説明

燐光体変換光源

【課題】発光ダイオード間の経年変化による出力特性の変化を低コストの構成で低減する。
【解決手段】第1及び第2の燐光体変換コンポーネント光源を有する光源が開示される。第1のコンポーネント光源は、第1の波長の光を放射する第1のLED(51)と、第1の波長の光を第1の出力波長の光に変換する第1の発光変換材料層を備え、第2のコンポーネント光源は、第2の波長の光を放射する第2のLED(52)と、第2の波長の光を、第1の出力波長とは異なる第2の出力波長の光に変換する第2の発光変換材料層を備える。第1のLED(51)と第2のLED(52)は同じ材料系で作製され、好ましくは、製造ライン上の同じバッチのウェーハで作製される。コントローラ(86)は、第1及び第2のLED(51,52)の各々に流れる電流を生成して、所定の色として認識される光源(50)生成光を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発光ダイオード(LED)は、白熱灯や蛍光光源などの従来の光源の代わりとなる魅力的な光源の候補である。LEDは、より高い電気−光変換効率を有し、白熱灯よりも寿命が長く、また、蛍光光源に関連する高い動作電圧を必要としない。さらに、LEDの光変換効率はますます高くなり、蛍光光源よりも高い変換効率を有するようになるであろう。
【0002】
残念ながら、LEDは比較的狭いスペクトル帯の光を生成する。したがって、所望の色を有する光源を生成するために、典型的には、複数のLEDを有する複合光源が利用される。たとえば、特定の色に合致するものとして認識されるある放射を行うLEDベースの光源を、赤、緑、青の光を放射するLEDからの光を組み合わせることによって構成することができる。種々の色の強度(輝度)の比により、人間により認識される光の色が設定される。
【0003】
残念ながら、個々のLEDの出力は、温度、駆動電流、及び時の経過とともに変化する。さらに、LEDの特性は、製造プロセスにおける製造ロット毎に異なり、また、異なる色のLED間でも異なる。したがって、ある条件の組の下で所望の色を生成する光源は、条件が変化したとき、または、デバイスが経年変化すると色ずれを呈するようになる。これらの色ずれを回避するために、なんらかの形態のフィードバックシステムを光源に組み込んで、光源に使用されているコンポーネントのLEDが変動性を有しているにもかかわらず、出力スペクトルを設計値に維持するように、個々のLEDの駆動条件を変化させる必要がある。従来技術によるあるフィードバックシステムでは、各LEDの出力をモニタするためにフォトダイオード設けて、フォトダイオードの出力がプリセット値に維持されるようにそのLEDを流れる電流を調整している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなフィードバックシステムを設けることは光源のコストを高くすることになる。もし、各色についてLEDが1つだけの場合には、光が、特定のLEDによって生成された光に対するそれぞれのフォトダイオードに入力するのを制限するために各LEDを覆う色フィルタを使用することができる。残念ながら、多くの光源は、十分に明るい光源を実現するために各色について複数のLEDを必要とする。各フォトダイオードが1つのLEDからの光を測定すれば済むようにモニタ用フォトダイオードを配置することは設計を複雑にし、かつ、コストをさらに高めることになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1及び第2のコンポーネント光源を有する光源を備える。第1のコンポーネント光源は、第1の波長で光を放射する第1のLEDと、第1の波長の光を第1の出力波長の光に変換する第1の発光変換層とを備える。第2のコンポーネント光源は、第1の波長で光を放射する第2のLEDと、第2の波長の光を第2の出力波長の光に変換する第2の発光変換層とを備える。ここで、第1の出力波長は第2の出力波長とは異なる。第1及び第2のLEDは同じ材料系で構成される。コントローラは第1及び第2のLEDのそれぞれを流れる電流を生成するが、この電流によって所定の色として認識される光源生成光が生じる。1実施形態では、第1及び第2の発光変換層は、有機リン(燐)光体(以下、燐光体とは、燐光体、発光体、蛍光体のいずれかであり、またはそれらの任意のいくつかを含むものとする。燐光体層についても同様)からなる可溶性の燐光体から構成される。1実施形態では、第1及び第2のLEDは製造ライン上の同じロット(バッチ)のウェーハ(好ましくは、同じウェーハ)から作製される。1実施形態では、光源は、第1及び第2のLEDによって生成された光の強度(または輝度)を測定する光検出器(フォトデテクタ)を備える。コントローラは第1及び第2のLEDを流れる電流を調整して測定された輝度を所定の値に維持する。1実施形態では、光源はまた第3及び第4のコンポーネント光源を備える。第3のコンポーネント光源は、第3の波長で光を放射する第3のLEDと、第3の波長の光を第3の出力波長の光に変換する第3の発光変換層とを備える。第4のコンポーネント光源は、第4の波長の光を放射する第4のLEDと、第3の波長の光を第4の出力波長の光に変換する第4の発光変換層とを備える。第3の出力波長は第4の出力波長とは異なる。第3及び第4のLEDは第1及び第2のLEDと同じ材料系から構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】個々のLEDのデューティファクタ(または衝撃係数)を制御して正確な出力色を生成するためにフィードバックシステムを利用する従来技術によるLED光源のブロック図である。
