説明

燃費データの蓄積及び利用装置、方法、並びにプログラム

【課題】
移動体の燃費を含むデータを効率的に蓄積し、利用するための、改善された装置、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
仮想的なモデル移動体を定義し、個々の移動体の燃費とこのモデル移動体の燃費との換算比率を移動体の識別情報に対応付けて記憶しておく。センターサーバは、走行している複数の移動体から燃費の情報を収集する。センターサーバは、この換算比率を利用して、収集された移動体の燃費を、モデル移動体の燃費に換算することにより、効率的に移動体の燃費データを蓄積する。蓄積されたモデル移動体の燃費を地図リンクごとに平均化し、リンクごとの代表燃費を算出し記憶する。このリンクごとの代表燃費は、ナビゲーションシステムなどで用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の燃費情報を含むデータを蓄積しこれを利用する装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、COやNOXなどの環境汚染の減少を目指して、様々な取り組みがなされている。このような背景の中、自動車業界による地球環境問題への対応は、自動車の安全性の向上への努力と同様に社会的な使命となっている。しかしながら、自動車業界だけの努力による地球環境問題の改善には限界がある。このため、個々のドライバーに対しても環境問題に適応した自動車走行ルートの適切な選択が求められている。また、適切なルートが選択されることにより、車両の燃料消費量も減少し、ドライバー自身にとっても燃料費の節約につながる。したがって、自動車に搭載されるナビゲーションシステムが、エネルギー消費量の減少につながる走行ルートを提示することは非常に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−197211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなナビゲーションシステムにおいて、燃料消費量が少ない経路をドライバーに提示するためのサーバ装置やこのサーバ装置と組み合わされたナビゲーション技術が知られている(特許文献1)。このサーバ装置は、様々な車両の種類に応じた燃費を記録する手段を有する。そして、出発地と目的地の入力を受け付け、複数の経路を探索する。ドライバーの乗っている車両の種類を示す情報に応じて、探索した経路について燃料消費量を算出する。サーバ装置は、算出された燃料消費量が最小となる経路をドライバーの乗っているナビゲーションシステムに提供する。このサーバ装置は、車両の種類ごとに燃料消費量を算出する。このため、サーバ装置は、収集燃料消費テーブルを記憶している。
【0005】
しかしながら、このサーバ装置は、個々の車両のナビゲーション装置から収集されたデータを車両識別子ごとに収集燃料消費テーブルに記憶するために、膨大な記憶容量を必要とする。このサーバ装置が収集する具体的な情報としては、道路のリンク情報、車両識別子、車種、燃料種別、燃料消費量、データ収集時刻等が含まれるため、その情報量は膨大なものとなる。
【0006】
本装置は、上記実情に鑑みてなされたものであり、移動体の燃費を含むデータを効率的に蓄積し、利用するための、改善された手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本装置の一観点によれば、複数の移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取る受取部と、受け取られた前記識別情報に対応する、前記記憶部に記憶された、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算する換算部と、前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算された前記モデル移動体の燃費を蓄積する蓄積部と、前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する代表燃費特定部と、を有することを特徴とする装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
開示の装置、方法、及びソフトウエアは、蓄積すべき燃費情報を含むデータの量を減少させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態としてのシステム構成を示す図である。
【図2A】本実施形態のセンターサーバの機能的構成を示す図である。
【図2B】本実施形態のセンターサーバのハードウエア構成を示す図である。
【図3A】本実施形態の車両に搭載されるナビゲーションシステムの機能的構成を示す図である。
【図3B】本実施形態の車両に搭載されるナビゲーションシステムのハードウエア構成を示す図である。
【図4】本実施形態の車両位置から道路のリンクを決定する手法を示す図である。
【図5】本実施形態の車両の燃費を算出するための手法を示す図である。
【図6】本実施形態のモデル車両の燃費への換算係数の対応関係を示す図である。
【図7】本実施形態の蓄積部の内容及びモデル車両の代表燃費を示す図である。
【図8】本実施形態の方法に係るフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、「車両」と「移動体」の二つの用語が用いられる。車両とは車輪のついた乗り物の総称である。移動体とは、移動することができる物体の総称であり、車両を包含する概念である。移動体には、車両以外に、例えばロボットのような移動可能な機械も含まれる。
