし、燃料電池スタックの効率は、アノードガスがカソードガスから分離されるように気密に案内されること、および反応がそのために提供される反応面を介してのみ行われることに決定的に依存する。
【0005】
アノードガスを燃料電池スタックに供給することができる1つの可能な方法は、個別の燃料電池の積層方向に対して垂直に、燃料電池スタックの内部に中央供給ラインを配置することであり、このラインは、開口を介して燃料電池スタックの個々の層を通るように導かれる。これに関連して、カソードガスとアノードガスの混合を防止するために、供給ラインへの個々の層の気密接続に注意を払わなければならない。同様に、カソードガスを燃料電池スタックに供給するための別の供給ラインを提供することも実現可能である。しかし、別の方法として、いわゆるオープンカソードを使用することもでき、オープンカソードでは、カソードガスが燃料電池スタックの片側から供給され、排気されるカソードガスが、燃料電池スタックの反対側において燃料電池スタックから出ていく。したがって、オープンカソードの場合、供給ライン用の開口の一部を省くことができ、これは製造をかなり簡単にする。しかし、燃料電池スタックを通して燃料電池スタックの個々の高さに平行にカソードガスを流すことができるようにするためには、望ましくないことにカソードガスが燃料電池スタックを迂回して流れて燃料電池スタックを通過しなくなるのを防止するために、燃料電池スタックの外部シーリングが必要とされる。このために、セラミックキャップを提供することができ、このキャップは、一方で、燃料電池スタックを通してカソードガスを案内する働きをし、他方で、個々の燃料電池を電気的に絶縁する働きをする。
【0006】
しかし、これに関連して、そのようなキャップと燃料電池スタックの異なる熱膨張係数が特に問題となることが分かっており、このため、2つの構成要素を摺動式に互いに接続しなければならない。したがって、接続の気密設計を保証することができない。この理由により、外部カソードガス経路を備える燃料電池スタックを燃料電池システムに組み込むのが特に複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述した問題を少なくとも一部解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、独立請求項の特徴によって解決される。
【0009】
本発明の有利な実施形態およびさらなる発展形態は、従属請求項から明らかになろう。
【0010】
本発明による燃料電池スタックは、現況技術に基づき、カソードガスを案内するために提供される金属キャップが、ベースプレートと共に、燃料電池を含むキャップを覆い、および金属キャップが封止状態でベースプレートに取り付けられるものである。燃料電池スタックを支持するベースプレートに封止状態で取り付けられる金属キャップを提供することにより、単純な形での燃料電池スタックの気密カプセル化が可能になる。このようにすると、アノードガスまたはカソードガスの供給および放出が、金属キャップおよび/またはベースプレートにこのために提供されたポートを介してのみ行われるので、燃料電池システムへの燃料電池スタックの組込みがかなり容易になる。
【0011】
好ましくは、キャップと燃料電池との間にシーリングが設けられる。キャップと燃料電池との間にシーリングを設けることにより、特に、カソードガスが燃料電池スタックを迂回して流れることがある迂回路が生じて性能が損なわれることなく、燃料電池スタックを通るカソードガスをより良く案内できるようにする。製造をさらに容易にするために、シーリングとキャップを単一の構成要素として形成することもできる。
【0012】
この場合、シーリングがセラミック紙を備えることが特に好ましい。燃料電池スタックとキャップとの間のシーリング材料としてセラミック紙を使用することは、特に、燃料電池スタックの作動または最初の加熱の前にセラミック紙を普通の紙のように加工することができるので、シーリングの初期装着を特に容易にする。
【0013】
有利には、金属キャップが、燃料電池を含むキャップに所定の付勢力をかけることが企図される。多くの燃料電池スタックが、製造段階中に所定の付勢力下で保たれて、微小亀裂の発生を防止する。微小亀裂によりガス漏れが生じることがあり、そうなると燃料電池スタック全体が使えなくなる。しばしば、所定の付勢力を生成するために別個の付勢力デバイスが設けられる。金属キャップ自体が付勢力デバイスの機能の代わりをして、所要の付勢力を燃料電池スタックにかける場合には、この付勢力デバイスを省くことができる。このようにして、燃料電池のスタックの表面にキャップが当接することが保証される。
【0014】
