説明

燐光性ドープがされた混合層構造を有する、非常に安定で効率的な有機発光素子

【課題】高い素子効率を有する、非常に安定な有機発光素子を提供する。
【解決手段】燐光性ドープがされた混合層構造を有する、非常に安定で効率的な有機発光素子は、陽極層と、その陽極上の正孔注入層、有機低分子正孔輸送物質、有機低分子電子輸送物質、及び、燐光性ドーパントを含有する、正孔注入層上の混合層と、その混合層上の陰極とを含む。電子輸送層が、混合層と陰極層との間に存在していてもよく、また正孔輸送層が、正孔注入層と混合層との間に存在していてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、エレクトロルミネセンス素子に関するものであり、より詳細には高い安定性及び効率のために、燐光性ドープされた混合層構造を利用する、エレクトロルミネセンス素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(背景)
電流によって励起させられると光を放出する薄いフィルム物質を使用する、有機発光素子(OLED)は、フラットパネルディスプレイ技術のますます一般的な形体になることが期待されている。これは、OLEDが、携帯電話、個人用デジタル補助装置(PDA)、コンピューターディスプレイ、乗り物の情報ディスプレイ、テレビモニター、及び、光源等の、非常に様々な可能性のある用途を有するためである。それらの色が明るく、視野角が広く、フルモーションビデオに適合性があり、温度範囲が広く、薄く快適な形態という因子をもち、電力要求が低く、並びに、低コストの製造方法の可能性があるので、OLEDは、陰極線管(CRT)及び、増大しつつある年400億ドルの電子ディスプレイ市場に現在優位を占めている液晶ディスプレイ(LCD)の代わりに、将来の代替技術と見られている。それらの発光効率が高いので、電気燐光性OLEDは、或るタイプの用途では、白熱灯、ことによると蛍光灯さえも置き換える可能性があると見られている。
【0003】
これらの素子に企図されているOLED構造には、現在3つの有力なタイプがある:「二重ヘテロ構造(double heterostructure)」(DH)OLED、「単一ヘテロ構造(single heterostructure)」(SH)OLED、及び、単一層ポリマーOLEDである。DH OLEDにおいては、図1Aに示される通り、基板10は、電極層11によってコーティングされており、それは陽極層であるのが典型的である。薄い(典型的には100〜500Å)有機正孔輸送層(HTL)12が、陽極11上に堆積されている。HTL12の表面上に、薄い(典型的には50〜500Å)発光層(EL)13が堆積されている。EL13は、薄い(典型的には100〜500Å)電子輸送層(ETL)14から注入される電子に対して、HTL12からの正孔との再結合部位を提供している。先行技術のETL、EL及びHTL材料の例は、米国特許第5294870号明細書に開示されており、その開示は参照により本明細書中に援用する。この様なヘテロ構造は、HTL/ETLの界面でヘテロ接合を有するとして特徴付けられる。
【0004】
図1Aに示される素子は、金属接触子15、16及び陰極層であるのが典型的である電極層17の堆積によって作られている。接触子15及び16は、インジウム又はTi/Pt/Auから製造されるのが典型的である。電極17は、有機ETL14に直接接触するMg/Ag等の合金17’と、そのMg/Ag上の金(Au)又は銀(Ag)等の不透明で、高い仕事関数の金属層17”とからなる二重層構造を有する陰極であることが多い。LiF/Al陰極もまた使用され得る。適当なバイアス電圧が、一番上の電極17と接触子15及び16との間に印加されると、発光が例えば基板10を通して発光層13から生じる。
【0005】
図1Bに示される通り、SH OLEDは、EL及びHTLの両方として働く多機能層12、又は、EL及びETLの両方として働く多機能層13’を使用する。図1Bの素子の1つの要求は、多機能層12又は13’がそれぞれ優れた正孔又は電子輸送能力を有していなくてはならないことである。さもなければ、別個のEL層が、図1Aの素子で示されるように含まれるべきである。
【0006】
単一及び二重ヘテロ構造は、1又はそれ以上のポリマー層を含んでいてもよいが、この様なヘテロ構造は、有機小分子物質と通常呼ばれるものからなる薄いフィルムのみからなるのが典型的である。この様な有機小分子物質は、簡略に、非ポリマー物質として、ポリマー物質から区別され得る。
【0007】
小分子物質のみからなる2又はそれ以上の薄いフィルムから構成されるのが典型的であるヘテロ構造と対照的に、エレクトロルミネセンスポリマーフィルムは、単一の有機層を有するOLED中に組み込まれるのが典型的であり得る。単一層のポリマーOLEDは、図1Cに示されている。そこに示される通り、この素子は、陽極層3でコーティングされた基板1を含む。スピンコーティングされたポリマーからなる薄い有機層5は、例えば、陽極層3上に形成され、前述の素子のHTL、ETL及びEL層の機能の全てを具備する。金属電極層6は、有機層5の上に形成される。この金属は、Mg又はその他の従来から使用されている低い仕事関数の金属であるのが典型的である。
