説明

燃焼ガス発生装置

【課題】第2次混合ガス生成槽に於いて、活性化された第2次混合ガス(活性イオン)を生成することできる燃焼ガス発生装置を提供する。
【解決手段】第1次混合ガス生成槽及び気液分離槽3によって生成された第1次生成ガスc及びガス供給装置9から供給された混合前燃料ガスをそれぞれ同時に受け入れると共に、活性化促進部材を介してかつ揮発性炭化水素eの中を通過させながら、これらの物質の授受による相補作用により活性化された第2次混合ガスfを生成する第2次混合ガス生成槽7と、この第2次混合ガス生成槽7によって生成された第2次混合ガスfを燃焼する燃焼手段12とから成る燃焼ガス発生装置Xであって、第2次混合ガス生成槽7は、反応タンク本体と、この反応タンク本体の上端開口から取り出すことができるように該上端開口から所定位置まで差し込まれ、その挿入下端部にフィルターを備えた活性化促進部材とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガス発生装置に関し、特に、トマト又はトマトに類する野菜を育成する農業用の植物栽培装置の用途に相応しい燃焼ガス発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、暖房を行う農業用の植物栽培装置が記載されている。この特許文献1に記載の実施例は、植物栽培ハウス内の上部空間に熱源パイプを配設し、該熱源パイプの外周面に付着した粉末状のマイナスイオン素材に対して熱源パイプ自体の振動に与え、衝撃方式でマイナスイオンを放出させるものである。この実施例は、熱源パイプを植物栽培ハウス内の上部空間に多数配設する必要がある、熱源パイプの外周面にマイナスイオン素材を付着させる必要がある、装置が大型化する等の理由から、設置、メンテナンス等が面倒であると共に、マイナスイオンを効率的かつ連続的に大量放出することができないという問題点がある。
【0003】
また、特許文献2には、空気マイナスイオン化装置が記載されている。特許文献2に記載の実施例は、密室内の空気中の酸素を媒体として、電子放射電極芯と円筒型受電極体に高圧電流を印加して、該円筒型受電極体と真空放電管との間隙部分にコロナ放電をさせることにより、マイナスイオン化した酸素を得え、植物栽培ハウス内に放出するものである。
【0004】
上記特許文献1及び特許文献2に記載のように、「衝撃方式」によりマイナスイオンを発生させ、該マイナスイオンを植物栽培ハウス内に放出する事項は、周知事項である。
【0005】
さらに、特許文献3は本発明の利用に関連する。この特許文献3には、吸引口、吹き出し口、煙突用排出口を有する箱体と、該箱体に内装されたかつ熱交換手段(釜、熱交換パイプ、流路)と、燃料ガスを完全燃焼させることができ、かつ、前記箱体の一側壁にブラケットを介して取付けられた燃焼手段(バーナー)が記載されている。
【0006】
現在、大量のイオンを効率的かつ継続的に大量放出することができる共に、植物栽培ハウスに対する設置、メンテナンス等が容易である農業用の植物栽培装置が要望されている。
【0007】
ところで、特許文献3に記載のように、農業用の植物栽培装置に於いては、植物栽培ハウス内に温風を送ってトマト又はトマトに類する野菜を育成する「温風方式」が現に行われている。そこで、収穫量を増やすためにマイナスイオン等を植物栽培ハウス内に放出する場合に於いて、該「温風方式」に適用することが可能な農業用の植物栽培装置が要望されている。
【0008】
なお、特許文献4には、電気分解を利用した燃焼ガス発生装置が記載されているが、該特許文献4の燃焼ガス発生装置は、分離された液体を電解槽に効果的に帰還させることを目的としており、本願発明の如く、第1次生成ガス(例えばマイナスイオン)及び混合前燃料ガスを、燃料として使用可能なガソリン、アルコール等の揮発性炭化水素の中を通過させながら、かつ、活性化促進部材を介してこれらの物質の授受による相補作用により活性化された第2次混合ガス(活性イオン)を生成するものではない。
