燃料電池
【課題】簡単な構成で、シール一体型金属セパレータ内から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10は、複数の単位セル12を積層するとともに、前記単位セル12は、電解質膜・電極構造体16が、アノード側金属セパレータ18とカソード側金属セパレータ20とに挟持される。カソード側金属セパレータ20の面20bには、アノード側金属セパレータ18の各シールラインSLにより囲まれた範囲内で、第2平面部54の一部に金属部位82a、82bが露呈する。具体的には、カソード側金属セパレータ20の面20bには、第2平面部54の少なくとも一部を金属部位82aまで切り欠いて前記金属部位82aを露呈させる切り欠き部84aが設けられる。
【解決手段】燃料電池10は、複数の単位セル12を積層するとともに、前記単位セル12は、電解質膜・電極構造体16が、アノード側金属セパレータ18とカソード側金属セパレータ20とに挟持される。カソード側金属セパレータ20の面20bには、アノード側金属セパレータ18の各シールラインSLにより囲まれた範囲内で、第2平面部54の一部に金属部位82a、82bが露呈する。具体的には、カソード側金属セパレータ20の面20bには、第2平面部54の少なくとも一部を金属部位82aまで切り欠いて前記金属部位82aを露呈させる切り欠き部84aが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と、弾性シール部材が一体成形されたセパレータとが積層され、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔を備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。
【0003】
この種の燃料電池は、通常、車載用として使用される際、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)の単位セルを積層した燃料電池スタックとして使用されている。その際、燃料電池スタックは、一般的に、セパレータの面内に電極面に沿って反応ガスを流す反応ガス流路と、前記反応ガス流路に連通し、単位セルの積層方向に貫通する反応ガス連通孔とを設ける、所謂、内部マニホールドを採用している。
【0004】
燃料電池では、セパレータとして、カーボンセパレータの他に金属セパレータが使用されている。金属セパレータは、一般的に、薄板金属プレートに弾性シール部材が一体化されたシール一体型金属セパレータが用いられている。
【0005】
ところで、この種の金属セパレータでは、高湿度の反応ガスや冷却水等を連続して流通させると、シール部材であるゴムの内側に浸透した水分が、前記シール部材と金属プレートとの間に滞留するおそれがある。これにより、シール部材と金属プレートとの間にブリスター(水ぶくれ)が形成されてしまい、流路断面が狭小化して反応ガスや冷却水の流量が減少するという問題がある。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池セパレータが知られている。この燃料電池セパレータでは、冷媒流通用の隙間に面したアノード側金属セパレータの表面に、プライマー層を介して絶縁被覆を形成した構造において、基材とプライマー層との界面における気化した冷媒が液化することによって生じるブリスターの発生を防止するために、冷媒排出溝を形成している。
【0007】
これにより、部分的にプライマー層と接する部分のアノード側金属セパレータの温度が低下し、その界面部分で気化した冷媒成分が液化しても、この液化成分は冷媒排出溝から外部に排出されるので、ブリスターの発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−134204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この種のブリスターは、冷却水流路だけではなく、反応ガスに接する反応ガス流路等でも発生している。特に、シール部材のシールラインにより囲まれた反応ガス流路範囲内では、結露水によるブリスターの発生を阻止することが望まれている。
【0010】
本発明はこの種の要請に対応するものであり、簡単な構成で、シール一体型金属セパレータの内部から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と、弾性シール部材が一体成形されたセパレータとが積層され、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔を備える燃料電池に関するものである。
【0012】
この燃料電池では、一対のセパレータ間には、反応ガス連通孔と反応ガス流路とを連通する通路部が弾性シール部材により形成されるとともに、前記通路部内で、各セパレータに設けられた前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈している。
【0013】
また、この燃料電池では、通路部の露呈部以外のセパレータ表面がシールに覆われており、前記通路部は、弾性シール部材のシールラインにより囲繞されるとともに、前記シールラインの範囲内で、前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈することが好ましい。
【0014】
さらに、この燃料電池では、一方のセパレータには、通路部の一方を反応ガス連通孔に連通させる第1孔部と、前記通路部の他方を反応ガス流路に連通させる第2孔部とが貫通形成されるとともに、他方のセパレータには、弾性シール部材の少なくとも一部をセパレータ本体部位まで切り欠いて前記セパレータ本体部位を露呈させる切り欠き部が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発電の継続により弾性シール部材とセパレータ本体部位との間に結露水が発生すると、この弾性シール部材の少なくとも一部に露呈する前記セパレータ本体部位を通って前記結露水が排出される。従って、簡単な構成で、シール一体型セパレータの内部から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能になる。
【0016】
しかも、結露水を排出するための溝が不要になるため、構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の、図1中、II−II線断面図である。
【図3】前記燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの一方の面側の正面説明図である。
【図4】前記燃料電池を構成するアノード側金属セパレータの正面説明図である。
【図5】前記燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの他方の面側の正面説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの正面説明図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの正面説明図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図9】前記燃料電池を構成するアノード側金属セパレータの正面説明図である。
【図10】前記燃料電池の断面説明図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図12】前記燃料電池の、図11中、XII−XII線断面図である。
【図13】前記燃料電池を構成するアノード側金属セパレータの一方の面側の正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、複数の単位セル12を矢印A方向に積層してスタック化される。単位セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)16が、アノード側金属セパレータ(一方のセパレータ)18とカソード側金属セパレータ(他方のセパレータ)20とに挟持される。
