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燃料電池車の車体構造
説明

燃料電池車の車体構造

【課題】燃料電池車を小型化し、車両正面に荷重(衝撃)が入力されたときに、スタックの衝撃を吸収し、スタックの損傷とフロアパネルの破断を抑制した燃料電池車の車体構造を提供する。
【解決手段】燃料電池車11の車体構造12では、水素と酸素で電気を発生させるスタック16が運転席座席及び助手席座席からダッシュボードロア55までの間で、センタトンネル15内に配置され、センタトンネル15は、ダッシュボードロア55から運転席座席と助手席座席の直前までスタック16を収納している幅広部48を形成し、幅広部48に連ねて幅広部48の幅に比べ幅を漸減しているトンネル幅変化部52を形成し、トンネル幅変化部52に連ねて車両後方へ幅狭部47を延ばし、トンネル幅変化部52は、前突でスタック16側が後退するのに伴い衝撃を吸収する衝撃吸収部61を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料の水素と酸素によって電気を発生させるスタックをセンタトンネル内に搭載しながら、車幅をより一層小型とした燃料電池車の車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池車の車体構造には、燃料の水素と酸素で電気を発生させる燃料電池スタックをセンタトンネル内に配置することで車室外に搭載し、且つ、運転席座席と助手席座席との間に燃料電池スタックを配置することで、車両正面に入力されることも考えられる衝撃から燃料電池スタックを保護しているものがある(例えば、特許文献1(図6、図7)参照)。
【0003】
しかし、従来技術(特許文献1)では、燃料電池スタックを保護するには、燃料電池スタックを運転席座席と助手席座席の間に配置する必要があり、結果的に、燃料電池車の車幅の制約が大きくなり、より小型の燃料電池スタック(以降、スタックと呼称する。)を搭載するのは困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−15590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、燃料電池車を小型化し、車両正面に荷重(衝撃)が入力されたときに、スタックの衝撃を吸収し、スタックの損傷とフロアパネルの破断を抑制した燃料電池車の車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、運転席座席と助手席座席の間に設けて車両前後方向へ延ばしたセンタトンネル内に水素と酸素で電気を発生させるスタックを配置した燃料電池車の車体構造において、スタックが、運転席座席及び助手席座席から運転席座席及び助手席座席に対向しているダッシュボードロアまでの間に配置され、センタトンネルは、ダッシュボードロアから運転席座席と助手席座席の直前までスタックを収納している幅広部を形成し、幅広部に連ねて幅広部の幅に比べ幅を漸減しているトンネル幅変化部を形成し、トンネル幅変化部に連ねて車両後方へ幅狭部を延ばし、トンネル幅変化部は、前突でスタック側が後退するのに伴い衝撃を吸収する衝撃吸収部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明では、スタックが、運転席座席及び助手席座席から運転席座席及び助手席座席に対向しているダッシュボードロアまでの間に配置され、センタトンネルは、ダッシュボードロアから運転席座席と助手席座席の直前までスタックを収納している幅広部を形成し、幅広部に連ねて幅広部の幅に比べ幅を漸減しているトンネル幅変化部を形成し、トンネル幅変化部に連ねて車両後方へ幅狭部を延ばし、トンネル幅変化部は、前突でスタック側が後退するのに伴い衝撃を吸収する衝撃吸収部を有しているので、センタトンネルの幅狭部によって、運転席座席と助手席座席の間にスタックを配置したときの運転席座席から助手席座席までの距離に比べ、距離を小さくすることができる。従って、燃料電池車の車幅、つまり車両の幅を小さくすることができ、車両の小型化を図ることができる。
【0008】
