説明

燃焼器付太陽熱発電再生ガスタービン

【課題】太陽熱発電ガスタービンは、太陽熱の大きな時間に限って発電可能であり、その時間外は発電不可能である。また、太陽熱単独で発電ができない場合、太陽熱の有効利用ができない。
【解決手段】太陽熱発電再生ガスタービンに燃焼器を付加することにより、燃料の燃焼により、必要なときに発電可能となる。また、太陽熱を補助熱源として熱効率の向上が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
太陽熱と燃料を併用した発電用ガスタービンに関する分野
【背景技術】
【0002】
太陽熱を利用した発電装置には、作動媒体が完全に密閉された状態で作動する密閉サイクルと大気に開放された開放サイクルが採用されている。また、水や熱媒体を利用したランキンサイクル発電システム、一般のガスタービンのように作動媒体としてガスが使用されるブレイトンサイクルがあり、前者は、作動流体を凝縮させる必要があり、水の場合は、約30℃、炭化水素系やフロン系の冷媒の場合、30-60℃に冷却される。 小型の太陽熱発電再生ガスタービンは、集光した高温の熱が利用されるため、コンパクトな柱上に設けられたパラボラ集熱器で集光、受熱部で熱を受けて、ガスタービンで利用される。柱上の受熱部に近接してガスタービンを設置することで、配管を少なくし、設置スペースを少なくする方式が採用されている。この方式では、日中の日射が強い時間帯には、発電がおこなわれるが、それ以外は、発電不可能であり、電池などへ蓄えて使用されている。しかし、長時間の給電や不慮の事故などによる緊急の電力供給は、不可能であり、用途が限られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-275894
【特許文献2】特開2010-275996
【特許文献3】特開2010-275997
【特許文献4】特開2010-281272
【特許文献5】特開2010-285965
【特許文献6】特開2011-7459
【特許文献7】特開2011-32960
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】太陽熱発電 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力系統が整備されていない地域、電力系統から離れた通信設備などの電力設備用として太陽熱発電再生ガスタービンを利用する場合、必要な時に発電可能とする。燃料供給が可能な場合、太陽熱を利用してエネルギー節約を図る。太陽熱発電再生利用ガスタービン又は燃料併用の場合に、排熱を利用して熱効率の向上を図る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
太陽熱発電再生ガスタービンにおいて、ガスタービン部に燃焼器を設ける。太陽熱発電再生ガスタービンの排気部に熱交換器を備える。
【発明の効果】
【0007】
太陽熱発電再生ガスタービンに燃焼器を付加することで、日照量が少ない時間、太陽熱がない場合に燃料の燃焼によって発電が可能となる。日照量によって変化する発電量を燃料の燃焼によって補うことができる。日照量が発電に不足する場合、燃料を燃焼するガスタービンの補助熱源として太陽熱を利用することが可能となり、ガスタービンの熱効率向上に有効である。図1の構成にすることで、軽量コンパクトの燃焼器付太陽熱発電再生ガスタービンを実現可能できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】燃焼器付太陽熱発電再生ガスタービンの構成図
【図2】ターボ部の拡大図
【図3】熱交換器部の拡大図
【図4】熱交換器部の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に実施例1の全体構成図を示す。本考案の太陽熱発電再生ガスタービンは、発電機モータ部1000、ターボ部2000、燃焼器3000、熱交換器4000、受光部5000、受熱部6000で構成されている。