これに関連して、金属キャップが、ベースプレートとは反対側の部分に弾性金属箔を具備することを企図することが特に好ましく、この弾性金属箔は、燃料電池を含むキャップの輪郭に沿って位置する。装着されたときに燃料電池を含むキャップの輪郭に沿って位置する弾性金属箔は、特に、燃料電池スタックの動作中に、燃料電池を含むキャップと金属キャップとの異なる熱膨張の均衡を図ることができるようにする。この場合、変形を吸収する弾性金属箔の可撓性によって異なる長手方向膨張の均衡が図られる。これは、特に、金属キャップとベースプレートとの間の永久的に気密の結合を可能にし、燃料電池と一体のキャップが、金属キャップの内部の空間を、燃料電池内のカソードガス管路を介してのみ接続される2つの区域に分割する。輪郭に沿った配置は、使用される箔の弾性により、金属キャップの付勢力に関連して行われる。
【0015】
有利には、これに関連して、燃料電池スタックの補強部材が提供されることが企図され、燃料電池スタックを保持する力が、パンチを介して燃料電池に伝達され、同時に、燃料電池を有するキャップに弾性金属箔を平坦に押し付ける。金属キャップによって加えられる付勢力とは別のものである燃料電池スタックの補強部材は、燃料電池スタックの動作中に、構成の十分な安定性、特に個々の燃料電池の十分な気密性を保証するのに一般的である。補強部材によって加えられる保持力を、パンチを介して平坦に加えることにより、理想的には同時に、燃料電池を含むキャップに弾性金属箔を平坦に押し付けることが可能になり、したがって弾性金属箔の位置が燃料電池のスタックに固定される。したがって、このとき、金属キャップと燃料電池を含むキャップとの異なる長手方向熱膨張は、燃料電池スタックまたはキャップの側方に位置した金属箔の弾性のみによって補償される。さらに、弾性金属箔の接触押圧は、外部カソードガス管路の気密性を高める。なぜなら、表面圧力により、カソードガスが燃料電池スタックを迂回する可能性がより低くなるからである。外部カソードガス経路の場合、弾性金属箔は、カソードガスの供給または放出のために提供される燃料電池のスタックの側面には当接しない。
【0016】
さらに、ベースプレートが、媒体供給および/または媒体放出用のポートを備えることが企図されることがある。ベースプレート内での媒体供給および/または媒体放出の提供、例えばアノードガス供給および/またはアノードガス放出の提供は、燃料電池スタックへのアノードガスの供給が、積層面に対して垂直に、開口を介して燃料電池スタックを通るように導かれた中央供給ラインを通して行われる場合に特に有利である。カソードガス供給またはカソードガス放出用のポートは、要件によってはベースプレート内に組み込むこともできる。
【0017】
さらに、金属キャップが、媒体供給および/または媒体放出用のポートを具備することが企図されることもある。特に、金属キャップによって実現されるオープンカソードガス経路の場合には、金属キャップ内にある媒体供給および/または媒体放出用のポートが有利であることがある。
【0018】
好ましくは、媒体供給および媒体放出用のすべてのポートが互いに平行に配設されることが企図される。
【0019】
これに関連して、媒体供給および媒体放出用のすべてのポートが、燃料電池スタックの片側に配設されることが特に有利である。媒体供給および/または媒体放出用のポートが、互いに平行なだけでなく、燃料電池スタックの片側のみに配設される場合、燃料電池システム内への燃料電池スタックの組込みが特に容易になる。
【0020】
本発明による燃料電池システムは、上述したタイプの燃料電池スタックを具備していることを特徴とする。
【0021】
燃料電池スタックを製造するための一般的な方法は、以下のステップを含むことでさらに改良される。
− ベースプレート上に燃料電池を積層するステップと、
− 互いに重ねて積層されるように配置された燃料電池を部分的に覆うキャップを取り付けるステップと、
− 燃料電池とキャップとの間の接触面を封止するステップと、
− 互いに重ねて積層された燃料電池を部分的に覆うキャップ上に金属キャップを取り付けるステップと、
− 所定の付勢力をかけながら、ベースプレート上に金属キャップを封止すると共に固定するステップと、である。
【0022】
このようにして、本発明による燃料電池スタックの利点および特徴は、燃料電池スタックを製造するための方法の枠内でも実現される。これはまた、以下に説明する本発明による方法の特に好ましい実施形態にも当てはまる。
【0023】
有利には、これは、燃料電池とキャップとの間の接触面を封止するステップが、セラミック紙の使用を企図することでさらに改良される。
【0024】
好ましくは、金属キャップを取り付けるステップが、金属キャップの上部に配設された弾性金属箔を、互いに重ねて積層された燃料電池を部分的に覆うキャップの上部に押し付けることを含むことが企図される。特に、皺を伴わずに行われる押し付けにより、後で燃料電池スタックの熱膨張サイクル中に弾性金属箔に作用する不均一な応力が発生することを防止することができる。
【0025】