また、車両正面に荷重(衝突)が入力されて、ダッシュボードロア、センタトンネルが変形しつつ車両後方へ後退すると、センタトンネル内のスタックがともに後退し続ける。その結果、センタトンネルのトンネル幅変化部の衝撃吸収部が変形を開始し、衝撃吸収部が変形することでスタックの衝撃を吸収することができる。
【0009】
さらに、ダッシュボードロア、センタトンネル、スタックがともに後退し続けると、トンネル幅変化部の衝撃吸収部が起点となって、センタトンネルは変形を始める。その結果、センタトンネルの変形した部位とスタックは干渉せず、スタックの損傷を防止することができる。
【0010】
加えて、トンネル幅変化部の衝撃吸収部が起点となって、センタトンネルは変形を始め、フロアパネルの変形を促進させる。従って、フロアパネルの破断を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係る燃料電池車の車体構造の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の実施例に係る燃料電池車の車体構造の概要を示す平面図である。
【図3】実施例に係る燃料電池車の車体構造が備えるセンタトンネル及びダッシュボードパネルの斜視図である。
【図4】実施例に係る燃料電池車の車体構造が備えるスタックと中央サブフレームとの関係を示す平面図である。
【図5】実施例に係る燃料電池車の車体構造が備えるスタックとフレーム枠体の斜視図である。
【図6】実施例に係るセンタトンネルの側面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】実施例に係る燃料電池車の車体構造のスタックへの衝撃を吸収する機構を説明する図である。
【図9】実施例に係る車体構造のスタックへの干渉を抑制する機構を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
実施例に係る燃料電池車11の車体構造12は、図1、図2に示すように、運転席座席13と助手席座席14の間に設けられたセンタトンネル15内に水素と酸素で電気を発生させるスタック16を、運転席座席13と助手席座席14より前に配置し、車幅の小型化を図っている。以降で具体的に説明していく。
【0014】
燃料電池車11は、車室21と、車室21の床をなすアンダボデー22と、アンダボデー22に固定した運転席座席13と、助手席座席14と、アンダボデー22の後部に配置している水素用高圧タンク23と、アンダボデー22に下方から取付けられている中央サブフレーム24と、フロントボデー26と、フロントボデー26のフロントサイドフレーム27に下方から取付けられている前サブフレーム28と、フロントボデー26との隔壁をなしアンダボデー22に含まれるダッシュボードパネル31と、サイドボデー32と、前輪33、前輪33を操舵する操舵装置34と、を備える。
【0015】
燃料電池車11はまた、フロントボデー26内に配置され冷却系に含まれる熱交換器36と、フロントボデー26内で前輪33とダッシュボードパネル31との間に配置されている前輪33駆動用の電動モータ37と、電動モータ37とダッシュボードパネル31との間に配置され操舵装置34に含まれるステアリングギヤボックス38と、を備え、ステアリングギヤボックス38や電動モータ37を前サブフレーム28に載置し、スタック16やスタック補助装置41を中央サブフレーム24に載置して、燃料電池車11の車体構造12を含んでいる。
【0016】
次に、燃料電池車11の車体構造12を主体に説明する。
燃料電池車11の車体構造12は、図1〜図7に示しているように、運転席座席13と助手席座席14の間に設けて車両前後方向へ延ばしたセンタトンネル15内に水素と酸素で電気を発生させるスタック16を配置し、スタック16が、運転席座席13及び助手席座席14から運転席座席13及び助手席座席14に対向しているダッシュボードロア55までの間に配置されている。
センタトンネル15は、ダッシュボードロア55から運転席座席13と助手席座席14の直前までスタック16を収納している幅広部48を形成し、幅広部48に連ねて幅広部48の幅に比べ幅を漸減しているトンネル幅変化部52を形成し、トンネル幅変化部52に連ねて車両後方へ幅狭部47を延ばし、トンネル幅変化部52は、前突でスタック16側、つまりフレーム枠体45が後退するのに伴い衝撃を吸収する衝撃吸収部61を有している。
