説明

燃焼機器

【課題】ガス検知部を起動する時期を適切な時期として、安全性を維持しながらも、ガス検知部において省電力化を図ると共にガス検知部の寿命を無駄に浪費することがない燃焼機器を提供する。
【解決手段】燃料ガスGを燃焼する燃焼部と、外部から燃料ガスGを導くガス管12の一端の接続継手11が接続するガス供給口10と、ガス供給口10と接続継手11とが接続状態にあるか非接続状態にあるかを検知するガス管接続状態検知手段Aと、ガス検知部と、外部電力の供給源である電源コンセントとそれに接続する電源プラグ26とを備えた燃焼機器100であって、電源プラグ26が電源コンセントに接続している電力供給状態において、ガス管接続状態検知手段Aがガス供給口10と接続継手11とが接続状態であることを検知した時期に、ガス検知部20を起動させるガス検知部起動手段Cを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスを燃焼する燃焼部と、外部から前記燃料ガスを導くガス管の一端の接続継手が接続するガス供給口と、前記ガス供給口と前記接続継手とが接続状態にあるか非接続状態にあるかを検知するガス管接続状態検知手段と、外部電力の供給源である電源コンセントとそれに接続する電源プラグとを備えた燃焼機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンヒータ等に代表される燃焼機器としては、燃料として燃焼部に供給される燃料ガスや、燃焼部で不完全燃焼が起きた時等に、外部に放出される一酸化炭素ガスを検知するガス検知部が設けられているものが知られている(特許文献1を参照)。
そして、明示はされていないが、特許文献1のガス検知部の起動時期は、例えば、外部電力の供給源である電源コンセントに対して電源プラグが接続されて燃焼機器が電力供給状態となる時期、又は、燃焼機器の操作パネルにおける運転スイッチがON状態とされる時期とされていた。
【0003】
【特許文献1】特開2001−65989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示されているガス検知部は、起動されると比較的多くの電力を消費し、且つ、所定の寿命を有するため、燃料ガスの漏洩や一酸化炭素ガスの発生が生じる可能性が低い状況では、停止状態とすることが望まれる。しかしながら、上述したように、ガス検知部の起動時期が電源コンセントに対して電源プラグが接続されて燃焼機器が電力供給状態となる時期である場合、ガス検知部は、燃焼機器が停止状態でガス漏れが生じている虞が低い状況であるにもかかわらず、起動して電力を無駄に消費すると共にその寿命を浪費するという問題があった。
また、ガス検知部は、起動してから適切なガス検知を行えるようになるまでにはある程度の立ち上がり時間が必要である。このため、例えば、上述したように、ガス検知部の起動時期が、運転スイッチがON状態とされ燃焼機器が運転状態となる時期である場合、燃焼機器の運転開始時に、適切にガス検知を行えない可能性があり、充分にガス検知部を設けている意味が達成されないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス検知部を起動する時期を適切な時期として、ガス検知部の目的を達成することができ、ガス検知部において省電力化を図ると共にガス検知部の寿命を無駄に浪費することがない燃焼機器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る燃焼機器は、燃料ガスを燃焼する燃焼部と、外部から前記燃料ガスを導くガス管の一端の接続継手が接続するガス供給口と、前記ガス供給口と前記接続継手とが接続状態にあるか非接続状態にあるかを検知するガス管接続状態検知手段と、可燃性ガス又は一酸化炭素ガスの少なくとも一方を検知するガス検知部と、外部電力の供給源である電源コンセントとそれに接続する電源プラグとを備えた燃焼機器であって、その特徴構成は、前記電源プラグが前記電源コンセントに接続している電力供給状態において、前記ガス管接続状態検知手段が前記ガス供給口と前記接続継手とが前記接続状態であることを検知した時期に、前記ガス検知部を起動させるガス検知部起動手段を備える点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、電力供給状態において、接続継手とガス供給口とが接続状態であると検知された時期に、ガス検知部が起動することとなる。これにより、電力供給状態となった時点から接続状態が検知される時期までは、ガス検知部は停止状態を維持できるので、ガス検知部において無駄に電力を消費することを抑制すると共にガス検知部の寿命をいたずらに浪費することを抑制できる。