【0019】
アノード側金属セパレータ18及びカソード側金属セパレータ20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成されるとともに、後述するように、シール一体型金属セパレータを構成する。なお、アノード側金属セパレータ18及びカソード側金属セパレータ20は、金属以外の材料、例えば、カーボンにより形成してもよい。
【0020】
単位セル12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス(反応ガス)、例えば、酸素含有ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)30b、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び燃料ガス(反応ガス)、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)34aが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
【0021】
単位セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)34b、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)30aが、矢印C方向に配列して設けられる。
【0022】
電解質膜・電極構造体16は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、前記固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える。アノード側電極38は、カソード側電極40及び固体高分子電解質膜36よりも小さな表面積を有する、所謂、段差型MEAを構成している。なお、本発明では、段差型MEAに限定されるものではなく、アノード側電極38とカソード側電極40とは、同一の表面積を有していてもよい。
【0023】
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に形成される。
【0024】
図1及び図3に示すように、カソード側金属セパレータ20の電解質膜・電極構造体16に対向する面20aには、例えば、矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向に延在する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)42が設けられる。この酸化剤ガス流路42は、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する。酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bの近傍には、酸化剤ガス流路42の入口側及び出口側を覆ってブリッジ部43a、43bが配設される(図3参照)。
【0025】
図4に示すように、アノード側金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体16に対向する面18aには、後述するように、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通し、矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向(矢印C方向)に延在する燃料ガス流路(反応ガス流路)44が形成される。
【0026】
図1及び図5に示すように、アノード側金属セパレータ18の面18bとカソード側金属セパレータ20の面20bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路46が形成される。この冷却媒体流路46は、セパレータ面方向(矢印B方向)に直線状に延在する。なお、冷却媒体流路46は、各単位セル12毎に、又は2以上の単位セル毎に設けることができる。
【0027】
図1及び図3に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20a、20bには、このカソード側金属セパレータ20の外周端部を周回して、第1シール部材50が一体化される。第1シール部材50は、弾性シール部材であり、例えば、シリコーンゴムにより構成される。
【0028】
第1シール部材50は、図2及び図3に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20aに一体化される第1平面部52と、前記カソード側金属セパレータ20の面20bに一体化される第2平面部54とを備える。第2平面部54は、第1平面部52よりも長尺に構成される。
【0029】
図2に示すように、第1平面部52は、電解質膜・電極構造体16の外周端部から外部に離間した位置を周回する一方、第2平面部54は、カソード側電極40の外周部分に所定の範囲にわたって積層方向に重合する位置を周回する。
【0030】
図3に示すように、第1平面部52は、酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bを酸化剤ガス流路42に連通して形成される。図5に示すように、第2平面部54は、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとを連通して形成される。
【0031】
アノード側金属セパレータ18の面18a、18bには、図1、図2及び図4に示すように、このアノード側金属セパレータ18の外周端部を周回して、第2シール部材56が一体化される。この第2シール部材56は、アノード側金属セパレータ18の外周端部に近接して面18aに設けられる外側シール58aを備え、この外側シール58aから内方に所定の距離だけ離間して内側シール58bが設けられる。
【0032】
図2に示すように、外側シール58aは、カソード側金属セパレータ20に設けられている第1平面部52に接触する一方、内側シール58bは、電解質膜・電極構造体16を構成する固体高分子電解質膜36に直接接触する。
【0033】
図4に示すように、外側シール58aは、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス出口連通孔34b、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bを囲繞する。内側シール58bは、燃料ガス流路44を囲繞するとともに、前記内側シール58bと外側シール58aとの間には、電解質膜・電極構造体16の外周端部が配置される。
【0034】
アノード側金属セパレータ18の面18bには、外側シール58aに対応する外側シール58cと、内側シール58bに対応する内側シール58dとが設けられる(図1参照)。外側シール58c及び内側シール58dは、上記の外側シール58a及び内側シール58bと同様の形状を有している。
【0035】
図4に示すように、外側シール58aは、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス流路42とを連通する複数の受部60と、酸化剤ガス出口連通孔30bと前記酸化剤ガス流路42とを連通する複数の受部62とを設ける。受部60により通路部60aが形成されるとともに、受部62により通路部62aが形成される。
【0036】
図1及び図4に示すように、アノード側金属セパレータ18の面18bには、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体流路46とを連通する複数の受部64と、冷却媒体出口連通孔32bと前記冷却媒体流路46とを連通する複数の受部66とが設けられる。受部64、66によりそれぞれ通路部64a、66aが形成される。
