説明

燃焼装置

【課題】 潜熱回収用の熱交換器で生じた凝縮水を追焚循環回路に排水する燃焼装置において、湯張りが無駄にならずに済み、入浴中の湯の使用を確保できるようにする。
【解決手段】 凝縮水ドレン手段40は、潜熱回収用の副熱交換器8の下方に配置されて副熱交換器8から落下した凝縮水を回収する回収トレイ41と、回収トレイ41と浴槽湯供給回路75との間に接続されたドレン回路42と、ドレン回路42に設けられたドレンタンク44を備えている。制御手段60は、自動運転スイッチがオンされた時に、浴槽水位センサからの浴槽水位に基づき、設定水位までに必要とされる湯張り量を演算し、少なくともこの湯張り量と上記ドレンタンク44の凝縮水の貯留状況に基づいて、上記自動運転開始前に上記湯張りモードを実行すべきか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスの潜熱を回収できる高効率の燃焼装置に関し、より詳しくは潜熱回収時に生じる凝縮水の排水の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯用バーナの上方に主・副熱交換器を配置する給湯装置(燃焼装置)は公知である。これら熱交換器を給湯回路が通るようになっている。
下段(上流側)の主熱交換器は一般的な1段の熱交換器からなる給湯装置と同様に、燃焼ガス中の顕熱を回収する。上段(下流側)の副熱交換器は燃焼ガス中の水蒸気(燃焼により発生した水分)を凝縮させて潜熱を回収する。上記顕熱回収により燃焼ガスの熱エネルギーの約80%を回収し、上記潜熱回収により約15%を回収するため、熱効率が非常に高くなる。
【0003】
上記のような高効率の給湯装置では、副熱交換器で水蒸気の凝縮が生じる。この凝縮水は、燃焼により生じた硫黄酸化物、窒素酸化物等が溶け込んで硫酸、硝酸等になるため、強酸性を示す。そのため、この強酸性の凝縮水を中和処理したり希釈処理をしている。また、上記凝縮水は通常の使用状況で1日に数リットル生じるため、その排水処理が必要となる。
【0004】
そこで、従来の高効率給湯装置では、上記副熱交換器の下方に回収トレイを配置し、この回収トレイに専用のドレン配管を接続し、このドレン配管に炭酸カルシウム等の中和剤を収容した中和器を設け、回収トレイで回収した凝縮水を中和器で中和処理しドレン配管から排水していた。
【0005】
しかし、専用のドレン配管を設置するスペースが無い場合や、建造物にドレン配管からの凝縮水を導く排水溝等を形成するのが困難な場合もあり、高効率型給湯装置の普及を妨げる要因になっていた。
【0006】
上記不都合を解消すべく、特許文献1は、凝縮水を浴槽へ排水するようにした高効率給湯装置を提案している。特許文献1の図8に示す追焚機能付きの給湯装置では、副熱交換器の下方に回収トレイが配置され、この回収トレイにドレン回路の一端が接続され、ドレン回路の他端が追焚循環回路の復路部においてポンプの吸い込み側に接続されている。ドレン回路には下流側に向かって順に中和器とドレンタンクが設けられている。
【0007】
上記ドレン回路と追焚循環回路の接続点には、3方切替弁が設けられている。凝縮水の排水(ドレン排水)のタイミングでない時には、切替弁はポンプ吸い込み側を浴槽に連通させてドレン回路を遮断し、ポンプの駆動により追焚循環回路での浴槽湯の循環を行えるようになっている。ドレン排水のタイミングの時には、切替弁の切替によりポンプ吸い込み側をドレン回路に連通させ、ポンプを駆動することにより、ドレンタンクに溜まった凝縮水を追焚循環回路を介して浴槽へ排水するようにしている。
【0008】
特許文献1の給湯装置において、上記ドレン排水のタイミングとしては、例えば浴槽の栓が抜かれて浴槽湯が排水されたことを検出した時がある。ドレン排水の後に、上記切替弁を切り替えてドレン回路側を遮断し、給湯回路からの湯により追焚循環回路の配管洗浄を行なっている。
また、他の排水タイミングとして、ドレンタンクに設けたドレンレベル検出手段が凝縮水の満水レベルを検出した時に、浴槽の栓を抜いて排水をするように促す警報を発し、強制的に凝縮水の排水を行うこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−265228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1の給湯装置では、湯張りと自動保温を含む周知の自動運転を実行する際、湯張りの途中でドレンタンクが満水レベルになってしまった場合に、浴槽の栓を抜いて排水しなければならず、浴槽に張った湯が無駄になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、給湯用バーナと、この給湯用バーナからの燃焼ガスの顕熱を回収する主熱交換器と、この主熱交換器の下流側において燃焼ガスの潜熱を回収する副熱交換器と、これら主熱交換器と副熱交換器を通る給湯回路と、浴槽に接続された追焚循環回路と、この追焚循環回路に設けられたポンプおよび追焚用熱交換器と、上流端が上記給湯回路に接続され下流端がこの追焚循環回路に接続された湯張り回路と、この湯張り回路に設けられた注湯弁と、燃焼ガス中の水分が上記副熱交換器で凝縮することにより生成された凝縮水を回収して排水する凝縮水ドレン手段と、上記給湯用バーナおよび凝縮水ドレン手段を制御する制御手段と、浴槽の水位を検出する浴槽水位検出手段と、自動運転指令手段とを備え、