一方、ガス検知部は、接続継手とガス供給口との接続状態を検知した時期に起動するため、燃焼機器の点火動作が始まる時期よりも早い時期に起動することとなる。これにより、燃焼機器の点火時までに、確実にガス検知部をガス検知状態として、燃焼機器が点火中にガス検知が行えない時期が生じることを回避することができる。
以上より、ガス検知部を起動する時期を従来にない特異な時期に設定して、安全性を維持しながらも、ガス検知部において省電力化を図ると共にガス検知部の寿命を無駄に浪費することがない燃焼機器を実現できる。
【0008】
本発明に係る燃焼機器の更なる特徴構成は、前記ガス検知部起動手段は、前記電源プラグが前記電源コンセントに接続されていない電力非供給状態において、前記電力非供給状態から前記電力供給状態へ移行すると、前記ガス管接続状態検知手段にて前記接続状態であるか前記非接続状態であるかを検知して、前記接続状態であることを検知すると、前記ガス検知部を起動する点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、例えば、電源プラグが電源コンセントに接続しておらず、燃焼機器に対して電力が供給されていない状態であっても、その電力非供給状態から電力供給状態に移行すると、ガス管接続状態検知手段にて接続状態であることを検知して、運転スイッチがON状態になる事等を待つことなく、迅速にガス検知部を起動するので、ガス検知部を迅速にガス検知可能状態に導くことができる。これにより、その後、燃焼機器が運転状態に移行しようとする場合には、ガス検知可能状態となっているガス検知部が、良好にガス漏れを検知できる。
【0010】
本発明に係る燃焼機器の更なる特徴構成は、前記燃焼部における燃焼を開始させる燃焼開始手段を備え、前記燃焼開始手段が、前記ガス検知部起動手段が前記ガス検知部を起動させている場合で、且つ、前記燃焼部に対する燃焼開始指令を受信した場合に燃焼を開始する点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、燃焼開始手段が燃焼開始指令を受信して燃焼部における燃焼を開始する時には、ガス検知部が確実に起動されている状態とすることができる。これにより、燃焼部が燃焼状態である場合には、確実に、ガス検知部をガス検知可能状態に維持することができ、漏洩した燃料ガスや燃焼部が不完全燃焼した際に生じる一酸化炭素ガスを確実に検知できる。
【0012】
本発明に係る燃焼機器の更なる特徴構成は、前記燃焼部における燃焼を禁止可能な燃焼禁止手段を備え、前記燃焼禁止手段が、前記ガス検知部が前記燃料ガスの漏れを検知した場合、前記ガス管接続状態検知手段が接続状態から非接続状態への変化を検知した後に再び接続状態であると検知するまでの間は、前記燃焼部における燃焼を禁止する点にある。
【0013】
ガス管接続状態検知手段が、ガス供給口と接続継手とが接続状態であると判定している場合であっても、ガス供給口と接続継手との接続部位に異物等を噛み込んで、これを原因にガス漏れが生じている可能性がある。
上記特徴構成によれば、ガス検知部が可燃性ガスとして燃料ガス等のガス漏れを検知した場合、ガス供給口と接続継手の接続を一旦解除し、再度接続するまでの間は、燃焼部における燃焼が禁止され、燃焼機器が停止状態に維持されることとなる。即ち、ガス漏れが生じている期間に、使用者等に、積極的に、ガス供給口と接続継手を再接続させることで、接続部位に異物が噛み込んでいる場合にはそれを除去することができる。これにより、ガス漏れの原因を使用者に積極的に解消させることができるので、単にガス漏れを警報する場合と比較して、使用者の安全性をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態として、燃焼機器の一例であるガスファンヒータ100の基本構成を、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、ガスファンヒータ100は、供給される燃料ガスG(メタンを主成分とする都市ガス13A等)を燃焼する燃焼室1(燃焼部の一例)と、外気を吸気口7から取り入れて吹き出し口9へ導くファン6と、可燃性ガス(燃料ガスGが漏洩したもの等)を検知するガスセンサ20(ガス検知部の一例)と、ガスファンヒータ100を操作する操作部Bと、その操作部B等からの信号に基づいてガスファンヒータ100の運転を制御する制御装置18とを備えて構成されている。