【0008】
OLEDからの発光は、蛍光又は燐光によるのが典型的である。本明細書中で使用される通り、用語「燐光」は、有機分子の三重項励起状態からの発光を指す。燐光を上手く利用することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子に大きな展望をもたらす。例えば、燐光の利点は、一重項又は三重項励起状態のいずれかとして形成される全ての励起子(これはEL中で正孔及び電子の再結合によって形成される)が、発光に関与し得るということである。これは、有機分子の最も低い一重項励起状態が、最も低い三重項励起状態よりも僅かに高いエネルギーであるのが典型的であるためである。
【0009】
このことは、典型的な燐光性の有機金属化合物では、最も低い一重項励起状態が最も低い三重項励起状態まで速やかに減衰して、後者から燐光が生じうることを意味する。対照的に、蛍光素子中の励起子の非常に少ない割合(約25%)しか、一重項状態から得られる蛍光発光を生じさせることができない。有機分子の最も低い三重項励起状態中に生成された蛍光素子中の残りの励起子は、エネルギー的に好ましくない、より高い一重項励起状態(そこから蛍光が生じさせられる)に、変換されることができないのが通常である。従って、このエネルギーは、素子を加熱する傾向だけの無放射減衰プロセスへと失われることとなる。
【0010】
結果として、燐光性物質が非常に効率的なOLED中で発光物質として使用され得るという発見以来、更により効率的な電気燐光性物質及びこの様な物質を含む更に効率的なOLED構造を見出すことに、現在、多くの興味がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5703436号明細書
【特許文献2】米国特許第6097147号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】M. A. Baldoら、395、Nature 151〜154(1998年)
【非特許文献2】D. F. O’Brienら、74:3 Applied Physics Letters、442〜444(1999年)
【非特許文献3】M. A. Baldoら、75:3 Applied Physics Letters、4〜6(1999年)
【非特許文献4】M. A. Baldoら、60:20 14 Physical Review B、422〜428(1999年)
【非特許文献5】C. Adachiら、77:6 Applied Physics Letters、904〜906(2000年)
【非特許文献6】Raymond C. Kwongら、2000:11 Advanced Materials 、1134〜1138
【非特許文献7】Raymond C. Kwongら、1999:11 Chemistry of Materials、3709〜3713
【非特許文献8】Peter I. Djyurovichら、2000:41(1)、Polymer Preprints、770
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の利点は、高い素子効率を有する、非常に安定な有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要約)
本発明は、燐光性ドープがされた混合層構造を有する発光素子を包含する。これらの発光素子は、基板;陽極(アノード)層;前記陽極層上の正孔注入層;前記正孔注入層上の混合層(この混合層は、正孔輸送物質及び電子輸送物質を含有し、かつ燐光性物質でドープされている);並びに、前記の燐光性ドープがされている混合層上の、陰極(カソード)層、を含む。
【0015】
本発明の素子に使用される混合層は発光層として働き、この混合層中の正孔輸送物質及び電子輸送物質は、燐光性ドーパントのホスト物質として機能する。この混合層は、ヘテロ構造の素子のヘテロ接合界面に通常存在する電荷の蓄積を実質的に低下させるのに役立ち、それによって有機物質の分解を減らし、素子の安定性及び効率を高める。本発明の混合層を有するこの様なOLEDは、ある程度まで、即ちそれらが、ヘテロ構造素子に典型的である、より強く帯電したヘテロ接合界面を有しない範囲で、「単一層」素子と考えることができる。
【0016】
殆どの正孔は発光層内の電子と再結合するが、過剰な正孔は陰極に移動して中和される可能性がある。このことは、時々、正孔消滅(hole quenching)と呼ばれ得る。この中和、すなわち正孔の消滅を防止又は減少させるために、追加の電子輸送層を、混合層と陰極との間に備えることができる。この電子輸送層は、陰極への過剰な正孔の移動を阻止し、それによって混合層中に正孔を保持して、素子の安定性及び効率を高める役割を果たす。それはまた、発光層中に励起子を閉じ込めるための励起子阻止層としての役割も果たす。
【0017】
