説明

燃料電池モジュール、及びそれを備える燃料電池

【課題】小型化することが可能な燃料電池モジュールを提供すること。
【解決手段】内側の電極層44と、外側の電極層48と、これらの間に配置された電解質層46と、を備え、内部に燃料ガスが流れる貫通流路50を有し、前記燃料ガスと外部を流れる空気により発電する燃料電池セル4と、前記燃料電池セル4を収容するセル室と、を有し、前記燃料電池セル4は、前記セル室の底壁から上壁に向かって延びるよう配置されており、前記燃料電池セル4の上方に、発電反応後の前記空気と前記燃料ガスを燃焼する燃焼部が設けられ、前記燃料電池セル4の前記燃焼部側の端部4aには、前記貫通流路50と連通し、前記貫通流路50の軸線方向に延びて前記燃焼部と通じる接続流路40cを構成する部材が取り付けられており、前記接続流路40cの断面積は、前記貫通流路50の断面積よりも小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に使用される燃料電池モジュール、及びその燃料電池モジュールを備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような燃料電池においては、複数の燃料電池セルを収納容器内に収容し、その複数の燃料電池セルそれぞれに空気と燃料ガスとを供給して作動させている。固体酸化物形の燃料電池は作動温度が700〜1000℃であり、空気及び燃料ガスの温度を予め上昇させておくことが好ましい。そこで、空気及び燃料ガスの温度を予め上昇させるために、燃料電池セルを作動させた残余の空気と燃料ガスとを燃焼させた燃焼ガスの熱を利用することが提案されている。そのような燃焼ガスの利用の一態様として、下記特許文献1に記載されているような燃料電池が提案されている。
【0003】
下記特許文献1に記載の燃料電池は、収納容器の側壁を三重壁構造として天井を二重壁構造としている。側壁の三重壁構造では、内側の空間に燃焼ガスを通し、外側の空間に空気を通している。このように隣接する一対の空間に、高温の燃焼ガスと低温の空気とを通すことで熱交換を行い、燃焼ガスの熱を利用して空気の温度を上昇させている。このように昇温された空気は、天井の二重壁構造によって形成される空間に貯留された後に、複数の燃料電池セルの下方に導かれる。
【特許文献1】特開2006−310143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、固体酸化物形燃料電池においては、可搬性を高めるためや収納場所の容積効率を高めるために、極力小型化することが求められている。上述した従来の燃料電池の場合、収納容器の側壁が三重壁構造となっているのに加えて天井も二重壁構造となっているため、小型化の要請に十分応えるものではなかった。本発明者らは上述した課題を解決するにあたって、管状の燃料電池セルが延びる方向、すなわち燃料電池モジュールの上下方向において小型化が可能か検討を行った。その結果、単に燃料電池セルの長さを短くしたり、単に天井の二重壁構造の採用を見送ったりするのみでは、発電効率の低下や酸化剤ガス又は燃料ガスの余熱不足といったデメリットが発生し、実質的には燃料電池モジュールの上下方向における小型化ができないことを見出した。
【0005】
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであって、燃料電池モジュールとしての基本的な機能を低下させることなく、より小型化することが可能な燃料電池モジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池セルスタックユニットは、内側の電極層と、外側の電極層と、これらの電極層の間に配置された電解質層と、を備え、内部に燃料ガスが流れる貫通流路を有し、前記貫通流路を流れる燃料ガスを内側の電極層に作用させ、外部を流れる空気を外側の電極に作用させることにより発電する燃料電池セルと、前記燃料電池セルを収容するセル室を形成する底壁、側壁及び上壁と、を有し、前記燃料電池セルは、前記セル室の底壁から上壁に向かって延びるよう配置されており、前記燃料電池セルの上方に、前記空気と前記燃料ガスを燃焼する燃焼部が設けられ、前記燃料電池セルの前記燃焼部側の端部には、前記貫通流路と連通し、前記貫通流路の軸線方向に延びて前記燃焼部と通じる接続流路を構成する部材が取り付けられており、前記接続流路を構成する部材は、前記燃料電池セルの周囲を覆う本体部と、前記燃料電池セルの端面を覆う段部と、前記段部から前記燃焼部側に突出し、前記本体部分よりも縮径した縮径部と、を有し、前記接続流路の断面積は、前記貫通流路の断面積よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より小型化することが可能な燃料電池モジュール、及びそれを備える燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る燃料電池モジュールを示す図である。
【図2】本実施形態に係る燃料電池モジュールを示す図である。
【図3】本実施形態に係る燃料電池モジュールを示す図である。
【図4】図1〜3のガスタンクを詳細に示す図である。
【図5】図1〜3の燃料電池セルユニットを詳細に示す図である。