【実施例】
【0010】
図1に実施例1の全体構成図を示す。本考案の太陽熱発電再生ガスタービンは、発電機モータ部1000、ターボ部2000、燃焼器3000、熱交換器4000、受光部5000、受熱部6000で構成されている。
【0011】
図2に発電機モータ系1000、ターボ系2000の詳細図を示す。給気カバー1100に設けられた給気孔1110から給気された空気は、軸受円盤1200に設けられた孔1240を通過してスラスト軸受1210の外周部を冷却、ジャーナル軸受1510の外周、ステータ1400のスロット1410、ステータ外周部の切欠き部1420、ジャーナル軸受1520の外周部、保持部1700に設けられた孔1710を通って、圧縮機のシュラウド2300の中心部の羽根車2100へと流入する。羽根車2100で圧縮・加速された空気は、ディフューザ2200で圧力回復、外周側へと流れる。燃焼器出口3320から流入した高温ガスは、主ケーシング2800とシュラウド2700との間の空間を通って、ノズル2600に流入、高速流となって動翼2500を駆動する。スラストカラー1230、動翼2500、羽根車2100、磁石1610、外筒1620、左筒1630、右筒1640、スペーサ1670は、テンションボルト1650、ナット1660で一体化されている。磁石1610の外周に設けられたステータ1400に巻かれた巻線(図示されていない)に電流が流されることにより、磁界が形成され、磁石1610に回転力が作用、圧縮機の羽根車2100が回転、空気が圧送される。
【0012】
図3に熱交換器系4000の構成を示す。圧縮された空気は、熱交換器入口4100へと流入、タービン排気と熱交換後に出口4300を通って、受熱部6000へ流入する。熱交換器4200は、フィンを有する仕切薄板を介して空気と高温のタービン排気と熱交換する働きをする。
【0013】
図4に燃焼器系3000を示す。受熱部6000で高温化された空気は、熱交換器間に設けられた流路4100に入り、燃焼器3000へと入る。空気は、スワラー3200の外周から流入し、スワラー3200の中心部に設けられた燃料ノズル3210の外周へと吹き出て、燃料の燃焼で高温化されている。燃料は、外筒3100と内筒3300で形成される燃焼室3400で燃焼し、燃焼室出口3420からタービンへと流入する。タービンの動翼2500を出た高温の空気又は燃焼ガスは、排気管2900を通って、排気ガイド2910で外周側へとガイドされ、熱交換器4000へ流入する。熱交換器4000では、半径方向の仕切により、高温空気又は燃焼ガスと低温の空気が分けられている。
本考案の燃焼器付太陽熱発電再生ガスタービンが、太陽熱のみで運転される場合、高温空気は燃焼器3000を通過し、タービンに入り、動翼2500が駆動される。太陽熱に加えて燃焼器3000で燃料が燃焼される状態では、燃焼器3000で高温空気はさらに高温となって、タービンに入る。太陽熱が利用できない場合、燃焼器3000に低温の空気が流入するので、燃焼器3000で燃料の燃焼によって高温化されてタービンへと流入、動翼2500が駆動される。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本考案は、パラボラ等の集光器で集熱された太陽熱を受けて発電する集光部に設置される比較的小出力の太陽熱発電再生ガスタービンとして電力網が整備されていない地域や通信設備用の電源として実用化される。プロパンなどの燃料を併用できるので電気がないと作動しない通信設備用として実用化される。
【符号の説明】
【0015】
1000 発電機モータ系
1100 給気カバー
1110 給気入口
1200 軸受円盤
1210 スラスト軸受
1220 反スラスト軸受
1230 スラストカラー
1300 発電機ケース
1410 スロット
1420 切欠き部
1510 ジャーナル軸受
1520 ジャーナル軸受
1610 磁石
1620 外筒
1630 左筒
1640 右筒
1650 テンションボルト
1660 ナット
1670 スペーサ
1700 軸受ケース
2000 ターボ部
2100 羽根車
2200 ディフューザ
2300 シュラウド
2500 動翼
2600 ノズル
2700 シュラウド
2800 主ケーシング
2900 排気管
2910 排気ガイド
3000 燃焼器
3100 外筒
3200 スワラー
3300 内筒
3400 燃焼室
3410 燃焼室入口
3420 燃焼室出口
4000 熱交換器
4100 空気流路
4110 空気流路入口
4120 空気流路出口
4200 熱交換器
4210 外壁
4300 熱交換器入口
4400 熱交換器出口
4500 排気出口
5000 受光部
6000 受熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光集光部で集められた太陽熱エネルギーを集熱部で媒体に受け、媒体をガスタービンに送って発電する太陽熱発電ガスタービンに於いて、再生熱交換器と燃焼器を有し、圧縮機で圧縮された空気が再生熱交換器を通った後に集熱器へ入り、再生熱交換器の一部に設けられた媒体流路を通って燃焼器に入る構造を有する燃焼器付太陽熱発電再生ガスタービン。
【請求項2】
請求項1において、永久磁石を用いた発電機・モータ回転軸の両端にガス軸受が、一端に圧縮機羽根車とタービン動翼が背中合わせに設けられ、タービン排気管の外周部に対向流円筒型燃焼器、その外周に再生熱交換器が設けられたことを特徴とする燃焼器付太陽熱発電再生ガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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