反対方向、即ち正孔注入層中への励起子の損失を減少させるために、正孔輸送層を、混合層と正孔注入層との間に存在させてもよい。
【0018】
本発明の利点は、高い素子効率を有する、非常に安定な有機発光素子を提供することである。
【0019】
本明細書中で使用される通り、下記の句及び用語は、下記の意味を有する:
「Alq」は、トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムを指す。
「陽極」は、OLEDに正孔を注入するための、正に帯電された電極を指す。
「BTPIr」は、ビス(2−(2’−ベンゾ[4,5−a]チエニル)ピリジナート−N,C’)イリジウム(III)アセチルアセトネートを指す。
「陰極」は、OLEDに電子を注入する、負に帯電された電極を指す。
「CBP」は、4,4’−N,N’−カルバゾールビフェニルを指す。
「CuPc」は、銅フタロシアニンを指す。
「EL」は、「発光層」を指し、正孔と電子が再結合して励起子を生じさせる層であり、それは発光し得るか、又は、適当なバイアス電圧が素子を横切って印加された場合、発光するドーパント分子にそれらのエネルギーを移動させ得る。
「電子輸送物質」は、電荷輸送が主に電子輸送である、電荷担体物質を指す。
「ETL」は、「電子輸送層」を指し、それは唯一のタイプの電荷担体ホスト物質として電子輸送物質を含む層である。
【0020】
「ヘテロ接合素子」は、HTL/ETL界面が存在する、典型的な単一へテロ構造又は二重へテロ構造のOLEDを指す。
「HTL」は、「正孔注入層」を指し、それは陽極の正孔注入効率を高めるための正孔注入物質を含む。
「正孔輸送物質」は、電荷輸送が主に正孔輸送である、電荷担体物質を指す。
「HTL」は、「正孔輸送層」を指し、それは唯一のタイプの電荷担体ホスト物質として正孔輸送物質を含む層である。
「混合層」は、正孔輸送物質及び電子輸送物質を含む層を指す。
「NPD」は、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−アルファ−ナフチルベンジジンを指す。
「PtOEP」は、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン 白金IIを指す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】先行技術による典型的な有機二重ヘテロ構造の発光素子の断面図である。
【図1B】先行技術による典型的な有機単一ヘテロ構造の発光素子の断面図である。
【図1C】先行技術による典型的な単一層ポリマーOLED構造の断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様の断面図である。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施態様の断面図である。
【図4】図4は、(1)混合層構造を有さないOLED、及び、(2)混合層と陰極との間にETLを有するOLEDに対して、本発明の実施態様による混合層構造を有するOLEDの、時間の関数としての輝度を比較するものである。
【図5】図5は、混合層と陽極との間にHTLを、また混合層と陰極との間にETLを有する、本発明の別の実施態様による混合層構造を有するOLEDの、時間の関数としての輝度を比較するものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(発明の詳細な説明)
本発明は、燐光性ドープがされた混合層構造を有する、発光素子を包含する。燐光性ドープがされた混合層構造を有するこれらの発光素子は、実質的に透明な陽極;前記陽極上の正孔注入層;前記正孔注入層上の混合層(この混合層は、有機小分子正孔輸送物質及び有機小分子電子輸送物質を含有し、かつ燐光性物質でドープされている);並びに、前記の燐光性ドープがされている混合層上の陰極を含む。本発明の素子で使用される燐光性ドープがされている混合層構造により、高い素子効率を有する、非常に安定な素子が提供される。
【0023】
本発明の素子に使用される混合層は、素子の安定性及び効率の両方を高める。混合層はまた、発光層でもあり、有機小分子正孔輸送物質及び有機小分子電子輸送物質を、燐光性ドーパント用のホスト物質として含有する。HTL/ETL界面を形成する別々のHTL及びETLを使用するヘテロ接合素子とは異なり、本発明の混合層は、HTL/ETL界面をその中に含有しない。従って、HTL/ETL界面に通常存在して、素子性能に悪影響を及ぼす有機物質の分解を導くおそれのある電荷の蓄積が、本発明による混合層構造によって実質的に低減される。
【0024】
電荷の蓄積のこの低減は、例えば、2つの方法で成し遂げられ得る。まず第一に、混合層構造により、混合層と、この混合層と陰極との間にある隣接する電子輸送層との間に、有機小分子電子輸送物質の連続的な組成がもたらされる。電子は混合層に移動し、そこで正孔との再結合が生じ、その結果、混合層/ETL界面での電子の蓄積が実質的に低減できる。第二に、混合層構造により、ヘテロ接合素子中に存在する純粋なHTLと比較して、混合層中での低下した正孔移動度がもたらされうる。混合層中のこの低下した正孔移動度が、混合層/ETL界面での正孔の低い濃度をもたらし、その結果、標準的なヘテロ接合HTL/ETL界面と比較して、混合層/ETL界面での正孔の蓄積が実質的に低減される。
