説明

燃焼装置

【課題】装置の設置箇所周辺の空気の汚れ具合などの実際の状況に対応させてCOセンサのヒートクリーニングを過不足の少ない頻度で適切に実行することが可能な燃焼装置を提供する。
【解決手段】排ガスのCO濃度を検出するためのCOセンサSaと、所定時間が経過する毎に、または所定時間が経過し、かつ所定の条件が充足される毎に、COセンサSaのヒートクリーニングを実行させる制御を行なう制御手段2と、を備えている、燃焼装置Aであって、ファン11に対応して設けられた給気フィルタ13の詰まり状況を診断可能なフィルタ診断手段20を備えており、制御手段2は、フィルタ診断手段20によって診断された給気フィルタ13の詰まり状況に基づいて、前記所定時間を変更し、給気フィルタ13が詰まり易い状況の場合には、給気フィルタが詰まり難い場合よりも前記所定時間が短くされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COセンサを備えたガス給湯装置などの燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、屋内に設置されるガス給湯装置においては、排ガス経路などにCOセンサが設けられ、燃料の不完全燃焼などの燃焼不良を検出できるようにされているのが通例である。COセンサは、その表面に汚染物質が付着すると、そのセンサ出力に誤差が生じ、そのまま使用し続けると、排ガス中のCO濃度が高いにも拘わらず、その値が正常であると判断される虞がある。また、これとは反対に、排ガス中のCO濃度が正常であるにも拘わらず、異常であると判断される虞もある。そこで、このような虞を解消する手段として、COセンサをヒートクリーニング(COセンサに電流を流して発熱させることによりCOセンサの汚れを除去)する手段が採用されている。ただし、ヒートクリーニングを一定の周期で実行するだけでは、COセンサが汚れていないにも拘わらず、ヒートクリーニングが頻繁に行なわれたり、あるいはCOセンサの汚れ度合いが大きくなっているにも拘わらず、ヒートクリーニングが直ちに実行されないといった不具合を生じる。
【0003】
本出願人は、前記した不具合を抑制するための手段として、特許文献1に記載の手段を先に提案している。同文献に記載された手段においては、一定時間が経過する毎に、前回のヒートクリーニングから現時点までの間にバーナが燃焼駆動されたか否かが確認され、バーナが燃焼駆動されていた場合にはヒートクリーニングが実行され、そうでない場合にはヒートクリーニングは実行されない。このような手段によれば、バーナが燃焼駆動されてCOセンサに汚れを生じる虞があるときには、ヒートクリーニングが実行され、そうでない場合にはヒートクリーニングが不必要に実行されないようにすることができる。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
【0005】
すなわち、COセンサの汚れ易さは、給湯装置の設置場所の環境に大きく左右される。たとえば、給湯装置がレストランの厨房に設置されて使用される場合、給湯装置内には油粒子などを比較的多く含む空気が送り込まれる。したがって、たとえば一般家庭などに設置されて使用される場合と比較すると、レストランの厨房に設置されて使用する場合は、COセンサが汚れ易い。これに対し、前記従来技術においては、COセンサのヒートクリーニング処理に際し、COセンサが汚れ易い条件にあるか否かといった事項はなんら考慮されていない。このため、たとえばCOセンサが汚れ易い場所に設置されて使用され、比較的短時間でCOセンサの汚れ度合いが大きくなるにも拘わらず、ヒートクリーニングが適切なタイミングで早期に実行されない事態を生じたり、あるいはCOセンサが汚れを生じ難い場所に設置されて使用されているにも拘わらず、必要以上の頻度でヒートクリーニングがなされてしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3706247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、装置の設置箇所周辺の空気の汚れ具合などの実際の状況に対応させてCOセンサのヒートクリーニングを過
不足の無い、または少ない頻度で適切に実行することが可能な燃焼装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供される燃焼装置は、ファンから燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させるバーナと、このバーナの駆動に基づいて発生する排ガスのCO濃度を検出するためのCOセンサと、所定時間が経過する毎に、または前記所定時間が経過し、かつ所定の条件が充足される毎に、前記COセンサのヒートクリーニングを実行させる制御を行なう制御手段と、を備えている、燃焼装置であって、前記ファンに対応して設けられた給気フィルタの詰まり状況を診断可能なフィルタ診断手段を備えており、前記制御手段は、前記フィルタ診断手段によって診断された前記給気フィルタの詰まり状況に基づいて、前記所定時間を変更し、前記給気フィルタが詰まり易い状況の場合には、前記給気フィルタが詰まり難い場合よりも前記所定時間が短くされる構成とされている。