【図6】図1〜3の燃料電池セルスタックを詳細に示す図である。
【図7】燃料電池セルスタックの変形例を示す図である。
【図8】図1〜3のカバー部材を詳細に示す図である。
【図9】図1〜3の仕切板を詳細に示す図である。
【図10】本実施形態に係る燃料電池モジュールを用いた燃料電池の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明者らは上述した課題を解決するにあたって、管状の燃料電池セルが延びる方向、すなわち燃料電池モジュールの上下方向において小型化が可能か検討を行った。その結果、単に燃料電池セルの長さを短くしたり、単に天井の二重壁構造の採用を見送ったりするのみでは、発電効率の低下や酸化剤ガス又は燃料ガスの余熱不足といったデメリットが発生し、実質的には燃料電池モジュールの上下方向における小型化ができないことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであって、燃料電池モジュールとしての基本的な機能を低下させることなく、より小型化することが可能な燃料電池モジュールを提供することをより具体的な目的としている。
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
図1,図2,図3を参照しながら本実施形態に係る燃料電池モジュールFCについて説明する。図1は、燃料電池モジュールFCを部分的に破断した概略的な斜視図である。図2は、図1のA方向から燃料電池モジュールFCを視た図である。図3は、図1のB方向から燃料電池モジュールFCを視た図である。
【0012】
燃料電池モジュールFCは、カバー部材1(第二部材)とベース部材2(第一部材)とによって密閉される空間内に10個の燃料電池セルスタック400を並べて配置している。各燃料電池セルスタック400には、燃料電池セル4を含む燃料電池セルユニット30が、2列×8列の16個ずつ配置されている。これらの燃料電池セルユニット30及び燃料電池セル4は、電気的に直列に配置されている。
【0013】
カバー部材1は、矩形平板状の上壁10と、その上壁10の各辺に繋がって一方向に延びる側壁11とを備えている。側壁11の上壁10と繋がる側とは反対側の端部には、フランジ部12が形成されている。カバー部材1のフランジ部12を、ベース部材2のベース板21に当接させることで、カバー部材1とベース部材2とによって密閉される空間が形成されている。この密閉される空間は、仕切板22,23によって仕切られていて、セル室13と排出ガス室14とが形成されている。排出ガス室14には、排出ガス管36が繋がれていて、排出ガスはこの排出ガス管36を通って外部に排出される。
【0014】
上壁10は、矩形平板状の部材によって構成されていて、一重壁構造を成している。側壁11は、4つの側壁部分111,112,113,114によって構成されている。側壁部分111,112,113,114はそれぞれ、矩形平板状の部材を3枚用いた三重壁構造を成している。また、側壁部分112の内側には空気流路116が、側壁部分114の内側には空気流路118が、それぞれ設けられている。
【0015】
仕切板22,23上にはガスタンク6が載置されている。ガスタンク6には、燃料電池セルスタック400が10個並べて配置されており、ガスタンク6から燃料ガスが、それぞれの燃料電池セルスタック400を構成する燃料電池セル4に供給される。
【0016】
より具体的には、ガスタンク6の上面には、燃料電池セルスタック400の下支持板400bとほぼ同じ形状の開口部61(図2参照)が設けられており、その開口部61に下支持板400bを密接させてガスタンク6と各燃料電池セルスタック400とが接続されている。従って、燃料電池セルスタック400を構成する燃料電池セル4は、その先端部分を上部側に向けてガスタンク6に立設されている。ガスタンク6は仕切板22に載置されており、仕切板22はベース部材2に固定されている。従って、燃料電池セルスタック400を構成する燃料電池セル4は、第一部材であるベース部材2に設けられた平板状の部分に相当する仕切板22に立設されている。
【0017】
ガスタンク6の斜視図を図4に示す。ガスタンク6は、直方体形状の本体6aと、本体6aの両端に設けられているフランジ部6bとを有している。本体6aの上面には、外枠部611と、桟部612とが設けられている。本実施形態の場合、桟部612は9本設けられていて、開口部61が10個所に形成されている。各桟部612には、支持柱613が2つずつ設けられている。支持柱613は、桟部612と本体6aの底板614との間に設けられていて、桟部612を支えている。また、外枠部611と桟部612とには、開口部61を囲繞するように段差が設けられている。この段差によって燃料電池セルスタ
ック400の下支持板400bを支持している。ガスタンク6には連結管34も設けられていて、この連結管34を通って改質後の燃料ガスが本体6a内に導入される。
【0018】
