説明

燃焼装置を運転する方法及び該方法を実施するための燃焼装置

【課題】脈動の回避に関して有効性を変えることなく明らかに簡単化されている、燃料ステージングを装備する予混合バーナを制御する方法を提供する。
【解決手段】燃焼装置(22)を運転する方法において、連続的に、燃焼チャンバ(23)内に発生する脈動の脈動レベル(p)を求め、脈動レベル(p)が所定の最大値(pmax)を超過すると、少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)の燃料ステージング(s)を、脈動レベル(p)を下げるために変更し、かつ所定の時間(Δt)中に所定の最大値(pmax)が超過されなければ、この所定の時間(Δt)後、燃料ステージング(s)を、その都度の運転点にとって標準的な乱されていない値に戻すようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼技術の分野に係り、特に、ガスタービンとの関連での燃焼技術の分野に関する。
【0002】
本発明は、燃焼装置を運転する方法であって、燃焼装置が、燃料ステージングを装備する、燃焼チャンバに接続される少なくとも1つの予混合バーナを備え、過渡運転状態中、少なくとも1つの予混合バーナの燃料ステージングを、燃焼チャンバ内に発生する、燃焼により誘起される脈動に応じて変更する、燃焼装置を運転する方法に関する。
【0003】
さらに本発明は、上述の方法を実施するための燃焼装置であって、燃焼装置が、燃焼チャンバと、燃焼チャンバに接続される、燃料ステージングを装備する少なくとも1つの予混合バーナとを備え、燃料ステージングが制御部により、燃焼チャンバ内に配置される測定手段により測定される、燃焼により誘起される脈動に応じて変更可能である燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0004】
希薄予混合燃焼のコンセプトにしたがって運転されるバーナシステムは、低有害物質排出を示すものの、明らかに狭められた安定領域を有している。混合域における逆火(フラッシュバック)及び予混合火炎の浮き上がりあるいは失火の他、熱音響振動は、運転特性における明らかな制限要因となる。
【0005】
予混合バーナの運転特性は、有段の燃料供給により改善可能である(例えば欧州特許出願公開第0797051号明細書、欧州特許第1205653号明細書、欧州特許第1292795号明細書、欧州特許第1344002号明細書又は国際公開第2007/082608号パンフレット参照)。
【0006】
バーナ内に取り付けられる中央の装置を介した燃料ステージング(Brennstoffstufung)は、図1に、欧州特許第1292795号明細書に記載のダブルコーンバーナ又はEVバーナを例にとって示されている。図1は、予混合バーナ10を示している。予混合バーナ10は、ダブルコーン12を有している。ダブルコーン12には、中央の燃料供給部11が開口している。中央で噴射される燃料は、第1の燃料ステージ13をなす。第2の燃料ステージ14は、別の燃料がダブルコーン12の空気供給スリットに噴射されることにより生じる。
【0007】
バーナ空気スリット12,14内での燃料噴射(燃料ステージNo.2)との比較において中央の燃料噴射11,13(燃料ステージNo.1)を介した燃料の割合を調節することにより、バーナ10の運転領域は、予混合火炎の失火あるいは浮き上がり及び逆火に関して拡大可能である。さらに燃料ステージングは、バーナ10の運転領域を熱音響振動及び有害物質排出に関して最適化する可能性を提供する。
【0008】
図2には、燃料ステージングの別の形態を備える欧州特許出願公開第0797051号明細書に記載の別の予混合バーナ20が示してある。図示の形態では、バーナ20は、ダブルコーン16を有している。ダブルコーン16には、燃焼チャンバ15に向かって、混合管17が接続している。混合管17の端部には、外部の燃料供給部18が配置されている。外部の燃料供給部18において供給される燃料は、燃料ステージ19(燃料ステージNo.1)を形成する。ダブルコーン16のバーナ空気スリットを介して供給される燃料は、燃料ステージ21(燃料ステージNo.2)を形成する。この図示のバーナシステムも、燃料ステージングにより熱音響振動及び有害物質排出に関して最適化可能である。図1に示した、中央での噴射を行うバーナシステムに対して、外部の燃料噴射を行う予混合バーナは、予混合火炎の失火あるいは浮き上がりに関して明らかに拡大された運転領域を有している。
【0009】