【0009】
また、特許文献1乃至特許文献4は、反応タンク内に揮発性炭化水素を収納すること、フィルターを備えた活性化促進部材を反応タンクから取り出すことができるように該反応タンクの上端開口から挿入することなどが記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第3120078号
【特許文献2】特公平2−1083号
【特許文献3】特開平11−248255号
【特許文献4】特開2008−13827号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の所期の目的は、例えば燃焼手段(バーナー)を用いてマイナスイオン、活性イオン等のイオンを植物栽培ハウス内に放出すると、トマト又はトマトに類する野菜の収穫量を増やすことができるという知見(例えば実験)に基づいて、「温風方式」に適用することが可能な燃焼ガス発生装置を提案することである。第2の目的は、第2次混合ガス生成槽に於いて、第2次混合ガスの活性化を効率良く促進させることである。第3の目的は、第2次混合ガス生成槽に於いて、活性化促進部材の交換や修理を容易にできることである。その他、第2次混合ガス生成槽の上端開口を容易に閉じることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明の燃焼ガス発生装置は、第1次混合ガス生成槽及び気液分離槽によって生成された第1次生成ガス及びガス供給装置から供給された混合前燃料ガスをそれぞれ同時に受け入れると共に、活性化促進部材を介してかつ揮発性炭化水素の中を通過させながら、これらの物質の授受による相補作用により活性化された第2次混合ガスを生成する第2次混合ガス生成槽と、この第2次混合ガス生成槽によって生成された第2次混合ガスを燃焼する燃焼手段12とから成る燃焼ガス発生装置であって、前記第2次混合ガス生成槽は、反応タンク本体と、この反応タンク本体の上端開口から取り出すことができるように該上端開口から所定位置まで差し込まれ、その挿入下端部にフィルターを備えた前記活性化促進部材とから成ることを特徴とする。
【0013】
上記構成に於いて、活性化促進部材の挿入上端部には、反応タンク本体の上端開口を閉じる蓋体が一体的に設けられていることを特徴とする。また、フィルターは、筒体と、この筒体内に上下方向に所定間隔有して固定された複数枚の網体とから成ることを特徴とする。また、活性化促進部材は、縦長の反応タンク本体の下端部の内周壁内に不可動的に嵌入するフィルターと、このフィルターの上端よりも上方の反応室に位置し、かつ前記縦長の反応タンク本体の上端開口まで伸張する棒状、長板状、長筒状のいずれかの挿入部分と、この挿入部分の上端部に固定され、かつ縦長の反応タンク本体の上端開口を閉じる蓋体とからなることを特徴とする。さらに、燃焼手段は、植物栽培装用のハウス内に配設され、該燃焼手段の完全燃焼ガスに活性イオンを含ませた状態で該ハウス内に放出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
(a)第2次混合ガス生成槽に於いて、第1次生成ガス(例えばマイナスイオン)及び混合前燃料ガスを、燃料として使用可能なガソリン、アルコール等の揮発性炭化水素の中を通過させながら、かつ、活性化促進部材を介してこれらの物質の授受による相補作用により、活性化された第2次混合ガス(活性イオン)を生成することができる。
(b)第2次混合ガス生成槽は、フィルターを備えた活性化促進部材を内装しているので、第2次混合ガス(活性イオン)を効率的に生成することができる。実施例によっては、第2次混合ガス生成槽内に複数の網体を有する活性化促進部材を設けたので、物質の共益授受による相補作用を活発化させることができる。
