燃料電池モジュールおよび燃料電池装置
【課題】発電効率の向上した燃料電池モジュール1を提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池モジュール1は、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セル3を複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続するセルスタックを、収納容器2内の発電室30に収納する燃料電池モジュール1であって、燃料電池セル3の配列方向に沿う側部と側部に沿った収納容器2の外壁13との間に、第1の流路21と、第4の流路24とを備え、第1の流路21を流れた反応ガスをこの順に流す第2の流路22と、第3の流路23とを備え、第2の流路22は、反応ガスの流れの方向に沿った部位に、反応ガス流出口26を有するとともに、第2の流路22を流れた反応ガスを反応ガス流出口26に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることから、第2の流路22を流れた反応ガスを効率よく第3の流路23に流し、発電効率が向上した燃料電池モジュール1とすることができる。
【解決手段】本発明の燃料電池モジュール1は、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セル3を複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続するセルスタックを、収納容器2内の発電室30に収納する燃料電池モジュール1であって、燃料電池セル3の配列方向に沿う側部と側部に沿った収納容器2の外壁13との間に、第1の流路21と、第4の流路24とを備え、第1の流路21を流れた反応ガスをこの順に流す第2の流路22と、第3の流路23とを備え、第2の流路22は、反応ガスの流れの方向に沿った部位に、反応ガス流出口26を有するとともに、第2の流路22を流れた反応ガスを反応ガス流出口26に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることから、第2の流路22を流れた反応ガスを効率よく第3の流路23に流し、発電効率が向上した燃料電池モジュール1とすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器内に燃料電池セルを収納してなる燃料電池モジュールおよびそれを具備する燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガスと空気(酸素含有ガス)とを用いて600℃〜1000℃の高温下で発電する燃料電池セルを収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールが種々考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は従来の燃料電池モジュール61を示す外観斜視図であり、図11は、図10で示す燃料電池モジュール61を概略的に示す断面図である。
【0004】
このような燃料電池モジュール61は、内部にガス流路を有する燃料電池セル63を複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続したセルスタック64をマニホールド65に立設してなる燃料電池装置68を収納容器62に収納している。
【0005】
一方では、収納容器62は、外壁69により外枠が形成され外壁69と所定間隔をあけて配置された内壁70によりセルスタック装置68を収納する発電室71が形成されている。それにより、外壁69と内壁70とにより反応ガス流通空間が形成され、その反応ガス流通空間とつながって、反応ガス導入部材72が設けられている。そして、反応ガス導入部材72に設けられた反応ガス吹き出し口73により、発電室71内に配置された2つのセルスタック64側に反応ガス(空気)が供給される。
【0006】
他方では、原燃料供給管10を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器68をセルスタック64の上方に配置し、改質器7で生成された燃料ガス(水素含有ガス)は、燃料ガス流通管8を介してマニホールド6に供給され、マニホールド6より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。それにより、セルスタック64の上方で燃料ガスと反応ガスとを燃焼させ、燃料電池セル63(セルスタック64)の発電を行う。
【0007】
そのため、内壁70に沿って排ガスを流通し、反応ガスが、反応ガス流通空間を上方に向けて流通する間に、高温の排ガスの熱と熱交換を行い反応ガスの温度を上昇させることにより、燃料電池セル63に温められた反応ガスを供給し、セルスタック64の発電効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−59377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、外壁69に沿った反応ガス流通空間に反応ガスを流し、下方に垂下した反応ガス導入部材72に流す際に、反応ガスの流通方向が異なるため、反応ガスが効率的に反応ガス導入部材72に流れない問題があった。そのため、低出力で燃料電池装置(図示せず)を作動する場合、反応ガスが、反応ガス流通空間において滞留し、外壁69からの放熱ロス等で発電効率が低下してしまうおそれがあった。
【0010】
それゆえ、本発明においては、効率的に反応ガスを燃料電池セル63に供給することで、発電効率が向上した燃料電池モジュール61およびそれを具備してなる燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の燃料電池モジュールは、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続してなるセルスタックを、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に収納してなる燃料電池モジュールであって、収納容器は、セルスタックを構成する燃料電池セルの配列方向に沿う側部と燃料電池セルの配列方向に沿った方向の収納容器のそれぞれの側壁との間に、収納容器の下方側より供給される反応ガスを上方へ流すための第1の流路と、それぞれの第1の流路を流れた反応ガスを収納容器の上壁に沿って流すための第2の流路と、第2の流路を流れた反応ガスを下方へ流すための第3の流路と、第1の流路と隣り合うように配置され発電室内の排ガスを上方から下方へ流すための第4の流路とを備えてなり、第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、第2の流路を流れる反応ガスを第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、第2の流路を流れた反応ガスを反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする。
【0012】
このような燃料電池モジュールにおいて、第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、第2の流路を流れた反応ガスを第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、第2の流路を流れた反応ガスを反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく反応ガス流出口に流すことができ、第2の流路内で反応ガスが滞留することを抑制することができる。それにより、燃料電池モジュール内を反応ガスが効率よく流れ、十分な量の反応ガスを燃料電池セルに供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の燃料電池モジュールは、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第3の流路が、反応ガス流出口に接続されるとともに、発電室内に垂下するように配置されていることが好ましい。
【0014】
このような燃料電池モジュールにおいて、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第3の流路が、反応ガス流出口に接続されるとともに、発電室内に垂下するように配置されていることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく反応ガス流出口に流すことができ、第2の流路内で反応ガスが滞留することを抑制することができる。それにより、燃料電池モジュール内を反応ガスが効率よく流れ、十分な量の反応ガスを燃料電池セルに供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の燃料電池モジュールは、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第2の流路に隣り合うように反応ガス流出口を流れた反応ガスを第3の流路に流すための第5の流路を備えるとともに、第3の流路は、前記第4の流路に隣り合うように配置されていることが好ましい。
【0016】
このような燃料電池モジュールにおいて、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第2の流路に隣り合うように配置され、反応ガス流出口を流れた反応ガスを第3の流路に流すための第5の流路を備えるとともに、第3の流路は、前記第4の流路に隣り合うように配置されていることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく流すことができる。それにより、第5の流路へ流すことができ、燃料電池セルに十分な量の反応ガスを供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
【0017】
さらに、第3の流路は、第4の流路に隣り合うように配置されることから、第3の流路を流れる反応ガスと、第4の流路を流れる排ガスとで熱交換を行うことができ、燃料電池セルに温かい反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セルの発電効率が向上し、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
【0018】
また、本発明の燃料電池モジュールは、第5の流路に隣り合うように配置され、発電室内の排ガスを収集して第4の流路に流すための排ガス収集室を備えることが好ましい。