上記凝縮水ドレン手段は、上記副熱交換器の下方に配置されて副熱交換器から落下した凝縮水を回収する回収トレイと、上流端がこの回収トレイに接続され下流端が上記追焚循環回路に接続されたドレン回路と、このドレン回路に設けられ凝縮水を溜めるドレンタンクと、上記ドレン回路においてドレンタンクの下流側に設けられた弁手段とを備え、
上記制御手段は、上記自動運転指令手段からの自動運転指令に応答して自動運転を実行し、この自動運転では、上記給湯用バーナを燃焼させるとともに注湯弁を開くことにより、浴槽水位が設定水位になるまで上記給湯回路からの湯を湯張り回路を経て浴槽に供給する湯張りモードを実行し、この湯張りモード終了後に、ポンプ駆動により浴槽の湯を循環させて追焚を行なうことにより浴槽の湯を設定温度に維持する保温モードを実行し、
上記制御手段は上記弁手段を閉じてドレン回路を遮断することによりドレンタンクへの凝縮水の貯留を行い、弁手段を開いてドレン回路を追焚循環回路に連通させることによりドレンタンクからの凝縮水を上記追焚循環回路へと排水するドレン排水を行うようにした燃焼装置において、
上記制御手段は、上記自動運転指令手段から自動運転指令を受けた時に、上記浴槽水位検出手段からの浴槽水位に基づき、設定水位までに必要とされる湯張り量を演算し、少なくともこの湯張り量と上記ドレンタンクの凝縮水の貯留状況に基づいて、上記自動運転開始前に上記湯張りモードを実行すべきか否かを判断することを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、自動運転開始前に浴槽水位(残水量)とドレンタンク貯留状況により、湯張りによるドレンタンクの貯留状況を正確に予想することができ、この貯留状況の予想により湯張りモードを実行するか否かを決定することができる。そのため、無駄な湯張りを行わないで済む。
【0013】
好ましくは、上記制御手段は、上記湯張り量およびドレンタンクの凝縮水の貯留状況のみならず、湯張り後の入浴中の給湯に必要な消費燃焼熱量またはこれに対応する凝縮水の発生量の情報に基づいて、自動運転開始前に上記湯張りモードを実行すべきか否かを判断する。これにより、入浴中に湯が使えなくなる不都合を回避することができる。
【0014】
本発明の1つの態様では、上記制御手段は、前回のドレン排水後からの上記バーナでの積算燃焼熱量を演算し、この積算燃焼熱量またはこれに対応する凝縮水の発生量を、上記貯留状況の情報として用いる。このように凝縮水の発生量すなわちドレンタンクでの凝縮水の貯留量に関する情報を無段階にかつ正確に求めることができる。また、ドレンレベル検出手段を省略するか簡略化することもできる。
他の態様では、さらにドレンタンクの凝縮水のレベルを検出するドレンレベル検出手段を備え、上記制御手段は、このドレンレベル検出手段からの検出レベルを上記貯留状況の情報として用いる。
【0015】
また、本発明の1つの態様では、上記制御手段は、上記湯張りを実行するとドレンタンクの凝縮水のレベルが所定レベルを超えると判断した場合に、湯張りモードを実行しない。この所定レベルを、給湯用バーナの燃焼停止やドレン排水実行の基準となるレベルと等しくするか、この基準レベルより下回るようにすれば、湯張りが無駄になるのを確実に回避できる。
上記態様において、好ましくは上記所定レベルが満水レベルより所定量低くする。この場合、入浴中の給湯に伴い凝縮水が発生しても満水レベルにならない。この場合、満水レベルを上記基準レベルと一致させた場合でも、給湯停止等の不都合を回避できる。
他の態様では、上記制御手段は、上記湯張りを実行し更に上記入浴に伴う給湯を実行した時に、ドレンタンクの凝縮水のレベルが所定レベルを超えると判断した場合に、湯張りモードを実行しない。この所定レベルを、給湯用バーナの燃焼停止やドレン排水実行の基準となるレベルと等しくするか、この基準レベルより下回るようにすれば、入浴中の給湯停止等の不都合を確実に回避できる。
上記態様において、好ましくは上記所定レベルがドレンタンクの満水レベルである。これにより、入浴中の給湯に伴い凝縮水が発生しても満水レベルを超えることは無い。
【0016】
より詳しくは、上記制御手段は、上記貯留状況としてドレンタンクの貯留量(凝縮水のレベルも貯留量と同義である)を認識し、上記湯張りおよび必要に応じて入浴中の給湯により発生する凝縮水の予想発生量(水位上昇量)を演算し、上記ドレンタンクの貯留量に上記凝縮水の予想発生量を加えると所定量(すなわち所定レベル)を超えるか否かを判断し、超える場合には湯張りモードを実行しないようにする。なお、上記貯留量から所定量になるまでの余裕量を演算し、上記凝縮水の予想発生量がこの余裕量を超えるか否かを判断しても同じ結果が得られる。両演算と実質的に等しい。
別の演算として、上記制御手段は、上記ドレンタンクが所定レベルになるまでの凝縮水発生量に対応する余裕燃焼熱量を演算し、上記湯張りおよび必要に応じて入力中の給湯で要求される予想燃焼熱量を演算し、この予想燃焼熱量が上記余裕燃焼熱量を超える場合には、湯張りモードを実行しないようにする。なお、所定レベルの凝縮水発生に対応する所定燃焼熱量を予め設定し、凝縮水の貯留量に対応する燃焼熱量に上記予想燃焼熱量を加えた値が上記所定燃焼熱量に達するか否かを判断しても同じ結果が得られる。両演算と実質的に等しい。
【0017】
本発明の1つの態様では、上記制御手段は、湯張りモードを実行しないと判断した時に、上記注湯弁の閉じ状態を維持し、上記給湯バーナの非燃焼状態を維持する。この場合、入浴が不可能になるので、ユーザーにドレン排水を促すことになる。
本発明の他の態様では、上記制御手段は、湯張りモードを実行しないと判断した時に、上記注湯弁を開き、上記給湯バーナの非燃焼状態を維持することにより、浴槽に給湯回路からの水を供給し、その後で追焚を実行する。この場合、浴槽に水を供給して設定水位にした後で追焚をすることにより、湯張りと同等の結果が得られるので、入浴が可能になる。