(c)第2次混合ガス生成槽は、反応タンク本体と、この反応タンク本体の上端開口から取り出すことができるように該上端開口から所定位置まで差し込まれ、その挿入下端部にフィルターを備えた前記活性化促進部材とから成るので、活性化促進部材の交換や修理を容易にできる。
(d)燃焼手段の完全燃焼ガスに活性イオンを含ませたので、植物栽培の「温風方式」に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を実施するための環境の概略説明図。
【図2】主要部(第2次混合ガス生成槽)の概略説明図。
【図3】主要部の正面視からの概略説明図。
【図4】図3の4−4線概略断面説明図。
【図5】主要部を構成する反応タンク本体と活性化促進部材の説明図。
【図6】要部(活性化促進部材のフィルター)の概略説明図。
【図7】要部の概略断面説明図。
【図8】要部(第1次混合ガス生成槽、気液分離槽、熱交換装置)の概略説明図。
【図9】制御盤とガス供給装置の概略説明図。
【図10】第2次混合ガス生成槽内で物質の共益授受による相補作用により、活性イオンが生成される概略説明図。
【図11】本発明を実施するための第2形態の概略説明図(活性化促進部材)。
【図12】活性化促進部材の要部の概略断面説明図。
【図13】本発明を実施するための第3形態の概略説明図(活性化促進部材)
【図14】活性化促進部材の概略断面説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1乃至図10に示す本発明を実施するための第1形態(第1実施例)により説明する。本発明は、第1次混合ガス生成槽1、気液分離槽3、熱交換装置15等の概略説明図である。
【0017】
図8で示すように、本実施例では、内部に電解液aを収納する電解槽1aと、前記電解液aに対して設けられた正極電極と負極電極と、これら両電極に直流電源を印加する電源装置1cを含み、電解液aを電気分解して混合ガスbを発生させる第1次混合ガス生成槽1と、この第1次混合ガス生成槽で生成された混合ガスbを、循環ライン2を介して前記電解液aの泡状の一部の液と共に導き、かつ前記第1次混合ガス生成槽1に一体的又は別体に設けられた図示しない分離手段により第1次生成ガス(例えばマイナスイオン)cと電解液(霧状液体)aにと分離する気液分離槽3と、この気液分離槽3によって分離された前記第1次生成ガスc及びガス供給装置9からの混合前燃料ガスdをそれぞれ受け入れると共に、該第1次生成ガスc及び混合前燃料ガスdを揮発性炭化水素eの中を通過させながら、かつ、下端部にフィルター53を有する活性化促進部材14を介して、これらの物質の相補作用により活性化された第2次混合ガスfを生成する第2次混合ガス生成槽7と、この第2次混合ガス生成槽によって生成された第2次混合ガスfを燃料にして、例えば植物栽培ハウス11で完全燃焼する燃焼手段12とから成り、前記燃焼手段12は、完全燃焼ガスに活性イオンを含ませた状態で、例えば植物栽培ハウス11内に放出する。その際、燃焼手段12の一例として農業用のバーナーを用いるが、該農業用のバーナーで燃焼された活性イオンは、図示しない熱交換パイプ、釜等の熱交換装置(通称、「農業用の温風装置」)を介して植物栽培ハウス11に温風状態に拡散或いは浴びさせる。
【0018】
図1は、本発明を実施するための環境の概略説明図である。この図1に於いて、Xは、例えば農業用の植物栽培に適合する燃焼ガス発生装置で、この燃焼ガス発生装置Xは、第1次混合ガス生成槽1と、この第1次混合ガス生成槽1に循環ライン2を介して連結された気液分離槽3と、該気液分離槽3に上流側の連結ライン4を介して連結された圧力調整手段5と、この圧力調整手段5に下流側の連結ライン6を介して連結された第2次混合ガス生成槽7と、一方、該第2次混合ガス生成槽7に供給ライン8を介して接続し、かつ燃料として使用可能な混合前燃料ガスを供給するガス供給装置9と、燃料供給ライン10を介して前記第2次混合ガス生成槽7に接続し、かつ、トマト、これに類する野菜等の植物を栽培する植物栽培ハウス11内に配設され燃焼手段(例えば農業用のバーナー)12とから構成されている。なお、この第1実施例に於いては、本発明の本質的事項ではないが、図示しない機体内に、却水槽46、冷却機47を有する熱交換機15及びろ過手段43が、1次混合ガス生成槽1、気液分離槽3及び圧力調整手段5等共に設置されている。また、制御盤30は、機体とは別個に設けられている。