特に、所定の付勢力をかけながらベースプレートに金属キャップを固定するステップが、ベースプレートに金属キャップを溶接することを含むことが企図されることがある。ベースプレートへの金属キャップの溶接は、それらの構成要素を封止すると共に確実に接続することができる1つの単純な可能な方法である。
【0026】
有利には、さらに、積層された燃料電池にパンチを介して保持力を伝達する補強部材が燃料電池スタックに配置され、同時に、弾性金属箔が、燃料電池を含むキャップに平坦に押し付けられることが企図される。
【0027】
本発明の好ましい実施形態を、関連の図面を参照しながら例として以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】互いに重ねて積層された個別の燃料電池を備えるベースプレートを示す図である。
【図2】取り付けられたキャップを有する、ベースプレート上での燃料電池の積層を示す図である。
【図3】金属キャップ内にある燃料電池のスタックを示す図である。
【図4】既に部分的に取り付けられた断熱体を含む、金属キャップ内に配設された燃料電池のスタックを示す図である。
【図5】完成した燃料電池スタックを含む燃料電池システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の図面では、同じ参照番号が同一または同様の部分を表す。
【0030】
図1は、互いに上に重ねて積層された個別の燃料電池を備えるベースプレートを示す。したがって、図1は、本発明による燃料電池スタックに関する第1の製造ステップを示す。個々の燃料電池12は、ポート28、28’を含むベースプレート14上に、互いに上に重ねて積層される。ポート28を通して、例えば酸素リッチ燃料がアノードガスとして個々の燃料電池12に供給される。このために、少なくとも1つの開口(この図では燃料電池12に隠れている)がベースプレート14に存在し、この開口が中央供給ラインに接続されている。供給ライン(図では見えない)は、個々の燃料電池12の開口を介して、互いに重ねて積層された燃料電池12のすべてのアノードガス空間と直接接触する。排気されたアノードガスの放出は、同様に開口を介して燃料電池12のすべてのアノードガス空間に結合された中央放出ライン(やはり図では見えない)を通して行われる。カソードガス空間とは対照的に、開口は気密封止される。さらに、一番上に取り付けられた燃料電池のカバープレートには開口を設ける必要はなく、または燃料電池12のスタック上に別個のカバープレートを取り付けることができる。
【0031】
図2は、上に取り付けられたキャップを備える、ベースプレート上での燃料電池のスタックを示す。本発明による燃料電池スタックを製造するための第2のステップは、ベースプレート14上に互いに重ねて積層された燃料電池12の上に、電気絶縁材料、好ましくはセラミック、または熱安定性、電気絶縁性、および加熱時の膨張に関して少なくとも同様の特性を有する別の材料からなるキャップ16を取り付けることを含む。キャップ16は、燃料電池12のスタックを部分的にしか覆わない。特に、燃料電池12のスタックの向かい合う側面のうちの2つの側面はキャップ16によって覆われず、それと共に、好ましくはセラミック紙を備えるシーリング20または同様の特性を有するシーリング材料が、キャップ16と燃料電池12のスタックとの接触面を封止する。図2に示される形態は、特に、酸化剤リッチカソードガスが燃料電池12のスタックの片側から平面的に流入することができ、反対側で燃料電池12のスタックから平面的に流出されるいわゆるオープンカソードに関連して有利である。とりわけ、シーリング20は、カソードガスが燃料電池12のスタックを迂回するのを防止する助けとなる。
【0032】
図3は、金属キャップ内にある燃料電池のスタックを示す。金属キャップ18はベースプレート14に取り付けられ、その上にこの図ではもはや見えない燃料電池(が互いに上に重ねて積層されており、好ましくは封止状態でベースプレート14に溶接される。図2に見られる燃料電池のスタックの寸法と比較すれば、金属キャップ18内部のポート30、31は、燃料電池のスタックおよびキャップによって覆われていないことが明らかである。したがって、ポート30を通して供給されるカソードガス、例えば空気は、図2には示されていない開いた後ろ側から、図2によれば2つの側面で開いた燃料電池のスタックに供給され、図2に示された開いた前側を通って燃料電池のスタックから再び放出されてもよい。その後、排気されたカソードガスを、ポート30’を通して金属キャップ18から放出させることができる。したがって、図示される燃料電池スタックは、いわゆるオープンカソード型で動作する。金属キャップ18の上側区域には弾性金属箔22が提供され、この弾性金属箔22は、カバーと、図3では側壁として示される金属キャップ18の上側区域とを形成する。弾性金属箔22の厚さは、0.05〜0.7mmの範囲内でよく、厚さ0.1mm〜0.5mmが好ましく、厚さ0.2mmが特に好ましい。極端な場合には、金属キャップ18全体を弾性金属箔22から形成することさえできる。金属キャップ18は、カソードガス管路として働き、燃料電池を含むキャップの輪郭を付勢力により予め完全に把握することができ、それにより、互いに重ねて積層された燃料電池へのキャップの当接が保証される。