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の説明では、移動体として、自動車等の車両を取り上げて説明するが、本発明は移動体を対象とし、車両に限定されるものではない。
【0012】
ナビゲーションシステムは、通常、衛星などを利用して現在の所在地を地図上に表示するとともに、出発地から目的地に到着できる最短距離の経路や、最短時間の経路を探索し提示する機能を持っている。このために、ナビゲーションシステムでは、少なくとも地図の情報を利用する必要がある。例えば交差点と交差点の結びつきがどのようになっているか、道路がどのような曲線を描いているか等の道路網の情報を持つ必要がある。このような道路の結びつきを示す情報の一つとして「リンク情報」がある。リンク情報とは、道路を特定するためのデータ集合の一つの要素である。例えば、リンク情報は、上り方向と下り方向で区別し、緯度と経度で特定された二地点を結ぶ直線を意味する。道路は、1つ以上のリンクの集合として定義され得る。一般に、直線が長く続く道路は、長いリンクで表現し得る。これに対して、曲線を描く道路は、比較的短いリンクの結びつきで構成される。また、交差点や分岐点がある道路は、その交差点や分岐点で、複数のリンクが結合されている。このリンク情報は、道路を特定する道路特定情報の一例である。
【0013】
なお、燃費とは、単位移動距離当たりの燃料消費量、すなわち燃料消費率を意味する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態としてのシステム100を示す。図1に示されるように、システム100は、ネットワーク110、センタ−サーバ130を有する。一例としての車両120乃至123がそれぞれ無線回線150乃至152を介してネットワーク110と接続されている。また、センターサーバは、有線回線または無線回線140を介してネットワーク110に接続されている。この構成により、センターサーバ130と、車両に搭載されているナビゲーションシステム(不図示)とが接続され、情報交換を行うことができる。なお、1個のセンターサーバが示されているが、複数個存在して、機能を分担してもよい。また、ネットワーク110は、1つに限定されるものではなく、複数のネットワークが利用できる環境であってもよい。また、センターサーバは、顧客システム(不図示)等、他のシステムと接続され、相互に情報を交換してもよい。
【0015】
なお、以下の実施例の説明では、センターサーバにおける構成要素と、各車両に搭載されるナビゲーションシステムの構成要素とを分けて説明する。しかしながら、センターサーバにおける構成要素がナビゲーションシステムに存在してもよい。また、ナビゲーションシステムに搭載されるとして説明する構成要素がセンターサーバに存在してもよい。すなわち、各構成要素が受け持つ機能を、センターサーバと車載のナビゲーションシステムのいずれにおいて実現するかは、技術進歩等によって当業者が適切に選択することができる点に留意すべきである。したがって、センターサーバの構成全てを車載のナビゲーションシステムが保持してもよい。
【0016】
また、ナビゲーションシステムは、必ずしも車両に設置される必要はなく、携帯電話等のモバイル機器、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ等の機器にインプリメントされてもよいことは言うまでもない。
【0017】
同様に、センターサーバは、サーバ用のコンピュータで構成される必要はなく、携帯電話等のモバイル機器、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、車載のナビゲーションシステム等であってもよい。
【0018】
したがって、各実施例をインプリメントする機器は、蓄積すべきデータ量、処理すべきトラフィック量等に対応できる機器を、技術進歩に応じて適切に選択すればよい。
【実施例】
【0019】
図2Aは、本発明の一実施形態としてのセンターサーバ130の機能的構成を示している。センターサーバは、送受信部201、記憶部203、蓄積部205、モデル車両燃費換算部207、リンク特定部209、平均算出部211を含む代表燃費特定部210、経路探索部213、経路別燃料消費量算出部215、経路情報提示部217、入力部220、及び出力部230を有してもよい。以下、これらの構成要素について、概略を述べるが、その詳細については、後述する。
【0020】
図2Aにおいて、送受信部201は、回線140を介してネットワーク110と接続されている。送受信部201は、受取部及び配信部の一例である。送受信部201は、ネットワーク110を介して各ナビゲーションシステムから車両の燃料消費量と車両の位置を含む計測データを計測時刻と共に受信し得る。送受信部201は、要求ナビゲーションシステムから送られてくる、車両特定情報、出発地、及び目的地等の依頼情報を受信する。送受信部201は、この依頼情報に基づき、燃料消費量が最小となる経路を含む、経路の候補を要求ナビゲーションシステムに送り返してもよい。また、送受信部201は、後述するリンク情報に対応したモデル車両の燃費(代表燃費)のデータの配信を各ナビゲーションシステムに行ってもよい。この場合、ナビゲーションシステムは、配信されたモデル車両の燃費のデータを用いて、スタンドアロンで、燃料消費量が最小となる経路を特定してもよい。なお、本明細書において、「モデル車両」とは、車両に関してサーバ上で用いる仮想的なモデルを意味する。