図1〜3に戻り、各燃料電池セルスタック400の上方には改質器7が設けられている。改質器7には、改質触媒が封入されている。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したもの、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したもの、が適宜用いられる。これらの改質触媒は球体である。一方、改質器7には、燃料ガス供給管32及び水蒸気供給管33、連結管34が繋がっており、これらが繋がっている接続部分においては、開口部として円形の穴が形成されている。改質触媒が開口部よりも小さければ、改質器7から改質触媒が流出してしまうので、本実施形態の場合は流入防止部としての網状部材(図示しない)を配置している。図1〜3には明示しないが本実施形態では、燃料ガス供給管32と水蒸気供給管33とのそれぞれに電磁弁が取り付けられていて、それぞれの電磁弁は制御部としてのCPUから出力される指示信号に応じて開閉し、改質器7に供給する燃料ガスと水蒸気との比率を変更可能なように構成されている。
【0019】
改質器7に導入された燃料ガス及び水蒸気は、改質器7内に収められている改質触媒によって改質される。改質された燃料ガスは、連結管34を通ってガスタンク6へと供給される。改質器7内部には、改質器7に対して燃料ガス供給管32及び水蒸気供給管33が繋がっている部分と、改質器7に対して連結管34が繋がっている部分との間を仕切るように仕切り壁(図1〜3において明示しない)が設けられている。従って、燃料ガス供給管32及び水蒸気供給管33が繋がっている部分と、連結管34が繋がっている部分との間は、改質器7の長手方向の略2倍の長さに引き離されているのと同等の構成となる。これによって、改質器7に供給された燃料ガス及び空気は改質触媒に十分に触れることが可能となる。
【0020】
改質器7によって改質された燃料ガスは、連結管34を通ってガスタンク6に供給される。燃料ガスは、ガスタンク6から、燃料電池セルユニット30の管内流路(図1〜3において明示しない)を通って上昇する。また、燃料電池セル4の外側を流れる空気も上昇する。燃料電池セルスタック400の上側には、燃料ガスと空気との燃焼を開始させるための点火装置(図に明示しない)が設けられており、この点火装置と燃焼触媒との作用により燃料ガスと空気とが混合して燃焼する。従って、この燃料ガスと空気とが混合して燃焼する部分が燃焼部であり、燃料電池セルスタック400を構成する燃料電池セル4は、上方からはこの燃焼部における燃焼によって加熱される。
【0021】
各燃料電池セル4は、管状であり、燃料電池セル4の管内を流れるガスと、その管外を流れるガスの作用により作動する。本実施形態では、燃料電池セル4の管内を流れるガスは、水素又は炭化水素燃料等を改質した改質ガス等の燃料ガスであり、燃料電池セル4の管外を流れるガスは、酸素を含む空気である。
【0022】
ここで、燃料電池セル4を含む燃料電池セルユニット30について、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、燃料電池セルユニット30は、燃料電池セル4によって形成され且つ上下方向に延びる管状構造体であり、円筒形の燃料電池セル4と、燃料電池セル4の一方の端部4aに取付けられた内側電極端子40と、他方の端部4bに取付けられた外側電極端子42と、を有している。
【0023】
燃料電池セル4は、円筒形の内側の電極層44と、円筒形の外側の電極層48と、これらの電極層44、48の間に配置された円筒形の電解質層46と、内側の電極層44の内側に構成される貫通流路50とを有している。また、燃料電池セル4の一方の端部4aに、内側の電極層44が電解質層46及び外側の電極層48に対して露出した内側電極露出周面44aと、電解質層46が外側の電極層48に対して露出した電解質露出周面46aとが設けられている。燃料電池セル4の他方の端部4bは、外側の電極層48が露出した外側電極露出周面48aによって構成されている。
【0024】
内側の電極層44は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
【0025】
電解質層46は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
【0026】
外側の電極層48は、例えば、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたサマリウムコバルト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
【0027】
この場合、内側の電極層44が燃料極になり、外側の電極層48が空気極になる。内側の電極層44の厚さは、例えば、1mmであり、電解質層46の厚さは、例えば、30μmであり、外側の電極層48の厚さは、例えば、30μmであり、その外径は、例えば、1〜10mmである。
【0028】
内側電極端子40は、内側電極外周面44aを全周にわたって外側から覆うように配置され且つそれと電気的に接続された本体部分40aと、本体部分40aから燃料電池セル4の長手方向に延びる管状部分40bとを有している。本体部分40a及び管状部分40bは、円筒形であり且つ同心に配置され、管状部分40bの管径は、本体部分40aの管径よりも細くなっている。管状部分40bは、貫通流路50と連通し且つ外部と通じる接続流路40cを有している。本体部分40aと管状部分40bとの間の段部40dは、内側の電極層44の端面44bと当接している。
【0029】