【0037】
面18bには、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bの近傍に、それぞれ複数の受部68、70が設けられる。受部68により入口側連結通路72が形成される一方、受部70により出口側連結通路74が形成される。
【0038】
アノード側金属セパレータ18の面18aでは、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bが、それぞれ外側シール58aに周回されるとともに(図4参照)、前記アノード側金属セパレータ18の面18bでは、受部68の周囲及び受部70の周囲が、それぞれ外側シール58cと内側シール58dとによるシールラインSLに囲繞されている(図1参照)。
【0039】
受部68と燃料ガス入口連通孔34aとの間には、上記の外側シール58aにより囲繞される領域内と、上記の外側シール58cと内側シール58dとに囲繞される領域内とが重なる部分に対応して、複数の第1供給孔部(第1孔部)76aが貫通形成される。
【0040】
受部68と燃料ガス流路44との間には、内側シール58bに囲繞される領域及び上記の外側シール58cと内側シール58dとに囲繞される領域とに対応して、複数の第2供給孔部(第2孔部)76bが貫通形成される。
【0041】
燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス流路44とを連通する通路部が形成されるとともに、前記通路部は、第1供給孔部76a、入口側連結通路72及び第2供給孔部76bを有し、シールラインSLに囲まれる(図1及び図2参照)。なお、通路部には、3以上の供給孔部(図示せず)を設けることもできる。
【0042】
受部70の近傍には、燃料ガス流路44の終端近傍に位置して複数の第1排出孔部(第2孔部)78aが形成されるとともに、燃料ガス出口連通孔34bの近傍に対応して複数の第2排出孔部(第1孔部)78bが貫通形成される。
【0043】
第1排出孔部78aは、面18a側の内側シール58bに囲繞される領域内と、面18b側の外側シール58cと内側シール58dとに囲繞される領域内とが重なる部分に対応して設けられる。第2排出孔部78bは、面18a側の燃料ガス出口連通孔34bを囲繞する外側シール58aの領域内と、面18b側の外側シール58c及び内側シール58dに囲繞される領域内とが重なる部分に対応して設けられる。
【0044】
燃料ガス出口連通孔34bと燃料ガス流路44とを連通する通路部が形成されるとともに、前記通路部は、第1排出孔部78a、出口側連結通路74及び第2排出孔部78bを有し、シールラインSLに囲まれる。
【0045】
図2に示すように、燃料ガス入口連通孔34aから第1供給孔部76aに至る通路80は、第1及び第2シール部材50、56で形成される。入口側連結通路72は、同様に第1及び第2シール部材50、56で形成されるとともに、前記入口側連結通路72とは反対の第1及び第2供給孔部76a、76b間は、前記第1及び第2シール部材50、56で遮蔽される。
【0046】
図5に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20bには、アノード側金属セパレータ18の各シールラインSLにより囲まれた範囲(通路部を含む範囲)内で、第2平面部54の一部に金属部位(セパレータ本体部位)82a、82bが露呈する。具体的には、図2に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20bには、第2平面部54の少なくとも一部を金属部位82a、82bまで切り欠いて前記金属部位82a、82bを露呈させる切り欠き部84a、84bが設けられる。
【0047】
切り欠き部84aは、燃料ガス入口連通孔34aの近傍で、入口側連結通路72に対向して直線状に複数形成される。切り欠き部84bは、燃料ガス出口連通孔34bの近傍で、出口側連結通路74に対向して直線状に複数形成される。切り欠き部84a、84bは、実質的に通路部に沿って形成される。通路部は、金属部位82a、82b以外のセパレータ表面が第1シール部材50に覆われている。
【0048】
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0049】
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
【0050】
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから通路部60aを通ってカソード側金属セパレータ20の酸化剤ガス流路42に導入される。この酸化剤ガスは酸化剤ガス流路42に沿って矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向に移動し、電解質膜・電極構造体16のカソード側電極40に供給される(図1及び図3参照)。
【0051】
一方、燃料ガスは、図2に示すように、燃料ガス入口連通孔34aから面18a側(アノード側電極38側)に供給された後、第1供給孔部76aを通って一旦、面18b側に導入される。面18b側には、複数の受部68により入口側連結通路72が形成されており、燃料ガスは、この入口側連結通路72を通って第2供給孔部76bから面18a側に移動し、燃料ガス流路44に導入される。さらに、燃料ガスは、図4に示すように、燃料ガス流路44に沿って矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向に移動し、電解質膜・電極構造体16のアノード側電極38に供給される。
【0052】
従って、各電解質膜・電極構造体16では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
【0053】
次いで、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、第1排出孔部78aから出口側連結通路74を通った後、第2排出孔部78bに導入され、燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
【0054】
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、通路部64aを通ってアノード側金属セパレータ18とカソード側金属セパレータ20との間に形成された冷却媒体流路46に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体16を冷却した後、通路部66aから冷却媒体出口連通孔32bに排出される(図1参照)。
【0055】
この場合、第1の実施形態では、図2及び図5に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20bには、アノード側金属セパレータ18の各シールラインSLにより囲まれた範囲内で、第2平面部54の一部に金属部位82a、82bが露呈している。
【0056】
従って、燃料電池10では、発電の継続により弾性シール部材である第1シール部材50の第2平面部54と金属部位82a、82bとの間に結露水が発生すると、この第2平面部54の少なくとも一部に露呈する前記金属部位82a、82bを通って前記結露水が排出される。
【0057】
特に、第1の実施形態では、図2に示すように、第1供給孔部76a、入口側連結通路72及び第2供給孔部76bを有する通路部は、シールラインSLに囲まれている。このため、カソード側金属セパレータ20では、シールラインSLに囲まれた範囲内に第1シール部材50の第2平面部54のみが露呈していると、ブリスターが発生し易くなる。従って、シールラインSLに囲まれた範囲内で、第2平面部54に複数の切り欠き部84aを設けて金属部位82aを通路部に露呈させることにより、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能になる。