【図2】本発明の1実施形態による光源50を示す。
【図3】本発明の1実施形態による光源70を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明がどのようにその利点をもたらすかについては図1を参照するとより容易に理解することができる。図1は、個々のLEDのデューティファクタ(または衝撃係数)を制御して正確な出力色を生成するためにフィードバックシステムを利用する従来技術によるLED光源のブロック図である。光源10は、赤、緑、青のLED11を利用して所望(または任意)の色の光を生成する。LEDは、各LEDが「オン」のときに各LEDを流れる電流を設定するドライバ12によって駆動される。「オン」状態では、各LEDは、光源10によって生成されている色とは関係のない所定の電流で駆動される。LEDは周期Tを有するサイクルタイムでパルス状に駆動される。各周期において、各々のLEDは、光源10によって生成される光の色に依存する時間tの間オンになる。
【0008】
以下の説明を簡単にするために、比t/Tをデューティファクタと呼ぶことにする。周期Tが十分に小さい場合には、原理的には、人間によって観察される各LEDからの光の輝度はそのLEDについてのtに比例する。残念ながら、LEDは瞬時にはオン、オフせず、どのLEDからの光出力もデューティファクタの関数となりうる。LEDの動作温度はデューティファクタの増加とともに上昇するからである。しかしながら、所望の出力色と3つのLEDに適用されるデューティファクタとの間には一定の関係がある。この関係は、実際に生成される光を測定し、サーボループを使用してデューティファクタを調整することによって連続的に決定される。
【0009】
ここで図1を再度参照すると、光源10は、LEDから出た光の一部を受光する3つの光検出器16−18を備える。これらの光検出器は、各フィルタの応答を、対応する1つのLEDによって生成される波長帯に制限する色フィルタを備える。各光検出器は、対応する光検出器からの信号をローパス(低域)フィルタに整合させる対応するインターフェース回路を備える。光検出器16−18に対応するインターフェース回路は、それぞれ、13−15として図示されている。例示的なローパスフィルタは19で示されている。ローパスフィルタの各々は抵抗20とコンデンサ21から構成される。抵抗とコンデンサの値は、ローパスフィルタの出力が3つの波長帯の各々における光の輝度を表すDCレベルとなるように、オンサイクルとオフサイクルを平均化するように選択される。ローパスフィルタの出力は、ADC22を使用してディジタル化されて、減算回路23におけるレジスタスタック24に格納された目標値と比較される。減算回路23は、ローパスフィルタの出力と目標値との差に関連する信号を生成する。目標値は、所望の出力色に対応する3つの輝度を表す。測定された輝度と目標輝度との差は3つの誤差信号を提供する。これらの3つの誤差信号は、測定された出力が目標値に一致するまで3つの対応するデューディファクタを調整するためにフィードバックコントローラ25によって使用される。
【0010】
所定の波長帯における光を放射するLEDを提供するための2つの方法がある。第1の方法では、LEDは、各LEDの自然の(すなわち本来の)放射スペクトルが所望の波長で生じるように作製される。所望の波長を提供するために、異なる材料系がしばしば必要となる。したがって、青色LEDは赤色LEDとは異なる材料系で作製される。ほかの色のLEDについても同様である。上述したように、LEDが異なると、経年変化特性がかなり異なる。さらに、各LEDによって放出されるスペクトルはそのLEDの特性に応じて温度と共に変わる。したがって、複数の異なるLEDから構成された複合光源は、LEDの経年変化と共に色と輝度の両方においてずれを生じるようになる。
【0011】
LEDを提供するための第2の方法は、燐光変換を利用して本来のLED放射スペクトルを所望のスペクトルに変換する。図2に、本発明の1実施形態による光源50を示す。光源50は基板55に取り付けられた4つの同一のLED51−54を利用する。各LEDは、対応する燐光体層によって覆われている。LED51−54に対応する燐光体層は、それぞれ、61−64として図示されている。各燐光体層は、対応するLEDによって生成された自然(本来)の光を異なる色の光に変換する。より詳細に後述するように、4つの異なる色を利用して光源50により生成可能な色域を改善する。