【0018】
好ましくは、さらに表示手段を備え、上記制御手段は、湯張りモードを実行せずと判断した時には、表示手段に警告表示を行う。これによれば、警告表示によりユーザーにドレン排水を促すことができる。
【0019】
好ましくは、上記ドレン回路が上記追焚循環回路において上記ポンプの吸い込み側に接続され、上記弁手段は上記ドレン回路と追焚循環回路の接続点に設けられた3方切替弁を含み、この切替弁の遮断位置ではポンプ吸い込み側を浴槽に連通させてドレン回路から遮断し、この切替弁の連通位置ではポンプ吸い込み側をドレン回路に連通させるようになっており、上記制御手段は、ドレン排水の際には、上記切替弁の切替動作によりポンプ吸い込み側をドレン回路に連通させるとともに、上記ポンプを駆動する。これにより、追焚循環回路のポンプをドレン排水に用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、浴槽水位(残水量)とドレンタンク貯留状況に基づいて、自動運転開始前に湯張りをすべきか否かを判断することにより、無駄な湯張りを行わないで済む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態をなす追焚機能付き給湯装置の回路構成図である。
【図2】同実施形態で用いられるリモコンの要部を示す図である。
【図3】同実施形態において、自動運転スイッチをオンした時に実行される制御のフローチャートである。
【図4】同実施形態において、ドレンスイッチオンに応答して実行される制御のフローチャートである。
【図5】同実施形態において、自動運転スイッチをオフにした時に実行される制御のフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態をなす暖房、追焚機能付き給湯装置の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1実施形態をなす一体型2缶2水路タイプの追焚機能付き給湯装置(燃焼装置)について図1〜図5を参照しながら説明する。この給湯装置は、直方体形状をなす中空の缶1を有しており、缶1の底部に給湯、追焚に共通のファン2が設けられ、缶1の上端近傍に給湯、追焚に共通の排気口部3が設けられている。
【0023】
上記缶1の内部空間は、仕切板1xで給湯用空間1aと追焚用空間1bに仕切られている。給湯用空間1aの下部には給湯用バーナ4a(バーナ)が配置され、追焚用空間1bには追焚用バーナ4bが配置されている。
【0024】
上記バーナ4a,4bに燃料ガスを供給する管は、元管5xと、この元管5xを給湯用バーナ4aに接続する分岐管5aと、元管5xを追焚用バーナ4bに接続するための分岐管5bとを有している。本実施形態では給湯用バーナ4aが3面の燃焼領域を有しているため、分岐管5aも3本となっている。
元管5xには、元ガス電磁弁6xとガス比例弁6yが設けられ、分岐管5a,5bにはそれぞれ分岐電磁弁6a,6bが設けられている。
【0025】
上記給湯用空間1aには、バーナ4aの上方に顕熱回収用の主熱交換器7が配置され、さらにその上方(下流側)に潜熱回収用の副熱交換器8が配置されている。また、追焚用空間1bには、バーナ4bの上方に追焚用の熱交換器9が配置されている。本実施形態では、熱交換器7,9は受熱管7a,9aと多数のフィンにより構成されており、熱交換部8は受熱管8aにより構成されている。
【0026】
給湯装置は、給湯回路10(回路)と、追焚循環回路20と、湯張り回路30とを備えている。
【0027】
上記給湯回路10は、給水管11と、上記受熱管8aと、上記受熱管7aと、給湯管12とを上流側から下流側に向かってこの順に連ねることにより構成されている。給水管11と給湯管12との間には、熱交換器7,8をバイパスするバイパス管13が接続されている。
【0028】
上記給水管11において、バイパス管13の上流側には水量センサ14、水量制御弁15が設けられ、バイパス管13と給水管11の接続点にはバイパス制御弁16が設けられている。さらに、給水管11には入水温度センサ(図示しない)が設けられ、給湯管12には、バイパス管13の上流側に熱交出口温度センサ17が設けられ、バイパス管13の下流側に出湯温度センサ18が設けられている。
【0029】
上記追焚循環回路20は、復路管21(復路部)と、受熱管9aと、往路管22(往路部)とを順に連ねることにより構成されている。復路管21の吸い込み端と往路管22の吐出端は、浴槽70の側壁に設けた循環金具(図示しない)に接続されている。復路管21にはポンプ23、水位センサ24(浴槽水位検出手段)、水流スイッチ25(水流検出手段)が設けられている。
【0030】
上記湯張り回路30は、一端(上流端)が給湯管12において出湯温度センサ18の下流側に接続され、他端(下流端)が上記復路管21においてポンプ23の吸い込み側(上流側)に接続されている(接続点をP1で示す)。
【0031】
上記湯張り回路30には、注湯電磁弁31(注湯弁)と、逆止弁32と、水量センサ33が設けられている。
【0032】
次に、副熱交換器8で凝縮された凝縮水を回収し排水する凝縮水ドレン手段40について説明する。このドレン手段40は、回収トレイ41と、ドレン回路42とを有している。この回収トレイ41は、給湯用空間1aにおいて、副熱交換器8の下方に配置され、浅いロート形状をなしている。
【0033】