【0025】
混合層と陰極との間に存在し得る、本発明の燐光性ドープがされた混合層構造のETLはまた、励起子及び/又は正孔阻止層として機能することによって、素子性能をも向上させ得る。OLEDの電極へのあまりにも近くまでの電荷キャリアの移動は、OLEDの効率を顕著に低下させ、また有機正孔輸送物質中の正孔移動度は、通常、有機電子輸送物質中の電子移動度よりも高い。それ故に、OLEDにおいて、正孔がはるばる陰極まで移動するのを抑制することが重要である。本発明の混合層構造において、混合層と陰極との間に位置するETLは、正孔が陰極へ移動するのを抑制し、それ故に高い素子効率がもたらされる。
【0026】
加えて、ETLは、励起子阻止層としても機能し得る。OLED中の励起子阻止層として使用される物質は、ある励起子エネルギーを有する物質として定義され、その励起子エネルギーは、基底状態の励起子中の電子と正孔とのエネルギー差として定義され、OLEDの発光層中で生じる励起子のエネルギーよりも大きい。基底状態の励起子中の近接した電子と正孔との間のクーロン力のために、有機物質の励起子エネルギーは、その物質の最低非占有分子軌道(LUMO)と最高占有分子軌道(HOMO)との間のエネルギー差よりも僅かに小さいのが普通である。この様な励起子エネルギーは、阻止層を通っての励起子の拡散を実質的に防止し、さらに、完成したエレクトロルミネセンス素子のターンオン電圧には最小限の影響しかもたらさない。
【0027】
従って、混合層と陰極との間のETLを含む本発明の代表的な実施態様においては、ETL中の電子輸送物質もまた、励起子阻止物質として機能し得る。
【0028】
本発明の更に他の実施態様においては、HTLが、正孔注入層と燐光性ドープがされた混合層との間に存在していてもよい。この実施態様においては、HTLは、励起子阻止物質としても機能し得る正孔輸送物質を含む。
【0029】
本発明は、燐光性ドープがされた混合層と陰極との間のETL、及び/又は、正孔注入層と燐光性ドープがされた混合層との間のHTLを有するとして、本発明の代表的な実施態様中で実証されている。この様な実施態様は、本明細書中に開示されており、これらのETL及び/又はHTL層を有しない素子と比較して、例えば、外部量子効率及び/又は輝度に関して、予期せぬほど高い性能特性を有する。
【0030】
しかしながら、本発明の全範囲は、燐光性ドープがされた混合層と陰極との間にETLをもたずに、又は、燐光性ドープがされた混合層と正孔注入層との間のHTLをもたずに、燐光性ドープがされた混合層を有するOLEDも包含することが理解されるべきである。
【0031】
加えて、本発明の全範囲は、OLEDが、倒置された配列の層、即ち、基板、陰極層、燐光性ドープがされた混合層、正孔注入層、及び、陽極層で作製されている、燐光性ドープがされた混合層を有するOLEDも包含することを理解すべきである。この様な倒置型の構造も、陰極と混合層との間のHTL層、及び/又は、正孔注入層と陽極との間のHTLを有していてもよい。
【0032】
本発明の実施態様は、図2に示されている。素子200は、基板210、陽極211、正孔注入層212、燐光性ドープがされた混合層213、電子輸送層214、及び、陰極215を有する。燐光性ドープがされた混合層213は、発光層として機能する。この燐光性ドープがされた混合層213からの発光は、陰極215と陽極211との間に電圧が印加されると生じる。素子200に使用される物質としては、それぞれの層の機能を満たす全ての適当な物質が包含される。例えば、燐光性ドープがされた混合層中の有機小分子正孔輸送物質及び有機小分子電子輸送物質は、任意選択によるETL及び/又はHTLと組み合わせて、素子を通じての、正孔及び電子の注入、並びに正孔及び電子の輸送をつり合わせるように選択され得る。以下に列挙される特定の物質は、例示の目的のためだけに提供されるものである。
【0033】
素子200は、基板210の上に作られる。基板210は、ガラス、石英、サファイア又はプラスチック等の、透明又は不透明な物質から作製され得る。基板210は、例えば、所望の構成に対して、硬質、可撓性、適合性、及び/又は成形されているものである。
【0034】
透明なOLED又はトップ発光OLED(top−emitting OLEDs)では、米国特許第5703436号明細書又は共に係属中の米国特許出願S/N08/964863号及び09/054707号に開示されている様な透明な陰極が使用され得る。透明な陰極は、光透過性を有しており、その結果OLEDは少なくとも約50%の光透過率を有する。好ましくは、透明な陰極は、OLEDが少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約85%の光透過率を有することを可能にする光透過性を有する。
【0035】
