説明

燐光体キャリア中に記憶された情報を読取る装置、及びX線カセット

燐光体キャリア (15) 中に記憶された情報を読取る装置 (10,60) 、及びこの燐光体キャリア (15) とこのような装置を有するX線カセット(70)が提唱される。この本発明の装置 (10,60) は、1本の第1放射線(16)を放出し得る1つの放射線源(11;20,... ,29;30,... ,39;50,53;61)を有する。この燐光体キャリア(15)が1本の第2放射線(17)を放出するように、この燐光体キャリア(15)は、この第1放射線(16)によって露光可能である。この第2放射線 (17) は、この燐光体キャリア(15)中に記憶された情報の像を内包する。さらに、この装置(10,60)は、受信手段(12,62)を有する。この受信手段(12,62)は、この燐光体キャリア (15) から放出された第2放射線(17)を点ごとに受信するための多数の点要素(PD1,... ,PDn)を有する。この場合、この燐光体キャリア(15)の1個の点の第2放射線が、これらの点要素(PD1,... ,PDn)の各々の点によって受信可能である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の燐光体キャリア中に記憶された情報を読取る装置、及びX線カセットに関する。
【0002】
特に医療目的のために、燐光体キャリア中に潜像として記憶される像が、X線によって被写体、例えば患者から得られる。燐光体キャリア中に記憶されたそのX線の像を読取るため、この燐光体キャリアは、1つの放射線源によって露光される。この燐光体キャリアは、この燐光体中に記憶されたX線で照射された像に対応した光度を呈する光をこの露光に基づいて放出する。この燐光体キャリアによって放射されたその光が検出手段によって受信されるので、その後にこの燐光体キャリア中に記憶されたX線照射された像が目視可能になり得る。このエックス線照射された像は、例えばモニタ上で直接表示され得る。しかし、X線照射された像をX線造画用に特別に作られた写真的なX線フィルム上に書込むことも可能である。
【0003】
燐光体キャリア中に記憶された情報を読取る装置が、ヨーロッパ特許公開第 0777 148 号公報から公知である。この公知の装置では、燐光体キャリアが、レーザービームで露光される。この場合、ただ1本のレーザービームだけが、非常に速く回転する多角形の1枚の鏡と多数の光学レンズとを介して燐光体キャリア方向に指向される。この特許明細書中に記載の装置は、いわゆる「走査装置」である。この走査装置では、多角形の鏡から反射したそのレーザービームが、この燐光体キャリアの線の全ての点を連続して露光する。このレーザービームによる露光に基づいてこの燐光体キャリアから放出された光が、1本のファイバ式放射線変換器(Faserquerschnittswandler)から1つの光電式センサに送られる。この光電式センサは、蓄積された光子を電気信号に変換する。
【0004】
この装置では、燐光体キャリアの点が、光を放出するために1個ずつでしか露光されない。燐光体キャリア中に記憶された全ての情報を許容可能な、すなわち可能な限り短期間に読取り得るため、この燐光体キャリアの個々の点が短時間しか露光されない。「走査 システムでは、1個の点に対する典型的な露光時間は約 6μs である。この露光時間が短いために、レーザから放たれたレーザー放射線の強度は非常に大きくなくてはならない。その結果、この燐光体キャリアの個々の点は、十分に強い放射線を放出できる。しかも、比較的僅かな記憶情報量しか読取られ得ない。そのため、記憶された情報を再生する場合に、実現可能な特性が制限される。
【0005】
燐光体を露光するレーザービームは、その空間的な分散とそのスペクトル分布に関して特定の諸条件を満たす必要がある。特に燐光体キャリアの幅全体を露光し得るため、このような「走査」システムは、燐光体キャリアの露光すべき線の幅の約1,5 〜 2倍の長さのレーザービーム案内部を必要とする。レーザービームの焦点合わせと光路は、非常に経費のかかりかつコスト集約的な光学要素のシステムを必要とする。しかも、これらの光学的な要素は非常に広い空間を必要とするので、このような「走査」システムの装置の寸法は、非常に大きい。
【0006】
本発明の課題は、燐光体キャリア中に記憶された情報を再生する場合に良好な特性を保証することにある。
【0007】
この課題は、請求項1又は請求項16の技術的な特徴によって解決される。
【0008】
本発明では、受信手段が多数の点要素を有し、かつ、燐光体キャリアの露光された複数の点から放出された第2放射線が点ごとにこれらの多数の点要素によって同時に受信され得るように、この受信手段は構成されている。燐光体キャリアの個々の点を露光して、これらの点が第2放射線を放出させるため、所定の最小エネルギーEが必要である。この最小エネルギーEは、放射線源出力(強度)、及びこの放射線源によって燐光体キャリアの露光すべき点上に放出された第1放射線の照射時間に依存する。燐光体キャリアの多数の点が同時に露光される場合は、燐光体キャリア中に記憶されている全ての情報を読取るための全体の持続時間を延長することなしに、燐光体キャリアの点ごとに第1放射線の比較的長い照射時間を保持することが可能である。すなわち、燐光体キャリア中に記憶された全ての情報を読取るための全体の時間を短縮することが可能である。燐光体板の各点への照射時間が長いために、その燐光体板のこれらの点を露光するときの走査速度が低く保持され得る。各点は、1本の強い第2放射線を放出する。この第2放射線は、受信手段によって検出され得る。