外側電極端子42は、外側電極外周面48を全周にわたって外側から覆うように配置され且つそれと電気的に接続された本体部分42aと、本体部分42aから燃料電池セル4の長手方向に延びる管状部分42bとを有している。本体部分42a及び管状部分42bは、円筒形であり且つ同心であり、管状部分42bの管径は、本体部分42aの管径よりも細くなっている。管状部分42bは、貫通流路50と連通し且つ外部と通じる接続流路42cを有している。本体部分42aと管状部分42bとの間の段部42dは、環状の絶縁部材52を介して外側の電極層48、電解質層46及び内側の電極層44の端面44cと当接している。
【0030】
内側電極端子40の全体形状と外側電極端子42の全体形状とは同一である。また、内側電極端子40と燃料電池セル4、及び、外側電極端子42と燃料電池セル4とは、その全周にわたって導電性のシール材54によってシールされ且つ固定されている。シール材54は、例えば、銀、銀とガラスの混合物、金、ニッケル、銅、チタンなどを含む各種ロウ材である。内側電極端子40の接続流路40c、燃料電池セル4の貫通流路50、及び外側電極端子42の接続流路42cは、燃料電池セルユニット30の管内流路30cを構成する。
【0031】
続いて、燃料電池セルスタック400について、図6を参照しながら説明する。燃料電池セルスタック400は、16本の燃料電池セルユニット30と、上支持板400aと、下支持板400bと、接続部材400cと、外部端子400dとを備えている。
【0032】
上支持板400a及び下支持板400bは略矩形であり、それぞれ、燃料電池セルユニット30を2列×8列で支持するように燃料電池セルユニット30の管状部分40b、42bに嵌合する貫通孔(図5に明示しない)を有している。上支持板400a及び下支持板400bは、電気絶縁性材料で形成されており、例えば、耐熱性のセラミックスで形成されている。具体的には、アルミナ、ジルコニア、スピネル、フォルステライト、マグネシア、チタニアなどを用いることが好ましい。
【0033】
16本の燃料電池セルユニット30は、それらが電気的に直列に接続されるように配列されている。詳細には、燃料電池セルユニット30は、隣接した燃料電池セルユニット30の内側電極端子40が交互に上側及び下側に配置されるように配列されている。更に、16本の燃料電池セルユニット30を電気的に直列に接続するための接続部材400cが設けられている。接続部材400cは、隣接した1つの内側電極端子40と1つの外側電極端子42とを電気的に接続する。直列に接続された16本の燃料電池セルユニット30の両端部の内側電極端子40及び外側電極端子42にはそれぞれ、外部と電気的な接続を
行うための外部端子400dが設けられている。接続部材400c、外部端子400dは、例えば、ステンレス鋼、ニッケル基合金、クロム基合金などの耐熱金属や、ランタンクロマイトなどのセラミック材料で形成される。
【0034】
各燃料電池セルスタック400の外部端子400dは、隣接する燃料電池セルスタック400の外部端子400dと接続部材400e(スタック間接続部材、図1参照)によって電気的に接続されている。両端の燃料電池セルスタック400の外部端子400dは、接続部材400fによってそれぞれ電極棒35a,35bに接続されている(図1参照)。
【0035】
上述したように、保持板としての下支持板400bは、燃料電池セルユニット30を下支持板の主面に立設するように保持している。下支持板400bに形成されている貫通孔は、その貫通孔に燃料電池セルユニット30の管状部分40b、42bを挿入した場合に、各燃料電池セルユニット30を電気的に接続するための接続部材400c同士が接触しないような位置に形成されている。また、各燃料電池セルユニット30の内側電極端子40及び外側電極端子42は、下支持板400bの主面に当接するように配置されている。
【0036】
上述した本実施形態の場合、燃料電池セルユニット30は2列×8列で配置されているけれども、燃料電池セルユニット30の配置はこの態様に限られない。図7に、燃料電池セルユニット30の配置態様の別例を示す。図7に示す燃料電池セルスタック401では、燃料電池セルユニット30は、3列×8列で配置されている。この3列×8列の燃料電池セルユニット30を支持するために、上支持板401a及び下支持板401bには、燃料電池セルユニット30の管状部分40b、42bに嵌合する貫通孔(図7に明示しない)が3列×8列で形成されている。
【0037】
この例の場合、内側に配置される8個の燃料電池セルユニット30は、外側に配置される8個の燃料電池セルユニット30それぞれの間から視認可能なように互い違いに配置されることが好ましい。このように内側に配置される燃料電池セルユニット30を視認可能なように配置することで、燃料電池セルスタック400の品質確認を容易に行うことができる。
【0038】
続いて、側壁11を構成する側壁部分111,112,113,114について、図8を参照しながら説明する。図8は、カバー部材1の空気流路116,118付近における断面を示した図である。最初に側壁部分111及び側壁部分112の構成について説明すると共に、側壁部分111と側壁部分112との接合状態について説明する。
【0039】