【0058】
これにより、第1の実施形態では、簡単な構成で、カソード側金属セパレータ(シール一体型金属セパレータ)20内から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能になるという効果が得られる。
【0059】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータ90の正面説明図である。
【0060】
なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3以降の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0061】
カソード側金属セパレータ90は、第2平面部54の少なくとも一部を円形状に切り欠いて金属部位82a、82bを露呈させる切り欠き部92a、92bを有する。切り欠き部92a、92bは、実質的に通路部の端部に形成される。
【0062】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータ100の正面説明図である。
【0063】
カソード側金属セパレータ100は、第2平面部54の少なくとも一部を円形状に切り欠いて金属部位82a、82bを露呈させる切り欠き部102a、102bを有する。切り欠き部102a、102bは、実質的に通路部間に位置して形成される。
【0064】
このように構成される第2の実施形態及び第3の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池110の要部分解斜視説明図である。
【0066】
燃料電池110は、複数の単位セル112を矢印A方向に積層して構成される。単位セル112は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)114が、アノード側金属セパレータ116とカソード側金属セパレータ118とに挟持される。
【0067】
カソード側金属セパレータ118の電解質膜・電極構造体114に対向する面118aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通し、矢印B方向に直線状に延在する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)120が形成される。
【0068】
図9に示すように、アノード側金属セパレータ116の電解質膜・電極構造体114に対向する面116aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通し、矢印B方向に直線状に延在する燃料ガス流路(反応ガス流路)122が形成される。
【0069】
燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス流路122とは、複数の流路溝(通路部)124aにより連通するとともに、前記流路溝124aは、蓋部材126aにより覆われている。燃料ガス出口連通孔34bと燃料ガス流路122とは、複数の流路溝(通路部)124bにより連通するとともに、前記流路溝124bは、蓋部材126bにより覆われている。
【0070】
図9及び図10に示すように、アノード側金属セパレータ116は、受部60により形成される通路部60aの一端側に、第2シール部材56の少なくとも一部を円形状に切り欠いて、金属部位82aを露呈させる切り欠き部128aを有する。アノード側金属セパレータ116は、受部62により形成される通路部62aの一端側に、第2シール部材56の少なくとも一部を円形状に切り欠いて、金属部位82bを露呈させる切り欠き部128bを有する。
【0071】
このように構成される第4の実施形態では、通路部60a、62aの一端側に、切り欠き部128a、128bを設けることにより、金属部位82a、82bが露呈されている。このため、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、切り欠き部128a、128bは、円形状の他、直線状や長円状等、種々の形状に設定することができる。
【0072】
なお、上記の実施形態では、カソード側セパレータにのみ露呈部を設けているが、アノード側セパレータにも同様に、露呈部を設けてもよい。
【0073】
図11は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池130の要部分解斜視説明図である。
【0074】
燃料電池130は、複数の単位セル132を矢印A方向に積層して構成される。単位セル132は、電解質膜・電極構造体16が、アノード側金属セパレータ134とカソード側金属セパレータ20とに挟持される(図12参照)。
【0075】
アノード側金属セパレータ134には、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bの近傍に、それぞれ複数の供給孔部136及び複数の排出孔部138が貫通形成される。燃料ガス入口連通孔34aと供給孔部136とは、入口側連結通路140により連通する一方、燃料ガス出口連通孔34bと排出孔部138とは、出口側連結通路142により連通する。
【0076】
図13に示すように、アノード側金属セパレータ134の面134aには、第2シール部材56を断続的に切り欠いた複数個の島状シール144a、144bが、供給孔部136及び排出孔部138に連結して設けられる。
【0077】
燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス流路44とを連通する通路部が形成されるとともに、前記通路部は、入口側連結通路140及び供給孔部136を有し、シールラインSLに囲まれる(図12参照)。
【0078】
このように構成される第5の実施形態では、上記の第1の実施形態等と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0079】
10、110、130…燃料電池 12、112、132…単位セル
16、114…電解質膜・電極構造体
18、20、90、100、116、118、134…金属セパレータ
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 42、120…酸化剤ガス流路
44、122…燃料ガス流路 46…冷却媒体流路
50、56…シール部材
60、62、64、66、68、70…受部
60a、62a、64a、66a…通路部
72、74、140、142…連結通路 76a、76b、136…供給孔部
78a、78b、138…排出孔部 82a、82b…金属部位
84a、84b、92a、92b、102a、102b、128a、128b…切り欠き部
124a、124b…流路溝 144a、144b…島状シール
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と、弾性シール部材が一体成形されたセパレータとが積層され、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔を備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。
【0003】
この種の燃料電池は、通常、車載用として使用される際、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)の単位セルを積層した燃料電池スタックとして使用されている。その際、燃料電池スタックは、一般的に、セパレータの面内に電極面に沿って反応ガスを流す反応ガス流路と、前記反応ガス流路に連通し、単位セルの積層方向に貫通する反応ガス連通孔とを設ける、所謂、内部マニホールドを採用している。
【0004】
