説明

燃料電池発電装置

【課題】イオンが含まれた凝縮水の脱イオン処理を確実にでき、コストの低廉化、省スペース化を図れる、燃料電池発電装置を提供する。
【解決手段】複数の電池単セル1が積層され、一対の集電板20,20で挟持した構造をなす燃料電池セルスタック10と、陽極と陰極の間に、イオン交換膜32によって区画された脱塩室R1と濃縮室R2とを有する電気式脱イオン装置30とを備え、電気式脱イオン装置30が、燃料電池セルスタック10の冷却水供給口側に連設され、燃料電池セルスタック10の一方の集電板15が、電気式脱イオン装置30の陽極又は陰極をなしており、脱塩室R1から排出される処理水を、燃料電池セルスタック10の前記冷却水路を流通させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式脱イオン装置を備えた燃料電池発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池発電装置は、複数の電気単セルを積層してなる燃料電池セルスタックを有している。この燃料電池セルスタックから排出される燃料電池排ガスや、改質装置の燃焼部から排出される燃焼排ガスは水分を含んでおり、燃料電池発電装置の系内での水自立(外部からの補給水を受けいれることなく運転を継続する状態)を維持するため、燃料電池排ガスや燃焼排ガスから凝縮水を回収し、再利用することが一般的に行われている。そして、凝縮水には、炭酸イオンや、配管から溶出した金属イオン等が含まれており、これらのイオンは、電極触媒や、改質触媒に悪影響を及ぼす恐れがあるので、凝縮水は、脱イオン処理を行った後、再利生するようにしている。
【0003】
凝縮水の脱イオン処理方法としては、電気式脱イオン装置を用いて凝縮水を脱イオン処理する試みが近年行われている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、燃料電池を有する燃料電池発電装置と、水回収装置と、電気式脱イオン装置とを備え、燃料電池で生じた水回収装置で回収された生成水を、ポンプにより電気式脱イオン装置の脱イオン室と濃縮室に送って脱イオン水と濃縮水に分離し、脱イオン水を燃料電池発電装置の冷却水とする、燃料電池発電装置用水処理システムが開示されている。
【特許文献1】特開2001−236981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の水処理システムでは、燃料電池発電装置と電気式脱イオン装置とが独立して設けられているので、燃料電池発電装置の設置スペースの他に、電気式脱イオン装置の設置スペースも必要で、更に両者を連結する配管等も必要となるため、大きな設置スペースを確保しなければならず、家庭用等に燃料電気発電装置を適用する際に不都合が生じる問題があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、イオンが含まれた凝縮水の脱イオン処理を確実に行うことできると共に、装置の製造コストを低廉にでき、かつ、装置をコンパクトにして省スペース化を図ることができる、燃料電池発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の燃料電池発電装置は、
電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極が配置された電池単セルと、冷却水が通過する冷却水路を備えた冷却板とを複数積層し、一対の集電板で挟持した燃料電池セルスタックと、
陽極と陰極の間に、イオン交換膜によって区画された脱塩室と濃縮室とを有する電気式脱イオン装置とを備え、
前記電気式脱イオン装置が前記電池セルスタックに連設されて一体に締結されている、
ことを特徴とする。
【0008】
上記本発明によれば、電気式脱イオン装置を電池セルスタックに連設させて、一体に締結したことで、電気式脱イオン装置の設置スペースを縮小でき、燃料電池発電装置をより小型化できる。
【0009】
本発明の燃料電池発電装置は、前記燃料電池セルスタックの集電板の一方が、前記電気式脱イオン装置の陽極又は陰極をなすように前記電気式脱イオン装置が前記電池セルスタックに連設されて一体に締結されていることが好ましい。この態様によれば、燃料電池セルスタックの集電板の一方を、電気式脱イオン装置の電極の一方と共用するので、燃料電池発電装置をより小型化できると共に、部品点数を減らすことができる。
【0010】
本発明の燃料電池発電装置は、前記電気式脱イオン装置が、前記燃料電池セルスタックの冷却水供給口側に連設され、前記脱塩室から排出される処理水を、前記燃料電池セルスタックの前記冷却水路に流通させ、前記濃縮室から排出される濃縮水を前記燃料電池セルスタックの系外に排水するように構成されていることが好ましい。脱塩室から排出される処理水はイオン濃度が少ないので、処理水のみを冷却水として利用するようにすることで、燃料電池セルスタックへのイオン負荷を極めて低減できる。