図8に示すように、側壁部分111は、三枚の矩形平板状の部材である側壁板111a、側壁板111b、及び側壁板111cによって構成されている。側壁板111a,111b,111cはそれぞれ所定間隔をおいて配置されており、側壁板111aと側壁板111bとの間には空気流路空間111e(第二空間)が、側壁板111bと側壁板111cとの間には排出ガス流路空間111d(第一空間)が、それぞれ形成されている。空気流路空間111eには、空気管31aが繋がっている。
【0040】
側壁部分112は、三枚の矩形平板状の部材である側壁板112a、側壁板112b、及び側壁板112cによって構成されている。側壁板112a,112b,112cはそれぞれ所定間隔をおいて配置されており、側壁板112aと側壁板112bとの間には空気流路空間112e(第二空間)が、側壁板112bと側壁板112cとの間には排出ガス流路空間112d(第一空間)が、それぞれ形成されている。
【0041】
側壁板112cの内側であるセル室13側の下側(ベース部材2側)には空気流路116が設けられている。空気流路116は直方体形状を成しており、側壁部分111から側壁部分113へ向かう方向に沿って形成されている。空気流路116は、セル室13内に供給する空気を一時的に貯留しておくための空気室116aと、空気室116aに貯留された空気をセル室13内に供給するための複数の空気流入孔116bとを有している。空気流路空間112eと空気室116aとは、連通管115によって繋がれている。連通管115は、排出ガス流路空間112d内を貫通し、空気流路空間112eと空気室116aとを繋いでいる。複数の空気流入孔116bは、空気室116aの長手方向に沿って形成されており、セル室13内に極力均等に空気を供給できるように構成されている。
【0042】
続いて、側壁部分111と側壁部分112との接合状態について説明する。側壁部分111を構成する側壁板111aと、側壁部分112を構成する側壁板112aとは、それぞれの端部において突き合わされて接合されている。側壁部分112を構成する側壁板112bは、その端部が側壁部分111の側壁板111aに当接するように構成されている。一方、側壁部分111を構成する側壁板111bは、その端部が側壁板112bに当接するように構成されている。従って、側壁部分111の空気流路空間111eと、側壁部分112の空気流路空間112eとは、側壁板112bが側壁板111bよりも突出し側壁板111aに当接する部分が隔壁となることで分離されている。この側壁板112bが側壁板111bよりも突出し側壁板111aに当接する部分は、上壁10側の一部分が切り欠かれている。従って、側壁部分111の空気流路空間111eと、側壁部分112の空気流路空間112eとは、一部が隔壁によって分離されている一方で残部である上側において繋がっている。
【0043】
このような構成とすることで、空気管31aから側壁部分111の空気流路空間111eに流入した空気は空気流路空間111e内を斜め上方に流れ、側壁部分112の空気流路空間112eと繋がっている部分(上側の部分)から空気流路空間112eに流入する。その後、空気流路空間112eに流入した空気は空気流路空間112e内を斜め下方に流れ、連結管115から空気流路116に流入する。空気流路116に流入した空気は空気流入孔116bからセル室13内へと流入する。
【0044】
また、側壁部分111を構成する側壁板111cと、側壁部分112を構成する側壁板112cとは、それぞれの端部において突き合わされて接合されている。一方、側壁部分112を構成する側壁板112bは、その端部が側壁部分111の側壁板111aに当接するように構成されており、側壁部分111を構成する側壁板111bは、その端部が側壁板112bに当接するように構成されている。従って、側壁部分111の排出ガス流路空間111dと、側壁部分112の排出ガス流路空間112dとは、隔壁となるものが無く繋がった状態となるように構成されている。また、側壁板111c及び側壁板112cは、上壁10に当接しないように構成されていて、セル室13内の排出ガスが排出ガス流路空間111d及び出ガス流路空間112dに流入するように構成されている。側壁板111c及び側壁板112cには、フランジ部12との間にスリット(図に明示しない)が形成されていて、排出ガス室14に排出ガスが流入するように構成されている。このような構成とすることで、排出ガス流路空間111d及び排出ガス流路空間112dに上側から流入した排出ガスは下側に流れて排出ガス室14に流入するように構成されている。
【0045】
上述したように、空気は、空気管31aから空気流路空間111eに下側から流入し、その流入したのとは反対側である上側に流れた後に空気流路空間112eに上側から流入し、下側に流れた後にセル室13内へと流入する。このような構成とすることで、単に下側又は上側から流入したものを上側又は下側に流すのに比較して、昇温対象である空気が排出ガスとの間で熱交換をする時間が長くなり、結果として十分に空気又は燃料ガスを昇温することが可能となる。更に、空気又は燃料ガスがセル室13の下側から流入するので、流入した後にセル室13内を上昇することで、燃料電池セル4と十分に接触することができ、効率的な発電を行うことができる。
【0046】