【0019】
このような燃料電池モジュールにおいては、第5の流路に隣り合うように配置され、発電室内の排ガスを収集して第4の流路に流すための排ガス収集室を備えることから、発電室内において特に高温となる発電室の上方における排ガスを第4の流路に効率的に供給することができ、効率的に反応ガスと排ガスとが熱交換を行うことができ、燃料電池セルに温かい反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セルの発電効率の発電効率の低下を抑制すことができ、燃料電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
【0020】
また、本発明の燃料電池モジュールは、第5の流路は、第5の流路を流れる反応ガスを発電室の上壁側または排ガス収集室側に向けて流すための第2のガスガス流通方向変更部を備えることが好ましい。
【0021】
このような燃料電池モジュールにおいては、第5の流路は、第5の流路を流れる反応ガスを発電室の上壁側または排ガス収集室側に向けて流すための第2のガスガス流通方向変更部を備えることから、反応ガスが、発電室の上壁に衝突するように反応ガスの流れが変更され、第5の流路を流れる間、効率的に反応ガスと排ガスとが熱交換を行うことができる。それにより、燃料電池セルにさらに温められた反応ガスを供給することができ、燃料電池セルの発電効率の低下を抑制することで、燃料電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
【0022】
また、本発明の燃料電池モジュールは、第1の流路および第4の流路のうち少なくとも一方の流路は、それぞれの流路を流れる反応ガスまたは排ガスを他方の流路側に向けて流すための第3のガス流通方向変更部を備えることが好ましい。
【0023】
このような燃料電池モジュールにおいては、第1の流路および第4の流路のうち少なくとも一方の流路は、それぞれの流路を流れる反応ガスまたは排ガスを他方の流路側に向けて流すための第3のガス流通方向変更部を備えることから、反応ガスが、第1の流路を通る間に、反応ガスと排ガスとが効率的に熱交換を行うことができる。それにより、燃料電池セルにより温められた反応ガスをさらに供給することができ、燃料電池セルの発電効率の低下を抑制することで、燃料電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
【0024】
また、本発明の燃料電池装置は、上記の燃料電池モジュールと、セルスタックを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする。それにより、発電効率が向上した燃料電池装置とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の燃料電池モジュールは、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続してなるセルスタックを、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に収納してなる燃料電池モジュールであって、収納容器は、セルスタックを構成する燃料電池セルの配列方向に沿う側部と燃料電池セルの配列方向に沿った方向の収納容器のそれぞれの側壁との間に、収納容器の下方側より供給される反応ガスを上方へ流すための第1の流路と、それぞれの第1の流路を流れた反応ガスを収納容器の上壁に沿って流すための第2の流路と、第2の流路を流れた反応ガスを下方へ流すための第3の流路と、第1の流路と隣り合うように配置され発電室内の排ガスを上方から下方へ流すための第4の流路とを備えてなり、第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、第2の流路を流れた反応ガスを第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、第2の流路を流れる反応ガスを反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく反応ガス流出口に流すことができ、第2の流路内で反応ガスが滞留することを抑制することができる。それにより、燃料電池モジュール内を反応ガスが効率よく流れ、十分な量の反応ガスを燃料電池セルに供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。また、本発明の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納することで発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す燃料電池モジュールを概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す燃料電池モジュールを概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【図8】図7に示す燃料電池モジュールの一部を抜粋して示す分解斜視図である。
【図9】本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
【図10】従来の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。
【図11】図10に示す燃料電池モジュールを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の燃料電池モジュール1(以下、モジュールという場合がある。)の一例を示す外観斜視図である。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。
【0028】
図1に示すモジュール1においては、収納容器2の内部に、内部をガスが流通するガス流路(図1においては図示せず)を有する柱状の燃料電池セル3を立設させた状態で配列し、隣接する燃料電池セル3間に集電部材(図1においては図示せず)を介して電気的に直列に接続するとともに、燃料電池セル3の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド6に固定してなるセルスタック4(セルスタック装置9)を収納して構成されている。なお、セルスタック4の両端部側には、セルスタック4(燃料電池セル3)の発電により生じた電流を集電して外部に引き出すための、電流引き出し部を有する導電部材5が配置されている。
【0029】
さらに図1においては、燃料電池セル3の発電で使用する燃料ガス(水素含有ガス)を得るために、原燃料供給管10を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器7をセルスタック4(燃料電池セル3)の上方に配置している。そして、改質器7で生成された燃料ガスは、燃料ガス流通管8を介してマニホールド6に供給され、マニホールド6より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。
【0030】
また、図1においては、収納容器2の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置9を後方に取り出した状態を示している。ここで、図1に示したモジュール1においては、セルスタック装置9を、収納容器2内にスライドして収納することが可能である。
【0031】
なお、図1に示した収納容器2においては、収納容器2の底面に、燃料電池セル3に供給する反応ガス(酸素含有ガス(通常は空気である))を供給するための反応ガス供給管11と、燃料電池セル3の発電等により生じた排ガスを収納容器2の外部に排気するための排気管12とが接続されている。反応ガス供給管11と排気管12とは二重管とすることもできる。
【0032】
図2は、図1に示した燃料電池モジュール1を概略的に示す断面図である。
【0033】
収納容器2は、外壁13(側壁)にて収納容器2の外枠が形成され、内部に燃料電池セル3(セルスタック装置9)を収納する発電室30が形成されている。
【0034】
ここで、収納容器2は、外壁13(側壁)の内側に所定間隔をあけて第1の壁14が形成されており、第1の壁14の内側に所定間隔をあけて第2の壁15が配置されている。
【0035】
それにより、それぞれの側壁(外壁)13と第1の壁14とで形成された空間がそれぞれ第1の流路21となり、第1の壁14と第2の壁15とで形成された空間がそれぞれ第4の流路24となる。さらに、発電室30の上方には発電室30を形成するための上壁17が設けられており、上壁17と外壁13(収納容器2の上壁)との間が、第1の流路21を流れたそれぞれの反応ガスを合流させるとともに、第3の流路23に流すための第2の流路22となる。
【0036】
ここで上壁17には、上壁17の上面からセルスタック4の側面側にまで延び、上壁17と外壁(収納容器2の上壁)13とで第2の流路22が形成される。上壁の中央部には反応ガス流出口26が設けられ、反応ガス流出口26の下方にセルスタック4に反応ガスを導入するための反応ガス導入部材20(第3の流路23)が備えられている。なお、反応ガス導入部材20内が第3の流路23となり、反応ガス導入部材20の下端側に、燃料電池セル3の下端部に反応ガスを導入するための反応ガス導入口27が設けられている。
【0037】
また、収納容器2の底部には、反応ガス(空気)を収納容器2内に供給するための反応ガス供給管11が接続されており、反応ガス供給管11より供給される反応ガスは反応ガス導入部31に流れる。反応ガス導入部31は反応ガス導入口25を介して第1の流路21とつながっているため、反応ガス導入部31に供給された反応ガスは、反応ガス導入口25を介してそれぞれの第1の流路21に流れる。第1の流路21を上方に流れたそれぞれの反応ガスは、続いて、第2の流路22において合流し、反応ガス流出口26を介して第3の流路である反応ガス導入部材18に流れる。そして、反応ガス導入部材20を上方から下方に流れた反応ガスは、反応ガス導入部材20に設けられた反応ガス吹き出し口27を通して、発電室30内(燃料電池セル3)に供給される。なお、燃料電池セル3(セルスタック4)の側面および底面に断熱材29が配置されている。
【0038】
反応ガス流出口26の上方における上壁17には、反応ガス流出口26に向けた第1のガス流通方向変更部19が設けられている。それにより、上壁17に沿って収納容器2の中央部に向って流れた反応ガスを反応ガス流出口26に向けて流し、第2の流路22内で反応ガスが滞留することなく第3の流路23に流れることで、モジュール1内を効率よく反応ガスを流すことができ、燃料電池セル3に十分な量の反応ガスを供給できることから、モジュール1の発電効率を向上させることができる。