【0033】
図4は、金属キャップ内に配置され、部分的に取り付けられた断熱体を含んだ燃料電池のスタックを示す。本発明による燃料電池スタックの次の製造ステップは、図3に示される中間製造物の恒久的補強のために、凹部36を有する断熱体34を取り付けることである。この場合、凹部36を有する絶縁体34は、図4に示されるように金属キャップ18に配設され、スタックに保持力を均一に加えるためのパンチ26が、ベースプレート(この図ではもはや見えない)とは反対の側で燃料電池スタックに配置される。パンチ26は、恒久的補強部材の設置後、同時に、金属箔22をキャップに平坦に押し付け、それにより弾性金属箔22を固定する。これは、一方で、望ましくないことにカソードガスが燃料電池のスタックを迂回して流れるのを防止する働きをし、他方で、パンチによって固定されていない弾性金属箔22の区域によって、変形をより良く補償する働きをする。この区域は、実質的に、スタックの側方に位置した箔部分である。
【0034】
図5は、完成した燃料電池スタックを備える燃料電池システムを示す。燃料電池スタック10を備える燃料電池システム32には、酸素リッチカソードガス、この場合には空気が、通風装置38およびポート30を通して供給され、排気されたカソードガスが、ポート30’を通して放出される。所要のアノードガスは、通風装置38’および燃料ポンプ40によって、ポート28を通して、水素リッチ改質油の形態で改質装置42に供給される。排気されたアノードガスは、ポート28’を通して放出される。燃料電池スタック10は、図では、完全に閉じた断熱体34を備え、例えば保持力を生成するためにばね力を使用する外部補強部材24が、永久的に必要な保持力を、パンチ26を介して、燃料電池スタック10の内部に配設された個別の燃料電池のスタックに平坦に伝達する。補強部材24は、燃料電池スタック10の寿命にわたって、金属キャップによって印加される付勢力を保つ。補強部材24を、絶縁体34の外部で外部補強部材として設計するのではなく、断熱体34の下で内部補強部材として設計することも実現可能である。
【0035】
上記の説明、図面、および特許請求の範囲に開示する本発明の特徴は、本発明を実現するために、個別でも、任意の組合せでも重要なものとなりうる。
【符号の説明】
【0036】
10 燃料電池スタック
12 燃料電池
14 ベースプレート
16 キャップ
18 金属キャップ
20 シーリング
22 弾性金属箔
24 補強部材
26 パンチ
28 ポート
28’ ポート
30 ポート
30’ ポート
32 燃料電池システム
34 断熱材
36 凹部
38 通風装置
38’ 通風装置
40 燃料ポンプ
42 改質装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池(12)を支持するベースプレート(14)と、
互いに上に重ねて積層された前記燃料電池(12)を部分的に覆うキャップ(16)であって、互いに重ねて積層された前記燃料電池(12)を電気的に絶縁するための電気絶縁材料、特にセラミックから形成されたキャップ(16)と
を備える燃料電池スタック(10)において、
カソードガスを案内するために設けられた金属キャップ(18)が、前記ベースプレート(14)と共に前記燃料電池(12)を含んだ前記キャップ(16)を覆い、
前記金属キャップ(18)が、封止されるように前記ベースプレート(14)に取り付けられていることを特徴とする燃料電池スタック(10)。
【請求項2】
シーリング(20)が、前記キャップ(16)と前記燃料電池(12)との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項3】
前記シーリング(20)が、セラミック紙を具備していることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項4】
前記金属キャップ(18)が、前記燃料電池(12)を含む前記キャップ(16)に所定の付勢力をかけていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項5】
前記金属キャップ(18)が弾性金属箔(22)を具備し、前記ベースプレート(14)とは反対側の部分において前記燃料電池(12)を含む前記キャップ(16)の輪郭を再生していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項6】