【0010】
このような構成によれば、給気フィルタが詰まり易い状況にある場合には、COセンサのヒートクリーニングが実行される頻度が高くなり、そうでない場合には、COセンサのヒートクリーニングが実行される頻度が低くなる。ここで、給気フィルタが詰まり易くなる状況は、燃焼装置の設置箇所周辺の空気が汚れ気味であって、COセンサが汚れ易い状況であると考えられる。これとは反対に、給気フィルタが詰まり難い状況は、COセンサが汚れ難い状況であると考えられる。したがって、本発明によれば、COセンサが汚れ易い状況下にある場合には、ヒートクリーニングの実行頻度を高くし、COセンサが汚れ易い状況に対して適切に対応できることとなる。一方、COセンサが汚れ難い状況下にある場合には、ヒートクリーニングの実行頻度を低くすることができるために、余り必要性のないヒートクリーニングが多数回にわたって無駄に実行されることを適切に回避することが可能となる。
【0011】
本発明において、好ましくは、前記制御手段による前記所定時間の変更は、前記フィルタ診断手段における前記給気フィルタの詰まり検出頻度に基づいて行なわれ、前記検出頻度が所定以上の場合は、所定未満の場合よりも前記所定時間を短くするように構成されている。
【0012】
このような構成によれば、給気フィルタの詰まり検出頻度は、たとえば詰まり検出回数と時間のパラメータから容易に把握することができるために、制御手段による判断処理を簡易にすることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記COセンサの使用寿命の判断処理を実行可能であり、前記フィルタ診断手段によって診断された前記給気フィルタの詰まり状況に基づいて、前記COセンサの使用寿命の時間を変更し、前記給気フィルタが詰まり易い状況の場合には、前記給気フィルタが詰まり難い場合よりも前記使用寿命が短くされる構成とされている。
【0014】
このような構成によれば、COセンサの使用寿命の判断に関しても、COセンサの実際の汚れ易さに対応した妥当なものとすることができる利点が得られる。
【0015】
本発明の第2の側面により提供される燃焼装置は、ファンから燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させるバーナと、このバーナの駆動に基づいて発生する排ガスのCO濃度を検出するためのCOセンサと、所定時間が経過する毎に、または前記所定時間が経過し、かつ所定の条件が充足される毎に、前記COセンサのヒートクリーニングを実行させる制
御を行なう制御手段と、を備えている、燃焼装置であって、前記制御手段に設けられ、または前記制御手段に通信接続された操作手段において、特定の操作が行なわれることにより、前記所定時間を変更することが可能とされていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、たとえばユーザが、燃焼装置の設置環境がCOセンサの汚れ易い環境であると判断した場合、このユーザが操作手段を操作することによって、COセンサのヒートクリーニングの実行頻度を高くすることができる。そうでない場合には、ヒートクリーニングの実行頻度を低くすることができる。したがって、前記構成によっても、本発明の第1の側面によって提供される燃焼装置と同様に、COセンサの実際の汚れ易さなどに対応し、COセンサのヒートクリーニングを適切な頻度で行なわせることが可能となる。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る燃焼装置の一例を示す概略説明図である。
【図2】図1に示す制御部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す制御部の動作処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1に示す燃焼装置Aは、ガス給湯装置として構成されており、その基本的な構成自体は、従来既知のものと同様である。すなわち、この燃焼装置Aは、燃料ガスを燃焼させるバーナ10、このバーナ10に燃焼用空気を供給するファン11、およびバーナ10によって発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水を加熱する熱交換器12を具備している。さらに、この燃焼装置Aは、COセンサSa、給気フィルタ13の装着の有無を検出するためのフィルタ検出センサSb、制御部2、およびこの制御部2に通信接続されたリモコンRも具備している。
【0021】