【0039】
ここで、モジュール1は、セルスタック4の上方で燃焼ガスと、反応ガス(空気)とを燃焼させることにより、燃料電池セル3が600℃〜1000℃の高い温度で発電する。そのため、冷たい反応ガスを燃料電池セル3に供給すると燃料電池セル3の発電効率が低下してしまうおそれがあるため、温かい反応ガスを燃料電池セル3に供給する必要がある。そこで、燃焼により生じた高温な排ガスと反応ガスとを熱交換させることにより、反応ガスを昇温させることができ、それにより、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、発電効率の向上したモジュール1とすることができる。
【0040】
また、反応ガスは、外部から供給された直後の第1の流路21を流れる際が最も温度が低い。そのため、第1の流路21を流れる間に第4の流路24を流れる排ガスと効率的に熱交換を行うことが好ましい。
【0041】
ここで排ガスの流れについて説明する。発電室30の上方で燃焼により生じた高温な排ガスは、第4の流路24を上方から下方に向けて流れ、排ガス収集口28を介して反応ガス導入部31の上部に設けられた排ガス収集部32に流れた後、排ガス収集部32に接続された排気管12(図1参照)を通して収納容器2の外部に排気される。
【0042】
それにより、反応ガスが、第1の流路21を下方から上方に流れる間、第1の流路21と隣り合うように配置された第4の流路24内を流れる排ガスと熱交換を行うことができ、反応ガスを昇温させることができる。そのため、燃料電池セル3に温かい反応ガスを供給することができ、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、発電効率の向上したモジュール1とすることができる。
【0043】
なお、図1において、第1のガス流通方向変更部19は直方体状の突起部材を設けた例を示したが、円錐状や円筒状等の突起を設けてもよく、その形状は限定されない。また、第1のガス流通方向変更部19を設ける壁を突出させ、第1のガス流通方向変更部19を設けてもよい。
【0044】
さらに、第1のガス流通方向変更部19を1つ設けた例を示したが、複数設けてもよい。第2の流路22から第3の流路23に向かって流れるよう第1のガス流通方向変更部19を適宜設ければよい。
【0045】
なお、第2の流路22の高さは、大きくすることでより効果が出る。さらには、反応ガス導入部31と同等の高さとすることにより、燃料電池セル3の配列方向に沿った流れを均一に近づけることができる。
【0046】
図3は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す概略的な断面図であり、第1の流路21を構成する外壁13および第4の流路24を構成する第2の壁15のそれぞれに第3のガス流通方向変更部39を設けている。
【0047】
反応ガスは第1の流路21を下方から上方に流れた後、外壁13(上壁)に沿って第2の流路を流れ、反応ガス流出部36を介して第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。排ガスは、第4の流路24を介して排ガス収集部32に流れた後、排気管12を通して収納容器42の外部に排気される。
【0048】
ここで、流体同士を効率よく熱交換するためには、温かい流体と冷たい流体とが壁を隔てて、壁に沿って対向して流れる場合に、隔てる壁が熱交換を行う熱交換部となり、熱交換部(図3においては、第1の壁14である。)に温かい流体と冷たい流体とをそれぞれ衝突させることにより効率的な熱交換が行われる。それにより、熱交換部における温かい流体の熱を効率よく冷たい流体に与えることができる。なお、モジュール41においては、冷たい流体は反応ガスであり、温かい流体としては排ガスである。なお、第1の流路21と第4の流路24とを隔てる第1の壁14が熱交換部となる。
【0049】
図3に示す燃料電池モジュール41は、第1の流路21の側壁13および第4の流路24の第2の壁15に、それぞれ第3のガス流通方向変更部39を複数設けている。
【0050】
それにより、熱交換部である第1の壁14に、一方では、第1の流路21を下方から上方に流れる冷たい反応ガスを衝突させることができ、他方では、第4の流路24を上方から下方に流れる温かい排ガスを衝突させることができ、反応ガスと排ガスとが効率的に熱交換を行うことができ、燃料電池セル3(セルスタック4)に温かい反応ガスを供給することができる。それゆえ、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、モジュール41の発電効率を向上させることができる。
【0051】
なお、図3において、複数の第3のガス流通方向変更部39を第1の流路20および第4の流路23に設けた例を示したが、どちらか一方にのみ第3のガス流通方向変更部39を設けた場合においても効率的な熱交換を行うことができる。
【0052】
なお、図3においても第2の流路22から第3の流路23に反応ガスを流すための第1のガス流通方向変更部19を設けていることから、第2の流路22で反応ガスが滞留することなく、反応ガス流出口26に向けて反応ガスが流れ、反応ガスがモジュール41内を効率よく流れることができ発電効率の向上したモジュール41とすることができる。
【0053】
図4は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す外観斜視図であり、図5は、図4に示した燃料電池モジュール41を概略的に示す断面図である。図4、図5においては、収納容器44内にセルスタック4を1つのみ収納する場合を示している。
【0054】
ここで、燃料電池モジュール43では余剰の燃料ガスを発電室30の上方で燃焼させる構成であることから、発電室30の上方が最も高温となる。そのため、反応ガスを効率よく昇温させるため、反応ガスを発電室30の上方を流れるような構成とし、燃焼により生じた熱と反応ガスとで熱交換させることが好ましい。
【0055】
さらに、第3の流路23が外壁(側壁)13側に配置され、反応ガス流出口26が収納容器44の外壁(側壁)13側にそれぞれ設けられている場合、第1の流路21を流れた反応ガスが、発電室30の上方(第2の流路22)を流れることなく、第3の流路23に流れてしまい、熱交換が十分に行われていない反応ガスが、燃料電池セル3(セルスタック4)に供給され、燃料電池セル3の発電効率が低下してしまうおそれがある。
【0056】
また、発電室30の上方に反応ガスが滞留し、収納容器44の上壁13(外壁)が高温となるおそれもある。さらに、収納容器44の上壁13(外壁)が外部に熱を放熱することで熱エネルギーのロスとなり、モジュール43(セルスタック4)の温度が低下することで、モジュール43の発電効率が低下するおそれがある。
【0057】
また、第2の流路に流れた反応ガスが、燃料電池セルの配列方向に沿う一方側(もしくは他方側)に位置する第3の流路に多く流れる場合には、燃料電池セルの両側面側から供給される反応ガスの量が異なることに伴い、燃料電池セルの発電出力が低下するおそれがあるほか、劣化等の悪影響が生じるおそれがある。
【0058】
図5は、図4に示す燃料電池モジュールの一部を抜粋して示す断面図であり、図5に示したモジュール43においては、外壁13(側壁)の内側に所定間隔を空けて第1の壁を14が形成されており、第1の壁14の内側に所定間隔をあけて第2の壁15が配置され、さらに第2の壁の内側に所定感覚をあけて第3の壁15が配置されている。それにより、外壁13(側壁)と第1の壁14で形成された空間が第1の流路21となり、第1の壁14と第2の壁15とで形成された空間が第4の流路24となり、第2の壁15と第3の壁16とで形成された空間が第3の流路23となる。
【0059】
上壁17には、上壁17の上面からセルスタック4の側面側にまで延び、上壁17と外壁(収納容器2の上壁)13とで第2の流路22が形成される。収納容器44内の外壁(上壁)13から内側に所定間隔を空けて仕切部材18が設けられている。収納容器44内の外壁(上壁)13と仕切部材18との間が第5の流路35となる。
【0060】
反応ガスは第1の流路21を下方から上方に流れた後、外壁13(上壁)に沿って第2の流路を流れ、反応ガス流出部36を介して第5の流路35を通り、第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。排ガスは、第4の流路24を介して排ガス収集部32に流れた後、排気管12を通して収納容器42の外部に排気される。
【0061】
それにより、反応ガスが、高温な発電室30の上部において、高温な排ガスと熱交換することができ、燃料電池セル3に高温な反応ガスを供給できることから、燃料電池セル3の発電効率が向上し、発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0062】
さらに、第1の流路21を上方に向けて流れた後、反応ガスを第2の流路22を介して、反応ガス流入路26に向けて反応ガスを流すことができ、効率的に第5の流路35に流すことができる。それゆえ、燃料電池セル3に供給する反応ガスを、発電室30の上方の排ガスと効率よく熱交換することにより、さらに高温の反応ガスとすることができ、温かい反応ガスを燃料電池セル3に供給することができる。それにより、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、モジュール43(燃料電池セル3)の発電効率を向上させることができる。
【0063】
また、第1の流路21を流れて第2の流路22に流れた反応ガスが、効率よく第5の流路35に流れることができることから、第2の流路21内に反応ガスが滞留することを抑制でき、効率的に燃料電池セル3に反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セル3の発電効率が低下することを抑制できる。またあわせて、収納容器2の外壁13(側壁)が高温となることを抑制でき、外壁13(上壁)からの放熱を抑制することができる。そのため、発電効率の向上したモジュールとすることができる。
【0064】
さらに、第4の流路24を構成する第2の壁15および、第3の流路を構成する外壁13(側壁)にそれぞれ第3の流通方向変更部39が複数設けられていることから、反応ガスと排ガスとが効率的に熱交換を行うことができ、モジュール43の発電効率をさらに向上させることができる。
【0065】