【0009】
燐光体キャリアから放射された第2放射線を長時間にわたって集光することが可能である。受信手段の各点要素が一定の自己雑音を有するので、これらの点要素の自己雑音に対するSN比が本発明に基づいて有益的に大きくできる。燐光体キャリアの点ごとの放射線源の第1放射線の照射時間がより長いためにこの放射線源によって生成すべき出力(強度)を低減することが可能であるにもかかわらず、燐光体キャリアの露光に対して必要なエネルギーEを生成することが可能である。
【0010】
本発明の好適な構成では、燐光体キャリアの1本の線に沿って配置されている多数の点、特に全ての点を同時に露光することが可能である。このことによって、燐光体キャリアの多数の点を同時に露光することが可能であるにもかかわらず、同時に放射線源と受信手段との構成に対する費用を比較的少なく維持することが可能である。それ故、放射線源と受信手段で必要な要素の数が限定され得る。そのため、装置の高いコンパクト性が保証され得る。
【0011】
多数の個別ビームが、本発明の放射線源によって効果的に生成され得る。これによって、燐光体キャリアの多数の点の同時の露光が、簡単でかつ効果的な方法で非常に精確に実施され得る。
【0012】
放射線源は、燐光体キャリアの多数の点を露光するための多数のレーザーダイオードを有益的に有する。燐光体キャリアのこれらの点を露光するのに十分に大きい放射出力を複数のレーザーダイオードによって発生させることができる。同時に、これらのレーザーダイオードは非常にコンパクトである。その結果、これらのレーザーダイオードを本発明の装置に使用すれば、規格落ちすることがほとんどない。
【0013】
本発明の特に好適な構成では、放射線源のレーザーダイオードの数が、受信手段の点要素の数に等しい。この場合、燐光体キャリアの露光すべき線の各点が同時に露光される。このとき、この放射線源は、レーザーダイオードアレイとして構成されている。そのため、レーザーダイオードのビームを拡散したり焦点合わせするためのその他の光学的な手段を省略することが有益的に可能である。放射線源と露光すべき燐光体キャリアとの間の間隔は、非常に狭く保持され得る。そのため、装置のコンパクト性の度合がさらに向上される。
【0014】
燐光体キャリアの多数の点をただ1本の固有ビームで露光できるようにするため、放射線源は光学系を有する。この固有ビームが、この光学系によって燐光体キャリアの1本の線の拡散方向に拡散され得る。そのため、多数の固有ビーム、特に2本の固有ビームが燐光体キャリアのそれぞれ露光すべき点のその少なくとも一部を重複して露光することが同様に有益的に可能である。放射線源によって生成すべき露光出力が、多数の固有ビームの強度のこの重ね合わせによって小さくできる。さらに、固有ビームの欠損時に対する読取りの信頼性が高まる。これらの固有ビームが1本の線の延在方向に沿って拡散するにもかかわらず、可能な限りこの線に限定して拡散させるため、放射線源内に設けられた光学系がこれらの固有ビームをこの線の延在方向に対して垂直方向に焦点を合わせるように、この光学系は有益的に構成されている。そのため、瞬時に走査すべきその線に隣接している線を不本意に露光することが確実に阻止される。
【0015】
1つの造画手段が、燐光体キャリアと受信手段との間に設けられ得る。燐光体キャリアの個々に露光された複数の点から放出された第2放射線が、この造画手段によってこの受信手段の個々の点要素上に投影され得る。この像は、1:1の縮尺で有益的に投影される。そのため、不要に大きな寸法の放射線変換器の使用が省略できる。そのため、燐光体キャリアと受信手段との間の間隔が非常に狭い。そのため、装置のコンパクト性の程度が著しく改善され得る。
【0016】
本発明のもう1つ別の特に好適な構成では、2つの放射線源が設けられている。1つの受信手段が、これらの放射線源にそれぞれ割当てられている。この場合、表面と裏面を有する燐光体板としてある燐光体キャリアがその両面で読取り可能であるように、これらの両放射線源及びそれに付随する受信手段が配置されている。そのため、その燐光体キャリアから放出すべき第2放射線の量がさらに高まり得る。これによって、燐光体板から読取られた情報の再生特性が改善する。
【0017】
燐光体キャリア中に記憶された情報を読取る装置が、本発明により、このような燐光体キャリアを有するX線カセット内に直接装着される。それ故、燐光体キャリア中に記憶されたX線情報が、本発明の装置によって直接読取られ制御装置に送られてさらに処理され得る。このようなX線カセットは、X線装置内に動かないように有益的に内蔵され得る。そのため、このX線カセットをその記憶された情報を読取る特殊な装置内に差込んで燐光体キャリア中に記憶された情報を読取るために、操作者がこのX線カセットをこのX線装置から取出す必要はもはやない。このことによって、操作の利便性が著しく改善される。
【0018】