前記燃料電池スタック(10)の補強部材(24)が設けられ、前記燃料電池スタック(10)を保持する力が、パンチ(26)を介して前記燃料電池(12)に伝達され、同時に、前記パンチ(26)が、前記燃料電池(12)を含む前記キャップ(16)に対して前記弾性金属箔(22)を平坦に押し付けていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項7】
前記ベースプレート(14)が、媒体供給および/または媒体放出用のポート(28、28’)を具備していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項8】
前記金属キャップ(18)が、媒体供給および/または媒体放出用のポート(30、30’)を具備していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項9】
媒体供給および媒体放出用のすべてのポート(28、28’、30、30’)が、互いに平行に配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項10】
媒体供給および媒体放出用のすべての前記ポート(28、28’、30、30’)が、前記燃料電池スタック(10)の片側に配置されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)を具備した燃料電池システム(32)。
【請求項12】
燃料電池(12)を支持するベースプレート(14)と、
互いに上に重ねて積層された前記燃料電池(12)を部分的に覆うキャップ(16)であって、互いに上に重ねて積層された前記燃料電池(12)を電気的に絶縁するための電気絶縁材料、特にセラミックからなるキャップ(16)と、
カソードガスを案内するために設けられ、かつ前記ベースプレート(14)と共に、前記燃料電池(12)を含んだ前記キャップ(16)を覆う金属キャップ(18)であって、封止状態で前記ベースプレート(14)に取り付けられる金属キャップ(18)と
を具備した燃料電池スタック(10)を製造するための方法において、
前記ベースプレート(14)上に燃料電池(12)を積層するステップと、
互いに上に重ねて積層された前記燃料電池(12)を部分的に覆う前記キャップ(16)を固定するステップと、
前記燃料電池(12)と前記キャップ(16)との間の接触面を封止するステップと、
互いに上に重ねて積層された前記燃料電池(12)を部分的に覆う前記キャップ(16)上に金属キャップ(18)を固定するステップと、
所定の付勢力をかけながら、封止状態で前記ベースプレート(14)に前記金属キャップ(18)を固定するステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記燃料電池(12)と前記キャップ(16)との間の前記接触面を封止する前記ステップが、セラミック紙の使用を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記金属キャップ(18)を固定するステップが、前記金属キャップ(18)の上部に配置された弾性金属箔(22)を、互いに上に重ねて積層された前記燃料電池(12)を部分的に含んだ前記キャップ(16)の上部に押し付けることを含んでいることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
所定の付勢力をかけながら前記ベースプレート(14)に前記金属キャップ(18)を固定するステップが、前記ベースプレート(14)に前記金属キャップ(18)を溶接することを含んでいることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
積層された前記燃料電池(12)にパンチ(26)を介して保持力を伝達する補強部材(24)が前記燃料電池スタック(10)に配置され、同時に、前記弾性金属箔(22)が、前記燃料電池(12)を含む前記キャップ(16)上に平坦に押し付けられることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−517049(P2011−517049A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504310(P2011−504310)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000443
【国際公開番号】WO2009/127189
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(509132691)エネルダイ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (10)
【Fターム(参考)】