また、燃料電池セル3の配列方向に沿う一方側(もしくは他方側)に位置する第3の流路23に多く流れることを抑制することができ、燃料電池セル3の両側面側から供給される反応ガスの量が異なることに伴う燃料電池セル3の劣化等を抑制することができる。そのため、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制することができ、より発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0066】
さらに、反応ガスが流れる第1の流路21と第3の流路23との間に排ガスが流れる第4の流路24が位置することから、反応ガスと排ガスとで熱交換を行うことができ、燃料電池セル3に温かい反応ガスを供給することができる。それにより、発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0067】
なお、図5においては、モジュール43内にセルスタック4を1つ収納した例を示したが、セルスタック4を複数収納してもよい。その場合においても、発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0068】
さらに、第3の流路23が発電部の両側にそれぞれ配置されることから、セルスタックを1つのみ収納することができる。それにより、モジュール43は様々な様態で使用することができる。
【0069】
また、第3の流路23と、第4の流路24との間に断熱材を設けて隣り合うように配置してもよい。断熱材を配置する場所は適宜設定すればよい。
【0070】
図6は、本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を示す概略的な断面図であり、第1の流路21を構成する外壁13および第4の流路24を構成する第2の壁15のそれぞれに第3のガス流通方向変更部39を設けている。
【0071】
反応ガスは第1の流路21を下方から上方に熱交換をしながら流れた後、外壁13(上壁)に沿って第2の流路を流れ、反応ガス流出部36を介して第5の流路35を通り、第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。排ガスは、第4の流路24を介して排ガス収集部32に流れた後、排気管12を通して収納容器42の外部に排気される。
【0072】
それにより、第1の流路21を流れる反応ガスと、第4の流路を流れる排ガスとを、熱交換部である第2の壁14に衝突させることができることから、効率的な反応ガスと排ガスとの熱交換を行うことができる。それにより、反応ガスを昇温させることができ、燃料電池セル3に高温の反応ガスを供給することができ、発電効率の向上したモジュール45とすることができる。
【0073】
図7は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す断面図であり、図8は、図7に示す燃料電池モジュール47の一部を抜粋して示す分解斜視図である。図7に示したモジュール47においては、収納容器46の発電室30内に、セルスタック4を2つ併置している例を示している。なおセルスタック4は1つのマニホールド6上に配置されている。
【0074】
この場合において、反応ガス吹き出し口27よりそれぞれのセルスタック4の一方側の側面に反応ガスが供給されることから、2つのセルスタックを並置した場合であっても、効率よく燃料電池セル3の発電を行なうことができる。
【0075】
図7に示したモジュール47においては、収納容器48内における第2の流路22と発電室30との間に、排ガスを収集し、第4の流路24に流すための排ガス収集室37が設けられた例を示している。なお、図7においては仕切部材18により形成された第5の流路35を排ガス収集室37と対向するように配置し、第5の流路35を形成する仕切部材18の第5の流路35側に第2のガス流通方向変更部34を複数設けている。
【0076】
反応ガスは、それぞれの第1の流路21を下方から上方に流れ、第2の流路22を介し、合流した後、反応ガス流入路26を介して第5の流路35に流れ、第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。燃料電池セル3より排出される排ガスや、燃料電池セル3の上端部側で余剰の燃料ガスを燃焼させることにより生じる排ガスは、排ガス収集室37を通して、第3の流路23を貫通する排ガス流通口36を介して、第4の流路24に流入する。そして、第4の流路24を上方から下方に流れる。
【0077】
それにより、高温な排ガスを排ガス収集室37を介して第4の流路24に流すことができ、排ガスが発電室30の上方で滞留することを抑制することができ、モジュール45の発電効率を向上させることができる。
【0078】
また、排ガス収集室37と第5の流路35とが、排ガス収集室37の上壁(図示せず)を介して、隣り合うように配置されるため、排ガス収集室37の上壁が熱交換部となる。そのため、反応ガス供給管11より供給される反応ガスは、第2の流路22および第5の流路35を流れる間(特には、第5の流路35を流れる間)に、排ガス収集室37を流れる排ガスと効率よく熱交換され、燃料電池セル3に供給される反応ガスの温度をさらに上昇させることができ、燃料電池セル3(モジュール45)の発電効率を向上することができる。
【0079】
さらに、第5の流路35を形成する仕切部材18の第5の流路35内に第2のガス流通方向変更部34を複数設けたことから、第5の流路35を流れる反応ガスを熱交換部である排ガス収集室37の上壁に衝突させることができ、さらに熱交換を行うことができる。それにより、さらに温かい反応ガスを燃料電池セル3に供給することでき、モジュール45の発電効率をさらに向上させることができる。
【0080】
なお、熱交換部である排ガス収集室37の上壁に向けてそれぞれのガスを流すための第2のガス流通方向変更部材34を第5の流路35にのみ設けた例を示したが、排ガス収集室37に設けてもよい。その場合においても、熱交換部である排ガス収集室の上壁に衝突させることができ、燃料電池セルの発電効率を向上させることから、モジュール47の発電効率をさらに向上させることができる。
【0081】
なお、第2のガス流通方向変更部34や第3のガス流通方向変更部39は、第1のガス流通方向変更部19と同様に、直方体状の突起部材を設けた例を示したが、それぞれの壁を突出させて第2のガス流通方向変更部34や第3のガス流通方向変更部39としてもよい。
【0082】
図9は、外装ケース内に、本発明の燃料電池モジュールと、セルスタック4を動作させるための補機とを収納してなる本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図9においては一部構成を省略して示している。
【0083】
図9に示す燃料電池装置41は、支柱42と外装板43から構成される外装ケース内を仕切板44により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール1を収納するモジュール収納室45とし、下方側を燃料電池モジュール1を動作するための補機類を収納する補機収納室46として構成されている。なお、補機収納室46に収納する補機類を省略して示している。
【0084】
また、仕切板44には、補機収納室46の空気をモジュール収納室45側に流すための空気流通口47が設けられており、モジュール収納室45を構成する外装板43の一部に、モジュール収納室45内の空気を排気するための排気口48が設けられている。
【0085】
このような燃料電池装置41においては、上述したように、発電効率を向上することができる燃料電池モジュール1をモジュール収納室45に収納して構成されることにより、発電効率の向上した燃料電池装置41とすることができる。
【0086】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【0087】
上述の例においては、収納容器2内の各流路内を反応ガスとして酸素含有ガスを流す場合を例示したが、例えば収納容器2内の各流路内を反応ガスとして水素含有ガス(燃料ガス)を流すこともできる。この場合、マニホールド6に供給する空気を別の構成により温めるとともに、改質器7は収納容器2の外部に配置すればよい。
【符号の説明】
【0088】
1、41、43、45、47、61:燃料電池モジュール
2、42、44、46、48、62:収納容器
3:燃料電池セル
4:セルスタック
19:第1のガス流通方向変更部
34:第2のガス流通方向変更部
39:第3のガス流通方向変更部
20:反応ガス導入部材
21:第1の流路
22:第2の流路
23:第3の流路
24:第4の流路
35:第5の流路
26:反応ガス流出口
51:燃料電池装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器内に燃料電池セルを収納してなる燃料電池モジュールおよびそれを具備する燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガスと空気(酸素含有ガス)とを用いて600℃〜1000℃の高温下で発電する燃料電池セルを収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールが種々考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は従来の燃料電池モジュール61を示す外観斜視図であり、図11は、図10で示す燃料電池モジュール61を概略的に示す断面図である。
【0004】
このような燃料電池モジュール61は、内部にガス流路を有する燃料電池セル63を複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続したセルスタック64をマニホールド65に立設してなる燃料電池装置68を収納容器62に収納している。
【0005】
一方では、収納容器62は、外壁69により外枠が形成され外壁69と所定間隔をあけて配置された内壁70によりセルスタック装置68を収納する発電室71が形成されている。それにより、外壁69と内壁70とにより反応ガス流通空間が形成され、その反応ガス流通空間とつながって、反応ガス導入部材72が設けられている。そして、反応ガス導入部材72に設けられた反応ガス吹き出し口73により、発電室71内に配置された2つのセルスタック64側に反応ガス(空気)が供給される。
【0006】
他方では、原燃料供給管10を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器68をセルスタック64の上方に配置し、改質器7で生成された燃料ガス(水素含有ガス)は、燃料ガス流通管8を介してマニホールド6に供給され、マニホールド6より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。それにより、セルスタック64の上方で燃料ガスと反応ガスとを燃焼させ、燃料電池セル63(セルスタック64)の発電を行う。