【0012】
本発明の1実施形態では、可溶性の蛍光色素(蛍光染料)が色変換のために使用される。470nm域の青色光によって励起することが可能な蛍光色素はフロリダ州のフォートローダーデール(Fort Lauderdale)のLambdaPhysik社から入手可能である。たとえば、クマリン6(Coumarin 6)は青色光を緑に変換し、Fluorol7GAは、青色光を黄緑色光に変換し、Rhodamine(ローダミン)110は、青色光を黄色光に変換し、Pyridine(ピリジン)は、青色光を赤に変換する。他の燐光体が、マサチューセッツ州ダンバーズ(Danvers)のOsram Sylvania社、及び、オレゴン州ユージーン(Eugene)のMolecular Probes社から入手可能である。いくつかの色素を複数の層で使用して、1つの色素で達成可能なカラーシフト(色ずれ)よりも大きなカラーシフトを達成することができる。そのような構成では、色は各層において小さな量だけ上側にずれる(すなわち、シフトする)ので、任意の1つの色素の色間のシフトが小さくても、全体のシフトはかなり大きなものになりうる。これらの色素に基づく燐光体変換LED源については、同時係属中の米国特許出願第11/025,450号に詳細に記載されており、当該出願の内容を参照により本明細書に組み込むものとする。
【0013】
上述したように、それぞれの色用に利用されるLEDは、ほぼ同じ経年変化及び温度特性を有するように選択される。したがって、LED51−54は、同じ材料系で構成され、さらに、好ましくは、同じ製造バッチ(すなわち、同じ製造処理工程または同じ製造ロット)で構成される。LEDの経年変化及び温度特性は各種の層の不純物準位に依存する。これらの準位(レベル)は、良好に制御された製造ラインにおいてもバッチ毎に変わる。しかしながら、ある特定の範囲のウェーハ、及び通常はある特定の範囲のバッチでは、その準位はほぼ一定である。したがって、本発明は、好ましくは同じウェーハで作製され、または、少なくとも同じ製造バッチで作製されたLEDを使用する。
【0014】
LEDからの光のいくらかは発光変換材料によって変換されない場合があることに留意されたい。変換されない光は光源の出力スペクトルに悪影響を与える場合があり、それゆえ、そのような場合には、この変換されない光が光源から出るのを阻止するフィルタを設けることが有利である。この望ましくない光を阻止するための1つの方法は、燐光体材料と観察者(または検出器)の間にLEDからの本来の放射を遮るフィルタを設けることである。そのようなフィルタは65−68として図2に示されている。しかしながら、1つのフィルタを光源全体の上に配置することが可能であることは明らかであろう。それらのLEDは同じ波長の光、または、ほぼ同じ波長の光を放射するので、1つの帯域阻止フィルタを全てのLEDに対して使用することができる。
【0015】
図2に示す実施形態は特定の構成の光変換層を利用するが、本発明はこの構成の層に限定されないことに留意されたい。当該技術分野において既知の様々な層構成がある。たとえば、ダイを囲む薄い層が使用される。ダイを封入し、レフレクタカップ(reflector cup)を充填する厚い層も知られている。
【0016】
図3には、本発明の1実施形態による光源70が示されている。光源70は燐光体変換LED源71−74を備える。各LED源は、コントローラ86によって供給される制御信号により決定される電流を供給する定電流源によって駆動される。LED源71−74に対応する電流源は、それぞれ、81−84として示されている。生成される最終的な色がコントローラ86に入力されると、コントローラ86はその色を提供するために電流源からの電流を設定する。LED源71−74におけるLEDは同じなので、それらのLED源は同じ速さで経年変化し、したがって、光源の輝度が時間とともに弱くなるに過ぎず、色はほぼ一定のままであろう。フォトダイオード88とオペアンプ89から構成される光検出器87を光源に含めて、LED源71−74によって生成された光の輝度をモニタすることができる。そのようなシステムでは、コントローラ86は、各LEDに流れる電流を比例的に増やして、輝度を所望のレベルに維持する。この制御方式は、各色のLEDの数とは関係ないことに留意されたい。なぜなら、オプションの光検出器が含まれる場合でも、コントローラは、LED源の集合からの全光出力をモニタするだけでよいからである。
【0017】
コントローラ86は、経年変化に伴う色ずれを補償する必要はないので、工場で光源を較正して、較正曲線をコントローラ86内の不揮発性メモリに格納することができる。較正が行われると、1931 CIE色基準のようなある所定の標準的カラースキームにおける色の仕様が与えられれば、コントローラ86は、4つのLED源の色域内の任意の色を生成することができる。