燃料電池では、セパレータとして、カーボンセパレータの他に金属セパレータが使用されている。金属セパレータは、一般的に、薄板金属プレートに弾性シール部材が一体化されたシール一体型金属セパレータが用いられている。
【0005】
ところで、この種の金属セパレータでは、高湿度の反応ガスや冷却水等を連続して流通させると、シール部材であるゴムの内側に浸透した水分が、前記シール部材と金属プレートとの間に滞留するおそれがある。これにより、シール部材と金属プレートとの間にブリスター(水ぶくれ)が形成されてしまい、流路断面が狭小化して反応ガスや冷却水の流量が減少するという問題がある。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池セパレータが知られている。この燃料電池セパレータでは、冷媒流通用の隙間に面したアノード側金属セパレータの表面に、プライマー層を介して絶縁被覆を形成した構造において、基材とプライマー層との界面における気化した冷媒が液化することによって生じるブリスターの発生を防止するために、冷媒排出溝を形成している。
【0007】
これにより、部分的にプライマー層と接する部分のアノード側金属セパレータの温度が低下し、その界面部分で気化した冷媒成分が液化しても、この液化成分は冷媒排出溝から外部に排出されるので、ブリスターの発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−134204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この種のブリスターは、冷却水流路だけではなく、反応ガスに接する反応ガス流路等でも発生している。特に、シール部材のシールラインにより囲まれた反応ガス流路範囲内では、結露水によるブリスターの発生を阻止することが望まれている。
【0010】
本発明はこの種の要請に対応するものであり、簡単な構成で、シール一体型金属セパレータの内部から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と、弾性シール部材が一体成形されたセパレータとが積層され、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔を備える燃料電池に関するものである。
【0012】
この燃料電池では、一対のセパレータ間には、反応ガス連通孔と反応ガス流路とを連通する通路部が弾性シール部材により形成されるとともに、前記通路部内で、各セパレータに設けられた前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈している。
【0013】
また、この燃料電池では、通路部の露呈部以外のセパレータ表面がシールに覆われており、前記通路部は、弾性シール部材のシールラインにより囲繞されるとともに、前記シールラインの範囲内で、前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈することが好ましい。
【0014】
さらに、この燃料電池では、一方のセパレータには、通路部の一方を反応ガス連通孔に連通させる第1孔部と、前記通路部の他方を反応ガス流路に連通させる第2孔部とが貫通形成されるとともに、他方のセパレータには、弾性シール部材の少なくとも一部をセパレータ本体部位まで切り欠いて前記セパレータ本体部位を露呈させる切り欠き部が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発電の継続により弾性シール部材とセパレータ本体部位との間に結露水が発生すると、この弾性シール部材の少なくとも一部に露呈する前記セパレータ本体部位を通って前記結露水が排出される。従って、簡単な構成で、シール一体型セパレータの内部から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能になる。
【0016】
しかも、結露水を排出するための溝が不要になるため、構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の、図1中、II−II線断面図である。
【図3】前記燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの一方の面側の正面説明図である。
【図4】前記燃料電池を構成するアノード側金属セパレータの正面説明図である。
【図5】前記燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの他方の面側の正面説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの正面説明図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータの正面説明図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図9】前記燃料電池を構成するアノード側金属セパレータの正面説明図である。
【図10】前記燃料電池の断面説明図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。
【図12】前記燃料電池の、図11中、XII−XII線断面図である。
【図13】前記燃料電池を構成するアノード側金属セパレータの一方の面側の正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、複数の単位セル12を矢印A方向に積層してスタック化される。単位セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)16が、アノード側金属セパレータ(一方のセパレータ)18とカソード側金属セパレータ(他方のセパレータ)20とに挟持される。
【0019】
アノード側金属セパレータ18及びカソード側金属セパレータ20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成されるとともに、後述するように、シール一体型金属セパレータを構成する。なお、アノード側金属セパレータ18及びカソード側金属セパレータ20は、金属以外の材料、例えば、カーボンにより形成してもよい。
【0020】
単位セル12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス(反応ガス)、例えば、酸素含有ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)30b、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び燃料ガス(反応ガス)、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)34aが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
【0021】
単位セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)34b、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)30aが、矢印C方向に配列して設けられる。
【0022】
電解質膜・電極構造体16は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、前記固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える。アノード側電極38は、カソード側電極40及び固体高分子電解質膜36よりも小さな表面積を有する、所謂、段差型MEAを構成している。なお、本発明では、段差型MEAに限定されるものではなく、アノード側電極38とカソード側電極40とは、同一の表面積を有していてもよい。
【0023】