【0007】
そのため、内壁70に沿って排ガスを流通し、反応ガスが、反応ガス流通空間を上方に向けて流通する間に、高温の排ガスの熱と熱交換を行い反応ガスの温度を上昇させることにより、燃料電池セル63に温められた反応ガスを供給し、セルスタック64の発電効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−59377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、外壁69に沿った反応ガス流通空間に反応ガスを流し、下方に垂下した反応ガス導入部材72に流す際に、反応ガスの流通方向が異なるため、反応ガスが効率的に反応ガス導入部材72に流れない問題があった。そのため、低出力で燃料電池装置(図示せず)を作動する場合、反応ガスが、反応ガス流通空間において滞留し、外壁69からの放熱ロス等で発電効率が低下してしまうおそれがあった。
【0010】
それゆえ、本発明においては、効率的に反応ガスを燃料電池セル63に供給することで、発電効率が向上した燃料電池モジュール61およびそれを具備してなる燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の燃料電池モジュールは、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続してなるセルスタックを、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に収納してなる燃料電池モジュールであって、収納容器は、セルスタックを構成する燃料電池セルの配列方向に沿う側部と燃料電池セルの配列方向に沿った方向の収納容器のそれぞれの側壁との間に、収納容器の下方側より供給される反応ガスを上方へ流すための第1の流路と、それぞれの第1の流路を流れた反応ガスを収納容器の上壁に沿って流すための第2の流路と、第2の流路を流れた反応ガスを下方へ流すための第3の流路と、第1の流路と隣り合うように配置され発電室内の排ガスを上方から下方へ流すための第4の流路とを備えてなり、第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、第2の流路を流れる反応ガスを第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、第2の流路を流れた反応ガスを反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする。
【0012】
このような燃料電池モジュールにおいて、第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、第2の流路を流れた反応ガスを第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、第2の流路を流れた反応ガスを反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく反応ガス流出口に流すことができ、第2の流路内で反応ガスが滞留することを抑制することができる。それにより、燃料電池モジュール内を反応ガスが効率よく流れ、十分な量の反応ガスを燃料電池セルに供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の燃料電池モジュールは、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第3の流路が、反応ガス流出口に接続されるとともに、発電室内に垂下するように配置されていることが好ましい。
【0014】
このような燃料電池モジュールにおいて、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第3の流路が、反応ガス流出口に接続されるとともに、発電室内に垂下するように配置されていることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく反応ガス流出口に流すことができ、第2の流路内で反応ガスが滞留することを抑制することができる。それにより、燃料電池モジュール内を反応ガスが効率よく流れ、十分な量の反応ガスを燃料電池セルに供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の燃料電池モジュールは、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第2の流路に隣り合うように反応ガス流出口を流れた反応ガスを第3の流路に流すための第5の流路を備えるとともに、第3の流路は、前記第4の流路に隣り合うように配置されていることが好ましい。
【0016】
このような燃料電池モジュールにおいて、反応ガス流出口が発電室側に開口しており、第2の流路に隣り合うように配置され、反応ガス流出口を流れた反応ガスを第3の流路に流すための第5の流路を備えるとともに、第3の流路は、前記第4の流路に隣り合うように配置されていることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく流すことができる。それにより、第5の流路へ流すことができ、燃料電池セルに十分な量の反応ガスを供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
【0017】
さらに、第3の流路は、第4の流路に隣り合うように配置されることから、第3の流路を流れる反応ガスと、第4の流路を流れる排ガスとで熱交換を行うことができ、燃料電池セルに温かい反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セルの発電効率が向上し、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
【0018】
また、本発明の燃料電池モジュールは、第5の流路に隣り合うように配置され、発電室内の排ガスを収集して第4の流路に流すための排ガス収集室を備えることが好ましい。
【0019】
このような燃料電池モジュールにおいては、第5の流路に隣り合うように配置され、発電室内の排ガスを収集して第4の流路に流すための排ガス収集室を備えることから、発電室内において特に高温となる発電室の上方における排ガスを第4の流路に効率的に供給することができ、効率的に反応ガスと排ガスとが熱交換を行うことができ、燃料電池セルに温かい反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セルの発電効率の発電効率の低下を抑制すことができ、燃料電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
【0020】
また、本発明の燃料電池モジュールは、第5の流路は、第5の流路を流れる反応ガスを発電室の上壁側または排ガス収集室側に向けて流すための第2のガスガス流通方向変更部を備えることが好ましい。
【0021】
このような燃料電池モジュールにおいては、第5の流路は、第5の流路を流れる反応ガスを発電室の上壁側または排ガス収集室側に向けて流すための第2のガスガス流通方向変更部を備えることから、反応ガスが、発電室の上壁に衝突するように反応ガスの流れが変更され、第5の流路を流れる間、効率的に反応ガスと排ガスとが熱交換を行うことができる。それにより、燃料電池セルにさらに温められた反応ガスを供給することができ、燃料電池セルの発電効率の低下を抑制することで、燃料電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
【0022】
また、本発明の燃料電池モジュールは、第1の流路および第4の流路のうち少なくとも一方の流路は、それぞれの流路を流れる反応ガスまたは排ガスを他方の流路側に向けて流すための第3のガス流通方向変更部を備えることが好ましい。
【0023】
このような燃料電池モジュールにおいては、第1の流路および第4の流路のうち少なくとも一方の流路は、それぞれの流路を流れる反応ガスまたは排ガスを他方の流路側に向けて流すための第3のガス流通方向変更部を備えることから、反応ガスが、第1の流路を通る間に、反応ガスと排ガスとが効率的に熱交換を行うことができる。それにより、燃料電池セルにより温められた反応ガスをさらに供給することができ、燃料電池セルの発電効率の低下を抑制することで、燃料電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
【0024】
また、本発明の燃料電池装置は、上記の燃料電池モジュールと、セルスタックを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする。それにより、発電効率が向上した燃料電池装置とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の燃料電池モジュールは、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続してなるセルスタックを、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に収納してなる燃料電池モジュールであって、収納容器は、セルスタックを構成する燃料電池セルの配列方向に沿う側部と燃料電池セルの配列方向に沿った方向の収納容器のそれぞれの側壁との間に、収納容器の下方側より供給される反応ガスを上方へ流すための第1の流路と、それぞれの第1の流路を流れた反応ガスを収納容器の上壁に沿って流すための第2の流路と、第2の流路を流れた反応ガスを下方へ流すための第3の流路と、第1の流路と隣り合うように配置され発電室内の排ガスを上方から下方へ流すための第4の流路とを備えてなり、第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、第2の流路を流れた反応ガスを第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、第2の流路を流れる反応ガスを反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることから、第2の流路を流れた反応ガスを効率よく反応ガス流出口に流すことができ、第2の流路内で反応ガスが滞留することを抑制することができる。それにより、燃料電池モジュール内を反応ガスが効率よく流れ、十分な量の反応ガスを燃料電池セルに供給できることから、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。また、本発明の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納することで発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す燃料電池モジュールを概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す燃料電池モジュールを概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【図8】図7に示す燃料電池モジュールの一部を抜粋して示す分解斜視図である。