COセンサSaは、熱交換器12による熱回収を終えた燃焼ガス(排ガス)のCO濃度を検出するためのものであり、燃焼ガスの排気経路中に設けられている。このCOセンサSaとしては、従来既知のものを用いることが可能であり、たとえば白金線コイルを酸化アルミなどの触媒によりコーティグして乾燥・焼成した構成である。測定対象の排ガス中にCOが存在すると、このCOとの反応熱によって白金線コイルの抵抗値が上昇する原理に基づき、CO濃度を検出可能である。このCOセンサSaの表面に汚染物質が付着すると、センサ出力値に誤差を生じる。COセンサSaのヒートクリーニングは、既に述べたとおり、COセンサSaに電流を流して発熱させることにより、前記汚染物質を除去する処理であり、制御部2の制御により実行される。
【0022】
給気フィルタ13は、たとえば燃焼装置Aの外装ケース14に設けられた給気用の開口部(図示略)に着脱自在に装着されており、この給気フィルタ13を通過した空気がファン11に供給される。給気フィルタ13は、詰まりを生じると、新たなものと交換されるが、この交換作業が行なわれたか否かは、フィルタ検出センサSbを利用して検出することが可能である。
【0023】
制御部2は、マイクロコンピュータなどを用いて構成されており、燃焼装置Aの各部の動作制御を実行する。また、本発明でいう制御手段の一例に相当する。ただし、本実施形態においては、この制御部2は、給気フィルタ13の詰まり状況を診断可能なフィルタ診
断部20をも構成しており、本発明でいうフィルタ診断手段の構成要素にも該当している。給気フィルタ13の詰まり状況の診断手法も従来既知であるため、その詳細は省略するが、簡略すると、次のとおりである。すなわち、ファン11からの送風量については、図示されていないセンサを用いて常時観察しており、送風量が減少した場合にはファン11の駆動回転数をアップさせてこれに対応する。ただし、ファン11の回転数アップによって対応できない状況になった場合には、給気フィルタ13が汚れて詰まりが生じたものと判断し、たとえばリモコンRなどにおいてフィルタエラーの旨を報知させるとともに、バーナ10の燃焼駆動を停止させるといった処置が採られる。これに対応して、その後に給気フィルタ13の取り外しおよび装着があり、その旨がフィルタ検出センサSbを利用して検出されれば、給気フィルタ13が交換されたものと見做し、前記フィルタエラーの状態が解除される。
【0024】
制御部2は、基本的には、所定時間が経過する毎に、COセンサSaのヒートクリーニングを実行させる制御を実行する。ただし、この制御に際し、制御部2は、後述するように、フィルタ診断部20による診断状況に基づき、前記所定時間を変更する処理を行なうように構成されている。
【0025】
次に、前記した燃焼装置Aの作用、ならびに制御部2の動作処理手順の一例について、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0026】
まず、COセンサSaのヒートクリーニングが実行される周期は、基本的には、所定の第1の時間T1に初期設定されている(S1)。この第1の時間T1は、たとえば24時間である。制御部2は、この制御部2が内蔵するタイマによって第1の時間T1が計時されると、その時点においてバーナ10が燃焼駆動していないことを条件として、COセンサSaのヒートクリーニングを実行させる(S2:YES,S3:YES,S4)。バーナ10が燃焼駆動していた場合には、この燃焼駆動が終了した時点で、ヒートクリーニングが実行される。ヒートクリーニング中は、CO濃度検出が困難であるため、バーナ10の燃焼駆動時にはヒートクリーニングが回避されている。給気フィルタ13の詰まり検出がない場合(S5:NO)、前記した動作が繰り返される(S5:NO,S2)。第1の時間T1は、たとえば24時間であるため、ヒートクリーニングは、1日に1回の頻度で実行される。
【0027】
給気フィルタ13の詰まりが検出された場合(S5:YES)、制御部2は、その時点で給気フィルタ13の詰まり検出頻度が所定以上であるか否かを判断し、かつ詰まり検出頻度が所定以上であると判断した場合には、ヒートクリーニングの実行周期を所定の第2の時間T2に変更する(S7)。第2の時間T2は、たとえば12時間であり、T1>T2である。
【0028】
前記した給気フィルタ13の詰まり検出頻度としては、たとえば前回の給気フィルタ13の詰まり検出に起因して給気フィルタ13を交換した時点から、今回の給気フィルタ13の詰まり検出までの時間Taの値を用いることができる。この時間Taが、たとえば3箇月である場合、3箇月に1度の頻度で給気フィルタ13に詰まりが生じると考えることができる。また、これに代えて、今回の給気フィルタ13の詰まり検出以前の一定時間Tbにおける詰まり検出回数Nに基づき、N/Tbの値、あるいはNの値を詰まり検出頻度を示す値として利用することも可能である。給気フィルタ13の詰まり検出頻度が所定以上であるか否かの判断は、前記したような詰まり検出頻度を示す値を、所定の基準値と比較することにより行なわれる。
【0029】
給気フィルタ13の詰まり検出頻度が所定以上である場合には、既述したように、ヒートクリーニングの実行周期が短くされ、ヒートクリーニングの実行頻度が高くされる。こ