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に形成される。
【0024】
図1及び図3に示すように、カソード側金属セパレータ20の電解質膜・電極構造体16に対向する面20aには、例えば、矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向に延在する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)42が設けられる。この酸化剤ガス流路42は、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する。酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bの近傍には、酸化剤ガス流路42の入口側及び出口側を覆ってブリッジ部43a、43bが配設される(図3参照)。
【0025】
図4に示すように、アノード側金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体16に対向する面18aには、後述するように、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通し、矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向(矢印C方向)に延在する燃料ガス流路(反応ガス流路)44が形成される。
【0026】
図1及び図5に示すように、アノード側金属セパレータ18の面18bとカソード側金属セパレータ20の面20bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路46が形成される。この冷却媒体流路46は、セパレータ面方向(矢印B方向)に直線状に延在する。なお、冷却媒体流路46は、各単位セル12毎に、又は2以上の単位セル毎に設けることができる。
【0027】
図1及び図3に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20a、20bには、このカソード側金属セパレータ20の外周端部を周回して、第1シール部材50が一体化される。第1シール部材50は、弾性シール部材であり、例えば、シリコーンゴムにより構成される。
【0028】
第1シール部材50は、図2及び図3に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20aに一体化される第1平面部52と、前記カソード側金属セパレータ20の面20bに一体化される第2平面部54とを備える。第2平面部54は、第1平面部52よりも長尺に構成される。
【0029】
図2に示すように、第1平面部52は、電解質膜・電極構造体16の外周端部から外部に離間した位置を周回する一方、第2平面部54は、カソード側電極40の外周部分に所定の範囲にわたって積層方向に重合する位置を周回する。
【0030】
図3に示すように、第1平面部52は、酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bを酸化剤ガス流路42に連通して形成される。図5に示すように、第2平面部54は、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとを連通して形成される。
【0031】
アノード側金属セパレータ18の面18a、18bには、図1、図2及び図4に示すように、このアノード側金属セパレータ18の外周端部を周回して、第2シール部材56が一体化される。この第2シール部材56は、アノード側金属セパレータ18の外周端部に近接して面18aに設けられる外側シール58aを備え、この外側シール58aから内方に所定の距離だけ離間して内側シール58bが設けられる。
【0032】
図2に示すように、外側シール58aは、カソード側金属セパレータ20に設けられている第1平面部52に接触する一方、内側シール58bは、電解質膜・電極構造体16を構成する固体高分子電解質膜36に直接接触する。
【0033】
図4に示すように、外側シール58aは、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス出口連通孔34b、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bを囲繞する。内側シール58bは、燃料ガス流路44を囲繞するとともに、前記内側シール58bと外側シール58aとの間には、電解質膜・電極構造体16の外周端部が配置される。
【0034】
アノード側金属セパレータ18の面18bには、外側シール58aに対応する外側シール58cと、内側シール58bに対応する内側シール58dとが設けられる(図1参照)。外側シール58c及び内側シール58dは、上記の外側シール58a及び内側シール58bと同様の形状を有している。
【0035】
図4に示すように、外側シール58aは、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス流路42とを連通する複数の受部60と、酸化剤ガス出口連通孔30bと前記酸化剤ガス流路42とを連通する複数の受部62とを設ける。受部60により通路部60aが形成されるとともに、受部62により通路部62aが形成される。
【0036】
図1及び図4に示すように、アノード側金属セパレータ18の面18bには、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体流路46とを連通する複数の受部64と、冷却媒体出口連通孔32bと前記冷却媒体流路46とを連通する複数の受部66とが設けられる。受部64、66によりそれぞれ通路部64a、66aが形成される。
【0037】
面18bには、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bの近傍に、それぞれ複数の受部68、70が設けられる。受部68により入口側連結通路72が形成される一方、受部70により出口側連結通路74が形成される。
【0038】
アノード側金属セパレータ18の面18aでは、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bが、それぞれ外側シール58aに周回されるとともに(図4参照)、前記アノード側金属セパレータ18の面18bでは、受部68の周囲及び受部70の周囲が、それぞれ外側シール58cと内側シール58dとによるシールラインSLに囲繞されている(図1参照)。
【0039】
受部68と燃料ガス入口連通孔34aとの間には、上記の外側シール58aにより囲繞される領域内と、上記の外側シール58cと内側シール58dとに囲繞される領域内とが重なる部分に対応して、複数の第1供給孔部(第1孔部)76aが貫通形成される。
【0040】
受部68と燃料ガス流路44との間には、内側シール58bに囲繞される領域及び上記の外側シール58cと内側シール58dとに囲繞される領域とに対応して、複数の第2供給孔部(第2孔部)76bが貫通形成される。
【0041】
燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス流路44とを連通する通路部が形成されるとともに、前記通路部は、第1供給孔部76a、入口側連結通路72及び第2供給孔部76bを有し、シールラインSLに囲まれる(図1及び図2参照)。なお、通路部には、3以上の供給孔部(図示せず)を設けることもできる。
【0042】
受部70の近傍には、燃料ガス流路44の終端近傍に位置して複数の第1排出孔部(第2孔部)78aが形成されるとともに、燃料ガス出口連通孔34bの近傍に対応して複数の第2排出孔部(第1孔部)78bが貫通形成される。
【0043】
第1排出孔部78aは、面18a側の内側シール58bに囲繞される領域内と、面18b側の外側シール58cと内側シール58dとに囲繞される領域内とが重なる部分に対応して設けられる。第2排出孔部78bは、面18a側の燃料ガス出口連通孔34bを囲繞する外側シール58aの領域内と、面18b側の外側シール58c及び内側シール58dに囲繞される領域内とが重なる部分に対応して設けられる。