【0018】
上述したように、本発明による光源は、好ましくは、4つの異なる色を発する光源を利用して色空間のカバー範囲を改善する。4色に基づく色生成方式は当該技術分野において既知なので、所望の色を4つの成分色に変換することについては詳述しない。少なくとも4色が好ましいが、より少ないかまたはより多くの色を有する光源を、本発明の教示から逸脱することなく構成することができる。たとえば、人間には白に見える光源を構成する場合には、青色光源と黄色光源からなる2色光源を利用することができる。
【0019】
上述した本発明の実施形態は可溶性の燐光体を使用するが、本発明の教示から逸脱することなく他の形態の燐光体を使用することができる。たとえば、第1の波長の光を放射するLEDからの光を第2の波長の光に変換するための無機燐光体層が当該技術分野において周知である。これらの材料からなる燐光体層は、典型的には、透明なエポキシなどのキャリアに燐光体材料の粒子を懸濁させることによって作成される。この場合、エポキシは、LEDダイを覆うために使用される。ダイを覆った後、未硬化状態のエポキシを熱や光にさらすことによって硬化させる。
【0020】
上述した本発明の実施形態は、LEDからの光を最終的な色に変換するために燐光体を使用するが、任意の発光変換材料を使用することができる。たとえば、量子ドット燐光体(quantum dot phosphor)やナノ燐光体(nano-phosphor)を光変換のために使用することができる。ここでは、発光変換材料は、ある波長の光を別の波長の光に変換する任意の材料である。これらの材料には、LED光からのより長い波長の光を生成する従来の燐光体だけでなく、より短い波長の光を生成する非線形光学材料も含まれる。
【0021】
上述したように、本発明の好適な実施形態では、LEDは可能な限り同一に近いものである。すなわち、LEDは1つの製造ラインにおける同じウェーハのバッチ(ロット)から得られたものである。しかしながら、本発明は、LED同士がわずかに異なっている場合にも重大な利点をもたらす。たとえば、LEDを、製造ラインは異なるが同じ材料系から作製することができる。この場合、LEDは、それらの出力波長に少しの差異を生ずるであろう。しかしながら、そのようなLEDは、異なる材料系で作製されたLEDよりも依然として互いにより類似した経年変化特性を有するであろう。
【0022】
当業者には、以上の説明及び添付図面から本発明に対する種々の変更が明らかになるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきものである。
【0023】
以下に、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
1.第1及び第2のコンポーネント光源とコントローラ(86)を備える光源(50)であって、
前記第1のコンポーネント光源は、第1の波長の光を放射する第1のLED(51)と、前記第1の波長の光を第1の出力波長の光に変換する第1の発光変換層(61)からなり、前記第2のコンポーネント光源は、第2の波長の光を放射する第2のLED(52)と、前記第2の波長の光を第2の出力波長の光に変換する第2の発光変換層(62)からなり、前記第1の出力波長は前記第2の出力波長とは異なり、前記第1及び第2のLED(51、52)は同じ材料系から作製され、
前記コントローラは、前記第1のLED(51)と第2のLED(52)の各々に所定の量の光を生成させ、この光により、所定の色として認識される、前記光源(50)による生成光がもたらされることからなる、光源。
2.前記第1及び第2の発光変換層(61、62)は可溶性の発光変換材料からなる、上項1の光源。
3.前記発光変換材料は有機燐光体からなる、上項2の光源。
4.前記第1及び第2の発光変換層(61、62)は発光変換材料の粒子からなる、上項1の光源。
5.前記発光変換材料は無機発光変換材料からなる、上項4の光源。
6.前記第1の光変換層によって変換されない前記第1の波長の光が、前記光源から到来するのを阻止するためのフィルタ(65)をさらに備える、上項1の光源。
7.前記第1及び第2のLED(51、52)が製造ライン上の同じロットをなすウェーハから作製される、上項1の光源。
8.前記第1及び第2のLED(51、52)が同じウェーハにおいて作製される、上項1の光源。
9.前記第1及び第2のLED(51、52)によって生成される光の輝度を測定する光検出器(88)をさらに備え、前記コントローラ(86)は、前記第1及び第2のLED(51、52)を流れる前記電流を調整して、前記測定された輝度を所定の値に維持する、上項1の光源。
10.第3のコンポーネント光源をさらに備え、前記第3のコンポーネント光源は、第3の波長の光を放射する第3のLED(53)と、前記第3の波長の光を、前記第1及び第2の出力波長とは異なる第3の出力波長の光に変換する第3の発光変換層(63)とを備え、前記第3のLED(53)は、前記第1及び第2のLED(51、52)と同じ材料系で作製される、上項1の光源。