【図9】本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
【図10】従来の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。
【図11】図10に示す燃料電池モジュールを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の燃料電池モジュール1(以下、モジュールという場合がある。)の一例を示す外観斜視図である。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。
【0028】
図1に示すモジュール1においては、収納容器2の内部に、内部をガスが流通するガス流路(図1においては図示せず)を有する柱状の燃料電池セル3を立設させた状態で配列し、隣接する燃料電池セル3間に集電部材(図1においては図示せず)を介して電気的に直列に接続するとともに、燃料電池セル3の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド6に固定してなるセルスタック4(セルスタック装置9)を収納して構成されている。なお、セルスタック4の両端部側には、セルスタック4(燃料電池セル3)の発電により生じた電流を集電して外部に引き出すための、電流引き出し部を有する導電部材5が配置されている。
【0029】
さらに図1においては、燃料電池セル3の発電で使用する燃料ガス(水素含有ガス)を得るために、原燃料供給管10を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器7をセルスタック4(燃料電池セル3)の上方に配置している。そして、改質器7で生成された燃料ガスは、燃料ガス流通管8を介してマニホールド6に供給され、マニホールド6より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。
【0030】
また、図1においては、収納容器2の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置9を後方に取り出した状態を示している。ここで、図1に示したモジュール1においては、セルスタック装置9を、収納容器2内にスライドして収納することが可能である。
【0031】
なお、図1に示した収納容器2においては、収納容器2の底面に、燃料電池セル3に供給する反応ガス(酸素含有ガス(通常は空気である))を供給するための反応ガス供給管11と、燃料電池セル3の発電等により生じた排ガスを収納容器2の外部に排気するための排気管12とが接続されている。反応ガス供給管11と排気管12とは二重管とすることもできる。
【0032】
図2は、図1に示した燃料電池モジュール1を概略的に示す断面図である。
【0033】
収納容器2は、外壁13(側壁)にて収納容器2の外枠が形成され、内部に燃料電池セル3(セルスタック装置9)を収納する発電室30が形成されている。
【0034】
ここで、収納容器2は、外壁13(側壁)の内側に所定間隔をあけて第1の壁14が形成されており、第1の壁14の内側に所定間隔をあけて第2の壁15が配置されている。
【0035】
それにより、それぞれの側壁(外壁)13と第1の壁14とで形成された空間がそれぞれ第1の流路21となり、第1の壁14と第2の壁15とで形成された空間がそれぞれ第4の流路24となる。さらに、発電室30の上方には発電室30を形成するための上壁17が設けられており、上壁17と外壁13(収納容器2の上壁)との間が、第1の流路21を流れたそれぞれの反応ガスを合流させるとともに、第3の流路23に流すための第2の流路22となる。
【0036】
ここで上壁17には、上壁17の上面からセルスタック4の側面側にまで延び、上壁17と外壁(収納容器2の上壁)13とで第2の流路22が形成される。上壁の中央部には反応ガス流出口26が設けられ、反応ガス流出口26の下方にセルスタック4に反応ガスを導入するための反応ガス導入部材20(第3の流路23)が備えられている。なお、反応ガス導入部材20内が第3の流路23となり、反応ガス導入部材20の下端側に、燃料電池セル3の下端部に反応ガスを導入するための反応ガス導入口27が設けられている。
【0037】
また、収納容器2の底部には、反応ガス(空気)を収納容器2内に供給するための反応ガス供給管11が接続されており、反応ガス供給管11より供給される反応ガスは反応ガス導入部31に流れる。反応ガス導入部31は反応ガス導入口25を介して第1の流路21とつながっているため、反応ガス導入部31に供給された反応ガスは、反応ガス導入口25を介してそれぞれの第1の流路21に流れる。第1の流路21を上方に流れたそれぞれの反応ガスは、続いて、第2の流路22において合流し、反応ガス流出口26を介して第3の流路である反応ガス導入部材18に流れる。そして、反応ガス導入部材20を上方から下方に流れた反応ガスは、反応ガス導入部材20に設けられた反応ガス吹き出し口27を通して、発電室30内(燃料電池セル3)に供給される。なお、燃料電池セル3(セルスタック4)の側面および底面に断熱材29が配置されている。
【0038】
反応ガス流出口26の上方における上壁17には、反応ガス流出口26に向けた第1のガス流通方向変更部19が設けられている。それにより、上壁17に沿って収納容器2の中央部に向って流れた反応ガスを反応ガス流出口26に向けて流し、第2の流路22内で反応ガスが滞留することなく第3の流路23に流れることで、モジュール1内を効率よく反応ガスを流すことができ、燃料電池セル3に十分な量の反応ガスを供給できることから、モジュール1の発電効率を向上させることができる。
【0039】
ここで、モジュール1は、セルスタック4の上方で燃焼ガスと、反応ガス(空気)とを燃焼させることにより、燃料電池セル3が600℃〜1000℃の高い温度で発電する。そのため、冷たい反応ガスを燃料電池セル3に供給すると燃料電池セル3の発電効率が低下してしまうおそれがあるため、温かい反応ガスを燃料電池セル3に供給する必要がある。そこで、燃焼により生じた高温な排ガスと反応ガスとを熱交換させることにより、反応ガスを昇温させることができ、それにより、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、発電効率の向上したモジュール1とすることができる。
【0040】
また、反応ガスは、外部から供給された直後の第1の流路21を流れる際が最も温度が低い。そのため、第1の流路21を流れる間に第4の流路24を流れる排ガスと効率的に熱交換を行うことが好ましい。
【0041】
ここで排ガスの流れについて説明する。発電室30の上方で燃焼により生じた高温な排ガスは、第4の流路24を上方から下方に向けて流れ、排ガス収集口28を介して反応ガス導入部31の上部に設けられた排ガス収集部32に流れた後、排ガス収集部32に接続された排気管12(図1参照)を通して収納容器2の外部に排気される。
【0042】
それにより、反応ガスが、第1の流路21を下方から上方に流れる間、第1の流路21と隣り合うように配置された第4の流路24内を流れる排ガスと熱交換を行うことができ、反応ガスを昇温させることができる。そのため、燃料電池セル3に温かい反応ガスを供給することができ、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、発電効率の向上したモジュール1とすることができる。
【0043】
なお、図1において、第1のガス流通方向変更部19は直方体状の突起部材を設けた例を示したが、円錐状や円筒状等の突起を設けてもよく、その形状は限定されない。また、第1のガス流通方向変更部19を設ける壁を突出させ、第1のガス流通方向変更部19を設けてもよい。
【0044】
さらに、第1のガス流通方向変更部19を1つ設けた例を示したが、複数設けてもよい。第2の流路22から第3の流路23に向かって流れるよう第1のガス流通方向変更部19を適宜設ければよい。
【0045】
なお、第2の流路22の高さは、大きくすることでより効果が出る。さらには、反応ガス導入部31と同等の高さとすることにより、燃料電池セル3の配列方向に沿った流れを均一に近づけることができる。
【0046】
図3は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す概略的な断面図であり、第1の流路21を構成する外壁13および第4の流路24を構成する第2の壁15のそれぞれに第3のガス流通方向変更部39を設けている。
【0047】
反応ガスは第1の流路21を下方から上方に流れた後、外壁13(上壁)に沿って第2の流路を流れ、反応ガス流出部36を介して第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。排ガスは、第4の流路24を介して排ガス収集部32に流れた後、排気管12を通して収納容器42の外部に排気される。
【0048】
ここで、流体同士を効率よく熱交換するためには、温かい流体と冷たい流体とが壁を隔てて、壁に沿って対向して流れる場合に、隔てる壁が熱交換を行う熱交換部となり、熱交換部(図3においては、第1の壁14である。)に温かい流体と冷たい流体とをそれぞれ衝突させることにより効率的な熱交換が行われる。それにより、熱交換部における温かい流体の熱を効率よく冷たい流体に与えることができる。なお、モジュール41においては、冷たい流体は反応ガスであり、温かい流体としては排ガスである。なお、第1の流路21と第4の流路24とを隔てる第1の壁14が熱交換部となる。
【0049】
図3に示す燃料電池モジュール41は、第1の流路21の側壁13および第4の流路24の第2の壁15に、それぞれ第3のガス流通方向変更部39を複数設けている。
【0050】
それにより、熱交換部である第1の壁14に、一方では、第1の流路21を下方から上方に流れる冷たい反応ガスを衝突させることができ、他方では、第4の流路24を上方から下方に流れる温かい排ガスを衝突させることができ、反応ガスと排ガスとが効率的に熱交換を行うことができ、燃料電池セル3(セルスタック4)に温かい反応ガスを供給することができる。それゆえ、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、モジュール41の発電効率を向上させることができる。