【0019】
図2は、主要部としての第2次混合ガス生成槽7の概略説明図である。第2次混合ガス生成槽7は、第1次生成ガス(例えばマイナスイオン)c及び混合前燃料ガスdを、該第2次混合ガス生成槽7内に収容したガソリン、アルコール等の揮発性炭化水素eの中を通過させながら、かつ、該第2次混合ガス生成槽7内に上下方向に所定間隔離間してそれぞれ水平状態に配設された複数枚の網体を有する活性化促進部材14を介して、これらの物質の共益授受による相補作用により活性化された第2次混合ガスfを生成する。そして、該第2次混合ガス生成槽7は、燃焼手段12に対して活性化された第2次混合ガスfを燃料として供給し、該燃焼手段12によって燃焼する完全燃焼ガスには活性イオンが含まれている。
【0020】
そこで、図3乃至図7を参照にして、本発明の主要部を説明する。第2次混合ガス生成槽7は、基本的には、縦長の反応タンク本体51と、この反応タンク本体の上端開口52から取り出すことができるように該上端開口52から所定位置まで差し込まれ、その挿入下端部にフィルター53を備えた活性化促進部材13とから成る(技術的思想)。
【0021】
前述したように、本実施例では、第2次混合ガス生成槽7には、燃料として使用可能な所要量のガソリン、アルコール等の揮発性炭化水素eが収容される。揮発性炭化水素eの収容方法如何は問わないが、例えば反応タンク本体51の上端開口52から入れることができる。もちろん、揮発性炭化水素eが減少することを考慮して、揮発性炭化水素eを反応タンク本体51に自動的に収容する構成を、任意に加味(新規構成)に加味することができる。
【0022】
例えば図5で示すように、活性化促進部材13の挿入上端部には、反応タンク本体51の上端開口52を閉じる蓋体54が一体的に設けられている。また、フィルター53は、この第1実施例では、比較的短い筒体55と、この短筒体55内に上下方向に所定間隔有して固定された複数枚の網体56とから成る。
【0023】
望ましくは、活性化促進部材13は、縦長の反応タンク本体51の下端部の内周壁51a内に不可動的に嵌入するフィルター53と、このフィルターの上端よりも上方の反応室51bに位置し、かつ縦長の反応タンク本体51の上端開口52まで伸張する複数本の棒状の挿入部分57と、これらの挿入部分57の上端部に固定され、かつ縦長の反応タンク本体51の上端開口52を閉じる板状蓋体54とからなる。
【0024】
さらに、細部的事項について説明すると、第2次混合ガス生成槽7は、その底壁下端部58のフランジ状周縁部に複数本の脚片59を有している。これらの脚片59は、固着手段60を介して床面Fに固定され得る。したがって、第2次混合ガス生成槽7は、床面F等に垂直状態に立設される。また、第2次混合ガス生成槽7の反応タンク本体51のフランジ状周縁部と下端部の外周壁には、複数枚の羽根状補強リブ61が周方向に所定間隔を有して設けられている。また、反応タンク本体51の中央部ないし中央部寄りの部位には、縦方向に強化ガラス等で成形された水位計14が設けられている。さらに、反応タンク本体51の上端部にはフランジ部62が周設されている。
【0025】
このフランジ部62には、複数の貫通状取付け孔63が形成されている。また、活性化促進部材13の板状蓋体54には、前記貫通状取付け孔63に対応する複数個の貫通状取付け孔64が形成されている。
【0026】