続いて、側壁部分113及び側壁部分114の構成について説明すると共に、側壁部分113と側壁部分114との接合状態について説明する。
【0047】
側壁部分113は、三枚の矩形平板状の部材である側壁板113a、側壁板113b、及び側壁板113cによって構成されている。側壁板113a,113b,113cはそれぞれ所定間隔をおいて配置されており、側壁板113aと側壁板113bとの間には空気流路空間113e(第二空間)が、側壁板113bと側壁板113cとの間には排出ガス流路空間113d(第一空間)が、それぞれ形成されている。空気流路空間113eには、空気管31bが繋がっている。
【0048】
側壁部分114は、三枚の矩形平板状の部材である側壁板114a、側壁板114b、及び側壁板114cによって構成されている。側壁板114a,114b,114cはそれぞれ所定間隔をおいて配置されており、側壁板114aと側壁板114bとの間には空気流路空間114e(第二空間)が、側壁板114bと側壁板114cとの間には排出ガス流路空間114d(第一空間)が、それぞれ形成されている。
【0049】
側壁板114cの内側であるセル室13側の下側(ベース部材2側)には空気流路118が設けられている。空気流路118は直方体形状を成しており、側壁部分111から側壁部分113へ向かう方向に沿って形成されている。空気流路118は、セル室13内に供給する空気を一時的に貯留しておくための空気室118aと、空気室118aに貯留された空気をセル室13内に供給するための複数の空気流入孔118bとを有している。空気流路空間114eと空気室118aとは、連通管117によって繋がれている。連通管117は、排出ガス流路空間114d内を貫通し、空気流路空間114eと空気室118aとを繋いでいる。複数の空気流入孔118bは、空気室118aの長手方向に沿って形成されており、セル室13内に極力均等に空気を供給できるように構成されている。
【0050】
側壁部分113と側壁部分114との接合状態は、上述した側壁部分111と側壁部分112との接合状態と同様であるのでその説明を省略する。また、側壁部分113の空気流路部分113e及び側壁部分114の空気流路部分114eにおける空気の流れや、側壁部分113の排出ガス流路部分113d及び側壁部分114の空気流路部分114dにおける排出ガスの流れについても既に説明したのと同様であるのでその説明を省略する。
【0051】
続いて、側壁部分111と側壁部分114との接合状態について説明する。側壁部分111を構成する側壁板111aと、側壁部分114を構成する側壁板114aとは、それぞれの端部において突き合わされて接合されている。側壁部分114を構成する側壁板114bは、その端部が側壁部分111の側壁板111aに当接するように構成されている。一方、側壁部分111を構成する側壁板111bは、その端部が側壁板114bに当接するように構成されている。従って、側壁部分111の空気流路空間111eと、側壁部分114の空気流路空間114eとは、側壁板114bが側壁板111bよりも突出し側壁板111aに当接する部分が隔壁となることで分離されている。従って、側壁部分111の空気流路空間111eと側壁部分114の空気流路空間114eとは繋がることなく分離されている。
【0052】
このような構成とすることで、空気流路空間111eから空気流路空間112eへの空気の流れや、空気流路空間113eから空気流路空間114eへの空気の流れが阻害されることがない。
【0053】
また、側壁部分111を構成する側壁板111cと、側壁部分114を構成する側壁板114cとは、それぞれの端部において突き合わされて接合されている。一方、側壁部分114を構成する側壁板114bは、その端部が側壁部分111の側壁板111aに当接するように構成されており、側壁部分111を構成する側壁板111bは、その端部が側壁板112bに当接するように構成されている。従って、側壁部分111の排出ガス流路空間111dと、側壁部分114の排出ガス流路空間114dとは、隔壁となるものが無く繋がった状態となるように構成されている。また、側壁板114cは、上壁10に当接しないように構成されていて、セル室13内の排出ガスが排出ガス流路空間114dに流入するように構成されている。側壁板114cには、フランジ部12との間にスリット114ca(図3参照)が形成されていて、排出ガス室14に排出ガスが流入するように構成されている。このような構成とすることで、排出ガス流路空間114dに上側から流入した排出ガスは下側に流れて排出ガス室14に流入するように構成されている。このようなスリットは、側壁板113cにもスリット113caとして形成されている(図3参照)。
【0054】
側壁部分112と側壁部分113との接合状態は、上述した側壁部分111と側壁部分114との接合状態と同様であるのでその説明を省略する。
【0055】
図1〜3に戻り、燃料電池モジュールFCについて更に説明する。セル室13と排出ガス室14とを仕切る仕切板22及び仕切板23について説明する。本実施形態の場合、仕切板22も仕切板23も略矩形の板状部材によって形成されている。仕切板22は比較的厚みのある板状部材によって形成されているのに対して、仕切板23は可撓性を有する薄い板状部材によって形成されている。
【0056】