【0051】
なお、図3において、複数の第3のガス流通方向変更部39を第1の流路20および第4の流路23に設けた例を示したが、どちらか一方にのみ第3のガス流通方向変更部39を設けた場合においても効率的な熱交換を行うことができる。
【0052】
なお、図3においても第2の流路22から第3の流路23に反応ガスを流すための第1のガス流通方向変更部19を設けていることから、第2の流路22で反応ガスが滞留することなく、反応ガス流出口26に向けて反応ガスが流れ、反応ガスがモジュール41内を効率よく流れることができ発電効率の向上したモジュール41とすることができる。
【0053】
図4は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す外観斜視図であり、図5は、図4に示した燃料電池モジュール41を概略的に示す断面図である。図4、図5においては、収納容器44内にセルスタック4を1つのみ収納する場合を示している。
【0054】
ここで、燃料電池モジュール43では余剰の燃料ガスを発電室30の上方で燃焼させる構成であることから、発電室30の上方が最も高温となる。そのため、反応ガスを効率よく昇温させるため、反応ガスを発電室30の上方を流れるような構成とし、燃焼により生じた熱と反応ガスとで熱交換させることが好ましい。
【0055】
さらに、第3の流路23が外壁(側壁)13側に配置され、反応ガス流出口26が収納容器44の外壁(側壁)13側にそれぞれ設けられている場合、第1の流路21を流れた反応ガスが、発電室30の上方(第2の流路22)を流れることなく、第3の流路23に流れてしまい、熱交換が十分に行われていない反応ガスが、燃料電池セル3(セルスタック4)に供給され、燃料電池セル3の発電効率が低下してしまうおそれがある。
【0056】
また、発電室30の上方に反応ガスが滞留し、収納容器44の上壁13(外壁)が高温となるおそれもある。さらに、収納容器44の上壁13(外壁)が外部に熱を放熱することで熱エネルギーのロスとなり、モジュール43(セルスタック4)の温度が低下することで、モジュール43の発電効率が低下するおそれがある。
【0057】
また、第2の流路に流れた反応ガスが、燃料電池セルの配列方向に沿う一方側(もしくは他方側)に位置する第3の流路に多く流れる場合には、燃料電池セルの両側面側から供給される反応ガスの量が異なることに伴い、燃料電池セルの発電出力が低下するおそれがあるほか、劣化等の悪影響が生じるおそれがある。
【0058】
図5は、図4に示す燃料電池モジュールの一部を抜粋して示す断面図であり、図5に示したモジュール43においては、外壁13(側壁)の内側に所定間隔を空けて第1の壁を14が形成されており、第1の壁14の内側に所定間隔をあけて第2の壁15が配置され、さらに第2の壁の内側に所定感覚をあけて第3の壁15が配置されている。それにより、外壁13(側壁)と第1の壁14で形成された空間が第1の流路21となり、第1の壁14と第2の壁15とで形成された空間が第4の流路24となり、第2の壁15と第3の壁16とで形成された空間が第3の流路23となる。
【0059】
上壁17には、上壁17の上面からセルスタック4の側面側にまで延び、上壁17と外壁(収納容器2の上壁)13とで第2の流路22が形成される。収納容器44内の外壁(上壁)13から内側に所定間隔を空けて仕切部材18が設けられている。収納容器44内の外壁(上壁)13と仕切部材18との間が第5の流路35となる。
【0060】
反応ガスは第1の流路21を下方から上方に流れた後、外壁13(上壁)に沿って第2の流路を流れ、反応ガス流出部36を介して第5の流路35を通り、第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。排ガスは、第4の流路24を介して排ガス収集部32に流れた後、排気管12を通して収納容器42の外部に排気される。
【0061】
それにより、反応ガスが、高温な発電室30の上部において、高温な排ガスと熱交換することができ、燃料電池セル3に高温な反応ガスを供給できることから、燃料電池セル3の発電効率が向上し、発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0062】
さらに、第1の流路21を上方に向けて流れた後、反応ガスを第2の流路22を介して、反応ガス流入路26に向けて反応ガスを流すことができ、効率的に第5の流路35に流すことができる。それゆえ、燃料電池セル3に供給する反応ガスを、発電室30の上方の排ガスと効率よく熱交換することにより、さらに高温の反応ガスとすることができ、温かい反応ガスを燃料電池セル3に供給することができる。それにより、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制し、モジュール43(燃料電池セル3)の発電効率を向上させることができる。
【0063】
また、第1の流路21を流れて第2の流路22に流れた反応ガスが、効率よく第5の流路35に流れることができることから、第2の流路21内に反応ガスが滞留することを抑制でき、効率的に燃料電池セル3に反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セル3の発電効率が低下することを抑制できる。またあわせて、収納容器2の外壁13(側壁)が高温となることを抑制でき、外壁13(上壁)からの放熱を抑制することができる。そのため、発電効率の向上したモジュールとすることができる。
【0064】
さらに、第4の流路24を構成する第2の壁15および、第3の流路を構成する外壁13(側壁)にそれぞれ第3の流通方向変更部39が複数設けられていることから、反応ガスと排ガスとが効率的に熱交換を行うことができ、モジュール43の発電効率をさらに向上させることができる。
【0065】
また、燃料電池セル3の配列方向に沿う一方側(もしくは他方側)に位置する第3の流路23に多く流れることを抑制することができ、燃料電池セル3の両側面側から供給される反応ガスの量が異なることに伴う燃料電池セル3の劣化等を抑制することができる。そのため、燃料電池セル3の発電効率の低下を抑制することができ、より発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0066】
さらに、反応ガスが流れる第1の流路21と第3の流路23との間に排ガスが流れる第4の流路24が位置することから、反応ガスと排ガスとで熱交換を行うことができ、燃料電池セル3に温かい反応ガスを供給することができる。それにより、発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0067】
なお、図5においては、モジュール43内にセルスタック4を1つ収納した例を示したが、セルスタック4を複数収納してもよい。その場合においても、発電効率の向上したモジュール43とすることができる。
【0068】
さらに、第3の流路23が発電部の両側にそれぞれ配置されることから、セルスタックを1つのみ収納することができる。それにより、モジュール43は様々な様態で使用することができる。
【0069】
また、第3の流路23と、第4の流路24との間に断熱材を設けて隣り合うように配置してもよい。断熱材を配置する場所は適宜設定すればよい。
【0070】
図6は、本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を示す概略的な断面図であり、第1の流路21を構成する外壁13および第4の流路24を構成する第2の壁15のそれぞれに第3のガス流通方向変更部39を設けている。
【0071】
反応ガスは第1の流路21を下方から上方に熱交換をしながら流れた後、外壁13(上壁)に沿って第2の流路を流れ、反応ガス流出部36を介して第5の流路35を通り、第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。排ガスは、第4の流路24を介して排ガス収集部32に流れた後、排気管12を通して収納容器42の外部に排気される。
【0072】
それにより、第1の流路21を流れる反応ガスと、第4の流路を流れる排ガスとを、熱交換部である第2の壁14に衝突させることができることから、効率的な反応ガスと排ガスとの熱交換を行うことができる。それにより、反応ガスを昇温させることができ、燃料電池セル3に高温の反応ガスを供給することができ、発電効率の向上したモジュール45とすることができる。
【0073】
図7は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す断面図であり、図8は、図7に示す燃料電池モジュール47の一部を抜粋して示す分解斜視図である。図7に示したモジュール47においては、収納容器46の発電室30内に、セルスタック4を2つ併置している例を示している。なおセルスタック4は1つのマニホールド6上に配置されている。
【0074】
この場合において、反応ガス吹き出し口27よりそれぞれのセルスタック4の一方側の側面に反応ガスが供給されることから、2つのセルスタックを並置した場合であっても、効率よく燃料電池セル3の発電を行なうことができる。
【0075】
図7に示したモジュール47においては、収納容器48内における第2の流路22と発電室30との間に、排ガスを収集し、第4の流路24に流すための排ガス収集室37が設けられた例を示している。なお、図7においては仕切部材18により形成された第5の流路35を排ガス収集室37と対向するように配置し、第5の流路35を形成する仕切部材18の第5の流路35側に第2のガス流通方向変更部34を複数設けている。
【0076】
反応ガスは、それぞれの第1の流路21を下方から上方に流れ、第2の流路22を介し、合流した後、反応ガス流入路26を介して第5の流路35に流れ、第3の流路23を上方から下方に流れ燃料電池セル3(セルスタック4)に供給される。燃料電池セル3で発電に利用された後、余剰の反応ガスは、セルスタック4上部にて、燃料ガスと燃焼され、高温な排ガスとなる。燃料電池セル3より排出される排ガスや、燃料電池セル3の上端部側で余剰の燃料ガスを燃焼させることにより生じる排ガスは、排ガス収集室37を通して、第3の流路23を貫通する排ガス流通口36を介して、第4の流路24に流入する。そして、第4の流路24を上方から下方に流れる。
【0077】
それにより、高温な排ガスを排ガス収集室37を介して第4の流路24に流すことができ、排ガスが発電室30の上方で滞留することを抑制することができ、モジュール45の発電効率を向上させることができる。
【0078】