本発明のX線カセットの好適な構成では、燐光体キャリアが燐光体板として構成されている。この燐光体板は、表面と裏面を有する。これらの面は、互いに異なる層を有する。これらの異なる両層は、異なる受信感度を呈する。例えば、骨格が、この燐光体板の一方の面の層によって良好に表示され得、そして、例えば、軟部が、この燐光体板の他方の面の層によって良好に表示され得る。操作者は、本発明のX線カセットのこの構成に基づいて2つの受信感度の間で選出する。これによって、本発明の装置の融通性と性能がさらに高まり得る。
【0019】
本発明のその他の好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0020】
以下に、本発明とその効果を実施の形態と図面に基づいて説明する。
【0021】
以下では、これらの異なる実施の形態の同一の作用をする同一の全ての要素に対して同一の参照符号を使用する。
【0022】
図1は、燐光体キャリア中に記憶された情報を読取るための本発明の装置の第1の実施の形態を示す。読取ヘッド10が、像情報を燐光体板15から読取るために使用される。この像情報は、X線照射によってこの燐光体板15中に生成されてある。この読取ヘッド10は、1つの放射線源を有する。ここでは、この放射線源は、レーザーダイオードアレイ11として構成されている。このレーザーダイオードアレイ11は、この燐光体板15に向かって垂直に指向されている。その結果、個々のレーザーダイオードから放出された放射線が、この燐光体板へ直接命中する。このレーザーダイオードアレイ11は、隣合って配置された多数のレーザーダイオードを有する。これらのレーザーダイオードは、この実施の形態においては情報が記憶され得るこの長方形の燐光体板の幅全体を露光する。ここでは、このレーザーダイオードアレイは、1本の線に沿って相並んで平行に配置された4096個のレーザーダイオードを有する。
【0023】
さらに、読取ヘッド10は、受信手段を有する。この受信手段は、この実施の形態においては「電荷結合素子」(CCD)アレイ12として構成されている。このCCDアレイ12は、1本の線に沿って相並んで平行に配置された多数の光センサを有する。受信する光放射線が、これらの光センサによって光電変換され得る。これらの光センサは、この受信手段の点要素である。各光センサは、燐光体板の露光された複数の点の1つから放出された1本の光放射線を受信できる。それ故、この実施の形態では、124096個の個別の光センサがこのCCDアレイ中に設けられている。
【0024】
いわゆるオートフォーカス(自動焦点合わせ)レンズを有する造画手段が、燐光体板15とCCDアレイ12との間に設けられている。本発明に関しては必要ないものの、オートフォーカスレンズが、この燐光体板15の線(Zeile) の露光可能な各点に対して設けられ得る。このオートフォーカスレンズは、主に中心に対する屈折率において或る傾斜度を有するガラス繊維である。このオートフォーカスレンズは、全反射に基づいて広範囲にわたって損失のない光をビーム化して再出力できる。各オートフォーカスレンズは、このオートフォーカスレンズの入力部での光の入射角が、出力部での光の出射角に等しいことを保証する。したがって、このようなオートフォーカスレンズの1 次元又は2次元配置の一方によれば、この配置に割当てられた像領域が、1つの像領域上に精確に1:1で投影され得る。燐光体板15の露光された複数の点の1つから放出された光が、このようなオートフォーカスレンズの適切な配置によって簡単にかつ精確にCCDアレイ12に割当てられた光センサ上に投影可能である。このオートフォーカスレンズの代わりに、マイクロレンズアレイを使用してもよい。
【0025】
CCDアレイ12は、その出力部でデータ処理装置13に接続されている。このデータ処理装置13は、このCCDアレイ12によって生成された燐光体板15中に記憶された像情報の複製を有する電気信号を評価して再生し、さらに放射線源11、特に燐光体板15の線ごとの読取りに対するこの放射線源11の送りを制御するという働きをする。このCCDアレイ12によって生成された電気信号は、アナログ・デジタル変換器のデータ処理装置13中に入力される。次いで、こうして受取られたデジタル式の像データが、デジタル信号プロセッサによって予めこのデータ処理装置13中に記憶されたアルゴリズムを用いて処理され得る。特に、補正値がこのデジタル信号プロセッサによって算出されて、像情報の個々のデジタル像データが補正処理され得る。これによって、燐光体板中に記憶された像情報を再生した際にその補正がなされなければ誤りやひずみをもたらす本発明の読取ヘッド10と燐光体板15の個々の要素の短期間と長期間の変動が、考慮され得る。このような短期間の変化と長期間の変化は、例えば使用したレーザーダイオードの温度変動と老化現象に起因して発生する出力変動でありうる。しかし、燐光体板15から放出された光放射線を劣化させる燐光体板15の不均一性も存在しうる。データ処理装置13によって実行される補正を、較正すべき誤りの種類に応じて読取り工程前か又は長時間の間に実行することが可能である。
【0026】
燐光体板15の多数の点、特に燐光体板15の複数の線の1本の全ての点が本発明にしたがって露光されるために、燐光体板15の点当たりの最初の放射の照射時間を約1ms にすることが可能である。このとき、レーザーダイオードが生成すべき出力は、約1mW である。
【0027】
燐光体板15の線の長さとその線の露光可能な複数の点の大きさは、燐光体板15の個々の点の断面及び個々の光センサの受光面の大きさによって決定される。
【0028】