【0044】
燃料ガス出口連通孔34bと燃料ガス流路44とを連通する通路部が形成されるとともに、前記通路部は、第1排出孔部78a、出口側連結通路74及び第2排出孔部78bを有し、シールラインSLに囲まれる。
【0045】
図2に示すように、燃料ガス入口連通孔34aから第1供給孔部76aに至る通路80は、第1及び第2シール部材50、56で形成される。入口側連結通路72は、同様に第1及び第2シール部材50、56で形成されるとともに、前記入口側連結通路72とは反対の第1及び第2供給孔部76a、76b間は、前記第1及び第2シール部材50、56で遮蔽される。
【0046】
図5に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20bには、アノード側金属セパレータ18の各シールラインSLにより囲まれた範囲(通路部を含む範囲)内で、第2平面部54の一部に金属部位(セパレータ本体部位)82a、82bが露呈する。具体的には、図2に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20bには、第2平面部54の少なくとも一部を金属部位82a、82bまで切り欠いて前記金属部位82a、82bを露呈させる切り欠き部84a、84bが設けられる。
【0047】
切り欠き部84aは、燃料ガス入口連通孔34aの近傍で、入口側連結通路72に対向して直線状に複数形成される。切り欠き部84bは、燃料ガス出口連通孔34bの近傍で、出口側連結通路74に対向して直線状に複数形成される。切り欠き部84a、84bは、実質的に通路部に沿って形成される。通路部は、金属部位82a、82b以外のセパレータ表面が第1シール部材50に覆われている。
【0048】
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0049】
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
【0050】
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから通路部60aを通ってカソード側金属セパレータ20の酸化剤ガス流路42に導入される。この酸化剤ガスは酸化剤ガス流路42に沿って矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向に移動し、電解質膜・電極構造体16のカソード側電極40に供給される(図1及び図3参照)。
【0051】
一方、燃料ガスは、図2に示すように、燃料ガス入口連通孔34aから面18a側(アノード側電極38側)に供給された後、第1供給孔部76aを通って一旦、面18b側に導入される。面18b側には、複数の受部68により入口側連結通路72が形成されており、燃料ガスは、この入口側連結通路72を通って第2供給孔部76bから面18a側に移動し、燃料ガス流路44に導入される。さらに、燃料ガスは、図4に示すように、燃料ガス流路44に沿って矢印B方向に蛇行しながら鉛直下方向に移動し、電解質膜・電極構造体16のアノード側電極38に供給される。
【0052】
従って、各電解質膜・電極構造体16では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
【0053】
次いで、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、第1排出孔部78aから出口側連結通路74を通った後、第2排出孔部78bに導入され、燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
【0054】
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、通路部64aを通ってアノード側金属セパレータ18とカソード側金属セパレータ20との間に形成された冷却媒体流路46に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体16を冷却した後、通路部66aから冷却媒体出口連通孔32bに排出される(図1参照)。
【0055】
この場合、第1の実施形態では、図2及び図5に示すように、カソード側金属セパレータ20の面20bには、アノード側金属セパレータ18の各シールラインSLにより囲まれた範囲内で、第2平面部54の一部に金属部位82a、82bが露呈している。
【0056】
従って、燃料電池10では、発電の継続により弾性シール部材である第1シール部材50の第2平面部54と金属部位82a、82bとの間に結露水が発生すると、この第2平面部54の少なくとも一部に露呈する前記金属部位82a、82bを通って前記結露水が排出される。
【0057】
特に、第1の実施形態では、図2に示すように、第1供給孔部76a、入口側連結通路72及び第2供給孔部76bを有する通路部は、シールラインSLに囲まれている。このため、カソード側金属セパレータ20では、シールラインSLに囲まれた範囲内に第1シール部材50の第2平面部54のみが露呈していると、ブリスターが発生し易くなる。従って、シールラインSLに囲まれた範囲内で、第2平面部54に複数の切り欠き部84aを設けて金属部位82aを通路部に露呈させることにより、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能になる。
【0058】
これにより、第1の実施形態では、簡単な構成で、カソード側金属セパレータ(シール一体型金属セパレータ)20内から結露水を容易且つ確実に排出することができ、ブリスターの発生を可及的に阻止することが可能になるという効果が得られる。
【0059】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータ90の正面説明図である。
【0060】
なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3以降の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0061】
カソード側金属セパレータ90は、第2平面部54の少なくとも一部を円形状に切り欠いて金属部位82a、82bを露呈させる切り欠き部92a、92bを有する。切り欠き部92a、92bは、実質的に通路部の端部に形成される。
【0062】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成するカソード側金属セパレータ100の正面説明図である。
【0063】
カソード側金属セパレータ100は、第2平面部54の少なくとも一部を円形状に切り欠いて金属部位82a、82bを露呈させる切り欠き部102a、102bを有する。切り欠き部102a、102bは、実質的に通路部間に位置して形成される。
【0064】
このように構成される第2の実施形態及び第3の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池110の要部分解斜視説明図である。
【0066】
燃料電池110は、複数の単位セル112を矢印A方向に積層して構成される。単位セル112は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)114が、アノード側金属セパレータ116とカソード側金属セパレータ118とに挟持される。
【0067】
カソード側金属セパレータ118の電解質膜・電極構造体114に対向する面118aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通し、矢印B方向に直線状に延在する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)120が形成される。
