説明

燃料電池及び燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置

【課題】セルのガス流路におけるガスの圧損を低下させる。
【解決手段】エキスパンドメタル28の、メッシュを構成するストランド部STに形成された刻み幅の狭小部STによって、セル構成部材間に、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路16Sが形成される。しかも、エキスパンドメタル22の、ストランド部STの刻み幅の狭小部STが、エキスパンドメタルに22隣接するセパレータ18と、ストランド部STとが離間する位置に設けられていることにより、エキスパンドメタル22に隣接するセパレータ18の表面に沿って、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路16Sが形成される。よって、直線状のガス流路16Sを、ガス流GFは揺動することなく直線状に流れる。その結果として、セル10のガス流路16におけるガスの圧損を低下させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池及び燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、図6に示されるように、複数種類のセル構成部材が積層されることによって、セル(単セル)10が構成され、なおかつ、セル10が複数枚積層された燃料電池スタック11を構成することで、必要な電圧が確保されるものである。セル10の構造例としては、図7に示されるように、膜電極接合体12(Membrane Electrode Assembly:以下、「MEA」という。)がセル10の厚み方向の中心部に配置され、その両面に、ガス拡散層14(アノード側/カソード側のガス拡散層14A、14C)、ガス流路16(アノード側/カソード側のガス流路16A、16C)、セパレータ18が夫々配置された構造となっている。なお、MEA12とガス拡散層14とが一体となった形態を、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode &Gas Diffusion Layer Assembly)と称することもある。
そして、図7のようにガス流路16がセパレータ18と別体構造をなすセル構造においては、ガス流路16を形成する構造物として、例えばエキスパンドメタルが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−87768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、セル10のガス流路16を形成する構造物として用いられるエキスパンドメタル20は、例えば、図8、図9に示されるような亀甲形のメッシュ22が、いわゆる千鳥配置された連続構造をなしている。このエキスパンドメタル20は、平板材料を送りながら金型によって一段づつ切れ込みを入れることによってメッシュ22が形成されるという製造手順(後述する)に起因して、各メッシュ22が、材料送り方向〔(Materials)Forwarding Direction:以下、本説明において「FD方向」ともいう。〕に、階段状に連なった構造となっている。
【0005】
このエキスパンドメタル20の製造装置は、図10に示されるように、下刃38及び上刃40を含む金型を備えている。下刃38、上刃40は、いずれもTD方向(FD方向と直交する方向)にシフトし、かつ上刃40はWD方向(上下方向)に昇降するものである。又、上刃40の下面には、図示の例では台形状の凸部40aがTD方向に一定間隔を空けて形成され、下刃38の上面には、上刃40の台形状の凸部40aと噛合うように一定間隔を空けて、台形状の凹部38aが形成されている。
【0006】
そして、平板材料42は、ローラ41等を備えた材料送り手段によって、所定の刻み幅Wで金型へと送り込まれ、この平板材料42の送り込みのタイミングに合わせて、上刃40及び下刃38が開閉する。この際、上刃40の台形状の凸部40aと、下刃38の台形状の凹部38aとによって、平板材料42は一定間隔に部分的にせん断され、下方向に突出する台形状の切り起しが形成される。
【0007】
そして、上刃40の上昇の都度、上刃40及び下刃38がTD方向にシフトすることで、台形状の切起こしが千鳥状に一段づつ成形され、階段状のメッシュを有するラスカットメタル20’が形成されるものである。
その後、階段状のメッシュを有するラスカットメタル20’が、図11に示される圧延ローラ43によって圧延されることにより、必要な全厚D(図5(b)参照)のエキスパンドメタル20が成形される。
【0008】
このようにして成形されるエキスパンドメタル20は、図7、図8に示されたセル10において、メッシュ22がガス拡散層14とセパレータ18との間に傾斜面を構成するようにして配置されることで、千鳥配置されたメッシュ22と、ガス拡散層14表面及びセパレータ18表面との間に、空間24が千鳥状に構成される。従って、ガス流路16を流れるガスは、千鳥状に配置された空間24を順に伝ってFD方向へと流れ、この際、ガス流GFは図9に示されるように、FD方向と直交する方向〔Transverse Direction又はTool Direction:以下、本説明において「ツール送り方向」又は「TD方向」ともいう。〕に揺動し、ターンを繰り返す態様の流れとなる。
【0009】