トップ発光素子は、不透明及び/又は反射性基板を有するものであり、それによって光が基板を通ってではなく、素子のトップ(頂上)からのみ生じる。基板は、通常は、素子のボトム(底)にあるものとして言及される。
【0036】
陽極211は、基板210の上に堆積される。陽極211は、例えば、ヘッドアップ用途(head−up application)におけるように、ボトム発光(bottom−emitting)又は透明な素子が所望される場合は、大きな仕事関数を有する電気伝導性物質、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)を含む。不透明又は反射性陽極を使用するトップ発光素子では、Au等の大きな仕事関数の金属を使用してもよい。
【0037】
正孔注入層(HIL)212は、陽極211の上に堆積される。HIL 212は、CuPc等の、陽極の正孔注入効率を高める物質を含む。
【0038】
光が発光する、燐光性ドープがされた混合層213は、正孔注入層212の上に堆積される。燐光性ドープがされた混合層213は、燐光性ドーパントのホスト物質として作用する有機小分子正孔輸送物質及び有機小分子電子輸送物質を含む。有機小分子正孔輸送物質、有機小分子電子輸送物質、及び、燐光性ドーパントは、混合層213を通して均一に分布させられる。有機小分子正孔輸送物質は、当該技術分野において、HTL中で使用することが知られている物質から構成でき、また有機小分子電子輸送物質は、当技術分野において、ETL中で使用することが知られている物質から構成できる。また、混合層中のドーパントは、これも当技術分野において知られている燐光性物質からなることができる。米国特許第6097147号明細書には、HTL、ETL、及び、燐光性物質の幾つかの例が開示されており、その開示は、参照により本明細書中に援用する。有機小分子正孔輸送物質、有機小分子電子輸送物質、及び、燐光性物質の適切な例は、それぞれNPD、Alq、及び、PtOEPである。
【0039】
混合層213は、代表的な実施態様において、混合層を通じて実質的に一定のHTM:ETM:PMの重量%比を有する、電子輸送物質(ETM)と正孔輸送物質(HTM)と燐光性物質(PM)との組成物を有するものとして開示しているが、代わりの実施態様においては、HTM:ETM:PMの重量%比は、一つの表面から、混合層の反対の表面まで連続的に変化してもよい。例えば、電荷を運ぶHTM:ETM重量%比は、混合層の片側で100:0重量%から、混合層の反対側では0:100重量%まで変わることができる。
【0040】
更に、濃度の変化割合も、一定である必要はない。例えば、混合層の陽極側では、混合層中の電荷担体物質は、最初の数ナノメーターでは徐々にしか変わらずに100重量%のHTMに近く、混合層の中ほどではよりいっそう急速に増加し、次に再び、素子の陰極側ではよりゆっくり変化し、そこでは混合層中の電荷担体物質は、最大100重量%のETMを含有することができる。電荷担体物質の全体の比率は、約95:5重量%のHTM:ETMから、約5:95重量%のHTM:ETMまで変わりうる。同様に、混合層中にドープされるPM(燐光物質)もまた、全体の混合層の組成の約0.1重量%ほどの少量から、最大で50重量%ほどの多さまで変えることができ、これも混合層を通して一定である必要はない。
【0041】
本発明で使用できる代表的な物質としては、M. A. Baldo等著、「有機エレクトロルミネセンス素子からの非常に効率的な燐光性発光(Highly efficient phosphorescent emission from organic electroluminescent devices)」、395、Nature 151〜154(1998年)、;D. F. O’Brien等著、「電気燐光性素子における高いエネルギー輸送(Improved energy transfer in electrophosphorescent devices)」、74:3 Applied Physics Letters、442〜444(1999年);M. A. Baldo等著、「電気燐光に基づく非常に高効率の緑色有機発光素子(Very High−efficiency green organic light−emitting devices based on electrophosphorescence)」、75:3 Applied Physics Letters、4〜6(1999年);M. A. Baldo等著、「半導体有機薄膜における励起子の一重項−三重項比(Excitonic singlet−triplet ratio in a semiconducting organic thin film)」、60:20 14 Physical Review B、422〜428(1999年);C. Adachi等著、「電子輸送物質にトリス(2−フェニルピリジンがドープされた高効率の有機燐光性素子(High−efficiency organic phosphorescent devices with tris(2−phenylpiridine doped into electron−transporting