11.第4のコンポーネント光源をさらに備え、前記第4のコンポーネント光源は、第4の波長の光を放射する第4のLED(54)と、前記第4の波長の光を、前記第1、第2及び第3の出力波長とは異なる第4の出力波長の光に変換する第4の発光変換材料層(64)とを備え、前記第4のLED(54)は、前記第1及び第2のLED(51、52)と同じ材料系で作製される、上項10の光源。
【0024】
本発明は、第1及び第2の燐光体変換コンポーネント光源を有する光源に関する。第1のコンポーネント光源は、第1の波長の光を放射する第1のLED(51)と、第1の波長の光を第1の出力波長の光に変換する第1の発光変換材料層を備え、第2のコンポーネント光源は、第2の波長の光を放射する第2のLED(52)と、第2の波長の光を、第1の出力波長とは異なる第2の出力波長の光に変換する第2の発光変換材料層を備える。第1のLED(51)と第2のLED(52)は同じ材料系で作製され、好ましくは、製造ライン上の同じバッチのウェーハで作製される。コントローラ(86)は、第1及び第2のLED(51,52)の各々に流れる電流を生成して、所定の色として認識される光源(50)生成光を生じさせる。
【符号の説明】
【0025】
50、70 光源
51−54 LED
61−64 燐光体層
65−68 フィルタ
71−74 LED光源
81−84 電流源
86 コントローラ
87 光検出器(フォトデテクタ)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のコンポーネント光源とコントローラを備える光源であって、
前記第1のコンポーネント光源は、第1の波長の光を放射する第1のLEDと、前記第1の波長の光を第1の出力波長の光に変換する第1の発光変換層からなり、前記第2のコンポーネント光源は、第2の波長の光を放射する第2のLEDと、前記第2の波長の光を第2の出力波長の光に変換する第2の発光変換層からなり、前記第1の出力波長は前記第2の出力波長とは異なり、前記第1及び第2のLEDは同じ材料系から作製され、
前記コントローラは、前記第1のLEDと第2のLEDの各々に多量の光を生成させ、この光により、所定の色として認識される、前記光源による生成光がもたらされることからなる、光源。
【請求項2】
前記第1及び第2の発光変換層は可溶性の発光変換材料からなる、請求項1の光源。
【請求項3】
前記発光変換材料は有機燐光体からなる、請求項2の光源。
【請求項4】
前記第1及び第2の発光変換層は発光変換材料の粒子からなる、請求項1の光源。
【請求項5】
前記発光変換材料は無機発光変換材料からなる、請求項4の光源。
【請求項6】
前記第1の光変換層によって変換されない前記第1の波長の光が、前記光源から出てくるのを阻止するためのフィルタをさらに備える、請求項1の光源。
【請求項7】
前記第1及び第2のLEDが製造ライン上の同じバッチをなすウェーハから作製される、請求項1の光源。
【請求項8】
前記第1及び第2のLEDが同じウェーハにおいて作製される、請求項1の光源。
【請求項9】
前記第1及び第2のLEDによって生成される光の輝度を測定する光検出器をさらに備え、前記コントローラは、前記第1及び第2のLEDを流れる前記電流を調整して、前記測定された輝度を所定の値に維持する、請求項1の光源。
【請求項10】
第3のコンポーネント光源をさらに備え、前記第3のコンポーネント光源は、第3の波長の光を放射する第3のLEDと、前記第3の波長の光を、前記第1及び第2の出力波長とは異なる第3の出力波長の光に変換する第3の発光変換層とを備え、前記第3のLEDは、前記第1及び第2のLEDと同じ材料系で作製される、請求項1の光源。
【請求項11】
第4のコンポーネント光源をさらに備え、前記第4のコンポーネント光源は、第4の波長の光を放射する第4のLEDと、前記第4の波長の光を、前記第1、第2及び第3の出力波長とは異なる第4の出力波長の光に変換する第4の発光変換材料層とを備え、前記第4のLEDは、前記第1及び第2のLEDと同じ材料系で作製される、請求項10の光源。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−248898(P2012−248898A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204920(P2012−204920)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【分割の表示】特願2006−142449(P2006−142449)の分割
【原出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(506076606)アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (129)
【Fターム(参考)】