上記ドレン回路42は管からなり、一端が回収トレイ41の底部に接続され、他端が上記復路管21においてポンプ23の吸い込み側(上流側)に接続されている。この接続点(符号P2で示す)には、2位置3方弁からなる切替弁49が設けられている。この切替弁49は、弁ケースとこの弁ケースに回動可能(摺動可能)に収容された弁体とを有し、摺動面でシールする方式のものである。
【0034】
さらに上記ドレン手段40は、ドレン回路42において上流側から下流側に向かって順に設けられた中和器43、ドレンタンク44、ドレン側電磁弁45(ドレン弁)を備えている。上記切替弁49とドレン側電磁弁45は、特許請求の範囲で定義した弁手段を構成している。
【0035】
上記中和器43には粒状をなす炭酸カルシウム等の中和剤が収容されている。中和器43には詰まりによる水位上昇を検出する2本の電極43aが設けられている。
【0036】
上記ドレンタンク44には、ドレンレベル検出手段50が設けられている。本実施形態では、ドレンレベル検出手段50は、その下端がドレンタンク44の底部近傍にある接地電極51と、下端高さが異なる2本の電極52、53を有している。一方の電極52の下端高さはドレンタンク44の満水レベル(ドレンレベル2)を示し、他方の電極53の下端高さは満水レベルより低いレベル(ドレンレベル1)を示す。本実施形態ではドレンレベル1はドレンレベル2の半分より高い。例えばドレンレベル2が3.5リットルとすると、ドレンレベル1は3.0リットルである。なお、ドレンタンク44の実際の容量は、満水レベルと同じであってもよいし、これより若干多くてもよい。
【0037】
上記ドレン回路42において、ドレンタンク44の上流側の管部はドレンタンク44の上端または上端近傍に接続され、ドレンタンク44の下流側の管部はドレンタンク44の底部に連なっている。
【0038】
給湯装置は更に、上述した種々のセンサ、検出手段からの情報を読み込んで、上述した種々の構成要素を制御する制御手段60と、この制御手段60に接続されたリモートコントローラ65((以下、リモコンと称す)を備えている。リモコン65は図2に示すようにリモコン65の電源をオン、オフするリモコンスイッチ65xと、自動運転スイッチ65y(自動運転指令手段)と、追焚スイッチ(図示しない)と、ドレンスイッチ65z(ドレン排水指令手段)と、給湯や浴槽の温度を設定する設定部と浴槽水位を設定する水位設定部(図示しない)と、設定温度、設定時間、警告等の表示を行う表示部65a(表示手段)を備えている。
【0039】
上記構成をなす給湯装置の作用を説明する。なお、電磁弁6x、6a,6b,31,45は常閉であり、オン動作により開く。
【0040】
給湯管12の下流端に設けた出湯栓やシャワーを開くと給湯回路10に水が流れ、これを水量センサ14で検出した時に、制御手段60は、元ガス電磁弁6xを開くとともに分岐電磁弁6aの少なくとも1つを開き、給湯用バーナ4aの燃焼動作を行う。燃焼ガスは主熱交換器7を通り、さらに回収トレイ41と缶1との間を通り、副熱交換器8を通って排気口部3から排出される。給水管11から入った水は副交換器8で加熱され、さらに主熱交換器7で加熱され、設定温度の湯となって給湯管12から出湯される(給湯運転)。
【0041】
副熱交換器8で凝縮した水は、この副熱交換器8から回収トレイ41に落下し、ドレン回路42を通って中和器43に達し、この中和器43内の中和剤により中和され、ドレンタンク44に蓄えられる。したがって、給湯運転中は、副熱交換器8で凝縮水が発生し、ドレンタンク44の凝縮水の水位すなわちドレンレベルは上昇を続ける。
【0042】
上記給湯運転の際に、ドレンレベル検出手段50でドレンレベル1を検出した時には、浴槽残水有りでドレン排水をしない場合に、リモコン65の表示部65aに「満水警告」の警告表示を行う。また、ドレンレベル2(満水レベル)を検出した時には、リモコン65の表示部65aに「満水」の警告表示を行うとともに、給湯バーナ4aの燃焼を停止する(給湯停止)。そのため、出湯栓を開いたままにすると水が出てくる。
上記満水レベル検出による燃焼停止の際、水量制御弁15を制御して水量を所定水量(例えば毎分5リットル)まで徐々に減少させ、これに伴い燃焼熱量を減少させ、所定水量になってからまたは水量を減じ始めてから所定時間(例えば1分)後に、燃焼を停止してもよい。このようにすれば、燃焼停止により急に冷たい水が出てユーザーに不快感を与えるのを防止でき、しかも凝縮水の蓄積量の増加は僅かで済む。
【0043】
自動運転スイッチ65yがオンされた時には、制御手段60は原則的には自動運転を実行する。この自動運転は湯張りモードとその後の自動保温モードからなる。
上記湯張りモードでは、注湯電磁弁31を開き、上記給湯運転と同様にして上記給湯用バーナ4aで燃焼を行うことにより、設定温度の湯を給湯管12から湯張り回路30、追焚循環回路20を経て浴槽70に供給する。
【0044】
上記自動保温モードでは、上記湯張りにより浴槽70の水位が設定水位に達した後に所定時間間隔でポンプ23が駆動され、復路部21に設けた浴槽温度センサ(図示しない)が設定温度になるように追焚用バーナ4bの燃焼が実行され(追焚)、浴槽70の湯が設定温度に保たれる。
【0045】
上記湯張りの際にも給湯運転の場合と同様に、副熱交換器8で凝縮水が発生し、この凝縮水が回収され中和されドレンタンク44に蓄えられる。そのため、給湯運転の時と同様にドレンレベル1で警告表示を行い、ドレンレベル2で警告表示と湯張り停止を行う。
【0046】