こで、給気フィルタ13の詰まり検出頻度が高い状況は、燃焼装置Aの設置箇所周辺の空気が汚れ気味であって、COセンサSaが汚れ易い状況にあると考えられる。したがって、前記した動作処理によれば、COセンサSaが汚れ易い状況にある場合には、COセンサSaのヒートクリーニングの実行頻度が高くされることとなって、COセンサSaを汚れが少ない状態に維持させて正常に動作させる上で好ましいものとなる。一方、給気フィルタ13の詰まり検出頻度が所定未満であって、燃焼装置Aの設置箇所周辺の空気が余り汚れておらず、COセンサSaが汚れ難い状況にあると考えられる場合には、ヒートクリーニングの実行頻度が低くなる。したがって、COセンサSaが殆ど汚れていないにも拘わらず、ヒートクリーニングが不必要な頻度で実行される無駄を少なくする効果も得られる。
【0030】
制御部2は、ヒートクリーニングの周期を第2の時間T2に変更した場合には、これに伴い、COセンサSaの使用寿命時間(使用許容時間)を短くする処理も実行する(S8)。フローチャートには示されていないが、制御部2は、バーナ10の累積燃焼駆動時間を継続して計測しており、この時間が予め設定された使用寿命時間に達すると、エラーが発生したものとし、この旨をリモコンRなどに報知させ、かつ必要に応じてバーナ10の駆動を停止状態とする制御を実行している。このような制御に際し、給気フィルタ13の詰まり検出頻度が所定以上であると、COセンサSaの使用寿命時間を短くする。具体例を挙げると、COセンサSaの使用寿命が当初は10000時間と設定されている場合、この時間を100時間短くする。この場合、給気フィルタ13の詰まり検出が所定回数繰り返される都度、使用寿命を100時間ずつ順次短縮し、その短縮時間がたとえば500時間まではそのような短縮処理を繰り返すようにしてもよい。このような処理が実行されれば、COセンサSaが汚れ易く、負荷が大きい状況で使用されている場合には、使用寿命が到来した旨の判断が早期に行なわれることとなって、COセンサSaの交換を早期に促すことができる利点が得られる。
【0031】
なお、前記した動作処理では、ヒートクリーニングの周期(所定時間)をステップS7において第2の時間T2に設定した後に、ステップS6においてNOとなった場合には、第1の時間T1に復帰されるように構成されているが、これに限定されない。たとえば、第2の時間T2が一度設定された後には、詰まり検出頻度を判断するような処理が実行されないようにして、第2の時間T2が設定された状態をそのまま継続させるように構成してもよい。このような構成にすれば、制御部2の制御を容易なものにすることができる。また、燃焼装置Aは、所定の場所に一度設置されると、その後他の場所に移設されるケースは少ないため、第1の時間T1に復帰させる処理を実行する必要性に乏しい。さらに、第2の時間T2が設定された状態では、ヒートクリーニングが高い頻度で実行されるために、COセンサSaを利用したCO濃度の検出値を正確にする上で、不具合を生じることもない。
【0032】
前記した制御部2には、前記した動作制御に代えて、または加えて、図3に示すような動作処理を実行させることも可能である。
【0033】
図3に示す動作処理では、図2の動作処理と同様に、COセンサSaのヒートクリーニングの実行周期(所定時間)が、第1の時間T1に初期設定されている(S11)。このような状況下において、リモコンRの操作スイッチ30、あるいは制御部2に設けられた操作スイッチ(図示略)を利用して所定の第1の操作がなされると、制御部2は、ヒートクリーニングの実行周期を第2の時間T2に変更する(S12:YES,S13)。さらに、その後に第2の操作がなされると、ヒートクリーニングの実行周期を元の第1の時間T1に復帰させる(S14:YES,S11)。
【0034】
このような動作制御によれば、たとえば燃焼装置Aのユーザが、燃焼装置Aの設置箇所
の空気が汚れ気味であって、COセンサSaが汚れ易い状況にあると判断する場合には、スイッチ操作によって第2の時間T2を選択し、そうでないと判断した場合には第1の時間T1を選択することが可能である。第1および第2の時間T1,T2のいずれを選択するのかは、ユーザが決定することができるために、ユーザの意思を尊重した制御仕様にできる利点も得られる。また、前記動作制御では、第2の時間T2を設定した後に、第1の時間T1に復帰させることができるが、このような構成によれば、スイッチ操作の過誤によって第2の時間T2を設定した場合に、これを実質的にキャセルできることとなり、好ましい。
【0035】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る燃焼装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0036】