【0011】
本発明の燃料電池発電装置は、前記電気式脱イオン装置が、前記燃料電池セルスタックの冷却水供給口側に連設され、前記脱塩室から排出される処理水と、前記濃縮室から排出される濃縮水とを、それぞれ独立した経路で前記燃料電池セルスタックの前記冷却水路を流通させるように構成されていることが好ましい。これによれば、濃縮水と処理水の両方を燃料電池セルスタックの冷却水として利用するので、冷却効率が高い。また、濃縮水は、燃料電池セルスタックからの熱により加温されるので、脱炭酸処理がなされ、濃縮水を再度水処理する際において、水処理装置にかかる負荷をより低減できる。更には、処理水と濃縮水の排水口を、燃料電池セルスタックの冷却水排出側に集中して配置できるので、装置全体をより小型化できる。
【0012】
本発明の燃料電池発電装置は、前記燃料電池セルスタックの冷却水排水口側から排出される前記処理水を、燃料電池本体に供給する反応ガスの加湿水及び/又は炭化水素を水蒸気改質する際の改質水として利用するように構成されていることが好ましい。前記処理水は、電気式脱イオン処理装置にて脱イオン処理されているので極めてイオン濃度が低く、加湿水や改質水として好適に利用できる。
【0013】
本発明の燃料電池発電装置は、前記電気式脱イオン装置が、前記燃料電池セルスタックの冷却水排出口側に連設され、前記燃料電池セルスタックの前記冷却水路を流通した後の冷却水を前記電気式脱イオン装置の前記脱塩室と前記濃縮室とに分岐させて供給するように構成されていることが好ましい。この態様によれば、濃縮水と処理水とに分流する前の全量を冷却水として利用するので高い冷却効率が得られる。さらに、燃料電池セルスタックの熱を受けて昇温され炭酸ガスの溶解度が低下した冷却水を、電気式脱イオン装置に供給するので、電気式脱イオン装置にかかる負荷をより低減できる。
【0014】
本発明の燃料電池発電装置は、前記電気式脱イオン装置の前記脱塩室から排出される処理水を、燃料電池本体に供給する反応ガスの加湿水及び/又は炭化水素を水蒸気改質する際の改質水として利用するように構成されていることが好ましい。電気式脱イオン装置の脱塩室から排出される処理水は、イオン濃度が極めて低いので、加湿水や改質水として好適に利用できる。
【0015】
本発明の燃料電池発電装置は、前記処理水を加湿器に流通させた後、冷却水タンクに貯留するように構成されていることが好ましい。上記処理水は、イオン濃度が極めて低減されているので、燃料電池本体に供給する反応ガスの加湿水として好適に用いることができる。そして、加湿器を通過させて残った処理水は、冷却水タンクに貯留するので、イオン濃度が低減された水を貯留して、炭化水素を水蒸気改質する際の改質水などとして利用できる。
【0016】
本発明の燃料電池発電装置は、前記加湿器が、電気式脱イオン装置及び電池セルスタックと共に締め付けられ一体に構成されていることが好ましい。この態様によれば、加湿器を電池セルスタックと一体化させるので、より小型化が可能である。
【0017】
本発明の燃料電池発電装置は、前記電気式脱イオン装置のイオン交換膜が、アニオン交換膜、あるいは、アニオン交換膜とカチオン交換膜を併用したものであることが好ましい。これによれば、電気式脱イオン装置のイオン交換膜として、アニオン交換膜を使用することで、処理水中の炭酸イオンを極めて低濃度にできる。また、アニオン交換膜とカチオン交換膜を併用した場合には、炭酸イオンに加え、金属イオンなども同時に除去できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の燃料電池発電装置によれば、電気式脱イオン装置を電池セルスタックに連設させて一体に締結したことで、燃料電池発電装置をより小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図1〜3を参照して、本発明の燃料電池発電装置の第一の実施形態について説明する。図1には、本発明の燃料電池発電装置(以下、「発電装置」という)の概略構成図が示されており、図2には、発電装置の要部構成図が示されており、更に、図3には、同発電装置の要部分解斜視図が示されている。
【0020】
図2に示すように、燃料電池セルスタック10(以下、「セルスタック10」という)は、電池単セル1を複数積層すると共に、複数層の電池単セル1の一側面には、集電板15が配置され、他側面には、集電板20が配置され、一対の集電板15,20で挟持された構造をなしている。各電池単セル1は、図1に示すように、電解質1cを挟持するアノード電極1a及びカソード電極1bを有しており、更に所定数の電池単セル1に対して、冷却管を有する冷却板1dが配設された構成となっている。
【0021】
図3に示すように、集電板15,20の上端からは、端子16,21がそれぞれ突設しており、両端子16,21が電気的に接続されている。また、集電板20の下辺中央には、セルスタック10の冷却系に、外部からの冷却水を供給するための冷却水供給口20Bが形成されている。更に、一方の集電板15の外面には、ガス分配板65が配置されている。