本実施形態では、上記湯張り途中での湯張り停止や入浴中の給湯停止を回避するために、リモコン65の自動運転スイッチ65yをオンした時には、図3の制御を実行する。最初にリモコン65の自動運転状態を表すランプを点灯し(ステップ101)、次に、前回のドレン排水後の積算燃焼熱量Q1を演算し(ステップ102)、この積算燃焼熱量Q1を凝縮水の発生量、すなわちドレンタンク44の凝縮水の貯留量L1に換算する(ステップ103)。
【0047】
上記積算燃焼熱量と凝縮水の発生量はほぼ対応関係にあるが、より正確に凝縮水発生量に対応させるために、下記のように凝縮水の発生量を補正するのが望ましい。
(1)単位時間当たりの燃焼熱量が多いほど、発生量を多く補正する。
(2)給湯用バーナ4aの燃焼領域数が多いほど、発生量を多く補正する。
(3)環境湿度が高いほど発生量を多く補正する。
(4)環境温度が低いほど発生量を多く補正する。
【0048】
なお、環境湿度による補正を行う場合、湿度センサを用いてもよいし、湿度センサを用いずに湿度を推測してもよい。例えば、後述するようにポンプ23によりドレン排水を行った時の、ポンプ23の駆動時間(すなわちドレンタンク44に蓄えられた凝縮水の量)と、ドレン排水後からの積算燃焼熱量との関係から、湿度を推測する。
【0049】
次にポンプ23を所定時間(短時間)駆動させた後(ステップ104)、水位センサ24により検出される浴槽70の水位(残水量)を読み込む(ステップ105)。この検出水位から、設定水位にするまでに必要な湯張り量を演算する(ステップ106)。
【0050】
次に、上記湯張り量と設定温度と入水温度(給水管11に設けられた入水温度センサの検出温度)に基づいて、湯張りに必要な予想燃焼熱量Q2’を演算するとともに、入浴中の給湯に必要な予想燃焼熱量Q2”を演算し、その和Q2=Q2’+Q2”を得る(ステップ107)。
【0051】
上記湯張りに必要な予想燃焼熱量Q2’は、上記設定温度と入水温度の差に湯張り量を乗じることにより得る。また、入浴中の給湯に必要な予想燃焼熱量Q2”は、今回の自動運転前の複数回の自動運転時の給湯で費やした燃焼熱量の最大値であっても良いし、これら自動運転時の給湯使用量の最大値に今回の設定温度と入水温度の差を乗じてもよい。
【0052】
次に、上記予想燃焼熱量Q2を上述と同様に凝縮水の予想発生量L2に換算する(ステップ108)。
次に、上記凝縮水の貯留量L1と予想発生量L2の和が、満水レベルに相当する貯留量L0を超えるか否かを判断する(ステップ109)。ここで否定判断した場合には、前述のように湯張りを行い(ステップ110,111)、自動保温モードに進む(ステップ112)。なお、この湯張りは水量センサ33の検出水量の積算値が上記のようにして演算された湯張り量に達し、浴槽水位センサ24で設定水位に達したことを確認することにより完了する。
【0053】
上記ステップ109で肯定判断した場合には、「満水警告」の表示を行うとともに(ステップ113)、自動運転を終了する(ステップ114)。すなわち、自動運転ランプを消灯し、給湯バーナ4aの非燃焼状態を維持し、注湯弁31の閉じ状態を維持する。
【0054】
なお、本実施形態ではステップ109に示すように凝縮水の量に基づいて自動運転を開始するか否かの判断をしたが、この凝縮水の量として、体積の代わりにドレンタンク44での凝縮水の水位で表わしてもよい。
【0055】
また、上述のように積算燃焼熱量は凝縮水の発生量や貯留量に対応するものであるから、この積算燃焼熱量をそのまま用いて判断してもよい。この場合、満水レベルの凝縮水発生量に対応する積算燃焼熱量Q0(所定燃焼熱量)が予め求められており、ステップ103,108が省かれ、ステップ109では、Q1+Q2>Q0?の判断がなされる。
【0056】
また、上記所定レベルの凝縮量L0や所定燃焼熱量Q0は、給湯用バーナ4aの燃焼を停止する基準レベル(本実施形態では満水レベル)と等しいが、基準レベルより下回っていてもよい。また、この基準レベルを満水レベルより下げてもよいし、ドレンタンク44の上流側のドレン回路42(中和器43を含む)での凝縮水の貯留能力あるいは排気口部3までの貯留能力を見込んで、満水レベルより高く設定してもよい。
【0057】
上記実施形態では、積算燃焼熱量をドレンレベル検出手段50での検出レベルと組み合わせて種々の制御を行ったが、ドレンレベル検出手段50を省き、積算燃焼熱量またはこの積算燃焼熱量で換算された凝縮水貯留量(ドレンレベルを含む)だけで制御(燃焼停止制御やリモコン警告表示制御を含む)を行ってもよい。この場合、上述した全てのドレン制御の説明において、ドレンレベル検出手段50の検出レベルがドレンレベル1,2以上か否かの判断は、下記のいずれかの判断に置き換えられる。
(1)積算燃焼熱量(演算値)が、上記ドレンレベル1,2に対応する積算燃焼熱量(所定値)以上か否かの判断。
(2)積算燃焼熱量を換算した凝縮水貯留量(演算値、ドレンレベル)が、ドレンレベル1,2以上か否かの判断。
【0058】
また、ドレンレベル検出手段50の水位電極を多数設け、このドレンレベル検出手段50からの検出レベルに基づき、上記ドレンタンク44におけるドレンレベル(凝縮量の貯留量)の情報を得てもよい。このドレンレベル検出手段50は無段階にドレンレベルを検出できるものであってもよい。
【0059】
上記ステップ114の代わりに、給湯用バーナ4aの非燃焼状態を維持したまま、注湯弁31を開いてもよい。これにより、浴槽70に給湯回路10からの水が供給される。この場合、浴槽70に水を供給して設定水位にした後で追焚をすることにより、湯張りと同等の結果が得られるので、入浴は可能になる。
【0060】
