説明

燃焼装置

【課題】着火時の圧力上昇による異常音の発生や脈動燃焼を確実に防止することが出来る燃焼装置を提供する。
【解決手段】石油ガス化バ−ナやガンタイプバ−ナやガスバーナ等の瞬間的に着火するバ−ナ1と、該バ−ナ1に燃焼空気を供給する燃焼ファン3と、前記バ−ナ1の燃焼ガスは少なくとも強制的に屋外に排気されるもので、前記バ−ナ1と燃焼ファン3とを結ぶ送風経路4途中には、連通路18を介して振動燃焼抑制箱17が連通し、この振動燃焼抑制箱17の一側面を硬度50°〜60°のゴム板20で構成したことにより、着火時に逆流する空気流の圧力上昇分を振動燃焼抑制箱のゴム板20で吸収し、異常音及び振動燃焼を確実に防止するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガスバ−ナや石油ガス化バ−ナ、ガンタイプバ−ナ等の瞬間的に着火するバ−ナを有した給湯機やFF式温風暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、バーナと燃焼空気を供給する燃焼ファンとを結ぶ送風経路途中に、入り口と出口が段違いにしたエアーチャンバーを備えたことで、着火時の異常音及び振動燃焼を確実に防止出来るものであった。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−262331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来のものでは、入り口と出口が段違いにしたエアーチャンバーだけでは、異常音や振動燃焼を完全に防止することは出来ず、結果的には出口から入った圧力上昇した空気は、入り口から出て行くもので、異常音や振動燃焼が継続すると言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為に、特にその構成を、石油ガス化バ−ナやガンタイプバ−ナやガスバーナ等の瞬間的に着火するバ−ナと、該バ−ナに燃焼空気を供給する燃焼ファンと、前記バ−ナの燃焼ガスは少なくとも強制的に屋外に排気されるものに於いて、前記バ−ナと燃焼ファンとを結ぶ送風経路途中には、連通路を介して振動燃焼抑制箱が連通し、この振動燃焼抑制箱の一側面を硬度50°〜60°のゴム板で構成したものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、バ−ナの着火時に生じる圧力の上昇分は送風経路を通り、連通路を介して振動燃焼抑制箱に入ることで、この振動燃焼抑制箱の一側面をゴム板が膨らみ圧力の上昇分を吸収し、そしてゴム板が自然と元に戻ることにより、異常音や振動燃焼は抑制されることとなり、特にゴム板の硬度50°〜60°が送風圧の異常上昇分を良好に吸収することが出来るもので、硬度40°では柔らか過ぎて圧力上昇分の吸収が出来ず、又硬度70°では逆に固すぎて圧力上昇分の吸収が出来ないものであり、丁度良い硬度で長期に渡って異常音や振動燃焼を防止出来、常に安心して使用することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の一実施例を付した燃焼装置の概略構成図。
【図2】同要部の説明図。
【図3】同ゴム板の特性図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は加熱ヒ−タ2を鋳込まれた石油ガス化式のバ−ナで、燃焼フアン3から送風経路4を介して供給される燃焼空気と、電磁ポンプ(図示せず)から圧送され噴霧ノズル5より噴霧される燃油とを予混合して、バ−ナヘッド部6で燃焼させるものであり、ガス化方式であるので点火器(図示せず)の点火で瞬間的に着火されるものである。7はバ−ナ1を吊り下げるようにして支持したバ−ナ支持台である。
【0009】
8は前記したバ−ナ1を下方に備えた燃焼筒で、上部には集熱部9を介して複数個のパイプから構成された熱交換器10が備えられ、最上部に備えられたクロスフロ−ファンから成る温風ファン(図示せず)によって送風される室内空気と、燃焼ガスとを熱交換して温風として室内に供給して温風暖房を行うものである。
【0010】
11は熱交換器10を流通し温度降下した燃焼ガスを排気する排気管で、二重筒構造で先端の給排気孔部12を屋外に突出させた給排気筒13の排気部14に接続し、熱交換後の燃焼ガスを屋外に排気するものであり、給気部15には燃焼ファン3と連通した給気管16が接続して、屋外の空気を燃焼空気としてバ−ナ1に供給するようにしたものである。
【0011】
17はバ−ナ1と燃焼ファン3とを結ぶ送風経路4に連通路18を介して連通した振動燃焼抑制箱で、鋼製の箱体でその一側面ここでは連通路18の連通口19と対向する底面を、硬度50°〜60°のゴム板20で構成し該ゴム板20の伸縮を利用して、バーナ1の爆発的着火によって発生する圧力上昇分を吸収するものであり、更にゴム板20の外周は隙間21を形成して鋼製のカバー体22で覆うと共に、連通口19と対向する位置には該連通口19より大きなゴム板20の逃げの開口23を形成している。
【0012】
次にこの発明一実施例の作動について説明する。
今運転スイッチ(図示せず)が押圧されれば、加熱ヒ−タ2が通電されてバ−ナ1の予熱が開始され、そして燃油が気化可能温度に達することで、燃焼ファン3から燃焼空気が供給されると共に噴霧ノズル5から燃油が噴霧され、バ−ナ1内で予混合気となって適宜点火器で点火すれば、瞬間的に着火し、この時の圧力上昇分は集熱部9や熱交換器10と言う抵抗が多い排気側には流れず、バ−ナ1を介して給気側に流れる。
【0013】
この給気側に流れた圧力上昇分は、送風経路4から連通路18を介して振動燃焼抑制箱17内に流れ、振動燃焼抑制箱17内では連通路18の連通口19から直接正面のゴム板20に圧力上昇分の送気がぶつかることで、ゴム板20が膨張して膨らみ圧力上昇分を吸収して元に戻るものであり、振動燃焼抑制箱17のゴム板20によって、爆発的着火による異常音や振動燃焼を確実に防止することが出来るものである。
【0014】
次にゴム板20の硬度は、図3に示す実験結果の特性図から、暖着火50回実施した時の振動燃焼発生回数をカウントした結果、硬度40°が18回と一番多く、二番目が硬度70°の12回で、硬度50°と60°では0回であり、この0回の50°〜60°の範囲の硬度のゴム板20を使用することで、振動燃焼を確実に防止することが出来るものであり、又振動燃焼の発生による異常音も防止出来、常に安心して使用することが出来るものである。
【0015】
更にゴム板20は、外周をカバ体22で覆われているので、破損する危険がなく安心して使用出来、しかもカバー体22とゴム板20との間には隙間21が形成され、又カバー体22の連通口19と対向する位置には開口23が形成されていることにより、ゴム板20の膨張、収縮の邪魔になることがなく、良好に逆流する燃焼空気流の圧力上昇分を吸収して振動燃焼を防止出来るものである。
【符号の説明】
【0016】
1 バーナ
3 燃焼ファン
4 送風経路
17 振動燃焼抑制箱
18 連通路
20 ゴム板
22 カバー体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油ガス化バ−ナやガンタイプバ−ナやガスバーナ等の瞬間的に着火するバ−ナと、該バ−ナに燃焼空気を供給する燃焼ファンと、前記バ−ナの燃焼ガスは少なくとも強制的に屋外に排気されるものに於いて、前記バ−ナと燃焼ファンとを結ぶ送風経路途中には、連通路を介して振動燃焼抑制箱が連通し、この振動燃焼抑制箱の一側面を硬度50°〜60°のゴム板で構成した事を特徴とする燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−2795(P2013−2795A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137903(P2011−137903)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】