material))、77:6 Applied Physics Letters、904〜906(2000年);Raymond C. Kwong等著、「燐光性ホスト及び染料に基づく有機発光素子(Organic Light Emitting Devices Based on Phosphorescent Hosts and Dyes)」、2000:11 Advanced Materials 、1134〜1138;Raymond C. Kwong等著、「燐光性白金(II)ポルフィリンに基づく、効率的な飽和度に達した赤色有機発光素子(Efficient, Saturated Red Organic Light Emitting Devices Based on Phosphorescent Platinum(II) Porphyrins)」、1999:11 Chemistry of Materials、3709〜3713;Peter I. Djyurovich等著、「重合体混合物及び有機LEDsに於ける効率的な燐光性エミッターとしてのイリジウム(III)環状金属化錯体(Ir(III) cyclmetallated complexes as efficient phosphorescent emitters in polymer blend and organic LEDs)」、2000:41(1)、Polymer Preprints、770に開示されるもの等が挙げられる。
【0042】
ETL214は、燐光性ドープがされた混合層213上に堆積される。上で議論した通り、ETLに使用される物質は当技術分野において公知であり、ETL214は、Alq等の物質を含み、それが発光層に電子を供給し、その結果、正孔との再結合が生じる。ETLは、正孔が陰極に移動するのを抑制し、それによって、電子との再結合のために、燐光性ドープがされた混合層内に正孔を保持するので、ETLは、改善された素子効率をもたらす。
【0043】
陰極215は、ETL214の上に堆積される。陰極215は、例えば、MgAg、ITO、LiF/Al、Ag又はAu等から構成できる。
【0044】
任意の上に列挙した層及び物質のための堆積技術は、当技術分野においてよく知られている。例えば、OLED層(即ち、HIL、混合層及びETL層)を堆積する代表的な方法は、熱蒸発(又はポリマーLEDを用いる場合にはスピンコーティング)によるものであり;金属層を堆積させる代表的な方法は、熱又は電子ビーム蒸発によるものであり;かつ、インジウム錫酸化物を堆積させる代表的な方法は、電子ビーム蒸発又はスパッタリングによるものである。
【0045】
本発明は、安定で、効率的で、高輝度で、単色性、多色性、又は、フルカラーの、任意の大きさのフラットパネルディスプレイを提供するために用いることができる。この様なディスプレイ上で作られる画像は、個々のOLEDの大きさに依存する任意の解像度の、フルカラーのテキスト又はイラストレーションであることができる。それ故に、本発明のディスプレイデバイスは、広告掲示板及び標示板、コンピューターのモニター、並びに、電話機等の遠距離通信機器、テレビ、大面積壁スクリーン、劇場スクリーン及びスタジアムスクリーンを含めた非常に様々な用途に適している。本明細書中に記載された構造は、例えば、発光デバイス中の多数の画素中に、又は、単一画素デバイスの一部として含まれる。その上、本明細書中に記載された構造は、レーザーデバイスの一部として使用してもよい。
【0046】
一般的にOLEDsと比較して、かつ特に従来の無機LEDに対して、燐光をベースとするOLEDで可能な例外的に高い発光効率のために、本発明の燐光をベースとするOLEDは、照明用途の光源としても使用できる。この様な光源は、或るタイプの照明用途については、従来の白熱灯又は蛍光灯に置き換わりうる。この様な燐光をベースとするOLEDは、例えば、所望の色の照明を生み出す大きい平面の光源中で使用できる。
【0047】
本発明は、以下の非限定的な例を参照してさらに説明される。本発明の範囲に入る物質及び構造の特定の組み合わせを除いて、これらの実施例のOLEDの作製及び性能の評価に使用される一般的な方法及び物質は、当技術分野において公知である。
【0048】
〔例1〕
図3に示される通りの燐光性エレクトロルミネセンス素子300は、従来の堆積技術を使用して形成された。素子300は、ガラス基板310上に蒸着された以下の層を有していた:インジウム錫酸化物を含む陽極311、CuPcを含むHIL312、PtOEPでドープされた、NPD及びAlqを含む燐光性ドープされた混合層313、Alqを含むETL314、並びに、マグネシウム−銀合金を含む陰極315。重量%基準で、燐光性ドープがされた混合層313は、NPD46%、Alq46%、及びPtOEP8%から構成されている。
【0049】