ユーザーは、給湯運転時や自動運転スイッチオンの時の警告表示を見て、ドレン排水の操作を行う。すなわち、ドレンスイッチ65zをオンするとともに浴槽栓を抜く。これに応答して、制御手段60は図4のドレン排水、配管洗浄のルーチン100を実行することができる。
【0061】
最初に風呂待機中か否かを判断する(ステップ121)。ここで、風呂待機とは、自動運転(保温含む)、湯張り、足し湯等の風呂に係わる制御を実行していない状態を意味する。
【0062】
ステップ121で肯定判断した時には、切替弁49の切替動作を行ってポンプ23の吸い込み側を浴槽70側から遮断しドレン回路42側に連通させ(ステップ122)、ドレン側電磁弁45をオンし(ステップ123)、ポンプ23をオンする(ステップ124)。これにより、ドレンタンク44内の凝縮水が切替弁49を介して、ポンプ23に吸い込まれ、ポンプ23の吐出側から復路管21、熱交換器9の受熱管9a、往路管22を経て浴槽70に排出され、さらに浴槽70の排出口を経て、既存の下水管へと排出される。
【0063】
なお、上記切替弁49の切替動作とドレン側電磁弁45のオン動作は、特許請求の範囲の弁手段の開き動作を意味する。
【0064】
上記排水動作を1分継続した後(ステップ125)、風呂水流スイッチ25がオフか否かを判断する(ステップ126)。ここで肯定判断した場合にはドレンタンク44が空になったと判断し、その後でポンプ23をオフにし(ステップ127)、ドレン側電磁弁45をオフにし(ステップ128)、切替弁49の切替動作を行ってポンプ23の吸い込み側をドレン回路42側から遮断し浴槽70側に連通させる(ステップ129)。これにより、凝縮水の排水工程(ドレン排水工程)が終了する。
【0065】
なお、上記切替弁49の切替動作とドレン側電磁弁45のオフ動作は、特許請求の範囲の弁手段の閉じ動作を意味する。
【0066】
上記ステップ126で否定判断した時、すなわちポンプ23が駆動した状態で水流を検出した時には、ドレンタンク44に凝縮水が溜まった状態にあるとして、さらに1分間ポンプ23の駆動を継続する(ステップ130)。そして、ステップ110で肯定判断したとき、すなわち、ステップ125と合わせて、ポンプ23が合計2分間駆動したと判断した時には、ドレンタンク44が空でなくても排水を十分に行ったと判断して、上記ステップ127〜129を実行し、ドレン排水を終了する。
【0067】
上記のようにしてドレン排水を実行した後で、注湯電磁弁31をオンすることにより、給湯管12から湯張り回路30を経た湯を追焚循環回路20内に流し、追焚循環回路20の配管洗浄を実行する(ステップ131)。この配管洗浄は、水量センサ33での検出水量の積算値が所定量例えば5リットルに達するまで行う。
【0068】
なお、ステップ131では、給湯用バーナ4aの燃焼により風呂設定温度の湯からなる洗浄水を供給するが、給湯用バーナ4aの燃焼を実行せず、低温の水からなる洗浄水を供給してもよい。
また、この配管洗浄工程において、最初は加熱しない水を供給し、その後に熱湯(60°C)を供給してもよい。水でドレン水(凝縮水)を流せば異臭等の発生を防止でき、その後の熱湯で配管の消毒を行うことができる。
【0069】
配管洗浄の後に、前述した「満水警告」、「満水」等警告表示を解除する(ステップ132)。
【0070】
また、自動保温運転中にリモコン65の自動運転スイッチをオフした時には、図5に示すように、自動運転を終了させ、リモコン65の自動表示を消灯するとともに保温表示を消灯し(ステップ141)、その後で浴槽残水の有無を判断する。すなわち、ポンプ23をオンする(ステップ142)。次に、ふろ水流スイッチ25がオンするか否かを判断する(ステップ143)。オフと判断した場合には、ポンプ23をオフにした後(ステップ144)、ドレン排水及び配管洗浄のルーチンを実行する。このドレン排水、配管洗浄の制御は図2と同様であるので、符号100を付して説明を省略する。
【0071】
ステップ143で水流スイッチ25がオンと判断した時には、ポンプ23をオフにした後(ステップ145)、浴槽水位を水位センサ24で監視し、基準水位以下になったか否かを判断する(ステップ146)。この検出水位は事前のポンプ駆動によりエア抜きがなされているので、正確である。なお、本実施形態において基準水位とは、循環金具の上端高さH0より10mm高い水位を指す。
そして、ユーザーが浴槽栓を抜くことにより、浴槽水位が基準水位以下になった場合には、上記ドレン排水、配管洗浄のルーチン100に移行する。
【0072】
図5の制御と似た制御は、湯張り中に自動運転スイッチ65yをオフにした時や、リモコンスイッチ65xをオフにした時にも実行される。なお、リモコンスイッチ65xをオフにした場合には、追焚循環回路20の配管洗浄の際に給湯用バーナ4aでの燃焼を実行せず、加熱されない水を洗浄水として提供する。
なお、自動運転スイッチをオフにした状態またはリモコンスイッチオフの状態で水位センサ24の水位を常時監視し、この水位低下により浴槽残水無しと判断して、ドレン排水、配管洗浄を実行してもよいし、所定時間間隔でポンプ23を駆動し、水流スイッチ25により浴槽残水の有無を確認し、浴槽残水無しと判断してドレン排水、配管洗浄を実行してもよい。
【0073】
前述したように、給湯運転中はドレンレベル1で「満水警告」の警告表示をし、ドレンレベル2で「満水」の警告表示をするとともに、給湯を停止(燃焼バーナ4aの燃焼停止)するが、ドレンレベル1またはドレンレベル2の検出時に浴槽70の残水の状況を調べ、浴槽70に残水なしと判断した時には、ドレン排水及び配管洗浄のルーチン100を実行してもよい。
【0074】