このように、ガス流路16のガス流GFが、図9に示されるような非常に細かなターンを繰り返すことに起因して、ガス流路16におけるガスの圧損は自ずと高くなる。このため、必要なガス流を確保するために、エアコンプレッサーや水素循環ポンプ等に求められる性能値も必然的に高くなり、これら補機の大型化、ひいては燃料電池システムの大型化を来たすこととなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セルのガス流路におけるガスの圧損を低下させることを可能とし、ガス流量を適宜増大させて、燃料電池システムの小型化、出力向上、電圧安定性の確保等を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池は、セル構成部材間に配置されたエキスパンドメタルによりガス流路が形成されたセル構造を有する燃料電池であって、エキスパンドメタルのメッシュ形状を工夫することで、セル構成部材間を、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと流れるガスの圧損を低下させるものである。
又、本発明の燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置は、セル構成部材間を、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと流れるガスの圧損を低下させることが可能なメッシュ形状を有する、エキスパンドメタルの製造を可能とするものである。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0011】
(1)セル構成部材間に配置されたエキスパンドメタルによりガス流路が形成されたセル構造を有する燃料電池であって、前記エキスパンドメタルの、メッシュを構成するストランド部に、刻み幅の狭小部が形成されている燃料電池(請求項1)。
本項に記載の燃料電池は、エキスパンドメタルの、メッシュを構成するストランド部に形成された刻み幅の狭小部によって、セル構成部材間に、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路が形成されるものである。
【0012】
(2)上記(1)項において、前記ストランド部の刻み幅の狭小部は、前記エキスパンドメタルに隣接する他のセル構成部材と、前記ストランド部とが離間する位置に設けられている燃料電池(請求項1)。
本項に記載の燃料電池は、エキスパンドメタルの、ストランド部の刻み幅の狭小部が、エキスパンドメタルに隣接する他のセル構成部材と、ストランド部とが離間する位置に設けられていることにより、エキスパンドメタルに隣接する他のセル構成部材の表面に沿って、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路が形成されるものである。
【0013】
(3)燃料電池セルの構成部材間に配置されガス流路を形成するエキスパンドメタルの製造装置であって、材料送り手段と、該材料送り手段により送り込まれる平板材料に対し千鳥状に並ぶ切込みを複数成形し、各切込みを押し広げて所定形状のメッシュを成形するための金型とを備え、該金型は下刃及び上刃を含み、該下刃及び上刃の開閉方向対向面には、前記所定形状のメッシュを成形するための第1の凹凸対と、前記所定形状のメッシュのストランド部を打抜き、刻み幅の狭小部を成形するための第2の凹凸対とが設けられている燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置(請求項3)。
本項に記載の燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置は、金型の下刃及び上刃の開閉方向対向面に設けられた第1の凹凸対によって、所定形状のメッシュを成形し、なおかつ、第2の凹凸対によって、所定形状のメッシュのストランド部を打抜き、刻み幅の狭小部を成形する。
このようにして成形されたエキスパンドメタルが、セル構成部材間に配置されると、ストランド部に形成された刻み幅の狭小部によって、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路が形成されるものである。
【0014】
(4)上記(3)項において、前記第1の凹凸対は、材料送り方向視で台形ないし三角形をなし、前記第2の凹凸対は、材料送り方向視で、前記第1の凹凸対の台形ないし三角形の傾斜部に、前記第1の凹凸対の頂点部分よりも凹凸量が大きく、かつ、前記第1の凹凸対の材料送り方向上流側面に沿って、前記第1の凹凸対の材料送り方向の幅よりも狭く形成されている燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置(請求項4)。
本項に記載の燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置は、材料送り方向視で台形ないし三角形をなす第1の凹凸対によって、平板材料に亀甲形ないし菱形のメッシュを成形する。又、これと同一工程において、材料送り方向視で、第1の凹凸対の台形ないし三角形の傾斜部に、第1の凹凸対の頂点部分よりも凹凸量が大きく、かつ、第1の凹凸対の材料送り方向上流側面に沿って、第1の凹凸対の材料送り方向の幅よりも狭く形成されている第2の凹凸対によって、メッシュのストランド部を打抜き、刻み幅の狭小部を成形するものである。
このようにして成形されたエキスパンドメタルが、セル構成部材間に配置されると、ストランド部の刻み幅の狭小部が、エキスパンドメタルに隣接する他のセル構成部材と、ストランド部とが離間する位置に設けられていることにより、エキスパンドメタルに隣接する他のセル構成部材の表面に沿って、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路が形成されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、セルのガス流路におけるガスの圧損を低下させることが可能となり、ガス流量を適宜増大させて、燃料電池システムの小型化、出力向上、電圧安定性の確保等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