ETL314は、燐光性ドープがされた混合層313に電子を供給するためだけではなく、燐光性ドープがされた混合層313から陰極315への正孔の移動(これは、素子の効率に悪影響を与えるであろう)を防止するために、素子300中に含めた。ETL314の正孔阻止機能は、図4中のA及びCと標識された曲線の比較によって示されている。図4の曲線Aは、素子300中に示した通りの本発明による燐光性ドープがされた混合層構造を有するOLEDの輝度を時間の関数としてプロットするものであり、それに対して図4の曲線Cは、ETLの代わりにHTL:ETL層を有するが、他の点では素子300と同一のOLEDの輝度を時間の関数としてプロットするものである。曲線Cで表される素子によって実現される輝度は、2500時間の過程に渡って、僅か約17〜15cd/mの範囲であった。対照的に、素子300によって実現される場合は、同じ電流密度である10mA/cmで、輝度は非常に大きく、上記と同じ時間に渡って約68〜63cd/mの範囲であった(曲線A)。この違いは、陰極315へ正孔が移動することを防止し、それによって、電子との再結合のために、燐光性ドープがされた混合層313内に正孔を実質的に保持したETL314によるものと考えられる。
【0050】
燐光性ドープがされた混合層313は、本発明による燐光性ドープがされた混合層構造を有するOLEDの高い安定性及び効率に寄与すると考えられる。燐光性ドープがされた混合層313は、それがその中にHTL/ETLヘテロ接合界面をもたない連続した有機組成物であるので、ヘテロ接合素子のヘテロ接合界面に通常存在する電荷の蓄積を実質的に低減させる役割を果たし、その結果有機物質の分解を低減し、また素子の安定性及び効率を高める。図4に示される通り、曲線Bは、本発明の燐光性ドープがされた混合層を含まない、典型的なヘテロ接合素子についての輝度を、時間の関数としてプロットしている。本発明の混合層素子300を表すこれらの曲線を比較すると、混合層素子300によって生み出される初期の輝度は、非混合層素子の輝度の約3倍大きい(同じ18mA/cmの電流に規格化した後で)。更には、3000時間の駆動後、顕著な効率及び安定性のおかげで、混合層素子300によって生み出されたニト-時間で表した寿命輝度(輝度×駆動時間)は、約105,000ニト-時間の寿命輝度を生み出した非混合層素子と比較して、210,000ニト-時間(10mA/cmの一定電流)だった。したがって、混合層素子の寿命輝度が、非混合層素子の約2倍高いだけではなく、これらのより高めの結果は、有利なことに約半分の電流密度で生み出された。
【実施例1】
【0051】
〔例2〕
燐光性エレクトロルミネセンス素子も、本発明の範囲に入る特定の層の組み合わせを除き、当技術分野において公知の堆積技術を使用して形成した。特に、この素子は、ガラス基板上に堆積された以下の層を有していた:インジウム錫酸化物を含む陽極;CuPcを含むHIL;NPDを含むHTL;BTPIrでドープされた、NPD及びAlqを含む燐光性ドープがされた混合層;Alqを含むETL;並びに、LiF層及びアルミニウム層を含む陰極。
【0052】
HTLは、正孔を輸送するだけではなく、発光層中に励起子を閉じ込める様に選択される。このNPD層の励起子の閉じ込め機能は、図5のA及びBと標識されている曲線の比較によって示される。図5の曲線Aは、実施例2記載した通りの燐光性ドープがされた混合層構造を有するOLEDの輝度を時間の関数としてプロットするものであり、一方、図5の曲線Bは、追加のNPD層がないOLEDの輝度を時間の関数としてプロットするものである。追加のNPD層は、励起子の消滅が生じうるCuPc層に、BTPIr励起子が到達するのを遅らせる励起子阻止層として機能する。LiFは、Al層と組み合わせて存在する場合、電子注入物質として機能する。曲線Aで表される素子によって生み出される輝度は、100時間の過程に渡って2.5mA/cmで約54〜52cd/mの範囲であったのに対して、曲線Bで表される素子によって生み出される輝度は、約1000時間の過程に渡って4.4mA/cmで約41〜38cd/mの範囲であった。初期効率は、それぞれ2cd/A及び0.9cd/Aであった。これは、上記に記載した追加のNPD層の効果であると考えられる。Bの安定性は、100時間の範囲内の駆動では僅かによくなりうるが、Aの安定性は依然として十分であった。
【0053】
本発明は、特に燐光発光のための、非常に安定で効率的なエレクトロルミネセンス素子を提供する。当業者は、本明細書中に記載し且つ説明した本発明の実施態様に対する様々な変更を認めることができる。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の思想及び範囲によってカバーされることが意味される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;
前記基板上の陽極(アノード)層;
前記陽極層上の正孔注入層;
発光層として機能し、かつ、有機小分子正孔輸送物質、有機小分子電子輸送物質、及び燐光性ドーパントを含む、前記正孔注入層上の混合層;並びに、
前記混合層上の陰極(カソード)層:
を含む有機発光素子。
【請求項2】
前記混合層と前記陰極層との間に電子輸送層を更に含む、請求項1に記載の素子。
【請求項3】
前記陽極層がインジウム錫酸化物を含む、請求項1に記載の素子。
【請求項4】