ベース部2を構成するベース板21には、セル室13側に向かって支持部24が形成されている。支持部24は板状の突起であって、カバー部1の四隅よりもやや内側に4つ配置されている。仕切板23は四つの支持部24上に載置されていて、その上側から仕切板22が載置されている。従って、仕切板23は仕切板22と支持部24との間に挟まれて固定されている。
【0057】
仕切板23は、仕切板22よりも少し大きく形成されている。上述した配置の場合、仕切板22の外周から仕切板23の外周が突出する。仕切板23の外周は、カバー部材1の内周よりもやや大きめに形成されている。上述した配置の場合、カバー部材2を配置すると、仕切板23の外周が撓んでカバー部材1の内壁に当接する。
【0058】
この状態について、図9を参照しながら説明する。図9は、カバー部材1と仕切板23とが当接した状態を拡大した斜視図である。仕切板23が側壁部分111の側壁板111cに当接すると、仕切板22よりも下側に撓む。従って、側壁部分111の排出ガス流路111dを流れる排出ガスが、仕切板23と側壁板111cとの当接部分においてシールされて、スリット111caから排出ガス室14へと流れ込む。
【0059】
上述したような燃料電池モジュールFCを製造するに当たっては、準備工程、第一組立工程、第二組立工程、第三組立工程、第四組立工程を備える製造方法が採用される。
【0060】
準備工程では、燃料電池セル4を有する複数の燃料電池セル4と、燃料電池セル4の数量に対応する内側電極端子40及び外側電極端子42と、接続部材400cと、複数の上支持板401a及び複数の下支持板401bと、ガスタンク6とを準備する。更にこの準備工程では、燃料電池モジュールFCを構成する他の部材も準備する。
【0061】
第一組立工程では、各燃料電池セル4に内側電極端子40及び外側電極端子42を取り付けて燃料電池セルユニット30を形成する。
【0062】
第二組立工程では、下支持板401bそれぞれに、複数の燃料電池セルユニット30を2列に並べて、接続部材400cにより互いに電気的に繋がるように立設させて保持し、上支持板401bを配置して燃料電池セルスタック400を形成する。
【0063】
第三組立工程では、ガスタンク6の開口部61それぞれに燃料電池セルスタック30を配置し、下支持板401bによって開口部61を塞ぎ、燃料ガスを貯留するための燃料ガス室6cを形成する。その結果、複数の燃料電池セルユニット30が、ガスタンク6から燃料ガス室6cとは反対側に立設する。
【0064】
第四組立工程では、接続部材400e(スタック間接続部材)によって、一の燃料電池セルスタック400が含む燃料電池セル4に設けられている内側電極端子40又は外側電極端子42と、他の燃料電池セルスタック400が含む燃料電池セル4に設けられている内側電極端子40又は外側電極端子42とを電気的に接続する。その後、上記準備工程において準備した他の部材を用いて、上述した燃料電池モジュールFCが形成される。
【0065】
続いて、図1〜3を参照しながら、本実施形態に係る燃料電池モジュールFCを含む燃料電池の動作及びその運転方法について説明する。尚、以下の説明においては便宜上、燃料電池モジュールFCの動作を説明することでその燃料電池モジュールFCを含む燃料電池の説明としている。
【0066】
本実施形態に係る燃料電池モジュールFCの運転方法は、着火工程と、改質工程と、セル作動工程と、燃焼工程と、を備えている。これらの工程は、後述するように必ずしも順次実行される工程ではなく、並行して実行されたり、順番を変えて実行されたりする工程である。
【0067】
先ず、燃料電池モジュールFCを温めるために、燃料電池モジュールFCを含む回路に負荷をかけない状態、即ち、燃料電池モジュールFCを含む回路を開いた状態で、燃料電池モジュールFCに燃料ガスと空気を供給する。この段階では、燃料ガスと空気が存在しても、回路に電流が流れないので、燃料電池モジュールFCは、発電を行わない。
【0068】
詳細には、燃料ガスを供給する。具体的には、燃料ガスを燃料ガス供給管32に供給して、改質器7で改質した後にガスタンク6内に貯める(改質工程)。それにより、各燃料電池セルユニット30への均一且つ一様な燃料ガスの供給を確保する。ガスタンク6内に溜まった燃料ガスが、燃料電池セルユニット30の管内流路30c(図4参照)を通って流れ、内側電極層44(図4参照)に作用する。作用しなかった燃料ガスが、各燃料電池セルユニット30の上部空間に達する。
【0069】
また、大気中の空気を供給する。具体的には、大気中の空気をブロア等によって空気供給管31a,31bに供給し、側壁部分111の空気流路部分111eから側壁部分112の空気流路部分112eへ、側壁部分113の空気流路部分113eから側壁部分114の空気流路部分114eへと流す。上述したように、その後空気は、空気流路116,118へと流れて、空気流入孔116b,118bからセル室13内へと導かれる。発電室であるセル室13内へと導かれた空気は、外側電極層48(図4参照)と作用する。作用しなかった空気は、各燃料電池セルユニット30の上方に達する。
【0070】
次いで、スパークプラグ又はヒータ等の点火装置(図示しない)を用いて、燃料ガスと空気とを燃焼させる(着火工程、燃焼工程)。それにより生じた排出ガスは、高温になる。排気ガスは、側壁部分111,112,113,114の排出ガス流路空間111d,112d,113d,114dに導かれて、排出ガス室14へと流入する。排出ガス室14へと流入した排気ガスは、排出ガス管36から排出される。