【0021】
記憶部203は、サーバシステムにおける種々のデータを記憶する。たとえば、記憶部203には、車両を識別する識別情報に対応付けて、モデル車両の燃費に換算するための換算係数を記憶してもよい。換算係数は、車両の燃費とモデル車両の燃費との関係を示す指標の一例である。また、モデル車両が複数ある場合には、モデル車両の識別情報を併せて記憶してもよい。記憶部203の記憶内容の詳細は、図6を用いて後述する。
【0022】
モデル車両燃費換算部207は、ナビゲーションシステムから送られてきた燃料消費量と車両の位置に関する複数の計測データのうち少なくとも2つのデータから、その車両の燃費を求める。対応する換算係数を用いて、その車両の燃費がモデル車両の燃費に換算される。
【0023】
リンク特定部209は、車両の位置に最も近い道路のリンクを特定してもよい。リンクを特定する手法の例については、図4を用いて後述する。
【0024】
蓄積部205は、リンクに対応したモデル車両の燃費を蓄積してもよい。蓄積部205に記憶されるデータの例の詳細は、図7を用いて後述する。
【0025】
代表燃費特定部210は、平均算出部211を含んでもよい。平均算出部211は、リンクごとに、蓄積されたモデル車両の燃費を平均化し、代表燃費を算出する。平均化することにより、実際の計測値に基づいたモデル車両の燃費のばらつきを排除することができる。平均の算出は、単純平均や移動平均等を用いることができる。代表燃費特定部210は、平均の代わりに、複数のモデル車両の燃費の中央値を採用してもよい。また、代表燃費を特定する際に、予め蓄積部に蓄積されたデフォルト値をも加味して、平均化を行ってもよい。また、平均化は、予め定められた期間に蓄積されたモデル車両の燃費を対象としてもよい。たとえば、最近1ヶ月に蓄積されたモデル車両の燃費を対象とすることができる。天候(雪、雨等)の季節的な変化等に影響されて、同じ道路でも燃費に影響与えることがある。予め定められた期間を定め、対象とするモデル車両の代表燃費を特定することによって、このような季節的な道路事情の変化に適応することもできる。また、例えば、普通車、ハイブリッド車、電気自動車等の複数のモデル車両を定め、モデル車両ごとに、代表燃費を特定してもよい。たとえば、下り坂の道路では、ハイブリッド車は、発電(回生)を行うため、普通車と比して、燃費は異なる。例えば、特定の車両に対して、モデル車両を一意に定めることによって、適切なモデル車両の代表燃費を特定することができる。したがって、当業者は、モデル車両が異なれば、燃料消費量が最小の経路が異なる場合もあり得ることが理解できよう。
【0026】
経路探索部213は、指定された出発地と目的地との情報を基に、1つ以上の経路を探索することができる。
【0027】
経路別燃料消費量算出部215は、経路探索部213によって探索された、複数の経路の各々に対して、経路を構成する複数のリンクと、リンクに対応して算出された代表燃費とを元に、燃料消費量を算出する。
【0028】
経路情報提示部217は、経路別燃料消費量算出部215で算出された燃料消費量のうち最小のものに対応する経路を提示してもよい。提示された経路は、送受信部201を介して、要求元のナビゲーションシステムに送信される。
【0029】
図2Bは、本実施形態のセンターサーバのハードウエア構成を示す。センターサーバは、CPU241、HDD242、RAM243、ROM245、及びインターフェース247が含まれ、バス249で接続されている。インターフェース247には、キーボードやマウス(不図示)等の入力部220及び表示装置、プリンタ(不図示)等の出力部230が接続されてもよい。図2Aに示された各機能部は、CPU241が適切なプログラムを読み込んで実行することで、仮想的に実現されてもよい。
【0030】
図3Aは、一実施例としての車両に搭載されるナビゲーションシステム300の機能的構成を示している。ナビゲーションシステムは、送受信部301、外部記憶ドライブ303、入出力部330、エネルギー消費センサ305、エンジン制御装置340、取得エネルギーセンサ307,アンテナ309に接続されたGPS受信器308、速度・加速度センサ311、方位センサ313,ジャイロセンサ315、及び車両識別情報記憶部316を有してもよい。
【0031】
送受信部301は、無線回線150からネットワーク110を介してセンターサーバ130に接続されている。送受信部301は、ネットワーク110を介して車両の燃料消費量と車両の位置を含む計測データを計測時刻と共にセンターサーバ130に送信してもよい。加えて、送受信部301は、車両の情報、出発地、及び目的地等の依頼情報を送信してもよい。送受信部301は、燃料消費量が最小となる経路を含む経路の候補をセンターサーバから受信してもよい。また、送受信部301は、後述するリンク情報に対応したモデル車両の代表燃費のデータをセンターサーバ130から受信してもよい。モデル車両の代表燃費のデータを受信すれば、ナビゲーションシステムがスタンドアロンで、燃料消費量の最小の経路を特定し得る。
【0032】
外部記憶ドライブ303は、DVDやCD−ROM等の外部記憶媒体を読み書きするための機能を有する。外部記憶ドライブ303は、SDメモリ等のその他の可搬型記憶媒体を読み書きすることが可能であってもよい。また、ハードディスク等の記憶媒体を具えていてもよい。
【0033】
入出力部330は、地図や経路を表示する表示パネル331、音声出力333、タッチパネル335、音声入力337、スイッチ339等を有してもよい。入出力部は、ユーザが出発地、目的地、経路選択等を入力する場合にも利用され得る。また、燃料消費量が最小の経路を表示するためにも利用される。