次に、本発明の第2実施形態について図6を参照しながら説明する。この
第2実施形態の給湯装置は、暖房、追焚機能を備えた給湯装置である。この実施形態において、第1実施形態に対応する構成部には同番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
缶1は、給湯用空間1aと暖房用空間1cに仕切られる。暖房用空間1cには、暖房用バーナ4c(他用途バーナ)と暖房用(他用途)の顕熱回収用の主熱交換器9’と潜熱回収用の副熱交換器9”が、給湯側と同様にして配置されている。バーナ4cには、給湯側と同様に、分岐管5cが接続され、分岐管5cには分岐電磁弁6cが設けられている。
【0076】
暖房循環回路80(他用途回路)は、上記熱交換器9’、9”の受熱管9a’,9a”を含んでいる。この暖房循環回路80には、周知のように、オーバーフロータンク81、ポンプ82、液・液熱交換器83が設けられている。ポンプ82により循環される湯は、熱交換器9’、9”で加熱され、種々の暖房器等の端末器、端末設備を循環する。
【0077】
追焚循環回路20Aは、上記液・液熱交換器83を通るようになっている。追焚時には暖房用バーナ4cの燃焼を実行しながら、ポンプ23、82を駆動し、暖房循環回路80の熱を液・液熱交換器83を介して追焚循環回路20Aに伝達し、浴槽70の湯を加熱するようになっている。
【0078】
本実施形態では、共通の回収トレイ41Aにより、給湯側の副熱交換器8と暖房側の副熱交換器9”から落下する凝縮水を回収するようになっている。
制御手段で実行されるドレン排水、配管洗浄、リモコン表示制御、燃焼制御は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
この第2実施形態では、暖房側の副熱交換器で生じた凝縮水の発生量(貯留量)も勘案する必要がある。この暖房側での積算燃焼熱量と凝縮水発生量との関係は、給湯側と異なるので、例えば暖房側の積算燃焼熱量に1より小さい係数を掛けた熱量と、給湯側の積算燃焼熱量とを加算して、凝縮水貯留量を演算する必要がある。
【0080】
本発明は上記実施形態に制約されず、さらに種々の態様が可能である。例えば、上記実施形態において、ドレンスイッチ65zオン時(図4参照)、自動運転スイッチ65yオフ時等に、浴槽残水を確認せずに強制的にすなわち無条件でドレン排水、配管洗浄を行なってもよい。
また、燃焼非実行、燃焼停止の判断時(例えば、図3においてステップ109において肯定判断した時や、給湯運転中にドレンレベル2と判断した時)に、ドレン排水を無条件で、または浴槽残水無しの条件等を付けて、ドレン排水、配管洗浄を行なってもよい。
ドレン排水を強制的に無条件で実行する場合には、リモコン65での音声表示等で処理動作中であることを報知してもよい。
また、表示部65aでの警告表示を音声表示にしてもよい。
【0081】
上記実施形態ではドレン排水の際に、ドレンタンク44が空になるまでポンプ23を駆動したが、ドレンタンク44内に最低レベルの凝縮水を残し、この貯留された凝縮水でドレンタンク44の上流側と下流側の空気の連通を遮断してもよい。この場合、最低レベルを示す水位電極をドレンタンク44に追加する。この追加された水位電極の高さは、上記接地電極51より若干高い。ドレン排水の際には、ポンプ23の駆動状態において、ドレンタンク44の水位が最低水位Lに達したか否かを監視する。そして、ドレンタンク44の水位が最低水位に達するまでポンプ23の駆動を継続し、最低水位に達した時に、ドレン側電磁弁をオフにし、ポンプ23をオフにする。
【0082】
第1、第2実施形態において、給湯装置は別体型の2缶2水路タイプであってもよい。 上記実施形態において、凝縮水の排水をドレン回路において切替弁とドレンタンクとの間に設けたポンプで行ってもよい。また、この排水を自然落下で行うようにしてもよい。
中和器43の代わりに、給水管からの水をドレンタンクに供給して希釈を行ってもよい。また、中和、希釈を行わなくてもよい。
【符号の説明】
【0083】
4a 給湯用バーナ
4c 暖房用バーナ(他用途バーナ)
7 主熱交換器
8 副熱交換器
9 追焚用熱交換器
9’ 暖房用の主熱交換器(他用途主熱交換器)
9” 暖房用の副熱交換器(他用途副熱交換器)
10 給湯回路
20,20A 追焚循環回路
23 ポンプ
24 水位センサ(水位検出手段)
25 水流スイッチ25(水流検出手段)
30 湯張り回路
31 注湯電磁弁(注湯弁)
40 凝縮水ドレン手段
41 回収トレイ
42 ドレン回路
44 ドレンタンク
45 ドレン側電磁弁(ドレン弁、弁手段)
49 切替弁(弁手段)
50 ドレンレベル検出手段
60 制御手段
65 リモートコントローラ
65a 表示部(表示手段)
65y 自動運転スイッチ(自動運転指令手段)
65z ドレンスイッチ(ドレン排水指令手段)
70 浴槽
80 暖房循環回路(他用途回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯用バーナと、この給湯用バーナからの燃焼ガスの顕熱を回収する主熱交換器と、この主熱交換器の下流側において燃焼ガスの潜熱を回収する副熱交換器と、これら主熱交換器と副熱交換器を通る給湯回路と、浴槽に接続された追焚循環回路と、この追焚循環回路に設けられたポンプおよび追焚用熱交換器と、上流端が上記給湯回路に接続され下流端がこの追焚循環回路に接続された湯張り回路と、この湯張り回路に設けられた注湯弁と、燃焼ガス中の水分が上記副熱交換器で凝縮することにより生成された凝縮水を回収して排水する凝縮水ドレン手段と、上記給湯用バーナおよび凝縮水ドレン手段を制御する制御手段と、浴槽の水位を検出する浴槽水位検出手段と、自動運転指令手段とを備え、