【0022】
そして、この発電装置においては、上記構成からなるセルスタック10の冷却水供給口20B側に、電気式脱イオン装置30が連設された構造となっている。電気式脱イオン装置30は、凝縮水に含まれる炭酸イオンなどを脱イオン処理して除去する装置である。
【0023】
電気式脱イオン装置30は、陽極と陰極の間に、イオン交換膜32によって区画された脱塩室R1と濃縮室R2とを有し、脱塩室R1にはイオン交換樹脂が充填された構造をなしている。脱塩室R1に流入した凝縮水中のイオンは、脱塩室R1に充填されたイオン交換樹脂で捕捉される。そして、陽極及び陰極で電気を印加することにより、イオン交換樹脂に捕捉されたイオンが、イオン交換膜32を介して選択的に濃縮室R2に移動して、凝縮水を、イオンが取り除かれた処理水(冷却水)と、イオンが濃縮された濃縮水とに分離させる。
【0024】
図2,3に示すように、この実施形態の電気式脱イオン装置30は、イオン交換膜32を挟み込むように、その両側面に配置された処理水流路板35及び濃縮水流路板40と、前記処理水流路板35の外面に配置された水分配板45と、該水分配板45の外面に配置され、陽極若しくは陰極のいずれか一方をなす電極板50とを有している。各板35,40,45,50には、それぞれ複数の貫通孔及び凹溝が形成されており、各板に対して整合した位置にある貫通孔若しくは凹溝は、流体を流動させるための流路を構成している。
【0025】
すなわち、この実施形態では、各板の上辺中央に形成されたものは、被処理水マニホールドAを構成し、下辺中央のものは、処理水マニホールドBを構成し、一側辺の下端部のものは、濃縮水流入マニホールドCを構成し、一側辺の上端部のものは、濃縮水排出マニホールドDを構成している。また、各板の他側辺の上下両端部にそれぞれ設けられた貫通孔には、セルスタック10に、燃料ガス及び空気を供給するための、燃料ガスマニホールドE、空気マニホールドFを構成している。なお、各マニホールドは、便宜上、矢印で示すものとする。
【0026】
以下、電気式脱イオン装置30の構造について説明すると共に、上記各マニホールドを構成する貫通孔及び凹溝についても説明する。なお、同種のマニホールドを構成する貫通孔及び凹溝には、その符番の末尾に同符号(A〜D)が付されている。また、燃料ガスマニホールドE、空気マニホールドFを構成するものは、すべて貫通孔であり、その説明を省略する。
【0027】
前記イオン交換膜32は、アニオン交換膜、あるいは、アニオン交換膜とカチオン交換膜を併用したものが好ましく用いられる。イオン交換膜32として、アニオン交換膜を使用することで、処理水中の炭酸イオンを極めて低濃度にできる。また、アニオン交換膜とカチオン交換膜を併用した場合には、炭酸イオンに加え、金属イオンなども同時に除去できるので、セルスタックなどへのイオン負荷をより低減できる。
【0028】
図2,3に示すように、処理水流路板35は、イオン交換膜32の、セルスタック10とは反対側の面に配置されている。この処理水流路板35の内面(イオン交換膜32側の面)には、図示しないイオン交換樹脂が充填された、所定深さの凹部36が形成されており、この凹部36の開口側にイオン交換膜32が配置されて、脱塩室R1が画成されている。また、処理水流路板35の上下両辺の中央部には、貫通孔35Aと、凹溝35Bがそれぞれ形成されており、貫通孔35A及び凹溝35Bは、板内面に形成された絞り溝37を介して、前記凹部36に連通している。その結果、後述する水分配板45の貫通孔45Aを通って、処理水流路板35の貫通孔35Aに凝縮水が供給され。そして、同凝縮水がイオン交換樹脂によりイオンが捕捉されつつ脱塩室R1内を流動して、凹溝35B側へ移動するようになっている。更に、処理水流路板35の一側辺の上下両端部には、貫通孔35D,35Cがそれぞれ形成されている。
【0029】
濃縮水流路板40は、イオン交換膜32の、セルスタック10側の面に配置されている。この濃縮水流路板40の下辺中央には、貫通孔40Bが形成され、更にその内面(イオン交換膜32側の面)には、所定深さの凹部41が形成されていて、該凹部41の開口側にイオン交換膜32が配置されることにより、濃縮室R2が画成されている。また、凹部41の底面中央からは、一側辺から他側辺に至る途中まで伸びる、横長の隔壁41aが突設されている。更に、濃縮水流路板40の一側辺の上下両端部には、その内面側から所定深さの凹溝40D,40Cがそれぞれ形成され、各凹溝40D,40Cは、前記凹部41に連通している。その結果、後述する水分配板45で分配された凝縮水の一部が、処理水流路板35の貫通孔35Cを通って、濃縮水流路板40の凹溝40Cに供給される。そして、同凝縮水が濃縮室R2内を前記隔壁41aに沿って流動し、濃縮室R2内に貯留したイオンを多く含んだ濃縮水として、凹溝40D側へ移動するようになっている。このように隔壁41aに沿って冷却水が流動することにより、濃縮室R2内にイオンを多く含んだ水が停滞しにくくなり、濃縮室R2に濃度勾配が生じることを抑制できる。なお、前記隔壁41aは、上記形状に限らず、リブ状のものを複数配列したり、蛇行形状としたりしてもよく、特に限定されない。
【0030】
処理水流路板35の外面側には、水分配板45が配置されている。図3に示すように、この水分配板45の上辺中央には、貫通孔45Aが形成され、一側辺の下端部には凹溝45Cが形成されている。また、一側辺の上端部には貫通孔45Dが形成されている。そして、水分配板45の内面(処理水流路板35側の面)には、上辺中央から一側辺下端部に向けて、斜めに伸びる幅狭の分岐溝46が形成されている。この分岐溝46は、その両端部が前記貫通孔45A、凹部45Cにそれぞれ連通している。その結果、後述する電極板50の貫通孔50A通って、水分配板45の貫通孔45Aに導入された凝縮水は、貫通孔45Aの始端に連通して設けられた分岐溝46によって、2つの流れに分岐される。そして、一方の凝縮水は、水分配板45の貫通孔45A通って処理水流路板35の貫通孔35Aへと流動して、脱塩室R1内へ導入される。また、他方の凝縮水は、分岐溝46を通って凹溝45Cから、処理水流路板35の貫通孔35Cを通過して濃縮水流路板40の凹溝40Cへ流動し、濃縮室R2内へと導入される。なお、脱塩室R1及び濃縮室R2への凝縮水の分配量は、上記分岐溝46の幅、深さ、長さなどを調整することによって適宜調整することができる。
【0031】
上記水分配板45の外面側には、電気式脱イオン装置30の陽極又は陰極のいずれか一方をなす、電極板50が配置されている。この電極板50の上辺中央、及び、一側辺の上端部には、貫通孔50A、50Dがそれぞれ形成されている。また、電極板50の上端中央からは、端子51が突設していており、前記セルスタック10の一方の集電板15の端子16に電気的に接続されている。すなわち、この電気式脱イオン装置30においては、セルスタック10の一方の集電板15を、陽極又は陰極として利用した構造をなしている。
【0032】
上記電気式脱イオン装置30においては、被処理水マニホールドAは、電極板の貫通孔50Aと、水分配板45の貫通孔45Aと、処理水流通板35の貫通孔35Aで構成されている。また、処理水マニホールドBは、処理水流通板35の凹溝35Bと、濃縮水流通板40の貫通孔40Bで構成されている。また、濃縮水流入マニホールドCは、水分配板45の凹溝45Cと、処理水流通板35の貫通孔35Cと、濃縮水流通板40の凹溝40Cで構成されている。また、濃縮水排出マニホールドDは、濃縮水流通板40の凹溝40Dと、処理水流通板35の貫通孔35Dと、水分配板45の貫通孔45Dと、電極板の貫通孔50Dとで構成されている。そして、外部から電気式脱イオン装置30に供給される凝縮水の一方は、その被処理水マニホールドAを通って脱塩室R1内に導入されて、そこで脱イオン処理がなされて処理水となり、該処理水が処理水マニホールドBを通って冷却水供給口20Bから、セルスタック10の冷却水路(図2参照)へと供給される。一方、水分配板45の分岐溝46を介して分配された凝縮水は、濃縮水流入マニホールドCを通って濃縮室R2に導入されて濃縮水となり、該濃縮水が濃縮水排出マニホールドDを通って外部へ排出される。
【0033】
上記構造をなす電気式脱イオン装置30及びセルスタック10は、図2に示すように、濃縮水流路板40と他方の集電板20とを当接させ、両装置の外側面に配置された一対の締付板60,60を、図示しないボルト及びナット等の締付け固定手段により、互いに締付け固定することにより、両装置が一体化されるようになっている。
【0034】
このように、この発電装置においては、電気式脱イオン装置30をセルスタック10の冷却水供給口側に連設させると共に、セルスタック10の一方の集電板15を、脱イオン装置30の電極板のひとつとして兼用するように構成されているので、部品点数を減らして、発電装置をより小型化することができ、そのコストも低廉化することができる。そして、装置全体を小型化できる結果、家庭用等の設置スペースが限られている箇所にも、問題なく設置することができる。
【0035】
次に、上記のセルスタックを組み込んだ本発明の燃料電池発電装置について説明する。
【0036】
図1に示すように、セルスタック10を構成する電池単セル1のアノード電極1aの改質ガス供給側は、改質装置3から伸びた改質ガス供給ラインL1が連結している。この改質ガス供給ラインL1には、改質ガスドレントラップQ1が配置されており、改質ガスドレントラップQ1の凝縮水貯留部からは、改質ガス凝縮水供給ラインL2が伸びて、脱炭酸装置5に連結している。
【0037】
アノード電極1aのアノードオフガス排出側からは、アノードオフガス排出ラインL3が伸びており、その先端側は、燃焼用燃料供給ラインL12に連結している。また、アノードオフガス排出ラインL3には、途中にアノードオフガスドレントラップQ2が配置されており、アノードオフガスドレントラップQ2の凝縮水貯留部からは、アノードオフガス凝縮水供給ラインL4が伸びて、脱炭酸装置5に連結している。
【0038】
カソード電極1bの空気供給側は、空気供給源から伸びた空気供給ラインL5が連結している。この空気供給ラインL5には、加湿器2が配置されている。加湿器2には加湿水循環ラインL7が接続しており、電池冷却水タンク12に貯留された脱イオン水を、加湿水循環ラインL7を通して加湿器2に循環供給できるように構成されている。
【0039】
カソード電極1bの排空気排出側からは、カソードオフガス排出ラインL6が伸びて、水タンク4に連結している。このカソードオフガス排出ラインL6には、カソードオフガス熱交換器Q3が配置されている。
【0040】
冷却板1dの冷却水排出側からは、処理水排出ラインL30が伸びて、電池冷却水タンク12に連結している。
【0041】
前述したように、このセパレータ10の冷却水導入側には、電気式脱イオン装置30が連設されており、その濃縮水排出マニホールドDからは、濃縮水排出ラインL31が伸びて脱炭酸装置5に連結している。
【0042】
改質装置3は、水蒸気改質触媒が充填された改質触媒層3aと、バーナが配置された燃焼部3bとを備え、バーナで燃焼用燃料を燃焼した際に発生する燃焼熱及び燃焼排ガスで前記改質触媒層3aを加熱するように構成されている。
【0043】
改質触媒層3aの改質原料の投入側は、原燃料源から伸びた原燃料供給ラインL9と、電池冷却水タンク12から伸びた改質水供給ラインL10が連結している。
改質触媒層3aの改質ガス吐出側からは、改質ガス供給ラインL1が伸びてアノード電極1aに連結している。
【0044】
燃焼部3bの燃焼燃料導入口側は、燃焼用燃料供給ラインL12と、燃焼空気供給ラインL11とが連結しており、燃焼部3bに配置されたバーナに燃料用燃料と燃焼用空気とを供給できるように構成されている。燃焼用燃料供給ラインL12の上流側は、アノードオフガス排出ラインL3及び原燃料供給ラインL9が接続している。
燃焼部3bの燃焼排ガス排出側からは、燃焼排ガスラインL13が伸びて、脱炭酸装置5に接続している。燃焼排ガスラインL13には、途中燃焼排ガス熱交換器Q4が配置されている。
【0045】
脱炭酸装置5は、水タンク4の上部に隣接して配設されており、ドレン口6を介して連通している。脱炭酸装置5の上部には、改質ガス凝縮水供給ラインL2、アノードオフガス凝縮水供給ラインL4、燃焼排ガスラインL13、濃縮水排出ラインL31が連結している。また、脱炭酸装置5からは、排気ラインL16が伸びている。
【0046】
脱炭酸装置5としては特に限定はなく、凝縮水と脱炭酸用空気とを接触させて凝縮水中の炭酸ガスを気中拡散して脱気できるような構成のものが好ましく用いることができる。このような構成の脱気装置としては、SUS等のラッシヒリングが充填された脱気部を備え、該脱気部の上部に凝縮水を供給すると共に、脱気部の下部から脱炭酸用空気を供給し、凝縮水を重力落下させながら脱炭酸用空気と接触させて脱炭酸処理するような構成のものや、例えば、特開2007−323969号に開示されているような、多孔質材料で構成された傾斜板が配置された脱気部を備え、傾斜板の下部側から上部側へ脱炭酸用空気を流通させると共に、傾斜板の上部側から下部側へ向けて凝縮水を流下させて、凝縮水を脱炭酸処理するような構成のものなどが一例として挙げられる。
【0047】
水タンク4には、カソードオフガス排出ラインL6と、電池冷却水タンク12から伸びた電池冷却水オーバフローラインL15が接続している。また、水タンク4の側壁には、タンク水オーバフローラインL17が伸びて、タンク内の水位が一定水位を超えないようにされている。また、水タンク4の下部からは、回収水供給ラインL18が伸びている。
【0048】
回収水供給ラインL18には、上流側から入口フィルタ8、金属イオン除去装置9が配置されている。そして、回収水供給ラインL18は、前記電気式脱イオン装置30の凝縮すいマニホールドAに連結している。
【0049】
入口フィルタ8としては、水タンク4で回収した回収水に含まれている煤や粉塵等の不純物を除去するものであれば特に限定はなく、金属除去フィルタ、微粒子除去フィルタ等が好ましく挙げられる。
【0050】
金属イオン除去装置9としては、凝縮水中に含まれる金属イオン吸着樹脂や、キレート樹脂などが好ましく挙げられる。
【0051】
次に、本発明の発電装置の動作について説明する。
【0052】
改質装置3では、原燃料供給ラインL9から供給される原燃料を、改質水供給ラインL10から供給される改質水と混合して、改質触媒層3aに供給し、水蒸気改質反応により水素に富む改質ガスを生成させる。水蒸気改質反応は、吸熱反応であることから、改質装置3の燃焼部3bに、燃焼用燃料供給ラインL12から燃焼用燃料と、燃焼空気供給ラインL11から燃焼空気を供給し、これらを燃焼して改質触媒層3aを加熱する。なお、燃料電池発電装置の起動開始時においては、燃焼用燃料としては、原燃料供給ラインL9から供給される原燃料を主体として用いられ、燃焼部3bでの燃焼状態が安定し、改質触媒層3aが十分加熱されたら、アノードオフガスが主体として用いられる。
【0053】
そして、改質装置3で生成された改質ガスは、改質ガス供給ラインL1を通ってアノード電極1aに供給される。改質ガスに含まれる凝縮水は、改質ガス供給ラインL1の途中に配置された改質ガスドレントラップQ1にて回収され、改質ガス凝縮水供給ラインL2を通って脱炭酸装置5に供給される。
【0054】
セルスタック10では、アノード電極1aに供給された改質ガスと、カソード電極1bに供給された空気とを電解質1cの界面で電気化学反応させて発電し、この発電出力を電力系統に供給する。
【0055】
カソード電極1bから排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス熱交換器Q3で冷却されて、カソードオフガス凝縮水とカソードガスと共に、カソードオフガス排出ラインL6を通って水タンク4に供給される。
【0056】
アノード電極1aから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出ラインL3を通って燃焼部3bへと供せられ、燃焼用燃料として用いられる。アノードオフガスに含まれる凝縮水は、アノードオフガス排出ラインL3の途中に配置されたアノードオフガスドレントラップQ2にて回収され、アノードオフガス凝縮水供給ラインL4を通って脱炭酸装置5に供給される。
【0057】
改質装置3の燃焼部3bから排出される燃焼排ガスは、燃焼排ガス熱交換器Q4で冷却されて、燃焼排ガスと共に脱炭酸装置5に供給される。
【0058】
そして、水タンク4に回収された凝縮水は、入口フィルタ8にて煤や粉塵等の不純物除去が行われた後、金属イオン除去装置9にて金属イオンの除去処理を行った後、電気式脱イオン装置30に送られる。
【0059】
図2,3を併せて参照すると、回収水供給ラインL18を通って電気式脱イオン装置30に導入した凝縮水は、水分配板45の分岐溝46を介して、被処理水マニホールドAを通る流れと、濃縮水流入マニホールドCを通る流れとに、分岐される。
【0060】
被処理水マニホールドA側を流れる凝縮水は、脱塩室R1を通ることによって、内部に充填されたイオン交換樹脂にイオンが捕捉される。そして、電気を印加することで、イオン交換樹脂に捕捉されたイオンが選択的にイオン交換膜32を通過して、濃縮室R2側へと移動する。これによって、脱塩室R1を流通する凝縮水は、脱イオン処理がなされて処理水となり、セルスタック10の冷却水系に供給される。
【0061】
一方、濃縮水流入マニホールドCを流れる凝縮水は、濃縮室R2に導入されて、同濃縮室R2側へ移動した多量のイオンが含有した濃縮水となり、この濃縮水が濃縮水排出マニホールドDを通って、電気式脱イオン装置30から排出される。排出された濃縮水は、濃縮水排出ラインL31を通って脱炭酸装置5へと供給される。
【0062】
このように、この実施形態では、処理水マニホールドBによって処理水を、セルスタック10の冷却水系に供給すると共に、濃縮水排出マニホールドDによって濃縮水を、セルスタック10の系外に排水するように構成されているので、セルスタック10にかかるイオン負荷を極めて低減できる。
【0063】
そして、セルスタック10に供給された処理水は、処理水排出ラインL30を通って電気冷却水タンク12へと供給され、この処理水が、セルスタック10に供給する反応ガスの加湿水や、改質装置3に供給する加湿水等として利用できるように構成されている。
【0064】
図4に、本発明の燃料電池発電装置の第二の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略する。
【0065】
この実施形態では、加湿器2が、処理水排出ラインL30上に配置されている点で、上記第一の実施形態と相違する。
この実施形態によれば、加湿水循環ラインL7が不要であるので、配管構成が簡略化でき、よりコンパクトな装置にできる。また、加湿器2には、セルスタック10で昇温された冷却水(脱イオン水)で加湿でき、高い加湿性能を得ることができる。
【0066】
図5には、本発明の燃料電池発電装置の第三の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
この実施形態では、濃縮水をセルスタック10の系外へと排出せず、セルスタック10へ供給する点で、前記実施形態と異なっている。
すなわち、この実施形態においては、濃縮水流路板40aの一側辺の上端部に、貫通孔40D’が形成されており、これが濃縮水供給マニホールドD’をなし、処理水マニホールドBに連通したセルスタック10の冷却水路とは、別系統の冷却水路に連通した構成となっている。すなわち、脱塩室R1から排出される処理水と、濃縮室R2から排出される濃縮水とを、それぞれ独立した経路でセルスタック10の冷却水路に流通するように構成されている。