【0034】
エネルギー消費センサ305は、車両のエネルギー消費量を計測するものであり、ガソリン等の液体燃料であれば、液体燃料の消費量、電気であれば、電力量等を計測する。
【0035】
また、エネルギー消費センサ307はエンジン制御装置340により、例えば燃料噴射量に基づき算出された値に基づきエネルギー消費量を算出する機能に置き換えても良い。
【0036】
取得エネルギーセンサ307は、ハイブリッド車や電気自動車に設置されてもよい。取得エネルギーセンサ307は、車両の減速時や、下り坂の走行時に、発電を行い取得されたエネルギー量を計測するものである。なお、この取得エネルギーセンサ307は、走行時にエネルギーを取得しない車両には不要である。
【0037】
ナビゲーションシステムは、エネルギー消費量とエネルギー取得量との差を計算し、計測時点における燃料消費量を計算し、送受信部301を介してセンターサーバ130に送信する。
【0038】
GPS受信器308及びアンテナ309は、車両の位置を計測するものである。
【0039】
速度・加速度センサ311、方位センサ313、ジャイロセンサ315は、車両の位置や移動方向等を知るために、GPS受信器308と共に利用されてもよい。
【0040】
車両識別情報記憶部306には、ナビゲーションシステムが搭載されている車両を識別する情報が記憶される。この車両識別情報には、メーカ、排気量、エンジン形式(ガソリン、ディーゼル等)、動力タイプ(通常、ハイブリッド、電気等)、及び型恪等が含まれる。この車両識別情報記憶部306に記憶されているデータは、送受信部301を介してセンターサーバに送られる。なお、携帯端末、タブレットコンピュータ、ラップトップPCなどの、車両から分離され得る機器にナビゲーションシステムがインプリメントされている場合がある。この場合には、車両識別情報記憶部306に記憶されるべきデータをユーザが入力してもよい。あるいは、例えばウエブサービス等を利用して、ユーザの選択により又は自動的にネットワークを介して車両に適合したデータがダウンロードされてもよい。
【0041】
図3Bは、本実施形態の車両に搭載されるナビゲーションシステムのハードウエア構成を示している。ナビゲーションシステムは、CPU321、CD−ROM等を読み書きできるドライブ322、RAM323、ROM325、及びインターフェース327が含まれ、バス329で接続されている。インターフェース327には、各種センサ、入出力機器、表示装置、通信装置(不図示)等の各種の機器が接続されてもよい。図3Aに示された各機能部は、CPU321が適切なプログラムを読み込んで実行することで、仮想的に実現されてもよい。
【0042】
図4は、一実施例としての車両位置から道路のリンクを決定する手法を示す図である。車両に搭載されたナビゲーションシステムからは、センターサーバに、時々刻々と、車両の位置情報が送信される。センターサーバでは、受信した車両の位置の情報を、地図の道路を構成するリンクに対応付ける処理を行う。なお、この情報は、道路の断片を特定できる情報(道路特定情報)であればよく、リンク情報に限定されるものではない。
【0043】
図4には、一例として道路網401が描かれている。道路網401は、交差点K1、及びKを有する。道路網401は、リンク1乃至リンク9で構成されている。例えば、リンク3は、始点Kと終点Kとを結ぶ直線である。始点Kと終点Kの緯度及び経度を特定することにより、リンク3の位置が特定される。そして、リンク3は、上り方向aと下り方向bとで区別して扱われる。このようなリンク情報で構成された地図を用いることができる。
【0044】
次に、車両の位置情報からリンクを特定する手法の例を説明する。計測された車両の位置情報が地点Pであると仮定する。一般に、GPS等を利用した位置情報の取得においては、一定の誤差が含まれる。図4においても、車両位置として計測された地点Pは、道路上に存在していない。この場合には、地点Pから近傍の道路に垂線P及びPを下ろす。それぞれの垂線の長さは、x及びyである。垂線の長さがより短いものに対応するリンクが選択される。そして、リンクと垂線との交点に車両が存在していると判断される。この場合には、y>xであるため、リンク2の地点Pに車両が存在していると判断される。また、移動方向の情報を基にして、車両がリンク2において上り方向に移動しているか下り方向に移動しているのかを判断する。上り方向と下り方向とは、予め定義しておけばよい。
【0045】
また、車両の位置情報を複数の車両の位置情報に基づき、幾何学的に算出される中間点にしても良い。
【0046】
図5は、一実施例として、モデル車両の燃費に換算する換算部の処理のうち、車両の燃費を算出するための手法を示す図である。まず、車両がPからPに、交差点Kを経由して移動した場合を説明する。そして、リンク2およびリンク7に対応する車両の燃費を算出する手法を説明する。ここで、車両の燃料消費量は、車両がP、Pに存在するときにそれぞれW、Wとして計測されていたと仮定する。また、経路K、P、K、Pの距離を、それぞれ、m、m、m、mとする。
【0047】
この時、車両から最新の瞬間の燃費の値が提供される場合には、リンク2のPにおける燃費は、QP2として取得されるため、この値をリンク2に対応する燃費としてもよい。そして、リンク2における燃料消費量WLink2は、QP2を用いて以下の通り算出される。
Link2=(m+m)×QP2