【0068】
図9に示すように、アノード側金属セパレータ116の電解質膜・電極構造体114に対向する面116aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通し、矢印B方向に直線状に延在する燃料ガス流路(反応ガス流路)122が形成される。
【0069】
燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス流路122とは、複数の流路溝(通路部)124aにより連通するとともに、前記流路溝124aは、蓋部材126aにより覆われている。燃料ガス出口連通孔34bと燃料ガス流路122とは、複数の流路溝(通路部)124bにより連通するとともに、前記流路溝124bは、蓋部材126bにより覆われている。
【0070】
図9及び図10に示すように、アノード側金属セパレータ116は、受部60により形成される通路部60aの一端側に、第2シール部材56の少なくとも一部を円形状に切り欠いて、金属部位82aを露呈させる切り欠き部128aを有する。アノード側金属セパレータ116は、受部62により形成される通路部62aの一端側に、第2シール部材56の少なくとも一部を円形状に切り欠いて、金属部位82bを露呈させる切り欠き部128bを有する。
【0071】
このように構成される第4の実施形態では、通路部60a、62aの一端側に、切り欠き部128a、128bを設けることにより、金属部位82a、82bが露呈されている。このため、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、切り欠き部128a、128bは、円形状の他、直線状や長円状等、種々の形状に設定することができる。
【0072】
なお、上記の実施形態では、カソード側セパレータにのみ露呈部を設けているが、アノード側セパレータにも同様に、露呈部を設けてもよい。
【0073】
図11は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池130の要部分解斜視説明図である。
【0074】
燃料電池130は、複数の単位セル132を矢印A方向に積層して構成される。単位セル132は、電解質膜・電極構造体16が、アノード側金属セパレータ134とカソード側金属セパレータ20とに挟持される(図12参照)。
【0075】
アノード側金属セパレータ134には、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bの近傍に、それぞれ複数の供給孔部136及び複数の排出孔部138が貫通形成される。燃料ガス入口連通孔34aと供給孔部136とは、入口側連結通路140により連通する一方、燃料ガス出口連通孔34bと排出孔部138とは、出口側連結通路142により連通する。
【0076】
図13に示すように、アノード側金属セパレータ134の面134aには、第2シール部材56を断続的に切り欠いた複数個の島状シール144a、144bが、供給孔部136及び排出孔部138に連結して設けられる。
【0077】
燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス流路44とを連通する通路部が形成されるとともに、前記通路部は、入口側連結通路140及び供給孔部136を有し、シールラインSLに囲まれる(図12参照)。
【0078】
このように構成される第5の実施形態では、上記の第1の実施形態等と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0079】
10、110、130…燃料電池 12、112、132…単位セル
16、114…電解質膜・電極構造体
18、20、90、100、116、118、134…金属セパレータ
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 42、120…酸化剤ガス流路
44、122…燃料ガス流路 46…冷却媒体流路
50、56…シール部材
60、62、64、66、68、70…受部
60a、62a、64a、66a…通路部
72、74、140、142…連結通路 76a、76b、136…供給孔部
78a、78b、138…排出孔部 82a、82b…金属部位
84a、84b、92a、92b、102a、102b、128a、128b…切り欠き部
124a、124b…流路溝 144a、144b…島状シール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と、弾性シール部材が一体成形されたセパレータとが積層され、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔を備える燃料電池であって、
一対の前記セパレータ間には、前記反応ガス連通孔と前記反応ガス流路とを連通する通路部が前記弾性シール部材により形成されるとともに、
前記通路部内で、各セパレータに設けられた前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、前記通路部の露呈部以外のセパレータ表面がシールに覆われており、
前記通路部は、前記弾性シール部材のシールラインにより囲繞されるとともに、
前記シールラインの範囲内で、前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈することを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項1又は2記載の燃料電池において、一方の前記セパレータには、前記通路部の一方を前記反応ガス連通孔に連通させる第1孔部と、
前記通路部の他方を前記反応ガス流路に連通させる第2孔部と、
が貫通形成されるとともに、
他方の前記セパレータには、前記弾性シール部材の少なくとも一部を前記セパレータ本体部位まで切り欠いて該セパレータ本体部位を露呈させる切り欠き部が設けられることを特徴とする燃料電池。
【請求項1】
電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と、弾性シール部材が一体成形されたセパレータとが積層され、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔を備える燃料電池であって、
一対の前記セパレータ間には、前記反応ガス連通孔と前記反応ガス流路とを連通する通路部が前記弾性シール部材により形成されるとともに、
前記通路部内で、各セパレータに設けられた前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、前記通路部の露呈部以外のセパレータ表面がシールに覆われており、
前記通路部は、前記弾性シール部材のシールラインにより囲繞されるとともに、
前記シールラインの範囲内で、前記弾性シール部材の少なくとも一部にセパレータ本体部位が露呈することを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項1又は2記載の燃料電池において、一方の前記セパレータには、前記通路部の一方を前記反応ガス連通孔に連通させる第1孔部と、
前記通路部の他方を前記反応ガス流路に連通させる第2孔部と、
が貫通形成されるとともに、
他方の前記セパレータには、前記弾性シール部材の少なくとも一部を前記セパレータ本体部位まで切り欠いて該セパレータ本体部位を露呈させる切り欠き部が設けられることを特徴とする燃料電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−234797(P2012−234797A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−42602(P2012−42602)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]