「前突」とは、車両正面が障害物Sに接触(衝突)すること。
【0017】
運転席座席13は、アンダボデー22に取付けられたスライド装置54で前に前進限位置Eまで移動させることができる。
スライド装置54は既存の構成であり、操作、機構については省略する。
助手席座席14は運転席座席13とほぼ同様で、前進限位置Eまで移動させることができる。
【0018】
センタトンネル15は、前述したが、図2、図3に示すように、アンダボデー22のフロアパネル51に連なり且つ、ダッシュボードパネル31のダッシュボードロア55に幅広部48の前縁をなすトンネル前口部56を接合している。ダッシュボードロア55は、センタトンネル15が位置する中央にアーチ状の切り欠いた部位がないもので、つまり、中央に一体に延長部57が形成されてトンネル前口部56を封じている。
【0019】
幅広部48は、車幅方向を幅としたときに、フレーム枠体45の幅より大きく、フレーム枠体45との間に所望の小さな隙間を設けている。
【0020】
幅狭部47は、幅広部48の幅に比べ、幅を小さくして、運転席座席13と助手席座席14の間に形成され、且つ、後席64の直前まで延びている。
トンネル幅変化部52は、前進限位置Eの運転席座席13と助手席座席14の角部に沿って形成されているとともに、スタック16の長手方向に対して傾斜角α(図2)で漸減させている。逆に表現すると、幅狭部47に対し、傾斜角α(図2)で漸増させている。
【0021】
フレーム枠体45は、図5に示したベースフレーム66が井桁状に形成され、ベースフレーム66の前部67にスタック16の角に沿って第1枠本体68が形成され、ベースフレーム66の後部71にスタック補助装置41に近接させて第2枠本体72が形成され、第1枠本体68にエンドパネル44が設けられている。
【0022】
第2枠本体72は、第1枠本体68の幅に比べ幅が狭く、第1枠本体68に第1枠幅変化部74を介して接合し、ベースフレーム66には第2枠幅変化部75を介して接合している。
【0023】
エンドパネル44は、ダッシュボードロア55の近傍に配置されているとともに、スタック16の正面近傍に設けられ、スタック16の正面77より大きい板である。すなわち、スタック16の正面77とダッシュボードロア55との間を仕切る板で、強度を高めた。
【0024】
衝撃吸収部61は、図6、図7に示したように、平面視(図7の視点)において、凹凸形状に形成されている。詳しくは、中央部(幅狭部47)の膨出変形させたい第1の範囲86にビード部87が複数形成され、トンネル幅変化部52の膨出変形させたい第2の範囲88にビード部91が複数形成され、第1の範囲86と第2の範囲88の境界をなしている谷折り曲げ部92の一方に、谷折り曲げ部92の稜線に沿って平行にビード部87の1本が設けられ、谷折り曲げ部92の他方に、谷折り曲げ部92の稜線に沿って平行にビード部91の1本が設けられている。つまり、谷折り曲げ部92の両側にビード部87、91を形成している。
【0025】
次に、本発明の実施例に係る燃料電池車11の車体構造12の作用を説明する。
燃料電池車11の車体構造12では、図2に示すように、運転席座席13と助手席座席14との間にセンタトンネル15の幅狭部47を設けたので、運転席座席13と助手席座席14の間にスタック16を配置したときの運転席座席13から助手席座席14までの距離に比べ、距離を小さくすることができる。従って、燃料電池車11の車幅、つまり車両の幅を小さくすることができ、車両の小型化を図ることができる。
【0026】
次に、燃料電池車11の車体構造12の衝撃吸収機構を主に図8、図9で説明する。図8はセンタトンネル15の左側を示し、図8(a)は前突したことで衝撃吸収部61に衝撃が入力され始めた状態、図8(b)は衝撃吸収部61で衝撃を吸収した状態を示している。
【0027】
燃料電池車11では、車両正面が障害物Sに接触(衝突)して、ダッシュボードパネル31が変形すると、ダッシュボードパネル31はセンタトンネル15及びフレーム枠体45に荷重(衝撃)を入力する。入力されたフレーム枠体45は形状を保ったまま車両後方へ矢印a1のように移動し、図8(a)のセンタトンネル15のトンネル幅変化部52に当接するので、トンネル幅変化部52(衝撃吸収部61)は変形することでフレーム枠体45の衝撃、つまり、スタック16の衝撃を吸収する。