同様に、リンク7における車両の燃料消費量WLink7は、Pにおいて取得された燃費QP7を用いて以下の通り算出される。
Link7=(m+m)×QP7
車両がP、Pに存在するときのそれぞれの燃料消費量W、Wを用いる場合には、リンクP2に対応する車両の燃費QP2と、リンクP7に対応する車両の燃費QP7は、以下の通り算出される。
P2=QP7=(W−W)/(m+m
また、車両側の燃料消費量として、車両がP、Pに存在するときのそれぞれの最新の燃料残量L、Lを用いる場合には、以下の通り算出される。
P2=QP7=(L−L)/(m+m
上述のように、QP2とQP7との値は同じとなる。これは、燃料消費量(燃料残量)の計測が1台の車両かつ、地点PとPとの2地点でのみ行われたためである。なお、リンク7については、m<mであるため、その後において経路Pにおいて計測されたデータを基に算出されたリンク7の燃費を採用してもよい。一般に、同じリンクで、2つ以上の燃費が算出された場合には、その中で一番長い距離に基づいて算出された燃費を、そのリンクに対応する燃費として採用してもよい。あるいは、算出された2つ以上の燃費の平均、又は中央値を計算し、そのリンクに対応する燃費として採用してもよい。
【0048】
なお、リンクに燃費を対応付ける際、燃費にリンクの距離を掛け合わせた情報(すなわちリンクの燃料消費量)をリンクに対応付けてその後の処理に用いてもよい。この処理を予め行っておけば、経路の燃料消費量を算出するには、経路を構成するリンクの燃料消費量を単純に加算すればよい。なお、それぞれのリンクの距離は変化する値ではないため、リンクの燃料消費量の情報には、リンクの燃費の情報が含まれることは言うまでもない。
【0049】
図6は、車両を識別する車両識別情報、モデル車両を区別するモデル車両識別情報、及び、個々の車両で計測された燃費を特定のモデル車両識別情報を持つモデル車両の燃費への換算係数を有する表600を示す。
【0050】
車両識別情報601には、車両のメーカ612、排気量613、エンジン形式615、型恪617、動力タイプ617を含んでもよい。この車両識別情報601によって、モデル車両のモデル車両識別情報620および、換算係数630が特定される。例えば、No.3の車両は、メーカAであり、排気量は2000〜3000ccの範囲に属し、エンジン形式はガソリンであり、型恪はAtypeであり、動力タイプは通常であることを示している。そして、この車両識別情報に合致する車両はモデル車両識別情報として「1」を持つモデル車両に対応する。そして、車両の燃費に換算係数0.9を乗ずることにより、モデル車両識別情報として「1」を持つモデル車両の燃費に換算できる。また、No.12乃至No.19の車両識別情報に属する車両は、ハイブリッド車であり、モデル車両識別番号が「2」を持つモデル車両であることが分かる。なお、モデル車両識別情報として「1」を持つモデル車両を、モデル車両1と記載する場合がある。
【0051】
以上、図5及び図6に説明した手法によって、それぞれのリンクごとに、車両の識別情報、位置、及び燃費の情報から、車両の燃費を求め、この車両の燃費をモデル車両の燃費に換算することができる。
【0052】
なお、各々の換算係数は、各車両に関して各メーカが同一基準で測定し、公開している燃料消費に関するデータを基にして予め計算することができる。なお、図6に示す実施例においては、No.2と7の車両識別情報を持つ車両が、モデル車両と合致しており、換算係数が「1.0」となっている。また、モデル車両の想定は、たとえば比較的普及している車両から選定してもよい。
【0053】
また、回生機能(発電機能)を持つ車両と持たない車両とでは、同じ経路であっても坂の存在等によって、燃費のパターンが大きく異なる場合がある。したがって、例えば、図6のように、普通車、ハイブリッド車、電気自動車では、異なるモデル車両識別情報を設定してもよい。後述するように、モデル車両識別情報ごとに、異なる代表燃費を特定する。これによって、燃料消費量が最小となる経路をより適切に特定することができる。なお、モデル車両識別情報をどのように割り当てるかは、上述の実施例に限定されない。例えば、排気量の非常に大きな車両を別のモデル車両に対応させてもよい。また、マニュアル車とオートマチック車で、モデル車両を異ならせてもよい。
【0054】
図7は、一実施例としての蓄積部205に蓄積されたモデル車両1に係る燃費の一部を示す表701を示す。また、このモデル車両1の燃費から特定された、モデル車両1の代表燃費を表702に示す。
【0055】
表701に示すように、各リンクに対応して、換算されたモデル車両1の燃費が1時間ごとに順次蓄積されている。現在の時刻は、16時00分であり、過去のエントリ(No.1乃至21)には、それぞれの時間帯に取得されたモデル車両燃費に換算されたモデル車両1の燃費が蓄積されている。なお、網掛けで示されたエントリには、計測値が得られなかったため、デフォルト値である「25.0」の値が記憶されている。
【0056】
また、未来に対応するエントリ(No.22乃至26)には、予めデフォルト値25.0が蓄積されている。なお、同一のエントリで複数回計測が行われる場合もある。この場合には、同じエントリを単純に上書きしてもよい。あるいは、同一のエントリに記録すべき燃費の平均値を蓄積してもよい。
【0057】
表702には、モデル車両1の代表燃費が記憶されている。図7の実施例の場合には、各リンクに対して、最近の10個のエントリ(No.12乃至21)の平均値を算出し、モデル車両1の代表燃費としている。この場合には、一定期間に得られたデータを平均の算出の対象としている。また、平均を算出する対象は、10個に限られない。なお、平均値ではなく、エントリ値の中央値を選定してもよい。
