説明

燃焼機器

【課題】使用者が遅延動作中に電源コード抜いて対流ファン4を強制的に停止することを抑止する燃焼機器を提供する。
【解決手段】
液体燃料を供給するポンプ11と、前記ポンプによって供給される燃油を噴出するノズル部12と、ノズル部から噴出される燃油を気化燃焼させるバ−ナ2と、このバーナで発生する熱を室内に放出するための対流ファン4と、設定温度と室温の差に応じて負荷を所定の運転シーケンスに従って制御する制御部3と、運転の状態を表示するデジタル表示部20とを備え、前記制御部は消火操作時のポンプ停止後、前記対流ファンを所定時間の遅延時間を持たせて動作させる消火制御を形成すると共に消火信号に基づき、前記デジタル表示部に前記所定時間のカウントダウンを表示するようにしたことで、使用者が対流ファン4の遅延動作中に電源コードを抜いて強制停止をすることを抑止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油温風暖房機などの燃焼機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の燃焼機器においては、運転停止時に燃焼機器内部の熱を放出して冷却するために、運転停止操作後も対流ファンを遅延運転してから完全に停止するものであった。また、運転停止操作後の対流ファンの遅延運転を使用者に認識させるために、遅延運転が終了するまで表示ランプを点滅させるものも有った。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−63677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものでは、対流ファンの遅延運転時には表示ランプの点滅によって、使用者に対流ファンが運転中であることを知らせることはできるが、その点滅がいつ終了するかは解らないので外出時などの急いでいる時は、使用者は待ちきれずに電源コードを抜くことで燃焼機器内部が冷え切らない状態で全停止してしまい、燃焼機器の外表面までかなりの高温になったり、このような状態が繰り返されることによって内部に備えた電気部品等に悪影響をあたえる心配があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、液体燃料を供給するポンプと、前記ポンプによって供給される燃油を噴出するノズル部と、ノズル部から噴出される燃油を気化燃焼させるバ−ナと、このバーナで発生する熱を室内に放出するための対流ファンと、設定温度と室温の差に応じて負荷を所定の運転シーケンスに従って制御する制御部と、運転の状態を表示するデジタル表示部とを備え、前記制御部は消火操作時のポンプ停止後、前記対流ファンを所定時間の遅延時間を持たせて動作させる消火制御を形成すると共に消火信号に基づき、前記デジタル表示部に前記所定時間のカウントダウンを表示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、運転停止時に対流ファン遅延動作が終了するまでの間、カウントダウンを表示することで、対流ファンが停止するまでの時間を使用者に極めて分かり易く伝えることができ、使用者が遅延動作中に電源コード抜いて対流ファンを強制的に停止することを抑止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の一実施例を付した燃焼機器を示す断面図。
【図2】同構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明に係る発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
1は屋内に設置されるファンヒータ本体で、ファンヒータ本体1内部に燃焼を行うバーナ2と、このファンヒータの作動を制御するマイコンを主体として構成された制御装置3と、ファンヒータ本体1背面開口部の対流ファン4と、ファンヒータ本体1前面の温風吹出口5と、ファンヒータ本体1前面側上部の操作部6とを備えているもので、バーナ2での燃焼排気ガスを対流ファン4により温風吹出口5から室内に吹き出すことで暖房を行うものである。
【0010】
前記バーナ2は、複数の炎孔を有したバーナヘッド7の下部に気化ヒータ8を有した気化器9を備えて構成され、気化ヒータ8によって加熱された気化器9内に油受け皿10から容積型の電磁ポンプ11の駆動で送油ノズル12を通じて液体燃料を供給し、この液体燃料が気化した気化ガスと燃焼用送風機13から送風路14を通じて供給される燃焼用空気との混合ガスを前記バーナヘッド7の炎孔で燃焼させ、また燃焼中は前記気化器9の上端に複数の炎孔に対向する如く備えた環状の熱回収リング15によって炎から熱回収を行い気化ヒータ8の通電を低減しているもので、ターンダウン比が広く静かな気化燃焼を行うものである。
【0011】