まず、本発明を実施するための最良の形態を説明するにあたり、予め、図5を参照しながらエキスパンドメタルの各部名称を明らかにする。エキスパンドメタルは、一般的には、既に説明した亀甲形のメッシュ22(図9、図5(c)参照)や、図5(a)に示されるような、菱形のメッシュ26が、いわゆる千鳥配置された連続構造をなしている。そして、メッシュの交差部をボンド部BO、メッシュのボンド部BO間をつなぐ部分をストランド部STという。又、ボンド部BOのTD方向の長さをボンド長さBOl、ストランド部STの厚みを刻み幅(送り幅)Wという。図中、符号tは素材の板厚、符号Dはエキスパンドメタルの全厚であり、この全厚Dが、セル構成部材間に配置された状態における、エキスパンドメタルの厚みとなる。なお、図5には、併せてFD方向(材料送り方向)、TD方向(ツール送り方向)及びWD方向(メッシュの刻み幅方向)を示している。
各部名称から明らかなように、亀甲形のメッシュ22は、ボンド部BOのボンド長さBOlの長いメッシュ形状であり、菱形のメッシュ26は、ボンド部BOのボンド長さBOlの短いメッシュ形状である。そして、菱形のメッシュ26のFD方向断面形状(A−A断面形状)と、亀甲形のメッシュ22のFD方向断面形状(A’−A’断面図)とは同一であることから、図5(b)に両者のFD方向断面形状を示している。
【0017】
さて、本発明の実施の形態に係るセル燃料電池は、ガス流路の形成部材としてエキスパンドメタルが用いられており、このエキスパンドメタルは、図1及び図2に概略的に示されるような構造的特徴を備えている。すなわち、エキスパンドメタル28の、メッシュを構成するストランド部STに、刻み幅Wの狭小部STが形成されている。又、ストランド部の刻み幅の狭小部STは、エキスパンドメタル28に隣接する他のセル構成部材、図示の例ではセパレータ18と、エキスパンドメタル28のストランド部STとが離間し、セパレータ18の表面に沿って、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路16Sが形成される位置に設けられることが望ましい。
図1(b)及び図2には、ストランド部の狭小部STの刻み幅WPAが示されているが、この値は、メッシュ28の強度、必要とされるガス流量、後述する金型強度等を勘案して、適宜設定されるものであり、図示の例ではWPA=1/2W(W:狭小部以外の刻み幅)となっている。又、図示の例ではストランド部の狭小部STはストランド部の全長に渡って形成されているが、同様に、メッシュ28の強度、必要とされるガス流量、後述する金型強度等を勘案して、適宜設定されるものである。
【0018】
続いて、図3、図4を参照しながら、本発明の実施の形態に係るエキスパンドメタル28の製造装置の説明をする。
エキスパンドメタル28の製造装置は、従来(図10参照)と同様に、下刃38及び上刃40を含む金型を備えている。そして、下刃38及び上刃40の開閉方向対向面には、メッシュ22を成形するための凹部38b、凸部40bからなる第1の凹凸対と、メッシュ22のストランド部STを打抜き、刻み幅の狭小部STを成形するための凹部38c、凸部40cからなる第2の凹凸対とが設けられている。ここで、第1の凹凸対38b、40bは、図示の例ではFD方向視で台形をなし、第2の凹凸対38c、40cは、FD方向視で、第1の凹凸対38b、40bの台形の傾斜部に、第1の凹凸対38b、40bの頂点部分よりも凹凸量が大きく、かつ、第1の凹凸対38bのFD方向上流側面に沿って、第1の凹凸対38b、40bのFD方向の幅よりも狭く形成されている。
【0019】
そして、金型の下刃38及び上刃40の開閉方向対向面に設けられた第1の凹凸対38b、40bによって、メッシュ22を成形し、なおかつ、第2の凹凸対38c、40cによって、メッシュ22のストランド部STを打抜き、刻み幅の狭小部STを成形するものである。
その後、従来と同様に、階段状のメッシュを有するラスカットメタル28’が、図11に示される圧延ローラ43によって圧延されることにより、必要な全厚D(図5(b)参照)のエキスパンドメタル20が成形される。
【0020】
なお、図4(a)には、本発明の実施の形態に係る金型の下刃38及び上刃40が立体的に立体的に示され、図4(b)には、比較対照として従来の金型(図10参照)の下刃38及び上刃40が立体的に示されている。この図からも明らかなように、本発明の実施の形態に係る第1の凹凸対38b、40bは、従来の凹凸対38a、40aとFD方向視で同一形状を有しており、FD方向の厚みの一部が第2の凹凸対38c、40cに置き換えられた形状となっている。
又、図3、図4の例は、第1の凹凸対38b、40bが台形をなすことで、亀甲形のメッシュ22が成形されるが、菱形のメッシュ26(図5(a))を成形する場合には、第1の凹凸対38b、40bを三角形に構成する。
【0021】
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。まず、本発明の実施の形態に係る燃料電池は、エキスパンドメタル28の、メッシュ22(26)を構成するストランド部STに形成された刻み幅の狭小部STによって、セル構成部材間に、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路16Sが形成されるものである。しかも、エキスパンドメタル22(26)の、ストランド部STの刻み幅の狭小部STが、エキスパンドメタルに22(26)隣接するセパレータ18と、ストランド部STとが離間する位置に設けられていることにより、エキスパンドメタル22(26)に隣接するセパレータ18の表面に沿って、ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路16Sが形成される。よって、直線状のガス流路16Sを、ガス流GFは、図2に示されるように揺動することなく直線状に流れることとなる。その結果として、セル10のガス流路16におけるガスの圧損を低下させることが可能となり、ガス流量を適宜増大させて、燃料電池システムの小型化、出力向上、電圧安定性の確保等を図ることが可能となる。