【0068】
この実施形態によれば、処理水と濃縮水とをセルスタック10の冷却水として利用するので、冷却効率が高い。また、濃縮水は、セルスタック10からの熱により加熱されるので、炭酸ガスの溶解度が低下して、凝縮水に溶解していた炭酸ガスが放散して脱炭酸処理がなされる。その結果、濃縮水を再度水処理する際において、水処理装置にかかる負荷をより低減できる。更には、処理水と濃縮水の排水口を、セルスタック10の冷却水排出側に集中して配置できるので、装置全体をより小型化できる。
【0069】
図6には、本発明の燃料電池発電装置の第四の実施形態が示されている。なお、図1〜3に示す第一の実施形態と同一の構成については図示及び説明を省略する。
【0070】
本実施形態では、燃料電池セルスタック10の冷却水供給口側に電気式脱イオン装置30を、燃料電池セルスタック10の冷却水排出口側に加湿器2aをそれぞれ連設して全体を締め付けて一体化している点で相違する。
【0071】
燃料電池セルスタック10と一体化して用いる加湿器2aとしては、図7に示すような、被加湿ガス(反応ガス)の流路82が形成されたプレート83と、加湿水(処理水)の流路84が形成されたプレート85とを、それぞれの流路が水透過膜81を介して対向するように配置してなる加湿器などを用いることができる。このような加湿器としては、例えば、特開2001−307753などに記載されている。
【0072】
本実施形態によれば、加湿器2aをセルスタック10の冷却水排出口側に連設し、セルスタック10中の冷却板1dを流通した後の冷却水(脱イオン水)を加湿器2aに導入して、セルスタック10に供給する反応ガス(この実施形態では空気)を加湿している。
【0073】
冷却板1dを流通した後の冷却水は、セルスタック10の熱を受けて昇温されているので、セルスタック10に供給する反応ガスを昇温すると共に、加湿することができるので、高い加湿性能を得ることが出来る。また、本実施形態では第一の実施形態において設けられていた冷却水タンク12と加湿器2とを経由する加湿水循環ラインL7が不要になるので、配管構成がより簡略化でき、よりコンパクトな装置にすることができる。
【0074】
図8には、本発明の燃料電池発電装置の第五の実施形態が示されている。なお、図1〜3に示す第一の実施形態と同一の構成については図示及び説明を省略する。
【0075】
本実施形態では、燃料電池セルスタック10の冷却水排出側に電気式脱イオン装置30が連設され、電気式脱イオン装置30の処理水出口側に加湿器2aが連設されて、これらを一体に締め付けて構成されている。
【0076】
本実施形態では、水タンク4から供給される回収水は、燃料電池セルスタック10の冷却板1dを流通後、電池脱イオン装置30の濃縮室と脱塩室とに分かれて流通する。脱塩室から出た脱イオン水は、続けて加湿器2aの加湿水(処理水)の流路82を流れて、水透過膜81の反対側を流通する空気を加湿する。
【0077】
本実施形態によれば、セルスタック10の熱を受けて昇温された冷却水を、電池脱イオン装置30に供給するので、炭酸ガスの溶解度が低下して、冷却水に溶解していた炭酸ガスが放散して脱炭酸処理がなされる。その結果、電気式脱イオン装置30にかかる負荷をより低減できる。また、セルスタック10の熱を受けて昇温された冷却水を、電気式脱イオン装置30で脱イオン処理して加湿器2bに供給するので、上記第三の実施形態と同様、セルスタック10に供給する反応ガスを昇温すると共に、加湿することができ、高い加湿性能を得ることが出来る。更には、冷却水タンク12と加湿器2とを経由する加湿水循環ラインL7が不要になるので、配管構成がより簡略化でき、よりコンパクトな装置にすることができる。
【0078】
なお、本実施例では、回収水を冷却水として燃料電池セルスタック10の冷却板1dに流通させた後、電気式脱イオン装置30に供給するため、電気式脱イオン装置30に用いるイオン交換膜およびイオン交換樹脂は、冷却水出口温度に耐えるものを採用することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の燃料電池発電装置の第一の実施形態の概略構成図である。
【図2】同燃料電池発電装置の要部の概略構成図である。
【図3】同燃料電池発電装置の要部の分解斜視図である。
【図4】本発明の燃料電池発電装置の第二の実施形態の概略構成図である。
【図5】本発明の燃料電池発電装置の第三の実施形態を示す要部の分解斜視図である。
【図6】本発明の燃料電池発電装置の第四の実施形態を示す要部の概略構成図である。
【図7】同燃料電池発電装置に用いる加湿器の概略構成図である。
【図8】本発明の燃料電池発電装置の第五の実施形態を示す要部の概略構成図である。
【符号の説明】
【0080】
1:電池単セル
1a:アノード電極
1b:カソード電極
1c:電解質
1d:冷却板
2,2a:加湿器
3:改質装置
3a:改質触媒層