前記操作部6には、運転の開始/停止を指令するための運転スイッチ16と、室温上昇スイッチ17と室温下降スイッチ18とにより構成され所望の室温を設定する室温設定手段19と、タイマースイッチや予熱待機スイッチなどの各種の操作スイッチと、時刻や設定室温を表示するデジタル表示部20が設けられている。このデジタル表示部20はLED7セグ、または液晶による4桁の数字を表示するもので、ファンヒータ運転時には選択的に時刻や設定温度、現在室温等を表示し、運転停止時の対流ファン4遅延運転時には遅延時間が終了するまでの時間を1秒刻みでのカウントダウンを表示するものである。
【0012】
21は前記気化ヒータ8で加熱される気化器9の温度を検知する気化温度センサで、前記制御装置3はこの気化温度センサ21の検知温度が所定の上限温度になると前記気化ヒータ8をオフし、また所定の下限温度になると前記気化ヒータ8をオンして気化器9の温度を液体燃料を良好に気化できる温度範囲内に保持する。
【0013】
また、前記制御装置3は、運転スイッチ16の運転指令により、前記気化温度センサ21の検知温度を監視して前記気化器9を液体燃料を気化可能な温度まで気化ヒータ8により加熱し、気化器9の温度を燃焼に適する温度まで上昇させると前記電磁ポンプ11及び燃焼用送風機13を駆動開始し、点火装置22により混合ガスに点火して燃焼を開始させ、フレームロッドによる燃焼センサ23により炎を検知し、器具本体1背面の対流用送風機4の近傍に設けられた室温センサ24の検知室温と前記室温設定手段19で設定された設定室温との偏差に応じて、前記電磁ポンプ11及び燃焼用送風機13を制御して燃焼火力を可変して前記室温設定手段19で設定された室温になるように制御する。
【0014】
この燃焼火力の可変制御は、燃焼用送風機13の駆動周波数及び電磁ポンプ11の駆動周波数を一組として予め複数段階に細分化されて火力として設定しており、検知室温と設定室温の偏差及び室温の変化勾配に応じて細分化された火力を選択することによって行われる。
【0015】
また、前記制御装置3は、タイマー部25と記憶部26を有し、前記タイマー部25は、運転スイッチ16の運転停止指令を受けると、前記対流ファン4と気化ヒータ8と電磁ポンプ11と燃焼用送風機13とを前記タイマー部24のカウントに応じて適宜消火制御して、臭い及び煙のない快適な消火を実現すると共に、燃焼センサ23により不完全燃焼を検出すると計時を開始し、所定時間経過後に計時を停止するものである。
【0016】
前記記憶部26は、燃焼センサ23により不完全燃焼を検出してタイマー部24が所定時間を計時している間に燃焼センサ23により検出した不完全燃焼の回数を記憶するものである。
【0017】
次にこの一実施形態の運転停止時の作動について説明する。
運転状態のファンヒータの運転スイッチ16を押圧すれば気化ヒータ8と電磁ポンプ11と燃焼用送風機13とが停止することでバーナー2による燃焼が消火する、超過直後はバーナ−2周囲や送風経路は高温であるので、これを冷却するために対流ファン4は継続して回転し所定時間の遅延運転を続け、所定時間後に冷却が終了して対流ファン4が停止することでファンヒータが全停止するものです。前記の所定時間はファンヒータの定格燃焼量やそれぞれの機種によって異なるものですが、約100〜150秒に設定されるものであり、例えば、所定時間を120秒に設定したとすれば、前記の様に運転停止の操作が行われると略同時にデジタル表示部20に120秒が表示されると共に、カウントダウンを開始する、その後表示部20が0秒までカウントダウンされると対流ファン4が停止し、表示部20も消灯することでファンヒータが全停止する。
【0018】
このように、運転停止時に対流ファン4の遅延動作が終了するまでの間、カウントダウンを表示することで、対流ファン4が停止するまでの時間を使用者に極めて分かり易く伝えることができ、使用者が遅延動作中に電源コード抜いて対流ファン4を強制的に停止することを抑止することができるものである。
【符号の説明】
【0019】
2 バーナ
3 制御装置
4 対流ファン
20 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を供給するポンプと、前記ポンプによって供給される燃油を噴出するノズル部と、ノズル部から噴出される燃油を気化燃焼させるバ−ナと、このバーナで発生する熱を室内に放出するための対流ファンと、設定温度と室温の差に応じて負荷を所定の運転シーケンスに従って制御する制御部と、運転の状態を表示するデジタル表示部とを備え、前記制御部は消火操作時のポンプ停止後、前記対流ファンを所定時間の遅延時間を持たせて動作させる消火制御を形成すると共に消火信号に基づき、前記デジタル表示部に前記所定時間のカウントダウンを表示するようにした燃焼機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−79741(P2013−79741A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218827(P2011−218827)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】