【0058】
また、表701でデフォルト値を用いなくてもよい。この場合には、例えば、蓄積部において、リンクごとに、最初に換算されたモデル車両の燃費を記憶してもよい。この場合には、代表燃費を計算する際、予め定められた個数のエントリを用いて平均を算出してもよい。エントリが予め定められた個数に満たない場合には、得られる個数で平均を算出してもよい。また、エントリが無い場合には、予め定められた数値を採用してもよい。
【0059】
また、図7の実施例では、比較的短い時間帯の平均を算出したが、道路の季節的な変動を反映するために、たとえば2ヶ月のエントリの平均値を採用してもよい。
【0060】
蓄積部205は、不要となったデータの記憶位置に新たなデータを上書きすれば、記憶容量を節約することができる。また、このようにモデル車両に換算した燃費を記憶することにより、個々の車両ごとや、車種ごとにデータを蓄積するよりも、データ管理が単純化され、例えば不要なデータは順次上書きすれば、蓄積部の記憶容量を飛躍的に減少させることができる。
【0061】
また、モデル車両の燃費に換算することにより、平均を算出する際にも、個々の車両ごとや、車種ごとに平均を取る場合に比して、母数を増加させることができ、安定した燃費の情報を得ることができる。
【0062】
図8に、一実施形態の方法に係るフローチャートを示す。開始(1)、及び開始(2)の二つの処理はマルチタスク処理により時分割で並行処理される。
【0063】
図8の開始(1)のフローについて以下説明する。
【0064】
まず、ステップ811において、センターサーバは、走行している車両から、車両を特定する識別情報、位置情報、燃費を含む情報を受け取る。なお、燃費は、車両の位置情報と燃料消費量を少なくとも2回受け取ることにより、車両の移動距離とその間の燃料消費量とから算出できる。
【0065】
そして、ステップ813において、車両の識別情報に基づいて、記憶部203に記憶された図6に示す換算表を用いて、モデル車両の燃費に換算する。
【0066】
ステップ815において、車両位置から割り出された道路リンク情報と関連付けて、換算されたモデル車両の燃費を蓄積部205に記憶する。記憶される例は、図7の表701に示されている。
【0067】
ステップ815において、リンクごとに、モデル車両の燃費を平均し代表燃費を算出し、記憶する。この例は、図7の表702に示されている。なお、代表燃費の算出の変形例については、既に図7において説明したとおりである。
【0068】
以上の処理をステップ811に戻って繰り返す。この繰り返しによって、モデル車両ごとの安定した代表燃費がセンターサーバに記憶される。
【0069】
図8の開始(2)のフローについて以下説明する。この処理は、開始(1)の処理で得られた代表燃費を利用する方法の処理フローである。
【0070】
ステップ821に示すように、えられた代表燃費をナビゲーションシステムに配信してもよい。なお、この配信においては、ナビゲーションシステムの車両識別情報に対応するモデル車両に係る代表燃費を図6に示した換算係数630を用いて、各車両のリンク毎の燃費として、配信してもよい。ナビゲーションシステムは、配信された代表燃費を用いて、スタンドアロンで経路探索を行い、探索された経路に対して代表燃費を用いることにより、複数の経路に対する燃料消費量を算出し得る。算出された燃料消費量のうち最小の燃料消費量に対応する経路をディスプレイ上に表示してもよい。
【0071】
ステップ823において、センターサーバは、ナビゲーションシステムから、車両識別情報、出発地、目的地の情報を受け付ける。
【0072】
ステップ825において、センターサーバは、出発地から目的地に至る1つ以上の経路を探索する。
【0073】
ステップ827において、代表燃費に基づいて、探索された経路の各々について燃料消費量を算出する。
【0074】
ステップ829において、燃料消費量が最小となる経路をナビゲーションシステムに提示する。なお、算出された燃料消費量を併せて提示してもよい。
【0075】
以上が、本実施例の方法における処理の流れである。
【0076】
なお、添付の請求項に係る本発明の方法及びプログラムの構成要素は、矛盾のない限り、順番を適宜入れ替えて実施してもよい。そして、順番を入れ替えた方法及びプログラムも、当然に請求項に係る本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0077】
なお、携帯端末、タブレットコンピュータ、ラップトップPCなどの、車両から分離され得る機器にナビゲーションシステムがインプリメントされる場合には、ナビゲーションシステムからは、燃料消費量等の計測不可能なデータは、センターサーバに送信されなくてもよい。この場合には、ナビゲーションシステムは、車両識別情報、現在地、目的地等をセンターサーバに送信することにより、センターサーバから、最短燃費の経路の情報等を受信してもよい。
【0078】
以上の複数の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取る受取部と、
受け取られた前記識別情報に対応する、前記記憶部に記憶された、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算する換算部と、
前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算された前記モデル移動体の燃費を蓄積する蓄積部と、