また、排ガス収集室37と第5の流路35とが、排ガス収集室37の上壁(図示せず)を介して、隣り合うように配置されるため、排ガス収集室37の上壁が熱交換部となる。そのため、反応ガス供給管11より供給される反応ガスは、第2の流路22および第5の流路35を流れる間(特には、第5の流路35を流れる間)に、排ガス収集室37を流れる排ガスと効率よく熱交換され、燃料電池セル3に供給される反応ガスの温度をさらに上昇させることができ、燃料電池セル3(モジュール45)の発電効率を向上することができる。
【0079】
さらに、第5の流路35を形成する仕切部材18の第5の流路35内に第2のガス流通方向変更部34を複数設けたことから、第5の流路35を流れる反応ガスを熱交換部である排ガス収集室37の上壁に衝突させることができ、さらに熱交換を行うことができる。それにより、さらに温かい反応ガスを燃料電池セル3に供給することでき、モジュール45の発電効率をさらに向上させることができる。
【0080】
なお、熱交換部である排ガス収集室37の上壁に向けてそれぞれのガスを流すための第2のガス流通方向変更部材34を第5の流路35にのみ設けた例を示したが、排ガス収集室37に設けてもよい。その場合においても、熱交換部である排ガス収集室の上壁に衝突させることができ、燃料電池セルの発電効率を向上させることから、モジュール47の発電効率をさらに向上させることができる。
【0081】
なお、第2のガス流通方向変更部34や第3のガス流通方向変更部39は、第1のガス流通方向変更部19と同様に、直方体状の突起部材を設けた例を示したが、それぞれの壁を突出させて第2のガス流通方向変更部34や第3のガス流通方向変更部39としてもよい。
【0082】
図9は、外装ケース内に、本発明の燃料電池モジュールと、セルスタック4を動作させるための補機とを収納してなる本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図9においては一部構成を省略して示している。
【0083】
図9に示す燃料電池装置41は、支柱42と外装板43から構成される外装ケース内を仕切板44により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール1を収納するモジュール収納室45とし、下方側を燃料電池モジュール1を動作するための補機類を収納する補機収納室46として構成されている。なお、補機収納室46に収納する補機類を省略して示している。
【0084】
また、仕切板44には、補機収納室46の空気をモジュール収納室45側に流すための空気流通口47が設けられており、モジュール収納室45を構成する外装板43の一部に、モジュール収納室45内の空気を排気するための排気口48が設けられている。
【0085】
このような燃料電池装置41においては、上述したように、発電効率を向上することができる燃料電池モジュール1をモジュール収納室45に収納して構成されることにより、発電効率の向上した燃料電池装置41とすることができる。
【0086】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【0087】
上述の例においては、収納容器2内の各流路内を反応ガスとして酸素含有ガスを流す場合を例示したが、例えば収納容器2内の各流路内を反応ガスとして水素含有ガス(燃料ガス)を流すこともできる。この場合、マニホールド6に供給する空気を別の構成により温めるとともに、改質器7は収納容器2の外部に配置すればよい。
【符号の説明】
【0088】
1、41、43、45、47、61:燃料電池モジュール
2、42、44、46、48、62:収納容器
3:燃料電池セル
4:セルスタック
19:第1のガス流通方向変更部
34:第2のガス流通方向変更部
39:第3のガス流通方向変更部
20:反応ガス導入部材
21:第1の流路
22:第2の流路
23:第3の流路
24:第4の流路
35:第5の流路
26:反応ガス流出口
51:燃料電池装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続してなるセルスタックを、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に収納してなる燃料電池モジュールであって、
前記収納容器は、前記セルスタックを構成する前記燃料電池セルの配列方向に沿う側部と前記燃料電池セルの配列方向に沿った方向の前記収納容器のそれぞれの側壁との間に、前記収納容器の下方側より供給される反応ガスを上方へ流すための第1の流路と、それぞれの前記第1の流路を流れた反応ガスを前記収納容器の上壁に沿って流すための第2の流路と、該第2の流路を流れた反応ガスを下方へ流すための第3の流路と、前記第1の流路と隣り合うように配置され前記発電室内の排ガスを上方から下方へ流すための第4の流路とを備えてなり、
前記第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、前記第2の流路を流れた反応ガスを前記第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、前記第2の流路を流れる反応ガスを前記反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする燃料電池モジュール。
【請求項2】
前記反応ガス流出口が前記発電室側に開口しており、前記第3の流路が、前記反応ガス流出口に接続されるとともに、前記発電室内に垂下するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項3】
前記反応ガス流出口が前記発電室側に開口しており、前記第2の流路に隣り合うように前記反応ガス流出口を流れた反応ガスを前記第3の流路に流すための第5の流路を備えるとともに、前記第3の流路は、前記第4の流路に隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項4】
前記第5の流路に隣り合うように配置され、前記発電室内の排ガスを収集して前記第4の流路に流すための排ガス収集室を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池モジュール。
【請求項5】
前記第5の流路は、該第5の流路を流れる反応ガスを前記発電室の上壁側または前記排ガス収集室側に向けて流すための第2のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の燃料電池モジュール。
【請求項6】
前記第1の流路および前記第4の流路のうち少なくとも一方の流路は、それぞれの流路を流れる反応ガスまたは排ガスを他方の流路側に向けて流すための第3のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の燃料電池モジュール。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の燃料電池モジュールと、前記セルスタックを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項1】
内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、電気的に接続してなるセルスタックを、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に収納してなる燃料電池モジュールであって、
前記収納容器は、前記セルスタックを構成する前記燃料電池セルの配列方向に沿う側部と前記燃料電池セルの配列方向に沿った方向の前記収納容器のそれぞれの側壁との間に、前記収納容器の下方側より供給される反応ガスを上方へ流すための第1の流路と、それぞれの前記第1の流路を流れた反応ガスを前記収納容器の上壁に沿って流すための第2の流路と、該第2の流路を流れた反応ガスを下方へ流すための第3の流路と、前記第1の流路と隣り合うように配置され前記発電室内の排ガスを上方から下方へ流すための第4の流路とを備えてなり、
前記第2の流路は、当該第2の流路を流れる反応ガスの流れの方向に沿った部位に、前記第2の流路を流れた反応ガスを前記第3の流路側に流すための反応ガス流出口を有するとともに、前記第2の流路を流れる反応ガスを前記反応ガス流出口に向けて流すための第1のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする燃料電池モジュール。
【請求項2】
前記反応ガス流出口が前記発電室側に開口しており、前記第3の流路が、前記反応ガス流出口に接続されるとともに、前記発電室内に垂下するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項3】
前記反応ガス流出口が前記発電室側に開口しており、前記第2の流路に隣り合うように前記反応ガス流出口を流れた反応ガスを前記第3の流路に流すための第5の流路を備えるとともに、前記第3の流路は、前記第4の流路に隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項4】
前記第5の流路に隣り合うように配置され、前記発電室内の排ガスを収集して前記第4の流路に流すための排ガス収集室を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池モジュール。
【請求項5】
前記第5の流路は、該第5の流路を流れる反応ガスを前記発電室の上壁側または前記排ガス収集室側に向けて流すための第2のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の燃料電池モジュール。
【請求項6】
前記第1の流路および前記第4の流路のうち少なくとも一方の流路は、それぞれの流路を流れる反応ガスまたは排ガスを他方の流路側に向けて流すための第3のガス流通方向変更部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の燃料電池モジュール。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の燃料電池モジュールと、前記セルスタックを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−257732(P2010−257732A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105953(P2009−105953)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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