燐光体板15の線の複数の点を露光するレーザーダイオード11は、その動作中に第1放射線16を放出する。このレーザーダイオード11は 4096 個のレーザーダイオードから構成されているために、この第1放射線16は、個々のレーザーダイオードの 4096 本の放射線から形成される。それ故、燐光体板15の1本の線に沿ってある 4096 個の個々の点が、これらの 4096 本のレーザービームによって放射のために露光され得る。レーザーダイオードアレイ11の中心間隔は、約 80 μm である。レーザーダイオードアレイ11と燐光体板15との間の間隔が非常に狭い(好ましくは、< 0,5mm)ので、レーザーダイオードビームを焦点合わせする光学系は必要ない。燐光体板15の隣合った複数の点の大部分が同時に露光されないように、個々のレーザーダイオードビームの拡散は非常に小さい。それ故、レーザーダイオードアレイ11の2個のレーザーダイオードの中心間隔は、燐光体板15上の露光された2つの点の間隔にほぼ等しい。
【0029】
第1放射線16によって露光された燐光体板15の点は、第2放射線17を放出する。この第2放射線は、オートフォーカスレンズアレイ14のオートフォーカスレンズからCCDアレイ12の個々の光センサへ投影される。公知の方法で、このCCDアレイ12は、燐光体板15から放たれて受信した光を光電変換し、その生成されたこの燐光体板15中に記憶された像情報の複製を有する電気信号をその評価のためにデータ処理装置13に転送する。
【0030】
燐光体板15の複数の線の1本の線の全ての点を露光することによって、帯域幅Bが狭まり、ひいては雑音電力Pが小さくなる。この雑音電力Pは、以下の方程式にしたがってこの帯域幅Bに比例する: P=4*k*T*B, この場合、T=絶対温度,k=ボルツマン定数。
【0031】
図2は、第1の実施の形態による本発明の読取ヘッド10の別の図である。この図2は、本発明の読取ヘッドと燐光体板15の平面図である。この読取ヘッド10は、断面図で示されている。この読取ヘッド10は、情報が記憶され得る燐光体板15の幅全体を覆う。この図2は、相並んで平行に配置された複数のレーザーダイオードLD1〜LDnを有するレーザーダイオードアレイ11を概略的に示す。同様に、相並んで平行に配置された複数の光センサPD1〜PDnを有するCCDアレイ12が形成されている。この実施の形態では、このレーザーダイオードアレイ11は、4096個のレーザーダイオードを有する。そして、このCCDアレイ12は、4096個の個別の光センサを有する。その結果、n= 4096 である。この読取ヘッド10は、送り方向Aに沿って往復運動可能である。こうして、燐光体板15の複数の線が走査されて、この燐光体板15の異なる線に記憶された像情報が読取られ得る。読取ヘッド10の代わりに燐光体板を送り方向Aに沿って往復運動可能に構成することも可能である。
【0032】
図3は、区分が露光するレーザーダイオードビームとCCDアレイ12の光センサの受光面の大きさによって予め決定されるような、複数の線とこれらの線の点による燐光体板15のこの区分の概略図の一例を示す。線幅AZは、読取ヘッド10の送り方向Aに沿ったこの燐光体板15の1本の線の幅を示す。この線幅AZは、ここでは露光するレーザーダイオードビームの断面によって決定される。これらの線の線幅AZは、ここでは約20μm である。この線幅AZは、同時にその線の複数の点の1個の点の長さを決定する。点幅APは、線方向Bに沿った線の1個の点の幅を示す。この点幅APは、ここではCCDアレイ12の光線さの受光面によって決定される。この点幅APは、ここでは約 80 μm である。
【0033】
この図3では、連続する4本の線Z80,Z81,Z82,Z83が、燐光体板15の線の代表として表示されている。第1の線Z80は、3個の点91,92,93その他の点を有する。第2の線Z81は、3個の点101,102,103その他の点を有する。第3の線Z82は、3個の点111,112,113その他の点を有する。そして、第4の線Z83は、3個の点121,122,1123その他の点を有する。これらの線の複数の点は、重なり合って配置されているので、異なる列P500、P501,P502が、複数の点によって生成する。これらの列は、異なる全ての線に割当てられている。図3の例では、点91,101,111が第1の列P500内に含まれ、点92,102,112,122が第2の列P501内に含まれ、そして点93,103,113,123が第3の列P502内に含まれる。これらの列のうちの1つの列に沿って重なり合って配置されていてかつそれぞれ異なる線に属されるこれらの点は、ここではこれらの異なる列の同一の点として表示される。
【0034】
SN比を改善するため、1つの列内に存在する多数の隣合った線の多数の点からその露光後に放出された第2放射線の強度が、データ処理装置13によって集光される、すなわち一点に収束され得る。次いで、その平均値が、これらの集光された強度から算定される。このとき、この平均値は、こうして一点に収束されたこの列のこれらの点の再生を決定する。この実施の形態では、異なる列内に重なり合って存在する4本の線Z80,Z81,Z82のこれらの点が、それぞれ一点に収束される。このことは、受信した第1の列P500の点91,101,111,121,受信した第2の列P501の点92,102,112,122,受信した第3の列P502の点93,103,113,123等が、一点に収束され、次いで平均値が算定されることを意味する。それ故、このようにして、それぞれ20μm の幅の4本の線のこれらの点が、「大きな」1つの点に収束される。このとき、この「大きな」点の送り方向Aに沿った長さは、約80μm である。この場合、その記憶された像情報を再生する際の分解能が低下する点が欠点として避けることができない。その一方で、例えば燐光体板の書込み時のX線雑音,燐光体板の読取り時の光子雑音又は燐光体板の雑音のような雑音源の影響が低減され得る。