前記正孔注入層が、CuPcを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項5】
前記有機小分子正孔輸送物質がNPDを含み、かつ前記有機小分子電子輸送物質がAlqを含み、前記燐光性ドーパントがPtOEPを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項6】
前記有機小分子正孔輸送物質がNPDを含み、かつ前記有機小分子電子輸送物質がAlqを含み、前記燐光性ドーパントがBTPIrを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項7】
前記電子輸送層がAlqを含む、請求項2に記載の素子。
【請求項8】
前記陰極がマグネシウム−銀合金を含む、請求項1に記載の素子。
【請求項9】
前記陰極がLiF層及びAl層を含む、請求項1に記載の素子。
【請求項10】
前記基板が透明である、請求項1に記載の素子。
【請求項11】
前記陰極層が透明である、請求項10に記載の素子。
【請求項12】
前記基板がプラスチックを含む、請求項10に記載の素子。
【請求項13】
前記基板が可撓性プラスチックを含む、請求項10に記載の素子。
【請求項14】
前記基板が実質的に不透明であり、かつ、前記陰極層が透明である、請求項1に記載の素子。
【請求項15】
前記基板がガラスを含む、請求項10に記載の素子。
【請求項16】
コンピューター、テレビ、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、広告掲示板、標示板、乗り物、プリンター、遠距離通信機器、電話機、及び光源からなる群から選択された、請求項1に記載の素子を組み込んだ電子デバイス。
【請求項17】
基板;
インジウム錫酸化物を含む実質的に透明な陽極層;
CuPcを含む、前記陽極層上の正孔注入層;
発光層として機能し、かつ有機小分子正孔輸送物質、有機小分子電子輸送物質、及び燐光性ドーパントを含む混合層であって、前記有機小分子正孔輸送物質がNPDを含み、前記有機小分子電子輸送物質がAlqを含み、かつ、前記燐光性ドーパントがPTOEPを含む、前記正孔注入層上の混合層;
Alqを含む、前記混合層上の電子輸送層;並びに、
マグネシウム−銀合金を含む、前記電子輸送層上の陰極層:
を含む、有機発光素子。
【請求項18】
前記基板が透明である、請求項17に記載の素子。
【請求項19】
前記基板がガラスを含む、請求項17に記載の素子。
【請求項20】
前記基板がプラスチックを含む、請求項17に記載の素子。
【請求項21】
前記基板が可撓性プラスチックを含む、請求項17に記載の素子。
【請求項22】
多数の画素(ピクセル)を含む多色ディスプレイデバイスであって、前記画素の少なくとも1つが:
基板;
前記基板上の実質的に透明な陽極層;
前記陽極層上の正孔注入層;
発光層として機能し、かつ、有機小分子正孔輸送物質、有機小分子電子輸送物質、及び燐光性ドーパントを含有する、前記正孔注入層上の混合層;
前記混合層上の電子輸送層;並びに、
前記電子輸送層上の陰極層
を含むことを特徴とする多色ディスプレイデバイス。
【請求項23】
コンピューター、テレビ、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、広告掲示板、標示板、乗り物、プリンター、遠距離通信機器、電話機、及び光源からなる群から選択され、請求項22に記載のデバイスを組み込んだ電子デバイス。
【請求項24】
前記電子輸送層と前記陰極との間に電子注入物質を更に含む、請求項2に記載の素子。
【請求項25】
前記正孔注入層と前記混合層との間に励起子阻止層を更に含む、請求項24に記載の素子。
【請求項26】
前記励起子阻止層がNPDである、請求項25に記載の素子。
【請求項27】
前記電子注入物質がLiFである、請求項24に記載の素子。
【請求項28】
前記有機小分子正孔輸送物質がNPDを含み、前記有機低分子電子輸送物質がAlqを含み、且つ前記燐光性ドーパントがBTPIrを含む、請求項24に記載の素子。
【請求項29】
前記有機小分子正孔輸送物質がNPDを含み、前記有機低分子電子輸送物質がAlqを含み、且つ前記燐光性ドーパントがPtOEPを含む、請求項24に記載の素子。
【請求項30】
前記陰極層がAlを含む、請求項24に記載の素子。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−135516(P2009−135516A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−29861(P2009−29861)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願2002−549046(P2002−549046)の分割
【原出願日】平成13年12月10日(2001.12.10)
【出願人】(503055897)ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション (61)
【Fターム(参考)】