したがって、活性化促進部材13を反応タンク本体51の上端開口52から所定位置まで差し込み、その挿入下端部のフィルター53の下端面が、例えば底壁下端部58の内壁底面(所定位置)に至ると、該内壁底面に対し、間隙を有して又は間隙を有さないで、板状蓋体54の内面がフランジ部62の上面に密着状態に接合する。そこで、複数個の取り外し可能な固着具(例えば貫通ボルトとナット)65を介して、前記板状蓋体54と前記フランジ部62とを一体的に固定することができる。
【0027】
それ故に、本実施例の活性化促進部材13は、縦長の反応タンク本体51の下端部の内周壁51a内に不可動的に嵌入するフィルター53と、このフィルターの上端よりも上方の反応室51bに位置し、かつ前記縦長の反応タンク本体51の上端開口52まで伸張する棒状の挿入部分57と、この挿入部分の上端部に固定され、かつ縦長の反応タンク本体51の上端開口52を密閉状態に閉じる蓋体54とからなる(特徴事項)。
【0028】
なお、反応タンク本体51の下端部、フィルター53を構成する短筒体55及び蓋体54には、第1次生成ガスc、混合前燃料ガスd、目的物質としての第2次混合ガス用の不番開口がそれぞれ適宜に形成されている。また、例えば図7で示すように、フィルター53を構成する複数個の網体56は、筒体55の内周壁に溶接等の固定手段で水平状態に固定された環状の押え具66によって、例えばサンドイッチ状に挟まれている。
【0029】
次に、図8は、第1次混合ガス生成槽1と気液分離槽3の繋がりを概念的に示す。第1次混合ガス生成槽1は、電気分解により、水素と酸素(マイナスイオン)からなる第1次混合ガスbを発生するものである。したがって、第1次混合ガス生成槽1は、少なくとも電解液aを充填した電解槽1aと、この電解槽1a内の電解液aに浸漬された負極電極(本実施例では、電解槽1a自体。)及び複数の正極電極1bと、これらの電極1a、1bに直流(例えば直流交番電圧)を印加する電源装置1cを含む。
【0030】
電解槽1aは、蓋により密閉され、電気分解により発生した水素と酸素との混合ガスbを排出口から排出する。前記排出口と気液分離槽3の上部の吸入口3cには循環ライン(配管)2を構成する第1の導管2aが設けられている。また電解槽1a内には、複数の正極電極1bが、所定間隔を有して配設されている。また、泡状の混合ガスbと電解槽1a内の電解液aの一部は、第1の導管2aを介して気液分離槽3内に導かれる。
【0031】
本実施例では、前記循環ライン2は、電解槽1aの側壁下端部の受け入れ口1dと気液分離槽3の槽本体3aの側壁下端部の戻し口3dの間に第2の導管(返給管)2bが設けられているので、槽本体3a内の下端部に落下した電解液aは前記第2の導管2bを介して第1次混合ガス生成槽1に戻される。次に、気液分離槽3は、槽本体3aの上端部の内部に図示しない分離室を有している。したがって、気体(例えばマイナスイオン)c用の導路の一端部は、槽本体3aの上壁に形成された案内口3eに連結される。
【0032】
次に、図9は、第2次混合ガス生成槽7、制御盤30等と共に、燃料として使用可能な混合前燃料ガスdを供給するガス供給装置9を示す。ガス供給装置9は、切換え弁の一例としての電磁開閉弁31を有する燃料ガスボンベ(例えばLPG)32と、同様に電磁開閉弁33を有する予備の燃料ガスボンベ34と、混合前の燃料ガスdを第2次混合ガス生成槽7に導く混合前燃料ガスdの供給ライン35に介装されたライン切り換え電磁弁36とから成り、前記電磁開閉弁31と電磁開閉弁33とライン切り換え電磁弁36は、それぞれ前記制御盤30によって適宜に制御される。
【0033】
なお、本発明の限定要件ではないが、図9で示すように、第2次混合ガス生成槽7には、該第2次混合ガス生成槽によって生成された第2次混合ガスeの量を表示する表示計40と共に、供給ライン35から混合前燃料ガスdが送られてくるか否かをチェックする検出手段41が設けられている。したがって、制御盤30は検出手段41の検出信号に基づいて前述したライン切り換え電磁弁36を切り換えて予備の燃料ガスボンベ34を利用することが可能である。
【0034】