【0022】
又、本発明の実施の形態に係る燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置は、金型の下刃38及び上刃40の開閉方向対向面に設けられた第1の凹凸対38b、40bによって、所定形状のメッシュ22(26)を成形し、なおかつ、第2の凹凸対38c、40cによって、所定形状のメッシュのストランド部STを打抜き、刻み幅の狭小部STを成形することができる。
しかも、FD方向視で台形ないし三角形をなす第1の凹凸対38b、40bによって、平板材料42に亀甲形ないし菱形のメッシュ22(26)を成形する。又、これと同一工程において、FD方向視で、第1の凹凸対38b、40bの台形ないし三角形の傾斜部に、第1の凹凸対の頂点部分よりも凹凸量が大きく、かつ、第1の凹凸対38b、40bのFD方向上流側面に沿って、第1の凹凸対の材料送り方向の幅よりも狭く形成されている第2の凹凸対38c、40cによって、メッシュのストランド部STを打抜き、刻み幅の狭小部STを成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料電池のセルの断面図であり、(a)はFD方向視断面図、(b)はC−C線断面図(TD方向視断面図)である。
【図2】図1に示されるセルのガス流路を形成するエキスパンドメタルの立体図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置を構成する、金型及び材料送り手段を示す模式図であり、(a)はTD方向視図、(b)は金型のFD方向視図である。
【図4】(a)は、図3に示される金型の下刃及び上刃を示す立体図であり、(b)は、比較対照として従来の金型の下刃及び上刃を示す立体的である。
【図5】エキスパンドメタルの各部名称の説明図であり、(a)は菱形のメッシュの平面図、(b)はA−AおよびA’−A’線における断面図、(c)は亀甲形のメッシュの平面図である。
【図6】従来の燃料電池スタックの立体模式図である。
【図7】図6に示される燃料電池スタックを構成するセルの、構成部材を示す模式図である。
【図8】従来の燃料電池のセルの断面図であり、(a)はFD方向視断面図、(b)はB−B線断面図(TD方向視断面図)である。
【図9】図8に示されるセルのガス流路を形成するエキスパンドメタルの立体図である。
【図10】従来の燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置を構成する、金型及び材料送り手段を示す模式図であり、(a)はTD方向視図、(b)は金型のFD方向視図である。
【図11】従来の燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置を構成する、圧延ローラの模式図である。
【符号の説明】
【0024】
10:セル、12:MEA、 14、14A、14C:ガス拡散層、 16:ガス流路、16S:ガス流路のガス流入端からガス流出端へと向う直線状のガス流路、18:セパレータ、22:亀甲形のメッシュ、24:空間、26:菱形のメッシュ、28:エキスパンドメタル、38:下刃、38a:台形状の凹部、40:上刃、40a:台形状の凸部、42:平板素材、ST:ストランド部、ST:狭小部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル構成部材間に配置されたエキスパンドメタルによりガス流路が形成されたセル構造を有する燃料電池であって、
前記エキスパンドメタルの、メッシュを構成するストランド部に、刻み幅の狭小部が形成されていることを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記ストランド部の刻み幅の狭小部は、前記エキスパンドメタルに隣接する他のセル構成部材と、前記ストランド部とが離間する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
【請求項3】
燃料電池セルの構成部材間に配置されガス流路を形成するエキスパンドメタルの製造装置であって、
材料送り手段と、該材料送り手段により送り込まれる平板材料に対し千鳥状に並ぶ切込みを複数成形し、各切込みを押し広げて所定形状のメッシュを成形するための金型とを備え、
該金型は下刃及び上刃を含み、該下刃及び上刃の開閉方向対向面には、前記所定形状のメッシュを成形するための第1の凹凸対と、前記所定形状のメッシュのストランド部を打抜き、刻み幅の狭小部を成形するための第2の凹凸対とが設けられていることを特徴とする燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置。
【請求項4】
前記第1の凹凸対は、材料送り方向視で台形ないし三角形をなし、前記第2の凹凸対は、材料送り方向視で、前記第1の凹凸対の台形ないし三角形の傾斜部に、前記第1の凹凸対の頂点部分よりも凹凸量が大きく、かつ、前記第1の凹凸対の材料送り方向上流側面に沿って、前記第1の凹凸対の材料送り方向の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする請求項3記載の燃料電池用エキスパンドメタルの製造装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−140854(P2010−140854A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318374(P2008−318374)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】