前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する代表燃費特定部と、
を有することを特徴とする装置。
(付記2)
前記代表燃費特定部は、前記代表燃費として前記モデル移動体の燃費の平均値を算出することを特徴とする、付記1に記載の装置。
(付記3)
前記代表燃費特定部は、予め定められた期間に蓄積された前記モデル移動体の燃費を対象とすることを特徴とする、付記1又は2に記載の装置。
(付記4)
前記代表燃費特定部は、前記道路特定情報ごとに予め定められた数のモデル移動体の燃費を対象とすることを特徴とする、付記1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
(付記5)
前記蓄積部は、前記モデル移動体の燃費が蓄積されるまでの間、予め定められたデフォルト値を蓄積しておくことを特徴とする、付記1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
(付記6)
複数のモデル移動体の各々がモデル移動体識別情報を持ち、前記モデル移動体識別情報は前記識別情報により特定され、
前記代表燃費特定部は、更に前記モデル移動体識別情報ごとに、代表燃費を特定することを特徴とする、付記1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
(付記7)
前記代表燃費を前記移動体に配信する配信部をさらに有することを特徴とする、付記1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
(付記8)
要求元の前記移動体に関する移動体識別情報、出発地、及び目的地を受け付ける受付部と、
前記出発地から前記目的地に至る1つ以上の経路を探索する経路探索部と、
前記要求元の前記移動体に関する前記移動体識別情報に対応する代表燃費に基づいて、前記1つ以上の経路の各々についての燃料消費量を算出する経路別燃料消費量算出部と、
前記1つ以上の経路についての燃料消費量が最小となる経路を含む情報を前記要求元の前記移動体にむけて出力する経路情報提示部と、
を有することを特徴とする付記1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
(付記9)
前記道路特定情報は、前記移動体の移動方向が上り方向か下り方向かの情報と、位置が定められた2つの地点の情報とを含む、リンク情報であることを特徴とする、付記1乃至9に記載の装置。
(付記10)
コンピュータによって実行される方法であって、
移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取り、
複数の前記移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶された記憶部の、受け取られた前記識別情報に対応する、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算し、
前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算された前記モデル移動体の燃費を蓄積し、
前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する、
ことを特徴とする方法。
(付記11)
前記代表燃費を特定する処理は、前記代表燃費として前記モデル移動体の燃費の平均値を算出することを特徴とする、付記10に記載の方法。
(付記12)
前記代表燃費を特定する処理は、予め定められた期間に蓄積された前記モデル移動体の燃費を対象とすることを特徴とする、付記10又は11に記載の方法。
(付記13)
前記代表燃費を特定する処理は、前記道路特定情報ごとに予め定められた数のモデル移動体の燃費を対象とすることを特徴とする、付記10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
(付記14)
前記蓄積する処理は、前記モデル移動体の燃費が蓄積されるまでの間、予め定められたデフォルト値を蓄積しておくことを特徴とする、付記10乃至13のいずれか一項に記載の方法。
(付記15)
複数のモデル移動体の各々がモデル移動体識別情報を持ち、前記モデル移動体識別情報は前記識別情報により特定され、
前記代表燃費を特定する処理は、更に前記モデル移動体識別情報ごとに、代表燃費を特定することを特徴とする、付記10乃至14のいずれか一項に記載の方法。
(付記16)
さらに、前記代表燃費を前記移動体に配信する、付記10乃至15のいずれか一項に記載の方法。
(付記17)
要求元の前記移動体に関する移動体識別情報、出発地、及び目的地を受け付け、
前記出発地から前記目的地に至る1つ以上の経路を探索し、
前記要求元の前記移動体識別情報に対応する代表燃費に基づいて、前記1つ以上の経路の各々についての燃料消費量を算出し、
前記1つ以上の経路についての燃料消費量が最小となる経路を含む情報を前記要求元の前記移動体に向けて出力する、
ことを特徴とする付記8乃至16のいずれか一項に記載の方法。
(付記18)
前記道路特定情報は、前記移動体の移動方向が上り方向か下り方向かの情報と、位置が定められた2つの地点の情報とを含む、リンク情報であることを特徴とする、付記10乃至17に記載の方法。
(付記19)
移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取り、