上記構成に於いて、第1次混合ガス生成槽1は、電解槽であることから、「水素」と「酸素(マイナスイオン)」の混合ガスbを泡状に発生させる。泡状の混合ガスbは、電解槽1a内の電解液aの一部と共に、循環ライン2を構成する第1導路2aを介して「気液分離槽3」へと導かれる。気液分離槽3は、第1導路2aで導かれてきた前記泡状の混合ガスbと電解液aの一部を、気体(マイナスイオン)cと液体(電解液)aとを分離する機能を有する。
【0035】
そこで、気液分離槽3で分離された、たとえばマイナスイオンcは、上流側のマイナスイオン用導路4を介して、本実施例では制御盤30によって制御される圧力調整管5へと導かれる。圧力調整管5により圧力調整された第1次生成ガスcは、下流側の導路6を介して第2次混合ガス生成槽7へと導かれ、一方、分離された電解液aは、槽本体3aの下端部へと落下し、循環ライン2の一部を形成する返給路2bを介して電解槽1aに自然帰還(循環)する。
【0036】
ところで、圧力調整手段(例えば圧力調整管)5へと導かれた気体(マイナスイオン)cは、そのままの気体状態では燃料として使用することができないので、第2次混合ガス生成槽7へと圧力調整した状態で流し、一方、燃料として使用可能な混合前燃料ガス(例えばプロパンガス、都市ガス)dなどを前記第2次混合ガス生成槽7に供給ライン35を介して導き、そこで、第1次生成ガスc(例えばマイナスイオン)cと混合前燃料ガスdとを混合して「第2次混合ガス(目的の燃焼ガス)f」を生成する。
【0037】
この第2次混合ガスfは、例えば特許文献4に記載のように「電気分解により発生した単なる水素と酸素の混合ガス」ではなく、揮発性炭化水素eの中を通過させながら、かつ、下端部にフィルター53を有する活性化促進部材13を介して、これらの物質の共益授受による相補作用により活性化された活性イオンである。
【0038】
図10は、活性イオンfが生成される状態を示す化学式の説明図である。周知のように、イオンには、プラスイオン側とマイナスイオン側とが流体物質として存在する。第2次混合ガス生成槽7内で第1次生成ガスcと混合前燃料ガスdとを混合する際、これらの物質c、dをガソリン、アルコール等の揮発性炭素水素系の物質e及び活性化促進部材13のフィルター53を通過させると、物質間で共益授受(授受による反応)が活発に起こり、活性イオン化されている物質間の、いわゆる共益授受による相補作用により、ガソリン、アルコール等の揮発性炭素水素との融合生成がされ、いわば「雲のような状態の第2次混合ガス(活性イオン)」が出来上がる。
【0039】
この雲のような状態は、いわば海と空気中の雲に例えることができる。そして、第2次混合ガスfは、燃料供給ライン10を介して、例えば、乾燥室、植物栽培ハウス11等の建物内に配設された燃焼手段12により完全燃焼する。該完全燃焼ガスには活性イオンが多量に含まれている。
【実施例】
【0040】
この欄では、活性化促進部材13A、13Bをそれぞれ簡単に説明する。図11及び図12に示す活性化促進部材13Aは第2実施例である。また、図13及び図14に示す活性化促進部材13Bは第3実施例である。これらの実施例と第1実施例とを比較すると明らかなように、第1実施例の活性化促進部材13のフィルター53は筒体55を構成要素としているのに対して、第2実施例の活性化促進部材13Aは筒体を構成要素としていない。
【0041】
付言すると、第2実施例の活性化促進部材13Aでは、棒状の挿入部分57Aが第1実施例の活性化促進部材13よりも長い点、網体56をサンドイッチ状に挟持する環状の押え具66Aに複数個の貫通小孔70が形成され、前記棒状の挿入部分57Aの下端部側が前記貫通小孔70を貫通している点がそれぞれ異なる。
【0042】
また、第3実施例の活性化促進部材13Bは、フィルター53よりも上方の部分、すなわち、挿入部分57Bが長筒状である点、該長筒状の挿入部分57Bにも水位計14Aが設けられている点が異なる。
【0043】