上述の実施形態では、COセンサのヒートクリーニングは、単に所定時間が経過することを条件として実行されるのではなく、バーナが燃焼駆動状態にないことも条件として実行されているが、ヒートクリーニングを実行させるための条件はこれに限定されない。たとえば、特許文献1に記載された手段と同様に、前回のヒートクリーニングから現時点までの間にバーナが燃焼駆動されていることを、ヒートクリーニングの実行条件とするようなこともできる。さらには、これ以外の事項を条件とすることもできる。なお、余り現実的ではないが、所定時間が経過することのみを条件としてヒートクリーニングが実行される構成とすることもできる。
【0037】
本発明でいう「所定時間が経過」とは、バーナの燃焼駆動の有無などには関係なく進行する時間(一般概念の時間)が、所定時間経過する場合に限らず、たとえばバーナの燃焼駆動累積時間が、所定時間経過する場合も含む概念である。したがって、バーナの燃焼駆動累積時間が所定時間に達する都度、COセンサのヒートクリーニングが実行されるような場合にも、本発明を適用することができる。
【0038】
上述した実施形態では、本発明でいう所定時間を、第1および第2の時間T1,T2の2段階で変更させているが、やはりこれに限定されない。たとえば、前記所定時間を、3段階(たとえば、24時間、12時間、8時間など)、あるいはそれ以上の数の多段階に変更させてもよい。また、所定時間の具体的な値は、24時間や12時間などに限定されないことは言う迄もない。
【0039】
COセンサは、CO濃度検出に利用できるものであればよく、その具体的な構成は問わない。バーナとしては、ガスバーナに代えて、たとえばオイルバーナとすることもできる。本発明に係る燃焼装置は、必ずしも給湯装置として構成されていなくてもよく、たとえば暖房用などの燃焼装置として構成することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
A 燃焼装置
Sa COセンサ
Sb フィルタ検出センサ
2 制御部(制御手段)
10 バーナ
11 ファン
13 給気フィルタ
20 フィルタ診断部(フィルタ診断手段)
30 操作スイッチ(操作手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンから燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させるバーナと、
このバーナの駆動に基づいて発生する排ガスのCO濃度を検出するためのCOセンサと、
所定時間が経過する毎に、または前記所定時間が経過し、かつ所定の条件が充足される毎に、前記COセンサのヒートクリーニングを実行させる制御を行なう制御手段と、
を備えている、燃焼装置であって、
前記ファンに対応して設けられた給気フィルタの詰まり状況を診断可能なフィルタ診断手段を備えており、
前記制御手段は、前記フィルタ診断手段によって診断された前記給気フィルタの詰まり状況に基づいて、前記所定時間を変更し、前記給気フィルタが詰まり易い状況の場合には、前記給気フィルタが詰まり難い場合よりも前記所定時間が短くされる構成とされている、燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼装置であって、
前記制御手段による前記所定時間の変更は、前記フィルタ診断手段における前記給気フィルタの詰まり検出頻度に基づいて行なわれ、前記検出頻度が所定以上の場合は、所定未満の場合よりも前記所定時間を短くするように構成されている、燃焼装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃焼装置であって、
前記制御手段は、前記COセンサの使用寿命の判断処理を実行可能であり、
前記フィルタ診断手段によって診断された前記給気フィルタの詰まり状況に基づいて、前記COセンサの使用寿命の時間を変更し、前記給気フィルタが詰まり易い状況の場合には、前記給気フィルタが詰まり難い場合よりも前記使用寿命が短くされる構成とされている、燃焼装置。
【請求項4】
ファンから燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させるバーナと、
このバーナの駆動に基づいて発生する排ガスのCO濃度を検出するためのCOセンサと、
所定時間が経過する毎に、または前記所定時間が経過し、かつ所定の条件が充足される毎に、前記COセンサのヒートクリーニングを実行させる制御を行なう制御手段と、
を備えている、燃焼装置であって、
前記制御手段に設けられ、または前記制御手段に通信接続された操作手段において、特定の操作が行なわれることにより、前記所定時間を変更することが可能とされていることを特徴とする、燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−50258(P2013−50258A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187921(P2011−187921)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】