【0035】
燐光体板15の幅全体にわたって延在しているレーザーダイオードアレイの代わりに、燐光体板15の1本の線の一部しか露光して照射しない複数のレーザーダイオードを有する放射線源を使用することが同様に可能である。このとき、燐光体板15の全ての線に記憶された像情報を読取るため、この放射線源をその線の延在方向Bに沿って移動させることが確かに必要である。
【0036】
図4は、本発明の装置の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態は、ここでは多数のレーザーダイオード20〜29を有する。これらのレーザーダイオード20〜29のレーザーダイオードビームS0〜S9は、複数のシュミット系30〜39を経由して燐光体板15上に投影される。この場合、これらのシュミット系の1つが、これらのレーザーダイオードの1つにそれぞれ割当てられている。これらのシュミット系は、例えばシリンドリカルレンズを用いて簡単に実現され得る。この実施の形態では、各レーザーダイオード20〜29が、この燐光体板の多数の点を露光するために使用される。さらに、これらのそれぞれのレーザーダイオード20〜29に割当てられたこれらのシュミット系30〜39は、これらのそれぞれのダイオードビームS1〜S9を露光すべき線の延在方向Bに沿って拡大させる。この図4は、これらの拡大されたレーザーダイオードビームS0〜S9によって露光された1本の線40を示す。さらに、この図4は、全てのレーザーダイオード20〜29の放射線電磁界を代表して第1放射線電磁界41を示す。この第1放射線電磁界41は、第1のレーザーダイオード20に割当てられたシュミット系30によってこの第1のレーザーダイオード20から形成される。さらに、このシュミット系30は、この第1のレーザーダイオード20のレーザーダイオードビームS0をこの線40の延在方向Bに沿って拡大させる。それ故、この第1放射線電磁界41の範囲は、この線40上を第1の点Wから第3の点Yまで延在している。このシュミット系30によって拡大されたレーザーダイオード20のレーザーダイオードビームS0は、このシュミット系30によって同様に方向Aに沿って焦点合わせされる。この方向Aは、この線の延在方向Bに対して垂直に延在し、かつ燐光体板15を走査する本発明の読取ヘッドの送り方向に一致する。それ故、露光すべきこの線上の複数の点だけが、この第1放射線電磁界41によって露光されて照射される。これらの点は、この第1の点Wと第3の点Yとの間に存在する。
【0037】
同様に、図4は、第2放射線電磁界42を代表して示す。この第2放射線電磁界は、別のレーザーダイオード21から生成された別のレーザーダイオードビームS1を評価して焦点合わせすることによって第2シュミット系31から形成される。同様に、この別のレーザーダイオードビームS1は、線40の延在方向Bに沿って拡大し、読取ヘッドの送り方向Aに沿って焦点合わせされる。それ故、この第2放射線電磁界42は、この線40の第2の点Xと第4の点Zとの間に存在する複数の点を露光する。この場合、この第2の点Xは、第1の点Wと第3の点Yの中心に精確に存在する。
【0038】
オーバーレイ領域43が、この装置によって形成される。第1放射線電磁界と第2放射線電磁界が、このオーバーレイ領域43内で重なる。それ故、このオーバーレイ領域43の強度は、この第1と第2の放射線電磁界41,42の個々の強度の2倍の大きさである。これらの個々のレーザーダイオード20〜29とその内部に敷設されたシュミット系30〜39との規則的な配置によって、線40の露光すべき各点が、2つのレーザーダイオードの拡大されて焦点合わせされたレーザーダイオードビームによって露光されることが保証される。こうして、この放射線源の機能の信頼性を上げることが有益的に可能である。何故なら、これらのレーザーダイオード20〜29の1つが故障しても、露光すべきこの線40の全ての点の露光が保証されるからである。これらのダイオード20〜29の1つが故障した場合、確かにこの故障は検出され得るものの、露光放射線の強度がその都度故障した領域内で小さくなる。この場合、受信手段によって検出された光を電気信号に変換した後のそのデジタル式の像データを処理するデータ処理装置が、その故障によって不正確になったデジタル式の像データを較正できる。
【0039】
この図4の実施の形態の代わりに、2本以上のレーザーダイオードビームを露光すべき線のそれぞれの点上で重ねることも可能である。これによって、故障の信頼性がさらに上がり得る。しかも、放射線源のレーザーダイオードの数が変更できる。この数は、この実施の形態で説明したレーザーダイオードの数10個に限定されない。
【0040】
図5は、本発明の装置の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態では、放射線源がハロゲンランプ50の形態をした熱的な光源を有する。確かに、光が自然放出するガス放電ランプやその他の光源を使用することが同様に可能である。このハロゲンランプ50の光は、燐光体板15を露光するために使用する波長領域を適切に合わせるフィルタ51を通過して放射線変換器53内へ入射される。この目的のために、1枚の薄いガラス繊維が、倉庫形状にくるまれて、その一方の端部53で円く束ねられている。この放射線変換器53の他方の端部55の出射面が、有益的に適切な光学系によって燐光体板15の露光すべき線上の造画面方向に示されるか又はこの露光すべき線の上方で近接して配置される。
【0041】
シャッタ52が、放射線変換器53の入射部とフィルタ51との間に設けられている。この放射線変換器53への光の入射時間が、このシャッタによって速くかつ直接に制御され得る。
【0042】
ハロゲンランプ50を使用するために、高い光出力が有益的に得られる。しかも、このハロゲンランプ50は、予めX線で書込まれた燐光体板15を消去するために同様に使用され得る。
【0043】
例えば第3の実施の形態のハロゲンランプのような熱的な光源を使用したり、又は第1と第2の実施の形態のレーザーダイオードを使用する代わりに、同様にワイヤランプ(Drahtlampe)が放射線源として使用され得る。この放射線源の線は、ビーム放射源として使用される。このワイヤの放射面が、適切にスペクトルを選択することによってさらなる光学的な変換なしに平坦な燐光体板に投影され得る。そのため、非常にコンパクトな構造が実現され得る。確かに、このワイヤランプは、その放射特性に関して露光すべき複数の点を有する燐光体板の領域の準位幅,長さ及び均一性に関する要求に適合される必要がある。
【0044】
一方で、十分に強い放射強度が得られるならば、いわゆる発光ダイオード(LED)が放射線源として使用することが同様に可能である。同様に、LEDは、アレイ状にして有益的に使用され得る。
【0045】
図6は、本発明の装置の第4の実施の形態を示す。この実施の形態では、燐光体板15が、その表面65上に第1の層を有する。この第1の層は、この燐光体板15の裏面66上に被覆されている第2の層と区別される。この燐光体板15の表面65と裏面66のこれらの層は、互いに異なる受信感度を呈する。そのため、例えば骨格や軟部のような互いに著しく異なるコントラスト差を呈するX線照射された被写体が、非常に良好な特性を有する均一な燐光体板で再生され得る。
【0046】
図6による本発明の装置は、燐光体板15を読取るために2つの読取ヘッド10,60を有する。これらの両読取ヘッド10,60は、図1,2による第1の実施の形態に基づいて既に冒頭で説明した読取ヘッド10とその構造で一致する。それ故、これらの読取ヘッド10,60双方は、それぞれ燐光体板15の複数の点を露光するための1本のレーザーダイオードアレイを有する。さらに、これらの読取ヘッド10,60は、それぞれ燐光体板15の露光された複数の点から放たれた放射線を受信するためのCCDアレイ12,62を有する。この放射線は、オートフォーカスレンズアレイ14,64によってそれに付随するこれらのCCDアレイ12,62上に投影される。燐光体板15中に記憶された像情報の画像を有する、これらの両CCDアレイ12,62によって生成された信号が、1台の共通のデータ処理装置63に送られる。このデータ処理装置63は、これらの両読取ヘッド10,60の操作モードを制御する。このデータ処理装置63は、例えば、燐光体板15中に存在する像情報をこれらの両読取ヘッド10,60の一方で読取るのか又はこれらの読取ヘッド10,60の双方同時で読取るのかをプリセットする。これらの両CCDアレイ12,62から伝えられた電気信号は、このデータ処理装置63中で単一の像に合成される。この場合、その双方の信号が別々に処理される。
【0047】
読取られた像情報の再生が、燐光体板15の実現可能な両面読取りによって改善される。燐光体板中に記憶された多数の情報が読取られるので、このことは、特に有益である。この場合、有益的に、露光放射線が両面を被覆したこの燐光体板15に向かって差込む際に発生するそれらの露光放射線の散乱が、この燐光体板15の面の一方に面して装着されているただ1つの読取ヘッドに比べて極めて少なく抑制され得る。そして、像情報が、その両面が被覆された燐光体板から読取られる。そのため、散乱放射に起因するその読取られた像情報の伝送精度の低下が大幅に抑えられ得る。
【0048】
これらの両レーザーダイオードアレイ11,61の代わりに、燐光体板15の個々の点を露光する先に説明した別の放射線源も使用し得る。
【0049】
図7は、本発明のX線カセットの実施の形態を示す。このX線カセット70は、燐光体キャリア中に記憶された情報を読取る本発明の装置を有する。この本発明の装置とは、この実施の形態にあっては読取ヘッド10である。この読取ヘッド10は、図1,2の第1の実施の形態に基づいて既に先に説明してある。さらに、本発明のX線カセット70は、燐光体板15を有する。情報が、この燐光体板15中に記憶され得る。この情報は、この読取ヘッド10によって読取られる。案内ロッド71,72が、この燐光体板15のその長手方向の側面に沿って装着されている。これらの案内ロッド71,72は、この読取ヘッド10を稼動させて送る働きをする。この読取ヘッド10は、リニアモータ73によって有益的に稼動され得る。その結果、この読取ヘッド10は、その送り方向Aに沿って線ごとにこの燐光体板15上を移動され得る。このリニアモータの駆動を精確に制御するため、制御装置75が、このX線カセット内に設けられている。これらの両案内ロッド71,72は、ここではこのリニアモータ73用の反動部材として機能する。この読取ヘッド10の稼動用にリニアモータ73を使用するために、既存の電動機から回転軸で読取ヘッド10へ力を伝える経費のかかる精度の悪い伝達機構を使用しないで済む。