したがって、本実施例の活性化促進部材13、13A、13Bは、縦長の反応タンク本体51の下端部の内周壁内に不可動的に嵌入するフィルター53、53Aと、このフィルターの上端よりも上方の反応室に位置し、かつ前記縦長の反応タンク本体51の上端開口52まで伸張する棒状、長板状、長筒状のいずれかの挿入部分57、57A、57Bと、この挿入部分の上端部に固定され、かつ縦長の反応タンク本体の上端開口を閉じる蓋体54とから成る。なお、蓋体54は、活性化促進部材13、13A、13Bと別体であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0044】
例えば農業用の植物を育成する装置を製造、販売する産業で利用される。
【符号の説明】
【0045】
X…燃焼ガス発生装置、1…第1次混合ガス生成槽、a…電解液、b…第1次混合ガス、3…気液分離槽、c…第1次生成ガス(例えばマイナスイオン)、5…圧力調整手段、7…第2次混合ガス生成槽、8…供給ライン、d…混合前燃料ガス、e…揮発性炭素水素、f…第2次混合ガス(活性イオン)、9…ガス供給装置、11…植物栽培ハウス、12…燃焼手段、13、13A、13B…活性化促進部材、51…反応タンク本体、52…上端開口、53…フィルター、54…蓋体、55…筒体、56…網体、57、57A、57B…挿入部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1次混合ガス生成槽及び気液分離槽によって生成された第1次生成ガス及びガス供給装置から供給された混合前燃料ガスをそれぞれ同時に受け入れると共に、活性化促進部材を介してかつ揮発性炭化水素の中を通過させながら、これらの物質の授受による相補作用により活性化された第2次混合ガスを生成する第2次混合ガス生成槽と、この第2次混合ガス生成槽によって生成された第2次混合ガスを燃焼する燃焼手段12とから成る燃焼ガス発生装置であって、前記第2次混合ガス生成槽は、反応タンク本体と、この反応タンク本体の上端開口から取り出すことができるように該上端開口から所定位置まで差し込まれ、その挿入下端部にフィルターを備えた前記活性化促進部材とから成ることを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、活性化促進部材の挿入上端部には、反応タンク本体の上端開口を閉じる蓋体が一体的に設けられていることを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項3】
請求項1に於いて、フィルターは、筒体と、この筒体内に上下方向に所定間隔有して固定された複数枚の網体とから成ることを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、活性化促進部材は、縦長の反応タンク本体の下端部の内周壁内に不可動的に嵌入するフィルターと、このフィルターの上端よりも上方の反応室に位置し、かつ前記縦長の反応タンク本体の上端開口まで伸張する棒状、長板状、長筒状のいずれかの挿入部分と、この挿入部分の上端部に固定され、かつ縦長の反応タンク本体の上端開口を閉じる蓋体とからなることを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、燃焼手段は、植物栽培装用のハウス内に配設され、該燃焼手段の完全燃焼ガスに活性イオンを含ませた状態で該ハウス内に放出することを特徴とする燃焼ガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−127206(P2011−127206A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288842(P2009−288842)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(507170251)
【出願人】(509290164)
【出願人】(509290795)
【Fターム(参考)】