3b:燃焼部
4:水タンク
5:脱炭酸装置
6:ドレン口
8:入口フィルタ
9:金属イオン除去装置
10:燃料電池セルスタック(セルスタック)
12:電池冷却水タンク
15,20:集電板
16,21,51:端子
30:電気式脱イオン装置
32:イオン交換膜
35:処理水流路板
40,40a:濃縮水流路板
45:水分配板
50:電極板
60:締付板
65:ガス分配板
A:被処理水マニホールド
B:処理水マニホールド
C:濃縮水流入マニホールド
D:濃縮水排出マニホールド
D’:濃縮水供給マニホールド
E:燃料ガスマニホールド
F:空気マニホールド
L1:改質ガス供給ライン
L2:改質ガス凝縮水供給ライン
L3:アノードオフガス排出ライン
L4:アノードオフガス凝縮水供給ライン
L5:空気供給ライン
L6:カソードオフガス排出ライン
L7:加湿水循環ライン
L9:原燃料供給ライン
L10:改質水供給ライン
L11:燃焼空気供給ライン
L12:燃焼用燃料供給ライン
L13:燃焼排ガスライン
L15:電池冷却水オーバフローライン
L16:排気ライン
L17:タンク水オーバフローライン
L18:回収水供給ライン
L30:処理水排出ライン
L31:濃縮水排出ライン
Q1:改質ガスドレントラップ
Q2:アノードオフガスドレントラップ
Q3:カソードオフガス熱交換器
Q4:燃焼排ガス熱交換器
R1:脱塩室
R2:濃縮室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極が配置された電池単セルと、冷却水が通過する冷却水路を備えた冷却板とを複数積層し、一対の集電板で挟持した燃料電池セルスタックと、
陽極と陰極の間に、イオン交換膜によって区画された脱塩室と濃縮室とを有する電気式脱イオン装置とを備え、
前記電気式脱イオン装置が前記電池セルスタックに連設されて一体に締結されている、
ことを特徴とする燃料電池発電装置。
【請求項2】
前記燃料電池セルスタックの集電板の一方が、前記電気式脱イオン装置の陽極又は陰極をなすように前記電気式脱イオン装置が前記電池セルスタックに連設されて一体に締結されている、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記電気式脱イオン装置が、前記燃料電池セルスタックの冷却水供給口側に連設され、前記脱塩室から排出される処理水を、前記燃料電池セルスタックの前記冷却水路に流通させ、前記濃縮室から排出される濃縮水を前記燃料電池セルスタックの系外に排水するように構成されている、請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記電気式脱イオン装置が、前記燃料電池セルスタックの冷却水供給口側に連設され、前記脱塩室から排出される処理水と、前記濃縮室から排出される濃縮水とを、それぞれ独立した経路で前記燃料電池セルスタックの前記冷却水路を流通させるように構成されている、請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記燃料電池セルスタックの冷却水排水口側から排出される前記処理水を、燃料電池本体に供給する反応ガスの加湿水及び/又は炭化水素を水蒸気改質する際の改質水として利用するように構成されている、請求項3又は4に記載の燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記電気式脱イオン装置が、前記燃料電池セルスタックの冷却水排出口側に連設され、前記燃料電池セルスタックの前記冷却水路を流通した後の冷却水を、前記電気式脱イオン装置の前記脱塩室と前記濃縮室とに分岐させて供給するように構成されている、請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
【請求項7】
前記電気式脱イオン装置の前記脱塩室から排出される処理水を、燃料電池本体に供給する反応ガスの加湿水及び/又は炭化水素を水蒸気改質する際の改質水として利用するように構成されている、請求項6に記載の燃料電池発電装置。
【請求項8】
前記処理水を加湿器に流通させた後、冷却水タンクに貯留するように構成されている、請求項5又は7に記載の燃料電池発電装置。
【請求項9】
前記加湿器が、電気式脱イオン装置及び電池セルスタックと共に締め付けられ一体に構成されている請求項8に記載の燃料電池発電装置。
【請求項10】
前記電気式脱イオン装置のイオン交換膜が、アニオン交換膜、あるいは、アニオン交換膜とカチオン交換膜を併用したものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−224290(P2009−224290A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70578(P2008−70578)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】