【0050】
1本の消去ランプ74が、読取ヘッド10の背後に沿って装着されている。燐光体板15中に記憶された像情報を消去するため、この消去ランプ74は、リニアモータ73によってこの燐光体板15上を同様に移動され得る。好ましくは、この読取ヘッド10と消去ランプ74は、同一のリニアモータ73によってこの燐光体板15上を移動される。
【0051】
このような本発明のX線カセットは、X線台内に直接差込まれ得る。その結果、このX線カセット中に記憶された像情報を読取るためにこのX線カセットを取出す必要がない。このX線カセット70はインタフェースを有する。この読取ヘッド10によって生成されたデジタルデータが、このインタフェースを介してモニタ上に又は印刷機で再生され得る。
【0052】
このX線カセットは、燐光体キャリア中に記憶された情報を読取る装置の本発明の構成に基づいて非常に小さく製作され得る。このX線カセットの幅を約45mmに制限することが可能である。その結果、このX線カセットは、既に稼動中にある既存のX線装置にも差込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 読取ヘッドの形をした燐光体キャリア中に記憶された情報を読取るための本発明の装置の第1の実施の形態を示す。
【図2】 本発明の読取ヘッドの第1の実施の形態のその他の図である。
【図3】 燐光体板の区分を複数の線と点で概略的に示した一例を示す。
【図4】 本発明の装置の第2の実施の形態を示す。
【図5】 本発明の装置の第3の実施の形態を示す。
【図6】 2つの読取ヘッドを有する本発明の装置の第4の実施の形態を示す。
【図7】 本発明のX線カセットの実施の形態を示す。
【符号の説明】
10,60 装置(読取ヘッド)
11,61 放射線源(レーザーダイオードアレイ)
12,62 受信手段(CCDアレイ)
13,63 情報処理装置14,64 造画手段(オートフォーカスレンズアレイ)
15 燐光体キャリア(燐光体板)
16 第1放射線17 第2放射線20〜29 放射線源(レーザーダイオード)
30〜39 放射線源(シュミット系)
40 線41 第1放射線電磁界42 第2放射線電磁界43 オーバーレイ領域50 放射線源(ハロゲンランプ)
51 フィルタ52 シャッタ53 放射線変換器54 端部55 端部65 表面66 裏面70 X線カセット71,72 案内ロッド73 リニア駆動部(リニアモータ)
74 消去ランプ75 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項01】 燐光体キャリア(15)が記憶された像情報の少なくとも一部を内包する1本の第2放射線(17)を放出するように、この燐光体キャリア(15)が第1放射線(16)によって露光可能であるこの第1放射線(16)を放出する1つの放射線源(11;20,... ,29,30,... 39;50,53;61)と、燐光体キャリア(15) によって放出された第2放射線(17) を点ごとに受信する受信手段(12,62)とを有する、この燐光体キャリア( 15) 中に記憶された情報を線ごとに読取る装置において、この受信手段(12,62)は、多数の点要素(PD1,... ,PDn)を有し、これらの多数の点要素(PD1,... ,PDn)によってこの燐光体キャリア(15)から放出されたこの第2放射線(17)を同時に受信することを特徴とする装置。
【請求項02】 燐光体キャリア(15)の1本の線(40)に沿って配置された多数の、特に全ての点が、同時に露光可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項03】 受信手段(12,62)は、光検出アレイ、特に電荷結合素子(CCD)アレイであることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項04】 放射線源(11;20,... ,29,30,... 39;50,53;61)は、多数の個別ビーム(S0,... ,S9)が生成可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項05】 放射線源は、多数のレーザーダイオード(11;LD1,... ,LDn;20,... ,29;61)を有し、それに等しい数の固有ビーム(S0,... ,S9)をこれらのレーザーダイオード(11;LD1,... ,LDn;20,... ,29;61)によって生成可能であることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項06】 