燃料ステージングのためのパラメータは、バーナがガスタービンの一部であるとき、ガスタービンの運転開始中、試運転(Einstellfahrt)により決定される。その際、燃料ステージングのためのパラメータは、ガスタービンの出力、周辺条件、例えば周囲温度及び空気湿度、並びに燃料組成に基づいて設定可能である。さらにパラメータは、過渡運転状態、例えばガスタービンの負荷の上昇若しくは低下又はガス組成の変化の際にも、信頼性の高い運転が保証されているように、十分な余裕をもって設定されなければならない。この過渡運転状態は、ガスタービンにおいては極めて稀に発生するにすぎないので、予混合バーナは、大部分、最小の有害物質排出で運転され得ない。
【0010】
欧州特許第1205653号明細書において、有段の燃料噴射を行う予混合バーナを運転する方法が公知である。この予混合バーナは、燃料を燃焼空気流に供給するために、少なくとも1つの第1のステージと、第1のステージの下流に配置される第2のステージとを有している。バーナにより開始される燃焼の脈動及び/又は燃焼のエミッション値を検出し、第1及び第2のステージへの燃料供給を、検出した脈動及び/又はエミッション値に基づいて制御する。定常運転時、燃料供給は、運転点が(継続的に)脈動の最大値の下にあるように制御される。これに対して過渡運転時、燃料供給は、運転点が(継続的に)脈動の最大値の上にあることができるように制御される。これにより、過渡運転中のガスタービンの信頼性は、制限されている場合がある。
【0011】
国際公開第2007/082608号パンフレットにおいて、燃焼装置に通じる第1及び第2の燃料供給管路内の燃料流の比を制御する方法が公知である。この公知の方法では、まず、装置の運転点を第1の所望されない運転領域に移動させる第1のパラメータの値が、所定の限界値を超過しているか否かを求める。この限界値が超過されていれば、燃料流の比を、第1のパラメータの値が限界値を下回るように変更する。この限界値が超過されていなければ、装置の運転点を第2の所望されない運転領域に移動させる第2のパラメータの値が、所定の限界値を超過しているか否かを求める。この限界値が超過されていれば、燃料流の比を、第2のパラメータの値が限界値を下回るように変更する。この限界値が超過されていなければ、第1及び第2のパラメータの値をそれぞれの限界値の下に維持するために、上述のステップを繰り返す。この種の制御は、比較的手間がかかり、複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0797051号明細書
【特許文献2】欧州特許第1205653号明細書
【特許文献3】欧州特許第1292795号明細書
【特許文献4】欧州特許第1344002号明細書
【特許文献5】国際公開第2007/082608号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、脈動の回避に関して有効性を変えることなく明らかに簡単化されている、燃料ステージングを装備する予混合バーナを制御する方法を提供することである。
【0014】
さらに本発明の課題は、本発明に係る方法を実施するための燃焼装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明に係る、燃焼装置を運転する方法では、連続的に、燃焼チャンバ内に発生する脈動の脈動レベルを求め、脈動レベルが所定の最大値を超過すると、少なくとも1つの予混合バーナの燃料ステージングを、脈動レベルを下げるために変更し、かつ所定の時間中に所定の最大値が超過されなければ、この所定の時間後、燃料ステージングを、その都度の運転点にとって標準的な乱されていない値に戻すようにした。
【0016】
さらに上記課題を解決するために、本発明に係る、上述の方法を実施するための燃焼装置では、制御部が、制御部のために時間を固定に設定する計時機構に接続されているようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る方法は、燃焼装置であって、燃料ステージングを装備する、燃焼チャンバに接続される少なくとも1つの予混合バーナを備え、過渡運転状態中、少なくとも1つの予混合バーナの燃料ステージングが、燃焼チャンバ内に発生する、燃焼により誘起される脈動に応じて変更される燃焼装置から出発する。本発明に係る方法は、連続的に、燃焼チャンバ内に発生する脈動の脈動レベルを求め、脈動レベルが所定の最大値を超過すると、少なくとも1つの予混合バーナの燃料ステージングを、脈動レベルを下げるために変更し、かつ所定の時間中に所定の最大値が超過されなければ、この所定の時間後、燃料ステージングを、その都度の運転点にとって標準的な乱されていない値、すなわち、その都度の運転点にとって最適な値に戻すことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る方法の一態様は、燃料ステージングを、脈動レベルの最大値の超過時、1つの固定に決められた値の分だけ変更することを特徴とする。この変更は、特に飛躍的にあるいは急激に実施される。これにより、特に簡単な方法経過が達成される。