【0028】
また、スタック16(フレーム枠体45)が後退すると、トンネル幅変化部52(衝撃吸収部61)が起点となってセンタトンネル15を変形させるので、センタトンネル15がスタック16へ向かって変形せず、センタトンネル15とスタック16との干渉によるスタック16の損傷を防止することができる。
【0029】
さらに、スタック16(フレーム枠体45)が後退すると、トンネル幅変化部52(衝撃吸収部61)が起点となってセンタトンネル15を変形させるので、フロアパネル51の変形を促進させることができ、フロアパネル51の破断を抑制することができる。
【0030】
具体的には、まず図9に示しているように、車両正面に荷重が入力され、フロントボデー26が変形し始めると、フロントボデー26のフロントサイドフレーム27に支持している前サブフレーム28が変形することで衝撃を吸収しつつ、載せている電動モータ37やステアリングギヤボックス38などフロントボデー26内の装置とともに前サブフレーム28が車両後方へ向かって後退する。そして、電動モータ37などの装置類がダッシュボードパネル31(ダッシュボードロア55を含む)に達して、ダッシュボードパネル31(ダッシュボードロア55を含む)を車室21内方へ向け変形させると、ダッシュボードパネル31(ダッシュボードロア55を含む)はセンタトンネル15並びにフレーム枠体45に荷重を入力する。つまり、フレーム枠体45を押す。フレーム枠体45は形状を保持した状態でセンタトンネル15内を車両後方へ向かって移動して、フレーム枠体45の第1枠幅変化部74(図8(a))がトンネル幅変化部52を矢印a3のように押し始める。
【0031】
トンネル幅変化部52では、センタトンネル15の内方から外方へ向かって押されると、つまり衝撃吸収部61を外方へ押すと、谷折り曲げ部92の両側のビード部87、91を起点に変形して谷折り曲げ部92が押し出されるとともに、ビード部87、91が延びることで衝撃吸収部61は変形してフレーム枠体45の衝撃を吸収する。
また、衝撃吸収部61が矢印a4のように後退することでフレーム枠体45の衝撃を吸収するので、後退するフレーム枠体45の第1枠幅変化部74とフロアパネル51との干渉によるフロアパネル51の破断を防止することができる。
【0032】
尚、本発明の燃料電池車の車体構造は、実施の形態では燃料電池車に採用されているが、燃料電池車以外にも採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の燃料電池車の車体構造は、小型の燃料電池車に好適である。
【符号の説明】
【0034】
11…燃料電池車、12…車体構造、13…運転席座席、14…助手席座席、15…センタトンネル、16…スタック、47…幅狭部、48…幅広部、52…トンネル幅変化部、55…ダッシュボードロア、61…衝撃吸収部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席座席と助手席座席の間に設けて車両前後方向へ延ばしたセンタトンネル内に水素と酸素で電気を発生させるスタックを配置した燃料電池車の車体構造において、
前記スタックが、前記運転席座席及び前記助手席座席から前記運転席座席及び前記助手席座席に対向しているダッシュボードロアまでの間に配置され、
前記センタトンネルは、前記ダッシュボードロアから前記運転席座席と前記助手席座席の直前まで前記スタックを収納している幅広部を形成し、該幅広部に連ねて前記幅広部の幅に比べ幅を漸減しているトンネル幅変化部を形成し、該トンネル幅変化部に連ねて車両後方へ幅狭部を延ばし、
前記トンネル幅変化部は、前突で前記スタック側が後退するのに伴い衝撃を吸収する衝撃吸収部を有していることを特徴とする燃料電池車の車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−221726(P2010−221726A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67863(P2009−67863)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】