放射線源(11,61)のレーザーダイオード(LD1,... ,LDn)の数が、受信手段(12,62)の点要素(PD1,... ,PDn)の数に等しく、これらの個々のレーザーダイオード(LD1,... ,LDn)及びこれらの個々の点要素(PD1,... ,PDn)は、それぞれ1本の線に沿って相並んで配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項07】 放射線源は、光を自然放出する光源(50)、特にハロゲンランプ又はガス放電ランプ、及びファイバ式放射線変換器(53)を有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項08】 放射線源は、燐光体キャリア(15)の1本の線の延在方向(B)に沿って多数の固有ビーム(S0,... ,S9)を拡散させるための光学系(30,... ,39)を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項09】 光学系(30,... ,39)は、固有ビーム(S0,... ,S9)が線(40)の延在方向(B)に対して垂直方向(A)に焦点合わせ可能であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】 放射線源は、ビームを放出する面としての1本のワイヤを有する1本のワイヤランプを有し、このワイヤが受信手段の複数の点要素の数に合わせた長さを有し、その結果、ワイヤランプで露光可能な燐光体キャリアの複数の点から放射可能である第2放射線が、この受信手段(12,62)によって点ごとに受信可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】 造画手段(14,64)が、燐光体キャリア(15) と受信手段(12,62)との間に配置されていて、この燐光体キャリア(15) の個々の点から放射された第2放射線(17)が、この造画手段(14,64)によって個々の点要素(PD1,... ,PDn)上で1:1に投影可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】 装置は、2つの放射線源(11,61) と2つの受信手段(12,62)を有し、表面(65)と裏面(66)を有する燐光体板(15)として構成されている燐光体キャリア中に記憶された情報が、この燐光体板のこの表面上と裏面上で読取り可能であるように、これらの放射線源(11,61) と受信手段(12,62)は配置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】 装置は、受信手段(12,62)が受信した第2放射線( 17) を点ごとに評価する評価手段(13,63)を有し、この場合、読取られた多数の隣合った複数の線(Z80,... ,Z83)の複数の点(91,101,111,121;92,102,112,122;93,103,113,123)から点ごとに受信したこの第2放射線(17)の強度が一点に収束可能であり、かつそれらの強度の平均値が算出可能であるように、この評価手段(13,63)は構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】 X線カセット(70)内に存在する燐光体キャリア(15)に書込むためのこのX線カセット(70)が、この燐光体キャリア(15) 中に記憶された情報を読取る請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置(10,60)を有するX線カセット。
【請求項15】 燐光体キャリアが燐光体板(15)として構成されていて、この燐光体板(15) は、表面(65)と裏面(66)を有し、この場合、この表面が、この裏面と異なる1枚の層を有することを特徴とする請求項16に記載のX線カセット。
【請求項16】 X線カセットは、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置(10,60) を燐光体キャリア(15) 上で移動させるためのリニア駆動部(73)、特に電動式のリニアモータを有することを特徴とする請求項16又は17に記載のX線カセット。
【請求項17】 X線カセットは、燐光体キャリア(15)中に記憶された情報を消去する消去手段(74)を有することを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載のX線カセット。
【請求項18】 消去手段(74) は、この消去手段(74)がリニア駆動部(73)によって燐光体キャリア(15)上を移動可能であるように配置されていることを特徴とする請求項18又は19に記載のX線カセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2001−525549(P2001−525549A)
【公表日】平成13年12月11日(2001.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−523567(P2000−523567)
【出願日】平成10年11月24日(1998.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP98/07570
【国際公開番号】WO99/28765
【国際公開日】平成11年6月10日(1999.6.10)
【出願人】
【氏名又は名称】アグファ−ゲーベルト・アクチエンゲゼルシヤフト
【Fターム(参考)】