【0019】
本発明に係る方法の別の態様は、燃料ステージングを、脈動レベルの最大値の超過時、漸次、複数の固定に決められた値の分だけ、脈動レベルの所定の最大値を下回るか、又は燃料ステージングのための極限値が達成されるまで、変更することを特徴とする。これにより、燃料ステージングは、よりフレキシブルにかつより繊細に諸条件に適合可能である。
【0020】
本発明に係る方法の別の態様は、燃料ステージングを、一定の変化速度で、その都度の運転点にとって標準的な乱されていない値に戻すことを特徴とする。過渡状態で、この乱されていない値(非擾乱値)は、一般に、装置が時間の経過中別の運転点へと移動するため、燃料ステージングの初期値からは偏差を有している。
【0021】
さらに別の態様は、脈動レベルが所定の時間中に所定の最大値を新たに超過すると、少なくとも1つの予混合バーナの燃料ステージングを少なくとももう一度脈動レベルを下げるために変更することを特徴とする。このことは、特に、過渡運転中に運転点が特に急速に変化する際に必要である場合がある。
【0022】
特に、本発明に係る方法では、総燃料流を燃料ステージングの変更時に一定に維持する。
【0023】
本発明に係る方法を実施するための本発明に係る燃焼装置は、燃焼チャンバと、燃焼チャンバに接続される、燃料ステージングを装備する少なくとも1つの予混合バーナとを備え、燃料ステージングは制御部により、燃焼チャンバ内に配置される測定手段により測定される、燃焼により誘起される脈動に応じて変更可能である。本発明に係る装置は、制御部が、制御部のために時間を固定に設定する計時機構に接続されていることを特徴とする。計時機構は、外部の計時機構であっても、制御部の一部であってもよい。
【0024】
本発明に係る装置の一態様は、少なくとも1つの予混合バーナに、燃料ステージングの枠内で、少なくとも2つの分配管路を介して燃料が供給され、少なくとも2つの分配管路が、調節手段に接続されており、調節手段は制御部により、一定の総燃料流が少なくとも2つの分配管路に多様に分割可能であるように操作可能であることを特徴とする。
【0025】
好ましくは、測定手段が、燃焼チャンバ内に配置される、圧力変動を測定するための少なくとも1つのセンサを備える。
【0026】
以下に、本発明について、図面を参照しながら実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】2つの内的な燃料ステージを備える予混合バーナとして本発明に係る方法を実施するために適したダブルコーンバーナ又はEVバーナを著しく概略化して示す図である。
【図2】2つの燃料ステージを備え、燃料ステージのうちの1つが混合管の出口に配置されている別の予混合バーナを著しく概略化して示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の構成図である。
【図4】図3に示した燃焼装置内の燃焼により誘起される脈動pの例示的な時間的経過(曲線a)と、本発明に係る方法の一実施の形態に係る、燃焼装置上で制御技術的に変更される燃料ステージングsの例示的な時間的経過(曲線bあるいはc)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書において提案する方法によれば、動的な閉ループ制御により、燃料ステージングを備えるバーナシステムの運転領域が最適化される。閉ループ制御は、実質的に、燃焼装置の過渡運転状態に関する。本方法は、バーナ内部の燃料ステージングを備えるすべてのバーナを閉ループ制御するために使用可能である。燃焼装置は、好ましくは、ガスタービン内に装備されている。ガスタービンは、通常、燃焼チャンバ内に、火炎により発生される脈動あるいは振動を検出するための1つのあるいは一群の測定値計測器を含んでいる。
【0029】
図3には、適当な燃焼装置22の構成図が示してある。燃焼装置22は、燃焼チャンバ23を有している。燃焼チャンバ23内には、燃料の燃焼により高温ガスが発生する。高温ガスは、例えばガスタービン内で(図示しない)適当なタービンを駆動する。燃焼チャンバ23には、複数の同種の予混合バーナB1,...,B4が配置されている。予混合バーナB1,...,B4は、並列に運転され、それぞれ、(本実施の形態では2段の)燃料ステージングを装備している。このために、予混合バーナB1,...,B4の各々には、2つの別個の分配管路25及び26を介して2つの異なる箇所で、燃料が供給される。燃料は、1つの共通の燃料供給管路24を介して導かれる。燃料供給管路24を介して到来した総燃料流は、図示の実施の形態では、2つの制御弁27及び28により両分配管路25及び26に所望の通りに分割される。燃料の分割を可能にするために、その他の弁装置が使用されてもよいことは自明である。
【0030】