複数の前記移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶された記憶部の、受け取られた前記識別情報に対応する、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算し、
前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算した前記モデル移動体の燃費を蓄積し、
前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0079】
110 ネットワーク
130 センターサーバ
201 送受信部
203 記憶部
205 蓄積部
207 移動体燃費換算部
209 リンク特定部
210 代表燃費特定部
211 平均算出部
213 経路探索部
215 経路別燃料消費量算出部
217 経路情報提示部
220 入力部
230 出力部
247 インターフェース
249 バス
300 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取る受取部と、
受け取られた前記識別情報に対応する、前記記憶部に記憶された、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算する換算部と、
前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算された前記モデル移動体の燃費を蓄積する蓄積部と、
前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する代表燃費特定部と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記代表燃費特定部は、前記代表燃費として前記モデル移動体の燃費の平均値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記代表燃費特定部は、予め定められた期間に蓄積された前記モデル移動体の燃費を対象とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記代表燃費特定部は、前記道路特定情報ごとに予め定められた数のモデル移動体の燃費を対象とすることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記蓄積部は、前記モデル移動体の燃費が蓄積されるまでの間、予め定められたデフォルト値を蓄積しておくことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
複数のモデル移動体の各々がモデル移動体識別情報を持ち、前記モデル移動体識別情報は前記識別情報により特定され、
前記代表燃費特定部は、更に前記モデル移動体識別情報ごとに、代表燃費を特定することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記代表燃費を前記移動体に配信する配信部をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
要求元の前記移動体に関する移動体識別情報、出発地、及び目的地を受け付ける受付部と、
前記出発地から前記目的地に至る1つ以上の経路を探索する経路探索部と、
前記要求元の前記移動体に関する前記移動体識別情報に対応する代表燃費に基づいて、前記1つ以上の経路の各々についての燃料消費量を算出する経路別燃料消費量算出部と、
前記1つ以上の経路についての燃料消費量が最小となる経路を含む情報を前記要求元の前記移動体にむけて出力する経路情報提示部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
コンピュータによって実行される方法であって、
移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取り、
複数の前記移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶された記憶部の、受け取られた前記識別情報に対応する、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算し、
前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算された前記モデル移動体の燃費を蓄積し、
前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
移動体の識別情報、位置、及び燃費を含む情報を受け取り、
複数の前記移動体の各々と仮想的なモデル移動体との燃費の関係を、前記複数の移動体の各々を識別する識別情報に対応付けて記憶された記憶部の、受け取られた前記識別情報に対応する、前記燃費の関係を用いて、前記移動体の燃費を前記モデル移動体の燃費に換算し、
前記位置から特定される道路特定情報と関連付けて、1つ以上の換算した前記モデル移動体の燃費を蓄積し、
前記道路特定情報ごとに、1つ以上の前記モデル移動体の燃費から前記モデル移動体の燃費を代表する代表燃費を特定する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−208722(P2012−208722A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73675(P2011−73675)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】