【0071】
燃料ガスと空気とが燃焼する際に、セル室13内が昇温される。外部から導入される空気は、側壁部分111,112,113,114と流れる間に、セル室13内と熱交換を行う共に、排出ガスと熱交換をすることで暖められる。
【0072】
セル室16内及び燃料電池セル4の温度が、燃料電池モジュールFCを安定的に作動させる定格温度よりも低い所定の発電温度に達したら、燃料電池モジュールFCを含む回路を閉じる。それにより、燃料電池モジュールFCは発電を開始し、回路に電流が流れる(セル作動工程)。燃料電池の発電により、燃料電池セル4自体も発熱し、更に、燃料電池セル4の温度が上昇する。その結果、燃料電池モジュールFCを作動させる定格温度、例えば、600〜800℃になる。
【0073】
その後、定格温度を維持するために、燃料電池セル4で消費される燃料ガス及び空気の量よりも多い量の燃料ガス及び空気を供給し、セル室13での燃焼を継続させる(燃焼工程)。
【0074】
続いて、図10を参照しながら、燃料電池モジュールFCを用いた燃料電池FCSの構成について説明する。図10は、燃料電池FCSの構成を示すブロック図である。燃料電池FCSは、燃料電池モジュールFCと、燃料供給部FPと、空気供給部APと、水供給部WPと、電力取出部EPと、制御部CSとを備えている。燃料供給部FP、空気供給部AP、水供給部WP、及び電力取出部EPは、燃料電池FCSの補器ADを構成している。
【0075】
燃料供給部FPは、燃料供給源としての都市ガス配管から燃料ガスを燃料電池モジュールFCに供給する部分であって、燃料ポンプ、電磁弁を有している。燃料供給部FPから供給される燃料ガスは燃料ガス供給管32へと送り出される。
【0076】
空気供給部APは、空気供給源としての大気中から空気を燃料電池モジュールFCに供給する部分であって、空気ブロア、電磁弁を有している。空気供給部APから供給される空気は空気供給管31a,31bへと送り出される。
【0077】
水供給部WPは、水供給源としての水道管から水を燃料電池モジュールFCに供給する部分であって、水ポンプ、電磁弁を有している。水供給部WPから供給される水は、燃料モジュールFC内部で水蒸気となって水蒸気供給管33へと送り出される。
【0078】
電力取出部EPは、燃料電池モジュールFCから電力を取り出す部分であって、インバータ等の電力変換装置を有している。電力取出部EPは、電極棒35a,35bと繋がっていて、変換した電力は電力供給先へと送り出すように構成されている。
【0079】
制御部CSは、燃料供給部FP、空気供給部AP、駆動補器AD、及び電力取出部EPのそれぞれを制御するための部分であって、CPUやROMを有している。上述したような燃料電池モジュールFCの動作は、制御部CSからの指示信号に基づいて実行される。
【符号の説明】
【0080】
FC…燃料電池モジュール、1…カバー部材、11…側壁、111,112,113,114…側壁部分、12…フランジ部、13…セル室、14…排出ガス室、2…ベース部材、21…ベース板、22,23…仕切り板、4…燃料電池セル、30…燃料電池セルユニット、400…燃料電池セルスタック、6…ガスタンク、7…改質器、31a,31b…空気供給管、32…燃料ガス供給管、34…連結管、35a,35b…電極棒、36…排出ガス管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の電極層と、外側の電極層と、これらの電極層の間に配置された電解質層と、を備え、内部に燃料ガスが流れる貫通流路を有し、前記貫通流路を流れる燃料ガスを内側の電極層に作用させ、外部を流れる空気を外側の電極に作用させることにより発電する燃料電池セルと、
前記燃料電池セルを収容するセル室を形成する底壁、側壁及び上壁と、を有し、
前記燃料電池セルは、前記セル室の底壁から上壁に向かって延びるよう配置されており、
前記燃料電池セルの上方に、前記空気と前記燃料ガスを燃焼する燃焼部が設けられ、
前記燃料電池セルの前記燃焼部側の端部には、前記貫通流路と連通し、前記貫通流路の軸線方向に延びて前記燃焼部と通じる接続流路を構成する部材が取り付けられており、
前記接続流路を構成する部材は、前記燃料電池セルの周囲を覆う本体部と、前記燃料電池セルの端面を覆う段部と、前記段部から前記燃焼部側に突出し、前記本体部分よりも縮径した縮径部と、を有し、
前記接続流路の断面積は、前記貫通流路の断面積よりも小さいことを特徴とする燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−33740(P2013−33740A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200465(P2012−200465)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2007−303797(P2007−303797)の分割
【原出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】