【0015】
そして、ガスファンヒータ100には、外部から電力を供給する電源コンセントに対して接続する電源プラグ26が設けられ、当該電源プラグ26を介して、制御装置18等に対して電力が供給される。
【0016】
燃焼室1は、ファンヒータ100の外壁面を形成するケーシング13の内部に配置され、燃料ガスGを外部から導くガス供給管2と、その燃料ガスGと外気との混合気を燃焼させるバーナ3と、バーナ3を点火するイグナイタ4と、バーナ3における温度を検出する熱電対5とを備えて構成されている。
ケーシング13は、背面に吸気口7を有すると共に前面に吹き出し口9を有してファンヒータ100全体を外囲する形状に構成され、その内部には、外気の一部を燃焼用空気として燃焼室1に導くと共に、その残部を燃焼室1から排出された燃焼ガス(燃料ガスGと燃焼用空気とが混合して燃焼した後のガス)と混合して吹き出し口9から送り出すように、外気流通流路8が設けられている。吸気口7には、異物等を除去するエアフィルタ17が設けられている。
【0017】
ケーシング13の背面には、詳細は後述するが、燃料ガスGを導くガス管12の接続継手11と接続するガス供給口10が設けられている。
【0018】
上記ファン6は、外気流通流路8の途中に配置され、吸気口7から外気を吸引してその一部を燃焼室1を介して流通させると共に、その残部と燃焼室1から排出された燃焼ガスとを混合して吹き出し口9へ導くように機能する。
【0019】
ガスセンサ20は、後述するように、外部から電力が供給されると起動するように構成されると共に、制御装置18からの制御信号に基づいて起動及び停止可能に構成されている。例えば、当該ガスセンサ20は、半導体式のものや赤外線吸収式のもの等が用いられ、図1に示すように、ケーシング13の外側面の内側等、外気が対流して可燃性ガスを検知し易い場所に設けられる。
そして、ガスセンサ20は、外部から電力が供給されて起動しガス検知可能状態にある場合、その雰囲気に存在する可燃性ガスの濃度を検知するように機能する。そして、可燃性ガスの濃度が設定値以上であると判定した場合、異常検知信号を制御装置18に送信する。制御装置18は、ガスセンサ20から異常検知信号を受信した場合、ガス供給管2に設けられている開閉弁24(図2に図示)を閉状態としてバーナ3の燃焼を停止させ、その後設定時間が経過するまでファン6の駆動を継続させると共に、後述する異常報知パネル16にその異常検知信号を送信する。
【0020】
操作部Bは、ファンヒータ100を起動及び停止する運転開始信号及び運転停止信号を制御装置18に送信する運転スイッチ14、目標温度を変更可能であると共に当該目標温度に関する信号を制御装置18に送信する温度設定ボタン15、制御装置18からファンヒータ100の異常検知信号を受信して「ガス漏れ異常」や「点火異常」等の情報を表示する異常報知パネル16を備えて構成されている。
【0021】
制御装置18は、電源プラグ26が電源コンセントに接続された状態である電力供給状態において、後述する特別な場合を除き、運転ボタン14から運転開始信号を受信した場合、ファン6を回転駆動させ、ガス供給管2に設けられている開閉弁24(図2に図示)を開状態として燃料ガスGをバーナ3に供給し、イグナイタ4を点火してバーナ3を燃焼させる。一方、運転ボタン14から運転停止信号を受信した場合、ファン6の回転駆動を停止させ、ガス供給管2に設けられている開閉弁24(図2に図示)を閉状態とし燃料ガスGのバーナ3への供給を停止する。
【0022】