上記凝縮水ドレン手段は、上記副熱交換器の下方に配置されて副熱交換器から落下した凝縮水を回収する回収トレイと、上流端がこの回収トレイに接続され下流端が上記追焚循環回路に接続されたドレン回路と、このドレン回路に設けられ凝縮水を溜めるドレンタンクと、上記ドレン回路においてドレンタンクの下流側に設けられた弁手段とを備え、
上記制御手段は、上記自動運転指令手段からの自動運転指令に応答して自動運転を実行し、この自動運転では、上記給湯用バーナを燃焼させるとともに注湯弁を開くことにより、浴槽水位が設定水位になるまで上記給湯回路からの湯を湯張り回路を経て浴槽に供給する湯張りモードを実行し、この湯張りモード終了後に、ポンプ駆動により浴槽の湯を循環させて追焚を行なうことにより浴槽の湯を設定温度に維持する保温モードを実行し、
上記制御手段は上記弁手段を閉じてドレン回路を遮断することによりドレンタンクへの凝縮水の貯留を行い、弁手段を開いてドレン回路を追焚循環回路に連通させることによりドレンタンクからの凝縮水を上記追焚循環回路へと排水するドレン排水を行うようにした燃焼装置において、
上記制御手段は、上記自動運転指令手段から自動運転指令を受けた時に、上記浴槽水位検出手段からの浴槽水位に基づき、設定水位までに必要とされる湯張り量を演算し、少なくともこの湯張り量と上記ドレンタンクの凝縮水の貯留状況に基づいて、上記自動運転開始前に上記湯張りモードを実行すべきか否かを判断することを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記湯張り量およびドレンタンクの凝縮水の貯留状況のみならず、湯張り後の入浴中の給湯に必要な消費燃焼熱量またはこれに対応する凝縮水の発生量の情報に基づいて自動運転開始前に上記湯張りモードを実行すべきか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
上記制御手段は、前回のドレン排水後からの上記バーナでの積算燃焼熱量を演算し、この積算燃焼熱量またはこれに対応する凝縮水の発生量を、上記貯留状況の情報として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
さらにドレンタンクの凝縮水のレベルを検出するドレンレベル検出手段を備え、上記制御手段は、このドレンレベル検出手段からの検出レベルを上記貯留状況の情報として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼装置。
【請求項5】
上記制御手段は、上記湯張りを実行するとドレンタンクの凝縮水のレベルが所定レベルを超えると判断した場合に、湯張りモードを実行しないことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項6】
上記所定レベルが満水レベルより所定量低いことを特徴とする請求項5に記載の燃焼装置。
【請求項7】
上記制御手段は、上記湯張りを実行し更に上記入浴に伴う給湯を実行すると、ドレンタンクの凝縮水のレベルが所定レベルを超えると判断した場合に、湯張りモードを実行しないことを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
【請求項8】
上記所定レベルがドレンタンクの満水レベルであることを特徴とする請求項7に記載の燃焼装置。
【請求項9】
上記制御手段は、湯張りモードを実行しないと判断した時に、上記注湯弁の閉じ状態を維持し、上記給湯バーナの非燃焼状態を維持することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項10】
上記制御手段は、湯張りモードを実行しないと判断した時に、上記注湯弁を開き、上記給湯バーナの非燃焼状態を維持することにより、浴槽に給湯回路からの水を供給し、その後で追焚を実行することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項11】
さらに表示手段を備え、上記制御手段は、湯張りモードを実行せずと判断した時には、表示手段に警告表示を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項12】
上記ドレン回路が上記追焚循環回路において上記ポンプの吸い込み側に接続され、
上記弁手段は上記ドレン回路と追焚循環回路の接続点に設けられた3方切替弁を含み、この切替弁の遮断位置ではポンプ吸い込み側を浴槽に連通させてドレン回路から遮断し、この切替弁の連通位置ではポンプ吸い込み側をドレン回路に連通させるようになっており、
上記制御手段は、ドレン排水の際には、上記切替弁の切替動作によりポンプ吸い込み側をドレン回路に連通させるとともに、上記ポンプを駆動することを特徴とする請求項1〜11に記載の燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−159290(P2012−159290A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122753(P2012−122753)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2007−202613(P2007−202613)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】