制御弁27及び28は、制御部29により操作される。制御部29は、複数のセンサS1,...,S4の入力信号を受ける。センサS1,...,S4は、燃焼チャンバ23の内部に(又は燃焼チャンバ23に接して)配置されており、燃焼チャンバ23内に発生する、燃焼により誘起される(圧力)脈動を計測する。さらに制御部29には計時機構30が配設されている。計時機構30は制御部29に、固定の(場合によっては調節可能な)時間Δtを設定する。時間Δtの後、制御部29は、自動的に制御弁27及び28を介した燃料ステージングの変更を執り行う。図3の実施の形態では、すべての予混合バーナB1,...,B4の燃料ステージングは、同時にかつ一緒に変更される。しかし、予混合バーナB1,...,B4のうちの選択された予混合バーナのみが燃料ステージングを備えて形成されているか、又は変更されることも可能である。同じく、3段又はそれ以上の段の燃料ステージングを備える予混合バーナの使用も可能である。
【0031】
閉ループ制御の目的は、限られた期間Δtの間、バーナ内部の燃料ステージングsを、過渡運転時の燃焼装置あるいはガスタービンの高信頼性の運転が可能となるように調整することである。この期間Δtの後、制御器は停止され、燃焼装置あるいはガスタービンは、再び最適な燃料ステージングで運転され得る。
【0032】
閉ループ制御に関連するパラメータの概略図は、図4に、ガスタービンの負荷変動に関して示してある。定常運転中の燃料ステージングは、点線の曲線bにより示してある。制御器の作動あるいは燃料ステージングsの変更は、時点t1で、負荷変動時に起こる、火炎により発生される脈動の脈動レベルp(曲線a)の(破線で示した)限界値pmaxの超過によって開始される。制御器の作動により、総燃料流が一定であるとき、個々の燃料ステージへの燃料流の比は、プロセスが予め決められた変化量(ステージング差)Δsの燃料ステージングの飛躍的な変化により十分な運転信頼性を伴って実施可能であるように変更される(実線の曲線c)。
【0033】
このプロセスは、脈動レベルの高さ次第で、何度も繰り返されてもよい。十分に低い脈動レベルを伴う予め決められた期間Δtの後(例えば時点t3)、燃料比は、再び、燃料ステージングのための、新しい運転点にとって最適な値に、勾配ds/dt(変化速度)で調節される。その後(時点t4から)、閉ループ制御が停止される。期間Δt内で、火炎により発生される脈動の脈動レベルpの限界値pmaxが、新たに超過される(図4の時点t2)と、燃料ステージングsは、再度Δsの分だけ変更される。期間あるいは時間Δtは、その後、新たに開始する。
【0034】
過渡時のプロセスの周辺条件又は形態に応じて、ガスタービンの運転信頼性のため、種々異なる燃料ステージングが生じる場合がある。このような場合、燃料ステージングの適合は、複数のインターバルΔt′で、火炎により発生される脈動が限界値を下回るか、又は燃料ステージングのための最大値smaxが達成されるまで反復可能である。脈動自体が燃料ステージングの最大値でさらに上昇する場合、例えばガスタービンは、負荷軽減保護装置によりOFFに切換可能である。
【0035】
全体として、本発明により特に、定常運転中に有害物質排出の低減のために最適化されている2以上の燃料ステージングを備える少なくとも1つの予混合バーナを備えるガスタービンの閉ループ制御が、過渡運転状態中に燃料ステージングの少なくとも1つを、燃焼により誘起される脈動に基づいて調整することにより可能となる。
【0036】
閉ループ制御は、ガス状及び/又は液状の燃料に関するものであってよい。
【0037】
閉ループ制御は、特に過渡時のプロセス、例えば周波数安定化(Frequenzstuetzung)、ガス組成の変更又はガス初期圧力の変更、及び低い有害物質排出を伴う負荷変更のために使用可能である。
【0038】
燃料ステージングの調整は、複数の、同じか又は異なるステップで実施可能である。
【0039】
しかし、最適な燃料ステージングでの連続運転が、燃焼により誘起される脈動の上昇に基づいて不可能である場合、閉ループ制御を燃料ステージングの定常運転曲線の調整のために援用することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
10,20 予混合バーナ
11 中央の燃料供給部
12,16 ダブルコーン
13,14 燃料ステージ
15,23 燃焼チャンバ
17 混合管
18 外部の燃料供給部
19,21 燃料ステージ
22 燃焼装置
24 燃料供給管路
25,26 分配管路
27,28 制御弁
29 制御部
30 計時機構
B1,...,B4 予混合バーナ
p 脈動レベル
S1,...,S4 センサ
s 燃料ステージング
Δs ステージング差(変化量)
Δt 時間
ds/dt 燃料ステージングの変化速度