次に、本発明の燃焼機器の一例であるファンヒータ100の特徴構成を、図面に基づいて説明する。本発明では、上述したガスセンサ20の起動時期を、燃料ガスGを導くガス管12の一端に設けられた接続継手11とガス供給口10とが接続状態となる時期と同期させる点を特徴とする。そこで、以下では、まず、上述した接続継手11とガス供給口10の構造を簡単に説明し、それらの取り付け時及び取り外し時についての動作及び作用について説明し、取り付けによる接続状態及び取り外しによる非接続状態を検知するガス管接続状態検知手段21について、図3及び図4に基づいて説明する。
【0023】
図3は、接続継手11がガス供給口10に接続されない非接続状態を示しており、接続継手11の先端からの燃料ガスGの漏洩が防止される閉止状態を示している。
これに対し、図4は、接続継手11がガス供給口10に接続される接続状態を示しており、ガス管12、接続継手11、及び、ガス供給口10に渡って流体流路が形成され、ガス管12側からファンヒータ100(図4には図示せず)側への燃料ガスGの供給が可能な状態を示している。この状態では、接続継手11は、その先端からの燃料ガスGの流出が許容される開放状態となっている。
【0024】
〔接続継手11の構造〕
接続継手30は、図4に示すように、筒状本体31と、ガス管12を筒状本体31へ接続するコネクタ32と、筒状本体31の内部にその軸心方向に沿って移動自在に配設された作動部材33と、筒状本体31の外周部の先端側にその軸心方向に沿って移動自在に配設された筒状のスリーブ部材34と、筒状本体31の外周部の基端側部分を覆うカバー部材35と、筒状本体31の先端側の部分にその周方向に間隔を隔てて形成された複数のボール配設孔に各別に配設された複数のロック用ボール36等を備えて構成されている。
【0025】
図3に示すように、閉止状態の接続継手11は、作動部材33がコイルバネ(図示せず)等の付勢手段によりコネクタ32の側とは反対側に位置する状態に保持される。このように保持された作動部材33により、ロック用ボール36が径方向外方に押圧されてスリーブ部材34に係合する状態となり、スリーブ部材34が接続継手基端側に位置する状態に保持される。
そして、閉止状態の接続継手11では、筒状本体31の内部と作動部材33の内部とが非連通状態となり、接続継手11の先端からの燃料ガスGの流出が停止される。
【0026】
又、図4に示すように、開放状態の接続継手11では、後述するガス供給口10により作動部材33が接続継手基端側に押し込まれて、筒状本体31の内部と作動部材33の内部とが連通状態となって、コネクタ32、筒状本体31の内部、作動部材33の内部に渡って流体流路が形成されることとなり、燃料ガスGがコネクタ32から流入して接続継手11の先端から流出することが許容される。
そして、開放状態の継手部材30では、ロック用ボール36が後述するガス供給口10のロック溝47に嵌り込み、ロック用ボール36がスリーブ部材34に係合する状態が解除されて、スリーブ部材34がコイルバネ(図示せず)等の付勢手段により接続継手先端側に移動する。
【0027】
〔ガス供給口10の構造〕
ガス供給口10は、図3及び図4に示すように、その基端から先端に向けて、プラグ本体部41と、そのプラグ本体部41よりも小径の小径部42と、その小径部42よりも小径で接続継手11に接続される接続部43と、軸心方向に貫通する内部ガス流路44とを備えて構成されている。
接続部43は、先端側の第1環状部45と基端側の第2環状部49とそれらの間のロック溝47とを備えて構成されている。
その接続部43は、接続継手11の筒状本体31の内周面に摺接する状態で挿入可能に構成され、小径部42の外径は、接続継手11のスリーブ部材34の内径よりも小径であり、プラグ本体部41の外径は、接続継手11のスリーブ部材34の内径よりも大径である。
【0028】
そして、プラグ本体部41の軸線方向の先端側には、詳細は後述するが、その端面から軸線方向の先端側に付勢される機械式接触型スイッチ46が設けられ、当該機械式接触型スイッチ46は、プラグ本体部41の先端側にスリーブ部材34のコネクタ32の側と反対側の端面と当接する当接片46aを備えている。その当接片46aは、軸線方向においてプラグ本体部41の先端側に位置する非接続検知位置(図3に示す位置)と、基端側に位置する接続検知位置(図4に示す位置)とに切替自在に設けられている。
【0029】
次に、ガス供給口10に接続継手11を取り付ける場合、及びガス供給口10から接続継手11を取り外す場合夫々における、接続継手11とガス供給口10夫々の作動について説明する。
〔取り付ける場合の作動〕
接続継手11をガス供給口10に取り付ける場合、図3に示す如く閉止状態の接続継手11を、その筒状本体31内にガス供給口10の接続部43を挿入させる状態でガス供給口10に向けて移動させる。すると、ガス供給口10の接続部43により作動部材33が接続継手基端側に押し込まれながら、図4に示す如くロック用ボール36が接続部43のロック溝47に近づいてそのロック溝47に嵌り込み、それに伴って、スリーブ部材34がロック用ボール36に係合される状態が解除されて、スリーブ部材34が接続継手先端側に突出して、接続継手11がガス供給口10に接続される。そして、そのようにスリーブ部材34が接続継手先端側に突出すると、スリーブ部材34の先端面が機械式接触型スイッチ46の当接片46aに当接し、その当接片46aが押し込まれる。上述した一連の取り付けに係る作動により、接続継手11とガス供給口10とが、図4に示す接続状態へ移行する。
〔取り外す場合の作動〕
接続継手11をガス供給口10から取り外す場合、図4に示す如くガス供給口10に取り付けられた接続継手11のスリーブ部材34をコイルバネ(図示せず)等の付勢手段の付勢力に抗して接続継手基端側に移動させる。すると、ロック用ボール36が径方向外方に移動することが許容される状態となり、それによって、接続継手11をガス供給口10の接続部43から引き抜くことが可能となり、接続継手11をガス供給口10から取り外すことができる。又、機械式接触型スイッチ46の当接片46aは、スリーブ部材34により押圧される状態が解除されて当接片46aが突出する。上述した一連の取り外しに係る作動により、接続継手11とガス供給口10とが、図3に示す非接続状態へ移行する。
【0030】
機械式接触型スイッチ46は、当接片46aがスリーブ部材34の非コネクタ側の端面に当接し、ガス供給口10の基端側へ押し込まれることで接続状態であると検知し、当接片46aがスリーブ部材34の先端面により押圧される状態が解除され突出することで非接続状態であると検知することで、ガス管接続状態検知手段Aとして機能する。当該機械式接触型スイッチ46は、電力供給状態において、接続状態又は非接続状態を検知すると、制御装置18に接続状態信号又は非接続状態信号を送信する。
【0031】
制御装置18は、電力供給状態において、接続状態信号を受信すると即時に、ガスセンサ20に対して運転開始信号を送信し、ガスセンサ20をただちに起動させ、ガス検知可能状態へ移行させるガス検知部起動手段Cとして機能する。
これにより、ガスセンサ20は、電力供給状態となる時期より後に起動することとなり、電力を無駄に消費することなく寿命を浪費しない形態で稼動することとなる。また、少なくともファンヒータ100が運転状態となる時期、即ち、バーナ3が燃焼状態となる時期よりも前に起動するので、バーナ3が燃焼状態においては確実にガス検知可能状態を維持して安全性を確保する形態で稼動することとなる。
尚、例えば、制御装置18は、機械式接触型スイッチ46から接続状態信号を受信して、ガスセンサ20に対して運転開始信号を送信する時期は、予め設定された時間が経過した時期でもよい。ここで、予め設定された時間とは、例えば、使用者等がガス供給口10に接続継手11を接続してから、ファンヒータ100の運転スイッチ14を押下するまでの時間よりも短い時間とすることができる。この時間は、例えば、予め実験等により計測し、それらを平均化することによって導出することができる。
【0032】
また、制御装置18は、ガスセンサ20を起動させている場合で、且つ、運転スイッチ14から燃焼開始信号を受信した場合に、開閉弁24を開状態にして燃料ガスGをバーナ3に導くと共にイグナイタ4によりその燃料ガスGに点火する形態で、燃焼を開始させる燃焼開始手段Eとして機能する。
これにより、燃焼開始手段Eは、燃焼開始信号を受信して燃焼を開始する時には、ガスセンサ20を確実に起動している状態を維持する機能を発揮する。
【0033】
また、制御装置18は、電力非供給状態であり、且つ、ガス供給口10に対して接続継手11が接続されている状況においても、ガス検知部起動手段Cとして良好に機能する。即ち、制御装置18は、電力非供給状態から電力供給状態へ移行し、電力の供給により機械式接触型センサ46が検知可能な状態となって、ガス供給口10と接続継手11とが接続状態であるか非接続状態であるかを検知し、接続状態であることを検知すると、ただちにガスセンサ20を起動させてガス検知状態へ移行させるように機能する。これにより、電力非供給状態から電力供給常態へ移行した直後であっても、迅速にガスセンサ20を迅速に電力供給状態へ移行させて、使用者の安全性を確保することができる。
【0034】
制御装置18は、ガスセンサ20が燃料ガスGの漏れ等を検知した場合には、上記機械式接触型スイッチ46から接続状態信号を受信した後非接続状態信号を受信して、接続状態から非接続状態への変化を検知した後、再度接続状態検知信号を受信するまでの期間を運転禁止期間として、その運転禁止期間の間、開閉弁24(図2に図示)を閉状態に維持して、バーナ3が燃焼状態に移行しないように燃焼禁止手段Dとして機能する。
尚、例えば、上記運転禁止期間において、操作パネル16に「ガス漏れ異常、ファンヒータからガス管を取り外して下さい」等を表示するようにすれば、使用者に、ガス漏れの一要因であるガス供給口10と接続継手11との間の異物を除去させ、より使用者の安全性を高める効果をも期待できる。
【0035】
次に、図5及び図6に基づいて、本発明の燃焼機器の一例であるファンヒータ100の作動について説明する。図5及び図6は、ファンヒータ100が、電力供給状態であるという前提におけるファンヒータ100の作動フローを示している。
【0036】
電源プラグ26が電源コンセントに接続されて、ファンヒータ100が電力供給状態である場合、ファンヒータ100は、休止状態を維持する(♯101)。次に、接続継手11がガス供給口10に接続される(♯102)と、機械式接触型スイッチ46(ガス管接続状態検知手段Aの一例)が、接続状態であることを検知して、制御装置18が起動する(♯103〜♯104)。尚、非接続状態であることを検知した場合は、(♯102)の接続処理を再度実行する。
ここで、機械式接触型スイッチ46は、制御装置18から独立して機能するように構成することができ、制御装置18が停止状態である場合であっても作動するようにすることができる。
そして、電力供給状態であり、且つ、機械式接触型スイッチ46が接続状態を検知している状態となるので、制御手段18(ガス検知部起動手段Cの一例)は、ガスセンサ20を起動させてガス検知可能状態へ移行させる(♯105)。ガスセンサ20は、その雰囲気の可燃性ガスの濃度Cが、設定濃度C0以下であることを検知した場合、異常検知信号を送信せず〔この後、フローは(♯107)以降の〔正常運転フロー〕へ移る〕、設定濃度C0より高いことを検知した場合、異常検知信号を制御装置18に送信する(この後、フローは、図6に示す〔ガス漏れ異常フロー〕へ移る)。
【0037】
〔正常運転フロー〕
当該正常運転フローにおいて、運転スイッチ14がON状態となると、運転スイッチ14は運転開始信号を制御装置18に送信する(♯107)。制御装置18は、運転開始信号を受信すると、各機器を起動するファンヒータ起動処理を実行する(♯109)。ここで、ファンヒータ起動処理とは、ファン6を駆動させ、開閉弁24を開状態としてバーナ3に燃料ガスGを供給し、イグナイタ2を点火してバーナ3を燃焼状態とする処理である。尚、制御装置18は、ガスセンサ20を起動させている場合で、且つ、運転スイッチ14から燃焼開始信号を受信した場合に、開閉弁24を開状態にして燃料ガスGをバーナ3に導くと共にイグナイタ4によりその燃料ガスGに点火する形態で、燃焼を開始させる。
上記(♯107)において、ガスセンサ20が起動してからの経過時間Tが、設定時間T0(例えば、10分)を超えた場合、制御装置18は、ガスセンサ20を停止してガス検知不能状態へ移行させる〔フローは、(♯101)へ戻る〕。
【0038】
〔点火確認処理〕
次に、制御装置18は、点火確認処理を実行する(♯110)。当該点火確認処理では、制御装置18が熱電対5によりバーナ3の温度を検出し点火状態を判定する処理であり、熱電対5は検出した検出温度を制御装置18に送信し、検出温度が設定温度よりも高い場合は、正常点火状態であると判定し、低い場合は、点火異常であると判定する。制御装置18は、点火異常と判定した場合、操作部Bの異常報知パネル16に「点火異常」等を表示すると共に、警報ブザー(図示せず)を鳴動すると共に、ファンヒータ停止処理を行って、ファンヒータ100を休止状態へ移行させる。ここで、ファンヒータ停止処理とは、ファンヒータ起動処理で起動したファンヒータ100の各機器を停止する処理であるが、ファン6だけは、設定時間が経過するまでの間、その作動を継続させる。そして、操作部Bの運転スイッチ14がOFF状態とされると、制御装置18は、異常報知パネル16や警報ブザーを停止する〔フローは、(♯101)へ戻る〕。
【0039】
上記点火確認処理において、正常に着火されていると判断された場合、ガスセンサ20は、再度、ガス漏れ検知処理を実行する(♯111)。ガスセンサ20は、その雰囲気の可燃性ガスの濃度Cが設定濃度C0以下である場合、異常検知信号を送信しないので、ファンヒータ100は各運転機器が適切に起動状態に維持する形態で暖房運転を実行する(♯112)。この後、運転スイッチがOFF状態になると、ファンヒータ停止処理が実行される(♯114)〔フローは、(♯101)へ戻る〕。上記(♯111)のガス漏れ検知において、ガスセンサ20が、その雰囲気の可燃性ガスの濃度Cが設定濃度C0より高い場合、ファンヒータ停止処理が実行され(♯114)、図6に示す〔ガス漏れ異常フロー〕に以降する。
【0040】
〔ガス漏れ異常フロー〕
上述した(♯106)及び(♯111)のガス漏れ検知において、ガスセンサ20は、ガス漏れを検知した場合、異常検知信号を制御装置18に送信する。制御装置18は、操作部Bの異常報知パネル16等により「ガス漏れ異常」等を表示すると共に、警報ブザー(図示せず)を鳴動する(♯115)。尚、当該ガス漏れは、ガス供給口10と接続継手11とが異物を噛み込んで接続していることが原因で生じている可能性があるので、一度、使用者に接続継手11をガス供給口10から外させれば、ガス漏れを早期に停止できる可能性がある。そこで、制御装置18は、異常報知パネル16等に「ファンヒータからガス管を一旦取り外して下さい」等を表示させる。その後、ガス供給口10から接続継手11が取り外されたことを確認するため、機械式接触型スイッチ46が、ガス供給口10と接続継手11とが接続状態か非接続状態かを検知する(♯116)。ここで、ガス供給口10から接続継手11が取り外されず、接続状態を検知し続ける場合(非接続状態を検知しない場合)、制御装置18は、バーナ3に燃料ガスGを供給するガス供給管2の開閉弁24を閉止状態として、バーナ3での燃焼を禁止する運転禁止処理を実行する燃焼禁止手段Dとして機能する(♯117)。一方、ガス供給口10から接続継手11が取り外され、非接続状態を検知する場合、その後、再度接続状態を検知し、ガス供給口10から接続継手11が一旦外されて再度接続されたことが確認されると、上記運転禁止処理は解除される(♯119)〔フローは、(♯101)に戻る〕。
【0041】
次に、前提が、電源プラグ26が電源コンセントに接続していない電力非供給状態で、且つ、ガス供給口10に接続継手11が接続されている状態である場合において、ガスファンヒータ100の動作を、図7を用いて説明する。
【0042】
電源プラグ26が電源コンセントに接続していない電力非供給状態では、ファンヒータ100の各運転機器は停止状態となっている(♯201)。ここで、電源プラグ26が電源コンセントに接続され(♯202)、電力非供給状態から電力供給状態に移行する(♯203)と、機械式接触型スイッチ46に電力が供給され即座に接続検知可能状態へ移行し(♯204)、接続継手11がガス供給口10へ接続する接続状態か非接続状態であるか検知し、接続検知状態である場合、上述したファンヒータ100の運転フローを続けて実行することとなる。〔フローは、図5の(♯104)へ移行する。〕
尚、上記(♯203)において電力供給状態でない場合、及び上記(♯205)において機械式接触型スイッチ46が接続検知可能状態へ移行しない場合、ファンヒータ100の各運転機器は、電力供給状態となるまで待機する。
【0043】
〔別実施形態〕
(イ)上記実施形態においては、ガスセンサ20は、可燃性ガスを検知するものとしたが、燃焼部における不完全燃焼により生じる一酸化炭素ガスをも検知可能なものとしてもよいし、可燃性ガスを検知可能なものと一酸化炭素ガスを検知可能なものを両方備えても良い。
【0044】
(ロ)上記実施形態において、「ガス漏れ異常」の状態となった場合に点灯又は点滅するガス漏れランプや、「点火異常」の状態となった場合に点灯又は点滅する点火異常ランプ等を別途設けておいてもよいし、「ガス漏れ異常」や「点火異常」の状態となった場合に、ビープ音や音声を鳴動する警報ブザーを設けておいてもよい。
【0045】
(ハ)上記実施形態において、ガス供給口10に接続継手11が接続している状態を検知するガス管接続状態検知手段Cとして、機械式接触型スイッチ46を例示したが、例えば、接続状態においてガス供給口10の周囲の磁界の変化により接続状態を検知するコイル式のものや、接続継手11に電気的に接触して通電状態により接続状態を検知する電気式のものであってよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本願発明の燃焼機器は、ガス検知部を起動する時期を適切な時期として、ガス検知部の目的を達成することができ、ガス検知部において省電力化を図ると共にガス検知部の寿命を無駄に浪費することがない燃焼機器として、有効に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の燃焼機器の概略構成図
【図2】本発明の燃焼機器のブロック図
【図3】本発明の接続継手とガス供給口との非接続状態を示す概略構成図
【図4】本発明の接続継手とガス供給口との接続状態を示す概略構成図
【図5】本発明の燃焼機器の動作の流れを示すフロー図
【図6】本発明の燃焼機器の動作の流れを示すフロー図
【図7】本発明の燃焼機器の動作の流れを示すフロー図
【符号の説明】
【0048】
1 :燃焼室
10 :ガス供給口
11 :接続継手
12 :ガス管
18 :制御装置
20 :ガスセンサ
A :ガス管接続状態検知手段
C :ガス検知部
D :運転禁止手段
E :燃焼開始手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスを燃焼する燃焼部と、
外部から前記燃料ガスを導くガス管の一端の接続継手が接続するガス供給口と、
前記ガス供給口と前記接続継手とが接続状態にあるか非接続状態にあるかを検知するガス管接続状態検知手段と、
可燃性ガス又は一酸化炭素ガスの少なくとも一方を検知するガス検知部と、
外部電力の供給源である電源コンセントとそれに接続する電源プラグとを備えた燃焼機器であって、
前記電源プラグが前記電源コンセントに接続している電力供給状態において、
前記ガス管接続状態検知手段が前記ガス供給口と前記接続継手とが前記接続状態であることを検知した時期に、前記ガス検知部を起動させるガス検知部起動手段を備える燃焼機器。
【請求項2】
前記ガス検知部起動手段は、前記電源プラグが前記電源コンセントに接続されていない電力非供給状態において、前記電力非供給状態から前記電力供給状態へ移行すると、前記ガス管接続状態検知手段にて前記接続状態であるか前記非接続状態であるかを検知して、前記接続状態であることを検知すると、前記ガス検知部を起動する請求項1に記載の燃焼機器。
【請求項3】
前記燃焼部における燃焼を開始させる燃焼開始手段を備え、
前記燃焼開始手段が、前記ガス検知部起動手段が前記ガス検知部を起動させている場合で、且つ、前記燃焼部に対する燃焼開始指令を受信した場合に燃焼を開始する請求項1又は2に記載の燃焼機器。
【請求項4】
前記燃焼部における燃焼を禁止可能な燃焼禁止手段を備え、
前記燃焼禁止手段が、前記ガス検知部が前記燃料ガスの漏れを検知した場合、
前記ガス管接続状態検知手段が接続状態から非接続状態への変化を検知した後に再び接続状態であると検知するまでの間は、前記燃焼部における燃焼を禁止する請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃焼機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−151349(P2010−151349A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328593(P2008−328593)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】