t1,...,t4 時点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置(22)を運転する方法であって、該燃焼装置(22)が、燃料ステージング(s)を装備する、燃焼チャンバ(23)に接続される少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)を備え、過渡運転状態中、前記少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)の前記燃料ステージング(s)を、前記燃焼チャンバ(23)内に発生する、燃焼により誘起される脈動に応じて変更する、燃焼装置(22)を運転する方法において、連続的に、前記燃焼チャンバ(23)内に発生する脈動の脈動レベル(p)を求め、該脈動レベル(p)が所定の最大値(pmax)を超過すると、前記少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)の燃料ステージング(s)を、前記脈動レベル(p)を下げるために変更し、かつ所定の時間(Δt)中に前記所定の最大値(pmax)が超過されなければ、前記所定の時間(Δt)後、前記燃料ステージング(s)を、その都度の運転点にとって標準的な乱されていない値に戻すことを特徴とする、燃焼装置を運転する方法。
【請求項2】
前記燃料ステージング(s)を、前記脈動レベル(p)の最大値(pmax)の超過時、1つの固定に決められた値(Δs)の分だけ変更する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記燃料ステージング(s)を、前記脈動レベル(p)の最大値(pmax)の超過時、漸次、複数の固定に決められた値の分だけ、前記脈動レベル(p)の所定の最大値(pmax)を下回るか、又は前記燃料ステージング(s)のための極限値が達成されるまで、変更する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記燃料ステージング(s)を、一定の変化速度(ds/dt)で、前記その都度の運転点にとって標準的な乱されていない値に戻す、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記脈動レベル(p)が前記所定の時間(Δt)中に前記所定の最大値(pmax)を新たに超過すると、前記少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)の前記燃料ステージング(s)を少なくとももう一度、前記脈動レベル(p)を下げるために変更する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
総燃料流を前記燃料ステージング(s)の変更時に一定に維持する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法を実施するための燃焼装置(22)であって、該燃焼装置(22)が、燃焼チャンバ(23)と、該燃焼チャンバ(23)に接続される、燃料ステージング(s)を装備する少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)とを備え、前記燃料ステージング(s)が制御部(29)により、前記燃焼チャンバ(23)内に配置される測定手段(S1,...,S4)により測定される、燃焼により誘起される脈動に応じて変更可能である燃焼装置において、前記制御部(29)が、該制御部のために時間(Δt)を固定に設定する計時機構(30)に接続されていることを特徴とする、燃焼装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの予混合バーナ(B1,...,B4)に、燃料ステージングの枠内で、少なくとも2つの分配管路(25,26)を介して燃料が供給され、前記少なくとも2つの分配管路(25,26)が、調節手段(27,28)に接続されており、該調節手段(27,28)は前記制御部(29)により、一定の総燃料流が少なくとも2つの分配管路(25,26)に多様に分割可能であるように操作可能である、請求項7記載の燃焼装置。
【請求項9】
前記測定手段が、前記燃焼チャンバ(23)内に配置される、圧力変動を測定するための少なくとも1つのセンサ(S1,...,S4)を備える、請求項7又は8記載の燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−2451(P2013−2451A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138660(P2012−138660)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland